JP2005338481A - ポジ型感光性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
ところが、感光性ポリイミド前駆体組成物は、その現像工程においては、現像液としてN-メチル-2-ピロリドンなどの大量の有機溶剤を用いる必要があり、近年の環境問題の高まりなどから、脱有機溶剤対策が求められてきている。これを受け、最近になって、フォトレジストと同様に、アルカリ性水溶液で現像可能な耐熱性感光性樹脂材料の提案が各種なされている。
このポジ型感光性樹脂の現像メカニズムは、未露光部の感光性ジアゾキノン化合物がアルカリ性水溶液に不溶であるのに対し、露光することにより該感光性ジアゾキノン化合物が化学変化を起こしインデンカルボン酸化合物となってアルカリ性水溶液に可溶となることを利用したものである。この露光部と未露光部の間の現像液に対する溶解速度の差を利用し、未露光部のみのレリーフパターンの作成が可能となる。
例えば、PBO前駆体組成物を実際に使用する場合、特に問題となるのは現像時における未露光部の膜減り量である。未露光部の膜減り量が大きいと、現像後のレリーフパターンの形状が著しく悪くなり、十分な性能が得られない。そのための対策として、ベース樹脂であるPBO前駆体の分子量を大きくすると、未露光部の膜減り量を小さくすることが出来る。しかし、この場合、本来完全に現像液で溶解除去できるはずの露光部に現像残さ(スカム)が発生し、解像度が悪くなるという欠点があった。また、露光部の現像時間が長くなってしまうという問題もあった。
また、この現像後のPBO前駆体からなるレリーフパターンを加熱処理することにより、耐熱性を有するPBO樹脂からなる硬化レリーフパターンへと変換するのであるが、加えるフェノール化合物によっては、この加熱処理の途中で未硬化のPBO前駆体が流動してしまい、レリーフパターン形状が大きく変化してしまうという問題があるものもあった。
すなわち、本発明は、一般式(1)で表わされる繰り返し単位を有するヒドロキシポリアミド100質量部と、一般式(2)で表わされるフェノール化合物1〜30質量部と、感光性ジアゾキノン化合物1〜100質量部を含むことを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物を提供する。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物組成物においては、フェノール化合物が一般式(3)で表される化合物であることがより好ましい。
また、本発明は、(1)上述のポジ型感光性樹脂組成物を層またはフィルムの形で基板上に形成し、(2)マスクを介して化学線で露光するか、光線、電子線またはイオン線を直接照射し、(3)露光部または照射部を溶出または除去し、(4)得られたレリーフパターンを加熱処理することを特徴とする、硬化レリーフパターンの製造方法を提供する。
さらに、本発明は、上述の硬化レリーフパターン層を有してなる半導体装置を提供する。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物を構成する各成分について、以下具体的に説明する。
(1)ヒドロキシポリアミド
本発明のポジ型感光性樹脂組成物のベースポリマーであるヒドロキシポリアミドは、下記一般式(1)のジヒドロキシジアミド単位m個を含むポリマーである。該ジヒドロキシジアミド単位は、X1(NH2)2(OH)2の構造を有するビスアミノフェノールおよびY1(COOH)2の構造を有するジカルボン酸からなる。ここで、該ビスアミノフェノールの2組のアミノ基とヒドロキシ基はそれぞれ互いにオルト位にあるものであり、該ヒドロキシポリアミドを約300〜400℃で加熱することによって閉環して、耐熱性樹脂であるポリベンズオキサゾールに変化する。mは2〜1000の範囲が好ましく、3〜50の範囲がより好ましく、3〜20の範囲であることが最も好ましい。
これらのビスアミノフェノールのうち特に好ましいものは、X1 が下記から選ばれる芳香族基の場合である。
このうち芳香族ジアミンとしては、例えば、m-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、2,4-トリレンジアミン、3,3’-ジアミノジフェニルエーテル、3,4’-ジアミノジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、3,3’-ジアミノジフェニルスルホン、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、3,4’-ジアミノジフェニルスルホン、3,3’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’-ジアミノジフェニルケトン、4,4’-ジアミノジフェニルケトン、3,4’-ジアミノジフェニルケトン、2,2’-ビス(4-アミノフェニル)プロパン、2,2’-ビス(4-アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、4-メチル-2,4-ビス(4-アミノフェニル)-1-ペンテン、4-メチル-2,4-ビス(4-アミノフェニル)-2-ペンテン、1,4-ビス(α,α-ジメチル-4-アミノベンジル)ベンゼン、イミノ-ジ-p-フェニレンジアミン、1,5-ジアミノナフタレン、2,6-ジアミノナフタレン、4-メチル-2,4-ビス(4-アミノフェニル)ペンタン、5(または6)-アミノ-1-(4-アミノフェニル)-1,3,3-トリメチルインダン、ビス(p-アミノフェニル)ホスフィンオキシド、4,4’-ジアミノアゾベンゼン、4,4’-ジアミノジフェニル尿素、4,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]ベンゾフェノン、4,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、4,4’-ビス[4-(α,α-ジメチル-4-アミノベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノン、4,4’-ビス[4-(α,α―ジメチル-4-アミノベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン、4,4’-ジアミノビフェニル、4,4’-ジアミノベンゾフェノン、フェニルインダンジアミン、3,3’-ジメトキシ-4,4’-ジアミノビフェニル、3,3’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、o-トルイジンスルホン、2,2-ビス(4-アミノフェノキシフェニル)プロパン、ビス(4-アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(4-アミノフェノキシフェニル)スルフィド、1,4-(4-アミノフェノキシフェニル)ベンゼン、1,3-(4-アミノフェノキシフェニル)ベンゼン、9,9-ビス(4-アミノフェニル)フルオレン、4,4’-ジ-(3-アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、4,4’-ジアミノベンズアニリド等、およびこれら芳香族ジアミンの芳香核の水素原子が、塩素原子、フッ素原子、臭素原子、メチル基、メトキシ基、シアノ基、フェニル基からなる群より選ばれた少なくとも一種の基または原子によって置換された化合物が挙げられる。
また、Y1(COOH)2またはY2(COOH)2の構造を有する好ましいジカルボン酸としては、Y1、Y2が下記から選ばれた芳香族基の場合があげられる。
上記一般式(1)で示される繰り返し単位を有するヒドロキシポリアミドにおいて、その末端基を特定の有機基で封止することも本発明の範囲に含まれる。
このような封止基としては、例えば、特開平5-197153号公報に記載されているような不飽和結合を有する基が挙げられ、これらで封止した場合、加熱硬化後の塗膜の機械物性(特に伸度)や、硬化レリーフパターン形状が良好となることが期待される。このような封止基のうちの好適例としては、以下のものが挙げられる。
本発明で用いる感光性ジアゾキノン化合物は、1,2-ベンゾキノンジアジド構造あるいは1,2-ナフトキノンジアジド構造を有する化合物であり、米国特許明細書2,772,972号、第2,797,213号、第3,669,658号等により公知の物質である。好ましいものの例としては、例えば、下記のものが挙げられる。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物においては、さらに一般式(2)で表わされるフェノール化合物を含有させることが重要である。
該フェノール化合物は、一般式(3)で表されるフェノール化合物であることがより好ましい。
該フェノール化合物の添加量としては、ヒドロキシポリアミド100質量部に対して、1〜30質量部が好ましく、1〜15質量部がより好ましい。添加量が1質量部未満だと高感度化、高解像度化の効果が得られず、一方、添加量が30質量部を超えると現像時の膜減りが大きくなり実用性に欠ける。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物には、必要に応じて、従来感光性樹脂組成物の添加剤として用いられている染料、界面活性剤、安定剤、基板との密着性を高めるための接着助剤、架橋剤等を添加することも可能である。
次に、本発明のポジ型感光性樹脂組成物を基板に塗布して硬化レリーフパターンを製造する方法について、以下具体的に説明する。
第一に、本発明のポジ型感光性樹脂組成物を、例えばシリコンウエハー、セラミック基板、アルミ基板等の基板に、スピナーを用いた回転塗布やロールコーターにより塗布する。これをオーブンやホットプレートを用いて50〜140℃で乾燥して溶媒を除去する。
二番目に、マスクを介して、コンタクトアライナーやステッパーを用いて化学線による露光を行うか、光線、電子線またはイオン線を直接照射する。
三番目に、照射部を現像液で溶解除去し、引き続きリンス液によるリンスを行うことで所望のレリーフパターンを得る。現像方法としてはスプレー、パドル、ディップ、超音波等の方式が可能である。リンス液は蒸留水、脱イオン水等が使用できる。
該無機アルカリ化合物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸水素二カリウム、リン酸水素二ナトリウム、ケイ酸リチウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ホウ酸リチウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、アンモニア等が挙げられる。
さらに、必要に応じて、上記アルカリ性水溶液に、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール等の水溶性有機溶媒、界面活性剤、保存安定剤、樹脂の溶解抑止剤等を適量添加することができる。
最後に、得られたレリーフパターンを300〜400℃の温度で5〜120分程度加熱処理して、ポリベンズオキサゾール構造を有する耐熱性硬化レリーフパターンを形成することができる。
上述の製造方法によって作成した硬化レリーフパターンは、表面保護膜、層間絶縁膜、再配線用絶縁膜、フリップチップ装置用保護膜、あるいはバンプ構造を有する装置の保護膜として、公知の半導体装置の製造方法と組み合わせることで、半導体装置を製造することができる。また、多層回路の層間絶縁やフレキシブル銅張板のカバーコート、ソルダーレジスト膜や液晶配向膜等としても有用である。
<ヒドロキシポリアミドの合成>
〔参考例1〕
容量3Lのセパラブルフラスコ中で、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)-ヘキサフルオロプロパン183.1g(0.5モル)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)640.9g、ピリジン63.3g(0.8モル)を室温(25℃)で混合攪拌し、均一溶液とした。これに、4,4’-ジフェニルエーテルジカルボニルクロリド118.0g(0.4モル)をジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)354gに溶解したものを滴下ロートより滴下した。この際、セパラブルフラスコは15〜20℃の水浴で冷却した。滴下に要した時間は40分、反応液温は最大で30℃であった。
容量2Lのセパラブルフラスコ中で、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)-ヘキサフルオロプロパン197.8g(0.54mol)、ピリジン75.9g(0.96mol)、DMAc692gを室温(25℃)で混合攪拌し溶解させた。これに、別途DMDG88g中に5-ノルボルネン-2,3-ジカルボン酸無水物19.7g(0.12mol)を溶解させたものを、滴下ロートより滴下した。滴下に要した時間は40分、反応液温は最大で28℃であった。
滴下終了後、湯浴により50℃に加温し18時間撹拌したのち反応液のIRスペクトルの測定を行い1385cm-1および1772cm-1のイミド基の特性吸収が現れたことを確認した。
容量1Lのセパラブルフラスコに2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)-ヘキサフルオロプロパン109.9g(0.3mol)、テトラヒドロフラン(THF)330g、ピリジン47.5g(0.6mol)を入れ、これに室温下で5-ノルボルネン-2,3-ジカルボン酸無水物98.5g(0.6mol)を粉体のまま加えた。そのまま室温で3日間撹拌反応を行ったあと、HPLCにて反応を確認したところ、原料は全く検出されず、生成物が単一ピークとして純度99%で検出された。この反応液をそのまま1Lのイオン交換水中に撹拌下で滴下し、析出物を濾別した後、これにTHF500mLを加え撹拌溶解し、この均一溶液を陽イオン交換樹脂:アンバーリスト15(オルガノ社製)100gが充填されたガラスカラムを通し残存するピリジンを除去した。次にこの溶液を3Lのイオン交換水中に高速撹拌下で滴下することにより生成物を析出させ、これを濾別した後、真空乾燥した。
次に、該生成物65.9g(0.1mol)、1,2-ナフトキノンジアジド-4-スルホニルクロライドを53.7g(0.2mol)、アセトン560g加え、20℃で撹拌溶解した。これに、トリエチルアミン21.2g(0.21mol)をアセトン106.2gで希釈したものを、30分かけて一定速度で滴下した。この際、反応液は氷水浴などを用いて20〜30℃の範囲で温度制御した。
レゾルシノール102.4g(0.92mol)、ヘキサナール92.0g(0.92mol)をエタノール920ml中に溶解した。これを0℃に冷やし12N塩酸を148ml滴下、攪拌した。次にこの混合物を窒素雰囲気下70℃で10時間攪拌した。室温にしたのち濾過によって沈殿物を除去した。濾液を80℃の水で洗浄後乾燥し得られた固体をメタノール及びヘキサン、アセトン混合溶媒で再結晶を行った。その後真空乾燥を行い、レゾルシン環状4量体を収率50%で得た。
上記参考例1、2にて得られたヒドロキシポリアミド(P-1またはP-2)100質量部、上記参考例3、4にて得られたQ-1またはQ−2、あるいは特許文献4記載の合成例2の方法により得られたQ−3の構造を有する感光性ジアゾキノン化合物20質量部、下記式F-1ないしF-3(全て東京化成工業社製)の構造を有するフェノール化合物10質量部をGBL170質量部に溶解した後、0.2μmのフィルターで濾過して、表1に記載した実施例1〜3、及び比較例1〜3のポジ型感光性樹脂組成物を調製した。
(1)パターニング特性評価
上記ポジ型感光性樹脂組成物を大日本スクリーン製造社製スピンコーター(Dspin636)にて、5インチシリコンウエハーにスピン塗布し、ホットプレートにて130℃、180秒間プリベークを行い、膜厚10.7μmの塗膜を形成した。膜厚は大日本スクリーン製造社製膜厚測定装置(ラムダエース)にて測定した。
この塗膜に、テストパターン付きレチクルを通してi-線(365nm)の露光波長を有するニコン社製ステッパ(NSR2005i8A)を用いて露光量を段階的に変化させて露光した。これをクラリアントジャパン社製アルカリ現像液(AZ300MIFデベロッパー、2.38質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液)を用い、23℃の条件下で現像後膜厚が9.1μmとなるように現像時間を調整して現像を行い、ポジ型のレリーフパターンを形成した。ポジ型感光性樹脂組成物の感度、解像度、現像時間及び残さ除去性を表2に示した。
[感度(mJ/cm2 )]
上記現像時間において、塗膜の露光部を完全に溶解除去しうる最小露光量。
[解像度(μm)]
上記露光量での最小解像パターン寸法。
さらに、得られたレリーフパターンを縦型キュア炉(光陽リンドバーグ社製)にて、窒素雰囲気中、350度で1時間のキュア(加熱硬化処理)を施し、耐熱性被膜であるポリベンズオキサゾール(PBO)膜とした。キュアによりレリーフパターンの形状が硬化前のレリーフパターン形状からどの程度変化したかを光学顕微鏡により観察した結果も表2に示した。
Claims (4)
- 一般式(1)で表わされる繰り返し単位を有するヒドロキシポリアミド100質量部と、一般式(2)で表わされるフェノール化合物1〜30質量部と、感光性ジアゾキノン化合物1〜100質量部を含むことを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物。
- (1)請求項1あるいは2のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物を層またはフィルムの形で基板上に形成し、(2)マスクを介して化学線で露光するか、光線、電子線またはイオン線を直接照射し、(3)露光部または照射部を溶出または除去し、(4)得られたレリーフパターンを加熱処理することを特徴とする、硬化レリーフパターンの製造方法。
- 請求項3に記載の製造方法により得られる硬化レリーフパターン層を有してなる半導体装置。
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