JP2004347902A - ポジ型感光性樹脂組成物 - Google Patents

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Hideyuki Fujiyama
英之 藤山
Masahito Nishikawa
雅人 西川
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Materials For Photolithography (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

【課題】優れた光感度と解像性を有するポジ型感光性樹脂組成物、該組成物を用いた高耐熱性の硬化レリーフパターンの製造方法、及び該硬化レリーフパターンを有してなる半導体装置を提供する。
【解決手段】(a)アルカリ可溶性ポリアミドと、(b)下記一般式(2)で示される光活性成分を含有するポジ型感光性樹脂組成物、及び、それを塗布露光、現像後、加熱して硬化レリーフパターン層を得る。
【化1】
Figure 2004347902

【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、優れた光感度を有するポジ型感光性樹脂組成物、該組成物を用いた高耐熱性の硬化レリーフパターンの製造方法、及び該硬化レリーフパターンを有してなる半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体装置の表面保護膜、層間絶縁膜としては、優れた耐熱性と電気特性、機械特性などを併せ持つポリイミド樹脂が用いられている。このポリイミド樹脂は、非感光性のポリイミド前駆体または感光性ポリイミド前駆体組成物を塗布した後、熱イミド化処理することにより形成される。このポリイミド樹脂によるレリーフパターンを形成する必要がある場合は、一般に感光性ポリイミド前駆体組成物が用いられる。その理由は、感光性ポリイミド前駆体組成物を用いる場合には、これを塗布した後、活性光線によりパターニング露光し、次いで現像、熱イミド化等の処理を施すことによって簡単にポリイミド樹脂による硬化レリーフパターンを形成することができ、非感光性ポリイミド前駆体を用いた場合に比べて大幅な工程の短縮が可能となるからである。
【0003】
しかしながら、従来の感光性ポリイミド前駆体の現像工程においては、現像液としてケトン系、ピロリドン系などの大量の有機溶剤を用いる必要があった。近年、工場での作業環境や他のプロセスへの影響などの問題に鑑み、有機溶剤を使用することなく現像を行うための対策あるいは技術開発が強く求められるようになってきた。これを受け、最近になってフォトレジストと同様に、希薄アルカリ水溶液で現像可能な耐熱性感光性樹脂材料の提案が種々なされている。
中でも水性アルカリ可溶性のヒドロキシポリアミドである、ポリベンズオキサゾール(以下、PBOともいう。)前駆体と感光性ジアジゾキノン化合物などの光活性成分(以下、PACともいう。)からなる感光性樹脂組成物が近年注目されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
上記のPBO前駆体とPACからなる感光性樹脂組成物は保存安定性が良好で、露光及びアルカリ水溶液による現像により、ポジ型レリーフパターンを容易に形成することができる。また、レリーフパターン形成後の熱硬化によりポリベンズオキサゾール化することができ、これによりポリイミドと同等程度の耐熱性、機械特性、電気特性を有する硬化レリーフパターンを得ることができる。このため、水性アルカリ可溶性のPBO前駆体は、有機溶剤現像型ポリイミド前駆体の有望な代替材料として注目されている。
また、上記水性アルカリ可溶性のPBO前駆体の他にも、フェノール性水酸基を主鎖に導入したポリアミドとPACからなる感光性樹脂組成物(特許文献2参照)や、側鎖にフェノール系水酸基を導入したポリアミドとPACからなる感光性樹脂組成物(特許文献3参照)が提案されている。さらに、上述したPBO前駆体等のポリアミドの末端を封止するために特定の有機基が好適に使用できることも提案されている(特許文献4参照)。
しかしながら、これまでに知られている水性アルカリ可溶性の高耐熱性感光性樹脂組成物には、未だ問題点も多い。
【0005】
PACとして感光性ジアゾキノン化合物の1つであるナフトキノンジアジド(以下、NQDともいう。)を用いた感光性樹脂組成物の場合、水性アルカリ可溶性のフェノール性水酸基を有するポリアミドにNQDを添加することにより、該ポリアミドのアルカリ水溶液への溶解性を低下させる(溶解抑止)能力を発現させ、未露光部の現像液耐性を生じさせている。一方露光部においては、NQDがインデンカルボン酸に変換されるため、溶解抑止が解けて該ポリアミドが本来の水性アルカリ可溶性に戻る。
この露光部、未露光部の水性アルカリ可溶性の差を利用してレリーフパターンを形成するわけであるが、高感度で且つ高残膜率(高コントラスト)のパターニング性能を得るには、可溶性の差を充分に取ることが出来るPACの選定が重要となる。すなわち、PACの添加によりポリアミドの水性アルカリ可溶解性が極端に低下して未露光部では充分なアルカリ現像液耐性を持ち、一方露光部では、僅かな光によってもPACが効率よく分解し充分な水性アルカリ可溶解性が発現するように高感度なPACを用いることが好ましい。
【0006】
また、感光性樹脂組成物の露光工程ではステッパと呼ばれる縮小投影露光機が主に用いられている。このステッパは非常に高価な機械であるので、感光性樹脂組成物が低感度であるとレリーフパターンを形成するために要する露光時間が長くなり、必要となるステッパの台数が増えて露光プロセスの高コスト化に繋がる。そこで感光性樹脂組成物の感度を向上させる必要があるが、ベースとなるポリアミドの分子量を大きくすると現像時の残渣が発生しやすくなる。また、ポリアミドの分子量を小さくすると、現像時に未露光部の膜減りが大きくなり必要とする膜厚を得られずレリーフパターンの形状が崩れるという現象が起きる。そのために、ポリアミドの分子量を調整する以外の方法で感光性樹脂組成物を高感度化する方法が求められている。
上記の問題を解決するために、これまでにも種々のNQD系のPACが検討されてきた。例えば、従来の微細加工用フォトレジストにおいて広く用いられてきた、ヒドロキシベンゾフェノン系化合物やビスフェノール系化合物をNQD化したPACを用いる方法が提案されている(例えば、特許文献5参照)。
【0007】
しかしながら、これら微細加工用フォトレジスト用のPACを本発明に用いられる水性アルカリ可溶性のポリアミドに適用した場合、組成物のアルカリ水溶液への溶解抑止能が非常に弱いため、コントラストが十分に取れず、より少ない露光量で得られるパターンの膜厚は極端に低いものとなり、実用には不十分なものであった。
更に、これを改良するため、PACにおけるNQDの導入率を高めたり、PACの母核フェノール類の疎水性を高める目的で、かさ高い基を有するフェノール類を母核として用いるなどの検討が行われている(例えば、特許文献6参照)。しかしながら、これらのPACにおいては、確かにヒドロキシベンゾフェノン系やビスフェノール系化合物をNQD化したPACに比してコントラストは若干改善されるものの、光感度などのパターニング性能的には依然不充分であった。
【0008】
従って、水性アルカリ可溶性のポリアミドにおいても、未露光部の現像液耐性を高いレベルに保ったまま、短時間の露光によっても充分なアルカリ水溶液への溶解性を実現しうる、高感度なPACが望まれているが、これまで述べてきたように、従来提案されているPACを組合せても、これらの課題を解決するに充分な性能が得られていないのが現状である。
一方、環状ポリフェノール化合物(製法については、例えば、非特許文献1、非特許文献2参照)を微細加工用フォトレジストに使用するという試みが近年なされており、環状ポリフェノール化合物とスルフォニウム塩等の光照射により酸を発生する成分からなる感光性組成物(特許文献7、特許文献8参照)、またはNQD化した環状ポリフェノールからなる感光性組成物(特許文献7の合成例3参照)が提案されている。
【0009】
【特許文献1】
特公平01−046862号公報(特許請求の範囲、1)
【特許文献2】
特開昭63−096162号公報(特許の請求の範囲、
【化1】)
【特許文献3】
特開平11−106651号公報(特許の請求の範囲、
【化1】)
【特許文献4】
特開平05−197153号公報

【0006】
【化2】、
【0013】
【化7】
【化8】
【化9】)
【特許文献5】
特許第2828740号公報(特許請求の範囲、式II、IV、V)
【特許文献6】
特開平09−321038号公報(特許請求の範囲、
【化8】)
【特許文献7】
特開平11−153863号公報
(特許請求の範囲、
【化1】、合成例3)
【特許文献8】
特開2002−328473号公報(特許請求の範囲、
【化1】)
【非特許文献1】
J.Am.Chem.Soc.,111,5403(1989)
【非特許文献2】
J.Am.Chem.Soc.,62,2512(1940)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、高感度、すなわち低露光量域でのパターニングにおいても現像後のパターン膜減りが小さく、高コントラストであり、更に汎用の希薄アルカリ水溶液によっても現像可能なポジ型感光性樹脂組成物、該組成物を用いた高耐熱性の硬化レリーフパターンの製造方法、及び該硬化レリーフパターンを有してなる半導体装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、ポリアミドとPACからなるポジ型感光性樹脂組成物におけるPACに着目し、希薄アルカリ水溶液での現像が可能であり、高感度である組成物を開発すべく鋭意検討を行った。その結果、水性アルカリ可溶性のポリアミドと、環状ポリフェノール化合物とNQDの反応によって得られる特定の構造を有するPACからなる組成物を用いると、前記特性を満足し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち本発明は、(a)下記一般式(1)で示される繰り返し単位を有するポリアミド100質量部と、(b)下記一般式(2)で表される光活性成分1〜100質量部を必須成分とするポジ型感光性樹脂組成物を提供する。
【化6】
Figure 2004347902
(式中、Xは少なくとも2個以上の炭素原子を有する2〜4価の有機基、Yは少なくとも2個以上の炭素原子を有する2〜6価の有機基、pは0〜2の整数、qは0〜4の整数、Rは水素原子および炭素数1〜20の有機基からなる群から選択される基、mは0〜2の整数、nは2〜1000の整数である。ただし、m、p、qが同時にすべて0であることはなく、p、qが共に0である場合には、Rはフェノール性水酸基を有する炭素数1〜20の有機基である。)
【0013】
【化7】
Figure 2004347902
(式中、nは3〜8の整数であり、n個のLはそれぞれ独立に1個以上の炭素原子を有する1価の有機基であり、n個のT、n個のZはそれぞれ独立に水素原子および1価の有機基からなる群から選択される基である。2n個のQは、それぞれ独立にナフトキノンジアジドスルホン酸エステル基および水素原子からなる群から選択される基であり、少なくとも1個のQはナフトキノンジアジドスルホン酸エステル基である。)
【0014】
また、本発明は、(a)下記一般式(3)で示される繰り返し単位を有するポリアミド100質量部と、(b)上記一般式(2)で表される光活性成分1〜100質量部とを、必須成分とするポジ型感光性樹脂組成物を提供する。
【化8】
Figure 2004347902
(式中、Xは4価の芳香族基、Yは2価の芳香族基、nは2〜1000の整数)
【0015】
また、本発明は、(a)上記一般式(1)または(3)で示される繰り返し単位を有するポリアミド100質量部と、(b)下記一般式(4)で表わされる光活性成分1〜100質量部とを必須成分とするポジ型感光性樹脂組成物を提供する。
【化9】
Figure 2004347902
(式中、a、b、c及びdはそれぞれ独立に0〜9の整数であり、T、T、T、T、Z、Z、Z、およびZはそれぞれ独立に水素原子およびメチル基からなる群から選択される基である。8個のQは、それぞれ独立にナフトキノンジアジドスルホン酸エステル基および水素原子からなる群から選択される基であり、少なくとも1個のQはナフトキノンジアジドスルホン酸エステル基である。)
【0016】
また、本発明は、(a)上記一般式(1)または(3)で示される繰り返し単位を有するポリアミド100質量部と、(b)下記一般式(5)で表わされる光活性成分1〜100質量部とを必須成分とするポジ型感光性樹脂組成物を提供する。
【化10】
Figure 2004347902
(式中、aは2、4および6から選択されるいずれかの整数であり、8個のQは、それぞれ独立にナフトキノンジアジドスルホン酸エステル基および水素原子からなる群に選択される基であり、少なくとも1個のQはナフトキノンジアジドスルホン酸エステル基である。)
また、本発明は、上記ポジ型感光性樹脂組成物を基板上に塗布し、塗膜をマスクを介して活性光線で露光するかまたは活性光線を直接照射した後、露光部または照射部を溶出除去し、次いで得られたレリーフパターンを加熱硬化させることによって得られる、高耐熱性の硬化レリーフパターンの製造方法を提供する。
また、本発明は、上記製造方法により得られる硬化レリーフパターンを有してなる半導体装置を提供する。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられる下記一般式(1)で示されるポリアミドは、X(OH)p(NHの構造を有するジアミンと、Y(OH)(COOR(COOH)の構造を有するジカルボン酸とが縮合したものからなる。このポリアミドを300〜400℃で加熱すると脱水閉環し、耐熱性樹脂であるポリイミドもしくはポリベンズオキサゾールに変換される。
【化11】
Figure 2004347902
(式中、Xは少なくとも2個以上の炭素原子を有する2〜4価の有機基、Yは少なくとも2個以上の炭素原子を有する2〜6価の有機基、pは0〜2の整数、qは0〜4の整数、Rは水素原子および炭素数1〜20の有機基からなる群から選択される基、mは0〜2の整数、nは2〜1000の整数である。ただし、m、p、qが同時にすべて0であることはなく、p、qが共に0である場合には、Rはフェノール性水酸基を有する炭素数1〜20の有機基である。)
【0018】
上記X(OH)p(NHの構造を有するジアミンとしては、芳香族ジアミン、ケイ素原子を有するジアミン、ヒドロキシ基を有するジアミンなどが挙げられる。このうち芳香族ジアミンとしては、例えば、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,4−トリレンジアミン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルケトン、4,4’−ジアミノジフェニルケトン、3,4’−ジアミノジフェニルケトン、2,2’−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、
【0019】
1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4−メチル−2,4−ビス(4−アミノフェニル)−1−ペンテン、4−メチル−2,4−ビス(4−アミノフェニル)−2−ペンテン、1,4−ビス(α,α−ジメチル−4−アミノベンジル)ベンゼン、イミノ−ジ−p−フェニレンジアミン、1,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノナフタレン、4−メチル−2,4−ビス(4−アミノフェニル)ペンタン、5(または6)−アミノ−1−(4−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、ビス(p−アミノフェニル)ホスフィンオキシド、4,4’−ジアミノアゾベンゼン、4,4’−ジアミノジフェニル尿素、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ベンゾフェノン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、4,4’−ビス[4−(α,α−ジメチル−4−アミノベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノン、
【0020】
4,4’−ビス[4−(α,α−ジメチル−4−アミノベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、フェニルインダンジアミン、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、o−トルイジンスルホン、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン、ビス(4−アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェノキシフェニル)スルフィド、1,4−(4−アミノフェノキシフェニル)ベンゼン、1,3−(4−アミノフェノキシフェニル)ベンゼン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、4,4’−ジ−(3−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノベンズアニリド等、およびこれら芳香族ジアミンの芳香核の水素原子が、塩素原子、フッ素原子、臭素原子、メチル基、メトキシ基、シアノ基、フェニル基からなる群より選ばれた少なくとも一種の置換基によって置換された化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0021】
また、基材との接着性を高めるためにケイ素原子を有するジアミンを選択することができ、この例としてはビス(4−アミノフェニル)ジメチルシラン、ビス(4−アミノフェニル)テトラメチルシロキサン、ビス(p−アミノフェニル)テトラメチルジシロキサン、ビス(γ−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、1,4−ビス(γ−アミノプロピルジメチルシリル)ベンゼン、ビス(4−アミノブチル)テトラメチルジシロキサン、ビス(γ−アミノプロピル)テトラフェニルジシロキサン等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0022】
また、ポリアミドのアルカリ水溶液への溶解性を高める為には、ヒドロキシ基を有するジアミンを用いることが好ましく、この例として3,3’−ジヒドロキシベンジジン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、1,4−ジアミノ−2,5−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ジアミノ−2,4−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ジアミノ−4,6−ジヒドロキシベンゼンなどが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0023】
これらのX(OH)p(NHの構造を有するジアミンは単独あるいは混合して使用してもよい。
上述のX(OH)p(NHの構造を有するジアミンのうち、Xが下記から選ばれる芳香族基であるジアミンが特に好ましい。
【化12】
Figure 2004347902
【0024】
また、前記Y(OH)q(COOR)m(COOH)の構造を有するジカルボン酸としては、Yが下記から選ばれる芳香族基であるジカルボン酸が好ましい。
【化13】
Figure 2004347902
(式中、Aは−CH−、−O−、−S−、−SO−、−CO−、−NHCO−、−C(CF−からなる群から選択される2価の基を意味する。)
【0025】
【化14】
Figure 2004347902
(式中、Rは水素原子および炭素数1〜20の有機基からなる群から選択される基である。)
【0026】
【化15】
Figure 2004347902
(式中、Rは水素原子および炭素数1〜20の有機基からなる群から選択される基であり、Xは−CH−、−O−、−S−、−SO−、−CO−、−NHCO−、−C(CF−、単結合、及び以下で示される有機基からなる群から選択される基である。)
【0027】
【化16】
Figure 2004347902
(式中、Xは以下の中から選ばれる芳香族基である。)
【0028】
【化17】
Figure 2004347902
【0029】
これら芳香族ジカルボン酸の芳香核の水素原子が、塩素原子、フッ素原子、臭素原子、メチル基、メトキシ基、シアノ基、フェニル基、ヒドロキシ基からなる群より選ばれた少なくとも一種の置換基によって置換された化合物が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
前記一般式(1)において、Rは水素原子、および炭素数1〜20までの有機基からなる群から選択される基を表すが、Rが水素原子の場合、ポリアミドのアルカリ水溶液への溶解性は向上するものの、得られる感光性樹脂組成物の安定性やPACによる溶解抑止能が低下する。従って、該ポリアミドが有する全てのRのうち水素原子の割合は50%以下であることが好ましい。
またRが有機基の場合、得られる感光性樹脂組成物の安定性やPACによる溶解抑止能が向上するので好ましいが、アルカリ溶解性が低下する。その為、有機基としてはフェノール性水酸基を有する基が好ましく、特に前記一般式(1)においてp、qが共に0である場合には、Rがフェノール性水酸基を有する炭素数1〜20の有機基であることが好ましい。フェノール性水酸基を有する有機基としては、3−ヒドロキシベンジル基、3,5−ジヒドロキシベンジル基が特に好ましい。
【0030】
本発明に用いられるポリアミドとしては、特に、優れたアルカリ水溶液への溶解性とそれにもとづく厚膜下での優れたパターニング特性の点において、下記一般式(3)で示される繰返し単位を有する構造が特に好ましい。
【化18】
Figure 2004347902
(式中、Xは4価の芳香族基、Yは2価の芳香族基、nは2〜1000の整数)
【0031】
上記式(3)におけるXとしては、
【化19】
Figure 2004347902
が特に好ましく、Yとしては、
【化20】
Figure 2004347902
が特に好ましい。
【0032】
前記一般式(1)または(3)で示される繰り返し単位を有するポリアミドにおいて、その末端基を特定の有機基で封止することも本発明の範囲に含まれる。このような封止基としては、例えば、前述した特許文献4に記載されている有機基が挙げられ、これらで封止した場合、加熱硬化後の硬化レリーフパターンの機械物性(特に伸度)や形状が良好となることが期待される。このような封止基のうちの好適例としては、以下のものが挙げられる。
【化21】
Figure 2004347902
ポリアミドのGPCにおけるポリスチレン換算での重量平均分子量は7000〜15000が好ましく、8500〜14000がより好ましい。ポリアミドの重量平均分子量が7000未満であると加熱硬化後に形成される硬化レリーフパターンの引っ張り伸び率が著しく低下する。逆に15000を超えると現像時に残渣が発生しやすい。
【0033】
本発明者の検討の結果、前述した水性アルカリ可溶性のポリアミドと組み合わせるPACとしては、下記一般式(2)で示される化合物が有用であり、当該ポリアミドと当該PACとを含有してなるポジ型感光性樹脂組成物が、優れた感度を示すことを初めて見出した。
【化22】
Figure 2004347902
(式中、nは3〜8の整数であり、n個のLはそれぞれ独立に1個以上の炭素原子を有する1価の有機基であり、n個のT、n個のZはそれぞれ独立に水素原子および1価の有機基からなる群から選択される基である。2n個のQは、それぞれ独立にナフトキノンジアジドスルホン酸エステル基および水素原子からなる群から選択される基であり、少なくとも1個のQはナフトキノンジアジドスルホン酸エステル基である。)
【0034】
上述のナフトキノンジアジドスルホン酸エステル基としては、以下の構造のものが好ましい。
【化23】
Figure 2004347902
【0035】
前記一般式(2)で示される光活性成分において、n=4である一般式(4)記載の化合物が特にPACとして有用であり、本発明の感光性樹脂組成物の成分としてより好ましい。
【化24】
Figure 2004347902
(式中、a、b、c及びdはそれぞれ独立に0〜9の整数であり、T、T、T、T、Z、Z、Z、およびZはそれぞれ独立に水素原子およびメチル基からなる群から選択される基である。また8個のQは、それぞれ独立にナフトキノンジアジドスルホン酸エステル基および水素原子からなる群から選択される基であり、少なくとも1個のQはナフトキノンジアジドスルホン酸エステル基である。)
【0036】
このうち特に好ましい構造としては、以下の化合物を挙げることができる。
【化25】
Figure 2004347902
(式中、aは2、4および6から選択されるいずれかの整数であり、8個のQは、それぞれ独立にナフトキノンジアジドスルホン酸エステル基および水素原子からなる群から選択される基であり、少なくとも1個のQはナフトキノンジアジドスルホン酸エステル基である。)
【0037】
本発明の組成物に使用するPACにおいては、PAC1分子あたりのナフトキノンジアジドスルホン酸エステル化率が50%〜75%の範囲内であることが好ましい。例えば、前述の式(4)または式(5)で表わされるn=4のPACの場合、8個のQのうち1分子当たりの平均で4〜6個のQがナフトキノンジアジドスルホン酸エステル化されていることが好ましい。該ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル化率が75%より多いと現像時に残渣が発生しやすく、50%より少ないと感度が低く光パターニング性が不良になりやすい。
PACを使用するにあたっては、単独でも2種類以上混合して用いても構わない。(a)ポリアミドに対する(b)PACの配合量は、ポリアミド100質量部に対し、PAC1〜100質量部が好ましく、PAC5〜50質量部がより好ましく、PAC10〜30質量部が特に好ましい。PACの配合量が1質量部未満だと光パターニング性が不良になりやすく、また膜減りも大きくなる。逆に100質量部を超えると現像時に残渣が発生しやすく、加熱硬化後形成される硬化レリーフパターンの引張り伸び率が著しく低下する。
【0038】
本発明の感光性樹脂組成物には、必要に応じて従来から感光性樹脂組成物の添加剤として公知の染料、界面活性剤、安定剤、基板との密着性を高めるための接着助剤、溶解促進剤、架橋剤等を添加することも可能である。
上記添加剤について更に具体的に述べると、染料としては、メチルバイオレット、クリスタルバイオレット、マラカイトグリーン等があげられる。
また、界面活性剤としては、例えば、ポリプロピレングリコールまたはポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリグリコール類あるいはその誘導体からなる非イオン系界面活性剤、フロラード(商品名、住友3M社製)、メガファック(商品名、大日本インキ化学工業社製)あるいはスルフロン(商品名、旭硝子社製)等のフッ素系界面活性剤、KP341(商品名、信越化学工業社製)、DBE(商品名、チッソ社製)、グラノール(商品名、共栄社化学社製)等の有機シロキサン界面活性剤が挙げられる。
【0039】
接着助剤としては、アルキルイミダゾリン、酪酸、ポリヒドロキシスチレン、ポリビニルメチルエーテル、t−ブチルノボラック、エポキシシラン、エポキシポリマー等、および各種シランカップリング剤が挙げられる。
シランカップリング剤の具体的な好ましい例としては、例えば、3−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジアルコキシアルキルシラン、3−グリシドキシプロピルトリアルコキシシラン、3−グリシドキシプロピルジアルコキシアルキルシラン、3−アミノプロピルトリアルコキシシランや3−アミノプロピルジアルコキシアルキルシランと酸無水物や酸二無水物の反応物、3−アミノプロピルトリアルコキシシランや3−アミノプロピルジアルコキシアルキルシランのアミノ基をウレタン基やウレア基に変換したものが挙げられる。この際のアルキル基としてはメチル基、エチル基、ブチル基などが、酸無水物としてはマレイン酸無水物、フタル酸無水物などが、酸二無水物としてはピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物などが、ウレタン基としてはt−ブトキシカルボニルアミノ基などが、ウレア基としてはフェニルアミノカルボニルアミノ基などが挙げられる。
【0040】
また、溶解促進剤としては、フェノール性水酸基を有する化合物が好ましく、例えば、ビスフェノール、あるいはMtrisPC、MtetraPC等の直鎖状フェノール化合物(商品名、本州化学工業社製)、TrisP−HAP、TrisP−PHBA、TrisP−PA等の非直鎖状フェノール化合物(商品名、本州化学工業社製)、ジフェニルメタンのフェニル基の水素原子2〜5個を水酸基に置換した化合物、3,3−ジフェニルプロパンのフェニル基の水素原子1〜5個を水酸基に置換した化合物、2,2−ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンと5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物の1対2反応物、ビス−(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホンと1,2−シクロヘキシルジカルボン酸無水物の1対2反応物などを挙げることができる。
【0041】
架橋剤としては1,1,2,2−テトラキス(p−ヒドロキシフェニル)エタン、ニカラックMW−30MH、MW−100LH(商品名、三和ケミカル社製)、サイメル300、サイメル303(商品名、三井サイテック社製)などのアルキル化メラミン樹脂、テトラグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、オルソセカンダリーブチルフェニルグリシジルエーテル、1,6−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ナフタレン、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールグリシジルエーテルなどのエポキシ化合物、アセチルアセトンアルミ(III)塩、アセチルアセトンチタン(IV)塩、アセチルアセトンクロム(III)、アセチルアセトンマグネシウム(II)塩、アセチルアセトンニッケル(II)塩、トリフルオロアセチルアセトンアルミ(III)塩、トリフルオロアセチルアセトンチタン(IV)塩、トリフルオロアセチルアセトンクロム(III)、トリフルオロアセチルアセトンマグネシウム(II)塩、トリフルオロアセチルアセトンニッケル(II)塩などの金属キレート剤がある。
【0042】
本発明においては、これらの成分を溶剤に溶解し、ワニス状にし、感光性樹脂組成物として使用する。このような溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルフォキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、メチル−1,3−ブチレングリコールアセテート、1,3−ブチレングリコール−3−モノメチルエーテル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メチル−3−メトキシプロピオネート等を単独または混合して使用できる。これらの溶媒のうち、非アミド系溶媒がフォトレジストなどへの影響が少ない点から好ましく、ガンマブチロラクトン、イソホロンが特に好ましい。
【0043】
本発明の感光性樹脂組成物により形成された感光性樹脂層を現像するために用いられる現像液は、水性アルカリ可溶性のポリアミドを溶解除去するものであり、アルカリ化合物を溶解したアルカリ性の水溶液(以下、アルカリ水溶液という。)である。該現像液中に溶解されるアルカリ化合物は、無機アルカリ化合物、有機アルカリ化合物のいずれであってもよい。無機アルカリ化合物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸水素二カリウム、リン酸水素二ナトリウム、ケイ酸リチウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ホウ酸リチウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、アンモニア等が挙げられる。
【0044】
また、有機アルカリ化合物としては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルヒドロキシエチルアンモニウムヒドロキシド、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、n−プロピルアミン、ジ−n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、エタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。
さらに、必要に応じて、上記アルカリ水溶液に、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール等の水溶性有機溶媒、界面活性剤、保存安定剤、樹脂の溶解抑止剤等を適量添加することができる。
【0045】
本発明の感光性樹脂組成物は、次のようにして使用できる。まず、感光性樹脂組成物を、適当な基板、例えば,シリコンウエハー、セラミック基板、アルミ基板等にスピナーを用いた回転塗布法、またはロールコーターを用いたロールコート法により塗布する。形成された塗膜をオーブンやホットプレートを用いて50〜140℃で乾燥し、マスクを介して、コンタクトアライナーやステッパを用いて活性光線の照射を行う。次に照射部を現像液で溶解除去し、引き続きリンス液によるリンスを行うことで所望のレリーフパターンを得る。現像方法としてはスプレー、パドル、ディップ、超音波等の方式が可能である。リンス液は蒸留水、脱イオン水等が使用できる。
【0046】
このようにして得られたポリイミド前駆体樹脂組成物、又は、ポリベンズオキサゾール前駆体樹脂組成物からなるレリーフパターンを200℃以上に加熱することによって、感光性成分を揮散させるとともに、環化反応を進行させることにより、ポリイミド又はポリベンズオキサゾールからなる硬化レリーフパターンを得ることができる。このような加熱は、ホットプレート、オーブン、温度プログラムを設定できる昇温式オーブンを用いることにより行うことが出来る。加熱変換させる際の雰囲気気体としては空気を用いても良く、窒素、アルゴン等の不活性ガスも用いることが出来る。
本発明による硬化レリーフパターンの製造方法以外は周知の半導体装置の製法を使用することにより、本発明による硬化レリーフパターンを、半導体表面保護膜、層間絶縁膜、再配線用絶縁膜、フリップチップ装置用保護膜、バンプ構造を有する装置の保護膜、として有してなる半導体装置を製造することができる。また、本発明による硬化レリーフパターンは、多層回路の層間絶縁やフレキシブル銅張板のカバーコート、ソルダーレジスト膜や液晶配向膜等としても有用である。
【0047】
【実施例】
以下、実施例に基づき、本発明の実施形態の具体例を説明する。
<ポリアミドの合成>
[参考例1]
容量2リットルのセパラブルフラスラスコ中で、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン197.8g(0.54mol)、ピリジン71.2g(0.9mol)、ジメチルアセトアミド(以下、DMAcという。)692gを室温(25℃)で混合攪拌し、ジアミンを溶解させた。これに、別途ジメトキシジエチレングリコール(以下、DMDGという。)88g中に5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物29.6g(0.18mol)を溶解させたものを、滴下ロートより滴下した。滴下に要した時間は40分、反応液温は最大で28℃であった。
滴下終了後、湯浴により50℃に加温し18時間撹拌したのち反応液のIRスペクトルの測定を行い1385cm−1および1772cm−1のイミド基の特性吸収が現れたことを確認した。
【0048】
次にこれを水浴により8℃に冷却し、これに別途DMDG398g中に4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸ジクロライド132.8g(0.45mol)を溶解させたものを、滴下ロートより滴下した。滴下に要した時間は80分、反応液温は最大で12℃であった。
滴下終了から3時間後に上記反応液を12リットルの水に高速攪拌下で滴下し重合体を分散析出させ、これを回収し、適宜水洗、脱水の後に真空乾燥を施し、ポリアミド(P−1)を得た。
このようにして合成されたポリアミド(P−1)のGPCによる重量平均分子量は、ポリスチレン換算で8900であった。
また、更にポリアミドの精製が必要な場合は、以下の方法にて実施することが可能である。すなわち、上記で得られたポリアミドをガンマブチロラクトン(以下、GBLという。)に再溶解した後、これを陽イオン交換樹脂および陰イオン交換樹脂にて処理し、それにより得られた溶液をイオン交換水中に投入後、析出したポリアミドを濾別、水洗、真空乾燥することにより精製されたポリアミドを得ることができる。
【0049】
[参考例2]
参考例1におけるポリアミドの合成において、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパンを194.8g(0.52mol)に減らし、また5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物を25.12g(0.15mol)に減らし同様に反応させることによって、GPCによる重量平均分子量10700(ポリスチレン換算)のポリアミド(P−2)を合成した。
[参考例3]
参考例1におけるポリアミドの合成において、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパンを183.2g(0.50mol)に減らし、また5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物を27.94g(0.17mol)に減らし同様に感応させることによって、GPCによる重量平均分子量14000(ポリスチレン換算)のポリアミド(P−3)を合成した。
【0050】
<PACの合成>
前記した非特許文献1に記載の方法でレゾルシン4量体を合成し、ナフトキノンジアジドスルホン化することによって光活性成分を合成した。
[参考例4]
レゾルシノール102.4g(0.92mol)、ヘキサナール92.0g(0.92mol)をエタノール920ml中に溶解した。これを0℃に冷やし12N塩酸を148ml滴下、攪拌した。次にこの混合物を窒素雰囲気下70℃で10時間攪拌した。室温にしたのち濾過によって沈殿物を除去した。濾液を80℃の水で洗浄後乾燥し得られた固体をメタノール及びヘキサン、アセトン混合溶媒で再結晶を行った。その後真空乾燥を行い、下記のレゾルシン環状4量体を収率50%で得た。
【0051】
【化26】
Figure 2004347902
【0052】
次に先に合成したレゾルシン環状4量体を76.9g(0.1mol)、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロライドを134.3g(0.5mol、ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル化率62.5%相当)、テトラヒドロフラン1057gを加え、20℃で撹拌溶解した。これに、トリエチルアミン53.14g(0.525mol)をテトラヒドロフラン266gで希釈したものを、30分かけて一定速度で滴下した。この際、反応液は氷水浴を用いて20〜30℃の範囲で温度制御した。滴下終了後、更に30分間、20℃で撹拌放置した後、36質量%濃度の塩酸水溶液6.83gを一気に投入し、次いで反応液を氷水浴で冷却し、析出した固形分を吸引濾別した。
この際得られた濾液を、0.5質量%濃度の塩酸水溶液10リットルに、その撹拌下で1時間かけて滴下し、目的物を析出させ、吸引濾別して回収した。得られたケーク状回収物を、再度イオン交換水5リットルに分散させ、撹拌、洗浄、濾別回収し、この水洗操作を3回繰り返した。最後に得られたケーク状物を、40℃で24時間真空乾燥し、目的の光活性成分Q−1を得た。
【0053】
【化27】
Figure 2004347902
(式中、Qの62.5%がナフトキノンジアジドスルホン酸エステル化され、残り37.5%が水素原子である)
【0054】
<ポジ型感光性樹脂組成物の調製>
【実施例1〜2、比較例1〜4】
下記表1記載の組合せで、上記各参考例にて得られたポリアミド(P−1〜P−3)100質量部、上記参考例にて得られた光活性成分(Q−1)、またはクラリアントジャパン社製の下式で示される光活性成分(Q−2、Q−3)20質量部、p−クミルフェノール4質量部をGBL200質量部に溶解した後、0.2μmのフィルターで濾過しポジ型感光性樹脂組成物を得た。
【0055】
【表1】
Figure 2004347902
【0056】
【化28】
Figure 2004347902
(式中、Qの75%がナフトキノンジアジドスルホン酸エステル化され、残り25%が水素原子である)
【0057】
【化29】
Figure 2004347902
(式中、Qの67%がナフトキノンジアジドスルホン酸エステル化され、残り33%が水素原子である)
【0058】
<感光特性評価>
上記感光性樹脂組成物を東京エレクトロン社製スピンコーター(CleanTrack Mark7)にて、5インチシリコンウエハーにスピン塗布し、135℃、120秒間ホットプレートにてプリベークを行い、4.8μmの塗膜を形成した。膜厚は大日本スクリーン製造社製膜厚測定装置(ラムダエース)にて測定した。
この塗膜に、テストパターン付きレチクルを通してi線(365nm)の露光波長を有するニコン社製ステッパ(NSR2005i8A)およびg線の露光波長を有するニコン社製ステッパ(NSR1505G2)を用いて露光量を段階的に変化させて露光した。
これをクラリアントジャパン社製アルカリ現像液(AZ330MIFデベロッパー、2.72質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液)を用い、23℃の条件下で現像後膜厚が3.85μmとなるように現像時間を調整して現像を行い、ポジ型レリーフパターンを形成した。現像時間、感光性樹脂組成物の感度を表2に示す。
なお、感光性樹脂組成物の感度は、次のようにして評価した。
[感度(mJ/cm)]
上記現像時間において、塗膜の露光部を完全に溶解除去しうる最小露光量。
【0059】
【表2】
Figure 2004347902
【0060】
表2から、本発明の感光性樹脂組成物を用いることにより、適当な現像時間で、高感度のポジ型レリーフパターンを形成することができることがわかる。これに対し、本発明の要件を満たす光活性成分を含まない比較例1〜4の組成物は比較例1、2及び4では感度が非常に低く、比較例3では残渣が存在している。
次に実施例1および2のポジ型レリーフパターンを、昇温式オーブンであるVF200B(光洋サーモシステム社製)用いて窒素雰囲気下、350℃、1時間加熱し、ポジ型硬化レリーフパターンを得た。このポジ型硬化レリーフパターンの破断伸度を測定したところ良好な値をしめした。なお、比較例1、2および4については感度が低く、比較例3においては残渣が発生するのでこれは半導体装置の製造には適さないため、これら比較例1〜4のポジ型レリーフパターンについてはポジ型硬化レリーフパターンの形成および破断伸度の測定は行わなかった。
【0061】
【発明の効果】
本発明によって、高感度、すなわち低露光量域でのパターニングにおいても現像後のパターン膜減りが小さく、高コントラストであり、更に汎用の希薄アルカリ水溶液によっても現像可能なポジ型感光性樹脂組成物、該組成物を用いた高耐熱性レリーフパターンの製造方法、及び該硬化レリーフパターンを有してなる半導体装置が提供された。

Claims (6)

  1. (a)下記一般式(1)で示される繰り返し単位を有するポリアミド100質量部と、(b)下記一般式(2)で表される光活性成分1〜100質量部とを必須成分とするポジ型感光性樹脂組成物。
    Figure 2004347902
    (式中、Xは少なくとも2個以上の炭素原子を有する2〜4価の有機基、Yは少なくとも2個以上の炭素原子を有する2〜6価の有機基、pは0〜2の整数、qは0〜4の整数、Rは水素原子および炭素数1〜20の有機基からなる群から選択される基、mは0〜2の整数、nは2〜1000の整数である。ただし、m、p、qが同時にすべて0であることはなく、p、qが共に0である場合には、Rはフェノール性水酸基を有する炭素数1〜20の有機基である。)
    Figure 2004347902
    (式中、nは3〜8の整数であり、n個のLはそれぞれ独立に1個以上の炭素原子を有する1価の有機基であり、n個のT、n個のZはそれぞれ独立に水素原子および1価の有機基からなる群から選択される基である。2n個のQは、それぞれ独立にナフトキノンジアジドスルホン酸エステル基および水素原子からなる群から選択される基であり、少なくとも1個のQはナフトキノンジアジドスルホン酸エステル基である。)
  2. (a)ポリアミドが、下記一般式(3)で示される繰り返し単位を有することを特徴とする請求項1に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
    Figure 2004347902
    (式中、Xは4価の芳香族基、Yは2価の芳香族基、nは2〜1000の整数。)
  3. (b)光活性成分が下記一般式(4)で表される化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
    Figure 2004347902
    (式中、a、b、c及びdはそれぞれ独立に0〜9の整数であり、T、T、T、T、Z、Z、Z、およびZはそれぞれ独立に水素原子およびメチル基からなる群から選択される基である。8個のQは、それぞれ独立にナフトキノンジアジドスルホン酸エステル基および水素原子からなる群から選択される基であり、少なくとも1個のQはナフトキノンジアジドスルホン酸エステル基である。)
  4. (b)光活性成分が下記一般式(5)で表される化合物であることを特徴とする請求項3記載のポジ型感光性樹脂組成物。
    Figure 2004347902
    (式中、aは2、4および6から選択されるいずれかの整数であり、8個のQは、それぞれ独立にナフトキノンジアジドスルホン酸エステル基および水素原子からなる群から選択される基であり、少なくとも1個のQはナフトキノンジアジドスルホン酸エステル基である。)
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のポジ型感光性樹脂組成物を基板上に塗布し、この塗膜をマスクを介して活性光線で露光するかまたは活性光線を直接照射した後、露光部または活性光線照射部を溶出除去し、次いで得られたレリーフパターンを200度以上で加熱することを特徴とする硬化レリーフパターンの製造方法。
  6. 請求項5に記載の製造法により得られる硬化レリーフパターンを有してなる半導体装置。
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