JP2008192607A - リチウム二次電池の劣化検出方法と劣化抑制方法、劣化検出器と劣化抑制器、それを用いた電池パック、充電器 - Google Patents

リチウム二次電池の劣化検出方法と劣化抑制方法、劣化検出器と劣化抑制器、それを用いた電池パック、充電器 Download PDF

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Abstract

【課題】リチウム二次電池を構成した後、リチウム基準極に対して負極の放電電位を制御することができない。そのため電池を組み立てた後では、充放電サイクルに伴う容量劣化の程度を、電池電圧を測定するだけでは推定することが難しく、容量劣化の度合いに応じた抑制手段を講じるのが困難で、劣化を抑制することが難しかった。
【解決手段】リチウム二次電池1の電池電圧を充電終止あるいは放電終止の前後で測定し、得られた電池電圧より判定値を算出し、リチウム二次電池1のあらかじめ記憶した基準値と比較して、その結果よりリチウム二次電池1の劣化度合いを推定する。得られた劣化度合いに基づいてリチウム二次電池1の充電および放電を制御することにより劣化の進行を抑制することができる。
【選択図】図1

Description

本発明はリチウム二次電池の劣化を検出する方法、さらには劣化を抑制するための充放電制御に関する。
近年、パーソナルコンピュータ、携帯電話などのポータブル機器の開発に伴い、その電源としての電池の需要が増大している。上記のような用途に用いられる電池には、常温使用が求められると同時に、高いエネルギー密度と優れたサイクル特性が要望される。
この要求に対し、正極および負極のそれぞれにおいて、新たに高容量密度を有する活物質が開発されている。中でも非常に高い容量密度が得られるケイ素(Si)もしくはスズ(Sn)の単体、合金または酸化物は、負極活物質として有望視されている。
しかし、これらの負極活物質として用いたリチウム二次電池では充分な充放電サイクル特性が得られない課題がある。具体的には、酸化ケイ素SiO(x=0.3)を負極活物質として用い、正極活物質として一般的なリチウム二次電池に用いられているコバルト酸リチウム正極(LiCoO)を用い、電解質として六フッ化リン酸リチウム(LiPF)を含むエチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)混合溶液を用いた捲回式リチウム二次電池を作製する。この電池を充放電電流:1.0C、充電終止電圧:4.2V、放電終止電圧:2.5Vの条件で充放電を繰り返し行うと100サイクル程度で大きな容量劣化が生じる。
上述の課題を回避するには、できるだけ負極の放電電位を低くすることが好ましい。例えば、特許文献1は、負極活物質として酸化ケイ素(SiO)を用いたリチウム二次電池について、負極の放電終止電位をリチウム基準極に対して0.6V以下に制御することにより、充放電サイクルに伴う容量劣化が抑えられることを開示している。
特開平11−233155号公報
しかしながら、特許文献1のようにリチウム基準極に対してSiOを用いた負極の放電電位を制御するためにリチウム基準極を電池内に設けると電池構成が複雑になるので実用性に難がある。すなわち電池に、プラス極端子、マイナス極端子に加え、3つ目の電極端子が必要となる。また、正負極活物質の劣化のない充放電サイクルの初期から充放電サイクルを繰り返していくと正負極それぞれの活物質の劣化に伴い正負極ともそれぞれが使用される電位範囲が変化していく。そのため正極を基準にして負極の放電終止電位が0.6V以下になるよう放電終止電圧を設定しても、負極の放電終止電位が0.6V以下に維持されているか判断することは困難である。このように、電池電圧の測定により負極の充放電状態を検出し、充放電サイクルに伴う容量劣化を抑制することは困難である。
本発明は、上記の課題を解決するものであり、充放電サイクルに伴うリチウム二次電池の劣化を検出するとともに、その結果を用いて劣化を抑制する方法を提供し、さらにこれらの方法を適用した劣化検出器、劣化抑制器、充電器、電池パックを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明による劣化検出方法はリチウムイオンを吸蔵・放出する正極活物質を有する正極と、ケイ素と、スズの少なくとも一方の元素を含む負極活物質を有する負極と、リチウムイオン伝導性を有し、正極と負極とに介在する電解質と、を含むリチウム二次電池を対象とする。そして次の4つのステップを有する。
リチウム二次電池の閉回路時の充電終止電圧と充電後の開回路時の電圧の組、または閉回路時の放電終止電圧と放電後の開回路時の電圧の組の少なくともいずれかの組を検出する第1ステップ。
検出された電圧の組より判定値を算出する第2ステップ。
この判定値と、あらかじめ記憶した基準値と比較する第3ステップ。
第3ステップでの比較結果に基づき、リチウム二次電池の劣化度合いを推定する第4ステップ。
このように充電終止前後または放電終止前後の電池電圧を測定することにより、精度よくリチウム二次電池の劣化度合いを推定することができる。
また本発明による劣化抑制方法では、上記劣化検出方法で推定した劣化度合いに基づいてリチウム二次電池の充電または放電を制御する。
本発明によれば、充放電サイクルの進行に伴いリチウム二次電池に容量劣化が生じた際にも、精度よく劣化度合いを推定することができる。さらに、その劣化度合いに応じて充放電制御を行うことで、容量劣化を抑制することができる。したがって、高い容量を保った状態でリチウム二次電池を多数回に渡って充放電して繰り返し使用することができる。
本発明の第1の発明は、リチウムイオンを吸蔵・放出する正極活物質を有する正極と、ケイ素と、スズの少なくとも一方の元素を含む負極活物質を有する負極と、リチウムイオン伝導性を有し、正極と負極とに介在する電解質と、を含むリチウム二次電池を対象とする劣化検出方法である。この劣化検出方法は次の4つのステップを有する。リチウム二次電池の閉回路時の充電終止電圧と充電後の開回路時の電圧の組、および閉回路時の放電終止電圧と放電後の開回路時の電圧の組の少なくともいずれかの組を検出する第1ステップ。検出された電圧の組より判定値を算出する第2ステップ。この判定値と、あらかじめ記憶した基準値と比較する第3ステップ。第3ステップでの比較結果に基づき、リチウム二次電池の劣化度合いを推定する第4ステップ。このように充電終止前後または放電終止前後の電池電圧を測定することにより、精度よくリチウム二次電池の劣化度合いを推定することができる。
本発明の第2の発明は、第1の発明において判定値が閉回路時の充電終止電圧と充電後の開回路時の電池電圧との差(ΔV)であることを特徴とするリチウム二次電池の劣化検出方法である。充電末期には負極の反応抵抗が上昇するためΔVが大きくなる。特に劣化が進行するとΔVが大きくなるため精度よくリチウム二次電池の劣化度合いを推定することができる。
本発明の第3の発明は、第1の発明において判定値が、閉回路時の充電終止電圧と充電後の開回路時の電圧との差(ΔV)と閉回路時の充電終止電流(I)とを用いて、R=ΔV/Iの関係式で求められる充電終止時の見かけ上の抵抗値Rであることを特徴とするリチウム二次電池の劣化検出方法である。このように充電末期の見かけ上の内部抵抗Rを用いても精度よくリチウム二次電池の劣化度合いを推定することができる。
本発明の第4の発明は、第1の発明において判定値が閉回路時の放電終止電圧と放電後の開回路時の電圧との差(ΔV)であることを特徴とするリチウム二次電池の劣化検出方法である。放電末期にも負極の反応抵抗が上昇するためΔVが大きくなる。特に劣化が進行するとΔVが大きくなるため精度よくリチウム二次電池の劣化度合いを推定することができる。
本発明の第5の発明は、第1の発明において判定値が、閉回路時の放電終止電圧と放電後の開回路時の電池電圧との差(ΔV)と閉回路時の放電終止電流(I)とを用いて、R=ΔV/Iの関係式で求められる放電終止時の見かけ上の抵抗値Rであることを特徴とするリチウム二次電池の劣化検出方法である。このように放電末期の見かけ上の内部抵抗Rを用いても精度よくリチウム二次電池の劣化度合いを推定することができる。
本発明の第6の発明は、第1から第5の発明における第4ステップで推定した劣化度合いに基づいてリチウム二次電池の充電を制御する第5ステップを備えたリチウム二次電池の劣化抑制方法である。劣化度合いを充電制御にフィードバックすることでリチウム二次電池の劣化を抑制することができる。
本発明の第7の発明は、第6の発明の第5ステップにおいて充電時間を短くすることを特徴とするリチウム二次電池の劣化抑制方法である。定電圧充電を行う場合、充電時間を短くすることで充電深度を低くし、リチウム二次電池の劣化を抑制することができる。
本発明の第8の発明は、第6の発明の第5ステップにおいて充電終止電圧を下げることを特徴とするリチウム二次電池の劣化抑制方法である。定電流充電を行う場合、充電終止電圧を変えることで充電深度を低くし、リチウム二次電池の劣化を抑制することができる。
本発明の第9の発明は、第1から第5の発明における第4ステップで推定した劣化度合いに基づいてリチウム二次電池の放電を制御する第5ステップを備えたリチウム二次電池の劣化抑制方法である。劣化度合いを放電制御にフィードバックすることでリチウム二次電池の劣化を抑制することができる。
本発明の第10の発明は、第9の発明の第5ステップにおいて放電時間を短くすることを特徴とするリチウム二次電池の劣化抑制方法である。また本発明の第11の発明は、第9の発明の第5ステップにおいて放電終止電圧を上げることを特徴とするリチウム二次電池の劣化抑制方法である。いずれの場合も放電終了時点の放電深度を浅くして残存容量を大きくすることでリチウム二次電池の劣化を抑制することができる。
本発明の第12の発明は、第1の発明を実現するリチウム二次電池の劣化検出器である。本発明の第13の発明は、第12の発明による劣化検出器と、判定部が推定した劣化度合いに基づいてリチウム二次電池の充電を制御する制御部とを備えたリチウム二次電池の劣化抑制器である。本発明の第14の発明は、第12の発明による劣化検出器と、判定部が推定した劣化度合いに基づいてリチウム二次電池の放電を制御する制御部とを備えたリチウム二次電池の劣化抑制器である。
本発明の第15の発明は、第13の発明による劣化抑制器と、リチウム二次電池とを具備する電池パックである。本発明の第16の発明は、第13の発明による劣化抑制器と、リチウム二次電池に充電する充電部とを具備する充電器である。そして本発明の第17の発明は、第14の発明による劣化抑制器と、リチウム二次電池とを具備する電池パックである。
以下、図面を参照しながら説明する。なお本発明は、以下の内容に限定されない。
(実施の形態)
図1は本発明の実施の形態によるリチウム二次電池1の劣化検出器の概略構成を示すブロック図である。劣化検出器8は、リチウム二次電池1の電池電圧を検出する検出部2、得られた電池電圧より判定値を算出する算出部3、リチウム二次電池1の基準値を記憶する記憶部4、記憶部4で記憶された基準値と判定値を比較する比較部5、および比較部5の算出した結果の差に基づいてリチウム二次電池1の劣化度合いを推定する判定部6を有する。
図2は図1に示す劣化検出器8の劣化推定対象となるリチウム二次電池1の一例であるラミネート式電池の構成の概略を示す断面図である。正極10と、負極11と、これらの間に介在するセパレータ12とが重ね合わせられて極板群が構成されている。この極板群とリチウムイオン伝導性を有する非水電解質は、外装ケース13の内部に収容されている。非水電解質は、セパレータ12に含浸されている。
正極10は、正極集電体10Aと、正極集電体10Aに担持された正極活物質層10Bからなる。負極11は、負極集電体11Aと、負極集電体11Aに担持された負極活物質層11Bからなる。正極活物質層10Bは、通常、正極活物質、導電助剤、バインダーにより構成されるが、正極活物質だけで構成しても構わない。また、負極活物質層11Bも、通常、負極活物質、導電助剤、バインダーにより構成されるが、負極活物質だけで構成しても構わない。
正極集電体10A、負極集電体11Aは、それぞれ正極リード14および負極リード15の一端に接続されている。正極リード14および負極リード15の他端は、それぞれ外装ケース13の外部に導出されている。
正極活物質層10Bは、リチウムイオンを吸蔵・放出することができる正極活物質を含む。このような材料としては、例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、マンガン酸リチウム(LiMn)などを挙げることができるが、これらに限定されない。正極集電体10Aには、Al、Al合金、Ni、Tiなどを用いることができる。
非水電解質としては、様々なリチウムイオン伝導性の固体電解質や非水電解液を用いることができる。非水電解液としては、非水溶媒にリチウム塩を溶解したものが好ましく用いられる。非水電解液には公知の組成のものを適用でき、その組成は特に制限されない。
セパレータ12や外装ケース13としては、様々な形態のリチウム二次電池に一般的に用いられている材料を特に制限なく用いることができる。
シリコン(Si)、スズ(Sn)などを負極活物質層11Bとして用いる場合、電池が満充電状態、完全放電状態のとき、負極活物質は未満充電の状態に設定する必要がある。具体的には、例えば負極活物質は電池が満充電状態のとき、90%以下の充電状態であり、電池が完全放電状態のとき、10%以上の充電状態に設定する。
電池が満充電状態のとき、負極活物質層11Bが90%よりも高い充電状態になるとリチウムイオンの受け入れが困難になり、反応抵抗が増加する。すなわち、負極活物質層11Bが90%よりも高い充電状態になると、負極活物質中のリチウム濃度が増加し、リチウム間の相互作用が強くなる。そのため、リチウムの負極活物質中の拡散が遅くなる。特に負極活物質の表面で拡散律速の状態になる。そのため、非水電解質から負極活物質内部に受け入れできないリチウムイオンは金属リチウムとして負極活物質層11Bの表面に析出するか、もしくは受け入れできても受け入れしやすいところのみに受け入れが起こる。そのため、受け入れたところと受け入れていないところとが斑に混在するようになり、負極活物質の組成が不均一となる。このような不均一な組成の生成を伴う充放電サイクルを繰り返すとサイクル寿命が急速に劣化する。
また、電池が完全状態のとき、負極活物質層11Bが10%より低い充電状態になると、負極活物質層11Bからリチウムの取り出しが難しくなり、反応抵抗が増加する。これは、負極活物質層11B中でリチウムの一部がリチウムと合金化したSi、Snの骨格構造を構成しており、放電時に骨格構造を形成しているリチウムまで取り出してしまうと負極活物質層11Bの骨格構造を破壊してしまうためである。したがって、このような骨格構造の破壊を伴う放電を繰り返すとサイクル寿命が急速に劣化する。
このように、負極活物質層11Bの充電状態(充電深度)が上記範囲外で電池の充放電が繰り返されると反応抵抗の増加を招く。
負極11を上記範囲で充放電させるためには、一般的に電池電圧を所定の電圧範囲内で充放電させるように充電器などを設定する。しかし正負極活物質それぞれのサイクル劣化に伴い、正極10、負極11のいずれも使用される電位範囲が変化していく。そのため正極10と負極11との電位差、すなわち電池電圧を規制するだけでは、充放電サイクルに伴う容量劣化を抑制することが困難である。
本実施の形態ではSi、Snの少なくともいずれかの元素を含む負極活物質を、電池が満充電状態では90%以下の充電状態に、また電池が完全放電状態では10%以上の充電状態に常に保つため、リチウム二次電池1の電池電圧を複数回、検出部2で検出する。ここで検出される電池電圧は、電流を印加して電池に負荷をかけた状態にある閉回路時の電池電圧と、電流が印加されていない無負荷状態にある開回路時の電池電圧であることが好ましい。すなわち、検出部2で検出される電池電圧は閉回路時および開回路時においてそれぞれ少なくとも1点以上の測定時点において測定されることが好ましい。そして検出された複数個の電池電圧値を用いて算出部3により判定値を算出する。
ここで用いる閉回路時の電池電圧としては特に充電終止電圧、放電終止電圧が望ましい。充電終止電圧とは、充電が終了したときの閉回路電池電圧で、例えば満充電状態の電池電圧のことである。放電終止電圧とは、放電が終了したときの閉回路電池電圧で、例えば完全放電の状態の電池電圧である。
途中で充放電を強制的に終了させリチウム二次電池が部分充電の状態にあるときでも、その際の充電終止電圧、放電終止電圧を用いることも可能である。しかし、劣化が加速される可能性が高いのは満充電状態、または完全放電状態であるため、電池の部分充電の状態が満充電の90%以上、または10%以下の場合以外は検出を行わなくても構わない。また環境温度が大きく変化する場合は検出された電池電圧をリチウム二次電池の実温度を考慮して補正するとより望ましい。
算出部3で用いる開回路時の電池電圧としては、満充電後の開回路時の電池電圧、完全放電後の開回路時の電池電圧であることが特に望ましい。判定値の算出には閉回路時の電池電圧および開回路時の電池電圧を用いるが、それぞれの値は、充放電時に電流が印加された閉回路状態から電流の印加がない開回路状態に切り替るのに伴い電池電圧が変化していく過程で測定された値であることが望ましい。
判定値としては、閉回路時の充電終止電圧と充電後の開回路時の電池電圧との差(ΔV)を用いることができる。ここで、充電後の開回路時の電池電圧には、充電後のある設定時間後(Δt)の開回路の電池電圧を用いる。設定時間としては特に限定されないが、1秒〜1時間程度が望ましい。
または判定値として閉回路時の放電終止電圧と放電後の開回路時の電池電圧との差(ΔV)を用いることもできる。充電の場合と同様、放電の場合も放電後の開回路時の電池電圧には、放電後のある設定時間後(Δt)の開回路の電池電圧を用いる。設定時間は特に限定されないが、1秒〜1時間程度が望ましい。
特に充放電の電流値が充放電サイクルや充放電中に頻繁に変わる場合は電流値により開回路時の電池電圧も大きく変化する。そのため、判定値としてΔVを閉回路時の充電終止電流(I)で割った見かけ上の抵抗値R(ΔV/I)、またはΔVを閉回路時の放電終止電流(I)で割った見かけ上の抵抗値R(ΔV/I)を用いるのが好ましい。
判定値と比較して劣化度合いを推定するのに用いる基準値は、あらかじめ磁気記憶媒体や不揮発性メモリなどからなる記憶部4に記憶されている。基準値としては判定値と比較可能な値である。基準値は理論値、例えば劣化が起こる前のリチウム二次電池についてあらかじめ設定した値を用いる。一般的に、同じ種類の電池であっても、一つ一つの電池によって電池特性が若干異なるため、基準値は電池ごとに設定することが望ましい。電池が複数個直列、並列につなぎ合わされている場合は、一つ一つの電池ではなく複数個の電池がつなぎ合わされてできる1つの電池パックとして基準値を設定していても構わない。また、基準値として、検出部2で電池電圧を検出する時点より前の充放電サイクルにおける判定値を用いることもできる。
比較部5は、検出したリチウム二次電池1の判定値と基準値との差を算出する。比較部5で比較される判定値は2つ以上あっても構わない。
そして判定部6は、比較部5での結果に基づいてリチウム二次電池1の劣化度合いを推定する。
次に、本実施の形態によるリチウム二次電池の劣化検出方法により推定したリチウム二次電池の劣化度合いに応じ、充電、放電、あるいはその両方を制御することで、更なる劣化を抑制する方法を、図3を用いて説明する。図3は本発明の実施の形態によるリチウム二次電池の劣化抑制器の概略構成を示すブロック図である。劣化抑制器9は上述の劣化検出器8にさらに制御部7を追加した構成を有する。
制御部7は判定部6が算出した劣化度合いに基づき、充電容量、放電容量、あるいはその両方を変更する。すなわち、劣化度合いに応じて劣化の進行を抑制するように充電容量、放電容量、あるいはその両方を強制的に減少させる。このように本実施の形態では推定した劣化度合いに基づいてリチウム二次電池1の充電または放電、あるいはその両方を制御する。劣化度合いを充放電制御にフィードバックすることでリチウム二次電池1の劣化を抑制することができる。この場合、充電、放電、あるいはその両方の時間をそれまでより短くする方法と、充電終止電圧を下げる、または放電終止電圧を上げるように電池の充放電電圧を変更する方法が挙げられる。定電圧充電を行う場合、充電時間をそれまでより短くすることで充電深度を低くし、リチウム二次電池1の劣化を抑制することができる。定電流充電を行う場合、充電終止電圧を下げることで充電深度を低くし、リチウム二次電池1の劣化を抑制することができる。また放電時間を短くしても放電終止電圧を上げても、放電終了時点の放電深度を浅くして残存容量を大きくすることでリチウム二次電池1の劣化を抑制することができる。
このように制御することで、リチウム二次電池1を満充電、完全放電、あるいはその両方を行っても、負極活物質層11Bの充電深度を設定範囲内に保持することができる。そして充電の場合は充電器に、放電の場合は放電制御装置に本実施の形態による劣化抑制器9を適用することができる。
なお上述の劣化検出器8と、放電または充電を制御するための制御部7とを有する劣化抑制器9を、図4に示すようにリチウム二次電池1の電池パック21の筐体20に内蔵させてもよい。図4は本発明の実施の形態によるリチウム二次電池の劣化抑制器を内蔵した電池パックの構成図である。なお配線などの詳細は省略して示している。
すなわち、電池パック21は劣化抑制器9と、その劣化抑制対象であるリチウム二次電池1とを有する。リチウム二次電池1は1個でも複数でもよく、また角形でも円筒形でもよい。劣化抑制器9はICチップ化されていても構わない。その場合、充放電の電流、電圧、温度などの電池制御用IC回路と一体化されていてもよい。
また図5に示すように、リチウム二次電池1を充電する充電器24に劣化抑制器9を含めてもよい。図5は本発明の実施の形態によるリチウム二次電池の劣化抑制器を用いた充電器のブロック図である。
すなわちこのような充電器24は、充電を制御するための制御部7を含む、リチウム二次電池1の劣化抑制器9と、リチウム二次電池1に充電する充電部23とを有する。充電部23はAC電源などの外部電源22からの電圧を整流したり、電圧変換したり、電流を制御したりする。そして劣化抑制器9の制御により電圧や電流を調節する。このような充電器24でも、劣化抑制器9はICチップ化されていても構わない。その場合、充電の電流、電圧、温度などの充電制御用IC回路と一体化されていてもよい。
本発明が効果を発揮するのはリチウム二次電池1の負極11が、SiまたはSnの少なくとも1種の元素を含む負極活物質を有する場合である。具体的には、例えばSiまたはSn単体、SiまたはSnを含む合金、SiまたはSnと酸素とを含む化合物、およびSiまたはSnと窒素とを含む化合物が挙げられる。これらは単独で負極活物質層11Bを構成してもよく、2種以上が組み合わさって負極活物質層11Bを構成してもよい。なお、SiまたはSnと窒素を含む化合物は、さらに酸素を含んでもよい。2種以上が組み合わさって負極活物質層11Bを構成する例として、SiまたはSnと酸素と窒素を含む化合物SiO、SnOが挙げられる。また、SiまたはSnと酸素との比率が異なる複数のSiO、SnOの酸化物からなる負極活物質が挙げられる。また、Si、Snを含む負極活物質は結晶であっても、非晶質であっても構わない。
合金の場合、合金に含まれるSiおよびSn以外の金属元素Mは、リチウムと合金を形成しない金属元素であることが望ましい。金属元素Mは、化学安定な電子伝導体であれば特に制限はないが、例えば、チタン(Ti)、銅(Cu)およびニッケル(Ni)よりなる群から選択される少なくとも1種であることが望ましい。金属元素Mは、1種が単独で合金に含まれていてもよく、2種以上が合金に含まれていてもよい。合金におけるSiまたはSnと金属元素Mのモル比は、特に制限はないが、下記範囲が好ましい。
金属元素MがTiの場合、0<Ti/Si<2が好ましく、0.1≦Ti/Si≦1.0が特に好ましい。
金属元素MがCuの場合、0<Cu/Si<4が好ましく、0.1≦Cu/Si≦2.0が特に好ましい。
金属元素MがNiの場合、0<Ni/Si<2が好ましく、0.1≦Ni/Si≦1.0が特に好ましい。
金属元素MがTiの場合、0<Ti/Sn<2が好ましく、0.1≦Ti/Sn≦1.0が特に好ましい。
金属元素MがCuの場合、0<Cu/Sn<4が好ましく、0.1≦Cu/Sn≦2.0が特に好ましい。
金属元素MがNiの場合、0<Ni/Sn<2が好ましく、0.1≦Ni/Sn≦1.0が特に好ましい。
Siと酸素とを含む化合物は、特に制限はないが、一般式(1):SiO(ただし、0<x<2)で表される組成を有することが望ましい。ここで、酸素元素の含有量を示すx値は、0.01≦x≦1であることがさらに好ましい。
Siと窒素とを含む化合物は、特に制限はないが、一般式(2):SiN(ただし、0<y<4/3)で表される組成を有することが望ましい。ここで、窒素元素の含有量を示すy値は、0.01≦y≦1であることがさらに好ましい。
Snと酸素とを含む化合物は、特に制限はないが、一般式(1):SnO(ただし、0<x<2)で表される組成を有することが望ましい。ここで、酸素元素の含有量を示すx値は、0.01≦x≦1であることがさらに好ましい。
Snと窒素とを含む化合物は、特に制限はないが、一般式(2):SnN(ただし、0<y<4/3)で表される組成を有することが望ましい。ここで、窒素元素の含有量を示すy値は、0.01≦y≦1であることがさらに好ましい。
SiまたはSnを含む負極活物質が、SiまたはSn単体以外に、SiまたはSnを含む合金、SiまたはSnと酸素を含む化合物、またはSiまたはSnと窒素を含む化合物であっても、リチウムイオンの受け入れ、取り出しの充放電反応に大きな違いはない。これは充放電反応が基本的にSiまたはSnとリチウムとの合金化反応であり、SiまたはSnの合金中の金属元素M、化合物中の酸素、窒素などは実質的に充放電反応に関与しないためである。
したがって、SiまたはSnを含む合金、SiまたはSnと酸素とを含む化合物、またはSiまたはSnと窒素とを含む化合物もSi、Sn単体と同様のメカニズムで充放電サイクル劣化を起こすので、これらの合金あるいは化合物についても、SiまたはSn単体と同様に、電池が満充電状態、完全放電状態で負極活物質を未満充電の状態に設定する必要がある。すなわち、負極活物質は電池が満充電状態で90%以下の未満充電状態であり、電池が完全放電状態で10%以上の未満充電状態に設定する必要がある。
(実施例)
次に、実施例に基づいて具体的に説明するが、以下の実施例は本発明を限定するものではない。
本実施例では、本発明によるリチウム二次電池の劣化検出方法および劣化抑制方法を、正極活物質にコバルト酸リチウム(LiCoO)、負極活物質に酸化ケイ素SiO(x=0.3)を用いたリチウム二次電池に適用した。実施例および比較例ともに、以下の要領で負極11およびリチウム二次電池1を作製し、そのサイクル寿命と放電容量について評価した。
(1)負極の作製
電子ビーム(EB)加熱部(図示せず)を具備する蒸着装置を用いて、負極11を作製した。蒸着装置は、酸素ガスをチャンバー内に導入するためのガス管(図示せず)と、ノズルを具備する。ノズルは、真空チャンバー内に導入された配管に接続されている。配管は、マスフローコントローラを経由して、酸素ボンベと接続されている。ノズルからは、純度99.7%の酸素ガスを、流量80sccmで放出し、真空チャンバー内に酸素雰囲気を形成した。ノズルの上方には、厚さ20μmの電解銅箔よりなる負極集電体11Aを固定する固定台を設置した。固定台の鉛直下方には、蒸発源であるターゲットを設置した。ターゲットには、純度99.9999%のケイ素単体を用いた。
加速電圧−8kV、エミッション電流500mAの電子ビームをターゲットに照射して、ケイ素単体を蒸発させた。ケイ素単体の蒸気を、酸素雰囲気を通過させた後、固定台に設置した銅箔よりなる負極集電体11A上に、ケイ素と酸素とを含む化合物を20分間体積することで、負極活物質層11Bを形成した。こうして負極11を作製した。
負極活物質層11Bに含まれる酸素量を燃焼法により定量しケイ素と酸素とを含む化合物の組成を求めたところ、組成はSiO0.3であった。またX線回折分析を行ったところ、負極集電体11AのCuに帰属される結晶性のピークの他、15°≦2θ≦40°の位置にブロードなピークが検出された。X線回折分析の結果は、堆積したケイ素と酸素を含む化合物は非晶質であることを示している。このようにして作製した負極活物質層11Bの厚さは約9.5μmである。
上記負極を再度、上記真空蒸着装置中に導入し、酸素ガスの放出を中止し、真空中で抵抗加熱によって金属Liターゲット(本庄ケミカル(株)製)からリチウムを蒸発させ、負極の両面にリチウムを蒸着した。蒸着量は、負極の搬送速度を変えることで変化させ、任意の量のリチウムを負極表面上に蒸着した。このリチウムの蒸着量を変化させることによって、負極の不可逆容量を補填し、電池が満充電状態および完全放電状態での負極活物質の未満充電状態を制御した。
なお、負極11は、SiO0.3の薄膜を作製後、いったん100℃で10時間真空乾燥した後、露点−60℃以下の乾燥雰囲気において室温で保管した。その後、後述のように所定量のリチウムを蒸着により付与した。リチウム蒸着後も同様に、負極11を露点−60℃以下の乾燥雰囲気に保管した。
(2)正極の作製
LiCOとCoCOとを所定のモル比で混合し、950℃で加熱することによって合成したLiCoOを、45μm以下の大きさに分級して正極活物質として用いた。正極活物質100重量部に対して、導電剤としてアセチレンブラックを5重量部、結着剤としてポリフッ化ビニリデン4重量部、分散媒として適量のN−メチル−2−ピロリドンを加え、充分に混合し、正極合剤ペーストを調製した。
この正極合剤ペーストを厚み15μmのアルミニウム箔からなる正極集電体10Aに塗布、乾燥、圧延することで、正極集電体10Aと、その上に担持された正極活物質層10Bからなる正極10を作製した。
正極10は露点−60℃以下のドライ雰囲気において室温で保管し、使用に際しては、電池を構成する直前に80℃で真空乾燥した。
(3)リチウム二次電池の作製
図2に示す構成を有するリチウム二次電池1を以下の手順で作製した。まず、上記(1)および(2)で得られた正極10と負極11とを、それぞれ所定のサイズに裁断した。正極集電体10Aには、アルミニウム製の正極リード14の一端を接続した。負極集電体11Aには、ニッケル製の負極リード15の一端を接続した。その後、正極10と負極11とを、両極板より幅が広い厚さ20μmのポリエチレン樹脂製微多孔フィルムからなるセパレータ12を介して積層し、極板群を構成した。極板群を、露点が−60℃の乾燥雰囲気中に設置した乾燥オーブン中で、60℃で真空乾燥を10時間行い、群中に含まれる水分を排出した。なお、極板群を構成する前にも、セパレータ12および他の電池部材を充分に乾燥し、リチウム二次電池1中に持ち込まれる水分を低減させた。極板群の外面をセパレータ12で包み込んだ後、袋状の外装ケース13に収容した。次いで、非水電解質を外装ケース13内に注液し、極板群に含浸させた。正極リード14、負極リード15の他端を外装ケース13から突出させた状態で、外装ケース13の開口部を熱融着して封じた。
なお非水電解質には、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとの体積比1:1の混合非水溶媒に六フッ化リン酸リチウムを1モル/Lの濃度で溶解したものを用いた。この非水電解質の酸量および酸成分を定性・定量したところ、主成分はフッ酸であり、その総量は18ppmであった。
(4)充放電サイクル試験評価
20℃に設定した恒温槽の中で、作製したリチウム二次電池1に対し以下の条件で充放電サイクルを繰り返した。リチウム二次電池1を、1Cの一定電流で電池電圧が4.20Vになるまで充電し、次いで4.20Vの一定電圧で、電流値が0.05Cになるまで充電する。その後、1Cの一定電流で電池電圧が2.5Vになるまで放電した。このような充放電操作を繰り返し、理論上の放電容量を100とし各サイクルの放電容量を評価した。
本実施の形態による劣化検出方法を、図1に示す劣化検出器8を用いて上記(4)の充放電サイクル試験評価に適用した。上記(1)、(2)、(3)に従い、それぞれ任意の量のリチウムを蒸着した負極11を用いて、電池Aおよび電池Bを作製した。各電池について、リチウムの蒸着量を(表1)に示す。電池Aは満充電状態で負極11が完全充電状態(充電深度が100%)になるように、電池Bでは完全放電状態で負極11が完全放電状態(充電深度が0%)になるように設定した。
Figure 2008192607
電池A、Bについて、本実施の形態による劣化検出方法を適用して、上記(4)の充放電サイクル試験評価を行った。各サイクルに対する劣化度合いは理論上の放電容量と各サイクルの放電容量の差として表した。
電池Aの場合、ΔVは充電での閉回路時の終止電池電圧である4.2V、開回路時の電池電圧として充電後10分後に測定した電池電圧の差とした。また、見かけ上の抵抗値RはΔVと終止電流値である0.05Cを用いて算出した。結果を(表2)に示す。それぞれのサイクルでのRは1サイクル目のRを1とした場合の相対値である。
Figure 2008192607
電池Bの場合、ΔVは放電での閉回路時の終止電池電圧である2.5V、開回路時の電池電圧として放電後10分後に測定した電池電圧の差とした。また、見かけ上の抵抗値RはΔVと終止電流値である1.0Cを用いて算出した。結果を(表3)に示す。それぞれのサイクルでのRは1サイクル目のRを1とした場合の相対値である。
Figure 2008192607
(表2)、(表3)に示した結果から明らかなように、電池A、電池Bはともに、放電容量が充放電サイクル進行に伴い大きく劣化している。未満充放電の状態で負極11が使われない場合、このようにサイクル特性は明らかに大きく劣化する。ここで重要なことは、劣化度合いと、ΔVおよびΔVまたは、RおよびRとは極めてよく相関していることである。すなわち、本実施の形態による劣化検出方法に従い、ΔVまたはΔV、またはRまたはRを用いることで劣化度合いを精度よく推定できる。
次に上記(1)、(2)、(3)に従って、それぞれ所定の量のリチウムを蒸着した負極11を用いて電池C〜電池Fを作製した。各電池について、電池完全放電時の負極の未満充電の程度(%)、電池満充電時の負極の未満充電の程度(%)および、蒸着したリチウム量を(表4)に示す。
また電池C、Dと同じリチウム量を蒸着した負極を有し、本実施の形態による劣化抑制方法を適用せずに劣化度合いに応じて充電時間を変化しない電池を比較電池Aとした。電池E、Fと同じリチウム量を蒸着した負極を有し、本実施の形態による劣化抑制方法を適用せず、劣化度合いに応じ放電時間を変更しない電池を比較電池Bとした。
(表4)に示すように、電池C、Dおよび比較電池Aは、電池が満充電状態で負極が完全充電状態(充電深度100%)に設定されており、電池E、Fおよび比較電池Bは、電池が完全放電状態で負極が完全放電状態(充電深度0%)に設定されている。
Figure 2008192607
そしてこれらの電池について電池Aと同様にして上記(4)の充放電サイクル試験評価を行った。各サイクルの劣化度合いは理論上の放電容量と各サイクルの放電容量の差として表した。
電池C、Dの場合、ΔVは充電での閉回路時の終止電池電圧である4.2V、開回路時の電池電圧として充電後10分後に測定した電池電圧の差とした。また、RはΔVと終止電流値である0.05Cを用いて算出した。
ここで、劣化度合いが20%を超えた場合、電池Cの充電時間を90%に短くするように設定しなおすことで劣化の進行を抑制し、充放電サイクルを継続させた。また、劣化度合いが20%を超えた場合、電池Dの充電終止電圧を0.1Vごとに下げるように設定しなおすことで劣化の進行を抑制し、充放電サイクルを継続させた。200サイクル目の結果を(表5)に示す。200サイクル目でのRは1サイクル目のRを1とした場合の相対値である。
Figure 2008192607
電池E、Fの場合、ΔVは放電での閉回路時の終止電池電圧である2.5V、開回路時の電池電圧として放電後10分後に測定した電池電圧の差とした。また、RはΔVと終止電流値である1.0Cを用いて算出した。
ここで、劣化度合いが20%を超えた場合、電池Eの放電時間を90%に短くするように設定しなおすことで劣化の進行を抑制し、充放電サイクルを継続させた。また、劣化度合いが20%を超えた場合、電池Fの放電終止電圧が0.1V上昇するように設定しなおすことで劣化の進行を抑制し、充放電サイクルを継続させた。200サイクル目の結果を(表6)に示す。200サイクル目でのRは1サイクル目のRを1とした場合の相対値である。
Figure 2008192607
(表5)、(表6)に示した結果から明らかなように、本実施の形態による劣化抑制方法を適用した電池C〜Fではそれぞれサイクル劣化の進行が抑制され、比較電池Aおよび比較電池Bに較べ、大幅にサイクル特性が改善されている。
すなわち、本実施の形態によるリチウム二次電池の劣化抑制方法に従い、リチウム二次電池の閉回路時の充電終止電圧と充電後の開回路時の電池電圧との差ΔV、または閉回路時の放電終止電圧と放電後の開回路時の電池電圧との差ΔV、またはΔVを閉回路時の充電終止電流(I)で割った見かけ上の抵抗値R、またはΔVを閉回路時の放電終止電流(I)で割った見かけ上の抵抗値Rを用いることで劣化度合いを精度よく推定できる。その推定結果を基にリチウム二次電池の充電および放電を制御することで劣化の進行を大幅に抑制することができる。
本発明によれば、リチウムイオンを吸蔵・放出する正極活物質を有する正極と、ケイ素、スズからなる群から選択される少なくとも1種の元素を含む負極活物質を有する負極と、リチウムイオン伝導性の電解質とを用いたリチウム二次電池について、サイクル特性の劣化度合いを検出し、劣化を抑制することで、リチウム二次電池の長期間に渡る使用を可能とする。
本発明の実施の形態によるリチウム二次電池の劣化検出器の概略構成を示すブロック図 本発明の実施の形態による劣化検出器の劣化推定対象となるリチウム二次電池の一例であるラミネート式電池の構成の概略を示す断面図 本発明の実施の形態によるリチウム二次電池の劣化抑制器の概略構成を示すブロック図 本発明の実施の形態によるリチウム二次電池の劣化抑制器を内蔵した電池パックの構成図 本発明の実施の形態によるリチウム二次電池の劣化抑制器を用いた充電器のブロック図
符号の説明
1 リチウム二次電池
2 検出部
3 算出部
4 記憶部
5 比較部
6 判定部
7 制御部
8 劣化検出器
9 劣化抑制器
10 正極
10A 正極集電体
10B 正極活物質層
11 負極
11A 負極集電体
11B 負極活物質層
12 セパレータ
13 外装ケース
14 正極リード
15 負極リード
20 筐体
21 電池パック
22 外部電源
23 充電部
24 充電器

Claims (17)

  1. リチウムイオンを吸蔵・放出する正極活物質を有する正極と、
    ケイ素と、スズの少なくとも一方の元素を含む負極活物質を有する負極と、
    リチウムイオン伝導性を有し、前記正極と前記負極とに介在する電解質と、を含むリチウム二次電池の劣化検出方法であって、
    前記リチウム二次電池の閉回路時の充電終止電圧と充電後の開回路時の電圧の組、および閉回路時の放電終止電圧と放電後の開回路時の電圧の組の少なくともいずれかの組を検出する第1ステップと、
    検出された電圧の組より判定値を算出する第2ステップと、
    前記判定値と、あらかじめ記憶した基準値と比較する第3ステップと、
    前記第3ステップでの比較結果に基づき、前記リチウム二次電池の劣化度合いを推定する第4ステップと、を備えたリチウム二次電池の劣化検出方法。
  2. 前記判定値が閉回路時の充電終止電圧と充電後の開回路時の電圧との差(ΔV)であることを特徴とする請求項1に記載のリチウム二次電池の劣化検出方法。
  3. 前記判定値が、閉回路時の充電終止電圧と充電後の開回路時の電圧との差(ΔV)と閉回路時の充電終止電流(I)とを用いて、
    =ΔV/I
    の関係式で求められる充電終止時の見かけ上の抵抗値Rであることを特徴とする請求項1に記載のリチウム二次電池の劣化検出方法。
  4. 前記判定値が閉回路時の放電終止電圧と放電後の開回路時の電圧との差(ΔV)であることを特徴とする請求項1に記載のリチウム二次電池の劣化検出方法。
  5. 前記判定値が、閉回路時の放電終止電圧と放電後の開回路時の電圧との差(ΔV)と閉回路時の放電終止電流(I)とを用いて、
    =ΔV/I
    の関係式で求められる放電終止時の見かけ上の抵抗値Rであることを特徴とする請求項1に記載のリチウム二次電池の劣化検出方法。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載のリチウム二次電池の劣化検出方法における前記第1ステップから前記第4ステップと、
    前記第4ステップで推定した前記劣化度合いに基づいて前記リチウム二次電池の充電を制御する第5ステップを備えたリチウム二次電池の劣化抑制方法。
  7. 前記第5ステップにおいて充電時間を短くすることを特徴とする請求項6に記載のリチウム二次電池の劣化抑制方法。
  8. 前記第5ステップにおいて充電終止電圧を下げることを特徴とする請求項6に記載のリチウム二次電池の劣化抑制方法。
  9. 請求項1から5のいずれか一項に記載のリチウム二次電池の劣化検出方法における前記第1ステップから前記第4ステップと、
    前記第4ステップで推定した前記劣化度合いに基づいて前記リチウム二次電池の放電を制御する第5ステップを備えたリチウム二次電池の劣化抑制方法。
  10. 前記第5ステップにおいて放電時間を短くすることを特徴とする請求項9に記載のリチウム二次電池の劣化抑制方法。
  11. 前記第5ステップにおいて放電終止電圧を上げることを特徴とする請求項9に記載のリチウム二次電池の劣化抑制方法。
  12. リチウムイオンを吸蔵・放出する正極活物質を有する正極と、
    ケイ素と、スズの少なくとも一方の元素を含む負極活物質を有する負極と、
    リチウムイオン伝導性を有し、前記正極と前記負極とに介在する電解質と、を含むリチウム二次電池の劣化検出器であって、
    前記リチウム二次電池の閉回路時の充電終止電圧と充電後の開回路時の電圧の組、および閉回路時の放電終止電圧と放電後の開回路時の電圧の組の少なくともいずれかの組を検出する検出部と、
    検出された電圧の組より判定値を算出する算出部と、
    前記判定値と、あらかじめ記憶した基準値と比較する比較部と、
    前記比較部での比較結果に基づき、前記リチウム二次電池の劣化度合いを推定する判定部と、を備えたリチウム二次電池の劣化検出器。
  13. 請求項12に記載の劣化検出器と、
    前記判定部が推定した前記劣化度合いに基づいて前記リチウム二次電池の充電を制御する制御部と、を備えたリチウム二次電池の劣化抑制器。
  14. 請求項12に記載の劣化検出器と、
    前記判定部が推定した前記劣化度合いに基づいて前記リチウム二次電池の放電を制御する制御部と、を備えたリチウム二次電池の劣化抑制器。
  15. 請求項13に記載の劣化抑制器と、前記リチウム二次電池とを具備する電池パック。
  16. 請求項13に記載の劣化抑制器と、前記リチウム二次電池に充電する充電部とを具備する充電器。
  17. 請求項14に記載の劣化抑制器と、前記リチウム二次電池とを具備する電池パック。
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