JP2009301850A - リチウム二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】ハイレート特性が改良されて安定した出力特性を有するリチウム二次電池を提供する。
【解決手段】1軸配向していて(104)面が電極面に平行に配向しているコバルト酸リチウム膜よりなる正極を用いた発電要素と、安定な電圧を確保するための開回路遮断手段とを有するリチウム二次電池。
【選択図】なし

Description

この発明は、リチウム二次電池に関し、さらに詳しくは配向したコバルト酸リチウム膜よりなる正極を用いた発電要素と、安定な電圧を確保するための開回路遮断手段とを有するリチウム二次に関するものである。
近年、携帯電話の普及に伴い、電源として充電することによって繰り返して使用できる二次電池、特に高性能、小型軽量化などの総合的なバランスのよさからリチウム二次電池が主として用いられている。
リチウム二次電池は、金属化合物、例えばコバルト酸リチウムからなる正極、炭素材料からなる負極、有機溶媒とリチウム塩からなる電解液およびセパレータ又は固体電解質層で構成される発電要素を有する電池が一般的である。リチウム二次電池の原理は、リチウムイオンが以下に示す反応によって、充電時に正極から負極へ、放電時に負極から正極へと移動する性質に基く。
(充電時)
正極:LiCoO→Li1−xCoO+xLi+xe
負極:C(炭素材料)+xLi+xe→Li
(放電時:上記反応の逆反応が自発的に起こる)
正極:Li1−xCoO+xLi+xe→LiCoO
負極:LiC→C+xLi+xe
コバルト酸リチウムからなる正極を用いたリチウム二次電池は、両極とも結晶構造を維持したままあるいは結晶構造変化が少なくてリチウムイオンの移動によって充放電を行うことが可能であり、充放電により電極の構造が大きく変化する他の電池、例えば鉛蓄電池やニッケル水素蓄電池などに比べて、劣化が少なくエネルギー効率が高いなどの特長を有している。
一方、世界的な環境問題、資源枯渇問題を背景に、自動車には排出ガスの一層の低減と燃費向上が求められており、環境に優しい次世代のEV(Electric Vehicle)やFCEV(Fuel−Cell Electric Vehicle)の開発が進められている。
これらの電気自動車の電源には、繰り返し充放電ができる二次電池(バッテリー)が用いられる。このような二次電池としては比較的高い出力特性とエネルギー密度を持つリチウム二次電池が有力であると考えられている。
しかし、電気自動車用のバッテリーに用いる場合あるいは電動工具用に用いる場合は、従来のリチウム二次電池では出力特性、特にハイレート特性が不十分である。
このハイレート特性とは、バッテリーの性能を表すもので、エンジン始動のような高負荷に強い特性のことを示す。ハイレート特性が悪いということは、大電流を流したときに電圧が終了してしまうということを意味する。
このハイレート特性について、従来のリチウム二次電池の電流値が大きくなった放電電圧の経時変化を示す図3を用いて説明する。
図3において、4.2Vに充電されたリチウム二次電池から微弱な電流(I)が流れている場合には、電圧は時間の経過とともに緩やかに低下するが、電流が増大する(I→I→I)(電流値:I>I>I)と、時間の経過とともに放電電圧が急激に低下する。
このように電流値が大きくなると、時間の経過とともに放電電圧が急激に低下する二次電池はハイレート特性が悪い。これに対して、大きな電流(I)であっても放電電圧の経時変化が緩やかな電池はハイレート特性が良好である。
このリチウム二次電池のハイレート特性を向上させるため、円筒巻式電池にして活物質の反応面積を大きくしたり電解液のリチウムイオン(Li)伝導度を向上させたりしても、正活物質の粒内拡散速度が律速となってハイレート特性は不十分である。
このため、リチウム二次電池の出力特性を改善する試みが種々提案されている(特許文献1〜3)。
特開平11−154509号公報 特開2003−132887号公報 特開2004−111242号公報
上記の特許文献1には、LiCoOを正活物質とする正極版であって、CuKαを線源とするX線回折によって測定される(003)面と(104)面の強度比が2以上5未満である高率放電特性とサイクル特性が向上した非水電解質二次電池が記載されている。そして、具体例としてはアルミニウム箔の両面に平均粒径6μmのLiCoOと導電剤のアセチレンブラックと結着剤のポリフッ化ビニリデンとのペーストを塗布、乾燥、圧延して得られた片面の膜厚が70μmのLiCoOを含む混合物層を有する正極が開示されている。
上記の特許文献2には、導電性基板上にLiCoOからなる正極活物質層、電解質層および負極活物質層が順次形成された固体リチウム二次電池であって、前記正極活物質LiCoOのc軸が前記基板の法線に対して少なくとも60°傾いていて、正極活物質層と電解質層との間のリチウムイオンの授受が容易となり高出力化できる固体リチウム二次電池が記載されている。しかし、特許文献2には正極活物質層内でのリチウムイオンの拡散性が充電深度によって影響を受けることについての開示はない。
上記特許文献3には、開回路電圧の異なる高出力密度型二次電池と高エネルギー密度型二次電池を並列に接続して構成した組電池が記載されている。この組電池によれば、高出力密度型二次電池をSOCの高い状態で使用することができ出力特性が向上する。
このように、従来公知のリチウム二次電池では出力特性の改善が十分でなく、特にハイレート特性が不十分であり、安定した出力特性は得られない。
従って、この発明の目的は、ハイレート特性が改良されて安定した出力特性を有するリチウム二次電池を提供することである。
この発明者らは、リチウム二次電池のハイレート特性を改善することを目的として鋭意研究を行った結果、コバルト酸リチウムは充電に伴ってリチウムイオンが引き抜かれることによりコバルト酸リチウム薄膜層内での(003)方向のリチウムイオンの拡散速度が遅くなることを見出し、さらに研究を行った結果この発明を完成した。
この発明は、1軸配向していて(104)面が電極面に平行に配向しているコバルト酸リチウム膜よりなる正極を用いた発電要素と、安定な電圧を確保するための開回路遮断手段とを有するリチウム二次電池に関する。
この発明によれば、ハイレート特性を改善して安定した出力特性を有するリチウム二次電池を得ることが可能である。
この発明における好適な態様を次に示す。
1)開回路遮断手段が、充填深度が20%を下回った際に電流を遮断する開回路手段である前記のリチウム二次電池。
2)コバルト酸リチウム膜よりなる正極が、スパッタリングによって形成されたものである前記のリチウム二次電池。
3)コバルト酸リチウム膜が、0.1〜2μmの膜厚を有する前記のリチウム二次電池。
この発明においては、1軸配向していて(104)面が電極面に平行に配向しているコバルト酸リチウム膜よりなる正極(正極板ということもある)を用いた発電要素であることが必要である。
この発明における前記の発電要素について、この発明における発電要素の1実施態様を示す図1およびこの発明における他の発電要素の実施態様を示す図2を用いて説明する。
図1において、リチウム二次電池の発電要素は、正極集電体(Alなど)の両面に(104)方向に配向したコバルト酸リチウム(LiCoO)膜である正活物質層よりなる正極が積層され、電解液を含むセパレータ、さらに負極集電体(Cuなど)の両面に負活物質層(C(炭素素材)など)よりなる負極が積層されて構成されている。
また、図2において、リチウム二次電池の発電要素は、正極集電体(Alなど)の片面にコバルト酸リチウム(LiCoO)膜である正活物質層よりなる正極が積層され、固体電解質層、さらに負極集電体(Cuなど)の片面に負活物質層(C(炭素素材)など)よりなる負極が積層されて構成されている。
この発明においては、前記の1軸配向していて(104)面が電極面に平行に配向しているコバルト酸リチウム膜よりなる正極を用いた発電要素によって、リチウム二次電池のハイレート特性を改善することが可能となるが、これはリチウムイオンの正極活物質内での拡散性が高いことによると考えられる。
この発明における前記の正極は、1軸配向していて(104)面が電極面に平行に配向しているコバルト酸リチウム膜を形成することにより、例えば図1に示す態様においては正極集電体上で電極面にLiCoO膜の配向面が平行になるように、すなわち(104)方向が垂直になるように配向させて形成することによって得ることができる。
また、前記の正極は、例えば図2に示す態様においては固体電解質上で、電極面にLiCoO膜の配向面が平行になるように、すなわち(104)方向が垂直になるように配向させることによって得ることができる。
前記の実施態様に示す(104)面が電極面に平行に配向しているコバルト酸リチウム膜は、例えば基板(例えばAl)上にアルゴン雰囲気下にスパッタリングにより集電体(例えばAl、Au)を形成し、次いで集電体の上にアルゴン(酸素:10〜40%、特に20〜40%含有)雰囲気下に0.1〜10PaでLiCoOをターゲット−基盤距離を例えば5〜20cm、60分より大で5時間以内の条件でスパッタリングし、さらに空気中で、例えば700℃で10〜60分間程度アニーリングすることによって得ることができる。
このように、スパッタリングおよびアニーリングによりLiCoO膜を作成し、厚みが増加するに従って(104)面が選択的に成長するので、厚い部分のみを利用することにより(104)面に配向した膜を得ることができる。
前記のようにして形成されたコバルト酸リチウム膜は、膜厚が小さいほどリチウムイオンの拡散性が高く好適であるが性能の安定性を考慮すると、好適には1.0〜5μm、特に1.0〜1.5μmの膜厚を有する。
前記の負極としては特に制限はなく、例えば銅等の金属箔製の負極集電体の表面(片面、好適には両面)に負極活物質を含む負極材を層状に結着させて形成させる。負極材は、黒鉛、コークス等の炭素材料を負極活物質とし、ポリフッ化ビニリデン等の結着剤を混合し、N−メチル−2−ピロリドン等の溶剤を添加してペースト状としたものをまず調製し、次いで、この負極ペーストを、塗工機等を用い、負極集電体の表面に、塗布し、その後乾燥させることによって、層状に結着した負極材を形成することができる。必要に応じ、プレスなどによって負極材の密度を高めることもできる。一般に、リチウム二次電池の負極集電体の厚さは10〜15μm、負極材の厚さは片面あたり20〜100μmである。
前記の電解液としては、特に制限はなく例えばEC(エチレンカーボネート)、DMC(ジメチルカーボネート)、DEC(ジエチルカーボネート)、EMC(エチルメチルカーボネート)、DMSO(ジメチルスルホキシド)、SL(スルホラン)、γ−BL(γ−ブチロラクトン)、DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)、ACN(アセトニトリル)、NMP(N−メチルピロリドン)、THF(テトラヒドロフラン)やこれらの混合物等の有機溶媒に、電解質としてLiPF6、LiBF4等を溶解させた非水電解液を挙げることができる。固体電解質の場合にも特に制限はなく、例えば、Li2−2p−q1+p(Mは、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、NiおよびCuよりなる群から選ばれた少なくとも1種の遷移金属元素、Xは、F、Cl、BrおよびIよりなる群から選ばれた少なくとも1種のハロゲン元素、0≦p≦0.5、0≦q≦2−2p)で表されるリチウム化合物電解質や、LiMX(MがFe、MnまたはCoであり、Xは、F、Cl、BrおよびIよりなる群から選ばれた少なくとも1種のハロゲン元素ある)で表されるリチウム化合物電解質、あるいは電解質本体がゲル状ポリマーと電解液とを含むゲル状ポリマー電解質などが挙げられる。
前記の電解液を用いる場合のセパレータとしては、正極と負極とを分離し、電解液を保持する機能を有するものであれば特に限定されず、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等の多孔膜等を挙げることができる。
この発明におけるリチウム二次電池の形状としては、特に限定されるものではなく、例えば、円筒型、コイン型、ラミネート型等を挙げることができ、中でも円筒型があげることができる。
この発明におけるリチウム二次電池は、前記の発電要素と安定な電圧を確保するための開回路遮断手段とを有することが必要である。
この安定な電圧を確保することの意味について、後述の実施例の欄に詳細に説明される電圧変化法(PITT)により求められるLiCoO膜の拡散係数(対数)のLi1−δCoO(充電深度に相当する)による変化を示す図4を用いて説明する。
図4は、配向の異なる3種類のLiCoO膜からなる正極薄膜のリチウムイオン拡散係数(対数)のLi1−δCoOにおけるδによる変化を示す。
図4において、縦軸はリチウムイオン拡散係数(DLi/cm−1(s:sec))(対数)で、横軸は放電時のコバルト酸リチウム:Li1−δCoOのδ(充電深度に対応する)である。
図4において、曲線(104)はこの発明による(104)方向に配向させたLiCoO膜からなる正極薄膜の、曲線(104)/(003)は(104)面と(003)面とが共存して配向しているLiCoO膜からなる正極薄膜の、曲線(003)は(003)方向に配向させたLiCoO膜からなる正極薄膜の、各々リチウムイオン拡散係数(対数)のLi1−δCoOによる変化を示す。
図4から理解されるように、この発明におけるLiCoO膜は(104)配向であるが、それが意味するものは(104)配向のみだけでなくその一部、好適には25%以下、特に10%以下の(003)配向を含んだ(104)配向であるものも含まれる。このLiCoO膜の(104)配向と(003)配向の割合は後述の実施例の欄に詳細に説明されるX線回折を用いた測定法で求められる。
図4に示すように、この発明による(104)方向に配向させたLiCoO膜は、他の方向に配向させた配向させたLiCoO膜よりも、全てのδにおいてリチウムイオンの拡散係数が大きな値を示す。
そして、リチウム二次電池の安定な放電電圧とは、放電時のコバルト酸リチウム(Li1−δCoO )の拡散係数が大きい範囲が確保されることを意味する。つまり、高い安定した放電電圧は、図4から、曲線(104)において、好適にはδが0.2以上の範囲で得られることが理解される。また、放電が安定する範囲内であることから、δは通常は0.8以下である。このδ=0.2はリチウム二次電池における充電深度20%に相当し、δ=0.8はリチウム二次電池における充電深度80%に相当する。
この発明においては、前記の特定の方向に配向させた配向させたLiCoO膜を正極として用いることと安定な電圧を確保するための開回路遮断手段とを有することが必要である。
前記の開回路遮断手段としては、好適にはリチウム二次電池の正極活物質であるコバルト酸リチウムのLi1−δCoOにおけるδが0.2未満、0.8より大きい場合に相当する電流で遮断する開回路手段が挙げられる。
このような開回路遮断手段としては、完全に放電された状態から充電を開始してその電池に充電できる全電力量と、ある時点で既に充電されている電力量との割合を示す充電深度を計測する充電深度計測装置、および前記充電深度が好適には20%〜80%に保たれるようにリチウム二次電池の充放電を制御するコントローラーとを備えた制御装置を用いることができる。
この発明における開回路遮断手段について、この発明における開回路遮断手段の実施態様の模式図である図5を用いて説明する。
図5において、この発明のリチウム二次電池1は、二次電池2にその充電深度を計測するための充電深度計測装置3が接続されており、計測された充電深度はコントローラー4に送られて、コントローラー4は二次電池の充電深度20%を充電深度の閾値にして、20%に達したら二次電池から電流を流させ、そして充電深度が80%に達したら、二次電池からの電流を停止させ、二次電池に充電させる構成からなる。
このような制御装置を用いる開回路遮断手段の応用例として、例えば以下の例が挙られる。
すなわち、充電深度計測装置とメモリー部とマイクロコンピュータ部と制御部とを備えて、このメモリー部が、正極電位と正活物質中のリチウム組成に関する正活物質データを予め記憶していて、マイクロコンピュータ部が、前述の計測した正極電位と、メモリー部から呼び出した上記正活物質データとから、正極の充電深度を演算し、また、メモリー部には正極の充電深度の閾値(20%)および閾値(80%)が設定記憶されており、マイクロコンピュータ部は、充電深度計測装置からの充電深度が設定された閾値に達したどうかを判定する。そして、マイクロコンピュータ部は、閾値に達した場合、メモリー部から呼び出した充電容量に、必要であれば一定の係数(閾値になるまでの充電深度の変化量)を乗じて最適な所定電気量を演算し、かつ、通電指令を発信する。そして、マイクロコンピュータ部からの演算された所定電気量と通電指令とは、制御部に入力される。所定電気量と通電指令とに基いて制御部は正極に通電し、正極活物質中からリチウムイオンを放出させる(正極活物質中へリチウムを析出させる)ことを実行することによって、安定な電圧が確保される。
この開回路手段は、リチウム二次電池を直列または並列に接続した組電池、該組電池中の個々のリチウム電池について採用した電源システム、この電源システムを適用した電気自動車に関しても、適用することができる。
この発明によれば、前記の1軸配向していて(104)面が電極面に平行に配向しているコバルト酸リチウム膜よりなる正極を用いた発電要素と、安定な電圧を確保するための開回路遮断手段とを有するリチウム二次電池によって、ハイレートで充放電が可能な安定した出力特性を有する二次電池を提供することができる。
さらに、正極の充電深度が公的には20%以上の部分を利用するため、利用範囲(すなわち容量)が従来のリチウム二次電池の80%以下で済み、負極活物質の最適仕込み量を設計することが可能となる。つまり、従来のリチウム二次電池よりもハイレート充放電時に有効な活物質を多く詰め込むことができるため、よりコンパクトで高容量の電池を作製することが可能となる。
以下、この発明の実施例を示す。
以下の実施例は単に説明するためのものであり、この発明を限定するものではない。
以下の各例において、分析は以下に示す測定法で行った。
1.LiCoO膜の配向面の測定
X線回折の条件:40KV、150mA、2°/分
線源:CuKα
測定装置:リガク RINT2000/PC
X線回折によってLiCoO膜を測定した結果について、(003)面と(104)面とを示す下記のピーク位置のピーク高さ、およびピーク高さ比[(h(003)/h(104)]から配向の程度を判断した。
(003)面:2θ=約10deg.
(104)面:2θ=約45deg.
h(003)>>h(104)の場合は、(003)面配向と判断した。
h(104)>>h(003)の場合は、(104)面配向と判断した。
h(104)とh(003)とが共存し前記2つのケースに該当しない場合は、(003)/(104)と表示した。
(なお、>>は、高さ比が4倍以上の場合を示す。)
2.正極薄膜の拡散係数の測定
以下の三極セルを作製し、PITT法(Potentiostatic Intermittent Titration Technique)により拡散係数を測定した。
作用極:各方向に配向させた単結晶LiCoO基板
対極:Li
参照極:Li
電解液:EC/DEC=1:1 1M LiClO
リチウムイオンの拡散係数(DLi)は以下の式から算出される。
Figure 2009301850
(式中の符号は、It:電圧を変化させたときに流れる電流(時間の関数)、L:電極厚みを示す。)
電圧を変化させたときに流れる電流の対数を時間で微分したものがπLi/4Lということから、拡散定数DLiを算出している。
3.コバルト酸リチウムのLi1−δCoOにおけるδの算出
LiCoOの理論容量273.8mAh/gから、Li1−δCoOにおけるδ=1.0のときの充電容量を273.8mAh/gとして、比例配分でδの数値を求めた。
つまり、充電容量27.4mAh/gのときδ=0.1、充電容量54.8mAh/gのときδ=0.2、・・・以下同様にして、充電容量219.0mAh/gのときδ=0.8となる。
実施例1
試料作製
下記の手順で試料を作製した。
装置:アルバックSCOTT−C−3型
1)基板(Al)上に集電体(Au)をアルゴン雰囲気でスパッタリング
2)空気中でアニーリング
3)集電体の上に、薄膜をアルゴン(O:30%)雰囲気下で120分間スパッタリング
スッパタリング条件:出力100W、雰囲気Ar 2Pa、ターゲット−基板距離10cm
4)700℃、30分間、空気中でアニーリング
LiCoOの形態はスパッタリング時間(膜厚)により変化する。例えば、
(003)膜 30分間 膜厚 0.31μm、
(003)/(104)膜 60分間 膜厚 0.77μm、
(104)膜 120分間 膜厚 1.35μm、
つまり、製膜初期は(003)面が生成し、厚みが増加するに従って(104)面が選択的に成長する。
得られたLiCoO膜(試料1)は、X線回折による測定結果で(104)配向、膜厚1.35μmであった。
得られたLiCoO膜を用いて、この正極薄膜のリチウムイオン拡散係数(対数)を求めた。結果をまとめて図4に示す。実施例1の結果は図4の曲線(104)として示す。また、得られたLiCoO膜のX線回折による測定結果をまとめて図6に示す。
比較例1
前記の手順におけるスッパタリング条件に変えて、以下の条件で行った他は実施例1と同様にしてLiCoO膜(試料2)を得た。
スッパタリング条件:スパッタリング時間30分間、膜厚0.31μm
得られたLiCoO膜は、X線回折による測定結果で(003)配向、膜厚0.31μmであった。
得られたLiCoO膜を用いて、この正極薄膜のリチウムイオン拡散係数(対数)を求めた。結果をまとめて図4に示す。比較例1の結果は図4の曲線(003)として示す。また、得られたLiCoO膜のX線回折による測定結果をまとめて図6に示す。
比較例2
前記の手順におけるスッパタリング条件を変えて、以下の条件で行った他は実施例1と同様にしてLiCoO膜を得た。
スッパタリング条件:スパッタリング時間60分間、膜厚0.77μm
得られたLiCoO膜は、X線回折による測定結果で(003)/(104)配向、膜厚0.77μmであった。
得られたLiCoO膜を用いて、この正極薄膜のリチウムイオン拡散係数(対数)を求め、結果をまとめて図4に示す。比較例2の結果は図4の曲線(003)/(104)として示す。
また、得られたLiCoO膜のX線回折による測定結果をまとめて図6に示す。
図6において、試料3は(003)面選択成長、厚み増加(試料2)して、試料1で(104)面の選択成長を示す。
図4の比較から明らかなように、この発明における(104)配向のLiCoO膜を正極として用いることにより、他の(003)配向(003)、/(104)配向のLiCoO膜を用いる場合に比べて、全てのLi含有量においてLi拡散係数が大きな値を示す。
この結果より、拡散係数が高い(104)方向に結晶を配向させることにより、リチウム二次電池のハイレート特性を改善することが可能となることが理解される。
また、Liイオン拡散係数は充電初期(x:0.05〜0.2)の範囲で低い値となるため、拡散係数が高い範囲(x:0.2〜0.8)でLi1−xCoOだけを使用することにより、さらにハイレート特性を改善することが可能となる。
実施例2
以下に示す手順で正極を作製し、負極を対向させて電池を作製する。正極と負極の容量比は、正極容量x0.6<負極容量となるように設計する。
1.構成例1
正極集電体上に、LiCoOの(104)面が平衡になるように(すなわち、(104)方向が垂直になるように)配向させて正極を作製する。
この正極を用いて図1に示すリチウム二次電池を作製する。
2.構成例2
固体電解質上に、LiCoOの(104)面が平衡になるように(すなわち、(104)方向が垂直になるように)配向させて正極を作製する。
この正極を用いて図2に示すリチウム二次電池を作製する。
図1は、この発明における発電要素の1実施態様を示す断面模式図である。 図2は、この発明における発電要素の他の1実施態様を示す断面模式図である。 図3は、従来のリチウム二次電池における電流が大きくなった場合の放電電圧の経時変化を示すグラフである。 図4は、配向の異なる3種類のLiCoO膜からなる正極薄膜のリチウム拡散係数(対数)のLi1−δCoOにおけるδによる変化を示すグラフである。 図5は、この発明における開回路遮断手段の実施態様の模式図である。 図6は、各例で得られたLiCoO膜のX線回折による測定結果を示す。
符号の説明
1 リチウム二次電池
2 二次電池
3 充電深度計測装置
4 コントローラー
5 負荷

Claims (4)

  1. 1軸配向していて(104)面が電極面に平行に配向しているコバルト酸リチウム膜よりなる正極を用いた発電要素と、安定な電圧を確保するための開回路遮断手段とを有するリチウム二次電池。
  2. 開回路遮断手段が、充填深度が20%を下回った際に電流を遮断する開回路手段である請求項1に記載のリチウム二次電池。
  3. コバルト酸リチウム膜よりなる正極が、スパッタリングによって形成されたものである請求項1又は2に記載のリチウム二次電池。
  4. コバルト酸リチウム膜が、0.1〜2μmの膜厚を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載のリチウム二次電池。
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