JP2003234100A - リチウム二次電池用電極の製造方法 - Google Patents
リチウム二次電池用電極の製造方法Info
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Abstract
極活物質層を形成する場合における充放電容量の減少と
充放電サイクル特性の悪化とを防止することが可能なリ
チウム二次電池用電極の製造方法を提供する。 【解決手段】このリチウム二次電池用電極の製造方法
は、Li2OとCoとを組み合わせる工程と、電子ビー
ム加熱真空蒸着装置1を用いて、集電体7上にLi−C
o−O層を含む正極活物質層を形成する工程とを備え
る。
Description
池用電極の製造方法に関し、特に、集電体上に活物質層
を形成するリチウム二次電池用電極の製造方法に関す
る。
合、活物質材料を集電体上に塗布することによって、活
物質層を形成する方法が知られている。
ム含有酸化物の微粒子と導電材や結着材の微粒子とを混
合するとともに、この混合物をペースト状にしたものを
集電体上に塗布することによって、正極活物質層を形成
する。しかしながら、この従来の形成方法では、導電材
や結着材などの充放電に寄与しない材料が、正極活物質
層に含まれるため、重量当たりまたは体積当たりのエネ
ルギー密度が減少するという問題点があった。
形成方法を用いることによって、集電体上に活物質材料
のみを含む活物質層を形成する方法が提案されている。
これらは、たとえば、国際公開WO01/31721号
公報などに開示されている。
電体上に正極活物質層を形成する場合、通常、すでに合
成された目的組成のLiCoO2などのリチウム含有酸
化物のみを、蒸着法の蒸着材またはスパッタ法のターゲ
ットとして用いることによって、集電体上に正極活物質
層を形成する。
来の提案された形成方法において、蒸着法により集電体
上に正極活物質層を形成する場合、蒸着材として用いる
LiCoO2などのリチウム含有酸化物が、高温により
分解されるため、Coに比べて融点の低いLiが蒸発さ
れやすくなる。
物質層を形成する場合には、スパッタ率の違いにより、
Coに比べてLiがスパッタされやすくなる。
により正極活物質層を形成する方法では、正極活物質層
に含まれるLiの割合が高くなるので、Coの割合が小
さい組成の正極活物質層になりやすいという不都合があ
った。上記のように、従来の蒸着法またはスパッタ法に
より正極活物質層を形成する方法では、集電体上に化学
量論比に近いLi−Co−O層を安定して形成すること
が困難であった。その結果、電池の充放電容量が減少す
るとともに、充放電サイクル特性も悪化するという問題
点があった。
ためになされたものであり、この発明の1つの目的は、
蒸着法またはスパッタ法などを用いて集電体上に正極活
物質層を形成する場合における充放電容量の減少と充放
電サイクル特性の悪化とを防止することが可能なリチウ
ム二次電池用電極の製造方法を提供することである。
ウム二次電池用電極の製造方法において、集電体上に正
極活物質層を形成する際に、目的組成の正極活物質層を
容易に形成することである。
に、この発明の一の局面によるリチウム二次電池用電極
の製造方法は、Li化合物と、Liを含まないでCoを
含む物質とを組み合わせる工程と、組み合わされた原料
を気相中に放出して供給する方法を用いて、集電体上に
Li−Co−O層を含む正極活物質層を形成する工程と
を備えている。なお、本発明における「原料を気相中に
放出して供給する方法」とは、たとえば、スパッタ法や
蒸着法などのPVD(Physical Vapor
Deposition)法、および、プラズマCVD法
などのCVD(ChemicalVapor Depo
sition)法を含む広い概念である。
極の製造方法では、上記のように、Li化合物と、Li
を含まないでCoを含む物質とを組み合わせた後、その
組み合わされた原料を気相中に放出して供給する方法を
用いて、集電体上にLi−Co−O層を含む正極活物質
層を形成することによって、たとえば、蒸着法を用いる
場合に、比較的高い融点を有するLi化合物と、Liを
含まないでCoを含む物質とを用いて蒸着すれば、Li
化合物が蒸発しにくくなるので、そのLi化合物に含ま
れるLiも蒸発しにくくなる。これにより、化学量論比
に近いLi−Co−O層を形成することができる。
極の製造方法において、好ましくは、Li化合物と、L
iを含まないでCoを含む物質と組み合わせる工程は、
Coを含まないLi化合物と、Liを含まないでCoを
含む物質とを混合することによって、混合物を形成する
工程を含み、集電体上にLi−Co−O層を含む正極活
物質層を形成する工程は、混合物を同時に蒸発させるこ
とによって、集電体上にLi−Co−O層を含む正極活
物質層を形成する工程を含む。このように構成すれば、
比較的高い融点でかつ蒸気圧が小さいLi2OなどのC
oを含まないLi化合物を用いることによって、Li化
合物が蒸発しにくくなるので、そのLi化合物に含まれ
るLiも蒸発しにくくなる。これにより、化学量論比に
近いLi−Co−O層を形成することができる。この場
合、Coを含まないLi化合物は、Liの酸化物を含む
のが好ましい。
は、混合物を蒸発させる際に、雰囲気ガスとして酸素を
導入する工程を含む。このように構成すれば、蒸発によ
り形成される活物質層中の酸素量を制御することができ
るので、さらに化学量論比に近いLi−Co−O層を形
成することができる。
極の製造方法において、好ましくは、Li化合物と、L
iを含まないでCoを含む物質とを組み合わせる工程
は、Li化合物からなるターゲットの上に、Liを含ま
ないでCoを含む物質を配置する工程を含み、集電体上
にLi−Co−O層を含む正極活物質層を形成する工程
は、スパッタ法を用いて、集電体上にLi−Co−O層
を含む正極活物質層を形成する工程を含む。このように
構成すれば、LiCoO2のみからなるターゲットを用
いる場合に比べて、スパッタされる原料に含まれるCo
の割合が高くなるので、Liの割合が高くなるのを防止
することができる。これにより、化学量論比に近いLi
−Co−O層を形成することができる。
は、LiCoO2およびLi2Oのいずれか一方を含むの
が好ましい。また、Li化合物からなるターゲットは、
LiCoO2粉末を含むのが好ましい。このように構成
すれば、焼結LiCoO2からなるターゲットを用いる
場合に生じるスパッタプロセス中の温度上昇に起因する
ターゲットの変質と、その変質に伴う膜組成の変化とを
防止することができる。
において、Liを含まないでCoを含む物質は、Co単
体およびCoの酸化物のいずれかを含むのが好ましい。
造方法において、好ましくは、Li−Co−O層を含む
正極活物質層を形成する工程の後、酸素を含む雰囲気中
で熱処理する工程をさらに備える。このように構成すれ
ば、Li−Co−O層の結晶性を向上させることがで
き、その結果、電池特性を向上させることができる。
池用電極の製造方法において、集電体は、AlまたはA
l合金であってもよい。なお、この場合、上記の熱処理
温度は、Alの融点が660.2℃であるので、650
℃以下であるのが好ましい。このように構成すれば、容
易に、AlまたはAl合金からなる集電体を用いること
ができる。
活物質を形成する方法において、蒸発させる方法は、抵
抗加熱、電子ビーム加熱およびプラズマビーム加熱のい
ずれかであってもよい。この場合、高融点材料の溶融蒸
発には、電子ビーム加熱が好ましい。
物質層を形成する方法において、酸素を含む雰囲気中で
スパッタリングすることにより正極活物質層を形成する
ようにしてもよい。このように構成すれば、正極活物質
層中の酸素濃度の制御範囲を広げることができるので、
正極活物質層の膜組成をより容易に制御することができ
る。
よるリチウム二次電池用電極(正極)の製造方法に用い
る電子ビーム加熱真空蒸着装置を示した概略図である。
まず、図1を参照して、実施例1で用いる電子ビーム加
熱真空蒸着装置1は、真空チャンバ2と、回転ホルダー
3と、るつぼ4と、電子銃5と、膜厚センサ(水晶振動
式)6とを備えている。回転ホルダー3と、るつぼ4と
は、対向するように設置されている。回転ホルダー3に
は、集電体7が配置されている。るつぼ4内には、蒸着
材8が配置される。また、るつぼ4内の蒸着材8に電子
ビーム5aが照射されるように、電子銃5が設置されて
いる。膜厚センサ6は、集電体7付近に設置されてい
る。
熱真空蒸着装置1を用いて、以下の表1に示す条件下
で、集電体7上にLi−Co−O層を形成した。
Li2OとCoとの混合物を用いてサンプル1および2
を作製した。実施例1のサンプル1では、酸素ガス(O
2ガス)を導入せず、実施例1のサンプル2では、O2ガ
スを導入してLi−Co−O層を作製した。また、比較
例として、蒸着材8としてLiCoO2を用いたサンプ
ル3を作製した。なお、集電体7としては、約20cm
×60cmの大きさと20μmの厚みとを有するAl箔
を用いるとともに、この集電体7上に形成されるLi−
Co−O層の膜厚は、約1.5μmとした。回転ホルダ
ー3としては、直径20cmの円筒ホルダーを用いると
ともに、その円筒ホルダの円筒面にAl箔からなる集電
体7を設置した。
1に示した真空チャンバ2内を真空状態にした。そし
て、回転ホルダー3に配置されたAl箔からなる集電体
7を、約10rpmで回転させながら、電子銃5から電
子ビーム5aを照射することによって蒸着材8を加熱し
た。これにより、蒸発した蒸着材8の分子や原子など
を、集電体7上に堆積させることにより、集電体7上に
Li−Co−O層を形成した。蒸発速度は、膜厚センサ
6を用いて、0.2nm/s(LiCoO2換算)にな
るように制御した。
サンプル1および2は、Li2OとCoとの混合物を蒸
着材8として用いた。なお、Li2Oは、本発明の「L
i化合物」の一例であり、Coは、本発明の「Liを含
まないでCoを含む物質」の一例である。また、サンプ
ル3(比較例)は、LiCoO2粉末のみを蒸着材8と
して用いた。
サンプル1(実施例1)およびサンプル3(比較例)で
は、雰囲気ガスとしてO2ガスは導入せず、サンプル2
(実施例1)では、O2ガス(20sccm)を導入し
て薄膜形成を行った。
なる集電体7上に形成されたLi−Co−O層のアニー
ル処理前の組成分析を行った。Li/Co比をICP
(Inductively Coupled Plas
ma Spectrometry)法により算出し、C
o/O比をEPMA(Electron ProbeM
icroanalysis)法により算出した。この組
成分析結果を以下の表2に示す。
のみを用いた比較例によるサンプル3に比べて、蒸着材
8としてLi2OとCoとの混合物を用いた実施例1に
よるサンプル1および2の方が、化学量論比に近いLi
−Co−O層が得られやすいことが判明した。
ガスとしてO2ガスを導入したサンプル2(実施例1)
の場合には、集電体7上の活物質層中の酸素量を制御す
ることができるので、さらに化学量論比に近いLi−C
o−O層を形成することができることが判明した。
して、大気中において、600℃で2時間のアニール処
理を行った。そして、上記と同様の組成分析を行ったと
ころ、アニール処理前のアズデポ状態の薄膜と、ほぼ同
様の組成比であることが判明した。
1および2のアニール処理前のアズデポ状態とアニール
処理後の状態とにおけるLi−Co−O層のX線回折の
測定結果を示した波形図である。なお、図2の横軸に
は、X線の入射線の方向となす角(2θ)がとられてお
り、縦軸には、任意単位(a.u.)の強度がとられて
いる。また、アズデポとは、アニール処理前の状態を示
しており、アニールとは、アニール処理後の状態を示し
ている。
oO2、「△」は、Al(集電体)、「□」は、Li酸
化物(Li2OまたはLi2O2)にそれぞれ対応すると
考えられるピークを示している。なお、その他のピーク
は不明である。
融点でかつ蒸気圧が小さいLi2Oと、Coとの混合物
を用いることによって、Li2Oが蒸発しにくくなるの
で、このLi2Oに含まれるLiも蒸発しにくくなる。
その結果、化学量論比に近いLi−Co−O層の薄膜を
集電体7上に形成することができる。
よるリチウム二次電池用電極(正極)の製造方法に用い
るマグネトロンスパッタリング装置を示した概略図であ
る。図4および図5は、本発明の実施例2で用いるター
ゲット部分の拡大図である。まず、図3を参照して、実
施例2で用いるマグネトロンスパッタリング装置11
は、真空チャンバ12と、平板13と、カソード14
と、バッキングプレート15と、RF電源16とを備え
ている。カソード14上に配置されたバッキングプレー
ト15は、平板13と対向するように配置されている。
平板13には、集電体17が配置される。バッキングプ
レート15には、ターゲット18を配置するための凹部
15aが設けられている。
スパッタリング装置11を用いて、以下に示す表3のよ
うな条件下で、集電体17上にLi−Co−O層を形成
した。
ッタリング装置11を用いて、集電体17上にLi−C
o−O層を形成する場合、LiCoO2粉末からなるタ
ーゲット18上にCoチップ20(図4および図5参
照)を配置した状態でスパッタリングすることによりサ
ンプル3およびサンプル4を作製した。すなわち、実施
例2のサンプル3では、図4に示すように、LiCoO
2粉末からなるターゲット18上にCoチップ20を1
個配置した。また、サンプル4では、図5に示すよう
に、LiCoO2粉末からなるターゲット18上にCo
チップ20を3個配置した。なお、LiCoO2粉末か
らなるターゲット18は、本発明の「Li化合物」の一
例である。また、Coチップ20は、本発明の「Liを
含まないでCoを含む物質」の一例である。また、比較
例として、LiCoO2粉末からなるターゲット18上
にCoチップ20を配置しない状態でスパッタリングす
ることによって、サンプル1および2を作製した。
3に示した真空チャンバ12内を真空状態にした。そし
て、放電用ガスを導入するとともに、高周波電源16か
らターゲット18に高周波電力(350W)を供給する
ことによって、プラズマ19を発生させた。そして、プ
ラズマ19中のイオンをターゲット18の表面に衝突さ
せることによって、ターゲット18およびCoチップ2
0を構成する分子や原子などをはじき出させて、平板1
3に配置されたAl箔からなる集電体17上に堆積させ
た。これにより集電体17上にLi−Co−O層を形成
した。
10cmの大きさと20μmの厚みとを有するAl箔を
用いるとともに、この集電体17上に形成されるLi−
Co−O層の膜厚は、1.0μm〜1.3μmとした。
によるサンプル3および4では、放電用ガスとしてAr
ガス(100sccm)のみを用い、比較例によるサン
プル2では、放電用ガスとしてArガス(100scc
m)とO2ガス(20sccm)とを併用した。
〜4に対して、大気中において、600℃で2時間のア
ニール処理を行った。
3および4と、比較例によるサンプル1および2とにお
いて形成されたLi−Co−O層のX線回折の測定結果
を示した波形図である。図6の横軸には、X線の入射線
の方向となす角(2θ)がとられており、縦軸には、任
意単位(a.u.)の強度がとられている。また、アズ
デポとは、アニール処理前の状態を示しており、アニー
ルとは、アニール処理後の状態を示している。
oO2、「△」は、Al(集電体)、「□」は、Co3O
4にそれぞれ対応すると考えられるピークを示してい
る。なお、その他のピークは不明である。
O層は結晶性を有しているが、ピーク強度はいずれも小
さく、微結晶状態であると考えられる。また、LiCo
O2粉末からなるターゲット18上に3つのCoチップ
20を配置した実施例2によるサンプル4のアニール処
理後のもの(No.4アニール)では、Co3O4と考え
られるピークも見られた。
べるために、以下のような充放電試験を行った。
メチルカーボネートとの等体積混合溶媒に、LiPF6
を溶解させて、1モル/リットルの濃度を有するように
調整したものを用いた。作用極には、上記実施例2で形
成されたアズデポ状態およびアニール処理後のサンプル
1〜4を用いた。対極および参照極には、リチウム金属
を用いた。
は、25℃、充電電流0.1mAで、4.2Vとなるま
で充電した後、放電電流0.1mAで、2.5Vとなる
まで放電し、これを初期充放電とした。放電し、各サン
プルについて、初期放電容量、初期充放電効率および平
均放電電位を求めた。この充放電試験の結果を以下の表
4に示す。
に関しては、比較例によるサンプル1では、93.5m
Ah/gであったのに対して、実施例2によるサンプル
3では、98.5mAh/g、実施例2によるサンプル
4では、140.6mAh/gであった。すなわち、C
oチップ20を配置した状態で薄膜形成した実施例2に
よるサンプル3および4において高い初期放電容量を示
した。
関しては、比較例によるサンプル1では、59.1%で
あったのに対して、実施例2によるサンプル3では、8
0.7%、実施例2によるサンプル4では、88.5%
であった。すなわち、Coチップ20を配置した状態で
薄膜形成した実施例2によるサンプル3および4におい
て高い初期充放電効率を示した。
ポ状態では、いずれのサンプルも充放電を行うことがで
きなかった。また、比較例によるサンプル2において
は、アニール処理後でも、充放電を行うことができなか
った。
2粉末からなるターゲット18上にCoチップ20を配
置した状態でスパッタすることによって、スパッタされ
る原料に含まれるCoの割合が高くなるので、Liの割
合が高くなるのを防止することができる。これにより、
化学量論比に近いLi−Co−O層を形成することがで
きるため、電池特性を向上させることができる。
気中(大気中)でアニール処理することにより、Li−
Co−O層の結晶性を向上させることができると考えら
れる。その結果、電池特性を向上させることができる。
らなるターゲット18を用いることによって、焼結Li
CoO2からなるターゲットを用いる場合に生じるスパ
ッタプロセス中の温度上昇に起因するターゲットの変質
と、その変質に伴う薄膜の組成比の変化を防止すること
ができる。すなわち、プロセスを重ねるにつれて、Li
/Co比およびO/Co比が増加するなどの薄膜の組成
比の変化を防止することができる。
らなるターゲット18を用いることによって、ターゲッ
ト18を交換する際、バッキングプレート15の凹部1
5a(図3参照)にLiCoO2粉末を補充するだけで
よい。これにより、バッキングプレート15に接合され
たターゲットを用いる場合と異なり、ターゲット18の
交換時に、バッキングプレート15を交換する必要がな
い。その結果、ターゲット18の交換が容易で、かつ、
経済的である。
点で例示であって、制限的なものではないと考えられる
べきである。本発明の範囲は、上記した実施例の説明で
はなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求
の範囲と均等の意味および範囲内ですべての変更が含ま
れる。
加熱によって蒸着材の加熱および蒸発を行うようにした
が、本発明はこれに限らず、抵抗加熱およびプラズマビ
ーム加熱などによって、蒸着材の加熱および蒸発を行う
ようにしてもよい。
(基板)の加熱および冷却を行わずに薄膜形成を行った
が、本発明はこれに限らず、集電体を加熱や冷却により
温度制御することにより、集電体の構成材料の活物質層
への拡散を制御するようにしてもよい。
成後、大気中でアニール処理を行うようにしたが、本発
明はこれに限らず、真空中または酸素中でアニール処理
を行うようにしてもよい。
としてAl箔を用いるようにしたが、本発明はこれに限
らず、Al合金を用いるようにしてもよい。
成後、600℃でアニール処理を行うようにしたが、本
発明はこれに限らず、Alの融点が660.2℃である
ので、650℃以下でアニール処理を行うのが好まし
い。また、アニール処理による効果を得るためには、4
00℃以上で行うのが好ましい。
てArガスのみを用いるようにしたが、本発明はこれに
限らず、ArガスとO2ガスとを併用するようにしても
よい。
る電源としてRF電源を用いるようにしたが、本発明は
これに限らず、DC電源またはDCパルス電源などの他
の電源を用いるようにしてもよい。
源を用いるようにしたが、本発明はこれに限らず、Li
化合物からなるターゲットを有するスパッタ源と、Li
を含まないでCoを含む物質からなるターゲットを有す
るスパッタ源とを同時にスパッタするようにしてもよ
い。この場合、それぞれのターゲットに供給する電力を
制御することにより、形成薄膜の組成を制御するように
してもよい。このとき、各々のターゲット上に発生する
プラズマ領域を重ね合わせるとともに、そのプラズマ領
域が重ね合わさった領域に、薄膜形成を行う集電体を配
置するのが好ましい。
気相中に放出して供給する方法の一例として、蒸着法お
よびスパッタ法を用いたが、本発明はこれに限らず、た
とえば、CVD法などの他の原料を気相中に放出して供
給する方法を用いても同様の効果を得ることができる。
やスパッタ法などを用いて集電体上に正極活物質層を形
成する場合において、充放電容量の減少と充放電サイク
ル特性の悪化とを防止することができる。
極(正極)の製造方法に用いる電子ビーム加熱真空蒸着
装置を示した概略図である。
o−O層のX線回折の測定結果を示した波形図である。
極(正極)の製造方法に用いるマグネトロンスパッタリ
ング装置を示した概略図である。
用いるターゲット部分の拡大図である。
用いるターゲット部分の拡大図である。
o−O層のX線回折の測定結果を示した波形図である。
Claims (9)
- 【請求項1】 Li化合物と、Liを含まないでCoを
含む物質とを組み合わせる工程と、 前記組み合わされた原料を気相中に放出して供給する方
法を用いて、集電体上にLi−Co−O層を含む正極活
物質層を形成する工程とを備えた、リチウム二次電池用
電極の製造方法。 - 【請求項2】 前記Li化合物と、Liを含まないでC
oを含む物質とを組み合わせる工程は、 Coを含まない前記Li化合物と、前記Liを含まない
でCoを含む物質とを混合することによって、混合物を
形成する工程を含み、 前記集電体上にLi−Co−O層を含む正極活物質層を
形成する工程は、 前記混合物を同時に蒸発させることによって、集電体上
にLi−Co−O層を含む正極活物質層を形成する工程
を含む、請求項1に記載のリチウム二次電池用電極の製
造方法。 - 【請求項3】 前記Coを含まないLi化合物は、Li
の酸化物を含む、請求項2に記載のリチウム二次電池用
電極の製造方法。 - 【請求項4】 前記正極活物質層を形成する工程は、 前記混合物を蒸発させる際に、雰囲気ガスとして酸素を
導入する工程を含む、請求項2または3に記載のリチウ
ム二次電池用電極の製造方法。 - 【請求項5】 前記Li化合物と、Liを含まないでC
oを含む物質とを組み合わせる工程は、 前記Li化合物からなるターゲットの上に、前記Liを
含まないでCoを含む物質を配置する工程を含み、 前記集電体上にLi−Co−O層を含む正極活物質層を
形成する工程は、 スパッタ法を用いて、前記集電体上にLi−Co−O層
を含む正極活物質層を形成する工程を含む、請求項1に
記載のリチウム二次電池用電極の製造方法。 - 【請求項6】 前記Li化合物からなるターゲットは、
LiCoO2およびLi2Oのいずれか一方を含む、請求
項5に記載のリチウム二次電池用電極の製造方法。 - 【請求項7】 前記Li化合物からなるターゲットは、
LiCoO2粉末を含む、請求項6に記載のリチウム二
次電池用電極の製造方法。 - 【請求項8】 前記Liを含まないでCoを含む物質
は、Co単体およびCoの酸化物のいずれかを含む、請
求項1〜7のいずれか1項に記載のリチウム二次電池用
電極の製造方法。 - 【請求項9】 前記Li−Co−O層を含む正極活物質
層を形成する工程の後、酸素を含む雰囲気中で熱処理す
る工程をさらに備える、請求項1〜8のいずれか1項に
記載のリチウム二次電池用電極の製造方法。
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