JP4419311B2 - ケイ素含有脂環式化合物 - Google Patents
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- Silicon Polymers (AREA)
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ケイ素含有脂環式化合物に関わり、さらに詳しくは、各種の放射線を用いる微細加工に好適な化学増幅型レジストに使用されるポリシロキサン系樹脂の原料等として有用な酸解離性有機基を有する新規ケイ素含有脂環式化合物、および該ケイ素含有脂環式化合物の原料等として有用な新規ケイ素含有脂環式化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、LSI(高集積回路)の高密度化、高集積化に対する要求が益々高まっており、それに伴い配線パターンの微細化も急速に進行している。
このような配線パターンの微細化に対応しうる手段の一つとして、リソグラフィープロセスに用いる露光光線を短波長化する方法があり、近年では、g線(波長436nm)やi線(波長365nm)等の紫外線に替えて、KrFエキシマレーザー(波長248nm)あるいはArFエキシマレーザー(波長193nm)等の遠紫外線や、電子線、X線等が用いられるようになっており、またF2 エキシマレーザー(波長157nm)の使用についても検討されている。
ところで、従来のレジスト組成物には、樹脂成分としてノボラック樹脂、ポリ(ビニルフェノール)等が用いられてきたが、これらの材料は構造中に芳香族環を含み、193nmの波長に強い吸収があるため、ArFエキシマレーザーを用いたリソグラフィープロセスでは、高感度、高解像度、高アスペクト比に対応した高い精度が得られない。
そこで、193nm以下、特に157nmの波長に対して透明で、かつ芳香族環と同等レベル以上のドライエッチング耐性を有するレジスト用樹脂材料が求められている。その一つとしてシロキサン系ポリマーが考えられ、MIT R.R.Kunzらは、ポリシロキサン系ポリマーが、193nm以下の波長での透明性に優れるという測定結果を提示しており、このポリマーが193nm以下の波長を用いるリソグラフィープロセスにおけるレジスト材料に適していると報告している(J. Photopolym. Sci. Technol., Vol.12, No.4, 1999) 。また、ポリシロキサン系ポリマーはドライエッチング耐性に優れ、中でもラダー構造をもつポリオルガノポリシルセスキオキサンを含むレジストが高い耐プラズマ性を有することも知られている。
【0003】
一方、シロキサン系ポリマーを用いるレジスト組成物についても既に幾つか報告されている。即ち、特開平5−323611号公報には、カルボン酸エステル基、フェノールエーテル基等の酸解離性基が1個以上の炭素原子を介してケイ素原子に結合した、側鎖に酸解離性基を有するポリシロキサンを用いた放射線感応性樹脂組成物が、また特開平8−160623号公報には、ポリ(2−カルボキシエチルシロキサン)のカルボキシル基をt−ブチル基等の酸解離性基で保護したポリマーを用いたポジ型レジストが、さらに特開平11−60733号公報には、酸解離性エステル基を有するポリオルガノシルセスキオキサンを用いたレジスト樹脂組成物が、それぞれ開示されている。
しかしながら、従来の酸解離性基含有シロキサン系ポリマーを用いたレジスト組成物では、放射線に対する透明性、解像度、現像性等のレジストとしての基本物性の点で未だ満足できない。
そこで、シロキサン系ポリマーの優れたドライエッチング耐性を備えつつ、レジストとしての基本物性に優れたレジスト組成物をもたらす新たな樹脂および当該樹脂を与える原料化合物の開発が強く望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、ドライエッチング耐性、放射線に対する透明性、解像度、現像性等に優れた化学増幅型レジストに使用されるポリシロキサン系樹脂の原料として極めて好適であり、また他の技術分野におけるポリシロキサン系樹脂や各種シラン含有脂環式化合物の原料等としても有用な新規ケイ素含有脂環式化合物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、第一に、
下記一般式(I)で表されるケイ素含有脂環式化合物(以下、「化合物(I)」という。)からなる。
【0006】
【化9】
【0007】
〔一般式(I)において、各Rは相互に独立して、水素原子またはメチル基を示し、
各R1 は相互に独立して、水素原子;炭素数1〜20の1価の炭化水素基;炭素数1〜20の1価のハロゲン化炭化水素基;ハロゲン原子;または1級、2級もしくは3級のアミノ基を示し、各R2 は相互に独立して、炭素数1〜20の1価の炭化水素基;炭素数1〜20の1価のハロゲン化炭化水素基;または下記式(i)
【0008】
【化10】
(式中、各Xは相互に独立して、水素原子;炭素数1〜20の1価の炭化水素基;炭素数1〜20の1価のハロゲン化炭化水素基;または炭素数1〜20の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルコキシル基を示し、aは1〜10の整数である。)
【0009】
で表される基を示し、mが0または1であるとき、2つのR2 が相互に結合して2個の酸素原子およびケイ素原子と共に環を形成してもよく、Rf は水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を示し、mは0〜3の整数であり、nは0〜3の整数であり、一般式(I)に表示したケイ素原子は、最上位にあるビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプタン環の2−位または3−位に結合している。〕
【0015】
本発明は、第二に、
下記一般式(III)で表されるケイ素含有脂環式化合物(以下、「化合物(III)」という。)からなる。
【0016】
【化13】
【0017】
〔一般式(III)において、各Rは相互に独立して、水素原子またはメチル基を示し、各Yは相互に独立して、水素原子;炭素数1〜20の1価の炭化水素基;炭素数1〜20の1価のハロゲン化炭化水素基;ハロゲン原子;1級、2級もしくは3級のアミノ基;または−OR2 {但し、R2 は炭素数1〜20の1価の炭化水素基;炭素数1〜20の1価のハロゲン化炭化水素基;または下記式(i)
【0018】
【化14】
(式中、各Xは相互に独立して、水素原子;炭素数1〜20の1価の炭化水素基;炭素数1〜20の1価のハロゲン化炭化水素基;または炭素数1〜20の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルコキシル基を示し、aは1〜10の整数である。)
【0019】
で表される基を示す。}を示し、Rf は水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を示し、pは3〜10の整数であり、nは0〜3の整数であり、一般式(III)に表示した各ケイ素原子は、最上位にあるビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプタン環の2−位または3−位に結合している。〕
【0025】
以下、本発明について詳細に説明する。
化合物(I)
一般式(I)において、R1 およびR2 の炭素数1〜20の1価の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−テトラデシル基、n−ヘキサデシル基、n−オクタデシル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基;フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、ベンジル基、フェネチル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等の芳香族炭化水素基;ノルボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロデカニル基、アダマンチル基等の有橋式炭化水素基等を挙げることができる。
これらの1価の炭化水素基のうち、R1 としては、メチル基、エチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、テトラシクロデカニル基等が好ましく、またR2 としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基等が好ましい。
【0026】
また、R1 およびR2 の炭素数1〜20の1価のハロゲン化炭化水素基としては、例えば、前記1価の炭化水素基を1種以上あるいは1個以上のハロゲン原子、好ましくは1個以上のフッ素原子で置換した基、より具体的には、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、3,3,3,2,2−ペンタフルオロ−n−プロピル基、パーフルオロ−n−プロピル基、パーフルオロ−i−プロピル基、ペンタフルオロフェニル基、ペンタフルオロベンジル基、ペンタフルオロフェネチル基、パーフルオロノルボルニル基、下記式(ii)
【0027】
【化17】
(式中、各Rf'は相互に独立して、水素原子またはフッ素原子を示し、かつ少なくとも1個のRf'がフッ素原子であり、bは0〜4の整数である。)
で表される基等を挙げることができる。
【0028】
これらの1価のハロゲン化炭化水素基のうち、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、3,3,3,2,2−ペンタフルオロ−n−プロピル基、ペンタフルオロフェニル基、o−フルオロフェニル基、m−フルオロフェニル基、p−フルオロフェニル基、2,3−ジフルオロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、2,5−ジフルオロフェニル基、2,6−ジフルオロフェニル基、3,4−ジフルオロフェニル基、3,5−ジフルオロフェニル基、2,3,4−トリフルオロフェニル基、2,3,5−トリフルオロフェニル基、2,3,6−トリフルオロフェニル基、2,4,6−トリフルオロフェニル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基、ペンタフルオロベンジル基、ペンタフルオロフェネチル基等が好ましい。
【0029】
また、R1 のハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等を挙げることができる。
これらのハロゲン原子のうち、塩素原子が好ましい。
また、R1 の2級もしくは3級のアミノ基としては、例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、n−プロピルアミノ基、i−プロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、フェニルアミノ基、ベンジルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ−i−プロピルアミノ基、ジシクロペンチルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジベンジルアミノ基等を挙げることができる。
R1 のアミノ基としては、アミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジシクロペンチルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基、ジフェニルアミノ基等が好ましい。
【0030】
また、R2 を示す式(i)において、Xの炭素数1〜20の1価の炭化水素基;および炭素数1〜20の1価のハロゲン化炭化水素基としては、例えば、前記R1 およびR2 について例示したそれぞれ1価の炭化水素基および1価のハロゲン化炭化水素基と同様の基等を挙げることができる。
これらの基のうち、1価の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、フェニル基等が好ましく、1価のハロゲン化炭化水素基としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ペンタフルオロフェニル基等が好ましい。
【0031】
また、Xの炭素数1〜20の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルコキシル基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等を挙げることができる。
これらのアルコキシル基のうち、メトキシ基、エトキシ基等が好ましい。
式(i)におけるXとしては、特に、メチル基、フェニル基、メトキシ基等が好ましい。
また、式(i)におけるaとしては、特に、1〜5が好ましい。
【0032】
一般式(I)におけるR1 としては、特に、メチル基、エチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ペンタフルオロフェニル基、塩素原子、ジメチルアミノ基等が好ましい。
また、一般式(I)におけるR2 としては、特に、メチル基、エチル基、t−ブチル基、トリメチルシリル基等が好ましい。
また、一般式(I)におけるRとしては、水素原子およびメチル基がともに好ましい。
また、一般式(I)におけるRf としては、水素原子、メチル基およびトリフルオロメチル基がいずれも好ましい。
また、一般式(I)におけるmおよびnとしてはそれぞれ、特に、0または1が好ましい。
【0033】
化合物(I)の好ましい具体例としては、下記式(I-1-1) 〜(I-1-36)(但し、Rf は水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を示し、Meはメチル基を示す。以下同様。)、式(I-2-1) 〜(I-2-44)、式(I-3-1) 〜(I-3-4) 、式(I-4-1) 〜(I-4-4) で表される化合物等を挙げることができる。
【0034】
【化18】
【0035】
【化19】
【0036】
【化20】
【0037】
【化21】
【0038】
【化22】
【0039】
【化23】
【0040】
【化24】
【0041】
【化25】
【0042】
【化26】
【0043】
【化27】
【0044】
【化28】
【0045】
【化29】
【0046】
【化30】
【0047】
【化31】
【0048】
【化32】
【0049】
【化33】
【0050】
【化34】
【0051】
【化35】
【0052】
【化36】
【0053】
【化37】
【0054】
【化38】
【0055】
【化39】
【0056】
【化40】
【0057】
【化41】
【0058】
【化42】
【0059】
【化43】
【0060】
【化44】
【0061】
【化45】
【0062】
これらの化合物(I)のうち、特に、式(I-1-2)、式(I-1-3)、式(I-1-5)、式(I-1-6) 、式(I-1-8) 、式(I-1-9) 、式(I-1-10)、式(I-1-11)または式(I-1-12)(但し、Rf はいずれもトリフルオロメチル基である。) で表される化合物等が好ましい。
【0063】
化合物(I)の合成
化合物(I)は、例えば、下記式に示すように、一般式(V)で表されるノルボルネン(即ち、ビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン)誘導体と、対応するヒドロシラン化合物とを、常法のヒドロシリル化反応に従い、ヒドロシリル化触媒の存在下、無溶媒下あるいは適当な溶媒中で反応させることにより合成することができる。
【0064】
【化46】
(式中、R、R1 、R2 、Rf 、mおよびnは一般式(I)におけるそれぞれR、R1 、R2 、Rf 、mおよびnと同義である。)
【0065】
前記ヒドロシリル化触媒としては、例えば、遷移金属触媒、ラジカル反応開始剤等を挙げることができる。
ヒドロシリル化触媒のうち、前記遷移金属触媒としては、例えば、
H2PtCl6 、K2PtCl6 、Na2PtCl6、(NH4)2PtCl6 、K2PtCl4 、Na2PtCl4、
(NH4)2PtCl4 、PtCl2 、H2PtBr6 、K2PtBr6 、Na2PtBr6、PtBr4 、K2PtBr4 、
PtBr2 、K2PtI6、Na2PtI6 、PtI4、PtI2、PtCl2(C6H5CN) 、PtCl2(CH3CN)2 、
PtCl2[P(C6H5)3]2、cis-PtCl2(スチレン)2、cis-PtCl2(p-クロロスチレン)2 、
KPtCl3(スチレン)2、(n-Bu)4NPtCl3(スチレン)2(但し、n-Buはn−ブチル基を示す。以下同様。) 、下記式(iii)で表される化合物、
【0066】
【化47】
【0067】
trans-PtCl2(NH3)2 、cis-PtCl2[P(C2H5)3)2、cis-PtCl2[P(n-Bu)3]2、
[(n-Bu)4N]2PtCl6、[P(C6H5)4]2PtCl4、(n-Bu)4NPtI3(CO)、
[(n-Bu)4N]2-cis-PtCl2(SnCl3)2 、[(CH3)4N]3Pt(SnCl3)5、
[ビス(トリフェニルホスフィン)イミニウム]Pt(SnCl3)3[As(C2H5)3]2 、
(C2H5)4NPt(SnCl3)3 (1,5-シクロオクタジエン) 、白金−活性炭、白金ブラック等の白金触媒;
PdCl2[P(C6H5)3]2、PdCl2(1,5-シクロオクタジエン) 、パラジウム−活性炭、パラジウムブラック等のパラジウム触媒;
HRh[P(C6H5)3]4、ロジウム−活性炭等のロジウム触媒;
IrCl3 等のイリジウム触媒;
RuCl3 等のルテニウム触媒;
Co2(CO)8等のコバルト触媒;
NiCl2 、NiBr2 、Ni(CN)2 等のニッケル触媒;
CuCl2 、CuBr2 、CuCl、CuBr、CuCN等の銅触媒
等を挙げることができる。
【0068】
これらの遷移金属触媒のうち、H2PtCl6 、K2PtCl6 、Na2PtCl6、K2PtCl4 、Na2PtCl4、PtCl2 、H2PtBr6 、K2PtBr6 、Na2PtBr6、K2PtBr4 、白金−活性炭等の白金触媒が好ましい。
前記遷移金属触媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
また、前記遷移金属触媒は、例えばi−プロピルアルコール等の有機溶剤に溶解して添加してもよい。
遷移金属触媒の使用量は、ヒドロシラン化合物100重量部に対して、通常、0.00001〜1,000重量部である。
【0069】
また、前記ラジカル反応開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーキサイド、ラウロイルパーキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、t−ブチルハイドロパーキサイド、クメンハイドロパーキサイド、ジ−t−ブチルパーキサイド、ジクミルパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等を挙げることができる。
これらのラジカル反応開始剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
ラジカル反応開始剤の使用量は、ヒドロシラン化合物100重量部に対して、通常、0.01〜1,000重量部である。
【0070】
また、ヒドロシリル化反応に使用される溶媒としては、例えば、
ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;
n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン等の脂肪族炭化水素類;
ベンジルエチルエーテル、ジ−n−ヘキシルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;
ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;
2−ブタノン、2−ペンタノン、3−メチル−2−ブタノン、2−ヘキサノン、4−メチル−2−ペンタノン、3−メチル−2−ペンタノン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、2−ヘプタノン、2−オクタノン等の直鎖状もしくは分岐状のケトン類;
シクロペンタノン、3−メチルシクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−メチルシクロヘキサノン、2,6−ジメチルシクロヘキサノン、イソホロン等の環状のケトン類;
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−i−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−i−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−sec−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;
2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシプロピオン酸n−プロピル、2−ヒドロキシプロピオン酸i−プロピル、2−ヒドロキシプロピオン酸n−ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸i−ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸sec−ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸t−ブチル等の2−ヒドロキシプロピオン酸アルキル類;
3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル等の3−アルコキシプロピオン酸アルキル類;
【0071】
n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル等のアルコール類;
ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル等のジアルキレングリコールジアルキルエーテル類;
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;
2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸メチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メチル−3−メトキシブチルブチレート、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル等の他のエステル類のほか、
N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、カプロン酸、カプリル酸、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、しゅう酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、アセトニトリル
等を挙げることができる。
これらの溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
溶媒の使用量は、ヒドロシラン化合物100重量部に対して、通常、2,000重量部以下である。
【0072】
このヒドロシリル化反応は、無溶媒下、あるいはトルエン、キシレン、n−ヘキサン、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン等の溶媒中で行うことが好ましい。
さらに、このヒドロシリル化反応は、窒素あるいはアルゴン気流中、無水条件下で行うことが好ましい。
このヒドロシリル化反応の温度は、通常、−50〜+300℃、好ましくは0〜200℃であり、反応時間は、通常、5分〜1,000時間程度である。
一般的なヒドロシリル化反応は、通常、常圧あるいはそれ以上の加圧下で行うのが望ましいとされているが、化合物(I)を合成するヒドロシリル化反応の場合、常圧より低い圧力下での反応も可能であり、特別な反応容器を必要としない利点を有する。
【0073】
このようなヒドロシリル化反応においては、通常、一般式(I)に表示したケイ素原子が、最上位にあるビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプタン環の2−位に結合した化合物(I)と3−位に結合した化合物(I)とが同時に生成される。この混合物はそのまま、例えば、ポリシロキサン系樹脂を製造するための原料として使用することができるが、必要に応じて、例えば、蒸留、再結晶、液体クロマトグラフィ、ガスクロマトグラフィ等の方法により、両化合物(I)を分離することができる。
【0074】
化合物(I)の用途
化合物(I)は、特に、下記一般式(II)で表される酸解離性有機基を有するケイ素含有脂環式化合物(以下、「化合物(II)」という。)の合成原料として極めて有用である。
【化11】
〔一般式(II)において、各Rは相互に独立して、水素原子またはメチル基を示し、
各R 1 は相互に独立して、水素原子;炭素数1〜20の1価の炭化水素基;炭素数1〜20の1価のハロゲン化炭化水素基;ハロゲン原子;または1級、2級もしくは3級のアミノ基を示し、各R 2 は相互に独立して、炭素数1〜20の1価の炭化水素基;炭素数1〜20の1価のハロゲン化炭化水素基;または下記式(i)
【化12】
(式中、各Xは相互に独立して、水素原子;炭素数1〜20の1価の炭化水素基;炭素数1〜20の1価のハロゲン化炭化水素基;または炭素数1〜20の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルコキシル基を示し、aは1〜10の整数である。)
で表される基を示し、mが0または1であるとき、2つのR 2 が相互に結合して2個の酸素原子およびケイ素原子と共に環を形成してもよく、Rf は水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を示し、Zは3級アルキル基、Zが結合している酸素原子と共にアセタール基を形成する基、置換メチル基、1−置換エチル基、1−分岐アルキル基(但し、3級アルキル基を除く。)、シリル基、ゲルミル基、アルコキシカルボニル基、アシル基または環式酸解離性基からなる1価の酸解離性有機基を示し、mは0〜3の整数であり、nは0〜3の整数であり、一般式(II)に表示したケイ素原子は、最上位にあるビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプタン環の2−位または3−位に結合している。〕
また、R1 としてのハロゲン原子と基OR2 との合計数が2もしくは3である化合物(I)は、Si−ハロゲン原子結合および/またはSi−OR2 結合の加水分解反応およびシラノール基の重縮合反応を経由して、アルカリ可溶性のポリシロキサン系樹脂を製造するための原料としても極めて有用である。
このポリシロキサン系樹脂の製造に際しては、R1 としてのハロゲン原子と基OR2 との合計数が2もしくは3である化合物(I)中の該ハロゲン原子あるいは基OR2 の少なくとも一部を予め加水分解してシラノール基に変換して使用することができ、また後述する化合物(III)を共重縮合させることもできる。
また、必要に応じて、R1 としてのハロゲン原子と基OR2 との合計数が1である化合物(I)、および/または該化合物(I)中のハロゲン原子もしくは基OR2 を予め加水分解してシラノール基に変換した化合物を、ポリシロキサン系樹脂の分子量あるいは分子構造を調節するために共縮合させることができる。
さらに、場合により、縮合反応に関して2官能以上の他のシラン化合物、縮合反応に関して単官能の他のシラン化合物あるいは化合物(III)以外の環状ポリシロキサンも、共縮合あるいは共重縮合させることができる。
【0075】
このようにして得られるアルカリ可溶性のポリシロキサン系樹脂は、例えば、遠紫外線、紫外線、荷電粒子線、X線の如き各種の放射線の照射により酸を発生する感放射線性酸発生剤(例えば、オニウム塩化合物、ハロゲン含有化合物、ジアゾケトン化合物、スルホン化合物、スルホン酸化合物等)およびアルカリ溶解性制御剤(例えば、フェノール性水酸基、カルボキシル基等の酸性官能基を有する化合物の該酸性官能基に、酸の存在下で解離しうる1種以上の置換基を導入した化合物等)と混合することにより、ポジ型の化学増幅型レジストとして極めて好適に使用することができ、また前記感放射線性酸発生剤、および酸の存在下で該ポリシロキサン系樹脂を架橋しうる化合物と混合することにより、ネガ型の化学増幅型レジストとして極めて好適に使用することができる。これらのポジ型あるいはネガ型の化学増幅型レジストは、ドライエッチング耐性、放射線に対する透明性、解像度、現像性等に優れた特性を有する。
さらに、化合物(I)は、他の技術分野におけるポリシロキサン系樹脂の原料や、同様のノルボルナン(即ち、ビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプタン)系環構造を有する他のケイ素含有脂環式化合物の原料等としても有用である。
【0076】
以下に、化合物(II) について説明する。
一般式(II) において、R1 の炭素数1〜20の1価の炭化水素基;炭素数1〜20の1価のハロゲン化炭化水素基;ハロゲン原子;および1級、2級もしくは3級のアミノ基としては、例えば、前記一般式(I)におけるR1 について例示したそれぞれ1価の炭化水素基;1価のハロゲン化炭化水素基;ハロゲン原子;および1級、2級もしくは3級のアミノ基と同様の基等を挙げることができる。
一般式(II)におけるR1 としては、特に、メチル基、エチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ペンタフルオロフェニル基、塩素原子、ジメチルアミノ基等が好ましい。
【0077】
また、R2 の炭素数1〜20の1価の炭化水素基;および炭素数1〜20の1価のハロゲン化炭化水素基としては、例えば、前記記一般式(I)におけるR2 について例示したそれぞれ1価の炭化水素基;および1価のハロゲン化炭化水素基と同様の基等を挙げることができる。
また、R2 を示す式(i)において、Xの炭素数1〜20の1価の炭化水素基;および炭素数1〜20の1価のハロゲン化炭化水素基としては、例えば、前記一般式(I)におけるXのそれぞれ1価の炭化水素基;および1価のハロゲン化炭化水素基と同様の基等を挙げることができる。
一般式(II)におけるR2 としては、特に、メチル基、エチル基、t−ブチル基、トリメチルシリル基等が好ましい。
【0079】
また、Zの1価の酸解離性有機基のうち、前記3級アルキル基としては、例えば、t−ブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1−メチル−1−エチルプロピル基、1,1−ジメチルブチル基、1−メチル−1−エチルブチル基、1,1−ジメチルペンチル基、1−メチル−1−エチルペンチル基、1,1−ジメチルヘキシル基、1,1−ジメチルヘプチル基、1,1−ジメチルオクチル基等を挙げることができる。
また、前記Zが結合している酸素原子と共にアセタール基を形成する基(以下、「アセタール形成基」という。)としては、例えば、メトキシメチル基、エトキシメチル基、n−プロポキシメチル基、i−プロポキシメチル基、n−ブトキシメチル基、t−ブトキシメチル基、n−ペンチルオキシメチル基、n−ヘキシルオキシメチル基、シクロペンチルオキシメチル基、シクロヘキシルオキシメチル基、1−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基、1−n−プロポキシエチル基、1−i−プロポキシエチル基、1−n−ブトキシエチル基、1−t−ブトキシエチル基、1−n−ペンチルオキシエチル基、1−n−ヘキシルオキシエチル基、1−シクロペンチルオキシエチル基、1−シクロヘキシルオキシエチル基、1−メトキシプロピル基、1−エトキシプロピル基、(シクロヘキル)(メトキシ)メチル基、(シクロヘキル)(エトキシ)メチル基、(シクロヘキル)(n−プロポキシ)メチル基、(シクロヘキル)(i−プロポキシ)メチル基、(シクロヘキル)(シクロヘキシルオキシ)メチル基等を挙げることができる。
【0080】
また、前記置換メチル基としては、例えば、フェナシル基、p−ブロモフェナシル基、p−メトキシフェナシル基、p−メチルチオフェナシル基、α−メチルフェナシル基、シクロプロピルメチル基、ベンジル基、ジフェニルメチル基、トリフェニルメチル基、p−ブロモベンジル基、p−ニトロベンジル基、p−メトキシベンジル基、p−メチルチオベンジル基、p−エトキシベンジル基、p−エチルチオベンジル基、ピペロニル基、メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルメチル基、n−プロポキシカルボニルメチル基、i−プロポキシカルボニルメチル基、n−ブトキシカルボニルメチル基、t−ブトキシカルボニルメチル基等を挙げることができる。
また、前記1−置換エチル基としては、例えば、1−シクロプロピルエチル基、1−フェニルエチル基、1,1−ジフェニルエチル基、1−メトキシカルボニルエチル基、1−エトキシカルボニルエチル基、1−n−プロポキシカルボニルエチル基、1−i−プロポキシカルボニルエチル基、1−n−ブトキシカルボニルエチル基、1−t−ブトキシカルボニルエチル基等を挙げることができる。
【0081】
また、前記1−分岐アルキル基としては、例えば、i−プロピル基、sec−ブチル基、1−メチルブチル基等を挙げることができる。
また、前記シリル基としては、例えば、トリメチルシリル基、エチルジメチルシリル基、メチルジエチルシリル基、トリエチルシリル基、i−プロピルジメチルシリル基、メチルジ−i−プロピルシリル基、トリ−i−プロピルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、メチルジ−t−ブチルシリル基、トリ−t−ブチルシリル基、フェニルジメチルシリル基、メチルジフェニルシリル基、トリフェニルシリル基等を挙げることができる。
また、前記ゲルミル基としては、例えば、トリメチルゲルミル基、エチルジメチルゲルミル基、メチルジエチルゲルミル基、トリエチルゲルミル基、i−プロピルジメチルゲルミル基、メチルジ−i−プロピルゲルミル基、トリ−i−プロピルゲルミル基、t−ブチルジメチルゲルミル基、メチルジ−t−ブチルゲルミル基、トリ−t−ブチルゲルミル基、フェニルジメチルゲルミル基、メチルジフェニルゲルミル基、トリフェニルゲルミル基等を挙げることができる。
また、前記アルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基等を挙げることができる。
【0082】
また、前記アシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ヘプタノイル基、ヘキサノイル基、バレリル基、ピバロイル基、イソバレリル基、ラウリロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、オキサリル基、マロニル基、スクシニル基、グルタリル基、アジポイル基、ピペロイル基、スベロイル基、アゼラオイル基、セバコイル基、アクリロイル基、プロピオロイル基、メタクリロイル基、クロトノイル基、オレオイル基、マレオイル基、フマロイル基、メサコノイル基、カンホロイル基、ベンゾイル基、フタロイル基、イソフタロイル基、テレフタロイル基、ナフトイル基、トルオイル基、ヒドロアトロポイル基、アトロポイル基、シンナモイル基、フロイル基、テノイル基、ニコチノイル基、イソニコチノイル基、p−トルエンスルホニル基、メシル基等を挙げることができる。
さらに、前記環式酸解離性基としては、例えば、3−オキソシクロヘキシル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチオピラニル基、テトラヒドロチオフラニル基、3−ブロモテトラヒドロピラニル基、4−メトキシテトラヒドロピラニル基、2−オキソ−4−メチル−4−テトラヒドロピラニル基、4−メトキシテトラヒドロチオピラニル基、3−テトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド基等を挙げることができる。
【0083】
これらの酸解離性有機基のうち、t−ブチル基、t−ブトキシカルボニル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基や、メトキシメチル基、エトキシメチル基、1−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基等のアセタール形成基等が好ましい。
【0084】
一般式(II)におけるRとしては、水素原子およびメチル基がともに好ましい。
また、一般式(II)におけるRf としては、水素原子、メチル基およびトリフルオロメチル基がいずれも好ましい。
また、一般式(II)におけるmおよびnとしてはそれぞれ、特に、0または1が好ましい。
【0085】
化合物(II) の好ましい具体例としては、
前記式(I-1-1) 〜(I-1-36)、式(I-2-1) 〜(I-2-44)、式(I-3-1) 〜(I-3-4) 、式(I-4-1) 〜(I-4-4) で表される化合物(但し、Rf はいずれも水素原子である。)中の水酸基の水素原子を、t−ブチル基、t−ブトキシカルボニル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、1−メトキシエチル基または1−エトキシエチル基で置換した化合物;
前記式(I-1-1) 〜(I-1-36)、式(I-2-1) 〜(I-2-44)、式(I-3-1) 〜(I-3-4) 、式(I-4-1) 〜(I-4-4) で表される化合物(但し、Rf はいずれもメチル基である。)中の水酸基の水素原子を、t−ブチル基、t−ブトキシカルボニル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、1−メトキシエチル基または1−エトキシエチル基で置換した化合物;
前記式(I-1-1) 〜(I-1-36)、式(I-2-1) 〜(I-2-44)、式(I-3-1) 〜(I-3-4) 、式(I-4-1) 〜(I-4-4) で表される化合物(但し、Rf はいずれもトリフルオロメチル基である。)中の水酸基の水素原子を、t−ブチル基、t−ブトキシカルボニル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、1−メトキシエチル基または1−エトキシエチル基で置換した化合物
等を挙げることができる。
【0086】
これらの化合物(II) のうち、特に、式(I-1-2)、式(I-1-3)、式(I-1-5)、式(I-1-6)、式(I-1-8) 、式(I-1-9) 、式(I-1-10)、式(I-1-11)または式(I-1-12)(但し、Rf はいずれもトリフルオロメチル基である。)で表される化合物中の水酸基の水素原子を、t−ブチル基、t−ブトキシカルボニル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、1−メトキシエチル基または1−エトキシエチル基で置換した化合物等が好ましい。
【0087】
化合物(II)は、例えば、
(a) 下記式に示すように、一般式(VI)で表されるノルボルネン誘導体と、対応するヒドロシラン化合物とを、化合物(I)の合成方法と同様にして、ヒドロシリル化反応させる方法
【0088】
【化48】
【0089】
(式中、R、R1 、R2 、Rf 、Z、mおよびnは一般式(II)におけるそれぞれR、R1 、R2 、Rf 、Z、mおよびnと同義である。);
(b) 化合物(I)中の水酸基の水素原子を、1価の酸解離性有機基で置換する方法等により合成することができる。
【0090】
前記(b)の方法は、より具体的には、例えば、
(イ)Zがt−ブトキシカルボニル基の場合、化合物(I)中の水酸基を、触媒量の4−ジメチルアミノピリジンの存在下で、ジ−t−ブチルジカーボネートによりエステル化する方法;
(ロ)Zがテトラヒドロピラニル基である場合、化合物(I)中の水酸基を、2,3−ジヒドロ−4H−ピランと、常法により付加反応させる方法;
(ハ)Zが1−アルコキシエチル基のようなアセタール形成基である場合、化合物(I)中の水酸基を、対応するアルキルビニルエーテルと、常法により付加反応させる方法
等により実施することができる。
前記(イ)〜(ハ)の各反応は、無溶媒下あるいは適当な溶媒中で実施することができる。これらの場合における溶媒としては、例えば、前記化合物(I)の合成で例示した溶媒と同様のものを挙げることができる。また、反応温度や反応時間等の反応条件は、各方法や化合物(I)と反応させる試剤等に応じて適宜選定される。
特に、前記(イ)方法によると、化合物(II)を効率よく合成することができる。これに対し、一般の有機化合物中の水酸基の水素原子をt−ブトキシカルボニル基で置換する際に通常使用されている水素化ナトリウム触媒では、化合物(I)から化合物(II) を合成することが困難である。
【0091】
R1 としてのハロゲン原子と基OR2 との合計数が2もしくは3である化合物(II)は、Si−ハロゲン原子結合および/またはSi−OR2 結合の加水分解反応およびシラノール基の重縮合反応を経由して、酸解離性有機基を有するポリシロキサン系樹脂を製造するための原料として極めて有用である。
このポリシロキサン系樹脂の製造に際しては、R1 としてのハロゲン原子と基OR2 との合計数が2もしくは3である化合物(II)中の該ハロゲン原子あるいは基OR2 の少なくとも一部を予め加水分解してシラノール基に変換して使用することができ、また後述する化合物(IV) と共重縮合させることもできる。
また、必要に応じて、R1 としてのハロゲン原子と基OR2 との合計数が1である化合物(II)、および/または該化合物(II)中のハロゲン原子もしくは基OR2 を予め加水分解してシラノール基に変換した化合物を、ポリシロキサン系樹脂の分子量あるいは分子構造を調節するために共縮合させることができる。
さらに、場合により、縮合反応に関して2官能以上の他のシラン化合物あるいは縮合反応に関して単官能の他のシラン化合物も、共縮合あるいは共重縮合させることができる。
【0092】
このようにして得られる酸解離性有機基を有するポリシロキサン系樹脂は、その酸解離性有機基が酸の存在下で解離して水酸基を生成することにより、アルカリ性水溶液に対する親和性が増大するものであり、例えば、遠紫外線、紫外線、荷電粒子線、X線の如き各種の放射線の照射により酸を発生する感放射線性酸発生剤(例えば、オニウム塩化合物、ハロゲン含有化合物、ジアゾケトン化合物、スルホン化合物、スルホン酸化合物等)と混合することにより、ドライエッチング耐性、放射線に対する透明性、解像度、現像性等に優れたポジ型の化学増幅型レジストとして極めて好適に使用することができる。
さらに、化合物(II)は、他の技術分野におけるポリシロキサン系樹脂の原料や、同様のノルボルナン系環構造を有する他のケイ素含有脂環式化合物の原料等としても有用である。
【0093】
化合物( III)
一般式(III)において、Yの炭素数1〜20の1価の炭化水素基;炭素数1〜20の1価のハロゲン化炭化水素基;ハロゲン原子および2級もしくは3級のアミノ基としては、例えば、前記一般式(I)におけるR1 について例示したそれぞれ1価の炭化水素基;1価のハロゲン化炭化水素基;ハロゲン原子および2級もしくは3級のアミノ基と同様の基等を挙げることができる。
これらの基のうち、1価の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、アダマンチル基等が好ましく、1価のハロゲン化炭化水素基としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ペンタフルオロフェニル基等が好ましく、ハロゲン原子としては、塩素原子が好ましく、アミノ基としては、ジメチルアミノ基等が好ましい。
【0094】
また、YにおけるR2 の炭素数1〜20の1価の炭化水素基および炭素数1〜20の1価のハロゲン化炭化水素基としては、例えば、前記一般式(I)におけるR2 について例示したそれぞれ1価の炭化水素基および1価のハロゲン化炭化水素基と同様の基等を挙げることができる。
これらの基のうち、1価の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基等が好ましく、1価のハロゲン化炭化水素基としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基等が好ましい。
【0095】
また、R2 を示す式(i)において、Xの炭素数1〜20の1価の炭化水素基および炭素数1〜20の1価のハロゲン化炭化水素基としては、例えば、前記一般式(I)におけるR2 について例示したそれぞれ1価の炭化水素基および1価のハロゲン化炭化水素基と同様の基等を挙げることができる。
これらの基のうち、1価の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、フェニル基等が好ましく、1価のハロゲン化炭化水素基としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基等が好ましい。
【0096】
また、Xの炭素数1〜20の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルコキシル基としては、例えば、前記一般式(I)におけるXについて例示したアルコキシル基と同様の基等を挙げることができる。
これらのアルコキシル基のうち、メトキシ基、エトキシ基等が好ましい。
式(i)におけるXとしては、特に、メチル基、フェニル基、メトキシ基等が好ましい。
また、式(i)におけるaとしては、特に、1〜4が好ましい。
【0097】
一般式(III)におけるYとしては、特に、メチル基、フェニル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロフェニル基、塩素原子、ジメチルアミノ基、メトキシ基、エトキシ基等が好ましい。
また、一般式(III)におけるRとしては、水素原子およびメチル基がともに好ましい。
また、一般式(III)におけるRf としては、水素原子、メチル基およびトリフルオロメチル基がいずれも好ましい。
また、一般式(III)におけるpとしては、特に、3〜5が好ましく、一般式(III)におけるnとしては、特に、0または1が好ましい。
【0098】
化合物(III)の好ましい具体例としては、下記式(III-1-1)〜式(III-1-6)、式(III-2-1)〜式(III-2-6)で表される化合物等を挙げることができる。
【0099】
【化49】
【0100】
【化50】
【0101】
【化51】
【0102】
【化52】
【0103】
化合物(III)の合成
化合物(III)は、例えば、
(a) 下記式に示すように、一般式(V)で表されるノルボルネン誘導体と、対応するヒドロシラン化合物とを、化合物(I)の合成方法と同様にして、ヒドロシリル化反応させる方法
【0104】
【化53】
【0105】
(式中、R、Y、Rf 、Z、pおよびnは一般式(III)におけるそれぞれR、Y、Rf 、Z、pおよびnと同義である。);
(b) R1 としてのハロゲン原子と基OR2 との合計数が2もしくは3である化合物(I)、および/または該化合物(I)のハロゲン原子あるいは基OR2 の少なくとも一部を加水分解してシラノール基を導入した化合物を、常法により、アルカリ性触媒または酸性触媒の存在下、適当な溶媒中で縮合する方法
等により合成することができる。
前記(b)の方法に使用される溶媒としては、例えば、前記化合物(I)の合成で例示した溶媒と同様のものを挙げることができる。また、反応温度や反応時間等の反応条件は、各方法や化合物(I)と反応させる試剤等に応じて適宜選定される。
前記(b)の方法における縮合反応に際しては、縮合度を表すpの異なる2種以上の化合物(III)が同時に生成される場合や、化合物(III)以外の化合物(即ち、pが3未満あるいは10を超える化合物)も副生される場合がある。前者の場合、個々の化合物への分別や、2種以上の化合物(III)からなる混合物の組成調整は、化合物(III)の用途に応じて適宜実施することができる。また後者の場合は、化合物(III)とそれ以外の化合物との分別や、化合物(III)以外の化合物の含量調整も、化合物(III)の用途に応じて適宜実施することができる。
【0106】
化合物(III)の用途
化合物(III)は、特に、下記一般式(IV) で表される酸解離性有機基を有するケイ素含有脂環式化合物(以下、「化合物(IV) 」という。)の合成原料として極めて有用である。
【化15】
〔一般式(IV) において、各Rは相互に独立して、水素原子またはメチル基を示し、各Yは相互に独立して、水素原子;炭素数1〜20の1価の炭化水素基;炭素数1〜20の1価のハロゲン化炭化水素基;ハロゲン原子;1級、2級もしくは3級のアミノ基;または−OR 2 {但し、R 2 は炭素数1〜20の1価の炭化水素基;炭素数1〜20の1価のハロゲン化炭化水素基;または下記式(i)
【化16】
(式中、各Xは相互に独立して、水素原子;炭素数1〜20の1価の炭化水素基;炭素数1〜20の1価のハロゲン化炭化水素基;または炭素数1〜20の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルコキシル基を示し、aは1〜10の整数である。)
で表される基を示す。}を示し、Rf は水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を示し、Zは3級アルキル基、Zが結合している酸素原子と共にアセタール基を形成する基、置換メチル基、1−置換エチル基、1−分岐アルキル基(但し、3級アルキル基を除く。)、シリル基、ゲルミル基、アルコキシカルボニル基、アシル基または環式酸解離性基からなる1価の酸解離性有機基を示し、pは3〜10の整数であり、nは0〜3の整数であり、一般式(IV) に表示した各ケイ素原子は、最上位にあるビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプタン環の2−位または3−位に結合している。〕
また、化合物(III)は、その環状ポリシロキサン結合の開環重付加反応により、アルカリ可溶性のポリシロキサン系樹脂を製造するための原料としても極めて有用である。
このポリシロキサン系樹脂の製造に際しては、R1 としてのハロゲン原子と基OR2 との合計数が2もしくは3である化合物(I)および/または該化合物(I)中のハロゲン原子あるいは基OR2 の少なくとも一部を予め加水分解してシラノール基に変換した化合物を共重縮合させることもできる。
また、必要に応じて、R1 としてのハロゲン原子と基OR2 との合計数が1である化合物(I)および/または該化合物(I)中のハロゲン原子もしくは基
OR2 を予め加水分解してシラノール基に変換した化合物を、ポリシロキサン系樹脂の分子量あるいは分子構造を調節するために共縮合させることができる。
さらに、場合により、他の環状ポリシロキサン、縮合反応に関して2官能以上の他のシラン化合物あるいは縮合反応に関して単官能の他のシラン化合物も、共縮合あるいは共重縮合させることができる。
【0107】
このようにして得られるアルカリ可溶性のポリシロキサン系樹脂は、例えば、遠紫外線、紫外線、荷電粒子線、X線の如き各種の放射線の照射により酸を発生する感放射線性酸発生剤(例えば、オニウム塩化合物、ハロゲン含有化合物、ジアゾケトン化合物、スルホン化合物、スルホン酸化合物等)およびアルカリ溶解性制御剤(例えば、フェノール性水酸基、カルボキシル基等の酸性官能基を有する化合物の該酸性官能基に、酸の存在下で解離しうる1種以上の置換基を導入した化合物等)と混合することにより、ポジ型の化学増幅型レジストとして極めて好適に使用することができ、また前記感放射線性酸発生剤、および酸の存在下で該ポリシロキサン系樹脂を架橋しうる化合物と混合することにより、ネガ型の化学増幅型レジストとして極めて好適に使用することができる。これらのポジ型あるいはネガ型の化学増幅型レジストは、ドライエッチング耐性、放射線に対する透明性、解像度、現像性等に優れた特性を有する。
さらに、化合物(III)は、他の技術分野におけるポリシロキサン系樹脂の原料や、同様のノルボルナン系環構造を有する他のケイ素含有脂環式化合物の原料等としても有用である。
【0108】
以下に、化合物(IV) について説明する。
一般式(IV) において、Yの炭素数1〜20の1価の炭化水素基;炭素数1〜20の1価のハロゲン化炭化水素基;ハロゲン原子および2級もしくは3級のアミノ基としては、例えば、前記一般式(I)におけるR1 について例示したそれぞれ1価の炭化水素基;1価のハロゲン化炭化水素基;ハロゲン原子および2級もしくは3級のアミノ基と同様の基等を挙げることができる。
これらの基のうち、1価の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、アダマンチル基等が好ましく、1価のハロゲン化炭化水素基としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ペンタフルオロフェニル基等が好ましく、ハロゲン原子としては、塩素原子が好ましく、アミノ基としては、ジメチルアミノ基等が好ましい。
【0109】
また、YにおけるR2 の炭素数1〜20の1価の炭化水素基および炭素数1〜20の1価のハロゲン化炭化水素基としては、例えば、前記一般式(I)におけるR2 について例示したそれぞれ1価の炭化水素基および1価のハロゲン化炭化水素基と同様の基等を挙げることができる。
これらの基のうち、1価の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基等が好ましく、1価のハロゲン化炭化水素基としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基等が好ましい。
【0110】
また、R2 を示す式(i)において、Xの炭素数1〜20の1価の炭化水素基および炭素数1〜20の1価のハロゲン化炭化水素基としては、例えば、前記一般式(I)におけるR2 について例示したそれぞれ1価の炭化水素基および1価のハロゲン化炭化水素基と同様の基等を挙げることができる。
これらの基のうち、1価の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、フェニル基等が好ましく、1価のハロゲン化炭化水素基としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基等が好ましい。
【0111】
また、Xの炭素数1〜20の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルコキシル基としては、例えば、前記一般式(I)におけるXについて例示したアルコキシル基と同様の基等を挙げることができる。
これらのアルコキシル基のうち、メトキシ基、エトキシ基等が好ましい。
式(i)におけるXとしては、特に、メチル基、フェニル基、メトキシ基等が好ましい。
また、式(i)におけるaとしては、特に、1〜4が好ましい。
【0112】
一般式(IV) におけるYとしては、特に、メチル基、フェニル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロフェニル基、塩素原子、ジメチルアミノ基、メトキシ基、エトキシ基等が好ましい。
【0113】
また、Zの1価の酸解離性有機基としては、例えば、一般式(II) のZについて例示した1価の酸解離性有機基と同様の基等を挙げることができる。
これらの酸解離性有機基のうち、t−ブチル基、t−ブトキシカルボニル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基や、メトキシメチル基、エトキシメチル基、1−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基等のアセタール形成基等が好ましい。
【0114】
一般式(IV) におけるRとしては、水素原子およびメチル基がともに好ましい。
また、一般式(IV) におけるRf としては、水素原子、メチル基およびトリフルオロメチル基がいずれも好ましい。
また、一般式(IV) におけるpとしては、特に、3〜5が好ましく、一般式(IV)におけるnとしては、特に、0または1が好ましい。
【0115】
化合物(IV) の好ましい具体例としては、前記式(III-1-1)〜式(III-1-6)、式(III-2-1)〜式(III-2-6)で表される化合物中の水酸基の水素原子を、t−ブチル基、t−ブトキシカルボニル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、1−メトキシエチル基または1−エトキシエチル基で置換した化合物等を挙げることができる。
【0116】
これらの化合物(IV) のうち、特に、式(III-1-3)、式(III-1-6)、式(III-2-3)または式(III-2-6)で表される化合物中の水酸基の水素原子を、t−ブチル基、t−ブトキシカルボニル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、1−メトキシエチル基または1−エトキシエチル基で置換した化合物等が好ましい。
【0117】
化合物(IV)は、例えば、
(a) 下記式に示すように、一般式(VI)で表されるノルボルネン誘導体と、対応するヒドロシラン化合物とを、化合物(I)の合成方法と同様にして、ヒドロシリル化反応させる方法
【0118】
【化54】
【0119】
(式中、R、Y、Rf 、Z、pおよびnは一般式(IV) におけるそれぞれR、Y、Rf 、Z、pおよびnと同義である。);
(b) R1 としてのハロゲン原子と基OR2 との合計数が2もしくは3である化合物(II) 、および/または該化合物(II) のハロゲン原子あるいは基OR2 の少なくとも一部を加水分解してシラノール基を導入した化合物を、常法により、アルカリ性触媒または酸性触媒の存在下、適当な溶媒中で縮合する方法;
(c) 化合物(III)中の水酸基の水素原子を、1価の酸解離性有機基で置換する方法
等により合成することができる。
前記(b)の方法に使用される溶媒としては、例えば、前記化合物(I)の合成で例示した溶媒と同様のものを挙げることができる。また、反応温度や反応時間等の反応条件は、各方法や化合物(II)と反応させる試剤等に応じて適宜選定される。
前記(b)の方法における縮合反応に際しては、縮合度を表すpの異なる2種以上の化合物(IV)が同時に生成される場合や、化合物(IV)以外の化合物(即ち、pが3未満あるいは10を超える化合物)も副生される場合がある。前者の場合、個々の化合物への分別や、2種以上の化合物(IV)からなる混合物の組成調整は、化合物(IV)の用途に応じて適宜実施することができる。また後者の場合は、化合物(IV)とそれ以外の化合物との分別や、化合物(IV)以外の化合物の含量調整も、化合物(IV)の用途に応じて適宜実施することができる。
【0120】
前記(c)の方法は、より具体的には、例えば、
(イ)Zがt−ブトキシカルボニル基の場合、化合物(III)中の水酸基を、触媒量の4−ジメチルアミノピリジンの存在下で、ジ−t−ブチルジカーボネートによりエステル化する方法;
(ロ)Zがテトラヒドロピラニル基である場合、化合物(III)中の水酸基を、2,3−ジヒドロ−4H−ピランと、常法により付加反応させる方法;
(ハ)Zが1−アルコキシエチル基のようなアセタール形成基である場合、化合物(III)中の水酸基を、対応するアルキルビニルエーテルと、常法により付加反応させる方法
等により実施することができる。
前記(イ)〜(ハ)の各反応は、無溶媒下あるいは適当な溶媒中で実施することができる。これらの場合における溶媒としては、例えば、前記化合物(I)の合成で例示した溶媒と同様のものを挙げることができる。また、反応温度や反応時間等の反応条件は、各方法や化合物(III)と反応させる試剤等に応じて適宜選定される。
特に、前記(イ)方法によると、化合物(IV)を効率よく合成することができる。これに対し、一般の有機化合物中の水酸基の水素原子をt−ブトキシカルボニル基で置換する際に通常使用されている水素化ナトリウム触媒では、化合物(III)から化合物(IV) を合成することが困難である。
【0121】
化合物(IV) は、その環状ポリシロキサン結合の開環重付加反応により、酸解離性有機基を有するポリシロキサン系樹脂を製造するための原料として極めて有用である。
このポリシロキサン系樹脂の製造に際しては、R1 としてのハロゲン原子と基OR2 との合計数が2もしくは3である化合物(II)および/または該化合物(II)中のハロゲン原子あるいは基OR2 の少なくとも一部を予め加水分解してシラノール基に変換した化合物を共重縮合させることもできる。
また、必要に応じて、R1 としてのハロゲン原子と基OR2 との合計数が1である化合物(II)および/または該化合物(II)中のハロゲン原子もしくは基
OR2 を予め加水分解してシラノール基に変換した化合物を、ポリシロキサン系樹脂の分子量あるいは分子構造を調節するために共縮合させることができる。
さらに、場合により、他の環状ポリシロキサン、縮合反応に関して2官能以上の他のシラン化合物あるいは縮合反応に関して単官能の他のシラン化合物も、共縮合あるいは共重縮合させることができる。
【0122】
このようにして得られる酸解離性有機基を有するポリシロキサン系樹脂は、その酸解離性有機基が酸の存在下で解離して水酸基を生成することにより、アルカリ性水溶液に対する親和性が増大するものであり、例えば、遠紫外線、紫外線、荷電粒子線、X線の如き各種の放射線の照射により酸を発生する感放射線性酸発生剤(例えば、オニウム塩化合物、ハロゲン含有化合物、ジアゾケトン化合物、スルホン化合物、スルホン酸化合物等)と混合することにより、ドライエッチング耐性、放射線に対する透明性、解像度、現像性等に優れたポジ型の化学増幅型レジストとして極めて好適に使用することができる。
さらに、化合物(IV) は、他の技術分野におけるポリシロキサン系樹脂の原料や、同様のノルボルナン系環構造を有する他のケイ素含有脂環式化合物の原料等としても有用である。
【0123】
【発明の実施の形態】
以下、実施例を挙げて、本発明の実施の形態をさらに具体的に説明する。但し、本発明は、これらの実施例に何ら制約されるものではない。
【実施例】
実施例1
撹拌機、還流冷却器、温度計を装着した3つ口フラスコに、トリメトキシシラン13.4gおよび5−〔2−ヒドロキシ−2,2−ジ(トリフルオロメチル)エチル〕ビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン20.0gを加え、室温にて撹拌したのち、塩化白金酸(H2PtCl6)の0.2モルi−プロピルアルコール溶液0.2ミリリットルを加えて、反応を開始させ、100℃で48時間加熱還流した。その後、反応溶液を室温に戻し、n−ヘキサンで希釈したのち、セライト上で吸引ろ過し、さらに溶媒を減圧留去して、粗生成物を得た。その後、粗生成物を2mmHgおよび110℃で減圧蒸留して精製し、化合物12.2gを得た。
【0124】
この化合物について、 1H−NMRスペクトル(化学シフト「σH」)、13C−NMRスペクトル(化学シフト「σC」) 、 29Si−NMRスペクトル(化学シフト「σSi」)、19F−NMRスペクトル(化学シフト「σF」)、赤外吸収スペクトル(IR)、質量スペクトル(FABMS)を測定したところ、測定値は以下のとおりであり、前記式(I-1-3)(但し、Rf はトリフルオロメチル基である。) で表される化合物(I)と同定された。また、この化合物(I)は、トリメトキシシリル基がビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプタン環の2−位に結合した化合物と3−位に結合した化合物とのほぼ等量の混合物であった。
σH :3.6ppm(メトキシ基)。
σC :123ppm(トリフルオロメチル基)、51ppm(メトキシ基)。
σSi :−45ppm。
σF :−76〜−79ppm。
IR :3400cm-1(水酸基)、2847cm-1(メトキシ基)、1217cm-1(C−F結合)、1097cm-1(シロキサン基)。
FABMS :m/z=397(M+ +1)。
【0125】
実施例2
撹拌機、還流冷却器、温度計を装着した3つ口フラスコに、トリエトキシシラン38.8gおよび5−〔2−ヒドロキシ−2,2−ジ(トリフルオロメチル)エチル〕ビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプト−2−エン43.2gを加え、室温にて撹拌したのち、塩化白金酸(H2PtCl6)の0.2モルi−プロピルアルコール溶液0.1ミリリットルを加えて、反応を開始させ、100℃で30時間加熱還流した。その後、反応溶液を室温に戻し、n−ヘキサンで希釈したのち、セライト上で吸引ろ過し、さらに溶媒を減圧留去して、粗生成物を得た。その後、粗生成物を3mmHgおよび105℃で減圧蒸留して精製し、化合物59.8gを得た。
【0126】
この化合物について、 1H−NMRスペクトル(化学シフト「σH」)、13C−NMRスペクトル(化学シフト「σC」) 、 29Si−NMRスペクトル(化学シフト「σSi」)、19F−NMRスペクトル(化学シフト「σF」)、赤外吸収スペクトル(IR)、質量スペクトル(FABMS)を測定したところ、測定値は以下のとおりであり、前記式(I-1-6)(但し、Rf はトリフルオロメチル基である。) で表される化合物(I)と同定された。また、この化合物(I)は、トリエトキシシリル基がビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプタン環の2−位に結合した化合物と3−位に結合した化合物とのほぼ等量の混合物であった。
σH :3.8ppm(エトキシ基)、1.2ppm(エトキシ基)。
σC :123ppm(トリフルオロメチル基)、59ppm(エトキシ基)、18ppm(メチル基)。
σSi :−48ppm。
σF :−76〜−79ppm。
IR :3400cm-1(水酸基)、2878cm-1(メトキシ基)、1215cm-1(C−F結合)、1082cm-1(シロキサン基)。
FABMS :m/z=439(M+ +1)。
【0127】
応用合成例1(化合物(II) の合成)
撹拌機、還流冷却器、温度計を装着した3つ口フラスコに、実施例2で得た化合物(I)3.0gおよびテトラヒドロフラン10ミリリットルを加え、窒素気流中、氷冷下で攪拌し、反応溶液の温度が5℃以下に達した時点で、4−ジメチルアミノピリジン16.7mgを加えたのち、ジ−t−ブチルジカーボネート1.64gをテトラヒドロフラン5ミリリットルに溶解した溶液を15分間かけて滴下した。滴下終了後1時間攪拌したのち、反応溶液を室温に戻し、さらに5時間攪拌した。その後、反応溶液にn−ヘキサン50ミリリットルを加えて分液ロートに移したのち、有機層を氷水で3回洗浄した。その後、有機層をビーカーに注ぎ、無水硫酸マグネシウムで乾燥して、ろ過したのち、溶媒を減圧蒸留して、粗生成物を得た。その後、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにかけて、n−ヘキサン留分から、化合物3.5gを得た。
【0128】
この化合物について、 1H−NMRスペクトル(化学シフト「σH」)、13C−NMRスペクトル(化学シフト「σC」) 、 29Si−NMRスペクトル(化学シフト「σSi」)、19F−NMRスペクトル(化学シフト「σF」)、赤外吸収スペクトル(IR)、質量スペクトル(FABMS)を測定したところ、測定値は以下のとおりであり、前記式(I-1-6)(但し、Rf はトリフルオロメチル基である。) で表される化合物(I)中の水酸基の水素原子がt−ブトキシカルボニル基で置換された化合物(II) と同定された。
σH :3.8ppm(エトキシ基)、1.2ppm(エトキシ基)、
1.5ppm(t−ブチル基)。
σC :149ppm(炭酸エステル基)、122ppm(トリフルオロメチル基)、
85ppm(t−ブトキシ基)、59ppm(エトキシ基)、
28ppm(t−ブチル基)、18ppm(メチル基)。
σSi :−48ppm。
σF :−72.7〜−73.3ppm。
IR :3400cm-1(水酸基)、2879cm-1(メトキシ基)、
1774cm-1(炭酸エステル基)、1221cm-1(C−F結合)、
1082cm-1(シロキサン基)。
FABMS :m/z=539(M+ +1)。
【0129】
応用合成例2(化合物(II) の合成)
撹拌機、滴下ロート、温度計を装着した3つ口フラスコに、実施例1で得た化合物(I)10gおよびテトラヒドロフラン50ミリリットルを加え、窒素気流中、氷冷下で撹拌し、反応溶液の温度が5℃以下に達した時点で、4―ジメチルアミノピリジン48.4mgを加えたのち、ジ−t―ブチルジカーボネート4.75gをテトラヒドロフラン10ミリリットルに溶解した溶液を20分間かけて滴下した。滴下終了後1時間攪拌したのち、反応溶液を室温に戻し、さらに5時間撹拌した。その後、反応溶液にn−ヘキサン100ミリリットルを加えて分液ロートに移したのち、有機層を氷水で3度洗浄した。その後、有機層をビーカーに注ぎ、無水硫酸マグネシウムで乾燥して、ろ過したのち、溶媒を減圧留去して、化合物10.3gを得た。
この化合物について、 1H−NMRスペクトル(化学シフト「σH」)、赤外吸収スペクトル(IR)を測定したところ、測定値は以下の通りであり、前記式(I-1-3)(但し、Rfはトリフルオロメチル基である。)で表される化合物中の水酸基の水素原子が、t−ブトキシカルボニル基で置換された化合物(II)と同定された。
σH :3.8ppm(エトキシ基)、1.5ppm(t−ブトキシカルボニル基)、
1.2ppm(エトキシ基)。
IR :1770cm-1(炭酸エステル基)、1220cm-1(C−F結合)、
1098cm-1(シロキサン基)。
【0130】
実施例3
撹拌機、還流冷却器、温度計を装着した3つ口フラスコに、トリエトキシシラン18.1gおよび8−[2−ヒドロキシ−2,2−ジ(トリフルオロメチル)エチル]テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン25.0gを加え、室温にて攪拌したのち、塩化白金酸(H2PtCl6)の0.2モルi−プロピルアルコール溶液0.2ミリリットルを加えて、反応を開始させ、150℃で70時間加熱還流した。その後、反応溶液を室温に戻し、n−ヘキサンで希釈したのち、セライト上で吸引ろ過し、さらに溶媒を減圧留去して、粗生成物を得た。その後、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにかけて、n−ヘキサン留分から、化合物19.4g得た。
この化合物について、 1H−NMRスペクトル(化学シフト「σH」)、赤外吸収スペクトル(IR)を測定したところ、測定値は以下の通りであり、前記式(I-2-6)(但し、Rfはトリフルオロメチル基である。)で表される化合物(I)と同定された。
σH :3.8ppm(エトキシ基)、1.2ppm(エトキシ基)。
IR :3400cm-1(水酸基)、1220cm-1(C―F結合)、
1098cm-1(シロキサン基)。
【0131】
応用合成例3(化合物(II) の合成)
撹拌機、滴下ロート、温度計を装着した3つ口フラスコに、実施例3で得た化合物(I)3gおよびテトラヒドロフラン10ミリリットルを加え、窒素気流中、氷冷下で撹拌し、反応溶液の温度が5℃以下に達した時点で、4―ジメチルアミノピリジン4.5mgを加えたのち、ジ−t―ブチルジカーボネート1.43gをテトラヒドロフラン5ミリリットルに溶解した溶液を15分間かけて滴下した。滴下終了後1時間攪拌したのち、反応溶液を室温に戻し、さらに5時間撹拌した。その後、反応溶液にn−ヘキサン50ミリリットルを加えて分液ロートに移したのち、有機層を氷水で3度洗浄した。その後、有機層をビーカーに注ぎ、無水硫酸マグネシウムで乾燥して、ろ過したのち、溶媒を減圧留去して、粗生成物を得た。その後、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにかけて、n−ヘキサン留分から、化合物3.2gを得た。
この化合物について、 1H−NMRスペクトル(化学シフト「σH」)、赤外吸収スペクトル(IR)を測定したところ、測定値は以下の通りであり、前記式(I-2-6)(但し、Rfはトリフルオロメチル基である。)で表される化合物中の水酸基の水素原子が、t−ブトキシカルボニル基で置換された化合物(II)と同定された。
σH :3.8ppm(エトキシ基)、1.5ppm(t−ブトキシカルボニル基)、
1.2ppm(エトキシ基)。
IR :1771cm-1(炭酸エステル基)、1218cm-1(C―F結合)、
1098cm-1(シロキサン基)。
【0132】
実施例4
撹拌機、還流冷却器、温度計を装着した3つ口フラスコに、メチルヒドロシクロシロキサン12.0gおよび5−[2−ヒドロキシ−2,2−ジ(トリフルオロメチル)エチル]ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン54.8gを加え、室温にて攪拌したのち、塩化白金酸(H2PtCl6)の0.2モルi−プロピルアルコール溶液5.0ミリリットルを加えて、反応を開始させ、150℃で100時間加熱還流した。その後、反応溶液を室温に戻し、n−ヘキサンで希釈したのち、セライト上で吸引ろ過し、さらに溶媒を減圧留去して、化合物66.0g得た。
この化合物について、 1H−NMRスペクトル(化学シフト「σH」)、赤外吸収スペクトル(IR)を測定したところ、測定値は以下のとおりであり、前記式(III-1-3)(但し、−Si(CH3)O−単位数は4である。)で表される化合物(III)と同定された。
σH :0.2ppm(SiCH3 基)。
IR :3400cm-1(水酸基)、2847cm-1(メトキシ基)、
1218cm-1(C―F結合)、1098cm-1(シロキサン基)。
【0133】
応用合成例4(化合物(IV) の合成)
撹拌機、滴下ロート、温度計を装着した3つ口フラスコに、実施例4で得た化合物(III)5gおよびテトラヒドロフラン15ミリリットルを加え、窒素気流中、氷冷下で撹拌し、反応溶液の温度が5℃以下に達した時点で、4―ジメチルアミノピリジン36.6mgを加えたのち、ジ−t―ブチルジカーボネート3.6gをテトラヒドロフラン5ミリリットルに溶解した溶液を15分間かけて滴下した。滴下終了後1時間攪拌したのち、反応容器を室温に戻し、さらに5時間撹拌した。その後、反応溶液にn−ヘキサン70ミリリットルを加えて分液ロートに移したのち、有機層を氷水で3度洗浄した。その後、有機層をビーカーに注ぎ、無水硫酸マグネシウムで乾燥して、ろ過したのち、溶媒を減圧留去して、化合物5.5gを得た。
この化合物について、 1H−NMRスペクトル(化学シフト「σH」)を測定したところ、以下のとおりであり、前記式(III-1-3)(但し、
−Si(CH3)O−単位数は4である。)で表される化合物中の水酸基の水素原子が、t−ブトキシカルボニル基で置換された化合物(IV)と同定された。
σH :1.5ppm(t−ブトキシカルボニル基)、0.2ppm(SiCH3 基)。
【0134】
実施例5
撹拌機、還流冷却器、温度計を装着した3つ口フラスコに、メチルヒドロシクロシロキサン10.0gおよび8−[2−ヒドロキシ−2,2−ジ(トリフルオロメチル)エチル]テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン56.7gを加え、室温にて攪拌したのち、塩化白金酸(H2PtCl6)の0.2モルi−プロピルアルコール溶液5.0ミリリットルを加えて、反応を開始させ、150℃で100時間加熱還流した。その後、反応溶液を室温に戻し、n−ヘキサンで希釈したのち、セライト上で吸引ろ過し、さらに溶媒を減圧留去して、化合物65.4gを得た。
この化合物について、 1H−NMRスペクトル(化学シフト「σH」)、赤外吸収スペクトル(IR)を測定したところ、測定値は以下のとおりであり、前記式(III-2-3)(但し、−Si(CH3)O−単位数は4である。)で表される化合物(III)と同定された。
σH :0.2ppm(SiCH3 基)。
IR :3400cm-1(水酸基)、2849cm-1(メトキシ基)、
1220cm-1(C―F結合)、1100cm-1(シロキサン基)。
【0135】
応用合成例5(化合物(IV) の合成)
撹拌機、滴下ロート、温度計を装着した3つ口フラスコに、実施例5で得た化合物(III)5.0gおよびテトラヒドロフラン15ミリリットルを加え、窒素気流中、氷冷下で撹拌し、反応溶液の温度が5℃以下に達した時点で、4―ジメチルアミノピリジン30.5mgを加えたのち、ジ−t―ブチルジカーボネート3.0gをテトラヒドロフラン5ミリリットルに溶解した溶液を15分間かけて滴下した。滴下終了後1時間攪拌したのち、反応溶液を室温に戻し、さらに5時間室温で撹拌した。その後、反応溶液にn−ヘキサン70ミリリットルを加えて分液ロートに移し、有機層を氷水で3度洗浄した。その後、有機層をビーカーに注ぎ、無水硫酸マグネシウムで乾燥して、ろ過したのち、溶媒を減圧留去して、化合物5.3gを得た。
この化合物について、 1H−NMRスペクトル(化学シフト「σH」)を測定したところ、測定値は以下のとおりであり、前記式(III-2-3)(但し、−Si(CH3)O−単位数は4である。)で表される化合物中の水酸基の水素原子が、t−ブトキシカルボニル基で置換された化合物(IV)と同定された。
σH :1.5ppm(t−ブトキシカルボニル基)、0.2ppm(SiCH3 基) 。
【0136】
実施例6
撹拌機、還流冷却器、温度計を装着した3つ口フラスコに、ジエトキシメチルシラン13.8gおよび5−[2−ヒドロキシ−2,2−ジ(トリフルオロメチル)エチル]ビシクロ [2.2.1] ヘプトー2−エン40g加え、室温にて攪拌したのち、塩化白金酸(H2PtCl6)の0.2モルイソプロピルアルコール溶液0.2ミリリットルを加えて、反応を開始させた。その後、100℃で48時間加熱還流したのち、室温に戻し、n−ヘキサンで希釈して、反応溶液をセライト上で吸引ろ過し、さらに溶媒を減圧留去して、粗生成物を得た。その後、粗生成物を3mmHgおよび98℃で減圧蒸留して精製し、化合物41gを得た。
この化合物について、 1H−NMRスペクトル(化学シフト「σH」)、赤外吸収スペクトル(IR)を測定したところ、測定値は以下のとおりであり、前記式(I-1-5)(但し、Rfはトリフルオロメチル基である。)で表される化合物(I)と同定された。
σH :3.8ppm(エトキシ基)、1.2ppm(エトキシ基)、
0.2ppm(SiCH3 基)。
IR :3400cm-1(水酸基)、1218cm-1(C―F結合)、
1098cm-1(シロキサン基)。
【0137】
応用例1(ポリシロキサン樹脂の製造)
撹拌機、還流冷却器、温度計を装着した3つ口フラスコに、前記式(I-1-6)(但し、Rfはトリフルオロメチル基である。)で表される化合物2.5g、4−メチル−2−ペンタノン2.5gおよび1.75重量%蓚酸水溶液0.42gを加えて、撹拌しつつ、80℃で6時間反応させた。その後、反応容器を氷冷して反応を停止させ、反応溶液を分液ロートに移して、水層を廃棄し、さらにイオン交換水で反応溶液が中性になるまで水洗を繰り返したのち、有機層を減圧留去して、樹脂を得た。
この樹脂について、 1H−NMRスペクトル(化学シフト「σH」)、赤外吸収スペクトル(IR)およびゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量(以下、「Mw」という。)を測定したところ、以下のとおりであった。
σH :2.3ppm(CH2 C(CF3)2 基)。
IR :3400cm-1(水酸基)、1221cm-1(C−F結合)、1130cm-1(シロキサン基)、1080cm-1(シロキサン基)。
Mw :3,300。
【0139】
応用例2(ポリシロキサン樹脂の製造)
撹拌機、還流冷却器、温度計を装着した3つ口フラスコに、前記式(I-1-6)(但し、Rfはトリフルオロメチル基である。)で表される化合物1.98g、2−t−ブトキシカルボニルエチルトリエトキシシラン1.62g、メチルトリエトキシシラン2.41g、4−メチル−2−ペンタノン6.0gおよび1.75重量%蓚酸水溶液1.65gを加えて、撹拌しつつ、80℃で6時間反応させた。その後、反応容器を氷冷して反応を停止させ、反応溶液を分液ロートに移して、水層を廃棄し、さらにイオン交換水で反応溶液が中性になるまで水洗を繰り返したのち、有機層を減圧留去して、樹脂を得た。
この樹脂について、 1H−NMRスペクトル(化学シフト「σH」)、赤外吸収スペクトル(IR)およびMwを測定したところ、以下のとおりであった。
σH :2.3ppm(CH2 C(CF3)2 基)、
1.5ppm(t−ブトキシカルボニル基)、0.2ppm(SiCH3 基) 。
IR :3400cm-1(水酸基)、1703cm-1(カルボニル基)、
1213cm-1(C−F結合)、1130cm-1(シロキサン基)、
1080cm-1(シロキサン基)。
Mw :2,500。
【0140】
応用例3(ポリシロキサン樹脂の製造)
撹拌機、還流冷却器、温度計を装着した3つ口フラスコに、前記式(I-2-6)(但し、Rfはトリフルオロメチル基である。)で表される化合物4.0g、4−メチル−2−ペンタノン4.0gおよび1.75重量%蓚酸水溶液0.58gを加えて、撹拌しつつ、80℃で6時間反応させた。その後、反応容器を氷冷して反応を停止させ、反応溶液を分液ロートに移して、水層を廃棄し、さらにイオン交換水で反応溶液が中性になるまで水洗を繰り返したのち、有機層を減圧留去して、樹脂を得た。
この樹脂について、 1H−NMRスペクトル(化学シフト「σH」)、赤外吸収スペクトル(IR)およびMwを測定したところ、以下のとおりであった。
σH :2.3ppm(CH2 C(CF3)2 基)。
IR :3400cm-1(水酸基)、1220cm-1(C−F結合)、
1130cm-1(シロキサン基)、1080cm-1(シロキサン基) 。
Mw :2,200。
【0142】
応用例4(ポリシロキサン樹脂の製造)
撹拌機、還流冷却器、温度計を装着した3つ口フラスコに、前記式(III-1-3)(但し、−Si(CH3)O−単位数は4である。)で表される化合物2.22g、メチルトリエトキシシラン2.78g、4−メチル−2−ペンタノン5.0gおよび1.75重量%蓚酸水溶液1.41gを加えて、撹拌しつつ、80℃で6時間反応させた。その後、反応容器を氷冷して反応を停止させ、反応溶液を分液ロートに移して、水層を廃棄し、さらにイオン交換水で反応溶液が中性になるまで水洗を繰り返したのち、有機層を減圧留去して、樹脂を得た。
この樹脂について、 1H−NMRスペクトル(化学シフト「σH」)、赤外吸収スペクトル(IR)およびMwを測定したところ、以下のとおりであった。
σH :2.3ppm(CH2 C(CF3)2 基)、0.2ppm(SiCH3 基)。
IR :3400cm-1(水酸基)、1221cm-1(C−F結合)、
1131cm-1(シロキサン基)、1078cm-1(シロキサン基)。
Mw :3,300。
【0144】
応用例5(ポリシロキサン樹脂の製造)
撹拌機、還流冷却器、温度計を装着した3つ口フラスコに、前記式(I-1-5)(但し、Rfはトリフルオロメチル基である。)で表される化合物4.0g、4−メチル−2−ペンタノン15gおよび1.75重量%蓚酸水溶液0.72gを加えて、撹拌しつつ、80℃で6時間反応させた。その後、反応容器を氷冷して反応を停止させ、反応溶液を分液ロートに移して、水層を廃棄し、さらにイオン交換水で反応溶液が中性になるまで水洗を繰り返したのち、有機層を減圧留去して、樹脂を得た。
この樹脂について、 1H−NMRスペクトル(化学シフト「σH」)、赤外吸収スペクトル(IR)およびMwを測定したところ、以下のとおりであった。
σH :2.3ppm(CH2 C(CF3)2 基)、0.2ppm(SiCH3 基)。
IR :3400cm-1(水酸基)、1220cm-1(C−F結合)、
1130cm-1(シロキサン基)、1080cm-1(シロキサン基)。
Mw :2,200。
【0145】
比較応用例1(ポリシロキサン樹脂の製造)
撹拌機、還流冷却器、温度計を装着した3つ口フラスコに、2−t―ブトキシカルボニルエチルトリエトキシシラン20g、4−メチル−2−ペンタノン60gおよび1.75重量%蓚酸水溶液4.09gを加えて、撹拌しつつ、80℃で6時間反応させた。その後、反応容器を氷冷して反応を停止させ、反応溶液を分液ロートに移して、水層を廃棄し、さらにイオン交換水で反応液が中性になるまで水洗を繰り返したのち、有機層を減圧留去して、樹脂を得た。
この樹脂について、 1H−NMRスペクトル(化学シフト「σH」)、赤外吸収スペクトル(IR)およびMwを測定したところ、以下のとおりであった。
σH :1.5ppm(t−ブトキシカルボニル基)。
IR :3400cm-1(水酸基)、1703cm-1(カルボニル基)、1130cm-1(シロキサン基)、1080cm-1(シロキサン基)。
Mw :2,700。
【0146】
評価例1(放射線透過率の評価)
応用例1、応用例2、応用例3、応用例5および比較応用例1で製造した各樹脂から形成した膜厚1,000Åの被膜について、波長が157nmおよび193nmにおける放射線透過率を測定した。測定結果を、表1に示す。
【0147】
【表1】
【0148】
表1から明らかなように、本発明のケイ素含有脂環式化合物から得られたポリシロキサン樹脂は、基本骨格がポリシロキサン構造であるため、波長193nmにおける放射線透過率がいずれも、比較応用例1の樹脂の場合と同等以上の高い値を示している。
一方、波長157nmにおいては、比較応用例1の樹脂の放射線透過率が30%であるのに対して、応用例1、応用例2、応用例3および応用例5の各樹脂は、いずれも比較応用例1の樹脂に較べて高い放射線透過率を有する。波長157nmにおける放射線透過率は、一般にポリシロキサン樹脂中の炭化水素構造の割合が相対的に増加することにより低下すると考えられるが、本発明のケイ素含有脂環式化合物から得られたポリシロキサン樹脂は、炭化水素構造の割合が比較的多いにもかかわらず、また樹脂中の部分構造が変わっても、波長157nmにおける放射線透過率が高い水準にある。
【0149】
評価例2(レジスト性能の評価)
応用例1、応用例3および応用例5で得た各樹脂の2−ヘプタノン溶液をスピンコーターによってシリコンウエハー上に塗布し、130℃に保持したホットプレート上で、90秒間加熱処理を行って、膜厚1,000Åの被膜を形成した。
その後、各被膜をイオン交換水に60秒間浸したところ、被膜の膜厚はほとんど変化しなかった。一方、各被膜を2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に60秒間浸したところ、被膜は完全にウエハー上から溶解除去された。
この結果から、本発明の遊離水酸基を有する化合物(I)および化合物(III)から得られた各樹脂は、イオン交換水に対しては不溶ないし殆ど溶解しない特性を示す一方で、通常のアルカリ現像液に対しては高い溶解性を有し、化学増幅型レジストにおける樹脂成分として十分な有用性を有するものであった。
【0150】
さらに、応用例2で得た樹脂100重量部、トリフェニルスルフォニウムトリフルオロメタンスルホネート(感放射線性酸発生剤)1重量部、トリ−n−オクチルアミン(酸拡散制御剤)0.02重量部および2−ヘプタノン(溶媒)900重量部を均一に混合して、組成物溶液を調製した。
次いで、組成物溶液を、シリコンウエハー上にスピンコートにより塗布し、130℃に保持したホットプレート上で、90秒間加熱処理を行って、膜厚100nmのレジスト被膜を形成した。
その後、レジスト被膜に対して、ArFエキシマレーザー(波長193nm)により露光量を変えて露光し、110℃に保持したホットプレート上で、90秒間加熱処理を行ったのち、2.38重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で現像を行って、レジストパターンを形成した。
得られたレジストパターンについて、走査型電子顕微鏡で観察した結果、0.15μmまで解像していた。
【0151】
【発明の効果】
本発明の化合物(I)は、特に、化合物(II) の合成原料として極めて有用である。ケイ素原子に結合したハロゲン原子と基OR 2 との合計数が2もしくは3である化合物(II)は、酸解離性有機基を有するポリシロキサン系樹脂を製造するための原料として極めて有用であり、この酸解離性有機基を有するポリシロキサン系樹脂は、ドライエッチング耐性、放射線に対する透明性、解像度、現像性等に優れた化学増幅型レジストとして極めて好適に使用することができる。
また、ケイ素原子に結合したハロゲン原子と基OR2 との合計数が2もしくは3である化合物(I)は、アルカリ可溶性のポリシロキサン系樹脂を製造するための原料としても極めて有用である。このアルカリ可溶性のポリシロキサン系樹脂は、ポジ型またはネガ型の化学増幅型レジストに極めて好適に使用することができ、これらの化学増幅型レジストは、ドライエッチング耐性、放射線に対する透明性、解像度、現像性等に優れた特性を有する。
本発明の化合物(III)は、特に、化合物(IV) の合成原料として極めて有用である。化合物(IV) は、酸解離性有機基を有するポリシロキサン系樹脂を製造するための原料として極めて有用であり、この酸解離性有機基を有するポリシロキサン系樹脂は、ドライエッチング耐性、放射線に対する透明性、解像度、現像性等に優れたポジ型の化学増幅型レジストとして極めて好適に使用することができる。
また、化合物(III)は、アルカリ可溶性のポリシロキサン系樹脂を製造するための原料としても極めて有用である。このアルカリ可溶性のポリシロキサン系樹脂は、ポジ型またはネガ型の化学増幅型レジストに極めて好適に使用することができ、これらの化学増幅型レジストは、ドライエッチング耐性、放射線に対する透明性、解像度、現像性等に優れた特性を有する。
さらに、化合物(I)および化合物(III)は、他の技術分野におけるポリシロキサン系樹脂の原料や、同様のノルボルナン系環構造を有する他のケイ素含有脂環式化合物の原料等としても有用である。
Claims (2)
- 下記一般式(I)で表されるケイ素含有脂環式化合物。
各R1 は相互に独立して、水素原子;炭素数1〜20の1価の炭化水素基;炭素数1〜20の1価のハロゲン化炭化水素基;ハロゲン原子;または1級、2級もしくは3級のアミノ基を示し、各R2 は相互に独立して、炭素数1〜20の1価の炭化水素基;炭素数1〜20の1価のハロゲン化炭化水素基;または下記式(i)
で表される基を示し、mが0または1であるとき、2つのR2 が相互に結合して2個の酸素原子およびケイ素原子と共に環を形成してもよく、Rf は水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を示し、mは0〜3の整数であり、nは0〜3の整数であり、一般式(I)に表示したケイ素原子は、最上位にあるビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプタン環の2−位または3−位に結合している。〕 - 下記一般式(III)で表されるケイ素含有脂環式化合物。
で表される基を示す。}を示し、Rf は水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を示し、pは3〜10の整数であり、nは0〜3の整数であり、一般式(III)に表示した各ケイ素原子は、最上位にあるビシクロ[ 2.2.1 ]ヘプタン環の2−位または3−位に結合している。〕
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