JP2008081646A - シルセスキオキサン系化合物混合物及び加水分解性シラン化合物、その製造方法及びそれを用いたレジスト組成物並びにパターン形成方法及び基板の加工方法 - Google Patents

シルセスキオキサン系化合物混合物及び加水分解性シラン化合物、その製造方法及びそれを用いたレジスト組成物並びにパターン形成方法及び基板の加工方法 Download PDF

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Abstract

【解決手段】一部メチレン基が酸素に置換されていてもよいノルボルナン骨格と珪素原子とが直接結合された構造を有する側鎖を持ったシルセスキオキサンユニットを含有する縮合度が実質的に100%であるシルセスキオキサン系化合物混合物であり、該ノルボルナン骨格の珪素が結合していない側のジメチレン鎖が1つ以上の水素以外の置換基により置換されており、かつ、該ジメチレン鎖上の、より嵩高い置換基がexo位を占める異性体の比率の方が高い側鎖を持ったシルセスキオキサンユニットを含有する。
【効果】本発明は、特に化学増幅ポジ型レジスト組成物に好適な実質的に100%の縮合度を持つシルセスキオキサン系化合物あるいはその混合物を与える。更に、本発明により得られる100%の縮合度を持つシルセスキオキサン系化合物混合物を用いたレジスト組成物は、従来のものに比較して、高い解像性、特に微小な繰り返しパターンの形成に対し高い性能を有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、機能性材料として注目されている実質的に100%の縮合率を持つシルセスキオキサン系化合物混合物、特に、半導体素子などの製造工程における微細加工に用いられるレジスト組成物として好適なシルセスキオキサン系化合物混合物と加水分解性基シラン化合物、その製造方法、及び遠紫外線、KrFエキシマレーザー光(248nm)、ArFエキシマレーザー光(193nm)、F2レーザー光(157nm)、電子線、X線などの高エネルギー線を露光光源として用いる際に好適なレジスト組成物、特に化学増幅型レジスト組成物並びにパターン形成方法と基板の加工方法に関するものである。
LSIの高集積化と高速度化に伴い、パターン寸法の微細化が急速に進んでいる。リソグラフィー技術は、この微細化に併せ、光源の短波長化とそれに対するレジスト組成物の適切な選択により、微細パターンの形成を達成してきた。その中心となったのは単層で使用するポジ型レジスト組成物である。この単層ポジ型レジスト組成物は、塩素系あるいはフッ素系のガスプラズマによるエッチングに対しエッチング耐性を持つ骨格をレジスト樹脂中に持たせ、かつ露光部が溶解するようなレジスト機構を持たせることによって、露光部を溶解させてパターンを形成し、残存したレジストパターンをエッチングマスクとしてレジスト組成物を塗布した被加工基板をエッチング加工するものである。
ところが、使用するレジスト膜の膜厚をそのままで微細化、即ちパターン幅をより小さくした場合、レジスト膜の解像性能が低下し、また現像液によりレジスト膜をパターン現像しようとすると、いわゆるアスペクト比が大きくなりすぎ、結果としてパターン崩壊が起こってしまう。このため微細化に伴いレジスト膜厚は薄膜化されてきた。一方、露光波長の短波長化によりレジスト組成物に使用する樹脂は、露光波長における光吸収の小さな樹脂が求められたため、i線、KrF、ArFへの変化に対し、ノボラック樹脂、ポリヒドロキシスチレン、アクリル系樹脂と変化してきており、現実的には上記エッチング条件に対するエッチング速度は速いものになってきてしまっている。このことから、より薄くよりエッチング耐性の弱いレジスト膜で被加工基板をエッチングしなければならないことになり、レジスト膜のエッチング耐性の確保は急務になってきている。
一方、被加工基板を加工するエッチング条件に対しては、エッチング耐性が弱いが、微細パターンが形成できるレジスト膜と、被加工基板を加工するためのエッチング耐性を持ち、かつレジスト膜が耐性を持つ条件でパターン形成可能な中間膜を使用して、レジストパターンを一旦中間膜に転写し、更にパターン転写された中間膜をエッチングマスクとして被加工基板をエッチング加工する方法、いわゆる多層レジスト法が以前より開発されてきている。代表的な方法としては、レジスト組成物に珪素が含有されている樹脂を使用し、中間膜に芳香族系の樹脂を使う方法があり、この方法によれば、珪素を含有する樹脂のパターンを形成した後、酸素−反応性イオンエッチングを行うと、珪素樹脂は酸素プラズマにエッチング耐性の高い酸化珪素となり、同時に芳香族系の樹脂は酸化珪素のエッチングマスクがない所では容易にエッチング除去されて、珪素樹脂のパターンが芳香族系の樹脂層に転写される。この芳香族系樹脂は、単層レジスト膜の場合と異なり、光の透過性は全く求められないため、フッ素系、あるいは塩素系ガスプラズマにエッチング耐性の高いものが広く使用できる。更にこの芳香族系樹脂をエッチングマスクとすることによって被加工基板をフッ素系、あるいは塩素系ガスプラズマによりエッチング加工ができることになる。
この2層レジスト法に使用されてきた代表的な樹脂はポリシルセスキオキサン類である。ネガ型の化学増幅型レジスト組成物としては、アルカリ性現像液に溶解性を示す側鎖を持つポリシルセスキオキサンと架橋剤及び光酸発生剤を組み合わせたものが用いられ、また、ポジ型の化学増幅型レジスト組成物としては、酸不安定基に保護された酸性側鎖を有するポリシルセスキオキサンと光酸発生剤を組み合わせたものが一般に用いられる。しかし、ポリシルセスキオキサン類は、珪素原子に結合する加水分解性基を3個有するシランモノマーの縮合反応により調製されるが、通常の合成法により得た場合、かなりの量のシラノール基が残るため、これを含有する組成物はシラノール基の不安定性に由来する保存安定性の問題を持つ場合が多かった。
シラノール基を実質的に持たない、つまり縮合度が実質的に100%であるシルセスキオキサン類の代表例はかご型のシルセスキオキサンであり、一般に6量体から12量体が知られており、比較的取得し易い8量体はPOSS化合物と呼ばれることがある。このPOSS化合物を用いたパターン形成材料は特開2004−212983号公報(特許文献1)で報告されており、ここではスペーサーとしてジメチルシリルオキシ基をPOSS骨格に置換したPOSS化合物を原料とし、珪素と水素の結合を利用してハイドロシリレーションを行い、機能性側鎖を導入する方法でパターン形成可能な組成物が合成されている。
しかし、POSS化合物を用いたパターン形成材料は、上記のように特許文献1に開示されているが、開示された方法、即ちPOSS化合物に対し機能性官能基を導入する方法では、短いスペーサーを用いて、機能性官能基として立体的に嵩高い置換基を導入しようとした場合、全ての位置に導入することは不可能であろう。また、官能基を有するシルセスキオキサン化合物をPOSS化合物に誘導するというアイデアは開示されているものの、その方法については全く開示されていない。本先行技術はパターン形成可能な低誘電率層形成用組成物であるが、レジスト組成物としてより高い解像性を求めた場合、膜形成材料が持つTgが低いと、パターン形成時の酸拡散長が大きくなってしまう等の原因から微細構造を形成することが難しくなる。そのため、高解像性を持つレジスト組成物用としては、Tgをある程度高くする必要があり、このためには、短いスペーサー、できればスペーサーなしに置換基を全て嵩高い置換基とすることが好ましい。
上記の通り、実質的に縮合度100%であるシルセスキオキサンは、側鎖を立体的に嵩高い構造とすることによりTgを上げることができ、リソグラフィーによる微細構造形成に好ましい材料とすることができるが、例えば、特許文献1(特開2004−212983号公報)に開示された方法でPOSS骨格を持つ化合物に対して嵩高い側鎖を入れる場合には導入率が限られる。
特開2004−212983号公報 特開2004−359669号公報 特開平5−97719号公報 特表2000−506183号公報 特開2002−55456号公報 特開2004−354417号公報 Journal of Photopolymer Science and Technology, 18, 631−639, 2005
本発明は、縮合度が実質的に100%であるシルセスキオキサン類のTgの向上や、エッチング耐性の向上に好ましい効果を与える珪素原子の置換基として、珪素原子に直接結合した特定の立体を持つノルボルナン構造を用いることにより、レジスト組成物としてより好ましい実質的に縮合度100%であるシルセスキオキサン系化合物混合物、加水分解性シラン化合物、それらの製造方法を提供し、かつそれを含有するレジスト組成物及びパターン形成方法、基板の加工方法を提供することを本発明の目的とする。
特許文献1において使用された嵩高い側鎖が有するノルボルネン骨格は、シクロペンタジエンやフラン類とアクリル酸エステル誘導体やビニル誘導体とのディールスアルダー反応により容易に得られるため、親ジエンに種々の機能性側鎖を持たせてやることで、比較的多くのバリエーションを簡便に得ることができる。このため珪素を含有しない一般に使用されるレジスト組成物原料として多数利用されており、また鎖状有機酸化珪素樹脂の側鎖としても多数利用されている。
しかし、上述したように、POSS骨格を持つ化合物に対して嵩高い側鎖を入れる場合にその導入率が限られる。
これに対し、本発明者らは、嵩高い側鎖を持つ3価の加水分解性シランモノマーに対し加水分解及び縮合の2段階を行い、縮合の際、反応系内の水分量をコントロールすることにより、容易かつ収率よくポジ型レジスト組成物に使用することができる実質的に縮合度が100%であるシルセスキオキサン類の存在比が高い縮合生成物が得られることを見出し、出願を行っている(特願2006−084411号)。
この場合、縮合率100%のSSQ化合物(シルセスキオキサン系化合物)の骨格構造の例としては、下記に示す6量体から12量体構造などが挙げられる。
Figure 2008081646

(ここで、各頂点は置換基をそれぞれ1個含有する珪素原子であり、各辺はSi−O−Si結合を示す。)
上記のPOSS骨格を持つ化合物に嵩高い側鎖を導入する場合、上記した本発明者らが提案した方法をとらないと、嵩高い置換基の高い導入率が得られない。しかし、本発明者らが提案した上記方法をとった場合、反応生成物中に縮合が一部不完全であるものが伴われ、これを精製等により除去することは実用上困難を伴うことから、得られた混合物の安定性を上げるためには縮合反応で系全体の縮合度を上げることができるような方策が望まれた。
本発明者らは、比較的高いTgを与えることからレジスト組成物として有望な、嵩高い置換基であるノルボルナンあるいはオキサノルボルナン骨格を側鎖として有する、実質的に縮合度100%であるシルセスキオキサン類を、上記先願に開示した加水分解性シラン誘導体の加水分解縮合による合成検討を種々行ってきており、かなり有効な縮合度を得てきたものの、嵩高さは同時に縮合反応の反応性を妨害するため、到達縮合度には限界があった。そこで、縮合時に用いる材料の再検討を行った。
機能性側鎖を持たせたノルボルネン誘導体は、通常その機能性側鎖(1価置換基だけでなく、2価、即ち環構造を形成する側鎖を含む)をジメチレン鎖上、即ち5位及び/又は6位炭素に持つが、立体としては置換基がexo又はendo配置となる2つの立体異性体がある。しかし、通常用いられるシクロヘキサジエン系化合物と一般のビニル類によるノルボルネン誘導体の合成法によれば、殆どの場合、endo異性体を主生成物として与える。なお、特許文献1はノルボルネン誘導体が珪素原子と結合した構造を提案してはいるものの、縮合度が100%であるシルセスキオキサン類に対してどのように導入していくかを実質的には開示しておらず、また、exo異性体については全く言及していない。
本発明者らは、この立体異性に注目して検討を行ったところ、珪素原子に導入するノルボルナン骨格材料として、嵩高い置換基がexo位に置換された異性体が高い比率を占めるノルボルネン誘導体混合物(以下、本明細書では、便宜上、一方の異性体のみである場合も混合物と呼ぶ。)を選択して原料に使用すると、嵩高さの効果を失わず、かつ改善された反応性が得られることを見出した。即ち、上記先願の方法に適用した場合、系全体の縮合度を容易に上げることができ、縮合度が100%であるシルセスキオキサン誘導体の収率の向上にも有利であることを見出すと共に、更に、嵩高さを有するものの立体による反応の障害が少ないことが判明した。置換基がexo位に置換されたノルボルネンを使用すれば、特許文献1に開示された水素を置換基として持つPOSS化合物に側鎖を導入する際にも、有利に反応を行うことができるものである。
即ち、本発明は下記シルセスキオキサン系化合物混合物及び加水分解性シラン化合物、その製造方法及びそれを用いたレジスト組成物並びにパターン形成方法及び基板の加工方法を提供する。
請求項1:
一部メチレン基が酸素に置換されていてもよいノルボルナン骨格と珪素原子とが直接結合された構造を有する側鎖を持ったシルセスキオキサンユニットを含有する縮合度が実質的に100%であるシルセスキオキサン系化合物混合物であって、該ノルボルナン骨格の珪素が結合していない側のジメチレン鎖が1つ以上の水素以外の置換基により置換されており、かつ、該ジメチレン鎖上の、より嵩高い置換基がexo位を占める異性体の比率の方が高いことを特徴とする側鎖を持ったシルセスキオキサンユニットを含有する縮合度が実質的に100%であるシルセスキオキサン系化合物混合物。
請求項2:
合成工程中、一部メチレン基が酸素で置換されていてもよいノルボルナン骨格と珪素原子との直接結合を形成する際に使用する材料として、ジメチレン鎖が1つ以上の水素以外の置換基で置換されており、該ジメチレン鎖上の、より嵩高い置換基がexo位を占める異性体の比率の方が高い、一部メチレン基が酸素に置換されていてもよいノルボルネン誘導体を用いて、珪素原子に側鎖を導入する工程を経て得たことを特徴とする請求項1記載のシルセスキオキサン系化合物混合物。
請求項3:
一部メチレン基が酸素に置換されていてもよいノルボルナン骨格と珪素原子との直接結合を形成する際に使用する材料として、ジメチレン鎖が1つ以上の水素以外の置換基で置換されており、該ジメチレン鎖上の、より嵩高い置換基がexo位を占める異性体の比率の方が高い、一部メチレン基が酸素に置換されていてもよいノルボルネン誘導体を原料として使用して得た珪素原子に結合した3個の加水分解性基を有するシランモノマーを含有する3官能の加水分解性シランを加水分解・縮合することによって得たことを特徴とする請求項1記載のシルセスキオキサン系化合物混合物。
請求項4:
ジメチレン鎖が1つ以上の水素以外の置換基で置換されており、該ジメチレン鎖上の、より嵩高い置換基がexo位を占める異性体の比率の方が高い、一部メチレン基が酸素に置換されていてもよいノルボルネン誘導体を、水素を置換基として有する縮合度が実質的に100%であるシルセスキオキサン系化合物に反応させて得ることを特徴とする請求項1記載のシルセスキオキサン系化合物混合物。
請求項5:
一部メチレン基が酸素に置換されていてもよいノルボルナン骨格と珪素原子とが直接結合された構造を有するシルセスキオキサンユニットを含有する縮合度が100%であるシルセスキオキサン系化合物混合物であって、該ノルボルナン骨格と珪素原子との直接結合を形成する際に使用する材料として、ジメチレン鎖が1つ以上の水素以外の置換基で置換された、一部メチレン基が酸素に置換されていてもよいノルボルネン誘導体に対し、より嵩高い置換基がexo位を占める異性体の比率を上げるための処理を行った後、上記結合の形成に使用することを特徴とする請求項1記載のシルセスキオキサン系化合物混合物。
請求項6:
より嵩高い置換基がexo位を占める異性体の比率を上げるために行う処理が、exo位とendo位の間の異性化反応である請求項5記載のシルセスキオキサン系化合物混合物。
請求項7:
より嵩高い置換基がexo位を占める異性体の比率を上げるために行う処理が、exo位とendo位異性体の分別処理である請求項5又は6記載のシルセスキオキサン系化合物混合物。
請求項8:
分子中に基板に対する密着性を与える官能基及び/又は酸分解性保護基で保護された脱保護時に分子にアルカリ可溶性を与える官能基を持つことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のシルセスキオキサン系化合物混合物。
請求項9:
上記ノルボルナン骨格が、分子に基板に対する密着性を与える官能基あるいは酸分解性保護基で保護された分子に脱保護時にアルカリ可溶性を与える官能基を持つことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のシルセスキオキサン系化合物混合物。
請求項10:
加水分解性ヒドロシラン化合物と、ジメチレン鎖が1つ以上の水素以外の置換基で置換された、一部メチレン基が酸素に置換されていてもよいノルボルネン誘導体に対し、より嵩高い置換基がexo位を占める異性体の比率を上げるための処理を行ったノルボルネン誘導体を反応させて得たことを特徴とする一部メチレン基が酸素に置換されていてもよいノルボルナン骨格が珪素に直接置換された構造を持つ加水分解性シラン化合物。
請求項11:
より嵩高い置換基がexo位を占める異性体の比率を上げるために行う処理が、exo位とendo位の間の異性化反応である請求項10記載の加水分解性シラン化合物。
請求項12:
より嵩高い置換基がexo位を占める異性体の比率を上げるために行う処理が、exo位とendo位異性体の分別処理である請求項10又は11記載の加水分解性シラン化合物。
請求項13:
一部メチレン基が酸素に置換されていてもよいノルボルナン骨格と珪素原子との直接結合を形成する際に使用する材料として、ジメチレン鎖が1つ以上の水素以外の置換基で置換されており、該ジメチレン鎖上の、より嵩高い置換基がexo位を占める異性体の比率の方が高い、一部メチレン基が酸素に置換されていてもよいノルボルネン誘導体を原料として使用して得た珪素原子に結合した3個の加水分解性基を有するシランモノマーを含有する3官能の加水分解性シランを加水分解・縮合することを特徴とする請求項1記載の縮合度が実質的に100%であるシルセスキオキサン系化合物混合物の製造方法。
請求項14:
ジメチレン鎖が1つ以上の水素以外の置換基で置換されており、該ジメチレン鎖上の、より嵩高い置換基がexo位を占める異性体の比率の方が高い、一部メチレン基が酸素に置換されていてもよいノルボルネン誘導体を、水素を置換基として有する縮合度が実質的に100%であるシルセスキオキサン系化合物に反応させることを特徴とする請求項1記載の縮合度が実質的に100%であるシルセスキオキサン系化合物混合物の製造方法。
請求項15:
ジメチレン鎖が1つ以上の水素以外の置換基で置換されており、該ジメチレン鎖上の、より嵩高い置換基がexo位を占める異性体の比率の方が高い、一部メチレン基が酸素に置換されていてもよいノルボルネン誘導体が、ジメチレン鎖が1つ以上の水素以外の置換基で置換された、一部メチレン基が酸素に置換されていてもよいノルボルネン誘導体に対し、より嵩高い置換基がexo位を占める異性体の比率を上げるための処理を行ったものである請求項13又は14記載のシルセスキオキサン系化合物混合物の製造方法。
請求項16:
より嵩高い置換基がexo位を占める異性体の比率を上げるために行う処理が、exo位とendo位の間の異性化反応である請求項15記載のシルセスキオキサン系化合物混合物の製造方法。
請求項17:
より嵩高い置換基がexo位を占める異性体の比率を上げるために行う処理が、exo位とendo位異性体の分別処理である請求項15又は16記載のシルセスキオキサン系化合物混合物の製造方法。
請求項18:
下記一般式(1)
Figure 2008081646

(式中、Yは1種以上の、官能基(ハロゲン原子、酸素原子又は硫黄原子)を有してもよい炭素数3〜20で、珪素との結合部位の原子は該珪素以外に2つ以上の水素及びハロゲン以外の原子と結合を持つ炭素である脂肪族分岐状、環状又は多環式構造を含有するか、又は官能基(ハロゲン原子、酸素原子又は硫黄原子)を有していてもよい炭素数6〜18で、珪素との結合部位の隣接位に水素及びハロゲン以外の置換基を有する芳香族構造を含有する有機基を示し、かつ、少なくとも1種以上のノルボルネン系誘導体の単離されたエキソ異性体、あるいはエキソ異性体がエンド異性体よりも過剰に含まれる、又はエキソ異性体の混合比を高める処理を行ったノルボルネン系誘導体混合物由来の有機基を含有する。また、X1,X2,X3はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6の直鎖状、分岐状もしくは環式のアルコキシ基、又は炭素数6〜10のアリーロキシ基を示す。)
で示される側鎖に嵩高い置換基を有する3官能性シランを含むシラン原料を加水分解・縮合することを特徴とする縮合度が実質的に100%であるシルセスキオキサン系化合物混合物の製造方法。
請求項19:
下記一般式(2)で示されるモノマーユニット(A)と下記一般式(3)で示されるモノマーユニット(B)のそれぞれから選ばれた、少なくとも1種を含有する加水分解性シランモノマー原料を加水分解、縮合することを特徴とする縮合度が実質的に100%であるシルセスキオキサン系化合物混合物の製造方法。
1−SiX1 3 (2)
2−SiX2 3 (3)
(式中、R1は、珪素との結合部位の原子は該珪素以外に2つ以上の水素及びハロゲン以外の原子と結合を持つ炭素であり、かつ、フッ素等のハロゲン、酸素又は硫黄原子を含んでもよい炭素数3〜20の脂肪族分岐状、環状又は多環式構造を含有するか、又は官能基(ハロゲン原子、酸素原子又は硫黄原子)を有していてもよい炭素数6〜18で、珪素との結合部位の隣接位に水素がハロゲン以外の置換基を有する芳香族構造を含有する、分子に密着性を与える有機基であり、R2は珪素との結合部位の原子は該珪素以外に2つ以上の水素がハロゲン以外の原子と結合を持つ炭素であり、かつ、官能基として酸分解性保護基で保護された分子に脱保護時にアルカリ可溶性を与える基を持ち、該官能基の他にハロゲン、酸素又は硫黄原子を含んでもよい炭素数3〜20の脂肪族分岐状、環状又は多環式構造を含有するか、又は官能基(ハロゲン原子、酸素原子又は硫黄原子)を有していてもよい炭素数6〜18で、珪素との結合部位の隣接位に水素及びハロゲン以外の置換基を有する芳香族構造を含有する有機基であり、更にR1あるいはR2の1つ以上のX1,X2はそれぞれ独立に水素、ハロゲン、又は炭素数1〜6の直鎖、分岐もしくは環状のアルコキシ基を表す。但し、R1及びR2の少なくともいずれか一方はexo位を占める異性体の比率が高い置換基である。)
請求項20:
加水分解・縮合が、シラン原料を酸又は塩基を触媒とする第1段の加水分解を行った後、第2段の脱水縮合反応として、上記シラン原料に対して0.5モル%以上の強塩基触媒の存在下に、縮合により生成する水を反応系外に除去する操作を伴う脱水縮合反応を行うか又は加水分解により得られる加水分解生成物量に対し2倍以上の質量の有機溶剤を使用し、縮合により生成する水分を有機溶剤に移行させて脱水縮合反応を行うものである請求項13乃至20のいずれか1項記載の製造方法。
請求項21:
加水分解性ヒドロシラン化合物と、ジメチレン鎖が1つ以上の水素以外の置換基で置換された、一部メチレン基が酸素に置換されていてもよいノルボルネン誘導体に対し、より嵩高い置換基がexo位を占める異性体の比率を上げるための処理を行ったノルボルネン誘導体とを反応させたことを特徴とする一部メチレン基が酸素に置換されていてもよいノルボルナン骨格が珪素に直接置換された構造を持つ加水分解性シラン化合物の製造方法。
請求項22:
より嵩高い置換基がexo位を占める異性体の比率を上げるために行う処理が、exo位とendo位の間の異性化反応である請求項21記載の一部メチレン基が酸素に置換されていてもよいノルボルナン骨格が珪素に直接置換された構造を持つ加水分解性シラン化合物の製造方法。
請求項23:
より嵩高い置換基がexo位を占める異性体の比率を上げるために行う処理が、exo位とendo位異性体の分別処理である請求項21又は22記載の一部メチレン基が酸素に置換されていてもよいノルボルナン骨格が珪素に直接置換された構造を持つ加水分解性シラン化合物の製造方法。
請求項24:
請求項1乃至9のいずれか1項に記載のシルセスキオキサン系化合物混合物を含有するレジスト組成物。
請求項25:
化学増幅ポジ型レジスト組成物である請求項24記載のレジスト組成物。
請求項26:
請求項24又は25記載のレジスト組成物を用いてレジストパターンを形成することを特徴とする微細パターンの形成方法。
請求項27:
請求項26記載の微細パターンの形成方法により得た微細パターンをエッチングマスクに用いて、プラズマエッチングにより基板の加工を行う基板の加工方法。
なお、水素を置換基として有する縮合度が実質的に100%であるシルセスキオキサンとは、例えば下記に示すような構造
Figure 2008081646

(ここで、各頂点は珪素原子であり、各辺はSi−O−Si結合を示す。)
において、Si−O−Si結合における酸素以外の珪素原子に結合する基が水素原子であるもの(つまり、各頂点がSi−Hであるもの)をいう。このシルセスキオキサンは、例えば下記反応式に示すように、ハイドロシリレーションによりノルボルナン骨格と珪素原子とが直接結合したシルセスキオキサンを得ることができる。
Figure 2008081646
本発明はレジスト組成物、特に化学増幅ポジ型レジスト組成物に好適な実質的に100%の縮合度を持つシルセスキオキサン系化合物あるいはその混合物を与える。特に機能性シランの縮合で縮合度100%の縮合度を持つシルセスキオキサン系化合物を合成するケースでは、反応生成物混合物の保存安定性に有利な、シラノール含有量の低い混合物が得られ、100%の縮合度を持つシルセスキオキサン系化合物の収率にも有利である。一方、機能性を縮合度100%のシルセスキオキサンに導入する場合には、導入を容易にすることができ、例えば高い溶解コントラスト、高い基板密着性等を付与することができる。更に、本発明により得られる100%の縮合度を持つシルセスキオキサン系化合物混合物を用いたレジスト組成物は、従来縮合後に導入する方法に用いられた熱運動に対する自由度の高い側鎖を用いたものや、嵩高い置換基を持つものの、縮合度が十分に上がらなかったものを用いた場合に比較して、高い解像性、特に微小な繰り返しパターンの形成に対し高い性能を有する。
まず初めに本発明に使用するノルボルネン誘導体について説明を行う。
ノルボルネンやオキサノルボルネンのジメチレン鎖に置換基を有する誘導体の合成は、通常ディールスアルダー反応により行われるが、最も典型的な反応であるシクロペンタジエンとアクリル酸エステルの反応を行った場合、反応はエンド−シスで起こり、エンド位の異性体を選択的に与えることはよく知られている。同様に、共役系を持たないジエノフィル、例えばアリルブロミドを用いてシクロペンタジエンとの反応を行った場合にも、選択性は完全ではなく、異性体混合物を与えるものの、主生成物となるのはエンド位の異性体である。これはジエンとして環内に酸素原子を有するフラン誘導体を用いた場合にも、反応をルイス酸等の触媒によって加速した場合にも通常は変わらない。そこで、置換基がエキソ位を占める異性体、2つの置換基が置換している場合にはより嵩高い置換基がエキソ位を占める異性体を単体、あるいは主成分である混合物を使用したい場合、又は、主成分は依然エンド異性体であるものの、通常の方法で得た場合に対し少しでもエキソ異性体比を上げたものを使用したい場合には、何らかの特別な手段が必要となる。
一つは、電子的相互作用等により嵩高い置換基がエキソ位を占めるような反応を利用して、主生成物として得られるノルボルネン系誘導体(以下、シクロペンタジエン誘導体から得られるものに加え、フラン誘導体から得られるものについても、このように呼ぶものとする。)が、嵩高い置換基がエキソ位にくるように予め使用するノルボルネン系誘導体を設計して使用する方法である。このようなものとしては、例えばα−置換アクリル酸誘導体又はエステル誘導体として、カルボン酸部又はエステル部よりも嵩高い置換基を有するものをジエノフィルに使用する方法が挙げられる。これによれば、ジエノフィルである共役エステルと環状ジエンの電子的相互作用によりカルボニル基がエンド位となることによって、嵩高い置換基はエキソ位に入ることになる。
また、共役系による相互作用に由来する選択性によらないものとしては、次のようなフッ素の強い電子的効果により、立体選択性を変化させるものを挙げることができる。例えばα−フルオロアクリリックフルオリドとシクロペンタジエンのディールスアルダー反応を行うと、嵩高いフルオロカルボニル基がエンド位に、嵩が低いフッ素がエキソ位のものが主生成物となる(非特許文献1:Journal of Photopolymer Science and Technology, 18, 631−639, 2005)。更にこのフルオロカルボニル基を化学変換することによりヘキサフルオロイソプロパノール基に変換されることが報告されているが、エステル誘導体に変換していくことも可能である。
もう一つの方法は、エキソ位に嵩高い置換基がある誘導体を単離又は濃縮する方法である。多くの場合、エキソ誘導体とエンド誘導体は物性が異なることから、吸着又は分配クロマトグラフィー法で適切な条件を選択することで、異性体を分離又は一方の異性体の混合比を高めることができる。
また、異性体により結晶性が異なる場合には、一方の異性体を優先的に結晶化させることが可能な場合があり、このような場合には、結晶化工程を経ることにより、一方の誘導体を単離したり、完全に単離されない場合にも混合比を高くすることができる。また、優先的に結晶するものが望みの異性体でない場合でも、結晶を除くことにより、望みのものを母液側に濃縮することができる。このようなものの例としては、ノルボルネンジカルボン酸無水物の例を挙げることができ、ディールスアルダー反応により得られたノルボルネンジカルボン酸無水物は一旦熱異性化したのち、結晶化を行うことで異性化後混合比よりも高い、エキソ位の混合比を得ることに成功している(特許文献2:特開2004−359669号公報)。
また、異性体間で沸点が異なる場合があり、そのような場合には当然、蒸留−分取を行うことにより、沸点の低いあるいは高い異性体を濃縮することができる。例えばテトラシクロドデセン誘導体のガスクロマトグラフィーでは、ノルボルナン骨格がエキソのものとエンドのものでは保持時間が大きく異なり、これは沸点の差によるものである。ここではエキソ異性体が低沸点であるため、低沸側を分取してやれば、エキソ異性体を濃縮することができる。
更に別の方法としては、ノルボルネン系誘導体を立体反転が可能な条件で処理することにより、エキソ異性体比を向上させる方法である。より嵩高い置換基がエキソ位に置換している場合とエンド位に置換している場合では、エンド位に置換している場合の方が不飽和結合を構成しているメチンとの間の立体反発が当然大きい。そこで、何らかの方法により置換基が結合している炭素の立体反転が可能な状態とすれば、立体反発が小さく、熱力学的に有利なエキソ異性体の混合比を上げることができる。例えば置換基が芳香族基である場合にはシリカやアルミナのような固体触媒やスルホン酸側鎖を持つ個体酸触媒を使用して立体反転させる方法が報告されている(特許文献3:特開平5−97719号公報)。また、カルボニル基である場合には、例えば前述のノルボルネン無水物の場合には加熱のみで反転させることもできる(特許文献2)が、3級アミン類等の塩基の添加や緩衝液の使用等により活性化してやることもできる。フェニルシクロドデセンでは、これと同様に加熱によりエキソ異性体への異性化ができる(特許文献4:特表2000−506183号公報)。
上記のような、エキソ異性体が主生成物となるように設計されたノルボルネン系化合物、又は分離操作により得たノルボルネン系化合物のエキソ異性体単体、あるいは分離操作前よりもエキソ比率が向上された混合物、更に立体の反転を伴う処理を経てエキソ異性体の混合比が処理前よりも向上された混合物は、嵩高い置換基によるノルボルネンの2重結合の反応性に対する妨害が軽減され、そうでない場合に比べ高い反応活性を持つ。
機能性側鎖を持つ、POSS化合物を初めとする上述の縮合度100%であるシルセスキオキサン誘導体を合成する方法としては、上述の通り、縮合度100%であるシルセスキオキサン誘導体を合成し、それに機能性側鎖を導入する方法と、非加水分解性側鎖として機能を有する側鎖が置換した3官能の加水分解性シラン化合物(なお、3官能の加水分解性シラン化合物とは、珪素原子に結合するアルコキシ基等の加水分解性基を3個有するシラン化合物をいう)を加水分解する方法、及び中間的な方法として、縮合度が100%であるシルセスキオキサン誘導体の一部の酸素−珪素結合を切断し、機能性側鎖を持ったシラン類と入れ替えて再縮合する方法等が考えられる。上記嵩高い側鎖を有するにも関わらず、反応活性が改善された立体を持った異性体であるエキソ位に嵩高い側鎖を持つノルボルネン系化合物の利用は、いずれの方法においても、有効に使用できる。
そこで、予め縮合度が100%であるシルセスキオキサン骨格を形成した後に、ノルボルネン系化合物側鎖を導入する方法について説明する。縮合度が100%であるシルセスキオキサン骨格を高純度に効率よく得る方法としては、通常単一の、あるいは非常に形状の類似した側鎖を有する3官能の加水分解性シランを適切な溶媒条件で加水分解縮合し、熟成中に縮合−解縮合の平衡状態を維持すると、対象性が高く、結晶しやすい縮合度が100%シルセスキオキサンが結晶として析出してくる方法がとられる。この方法によれば、複数の機能を持った側鎖を導入することは難しく、一旦対象性のよい化合物を得た後、側鎖を変換する方法をとることになる。最も簡単な方法は、特許文献1にあるように、新たに結合形成可能な官能基を持つ縮合度が100%であるシルセスキオキサンを使用する方法である。特許文献1では、その結合性官能基としてジメチルシリルオキシ基を用い、珪素−水素結合に対し、オレフィンを反応させる方法で機能性側鎖に変換している。近年結合形成可能な官能基として、珪素に水素が置換した誘導体である、オクタヒドロシルセスキオキサンが入手できるようになっている(例えばハイブリッドプラスチックス社製)。これを用いれば、特許文献1の方法によってスペーサーを介さずに官能基を導入することが可能となるはずであるが、官能性側鎖が立体的に嵩高い場合には、8つの全ての位置への導入は困難を伴うことが予想され、収率も期待できない。上記のような嵩高い置換基がエキソ位であるか、エキソ位の比率が高い、あるいは向上させた異性体混合物の使用は、反応性の低さによる問題を解決する方法となる。
もう一つの方法としては、一旦得た縮合度が100%であるシルセスキオキサンの一部の珪素−酸素結合を切り、異なる側鎖を持つ珪素と入れ替えてやる方法であるが、この方法では同一分子中に異なる機能性側鎖を入れたり、複数の側鎖を入れてやることは方法的にかなり制限を受けるため、レジスト組成物への応用は困難を伴う可能性がある。しかし、この方法においても、後述するように、立体的に嵩高い置換基を持つシルセスキオキサンの縮合を完全に行うことはかなり難しい。しかし、後述の結果からすれば、機能性側鎖を持つノルボルナンが置換した3官能の加水分解性シランを用いて珪素の入れ替えを行った場合には、側鎖がエキソ位異性体であれば再縮環が容易になることが理解される。
一方、もう一つのノルボルナン系側鎖を有する縮合度が100%であるシルセスキオキサン誘導体の合成方法である、非加水分解性側鎖として機能を有するノルボルナン系側鎖が置換した3官能の加水分解性シラン化合物を加水分解する方法では、ノルボルネン系誘導体と3官能の加水分解性ヒドロシランからノルボルナン系側鎖を持った加水分解性シランをまず合成するが、加水分解性ヒドロシランが比較的反応活性が高いため、この段階では特に立体に基づく反応性の問題は生じていない。しかし、縮合度が100%であるシルセスキオキサンへの縮合反応を試みたところ、上記の立体に基づく反応性の改善効果が明らかになった。そこで、この方法について更に詳細に説明する。
本発明の方法は、本発明者らが見出した、使用するノルボルナン系側鎖が直接置換した3官能の加水分解性シランのノルボルナン系側鎖の嵩高い置換基の立体がエキソ位である場合、そのエンド位である場合に比較して籠状分子への縮合反応が有利に進行することを利用するものであり、上述した方法により得たノルボルネン系誘導体を原料に使用して、3官能の加水分解性ヒドロシランとよく知られているヒドロシリレーション法(例えば、特許文献5:特開2002−55456号公報)を用いて得られるノルボルナン系側鎖が直接珪素に結合した3官能の加水分解性シランを縮合用材料とするものである。これを縮合用材料とすることにより、上述の方法により得たノルボルネン系誘導体を使用しなかった場合に比較して、縮合後に得られる生成物である縮合度が100%であるシルセスキオキサン化合物を含む混合物に占める縮合度が100%であるシルセスキオキサン化合物の割合を向上させることができる。
そこで、3官能の加水分解性シラン化合物より縮合度が100%であるシルセスキオキサン化合物に誘導するための加水分解縮合反応の条件は特に制限されるものではないが、縮合度を100%により近づける方法としては、例えば、特許文献6(特開2004−354417号公報)に開示した方法等を挙げることができ、更に特願2006−084411号に開示した方法を用いることがより有利である。また、化学増幅型レジスト組成物用とするためには、ポジ型用途としては、すでに多数公知であるようなポジ型に必要な機能性側鎖が上記側鎖として置換されているものを使用すればよく、またネガ型についても同様である。なお、この方法では、前述の2つの方法に比較して、導入される置換基の種類、比率等の選択において、使用する3官能の加水分解性シラン化合物の混合時の状態がよく反映されるため、目的化合物の設計の高い自由度が得られる。
縮合度が100%であるシルセスキオキサン化合物の混合比が高い材料を単独でポジ型レジスト組成物として使用した場合の分子の大きさが揃っている効果によると考えられる微細なパターンアンドスペースパターンの高解像性については後述するが、上記縮合度が100%であるシルセスキオキサン化合物をポジ型レジスト用として使用する場合、側鎖には基板等に対する密着性を与える官能基又は酸分解性保護基で保護された脱保護時に分子にアルカリ可溶性を与える官能基を、より好ましくはそれらの両方を持つ誘導体を使用する。なお、それぞれの機能の官能基は、単一のものが使用されても、一方の機能に対し、複数の官能基が用いられてもよく、更に異なる官能基、あるいは異なる官能基比を与えられた縮合度が100%であるシルセスキオキサン化合物を含有する混合物をブレンドして使用することもできる。
上述のノルボルネン系誘導体の単離されたエキソ異性体、あるいはエキソ異性体がエンド異性体よりも過剰に含まれる、又はエキソ異性体の混合比を高める処理を行ったノルボルネン系誘導体混合物から得た3官能の加水分解性シランは、この縮合反応の一部の原料として使用されれば、その効果を上げることができる。また、後述するように、加水分解縮合時に立体的に嵩高くない置換基を有するシランをある程度以上加えなければ縮合反応が極めて不均一に進行することはないが、置換基の大きさを揃えてやることで、生成物中の分子が有する置換基の種類と数等の均一性の高い縮合度が100%であるシルセスキオキサン誘導体混合物を得るためには、加水分解縮合に使用する全ての加水分解性シランを、ノルボルネン系誘導体から得たものより選択し、そのうち一つ以上ノルボルネン系誘導体の単離されたエキソ異性体、あるいはエキソ異性体がエンド異性体よりも過剰に含まれる、又はエキソ異性体の混合比を高める処理を行ったノルボルネン系誘導体混合物から得た加水分解性シランを使用することが好ましい。
このような縮合度が100%であるシルセスキオキサン化合物を含有する混合物を得る方法は、より好ましい方法としてすでに特願2006−084411号で開示しているが、次のような方法を挙げることができる。
即ち、加水分解縮合に使用する3官能の加水分解性シランとしては、下記一般式(1)
Figure 2008081646

(式中、Yは1種以上の、官能基(フッ素等のハロゲン、酸素又はイオウ原子)を有してもよい炭素数3〜20で、珪素との結合部位の原子は該珪素以外に2つ以上の水素及びハロゲン以外の原子と結合を持つ炭素である脂肪族分岐状、環状又は多環式構造を含有するか、又は官能基(フッ素等のハロゲン、酸素又はイオウ原子)を有していてもよい炭素数6〜18で、珪素との結合部位の隣接位に水素及びハロゲン以外の置換基を有する芳香族構造を含有する有機基を示し、かつ、少なくとも1種以上のノルボルネン系誘導体の単離されたエキソ異性体、あるいはエキソ異性体がエンド異性体よりも過剰に含まれる、又はエキソ異性体の混合比を高める処理を行ったノルボルネン系誘導体混合物由来の有機基を含有する。また、X1,X2,X3はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6の直鎖状、分岐状もしくは環式のアルコキシ基、又は炭素数6〜10のアリーロキシ基を示す。)
で示される側鎖に嵩高い置換基を有する3官能性シランを含むシラン原料を用いる。なお上記炭素数の表記は骨格に関するもので、官能基等の置換基に含まれる炭素数は含まないものとする。
この場合、式(1)のシランの1種又は2種以上を使用することができるが、好ましくは式(1)のシランの少なくとも1種は、Yが一部メチレン基が酸素に置換されていてもよいノルボルネン骨格と珪素原子とが直接結合された構造を有し、ジメチレン鎖が1つ以上の水素以外の置換基で置換されており、該ジメチレン鎖上の、より嵩高い置換基がexo位を占める異性体の比率が高いものである。
基質となる加水分解性シランの側鎖が、立体的に嵩高くない、即ち、側鎖の珪素と結合する炭素が持つ結合が、水素及びハロゲン以外の原子との間のものが1つ以下である側鎖であるものを主な原料とした場合、縮合により高分子量体が優先的に与えられる傾向が高くなり、低水分濃度での縮合反応を行っても系全体の縮合率を向上はさせるものの、実質的に縮合率が100%であるシルセスキオキサン系化合物の存在比を上げることが困難になる。一方、シラン原料がその側鎖の珪素原子と結合する炭素が水素及びハロゲンを除く原子と珪素を含め3つ以上結合を持つ場合、特に上記ノルボルナン骨格である場合や、3級炭素、上記以外のノルボルナン骨格を含む脂肪族環状、更には縮環式骨格を構成する炭素である場合、又は珪素と結合する炭素が芳香環を構成する原子であり、かつその隣接位が水素、ハロゲン以外の置換基で置換されている場合には非常に有効に用いることができ、このような3官能性シランの割合が70モル%以上である場合、より好ましくは90モル%以上である場合、更に好ましくは100モル%である場合には、本発明の方法により、生成するシルセスキオキサン系化合物混合物中の縮合率が100%であるシルセスキオキサン系化合物、特に籠型8量体化合物の存在比を容易に上げることができる。
例えば200nm以下の光に対し、ある程度の透明性が要求される場合や、ドライエッチングにおいて、ある程度の耐性を要求される場合に使用できる材料用として使用できるYの好ましい例としてノルボルナン骨格以外のものとしては、珪素にトリシクロデカン骨格、テトラシクロドデセン骨格、ビシクロノナン骨格、デカリン骨格等、及びそれらの骨格中の炭素の一部が酸素に置換されたヘテロ縮環式骨格が直接結合した構造を持つ側鎖を挙げられる。また、縮合率が100%であるシルセスキオキサン系化合物の存在比を挙げるために効果的な側鎖としては、嵩高い置換基として通常用いられる、珪素との結合する炭素が3級炭素である置換基を挙げることができる。更に芳香族系の置換基でも、珪素と結合する位置の隣接位に水素やフッ素のような小さな置換基ではない置換基が置換している場合にも、嵩高い置換基としての効果を得ることができる。この芳香族系置換基は、200nm以下の光に対する透明性という意味では不利であるが、ドライエッチングに対しては良好な耐性を示す。このような芳香族系置換基の骨格としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環などや、その一部の環が水素添加された環を持つものが挙げられる。
ここで使用できる好ましい側鎖の具体例のうち、ノルボルナン骨格を含有する例として下記の基を挙げることできる。
Figure 2008081646

(式中、Meはメチル基を示し、RはH、メチル基、F、又はトリフロロメチル基を示す。)
また、ノルボルナン骨格を含まない加水分解性シラン類で、上記ノルボルナン側鎖を有する加水分解性シラン類と共加水分解縮合を行う際に好く選択される側鎖構造として、3級の置換基の例、環状構造の例、芳香環構造の例の骨格例を下記に示す。なお、より理解しやすいように、ベンゼン環構造、ナフタレン環構造には、隣接する位置に置換基が入るという意味の図を下式にメチルの表記で一部示したが、メチルに限られるものではなく、また、イソプロピル、tert−ブチルである場合には特に嵩高い効果が大きい。また、ナフタレン環のα−位に珪素原子が結合している場合には、珪素原子が結合していない環が隣接置換基となることからここでいう嵩高い置換基となり、これはアントラセン環でも同様である。
Figure 2008081646
縮合度が100%であるシルセスキオキサン系化合物を高収率で得るためには、上記シラン原料を酸又は塩基を触媒とする第1段の加水分解を行った後、上記シラン原料に対して0.5モル%以上の強塩基触媒の存在下に、特定条件の下に第2段の脱水縮合を行う方法を用いると、側鎖に嵩高い置換基を有し、縮合度が実質的に100%であるシルセスキオキサン型化合物(SSQ)存在比の高いSSQ混合物を得ることができる。
この縮合反応を1段階で行おうとすると、加水分解性シランがハロシランの場合は、生成するハロゲン化水素のために触媒の失活が起こり、また過剰の塩基を用いた場合にはシリケート体の形成が優先されるために、縮合度100%の8量体化合物等のSSQ化合物の生成は阻害される。また、アルコキシシランの場合は加水分解により副生する多量のアルコールが存在するため、十分な縮合反応が進行せず、縮合度100%の成分の生成に不利である。従って、酸又はアルカリ触媒による加水分解反応を予め行い、次いで加水分解物を強塩基触媒の存在下に第2段の脱水縮合を行うことが好ましい。この際、第1段の加水分解によって得た加水分解物を実質的に水を含まない状態で一旦単離することにより、第2段の縮合反応系に導入される、縮合反応中に生成する水分量を飛躍的に少なくすることができ、系全体の縮合度を向上させることができる。そこで、基本的には第1段と第2段の反応の間には加水分解物の単離操作を行うことが効果的であるが、場合によっては単離操作は行わず、第2段の反応の初期にアルコール及び過剰の水分の留去を伴った縮合を行ってもよい。一方、ごく少量の水分の存在は、アルカリ触媒によるシロキサン結合の解裂/再結合による平衡化反応には不可欠であるので、水分の除去方法により、100%縮合物の生成量は大きく依存する。具体的には、導入する塩基触媒のモル数より少量の水分の存在下で、未反応のSi−OHが消滅し得るように既存のSi−O−Si結合を切断、再結合させながら、熱力学的に最安定構造である8量体等のSSQを順次形成する。
上記合成方法の特徴、即ち、このシルセスキオキサン縮合物中の100%縮合物の存在比を高くするための条件は、縮合反応中に、水を反応系外に除去しながら行うことである。除去する方法として最も容易な方法は、水−溶剤の共沸による方法を挙げることができ、小スケールでは、大量の溶剤を加えておいて、反応の進行と共に水を伴って溶剤を抜いていく方法を用いることもできるし、また、水を伴って共沸させた溶剤から水を分離して溶剤を戻してやる方法をとってもよい。このような方法は、脱水縮合によるエステル合成等により極めてよく知られている方法をとることができる。この水分の除去によりシロキサン形成を加速することができるが、系内の水が完全に無くなってしまうと、再結合に関与することができず、100%縮合物の形成が阻害されることがある。そこで、この場合には少量の水を再添加し、更に水の除去操作を行いながら縮合反応を行う場合もある。
なお、縮合度が100%であるシルセスキオキサン化合物が得られていることの確認は、縮合後の反応混合物の各ユニットをGPC分取後、Si NMRを測定し、T1/T2/T3の比を比較することにより行うことができる。具体的には、一番小さなユニットのSi NMRの測定において、T1,T2に同定されるピークが観測されず、T3シグナルのみ観測されることにより、100%縮合物であると判断する。ここで、
T1;シロキサン結合を1つ形成(残りの2つはシラノール基又は加水分解性基残留)
T2;シロキサン結合を2つ形成(残りの1つはシラノール基又は加水分解性基残留)
T3;シロキサン結合を3つ形成(=完全縮合ユニット)
である。
上記反応操作について更に詳細に説明する。
上記合成法において、上記第1段の加水分解は常法によって行うことができるが、触媒として酢酸、塩酸、硫酸、硝酸、シュウ酸、クエン酸、p−トルエンスルホン酸などの酸触媒やアンモニア、NaOH、KOH、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、テトラメチルアンモニウム塩などのアルカリ触媒あるいはチタンアセチルアセトナート[Ti(acac)]などの遷移金属触媒をシラン原料に対して0.01〜30モル%の量で使用し、また水の量をシラン原料の量に対して150〜5,000モル%として行うことが好ましい。この場合、水に加えてメタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、アセトン、アセトニトリル等の調水性有機溶剤をシラン原料の量に対して50〜1,000質量%の割合で加えて反応を行うことができる。反応温度は0〜60℃で行うことができ、反応時間は通常30分〜120時間である。
上記加水分解後は、上述の通り、反応混合物から水を除去することが好ましく、更に、加水分解物を取り出す操作を行って第2段の反応に用いることがより好ましい。但し、第1段階の加水分解反応の溶媒の選択によっては、加水分解を行った後、水を除去する操作、触媒量の調整等を組み合わせることによって第2段階の縮合反応に移行することも可能である。
一方、第2段の脱水縮合において、塩基触媒には蒸気圧が溶剤よりも低いものを選択する方が好ましく、アンモニア、トリエチルアミン等は使用しにくい。好ましい例としては、水酸化アルカリ、水酸化第4級アンモニウムなどの強アルカリ、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)などの塩基性の強いアミン触媒を挙げることができ、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)の持つ塩基性よりも高い塩基性を持つアミンを選択することが好ましい。塩基触媒の量は、使用する触媒の塩基性の強さにもよるが、モノマーユニット(上記シラン原料)に対して0.5〜100モル%、好ましくは5〜50モル%、より好ましくは10〜30モル%である。また、加水分解生成物は残存するシラノールの反応性の関係で、全てのシラノールが容易に反応し得る構造が好ましく、従って、加水分解物の分子量は数百から千程度の低分子量である方が好ましい。
本発明の縮合反応の特徴は、上記で説明した原料を用いて、第1段の加水分解の後に第2段の脱水縮合反応時に、縮合により生成する水を除去しながら縮合を行うことである。反応に伴い生成する水が脱水縮合の進行を妨害する場合、生成する水の除去を行いながら縮合する方法はよく知られており、一般のポリシルセスキオキサン類を合成する場合には、特に高分子量化したい場合に適用される。ところが、上記のような立体的に嵩高い側鎖を持った3価の加水分解性シラン化合物の縮合に適用した場合、縮合度が高くなる(シラノールの数が減る)に伴い反応生成物混合物の平均分子量が増加するという変化が起こるのではなく、かご型の、縮合度が100%であるシルセスキオキサン系化合物の存在比が高くなってくることが確認された。
比較的大きなスケールで、生成する水の除去を行いながら脱水縮合を行うためには、溶剤と水とが分離できるような溶剤を用い、共沸等の操作で取り出した水と溶剤を分離し、溶剤のみを反応系に戻してやる方法が効率的である。このような操作を行うための溶剤の選択の目安としては、水との共沸温度が反応に好ましい温度範囲であり、水分の溶解度が5%以下のものが好ましい。具体的には、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレン等の有機溶剤を加水分解生成物に対して50〜500質量%の量で使用することが好ましい。更に、この溶剤量を加水分解生成物に対し200質量%以上としてやると、縮合度が100%である籠型8量体化合物の存在比を有利に上げることができる。反応温度は100℃以上、特に115℃以上が好ましい。なお、その上限は特に制限されないが、有機溶剤を加えた場合はその還流温度である。反応時間は、通常8時間以上行うことが好ましい。
この場合、縮合反応の際に、上述した反応系外に水を除去する操作を行う代わりに、加水分解生成物量の200質量%以上、即ち2倍以上の質量の有機溶剤を使用し、縮合によって生成する水分を有機溶剤に移行させて水分の影響を低下させることによっても、縮合度が100%である籠型8量体化合物を高収率で得ることができる。なお、溶剤の上限は1,000質量%以下(10倍以下)であることが、バッチ当たりの目的物の収量を確保し、工業的な経済性の点から好ましい。
反応温度は100℃以上、特に115℃以上が好ましい。なお、その上限は特に制限されないが、有機溶剤を加えた場合はその還流温度である。反応時間は、通常8時間以上行うことが好ましい。
しかし一方、系内の微量の水分の存在は、高分子量SSQ化合物から完全縮合型低分子量SSQ化合物への異性化に不可欠であり、水分量が減少しすぎるとこの異性化反応の速度が遅くなり、有効な製造方法となり得ない。この場合は一旦少量の水(加水分解物に対して1〜3%程度)を添加し、縮合を継続する方法をとることもできる。
ちなみに、従来の縮合率100%であるSSQ化合物の合成のように、珪素原子上の置換基が嵩高くないものが多い場合は、本反応条件に示すように縮合反応中に水を系外へ除去する操作を行うことにより、縮合率は向上するが、縮合率100%籠型8量体化合物成分の生成は主反応にはならず、平均分子量がより高いSSQ化合物が生成してしまう。そこで縮合率100%の成分を合成するには、ある程度以上の水分含有条件で長時間平衡反応を伴う縮合反応を行い、その後、中和、冷却することにより結晶性の高い完全縮合物を、固体として析出させる方法が用いられているが、この場合縮合度そのものは高くはないため、結晶化させて縮合率100%の成分を取り出せることがポイントとなる。従って縮合時に複雑な官能基を入れておくことは困難である。
これに対し、この方法では、珪素原子上の有機基の嵩高さが、本発明が有するノルボルナン骨格のように大きく、通常の加水分解条件では十分な縮合度を得ることができないような、今までは有効な合成方法が見出せなかったSSQ化合物の製造方法として、特に有効であり、珪素近傍の嵩高さがある程度揃っていれば、即ち嵩高い置換基が70モル%以上、より好ましくは90モル%以上、更に好ましくは全ての置換基が嵩高い3価の加水分解性シラン混合物をシラン原料を混合して加水分解/縮合することにより、異種の置換基を持つことにより結晶性を期待できないようなものについても、100%縮合SSQ化合物の混合比の高いSSQ化合物混合物を製造することもできる。
この製造方法により、最も好ましい条件を選択すれば、目的とする縮合率100%籠型8量体化合物は70%以上の高収率(GPC−RI面積比)で製造することができるが、本発明の、嵩高く、かつ立体的にはあまり不利でないエキソ位に嵩高い置換基を有するノルボルナン誘導体を原料として使用することにより、更にこの収率を上げることが可能となる。
嵩高い置換基を有するSSQ化合物は、小さな置換基を持つSSQ化合物に比べ結晶性が低く、冷却操作による結晶化は殆どの場合上手くいかない。従って、反応混合物から更に100%縮合物の存在比を上げたい場合には、貧溶媒の添加や、カラムなどの精製操作が必要になる場合が多い。この場合、第2段の脱水縮合後の反応混合物より、分画処理により低縮合成分を除去する工程を行うことが好ましいが、分画処理としては、再沈法、カラム分取、又はGPC分取等が採用できる。
本発明によれば、上述した方法により、側鎖に嵩高い置換基を有し、縮合度が実質的に100%であるSSQ化合物の存在比を特に高めた混合物を得ることができ、典型的にはシルセスキオキサン8量体であるが、側鎖基(Y)の大きさにより熱力学的に最安定な構造の下記6〜12量体を通常一種類、優位な過剰量で得ることができる。
Figure 2008081646

(ここで、各頂点は置換基をそれぞれ1個含有する珪素原子であり、各辺はSi−O−Si結合を示す。)
次に、第2の発明として、上記の方法を用いることにより初めて得ることができた嵩高い置換基を持った縮合度が実質的に100%であるシルセスキオキサン系化合物の含有比が高いシルセスキオキサン系化合物混合物について説明を行う。
本発明のレジスト組成物として好ましい、縮合度が実質的に100%であるシルセスキオキサン縮合物の存在比が高いシルセスキオキサン系化合物混合物は、下記一般式(2)で示されるモノマーユニット(A)と下記一般式(3)で示されるモノマーユニット(B)から選ばれる少なくとも1種、好ましくは、A及びBそれぞれから選ばれた、少なくとも1種を含有する加水分解性シランモノマー原料を第1の発明の方法により加水分解、縮合することによって得ることができる。
1−SiX1 3 (2)
2−SiX2 3 (3)
(式中、R1は、珪素との結合部位の原子は該珪素以外に2つ以上の水素及びハロゲン以外の原子と結合を持つ炭素であり、かつ、フッ素等のハロゲン、酸素又は硫黄原子を含んでもよい炭素数3〜20の脂肪族分岐状、環状又は多環式構造を含有するか、又は官能基(フッ素等のハロゲン、酸素又は硫黄原子)を有していてもよい炭素数6〜18で、珪素との結合部位の隣接位に水素及びハロゲン以外の置換基を有する芳香族構造を含有する、分子に密着性を与える有機基であり、R2は珪素との結合部位の原子は該珪素以外に2つ以上の水素及びハロゲン以外の原子と結合を持つ炭素であり、かつ、官能基として酸分解性保護基で保護された分子に脱保護時にアルカリ可溶性を与える基を持ち、該官能基の他にハロゲン、酸素又は硫黄原子を含んでもよい炭素数3〜20の脂肪族分岐状、環状又は多環式構造を含有するか、又は官能基(フッ素等のハロゲン、酸素又は硫黄原子)を有していてもよい炭素数6〜18で、珪素との結合部位の隣接位に水素及びハロゲン以外の置換基を有する芳香族構造を含有する有機基であり、更にR1あるいはR2の1つ以上のX1,X2はそれぞれ独立に水素、ハロゲン、又は炭素数1〜6の直鎖、分岐もしくは環状のアルコキシ基を表す。)
この場合、R1及びR2の少なくともいずれか一方はexo位を占める異性体の比率が高い置換基であり、使用するシランの少なくとも1種は、R1又はR2が一部メチレン基が酸素に置換されていてもよいノルボルネン骨格と珪素原子とが直接結合された構造を有し、ジメチレン鎖が1つ以上の水素以外の置換基で置換されており、該ジメチレン鎖上の、より嵩高い置換基がexo位を占める異性体の比率が高いものである。
1である、密着性を与える官能基としては、水酸基、カルボキシ基、環状エーテル構造、エステル構造、α,β−ジケトン構造等を持つ官能基を挙げることができるが、特に、ヒドロキシ基を持ち、かつ該ヒドロキシ基が結合する炭素原子に更に結合する1つあるいは複数の炭素原子上に合計3個以上のフッ素原子が結合された構造、あるいはカルボン酸構造、もしくはフェノール性水酸基構造、又はラクトン環構造より選ばれる構造は効果的である。但し、カルボン酸構造は強い酸性のために使用量がある程度限られ、またフェノール性水酸基構造は200nm以下の露光光を使用する場合には、不透明性から使用量が限られる。そこで、例えば193nmの露光光を使用する場合には、ヒドロキシ基を持ち、かつ該ヒドロキシ基が結合する炭素原子に更に結合する1つあるいは複数の炭素原子上に合計3個以上のフッ素原子が結合された構造とラクトン環構造はより好ましい官能基である。
また、ヒドロキシ基を持ち、かつ該ヒドロキシ基が結合する炭素原子に更に結合する1つあるいは複数の炭素原子上に合計3個以上のフッ素原子が結合された構造は、パターン形成のための現像工程において、膨潤を防止するために極めて有効な官能基であるが、ドライエッチングに対する耐性を落とす傾向があり、ラクトン環構造を持つものと組み合わせて使用することで、これを補うことができる。
ヒドロキシ基を持ち、かつ該ヒドロキシ基が結合する炭素原子に更に結合する1つあるいは複数の炭素原子上に合計3個以上のフッ素原子が結合された構造を持つ置換基の具体例としては、例えば下記式Aに示す置換基等が挙げられる。
Figure 2008081646

(式中、RはH,CH3,CF3又はFを示し、XはH又はFを示す。)
ラクトン構造を有する側鎖としては、ラクトン構造が環状骨格の側鎖として結合されたものも含むが、多環状構造の一部がラクトン構造になっているものは、ガラス転移点を高める効果があるため、特に好ましい。そのようなものの具体例としては次のようなものを挙げることができる。
Figure 2008081646

(但し、Yは酸素原子、硫黄原子又はメチレン基であり、nは0又は1であり、mは0又は1である。)
その他の密着性官能基の例としては、次のような構造を持つものも挙げることができる。
Figure 2008081646

(式中、RはH,F,CH3又はCF3を示し、Z,Wはそれぞれ独立に炭素数1〜6のアルキル基を示す。)
(B)の官能基は、通常のレジスト樹脂中では、樹脂に対し、アルカリ水溶液に対する溶解性のスイッチ機能を与える置換基であるが、本発明のシルセスキオキサン縮合物においても同様の機能を示す。この機能を有する置換基R2については多数知られており、最近公知になった例としては特開2005−36146号公報の記述等が挙げられ、例示の官能基はいずれも本発明に応用可能である。
Figure 2008081646

(式中、RはH,CH3又はFを示し、Prot.は下記式に示すようなアシッドレイビルグループを示す。)
Figure 2008081646

ここで、便宜的にエステル基より先を示すが、RはCH3,C25,CF3又はFを示し、nは1又は2である。
これらのうち、特に立体的に嵩高い構造を有する環構造含有の酸分解性保護基は、酸による分解の反応性が高く、特に好ましい。
上記には、アルカリ水溶液に対して溶解性を示すための酸性基がカルボン酸である場合を示したが、ヒドロキシ基を持ち、かつ該ヒドロキシ基が結合する炭素原子に更に結合する1つあるいは複数の炭素原子上に合計3個以上のフッ素原子が結合された構造を持つ酸性基を保護したものでもよい。そのようなものとしては、上記式Aに示した化合物のアルコールをt−BOC基やアセタール基で保護したものがよく知られており、それらをここでも使用することができる。
溶解性スイッチに必要な官能基の比率は、別に加える高分子性あるいは非高分子性の溶解阻止剤やアルカリ可溶性材料の有無や、それらの選択にも依存するため、一概に好適な範囲を特定することはできないが、一般には本発明のシルセスキオキサン縮合体とその他の添加剤の官能基全てのうち10モル%以上、より好ましくは20モル%以上をこの官能基となるように設計すると、良好な溶解性スイッチ機能を得ることができる。
なお、その上限は、通常、90モル%以下、特に80モル%以下である。
比較的高いTgを有するシルセスキオキサン縮合物を得るためには、側鎖は珪素原子との結合位の炭素の環境が立体的に嵩高い必要があり、珪素原子と上記官能基とを連結する連結基は、3級であるか、あるいは置換基を有する環状構造、特に縮環式構造を持つことが好ましい。このような骨格の具体例としては、ノルボルナン骨格、トリシクロデカン骨格、テトラシクロドデセン骨格、ビシクロノナン骨格、デカリン骨格等、及びそれらの骨格中の炭素の一部が酸素に置換されたヘテロ縮環式骨格が好ましい。これらの化合物を与えるモノマーの合成は、公知の官能基修飾反応、ディールスアルダー反応とヒドロシリレーション反応の組み合わせにより達成される。
Figure 2008081646
上記本第2の発明のポジ型レジスト用材料として好適なシルセスキオキサン縮合物混合物は、上記の第1の発明の製造方法によって製造されたものである。
即ち、上記一般式(2)で示されるモノマーユニット(A)と上記一般式(3)で示されるモノマーユニット(B)から選ばれる少なくとも1種、更にはそれぞれから選ばれた1種以上を含有する加水分解性シランモノマー原料を上記で説明した方法により縮合したものである。
ここで、モノマーユニット(A)、(B)の使用割合は、全体を100とするモル比として、モノマーユニット(A):モノマーユニット(B)が下記の割合であることが好ましい。
(A):(B)=5〜100:0〜90、より好ましくは10〜100:0〜80
但し、(B)が0である場合、即ちネガ型用として使用する場合や、溶解性のスイッチ機能を他の成分に依存するレジスト組成物に使用する材料である場合、その側鎖の持つ構造は、ヒドロキシ基を持ち、かつ該ヒドロキシ基が結合する炭素原子に更に結合する1つあるいは複数の炭素原子上に合計3個以上のフッ素原子が結合された構造、あるいはカルボン酸構造、もしくはフェノール性水酸基構造が少なくとも5以上含まれる必要があり、ラクトン環構造を持つものだけであることはない。
また、より好ましい組み合わせの一つである、モノマーユニット(A)として、ヒドロキシ基を持ち、かつ該ヒドロキシ基が結合する炭素原子に更に結合する1つあるいは複数の炭素原子上に合計3個以上のフッ素原子が結合された構造を側鎖に持つモノマーとラクトン構造を側鎖に持つモノマーが組み合わされて使用される場合、ヒドロキシ基を持ち、かつ該ヒドロキシ基が結合する炭素原子に更に結合する1つあるいは複数の炭素原子上に合計3個以上のフッ素原子が結合された構造を側鎖に持つモノマーは20〜80モル%、ラクトン構造を側鎖に持つモノマーは0〜60モル%(好ましくは0モル%を超え60モル%以下)、酸分解性保護基により保護された酸性官能基構造を側鎖に持つモノマーは20〜60モル%の範囲であることが好ましい。
また、シラン原料中には、上記式(2)のシラン及び/又は式(3)のシランを合計で50〜100質量%、特に70〜100質量%含有することが好ましいが、この場合、これらのシラン以外のシランとしては、下記のものを使用することができる。
Figure 2008081646

(式中、Meはメチル基、Etはエチル基を示す。)
上記第1の発明の製造方法を行った場合、珪素近傍の嵩高さがある程度揃っていれば、異種の置換基を持つシラン原料を混合して加水分解/縮合することにより、原料の混合比に応じたユニット比を有する高い100%縮合SSQ化合物混合比を有するSSQ化合物混合物を製造することもでき、レジスト組成物として使用するための上記設計を行うことができる。
第1の発明の製造方法により、通常目的とする100%縮合物は50%以上の収率(GPC−RI面積比)が得られ、最も好ましい条件を選択すれば、70%以上の高収率で製造することができるが、嵩高い置換基を有するSSQ化合物は、小さな置換基を持つSSQ化合物に比べ結晶性が低く、冷却操作による結晶化は殆どの場合上手くいかない。一方、本発明の方法により生成物の縮合率を90%以上とすれば、100%縮合物が生成物中に確実に得られ、組成物とした場合、その効果が得られ、より好ましい到達縮合率は95%以上である。なお、縮合率は、得られた粗生成物のSi NMRを測定することで容易に求めることができる。即ち、100%縮合度の確認は、縮合後の反応混合物の各ユニットをGPC分取後、Si NMRを測定し、T1/T2/T3の比を比較することにより行うことができる。ここで、
T1;シロキサン結合を1つ形成(残りの2つはシラノール基又は加水分解性基残留)
T2;シロキサン結合を2つ形成(残りの1つはシラノール基又は加水分解性基残留)
T3;シロキサン結合を3つ形成(=完全縮合ユニット)
である。
上記の通り、GPCチャート上の各ピークの同定では、GPC分取により単離操作を行ったが、一般操作において、生成SSQ化合物混合物中の100%縮合物の存在比の測定は、RIを検出器として、GPCチャート上に現れる100%縮合物の特異的ピークの全体に対する面積比で推定した。ピーク面積比の推定には垂直分画法を(谷部の極小点より保持時間軸に対して垂線を下ろして面積を求める方法)採用した。また、特異ピークが100%縮合物であることの確認は、該ピークをGPC分取して単離した後、上記のSi NMRを測定し、T1及びT2に由来するシグナルが出ないことを確認することにより、100%縮合物であると判断した。
なお、上記の通り、100%縮合物に相当するピークを構成する物質の同定は、一般操作中では行っていないため、本明細書中では、本ピークを構成する物質を「実質的に縮合度が100%であるシルセスキオキサン」と記載した。
より高純度の100%縮合体を得たい場合、複数の置換基を導入した場合には一般に結晶化することが期待できない。しかし貧溶媒等による分画は、低分子量物質を除く際に有効である。貧溶媒等による分画で得られる純度以上にしたい場合、GPC等により分別する方法等をとる必要がある。
第3の発明は、側鎖として、珪素との結合部位の原子は、該珪素以外に2つ以上の水素、ハロゲン以外の原子と結合を持つ炭素であり、かつ、フッ素を含むハロゲン、酸素又は硫黄原子を含んでもよい炭素数3〜20の脂肪族分岐状、環状又は多環式構造を含有するか、又は官能基を有していてもよい炭素数6〜18で、珪素との結合部位の隣接位に水素、ハロゲン以外の置換基を有する芳香族構造を含有する、分子に密着性を与える有機基と、該珪素以外に2つ以上の水素、ハロゲン以外の原子と結合を持つ炭素であり、かつ、フッ素を含むハロゲン、酸素又は硫黄原子を含んでもよい炭素数3〜20の脂肪族分岐状、環状又は多環式構造を含有するか、又は官能基を有していてもよい炭素数6〜18で、珪素との結合部位の隣接位に水素、ハロゲン以外の置換基を有する芳香族構造を含有し、かつ、官能基として酸分解性保護基で保護された分子に脱保護時にアルカリ可溶性を与える基を持つ有機基から選ばれる側鎖が75%以上を占める縮合度が実質的に100%であるシルセスキオキサン8量体化合物が、珪素基準で40モル%以上であることを特徴とするシルセスキオキサン系化合物混合物である。上述したとおり、第1の発明の方法により、上記のような概念を持つSSQ化合物混合物は初めて得ることができた。更に、上述の通り、第1の発明の方法で縮合度が実質的に100%であるSSQ化合物のより高い存在比を得るためには、全て上述の脂肪族分岐又は環状又は多環状骨格、あるいは結合隣接位に水素、ハロゲン以外の置換基を有する芳香族骨格を有する有機基から選ばれることがより好ましい。
レジスト組成物に関する説明は後述するが、微細加工用薄膜レジスト組成物として上記のSSQ混合物のみをポジ型レジスト用ベースポリマーとして使用したレジストの評価を行ったところ、特願2006−084411号の実施例で得た高縮合率SSQ(混合物のSi NMRでT3のピーク面積が92%、T2のピーク面積が8%であったもの)のように8量体実質的100%縮合物の存在比が30%あるいはそれ以下のものに対し、存在比が40%を超えると解像性テストにおいて、微細パターンの繰り返し構造、いわゆるラインアンドスペースパターンの解像性能を向上させることができ、更に50%を超えた場合には、優位にこの効果が現れることが見出されている。この効果は種々の検討から、Tgのみで説明されるものではなく、100%SSQ化合物の存在比が上がったことによる効果であると推定される。
本発明のシルセスキオキサン縮合物(シルセスキオキサン系化合物)混合物は、縮合混合物としてそのまま、あるいは単離したものとして、レジスト組成物のベース樹脂に用いることができ、特にポジ型レジスト組成物のベース樹脂として有用である。そこで、第4の発明は、このシルセスキオキサン縮合物を高い存在比で含有するシルセスキオキサン系化合物混合物を用いたポジ型レジスト組成物を提供する。上述の通り、縮合度が100%であるシルセスキオキサン系化合物を30%以上含有する材料として、嵩高い置換基を有することにより高いTgを得ることに成功した材料をレジストの材料として実際に提供できた例はなかった。本材料は、いわゆる2層レジスト用材料としてだけではなく、多環状構造を持つ側鎖を持たせた場合、酸化珪素系膜に対するエッチングマスクとしても期待できることから、薄膜レジストによる、より微細なパターン形成用材料として有用なレジスト組成物を与える。
ベース樹脂
一般に、化学増幅ポジ型レジスト組成物の主要成分である樹脂は、酸触媒によりアルカリ水溶液に不溶性から可溶性に変化する機能を与える官能基(通常、酸不安定基により保護された酸性官能基)、基板等との密着性や、溶解性変化時に膨潤を抑制する機能を与える極性基、また珪素含有レジスト組成物では必ずしも常に要求されるものではないが、ハロゲン等によるプラズマエッチングに対し、エッチング耐性を有する官能基を有することが求められる。場合によっては各機能は同時に一つの官能基によって満たされる場合もあり、あるいは逆にいずれかが欠ける樹脂又は機能が弱い樹脂に対し、異なる樹脂の組み合わせによってトータルの機能を満たす方法、あるいは機能性非高分子の添加によりトータルの機能を満たす方法等も多く報告されてきた。
本発明のレジスト組成物として好適な、実質的な縮合度が100%であるようなシルセスキオキサン縮合物混合物は、前記の官能基の1種以上を有するものであるが、全ての機能を有するもの、あるいは全ての機能を有するような混合物とされたものは、単独で光酸発生剤と組み合わせることで、基本的にはレジスト組成物とすることができる。
アルカリ性現像液に溶解する機能を持つ側鎖を有し、酸触媒によってアルカリ溶解性が変化する機能、即ち溶解性スイッチ機能がない、あるいは弱いシルセスキオキサン縮合物については、一般に溶解阻止剤と呼ばれる、溶解性スイッチ機能を有する高分子化合物(通常のレジストに使用される樹脂はいずれも基本的には使用できる)あるいは非高分子化合物を添加することによってレジスト組成物とすることができる。
また、比較的膜厚の大きいレジスト膜からパターンを形成する場合には、分子量の低い化合物のみからなる組み合わせの組成物ではパターンの矩形性が落ち、パターンの肩が丸くなることがある。この場合には重量平均分子量が4,000以上の高分子化合物を添加すると、パターン形状を改善できることがある。この場合に使用する樹脂としては、アルカリ性現像液に可溶性の樹脂あるいは通常のレジスト組成物に使用されるような溶解性スイッチ機能を有する樹脂が選択される。
レジスト組成物とするために他の高分子化合物と混合する場合に選択する高分子化合物としては、機能を付加するための官能基を有する樹脂、あるいはそれ自体がレジスト用樹脂として使用できる樹脂であるが、この基本骨格はポリヒドロキシスチレン骨格、ポリ(メタ)アクリル酸骨格、ROMP骨格、ポリノルボルネン骨格、COMA骨格等あるいはこれらの骨格が組み合わされた骨格等の樹脂の適用が可能である。しかし、酸素系プラズマエッチングに対してプラズマ耐性を得るためには珪素含有量が高い方が好ましく、上記骨格に珪素含有側鎖を有するものや、ポリシルセスキオキサン類、ポリシロキサン類あるいはそれらが組み合わされた骨格を有する高分子化合物が選ばれる。これらの例は当業者に多数知られており、特開2004−354417号公報(特許文献6)等が例示でき、また、本発明者らは特願2005−38701号を出願している。しかし、本発明のシルセスキオキサン縮合物が有する官能性側鎖と上記高分子化合物が有する官能性側鎖の性質、特にそれぞれが持つ全体としての極性が大きく異なる場合には、レジスト膜内で均一な混合が達成できない場合があり、これらの良好な混合を達成するためには、双方にカルボキシル基、ラクトン骨格、フェノール性水酸基、近接位にフッ素が置換された脂肪族水酸基等を代表とする極性基を持たせる等の相溶性を高めるための設計が有効である。
ターゲットとなるパターンルールが100nm以下で、レジスト膜厚が比較的小さい場合には、レジスト組成物を構成する材料が高分子化合物である必要性が下がり、特に70nm以下のパターンを形成する場合には、上記高分子化合物の添加比を下げるか、あるいは加えない方が高い解像性を達することができることがある。これらのレジスト組成物においては、比較的低分子で分子量の揃ったポリマーであればより明確でシャープな溶解挙動を示すので、微細化には有利だと考えられている。本発明の100%縮合型シルセスキオキサン系化合物混合物は、置換基の種類による若干の分子量の差異はあるものの、ユニット数の揃った分子そのものが、レジスト組成物の主成分となっており、典型的なモデルとしても興味深い。
このような本発明の100%縮合型シルセスキオキサン系化合物混合物を主たるベース樹脂とするレジスト組成物では、上述したとおり、アルカリ水溶液に対する溶解性スイッチ機能を有する側鎖(酸不安定基で保護された酸性官能基を有する側鎖)が側鎖全体に対し、10モル%以上であることが好ましく、更に20モル%以上である場合には、より高いコントラストが期待できる。また、密着性を与える官能基も必須であり、少なくとも5モル%以上、通常20〜80モル%であることが好ましい。
また、上記の通り、分子の大きさがある程度揃ったベースポリマーの使用は微細化に有利であると考えられたが、事実、本発明の方法により得られた、8量体の含有量が40モル%(珪素基準)を超えたものは、ラインアンドスペースパターンを形成した場合の限界解像性が向上することが見出され、特に50%を超えると効果的であった。
光酸発生剤
本発明のレジスト組成物には、上記ベース樹脂の他、光酸発生剤が必須構成成分である。レジスト組成物に含まれる酸発生剤は、レジスト膜形成後、パターン露光した際に、照射光のエネルギーにより酸を発生する化合物である。本発明のレジスト組成物より得たレジスト膜では、発生した酸は触媒としてシルセスキオキサン縮合物及び/又は溶解阻止剤又は添加樹脂の保護された酸性置換基の酸分解性保護基に作用し、保護基を切断して酸性置換基をフリーとし、脱保護反応が起こった周辺のレジスト膜を水性アルカリ性現像液可溶に変化させる。酸発生剤については、非シリコーン系レジスト組成物で既に多くの技術が開示されており、例えば、特開2004−149754号公報にも多数の例示があり、基本的には本発明にも全て適用し得る。このうち、好適な光酸発生剤としては、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニルジアゾメタン類、N−スルホニルオキシイミド類、N−スルホニルオキシオキシム類等があり、これらは同系統内、あるいは別種類の酸発生剤との混合物として用いることもできる。また、これらのうち、主たる酸発生剤としては、オニウム塩、特にスルホニウム塩は有用な酸発生剤である。また他の酸発生剤の補助酸発生剤としての使用も、有用な使用法である。
スルホニウム塩は、スルホニウムカチオンとスルホネートの塩である。スルホニウムカチオンとしては、トリフェニルスルホニウム、(4−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、ビス(4−tert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、トリス(4−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、(3−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、ビス(3−tert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、トリス(3−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、(3,4−ジtert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、ビス(3,4−ジtert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、トリス(3,4−ジtert−ブトキシフェニル)スルホニウム、ジフェニル(4−チオフェノキシフェニル)スルホニウム、(4−tert−ブトキシカルボニルメチルオキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、トリス(4−tert−ブトキシカルボニルメチルオキシフェニル)スルホニウム等、置換あるいは非置換のトリフェニルスルホニウム類、2−ナフチルジフェニルスルホニウム、ジメチル2−ナフチルスルホニウム等、置換あるいは非置換のアリルスルホニウム類、4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウム、4−メトキシフェニルジメチルスルホニウム、トリメチルスルホニウム、2−オキソシクロヘキシルシクロヘキシルメチルスルホニウム、トリナフチルスルホニウム、トリベンジルスルホニウム、ジフェニルメチルスルホニウム、ジメチルフェニルスルホニウム、2−オキソ−2−フェニルエチルチアシクロペンタニウム等、非芳香族置換基を持つスルホニウム類が挙げられる。
スルホネートとしては、トリフルオロメタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、ヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、2,2,2−トリフルオロエタンスルホネート、パーフルオロ−4−エチルシクロヘキサンスルホネート、ペンタフルオロベンゼンスルホネート等、スルホニル基近接位炭素がフッ素置換されているスルホネート類、4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、4−フルオロベンゼンスルホネート、メシチレンスルホネート、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホネート、トルエンスルホネート、ベンゼンスルホネート、4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホネート、ナフタレンスルホネート等、芳香族スルホネート類、カンファースルホネート、オクタンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、ブタンスルホネート、メタンスルホネート等、アルキルスルホネート類が挙げられ、これらの組み合わせのスルホニウム塩が挙げられる。
ヨードニウム塩は、ヨードニウムカチオンとスルホネートの塩であり、ジフェニルヨードニウム、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム、4−tert−ブトキシフェニルフェニルヨードニウム、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウム等のアリールヨードニウムカチオンと、前記スルホネート等の組み合わせが挙げられる。
スルホニルジアゾメタンとしては、ビス(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン等のアルキル置換スルホニルジアゾメタン類、ビス(パーフルオロイソプロピルスルホニル)ジアゾメタン等のフルオロアルキル置換スルホニルジアゾメタン類、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−メチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2−ナフチルスルホニル)ジアゾメタン、tert−ブトキシカルボニル−4−メチルフェニルスルホニルジアゾメタン等のアリル置換スルホニルジアゾメタン類等が挙げられる。
N−スルホニルオキシイミド型光酸発生剤としては、コハク酸イミド、ナフタレンジカルボン酸イミド、フタル酸イミド、シクロヘキシルジカルボン酸イミド、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸イミド、7−オキサビシクロ[2.2.1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸イミド等のイミド骨格と、前記スルホニウムの項に記載したスルホネート類が該イミド骨格に脱水縮合し、スルホン酸イミドとなった化合物が挙げられる。
スルホン型光酸発生剤の例としては、ビス(フェニルスルホニル)メタン、ビス(4−メチルフェニルスルホニル)メタン、ビス(2−ナフチルスルホニル)メタン、2,2−ビス(フェニルスルホニル)プロパン、2,2−ビス(4−メチルフェニルスルホニル)プロパン、2,2−ビス(2−ナフチルスルホニル)プロパン、2−メチル−2−(p−トルエンスルホニル)プロピオフェノン、2−シクロヘキシルカルボニル)−2−(p−トルエンスルホニル)プロパン、2,4−ジメチル−2−(p−トルエンスルホニル)ペンタン−3−オン等が挙げられる。
オキシムスルホネート型光酸発生剤としては、特許第2906999号公報や特開平9−301948号公報に記載のグリオキシム誘導体型の化合物、具体的にはビス−O−(p−トルエンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−α−ジフェニルグリオキシム、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−α−ジシクロヘキシルグリオキシム、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−2,3−ペンタンジオングリオキシム等、あるいはスルホネート部分が前記オニウム塩のスルホネートとして挙げた物の骨格に変わったもの、あるいはグリオキシム骨格が有する置換基が他のアルキル基であるものの組み合わせ等が挙げられる。
また、米国特許第6004724号明細書記載のオキシムスルホネート、特に(5−(4−トルエンスルホニル)オキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)フェニルアセトニトリル、(5−(10−カンファースルホニル)オキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)フェニルアセトニトリル、(5−n−オクタンスルホニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)フェニルアセトニトリル、(5−(4−トルエンスルホニル)オキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)(2−メチルフェニル)アセトニトリル、(5−(10−カンファースルホニル)オキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)(2−メチルフェニル)アセトニトリル、(5−n−オクタンスルホニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)(2−メチルフェニル)アセトニトリル等が挙げられる。
米国特許第6261738号明細書、特開2000−314956号公報記載のオキシムスルホネート、特に、2,2,2−トリフルオロ−1−フェニル−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−フェニル−エタノンオキシム−O−(10−カンホリルスルホナート);2,2,2−トリフルオロ−1−フェニル−エタノンオキシム−O−(4−メトキシフェニルスルホナート)等が挙げられる。
特開平9−95479号公報、特開平9−230588号公報あるいは文中の従来技術として記載のオキシムスルホネート、特に、α−(p−トルエンスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(p−クロロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(4−ニトロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル等が挙げられる。
また、ビスオキシムスルホネートとして、特開平9−208554号公報記載の化合物、特にビス(α−(4−トルエンスルホニルオキシ)イミノ)−p−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(ベンゼンスルホニルオキシ)イミノ)−p−フェニレンジアセトニトリル等が挙げられる。
また、国際公開第2004/074242号パンフレット記載のオキシムスルホネートは、高感度を与える良好な酸発生剤であり、具体例としてはCiba Speciality Chemicals製のCGI−1906,CGI−1311,CGI−1325,CGI−1380,CGI−1397,CGI−261,CGI−263,CGI−268などがある。
Figure 2008081646

(式中、Prはプロピル基を示す。)
中でも好ましく用いられる光酸発生剤はスルホニウム塩であり、カチオン側は、トリフェニルスルホニウム、4−メチルフェニルジフェニルスルホニウム、4−tert−ブトキシフェニルジフェニルスルホニウム、4−tert−ブチルフェニルジフェニルスルホニウム、トリス(4−tert−ブチルフェニル)スルホニウム、4−アルコキシナフチルテトラヒドロチオフェニウム、フェナシルジフェニルスルホニウム、フェナシルテトラヒドロチオフェニウム等が高い感度と許容できる安定性を持つ有用なカチオンである。また、アニオン側は、パーフルオロブタンスルホネート、パーフルオロオクタンスルホネート、あるいはパーフルオロ−4−エチルシクロヘキサンスルホネート等、スルホニル基隣接位炭素がフッ素化されたスルホン酸類がより高い解像性を与えるので好ましい。また、オキシムスルホネート型酸発生剤であるCiba Speciality Chemicals製のCGI−1906などは高感度と高解像性を与える好ましい酸発生剤の一つである。
本発明のレジスト組成物における光酸発生剤の添加量は有効量であり、特に制限されないが、レジスト組成物中の全ベース樹脂100部(質量部、以下同じ)に対し0.3〜10部、特に0.5〜5部が好ましい。光酸発生剤の割合が多すぎる場合には、解像性の劣化や、現像/レジスト剥離時の異物の問題が起きる可能性がある。上記光酸発生剤は、単独でも2種以上混合して用いることもできる。更に露光波長における透過率が低い光酸発生剤を用い、その添加量でレジスト膜中の透過率を制御することもできる。
含窒素有機化合物(塩基性化合物)
本発明のレジスト組成物には、通常、含窒素有機化合物が1種又は2種以上配合される。含窒素有機化合物としては、光酸発生剤より発生する酸がレジスト膜中に拡散する際の拡散速度を抑制することを目的として加えられ、これにより解像度が向上し、露光後の感度変化を抑制したり、基板や環境の依存性を少なくし、露光余裕度やパターンプロファイル等を向上することができる。このような含窒素有機化合物(塩基性化合物)としては、第一級、第二級、第三級の脂肪族アミン類、混成アミン類、芳香族アミン類、複素環アミン類、カルボキシ基を有する含窒素化合物、スルホニル基を有する含窒素化合物、水酸基を有する含窒素化合物、ヒドロキシフェニル基を有する含窒素化合物、アルコール性含窒素化合物、アミド誘導体、イミド誘導体等が挙げられる。これらの具体例については上記先願にも多数例示されているが、そこで記述されたものはいずれも本発明の組成物に適用可能である。
なお、含窒素有機化合物(塩基性化合物)の配合量は、全ベース樹脂100部に対して0.001〜2部、特に0.01〜1部が好適である。配合量が0.001部より少ないと配合効果がなく、2部を超えると感度が低下しすぎる場合がある。
有機溶剤
本発明のレジスト組成物に用いる有機溶剤としては、レジスト組成物中の固形分、光酸発生剤、その他の添加剤等が溶解可能な有機溶剤であればいずれでもよい。
このような有機溶剤としては、例えば、シクロヘキサノン、メチル−2−n−アミルケトン等のケトン類、3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール等のアルコール類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、乳酸エチル、ピルビン酸エチル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸tert−ブチル、プロピオン酸tert−ブチル、プロピレングリコールモノtert−ブチルエーテルアセテート等のエステル類、γ−ブチロラクトン等のラクトン類が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができるが、これらに限定されるものではない。本発明では、これらの有機溶剤の中でもレジスト成分中の酸発生剤の溶解性が最も優れているジエチレングリコールジメチルエーテルや1−エトキシ−2−プロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びその混合溶剤が好ましく使用される。
有機溶剤の使用量は、レジスト組成物中の固形分100部に対して200〜1,000部、特に400〜800部が好適である。
その他の成分
本発明のレジスト組成物には、その他の成分として、酸により分解し酸を発生する化合物(酸増殖化合物)を添加してもよい。これらの化合物についてはJ.Photopolym.Sci.and Tech.,8.43−44,45−46(1995)、J.Photopolym.Sci.and Tech.,9.29−30(1996)において記載されている。
酸増殖化合物の例としては、tert−ブチル−2−メチル−2−トシロキシメチルアセトアセテート、2−フェニル−2−(2−トシロキシエチル)−1,3−ジオキソラン等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。公知の光酸発生剤の中で安定性、特に熱安定性に劣る化合物は酸増殖化合物的な性質を示す場合が多い。
本発明のレジスト組成物における酸増殖化合物の添加量としては、レジスト組成物中の全ベース樹脂100部に対して2部以下、好ましくは1部以下である。添加量が多すぎる場合は拡散の制御が難しく、解像性の劣化、パターン形状の劣化が起こる。
更に、本発明のレジスト組成物には、添加剤としてアセチレンアルコール誘導体を配合することができ、これにより保存安定性を向上させることができる。
アセチレンアルコール誘導体として、好ましくは、サーフィノール61、サーフィノール82、サーフィノール104、サーフィノール104E、サーフィノール104H、サーフィノール104A、サーフィノールTG、サーフィノールPC、サーフィノール440、サーフィノール465、サーフィノール485(Air Products and Chemicals Inc.製)、サーフィノールE1004(日信化学工業社製)等が市販されており、これらはいずれも分子内にアセチレン骨格を有するポリアルキレンオキサイドアルコール誘導体である。
上記アセチレンアルコール誘導体の添加量は、レジスト組成物中0.01〜2質量%、より好ましくは0.02〜1質量%である。0.01質量%より少ないと塗布性及び保存安定性の改善効果が十分に得られない場合があり、2質量%より多いとレジスト組成物の解像性が低下する場合がある。
本発明のレジスト組成物には、上記成分以外に任意成分として塗布性を向上させるために慣用されている界面活性剤を添加することができる。なお、任意成分の添加量は、本発明の効果を妨げない範囲で通常量とすることができる。
ここで、界面活性剤としては非イオン性のものが好ましく、パーフルオロアルキルポリオキシエチレンエタノール、フッ素化アルキルエステル、パーフルオロアルキルアミンオキサイド、パーフルオロアルキルEO付加物、含フッ素オルガノシロキサン系化合物等が挙げられる。例えばフロラード「FC−430」、「FC−431」(いずれも住友スリーエム(株)製)、サーフロン「S−141」、「S−145」、「KH−10」、「KH−20」、「KH−30」、「KH−40」(いずれも旭硝子社製)、ユニダイン「DS−401」、「DS−403」、「DS−451」(いずれもダイキン工業社製)、メガファック「F−8151」(大日本インキ工業社製)、「X−70−092」、「X−70−093」(いずれも信越化学工業社製)等を挙げることができる。好ましくは、フロラード「FC−430」(住友スリーエム社製)、「KH−20」、「KH−30」(いずれも旭硝子社製)、「X−70−093」(信越化学工業社製)が挙げられる。
レジストパターン形成方法
次に、レジストパターンの形成について説明する。本発明のレジスト組成物を使用してパターンを形成するには、公知のリソグラフィー技術を採用して行うことができ、例えばシリコンウエハー等の基板上にレジスト組成物をスピンコーティング等の手法で膜厚が0.1〜1.0μmとなるように塗布し、これをホットプレート上で60〜200℃、10秒〜10分間、好ましくは80〜150℃、30秒〜5分間プリベークする。次いで目的のパターンを形成するためのマスクを上記のレジスト膜上にかざし、波長300nm以下の遠紫外線、エキシマレーザー、X線等の高エネルギー線もしくは電子線を露光量1〜200mJ/cm2程度、好ましくは10〜100mJ/cm2程度となるように照射した後、ホットプレート上で60〜150℃、10秒〜5分間、好ましくは80〜130℃、30秒〜3分間ポストエクスポージャベーク(PEB)する。更に、0.1〜5質量%、好ましくは2〜3質量%のテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)等のアルカリ水溶液の現像液を用い、5秒〜3分間、好ましくは15秒〜2分間、浸漬(dip)法、パドル(puddle)法、スプレー(spray)法等の常法により現像することにより基板上に目的のパターンが形成される。なお、本発明材料は、特に高エネルギー線の中でも254〜120nmの遠紫外線又はエキシマレーザー、特に248nmのKrF、193nmのArF、146nmのKr2、134nmのKrArなどのエキシマレーザー、157nmのF2、126nmのAr2などのレーザー、X線及び電子線による微細パターンニングに最適であり、ドライの露光のみならず、液浸法による露光にも使用可能である。
本発明のレジスト組成物は、中心材料である縮合度100%のシルセスキオキサン縮合物の合成法上、通常の設計による珪素含有レジスト組成物に比べ、側鎖に炭素比の高い置換基が容易に使用できる。このため、その使用方法として、単層レジストとして用いることも可能であるが、2層レジスト法の上層としての利用に適する。2層レジストとして、基板加工を行う工程の概要は次の通りである。被加工基板は通常無機基板であるが、これに後述する下層膜を成膜し、該膜上に本発明のレジスト組成物を塗布し、レジスト膜を形成する。なお、必要に応じ、レジスト組成物と下層膜の間に反射防止膜を形成してもよい。レジスト膜を上記方法によりパターン形成を行った後、レジストパターンをエッチングマスクとしてパターンを下層膜に転写する。酸素ガスエッチングは酸素ガスを主成分とした反応性プラズマエッチングであり、この方法によると、レジストパターンからは酸素ガスエッチングに高い耐性を有する酸化珪素が形成されるため、高いアスペクト比で下地の有機膜を加工することができる。酸素ガスの他にオーバーエッチングによるT−トップ形状を防止するために、側壁保護を目的とするSO2、CO2、CO、NH3、N2ガスを添加してもよい。また、現像後のレジスト膜のスカムを除去し、ラインエッジを滑らかにしてラフネスを防止するために、酸素ガスエッチングを行う前に、短時間フロン系ガスでエッチングすることも可能である。
次に、被加工膜のドライエッチング加工である。被加工膜がSiO2やSi34であれば、フロン系のガスを主成分としたエッチングを行う。フロン系ガスはCF4、CHF3、CH22、C26、C38、C410、C512などが挙げられる。このときは被加工膜のドライエッチングと同時に、珪素含有レジスト膜を剥離することが可能である。被加工膜がポリシリコン、タングステンシリサイド、TiN/Alなどの場合は、塩素、臭素ガスを主成分としたエッチングを行う。
上記2層レジストとして使用する際の下層膜である有機膜材料は、公知のものが多数あり、これらはいずれも使用できる。有機膜について若干の説明を加えると、基本的には芳香族系の樹脂が好ましく、また、本発明のレジスト組成物を塗布、成膜する際にインターミキシングが起こらないよう、成膜時に架橋されるものが好ましい。
芳香族系の樹脂としては、ノボラック樹脂、ポリヒドロスチレン系の樹脂等があり、この有機膜にパターン転写した後に基板をエッチング加工する際のエッチング耐性を上げるため、フルオレン骨格や、インデン骨格を含有するものを有効に使用することができる。また、この有機膜上に反射防止膜を形成し、その上に本発明のレジスト膜を形成してもよいが、有機膜が反射防止機能を有していれば、工程をより簡便にすることができ、好ましい。この反射防止機能を与えるためにアントラセン骨格やナフタレン骨格、また共役不飽和結合を有するベンゼン骨格を持った樹脂を使用することが好ましい。
架橋の形成は、熱硬化性樹脂や、ネガ型レジスト組成物で使用される架橋法により形成することができ、フェノールやアルコキシフェニル、アルコールあるいはカルボン酸等の官能基を有する樹脂に対し、熱で分解して酸を発生する物質と、ヘキサアルコキシメチルメラミンを初めとする上記官能基と酸触媒により架橋を形成する架橋剤を加えた組成物溶液を被加工基板上に塗布し、加熱によって酸を発生させ、架橋形成をさせる方法が一般的である。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。なお、下記例において部は質量部を示し、T1〜T3は下記の通りの意味を示す。
T1;シロキサン結合を1つ形成(残りの2つはシラノール基又は加水分解性基残留)
T2;シロキサン結合を2つ形成(残りの1つはシラノール基又は加水分解性基残留)
T3;シロキサン結合を3つ形成(=完全縮合ユニット)
下記例において使用したシランモノマー1〜8の構造式を下記に示す。
Figure 2008081646
[実施例1]Polymer−1の合成
撹拌機、還流器、滴下ロート、温度計を備えた300mlの四つ口フラスコに2.37%シュウ酸水溶液10g、アセトニトリル40gを仕込んで30℃に保ち、ここにシランモノマー1 44.2g(100mmol)をアセトニトリル40gに溶解させた溶液を5時間かけて滴下した。引き続き30℃で40時間熟成させた後、この反応混合物をメチルイソブチルケトンで希釈し、有機層が中性となるまで水洗を繰り返した後に濃縮してオリゴマー37.9gを得た。
これをメチルイソブチルケトン100gを用いて撹拌機、還流器、温度計を備えた300mlの三つ口フラスコに洗い込み、ここに水酸化カリウム1.68gを加えて20時間、加熱還流した。冷却後反応液をメチルイソブチルケトンで希釈し、有機層が中性となるまで水洗を繰り返した後に濃縮してポリマー33.7gを得た。
NMRとGPC分析の結果、生成した縮合物の重量平均分子量(Mw)は2,550、縮合体全体の縮合度は(T1/T2/T3)=(0/3/97)であり、その中に、縮合率100%籠型8量体化合物を90%(GPCでの面積比より算出、以下同様)含有していることが確認された。
[比較例1]Polymer−2の合成
撹拌機、還流器、滴下ロート、温度計を備えた300mlの四つ口フラスコに2.37%シュウ酸水溶液10g、アセトニトリル40gを仕込んで30℃に保ち、ここにシランモノマー2 43.8g(100mmol)をアセトニトリル40gに溶解させた溶液を5時間かけて滴下した。引き続き30℃で40時間熟成させた後、この反応混合物をメチルイソブチルケトンで希釈し、有機層が中性となるまで水洗を繰り返した後に濃縮してオリゴマー38.1gを得た。
これをメチルイソブチルケトン100gを用いて撹拌機、還流器、温度計を備えた300mlの三つ口フラスコに洗い込み、ここに水酸化カリウム1.68gを加えて20時間、加熱還流した。冷却後反応液をメチルイソブチルケトンで希釈し、有機層が中性となるまで水洗を繰り返した後に濃縮してポリマー33.8gを得た。
NMRとGPC分析の結果、生成した縮合物の重量平均分子量(Mw)は2,590、縮合体全体の縮合度は(T1/T2/T3)=(0/8/92)であり、その中に、縮合率100%籠型8量体化合物を75%含有していることが確認された。
[実施例2]Polymer−3の合成
撹拌機、還流器、滴下ロート、温度計を備えた300mlの四つ口フラスコに2.37%シュウ酸水溶液10g、アセトニトリル40gを仕込んで30℃に保ち、ここにシランモノマー2 8.8g(20mmol)、シランモノマー3 12.0g(30mmol)、シランモノマー5 15.7g(50mmol)をアセトニトリル40gに溶解させた溶液を5時間かけて滴下した。引き続き30℃で40時間熟成させた後、この反応混合物をメチルイソブチルケトンで希釈し、有機層が中性となるまで水洗を繰り返した後に濃縮してオリゴマー28.5gを得た。
これをメチルイソブチルケトン100gを用いて撹拌機、還流器、温度計を備えた300mlの三つ口フラスコに洗い込み、ここに水酸化カリウム1.68gを加えて20時間、加熱還流した。冷却後反応液をメチルイソブチルケトンで希釈し、有機層が中性となるまで水洗を繰り返した後に濃縮してポリマー25.5gを得た。
NMRとGPC分析の結果、生成した縮合物の重量平均分子量(Mw)は1,760、縮合体全体の縮合度は(T1/T2/T3)=(0/2/98)であり、その中に、縮合率100%籠型8量体化合物を80%含有していることが確認された。
[実施例3]Polymer−4の合成
撹拌機、還流器、滴下ロート、温度計を備えた300mlの四つ口フラスコに2.37%シュウ酸水溶液10g、アセトニトリル40gを仕込んで30℃に保ち、ここにシランモノマー2 8.8g(20mmol)、シランモノマー3 12.0g(30mmol)、シランモノマー5 15.7g(50mmol)をアセトニトリル40gに溶解させた溶液を5時間かけて滴下した。引き続き30℃で40時間熟成させた後、この反応混合物をメチルイソブチルケトンで希釈し、有機層が中性となるまで水洗を繰り返した後に濃縮してオリゴマー28.5gを得た。
これをメチルイソブチルケトン100gを用いて撹拌機、還流器、温度計を備えた300mlの三つ口フラスコに洗い込み、ここに40%水酸化テトラメチルアンモニウム2.87gを加えて24時間、エステルアダプターにより水を抜きながら加熱還流した。冷却後反応液をメチルイソブチルケトンで希釈し、有機層が中性となるまで水洗を繰り返した後に濃縮してポリマー26.0gを得た。
NMRとGPC分析の結果、生成した縮合物の重量平均分子量(Mw)は2,250、縮合体全体の縮合度は(T1/T2/T3)=(0/3/97)であり、その中に、縮合率100%籠型8量体化合物を65%含有していることが確認された。
[実施例4]Polymer−5の合成
撹拌機、還流器、滴下ロート、温度計を備えた300mlの四つ口フラスコに2.37%シュウ酸水溶液10g、アセトニトリル40gを仕込んで30℃に保ち、ここにシランモノマー2 8.8g(20mmol)、シランモノマー3 12.0g(30mmol)、シランモノマー6 15.8g(50mmol)をアセトニトリル40gに溶解させた溶液を5時間かけて滴下した。引き続き30℃で40時間熟成させた後、この反応混合物をメチルイソブチルケトンで希釈し、有機層が中性となるまで水洗を繰り返した後に濃縮してオリゴマー28.0gを得た。
これをメチルイソブチルケトン100gを用いて撹拌機、還流器、温度計を備えた300mlの三つ口フラスコに洗い込み、ここに水酸化カリウム1.68gを加えて20時間、加熱還流した。冷却後反応液をメチルイソブチルケトンで希釈し、有機層が中性となるまで水洗を繰り返した後に濃縮してポリマー24.9gを得た。
NMRとGPC分析の結果、生成した縮合物の重量平均分子量(Mw)は1,780、縮合体全体の縮合度は(T1/T2/T3)=(0/1/99)であり、その中に、縮合率100%籠型8量体化合物を80%含有していることが確認された。
[実施例5]Polymer−6の合成
撹拌機、還流器、滴下ロート、温度計を備えた300mlの四つ口フラスコに2.37%シュウ酸水溶液10g、アセトニトリル40gを仕込んで30℃に保ち、ここにシランモノマー1 8.8g(20mmol)、シランモノマー3 12.0g(30mmol)、シランモノマー5 15.7g(50mmol)をアセトニトリル40gに溶解させた溶液を5時間かけて滴下した。引き続き30℃で40時間熟成させた後、この反応混合物をメチルイソブチルケトンで希釈し、有機層が中性となるまで水洗を繰り返した後に濃縮してオリゴマー28.9gを得た。
これをメチルイソブチルケトン100gを用いて撹拌機、還流器、温度計を備えた300mlの三つ口フラスコに洗い込み、ここに水酸化カリウム1.68gを加えて20時間、加熱還流した。冷却後反応液をメチルイソブチルケトンで希釈し、有機層が中性となるまで水洗を繰り返した後に濃縮してポリマー25.4gを得た。
NMRとGPC分析の結果、生成した縮合物の重量平均分子量(Mw)は1,850、縮合体全体の縮合度は(T1/T2/T3)=(0/1/99)であり、その中に、縮合率100%籠型8量体化合物を85%含有していることが確認された。
[比較例2]Polymer−7の合成
撹拌機、還流器、滴下ロート、温度計を備えた300mlの四つ口フラスコに2.37%シュウ酸水溶液10g、アセトニトリル40gを仕込んで30℃に保ち、ここにシランモノマー2 8.8g(20mmol)、シランモノマー3 12.0g(30mmol)、シランモノマー4 15.7g(50mmol)をアセトニトリル40gに溶解させた溶液を5時間かけて滴下した。引き続き30℃で40時間熟成させた後、この反応混合物をメチルイソブチルケトンで希釈し、有機層が中性となるまで水洗を繰り返した後に濃縮してオリゴマー28.6gを得た。
これをメチルイソブチルケトン100gを用いて撹拌機、還流器、温度計を備えた300mlの三つ口フラスコに洗い込み、ここに水酸化カリウム1.68gを加えて20時間、加熱還流した。冷却後反応液をメチルイソブチルケトンで希釈し、有機層が中性となるまで水洗を繰り返した後に濃縮してポリマー25.8gを得た。
NMRとGPC分析の結果、生成した縮合物の重量平均分子量(Mw)は2,030、縮合体全体の縮合度は(T1/T2/T3)=(0/12/88)であり、その中に、縮合率100%籠型8量体化合物を55%含有していることが確認された。
[比較例3]Polymer−8の合成
撹拌機、還流器、滴下ロート、温度計を備えた300mlの四つ口フラスコに2.37%シュウ酸水溶液10g、アセトニトリル40gを仕込んで30℃に保ち、ここにシランモノマー2 8.8g(20mmol)、シランモノマー3 12.0g(30mmol)、シランモノマー4 15.7g(50mmol)をアセトニトリル40gに溶解させた溶液を5時間かけて滴下した。引き続き30℃で40時間熟成させた後、この反応混合物をメチルイソブチルケトンで希釈し、有機層が中性となるまで水洗を繰り返した後に濃縮してオリゴマー28.6gを得た。
これをメチルイソブチルケトン100gを用いて撹拌機、還流器、温度計を備えた300mlの三つ口フラスコに洗い込み、ここに40%水酸化テトラメチルアンモニウム2.87gを加えて24時間、エステルアダプターにより水を抜きながら加熱還流した。冷却後反応液をメチルイソブチルケトンで希釈し、有機層が中性となるまで水洗を繰り返した後に濃縮してポリマー26.1gを得た。
NMRとGPC分析の結果、生成した縮合物の重量平均分子量(Mw)は2,230、縮合体全体の縮合度は(T1/T2/T3)=(0/16/84)であり、その中に、縮合率100%籠型8量体化合物を45%含有していることが確認された。
[実施例6]Polymer−9の合成
撹拌機、還流器、滴下ロート、温度計を備えた300mlの四つ口フラスコに2.37%シュウ酸水溶液10g、アセトニトリル40gを仕込んで30℃に保ち、ここにシランモノマー8 7.6g(20mmol)、シランモノマー3 12.0g(30mmol)、シランモノマー5 15.7g(50mmol)をアセトニトリル40gに溶解させた溶液を5時間かけて滴下した。引き続き30℃で40時間熟成させた後、この反応混合物をメチルイソブチルケトンで希釈し、有機層が中性となるまで水洗を繰り返した後に濃縮してオリゴマー27.9gを得た。
これをメチルイソブチルケトン100gを用いて撹拌機、還流器、温度計を備えた300mlの三つ口フラスコに洗い込み、ここに水酸化カリウム1.68gを加えて20時間、加熱還流した。冷却後反応液をメチルイソブチルケトンで希釈し、有機層が中性となるまで水洗を繰り返した後に濃縮してポリマー24.3gを得た。
NMRとGPC分析の結果、生成した縮合物の重量平均分子量(Mw)は1,630、縮合体全体の縮合度は(T1/T2/T3)=(0/11/89)であり、その中に、縮合率100%籠型8量体化合物を75%含有していることが確認された。
[比較例4]Polymer−10の合成
撹拌機、還流器、滴下ロート、温度計を備えた300mlの四つ口フラスコに2.37%シュウ酸水溶液10g、アセトニトリル40gを仕込んで30℃に保ち、ここにシランモノマー7 7.6g(20mmol)、シランモノマー3 12.0g(30mmol)、シランモノマー5 15.7g(50mmol)をアセトニトリル40gに溶解させた溶液を5時間かけて滴下した。引き続き30℃で40時間熟成させた後、この反応混合物をメチルイソブチルケトンで希釈し、有機層が中性となるまで水洗を繰り返した後に濃縮してオリゴマー27.9gを得た。
これをメチルイソブチルケトン100gを用いて撹拌機、還流器、温度計を備えた300mlの三つ口フラスコに洗い込み、ここに水酸化カリウム1.68gを加えて20時間、加熱還流した。冷却後反応液をメチルイソブチルケトンで希釈し、有機層が中性となるまで水洗を繰り返した後に濃縮してポリマー24.4gを得た。
NMRとGPC分析の結果、生成した縮合物の重量平均分子量(Mw)は1,800、縮合体全体の縮合度は(T1/T2/T3)=(0/14/86)であり、その中に、縮合率100%籠型8量体化合物を55%含有していることが確認された。
[実施例7]
実施例2で合成したPolymer−3をベースポリマー(100部)とし、酸発生剤(トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、2部)、トリブチルアミン(0.1部)をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA、900部)に溶解したのち、孔径0.2μmのフィルターを用いて濾過し、ポジ型レジスト膜形成用塗布液(レジスト溶液)を調製した。次に、得られたレジスト溶液をスピンコーターで日産化学工業(株)製ARC29A(78nm)を成膜したシリコンウエハーに塗布し、120℃で60秒間ベークして膜厚160nmのレジスト膜を形成した。これをArFエキシマレーザーステッパー((株)ニコン製、NSR−S307E、NA=0.85、σ=0.93)を用いて露光し、100℃で60秒間ベークを行った後、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液で30秒間現像を行って、ポジ型パターンを得た。このレジストの限界解像度は65nmであった(レジストパターンのうち、パターン形状を維持し、かつ底までぬけた最小パターン寸法を限界解像度とした。)。
[実施例8]
実施例3で合成したPolymer−4をベースポリマー(100部)とし、酸発生剤(トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、2部)、トリブチルアミン(0.1部)をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA、900部)に溶解したのち、孔径0.2μmのフィルターを用いて濾過し、ポジ型レジスト膜形成用塗布液(レジスト溶液)を調製した。次に、得られたレジスト溶液をスピンコーターで日産化学工業(株)製ARC29A(78nm)を成膜したシリコンウエハーに塗布し、120℃で60秒間ベークして膜厚160nmのレジスト膜を形成した。これをArFエキシマレーザーステッパー((株)ニコン製、NSR−S307E、NA=0.85、σ=0.93)を用いて露光し、100℃で60秒間ベークを行った後、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液で30秒間現像を行って、ポジ型パターンを得た。このレジストの限界解像度は70nmであった(レジストパターンのうち、パターン形状を維持し、かつ底までぬけた最小パターン寸法を限界解像度とした。)。
[比較例5]
比較例2で合成したPolymer−7をベースポリマー(100部)とし、酸発生剤(トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、2部)、トリブチルアミン(0.1部)をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA、900部)に溶解したのち、孔径0.2μmのフィルターを用いて濾過し、ポジ型レジスト膜形成用塗布液(レジスト溶液)を調製した。次に、得られたレジスト溶液をスピンコーターで日産化学工業(株)製ARC29A(78nm)を成膜したシリコンウエハーに塗布し、120℃で60秒間ベークして膜厚160nmのレジスト膜を形成した。これをArFエキシマレーザーステッパー((株)ニコン製、NSR−S307E、NA=0.85、σ=0.93)を用いて露光し、100℃で60秒間ベークを行った後、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液で30秒間現像を行って、ポジ型パターンを得た。このレジストの限界解像度は80nmであった(レジストパターンのうち、パターン形状を維持し、かつ底までぬけた最小パターン寸法を限界解像度とした。)。
[比較例6]
比較例3で合成したPolymer−8をベースポリマー(100部)とし、酸発生剤(トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、2部)、トリブチルアミン(0.1部)をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA、900部)に溶解したのち、孔径0.2μmのフィルターを用いて濾過し、ポジ型レジスト膜形成用塗布液(レジスト溶液)を調製した。次に、得られたレジスト溶液をスピンコーターで日産化学工業(株)製ARC29A(78nm)を成膜したシリコンウエハーに塗布し、120℃で60秒間ベークして膜厚160nmのレジスト膜を形成した。これをArFエキシマレーザーステッパー((株)ニコン製、NSR−S307E、NA=0.85、σ=0.93)を用いて露光し、100℃で60秒間ベークを行った後、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液で30秒間現像を行って、ポジ型パターンを得た。このレジストの限界解像度は85nmであった(レジストパターンのうち、パターン形状を維持し、かつ底までぬけた最小パターン寸法を限界解像度とした。)。
実施例7,8、比較例5,6から明らかなように、縮合率100%籠型8量体化合物の比率を高めることで解像性を向上させられることが確認された。

Claims (27)

  1. 一部メチレン基が酸素に置換されていてもよいノルボルナン骨格と珪素原子とが直接結合された構造を有する側鎖を持ったシルセスキオキサンユニットを含有する縮合度が実質的に100%であるシルセスキオキサン系化合物混合物であって、該ノルボルナン骨格の珪素が結合していない側のジメチレン鎖が1つ以上の水素以外の置換基により置換されており、かつ、該ジメチレン鎖上の、より嵩高い置換基がexo位を占める異性体の比率の方が高いことを特徴とする側鎖を持ったシルセスキオキサンユニットを含有する縮合度が実質的に100%であるシルセスキオキサン系化合物混合物。
  2. 合成工程中、一部メチレン基が酸素で置換されていてもよいノルボルナン骨格と珪素原子との直接結合を形成する際に使用する材料として、ジメチレン鎖が1つ以上の水素以外の置換基で置換されており、該ジメチレン鎖上の、より嵩高い置換基がexo位を占める異性体の比率の方が高い、一部メチレン基が酸素に置換されていてもよいノルボルネン誘導体を用いて、珪素原子に側鎖を導入する工程を経て得たことを特徴とする請求項1記載のシルセスキオキサン系化合物混合物。
  3. 一部メチレン基が酸素に置換されていてもよいノルボルナン骨格と珪素原子との直接結合を形成する際に使用する材料として、ジメチレン鎖が1つ以上の水素以外の置換基で置換されており、該ジメチレン鎖上の、より嵩高い置換基がexo位を占める異性体の比率の方が高い、一部メチレン基が酸素に置換されていてもよいノルボルネン誘導体を原料として使用して得た珪素原子に結合した3個の加水分解性基を有するシランモノマーを含有する3官能の加水分解性シランを加水分解・縮合することによって得たことを特徴とする請求項1記載のシルセスキオキサン系化合物混合物。
  4. ジメチレン鎖が1つ以上の水素以外の置換基で置換されており、該ジメチレン鎖上の、より嵩高い置換基がexo位を占める異性体の比率の方が高い、一部メチレン基が酸素に置換されていてもよいノルボルネン誘導体を、水素を置換基として有する縮合度が実質的に100%であるシルセスキオキサン系化合物に反応させて得ることを特徴とする請求項1記載のシルセスキオキサン系化合物混合物。
  5. 一部メチレン基が酸素に置換されていてもよいノルボルナン骨格と珪素原子とが直接結合された構造を有するシルセスキオキサンユニットを含有する縮合度が100%であるシルセスキオキサン系化合物混合物であって、該ノルボルナン骨格と珪素原子との直接結合を形成する際に使用する材料として、ジメチレン鎖が1つ以上の水素以外の置換基で置換された、一部メチレン基が酸素に置換されていてもよいノルボルネン誘導体に対し、より嵩高い置換基がexo位を占める異性体の比率を上げるための処理を行った後、上記結合の形成に使用することを特徴とする請求項1記載のシルセスキオキサン系化合物混合物。
  6. より嵩高い置換基がexo位を占める異性体の比率を上げるために行う処理が、exo位とendo位の間の異性化反応である請求項5記載のシルセスキオキサン系化合物混合物。
  7. より嵩高い置換基がexo位を占める異性体の比率を上げるために行う処理が、exo位とendo位異性体の分別処理である請求項5又は6記載のシルセスキオキサン系化合物混合物。
  8. 分子中に基板に対する密着性を与える官能基及び/又は酸分解性保護基で保護された脱保護時に分子にアルカリ可溶性を与える官能基を持つことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のシルセスキオキサン系化合物混合物。
  9. 上記ノルボルナン骨格が、分子に基板に対する密着性を与える官能基あるいは酸分解性保護基で保護された分子に脱保護時にアルカリ可溶性を与える官能基を持つことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のシルセスキオキサン系化合物混合物。
  10. 加水分解性ヒドロシラン化合物と、ジメチレン鎖が1つ以上の水素以外の置換基で置換された、一部メチレン基が酸素に置換されていてもよいノルボルネン誘導体に対し、より嵩高い置換基がexo位を占める異性体の比率を上げるための処理を行ったノルボルネン誘導体を反応させて得たことを特徴とする一部メチレン基が酸素に置換されていてもよいノルボルナン骨格が珪素に直接置換された構造を持つ加水分解性シラン化合物。
  11. より嵩高い置換基がexo位を占める異性体の比率を上げるために行う処理が、exo位とendo位の間の異性化反応である請求項10記載の加水分解性シラン化合物。
  12. より嵩高い置換基がexo位を占める異性体の比率を上げるために行う処理が、exo位とendo位異性体の分別処理である請求項10又は11記載の加水分解性シラン化合物。
  13. 一部メチレン基が酸素に置換されていてもよいノルボルナン骨格と珪素原子との直接結合を形成する際に使用する材料として、ジメチレン鎖が1つ以上の水素以外の置換基で置換されており、該ジメチレン鎖上の、より嵩高い置換基がexo位を占める異性体の比率の方が高い、一部メチレン基が酸素に置換されていてもよいノルボルネン誘導体を原料として使用して得た珪素原子に結合した3個の加水分解性基を有するシランモノマーを含有する3官能の加水分解性シランを加水分解・縮合することを特徴とする請求項1記載の縮合度が実質的に100%であるシルセスキオキサン系化合物混合物の製造方法。
  14. ジメチレン鎖が1つ以上の水素以外の置換基で置換されており、該ジメチレン鎖上の、より嵩高い置換基がexo位を占める異性体の比率の方が高い、一部メチレン基が酸素に置換されていてもよいノルボルネン誘導体を、水素を置換基として有する縮合度が実質的に100%であるシルセスキオキサン系化合物に反応させることを特徴とする請求項1記載の縮合度が実質的に100%であるシルセスキオキサン系化合物混合物の製造方法。
  15. ジメチレン鎖が1つ以上の水素以外の置換基で置換されており、該ジメチレン鎖上の、より嵩高い置換基がexo位を占める異性体の比率の方が高い、一部メチレン基が酸素に置換されていてもよいノルボルネン誘導体が、ジメチレン鎖が1つ以上の水素以外の置換基で置換された、一部メチレン基が酸素に置換されていてもよいノルボルネン誘導体に対し、より嵩高い置換基がexo位を占める異性体の比率を上げるための処理を行ったものである請求項13又は14記載のシルセスキオキサン系化合物混合物の製造方法。
  16. より嵩高い置換基がexo位を占める異性体の比率を上げるために行う処理が、exo位とendo位の間の異性化反応である請求項15記載のシルセスキオキサン系化合物混合物の製造方法。
  17. より嵩高い置換基がexo位を占める異性体の比率を上げるために行う処理が、exo位とendo位異性体の分別処理である請求項15又は16記載のシルセスキオキサン系化合物混合物の製造方法。
  18. 下記一般式(1)
    Figure 2008081646

    (式中、Yは1種以上の、官能基(ハロゲン原子、酸素原子又は硫黄原子)を有してもよい炭素数3〜20で、珪素との結合部位の原子は該珪素以外に2つ以上の水素及びハロゲン以外の原子と結合を持つ炭素である脂肪族分岐状、環状又は多環式構造を含有するか、又は官能基(ハロゲン原子、酸素原子又は硫黄原子)を有していてもよい炭素数6〜18で、珪素との結合部位の隣接位に水素及びハロゲン以外の置換基を有する芳香族構造を含有する有機基を示し、かつ、少なくとも1種以上のノルボルネン系誘導体の単離されたエキソ異性体、あるいはエキソ異性体がエンド異性体よりも過剰に含まれる、又はエキソ異性体の混合比を高める処理を行ったノルボルネン系誘導体混合物由来の有機基を含有する。また、X1,X2,X3はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6の直鎖状、分岐状もしくは環式のアルコキシ基、又は炭素数6〜10のアリーロキシ基を示す。)
    で示される側鎖に嵩高い置換基を有する3官能性シランを含むシラン原料を加水分解・縮合することを特徴とする縮合度が実質的に100%であるシルセスキオキサン系化合物混合物の製造方法。
  19. 下記一般式(2)で示されるモノマーユニット(A)と下記一般式(3)で示されるモノマーユニット(B)のそれぞれから選ばれた、少なくとも1種を含有する加水分解性シランモノマー原料を加水分解、縮合することを特徴とする縮合度が実質的に100%であるシルセスキオキサン系化合物混合物の製造方法。
    1−SiX1 3 (2)
    2−SiX2 3 (3)
    (式中、R1は、珪素との結合部位の原子は該珪素以外に2つ以上の水素及びハロゲン以外の原子と結合を持つ炭素であり、かつ、フッ素等のハロゲン、酸素又は硫黄原子を含んでもよい炭素数3〜20の脂肪族分岐状、環状又は多環式構造を含有するか、又は官能基(ハロゲン原子、酸素原子又は硫黄原子)を有していてもよい炭素数6〜18で、珪素との結合部位の隣接位に水素がハロゲン以外の置換基を有する芳香族構造を含有する、分子に密着性を与える有機基であり、R2は珪素との結合部位の原子は該珪素以外に2つ以上の水素がハロゲン以外の原子と結合を持つ炭素であり、かつ、官能基として酸分解性保護基で保護された分子に脱保護時にアルカリ可溶性を与える基を持ち、該官能基の他にハロゲン、酸素又は硫黄原子を含んでもよい炭素数3〜20の脂肪族分岐状、環状又は多環式構造を含有するか、又は官能基(ハロゲン原子、酸素原子又は硫黄原子)を有していてもよい炭素数6〜18で、珪素との結合部位の隣接位に水素及びハロゲン以外の置換基を有する芳香族構造を含有する有機基であり、更にR1あるいはR2の1つ以上のX1,X2はそれぞれ独立に水素、ハロゲン、又は炭素数1〜6の直鎖、分岐もしくは環状のアルコキシ基を表す。但し、R1及びR2の少なくともいずれか一方はexo位を占める異性体の比率が高い置換基である。)
  20. 加水分解・縮合が、シラン原料を酸又は塩基を触媒とする第1段の加水分解を行った後、第2段の脱水縮合反応として、上記シラン原料に対して0.5モル%以上の強塩基触媒の存在下に、縮合により生成する水を反応系外に除去する操作を伴う脱水縮合反応を行うか又は加水分解により得られる加水分解生成物量に対し2倍以上の質量の有機溶剤を使用し、縮合により生成する水分を有機溶剤に移行させて脱水縮合反応を行うものである請求項13乃至20のいずれか1項記載の製造方法。
  21. 加水分解性ヒドロシラン化合物と、ジメチレン鎖が1つ以上の水素以外の置換基で置換された、一部メチレン基が酸素に置換されていてもよいノルボルネン誘導体に対し、より嵩高い置換基がexo位を占める異性体の比率を上げるための処理を行ったノルボルネン誘導体とを反応させたことを特徴とする一部メチレン基が酸素に置換されていてもよいノルボルナン骨格が珪素に直接置換された構造を持つ加水分解性シラン化合物の製造方法。
  22. より嵩高い置換基がexo位を占める異性体の比率を上げるために行う処理が、exo位とendo位の間の異性化反応である請求項21記載の一部メチレン基が酸素に置換されていてもよいノルボルナン骨格が珪素に直接置換された構造を持つ加水分解性シラン化合物の製造方法。
  23. より嵩高い置換基がexo位を占める異性体の比率を上げるために行う処理が、exo位とendo位異性体の分別処理である請求項21又は22記載の一部メチレン基が酸素に置換されていてもよいノルボルナン骨格が珪素に直接置換された構造を持つ加水分解性シラン化合物の製造方法。
  24. 請求項1乃至9のいずれか1項に記載のシルセスキオキサン系化合物混合物を含有するレジスト組成物。
  25. 化学増幅ポジ型レジスト組成物である請求項24記載のレジスト組成物。
  26. 請求項24又は25記載のレジスト組成物を用いてレジストパターンを形成することを特徴とする微細パターンの形成方法。
  27. 請求項26記載の微細パターンの形成方法により得た微細パターンをエッチングマスクに用いて、プラズマエッチングにより基板の加工を行う基板の加工方法。
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