JP2008170498A - ポジ型感光性樹脂組成物、硬化膜、保護膜、絶縁膜およびそれを用いた半導体装置、表示体装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】樹脂中のアミノフェノールの2つの芳香環がメチレンを介して結合している構造を含むポリアミド樹脂100重量部に対して、感光性ジアゾキノン化合物を1〜50重量部含むポジ型感光性樹脂組成物。
【選択図】 なし
Description
更に最近では、安全性の面からアルカリ水溶液で現像ができるポジ型感光性樹脂組成物が開発されている。例えば、特許文献1にはベース樹脂であるポリベンゾオキサゾール前駆体と感光剤であるジアゾキノン化合物より構成されるポジ型感光性樹脂組成物が開示されている。これは高い耐熱性、優れた電気特性、微細加工性を有し、ウェハーコート用のみならず絶縁用樹脂組成物としての可能性も有している。このポジ型感光性樹脂組成物の現像メカニズムは以下のようになっている。未露光部のジアゾキノン化合物はアルカリ水溶液に不溶であり、ベース樹脂と相互作用することでこれに対し耐性を持つようになる。一方、露光することによりジアゾキノン化合物は化学変化を起こし、アルカリ水溶液に可溶となり、ベース樹脂の溶解を促進させる。この露光部と未露光部との溶解性の差を利用し、露光部を溶解除去することにより未露光部のみの塗膜パターンの作成が可能となるものである。
環化率を向上させようとして、例えば、特許文献2には分子鎖を動き易くする為、エーテル結合を含むビス(アミノフェノール)を用いたポリベンゾオキサゾール前駆体樹脂が開示されているが、露光時に活性光線として利用されることが多い365nmの波長を持つ紫外線(i線)に対し樹脂の透過率が非常に低くパターン形成が難しいという問題がある。
環化率が低い硬化膜の場合、比較的化学的に不安定な未環化部分を有しているために、レジスト剥離液などの薬品耐性が低いことが問題であった。
耐熱性・機械特性を向上させるために基本骨格に共役した芳香族を有するモノマーを導入した樹脂は、その芳香環の光吸収性が高いため、パターニングに必要な紫外領域光の透過率が低く、露光部において光反応を十分に進行させることができない。結果、低感度であったり、パターン形状に不具合が発生したりするという問題があった。
一方、紫外領域光の透過率を確保するため脂肪族を有するモノマーを導入した樹脂は、バンプを搭載する際フラックスを使用してリフローを通す一般的なプロセスにおいて、先のポジ型感光性樹脂の硬化膜とフラックスが直接接することにより、しばしば皺やクラックがポジ型感光性樹脂の硬化膜に発生し、リフロー耐性が低いという問題があった。
このように、従来のポジ型感光性樹脂組成物は、環化率が高くリフロー耐性が良好である一方でi線透明性がほとんど無いといった極端な特性を有するものであり、実際に使用するには制限が多いのが実情であった。
[1]
一般式(1)で示されるポリアミド樹脂(A)100重量部に対して、感光性ジアゾキノン化合物(B)を1〜50重量部含むことを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物。
一般式(1)で示される構造を含むポリアミド樹脂中のZが、式(2)の群より選ばれてなる[1]記載のポジ型感光性樹脂組成物。
一般式(1)で示される構造を含むポリアミド樹脂中のZが、式(3)の群より選ばれてなる[1]または[2]に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
一般式(1)で示される構造を含むポリアミド樹脂中のYが、式(4)の群より選ばれてなる[1]乃至[3]のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物。
一般式(1)で示される構造を含むポリアミド樹脂中のYが、式(5)の群より選ばれてなる[1]乃至[4]のいずれか記載のポジ型感光性樹脂組成物。
一般式(1)で示される構造を含むポリアミド樹脂の365nmの透過率が15%以上である[1]乃至[5]のいずれか記載のポジ型感光性樹脂組成物。
[7]
一般式(1)で示される構造を含むポリアミド樹脂の250℃90分硬化時の環化率が60%以上である[1]乃至[6]のいずれか記載のポジ型感光性樹脂組成物。
[8]
更にフェノール化合物(C)を含むものである[1]乃至[7]のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物。
[9]
[1]乃至[8]のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物の硬化物で構成されていることを特徴とする硬化膜。
[10]
[9]に記載の硬化膜で構成されていることを特徴とする保護膜。
[11]
[9]に記載の硬化膜で構成されていることを特徴とする絶縁膜。
[12]
[9]に記載の硬化膜を有していることを特徴とする半導体装置
[13]
[9]に記載の硬化膜を有していることを特徴とする表示体装置
00重量部に対して、感光性ジアゾキノン化合物(B)を1〜50重量部含むことを特徴
とする。保護膜、絶縁膜は、上記ポジ型感光性樹脂組成物の硬化物で構成されていることを特徴とする。更に半導体装置、表示体装置は、上記保護膜、絶縁膜で構成されていることを特徴とする。以下に本発明のポジ型感光性樹脂組成物の各成分について詳細に説明する。
保存性を向上させることができる。
このような、アミノ基と反応した後のアルケニル基またはアルキニル基を少なくとも1個有する脂肪族基または環式化合物基を含む酸無水物に起因する基としては、例えば式(6)、式(7)で示される基等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上組み合わせて用いても良い。
ニル基又はアルキニル基を少なくとも1個有する脂肪族基又は環式化合物基を含むアミン誘導体を用いてアミドとしてキャップすることもできる。
にフェノール性化合物(C)を併用することができる。具体的な構造としては、例えば、式(14)〜式(20)のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない
本発明においては、これらの成分を溶剤に溶解し、ワニス状にして使用する。溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、メチル−1,3−ブチレングリコールアセテート、1,3−ブチレングリコール−3−モノメチルエーテル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メチル−3−メトキシプロピオネート等が挙げられ、単独でも混合して用いても良い。
nmの波長のものが好ましい。
半導体装置の高集積化が近年進み高精細なパターンを作製する必要があるため、ポリアミド樹脂には、露光光線として例えば365nm(i線)のようなより短波長での透過率が
必要になってきている。本発明のポリアミド樹脂は、365nmの透過率が15%以上であることが好ましく、さらに好ましくは、40%以上である。365nmの透過率が上述の範囲未満の場合、ジアゾキノン化合物が十分にアルカリ可溶性化合物に変化しないため、現像時に樹脂残りやスカムを発生させパターンを得る事ができなくなってしまう。
加熱処理は高温でも低温でも可能であり、高温での加熱処理温度は、280℃〜380℃が好ましく、より好ましくは290℃〜350℃である。低温での加熱処理温度は150℃〜280℃が好ましく、より好ましくは180℃〜260℃である。
を形成してなる保護膜、TFT素子やカラーフィルター用等の絶縁膜または平坦化膜、MVA型液晶表示装置用等の突起、有機EL素子陰極用等の隔壁等を挙げることができる。その使用方法は、半導体装置用途に準じ、表示体素子やカラーフィルターを形成した基板上にパターン化されたポジ型感光性樹脂組成物層を、上記の方法で形成することによるものである。表示体装置用途の、特に絶縁膜や平坦化膜用途では、高い透明性が要求されるが、このポジ型感光性樹脂組成物層の硬化前に、後露光工程を導入することにより、透明性に優れた樹脂層が得られることもでき、実用上更に好ましい。
<実施例1>
ポリアミド樹脂の合成
イソフタル酸とジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸をそれぞれ1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾールと反応させてジカルボン酸誘導体(活性エステル)を合成した。活性エステル化したイソフタル酸28.8g(0.072モル)と活性エステル化したジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸141.8g(0.288モル)と4,4′‐メチレンビス(2−アミノフェノール)92.1g(0.40モル)とを温度計、攪拌機、原料投入口、乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口のセパラブルフラスコに入れ、N−メチル−2−ピロリドン900gを加えて溶解させた。その後オイルバスを用いて75℃にて12時間反応させた。
次にN−メチル−2−ピロリドン250gに溶解させた4−エチニルフタル酸無水物17.2g(0.10モル)を加え、更に12時間攪拌して反応を終了した。反応混合物を濾過した後、反応混合物を水/メタノール=3/1(体積比)の溶液に投入、沈殿物を濾集し水で充分洗浄した後、真空下で乾燥し目的のポリアミド樹脂を得た。
ポリアミド樹脂3.0gをN−メチル−2−ピロリドン10.0gに溶解した樹脂を石英板にスピンコーターを用いて塗布した後、ホットプレートにて120℃で4分乾燥し、膜厚5μmの塗膜を得た。この塗膜の透過率を紫外可視分光光度計(島津製作所製)により測定した。波長365nmにおける透過率は20%であった。
フェノール式(B−1)15.82g(0.025モル)と、トリエチルアミン8.40g(0.083モル)とを温度計、攪拌機、原料投入口、乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口のセパラブルフラスコに入れ、テトラヒドロフラン135gを加えて溶解させた。この反応溶液を10℃以下に冷却した後に、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホニルクロライド22.30g(0.083モル)をテトラヒドロフラン100gと共に10℃以上にならないように徐々に滴下した。その後10℃以下で5分攪拌した後、室温で5時間攪拌して反応を終了させた。反応混合物を濾過した後、反応混合物を水/メタノール=3/1(体積比)の溶液に投入、沈殿物を濾集し水で充分洗浄した後、真空下で乾燥し、式(Q−1)の構造で示されるナフトキノンジアジドスルホン酸エステル化合物を得た。
合成したポリアミド樹脂(A)100g、式(Q−1)の構造を有するナフトキノンジアジドスルホン酸エステル化合物15gをN−メチル−2−ピロリドン200gに溶解した後、0.2μmのテフロン(登録商標)フィルターで濾過しポジ型感光性樹脂組成物を得た。
このポジ型感光性樹脂組成物をシリコンウエハー上にスピンコーターを用いて塗布した後、ホットプレートにて120℃で3分プリベークし、膜厚約7.2μmの塗膜を得た。この塗膜に凸版印刷(株)製・マスク(テストチャートNo.1:幅0.88〜50μmの残しパターン及び抜きパターンが描かれている)を通して、i線ステッパー((株)ニコン製・4425i)を用いて、露光量を変化させて照射した。
次に2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に30秒で2回パドル現像することによって露光部を溶解除去した後、純水で10秒間リンスした。その結果、パターンが成形されていることが確認できた。
上記ポジ型感光性樹脂組成物を2枚のシリコンウエハー上にスピンコーターを用いて塗布した後、ホットプレートにて120℃で4分プリベークし、それぞれ膜厚約1μmの塗膜を得た。次に塗膜付きシリコンウエハーの1枚を2%フッ酸に浸け、フィルムを得た。このフィルムを、フーリエ変換赤外分光光度計PARAGON1000(パーキンエルマー製)を用いて測定し、1650cm−1のアミド基と1490cm−1の全芳香族に伴うピークの比(A)を算出した。次にオーブンを用いて、もう一枚の塗膜付きシリコンウエハーを250℃90分で加熱を行った後、同様にして硬化フィルムを得、フーリエ変換赤外分光光度計による測定から1650cm−1のアミド基と1490cm−1の全芳香族に伴うピークの比(B)を算出した。環化率は(1−(B/A))に100を乗じた値とした。このようにして求めた環化率は67%であった。
上記加工性評価でパターン加工されたウエハ−をクリ−ンオ−ブンにて酸素濃度1000ppm以下で、250℃90分で硬化を行った。次にこのウエハ−にタムラ化研(株)製フラックス、BF−30をスピンナ−で500rpm/5秒+1000rpm/30秒の条件で塗布した。リフロ−炉で140〜160℃/100秒(プレヒ−ト)、350℃/30秒の条件で立て続けに連続2回通した。次に40℃に加熱したキシレンで10分洗浄した後、イソプロピルアルコ−ルでリンスして乾燥させた。フラックスを除去した膜表面を金属顕微鏡で表面を観察したところ、大きなクラック、シワ等の発生はなく良好であった。
上記加工性評価でパターン加工されたウエハ−をクリ−ンオ−ブンにて酸素濃度1000ppm以下で、250℃90分で硬化を行った。次に室温にて東京応化製STRIPPER−106中に硬化後のウエハーを5分間浸漬した。次に、室温のイソプロピルアルコ−ルにてリンスして乾燥させた。表面を金属顕微鏡で観察したところ、シワ、剥離などの発生は無く良好であった。また、処理の前後での膜の厚み変化に大きな差は見られず良好であった。
実施例1におけるポリアミド樹脂の合成において、活性エステル化したカルボン酸の物質量とアミンの物質量を実施例及び比較例に合うように適切に変更し、同様にして反応させポリアミド樹脂を合成した。得られたポリアミド樹脂を用いて実施例1と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物を作製し、実施例1と同様の評価を行った。以下に、実施例及び比較例のB−1、Q−1の構造、表1を示す。
あり、低温で硬化した際にも高環化率の特性を有するものであり、半導体装置、表示装置の表面保護膜、層間絶縁膜等に好適に用いられる。
Claims (13)
- 一般式(1)で示される構造を含むポリアミド樹脂の365nmの透過率が15%以上である請求項1乃至5のいずれか記載のポジ型感光性樹脂組成物。
- 一般式(1)で示される構造を含むポリアミド樹脂の250℃90分硬化時の環化率が60%以上である請求項1乃至6のいずれか記載のポジ型感光性樹脂組成物。
- 更にフェノール化合物(C)を含むものである請求項1乃至7のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物。
- 請求項1乃至8のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物の硬化物で構成されていることを特徴とする硬化膜。
- 請求項9に記載の硬化膜で構成されていることを特徴とする保護膜。
- 請求項9に記載の硬化膜で構成されていることを特徴とする絶縁膜。
- 請求項9に記載の硬化膜を有していることを特徴とする半導体装置
- 請求項9に記載の硬化膜を有していることを特徴とする表示体装置
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