JP2005126592A - ポリシロキサンの精製方法 - Google Patents

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隆 千葉
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Abstract

【課題】化学増幅型レジストの樹脂成分等に用いられるポリシロキサンから、原料シラン化合物や低分子量シロキサン成分等の不純物を、簡便かつ高効率に除去しうるポリシロキサンの精製方法を提供する。
【解決手段】精製方法は、ポリシロキサン、または該ポリシロキサンをエタノール親和性溶剤(α)に溶解した溶液を、下記溶剤(イ)または溶剤(ロ)と混合して調製した溶液に、炭化水素を添加して層分離させ、その後溶剤(イ)または溶剤(ロ)を媒体とする層から精製樹脂を回収することを特徴とする。
溶剤(イ):低級脂肪族アルコール。
溶剤(ロ):低級脂肪族アルコールおよび脂肪族多価アルコールの遊離水酸基含有アルキルエーテルの群の少なくとも1種と水との混合物。
【選択図】なし

Description

本発明は、合成原料であるシラン化合物や低分子量シロキサン成分等の不純物を含有するポリシロキサンを、特定の親和性溶剤と非親和性溶媒とを用いて精製する方法に関する。
近年、LSI(高集積回路)の高密度化、高集積化に対する要求が益々高まっており、それに伴い配線パターンの微細化も急速に進行している。
このような配線パターンの微細化に対応しうる手段の一つとして、リソグラフィープロセスに用いる放射線を短波長化する方法があり、近年では、g線(波長436nm)やi線(波長365nm)等の紫外線に替えて、KrFエキシマレーザー(波長248nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)やF2 エキシマレーザー(波長157nm)等の遠紫外線や、電子線、X線等が用いられるようになっている。
ところで、従来のレジスト組成物には、樹脂成分としてノボラック樹脂、ポリ(ビニルフェノール)等が用いられてきたが、これらの材料は構造中に芳香環を含み、193nmの波長に強い吸収があるため、例えばArFエキシマレーザーを用いたリソグラフィープロセスでは、高感度、高解像度、高アスペクト比に対応した高い精度が得られない。
そこで、193nm以下、特に、ArFエキシマレーザー(波長193nm)、F2 エキシマレーザー(波長157nm)等に対して透明で、かつ芳香環と同等レベル以上の耐ドライエッチング性を有するレジスト用樹脂材料が求められている。その一つとしてシロキサン系ポリマーが考えられ、MIT R.R.Kunzらは、シロキサン系ポリマーが、193nm以下の波長、特に157nmでの透明性に優れるという測定結果を提示しており、このポリマーが193nm以下の波長を用いるリソグラフィープロセスにおけるレジスト材料に適していると報告している(例えば、非特許文献1、非特許文献2参照。)。また、ポリシロキサン系ポリマーは耐ドライエッチング性に優れ、中でもラダー構造をもつポリオルガノポリシルセスキオキサンを含むレジストが高い耐プラズマ性を有することも知られている。
一方、シロキサン系ポリマーを用いる化学増幅型レジストについても既に幾つか報告されている。即ち、カルボン酸エステル基、フェノールエーテル基等の酸解離性基が1個以上の炭素原子を介してケイ素原子に結合した、側鎖に酸解離性基を有するポリシロキサンを用いた放射線感応性樹脂組成物が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。しかし、このポリシロキサンでは側鎖の酸解離性カルボン酸エステル基が効率よく解離しなければ解像度を上げることができず、また多くの酸解離性基を解離させると、レジスト被膜の硬化収縮応力が大きくなり、レジスト被膜の割れや剥がれなどを生じやすいという問題がある。
また、ポリ(2−カルボキシエチルシロキサン)のカルボキシル基をt−ブチル基等の酸解離性基で保護したポリマーを用いたポジ型レジストが開示されている(例えば、特許文献2参照。)。しかし、このレジストではカルボキシル基の保護率が低いために、未露光部分にカルボン酸成分が多く存在し、通常のアルカリ現像液での現像は困難である。
また、酸解離性エステル基を有するポリオルガノシルセスキオキサンを用いたレジスト樹脂組成物が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。しかし、このポリオルガノシルセスキオキサンは、ビニルトリアルコキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシラン等の縮合生成物に、酸解離性基含有(メタ)アクリルモノマーを付加反応させることにより製造されるものであり、ポリマー側鎖に(メタ)アクリルモノマーに由来する不飽和基が残存するため、193nm以下の波長における透明性の面で問題がある。また該公報には、ポリヒドロキシカルボニルエチルシルセスキオキサンをt−ブチルアルコールでエステル化したポリマーを用いたレジスト樹脂組成物も記載されているが、このポリマーもカルボキシル基の保護率が低く、レジストとして特許文献2のものと同様の問題がある。
J. Photopolym. Sci. Technol., Vol.12, No.4 (1999) P.561-570 SPIE, Vol.3678 (1999) P.13-23 特開平5−323611号公報 特開平8−160623号公報 特開平11−60733号公報
さらに、化学増幅型レジストの樹脂成分等として用いられるシロキサン系ポリマーを合成する場合、通常、合成原料であるシラン化合物や低分子量シロキサン成分等が生成ポリマー中に不純物として含まれており、該不純物の含有率が高いまま化学増幅型レジストに使用すると、不純物量に依存した感度、ベーク温度依存性など、レジスト性能への影響による製造上の問題を来たすおそれがある。そのため該不純物を除去する操作が必要となる場合が多いが、該不純物を効率よく除去できる工業的に有利な精製方法は未だ見い出されていないのが実情である。
本発明の課題は、化学増幅型レジストの樹脂成分等に用いられるポリシロキサンから、合成原料であるシラン化合物や低分子量シロキサン成分等の不純物を、簡便かつ高効率に除去しうるポリシロキサンの精製方法を提供することにある。
本発明は、第一に、
ポリスチレン換算重量平均分子量が1,000以上のポリシロキサン、または該ポリシロキサンをエタノールの溶解度(25℃)が100g/100g以上の溶剤(α)〔但し、炭素数1〜3の1価もしくは多価の脂肪族アルコールおよび炭素数1〜10の多価の脂肪族アルコールの遊離水酸基含有アルキルエーテル(但し、アルキル基の炭素数は1〜10である。)を除く。〕に溶解した溶液を、炭素数1〜3の1価もしくは多価の脂肪族アルコールの群から選ばれる少なくとも1種からなる溶剤(イ)と混合して、溶剤(イ)を含む溶剤中のポリシロキサンの溶液を調製したのち、該溶液に炭素数5〜10の炭化水素の群から選ばれる少なくとも1種を添加して混合することにより相分離させ、その後溶剤(イ)を媒体とする層から精製ポリシロキサンを回収することを特徴とするポリシロキサンの精製方法(以下、「精製方法(i)」という。)、からなる。
本発明は、第二に、
ポリスチレン換算重量平均分子量が1,000以上のポリシロキサン、または該ポリシロキサンをエタノールの溶解度(25℃)が100g/100g以上の溶剤(α)〔但し、炭素数1〜3の1価もしくは多価の脂肪族アルコールおよび炭素数1〜10の多価の脂肪族アルコールの遊離水酸基含有アルキルエーテル(但し、アルキル基の炭素数は1〜10である。)を除く。〕に溶解した溶液を、炭素数1〜10の1価もしくは多価の脂肪族アルコールおよび炭素数1〜10の多価の脂肪族アルコールの遊離水酸基含有アルキルエーテル(但し、アルキル基の炭素数は1〜10である。)の群から選ばれる少なくとも1種と水との混合物からなり、水の含有率が0.001〜50重量%である溶剤(ロ)と混合して、溶剤(ロ)を含む溶剤中のポリシロキサンの溶液を調製したのち、該溶液に炭素数5〜10の炭化水素の群から選ばれる少なくとも1種を添加して混合することにより相分離させ、その後溶剤(ロ)を媒体とする層から精製ポリシロキサンを回収することを特徴とするポリシロキサンの精製方法(以下、「精製方法(ii)」という。)、からなる。
以下、本発明について詳細に説明する。
ポリシロキサン(A)
本発明の処理対象であるポリシロキサンは、通常ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定したポリスチレン換算重量平均分子量(以下、「Mw」という。)が1,000以上のポリシロキサンからなる。ポリシロキサンは、縮合性シラン化合物の重縮合により製造されるが、通常、該重縮合後で精製前には、合成原料であるシラン化合物やMwが800以下の低分子量シロキサン成分等の不純物を含むものである。
前記ポリシロキサンとしては、例えば、下記式(I)で表される構造単位(以下、「構造単位(I)」という。)を有する樹脂(以下、「ポリシロキサン(A)」という。)を挙げることができる。
Figure 2005126592
〔式(I)において、Rは炭素数1〜20の1価の炭化水素基または原子数3〜20の1価の複素環式基を示し、該1価の炭化水素基および1価の複素環式基はそれぞれ置換されていてもよい。〕
式(I)において、Rの炭素数1〜20の1価の炭化水素基としては、例えば、
メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基等の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基;
シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等の環状のアルキル基;
アダマンタン−1−イル基、アダマンタン−2−イル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル基、ビシクロ[2.2.2]オクタン−2−イル基、トリシクロ[ 5.2.1.02,6 ]デカン−3−イル基、テトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ]ドデカン−4−イル基等の有橋式炭化水素類に由来する基;
フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等のアリール基;
ベンジル基、α−メチルベンジル基、α,α−ジメチルベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基
等を挙げることができる。
また、Rの原子数3〜20の1価の複素環式基としては、例えば、
オキセタン、チエタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフラン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロチオピラン等の非有橋式複素環式化合物に由来する基;
下記式(1-1)、式(1-2)、式(1-3)または式(1-4)で表される化合物等の有橋式複素環式化合物に由来する基を挙げることができる。
Figure 2005126592
Rの前記1価の炭化水素基および1価の複素環式基に対する置換基としては、例えば、酸の存在下でカルボキシル基、アルコール性水酸基あるいはフェノール性水酸基を生成する酸解離性基のほか、フッ素原子、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、オキソ基、アミノ基、シアノ基、シアニル基、イソシアニル基、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、ラクトニル基を有する基、カルボン酸無水物基を有する基、炭素数1〜4のフルオロアルキル基、炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基、炭素数2〜5のシアノアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシル基、炭素数2〜5のアルコキシメチル基、炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基(但し、酸解離性のものを除く。)、炭素数2〜5のアルコキシカルボニルアミノ基、炭素数1〜4のアルコキシスルホニル基、炭素数1〜4のアルキルアミノスルホニル基等を挙げることができる。
前記置換基は、各置換誘導体中に1個以上あるいは1種以上存在することができる。
ポリシロキサン(A)において、構造単位(I)は、単独でまたは2種以上が存在することができる。
ポリシロキサン(A)としては、より具体的には、例えば、下記式(II)で表される構造単位(以下、「構造単位(II)」という。)、下記式(III)で表される構造単位(以下、「構造単位(III)」という。)または下記式(IV)で表される構造単位(以下、「構造単位(IV)」という。)の群から選ばれる少なくとも1種を有する樹脂(以下、「ポリシロキサン(A1)」という。)等を挙げることができる。
Figure 2005126592
〔式(II)において、R1 は炭素数1〜20の2価の炭化水素基または原子数3〜20の2価の複素環式基を示し、該2価の炭化水素基および2価の複素環式基はそれぞれ置換されていてもよく、R2 は水素原子または1価の酸解離性基を示す。〕
Figure 2005126592
〔式(III)において、R3 は炭素数1〜20の(c+1)価の炭化水素基または原子数3〜20の(c+1)価の複素環式基を示し、該(c+1)価の炭化水素基および(c+1)価の複素環式基はそれぞれ置換されていてもよく、R4 は水素原子または1価の酸解離性基を示し、aおよびbは相互に独立に0〜3の整数であり、cは1または2である。〕
Figure 2005126592
〔式(IV) において、R5 は炭素数3〜20の3価の炭化水素基または原子数3〜20の3価の複素環式基を示し、該3価の炭化水素基および3価の複素環式基はそれぞれ置換されていてもよく、R6 は水素原子、フッ素原子、炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基または炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状のフルオロアルキル基を示し、
7 は水素原子または1価の酸解離性基を示す。〕
式(II)において、R1 の炭素数1〜20の2価の炭化水素としては、例えば、
メチレン基、1,1−エチレン基、ジメチルメチレン基、1,2−エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、デカメチレン等の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基;
1,2−シクロブチレン基、1,3−シクロブチレン基、1,2−シクロペンチレン基、1,3−シクロペンチレン基、1,2−シクロヘキシレン基、1,3−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキシレン基、1,2−シクロヘプチレン基、1,3−シクロヘプチレン基、1,4−シクロヘプチレン基、1,2−シクロオクチレン基、1,3−シクロオクチレン基、1,4−シクロオクチレン基等の環状のアルキレン基;
アダマンタン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、トリシクロ[ 5.2.1.02,6 ]デカン、テトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ]ドデカン等の有橋式炭化水素類に由来する基;
ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、i−プロピルベンゼン、ナフタレン等の芳香族炭化水素類に由来する基
等を挙げることができる。
また、R1 の原子数3〜20の2価の複素環式基としては、例えば、
オキセタン、チエタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフラン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロチオピラン等の非有橋式複素環式化合物に由来する基;
前記式(1-1)、式(1-2)、式(1-3)または式(1-4)で表される化合物等の有橋式複素環式化合物に由来する基
を挙げることができる。
1 の前記2価の炭化水素基および2価の複素環式基に対する置換基としては、例えば、前記式(I)におけるRの1価の炭化水素基および1価の複素環式基に対する置換基として例示したものと同様の基等を挙げることができる。
前記置換基は、各置換誘導体中に1個以上あるいは1種以上存在することができる。
構造単位(II) としては、より具体的には、例えば、下記式(II-1) 〜式(II-16)で表されるものを挙げることができる。
Figure 2005126592
〔式(II-1) 〜式(II-4)において、各nは0または1である。〕
Figure 2005126592
Figure 2005126592
Figure 2005126592
式(II)において、R2 の1価の酸解離性基としては、例えば、下記式(2-1) 、式(2-2) または式(2-3) で表される基、炭素数3〜20の環状炭化水素基、原子数3〜20の複素環式基、トリアルキルシリル基(但し、各アルキル基の炭素数は1〜6である。)、炭素数4〜20のオキソアルキル基等を挙げることができる。
Figure 2005126592
〔式(2-1) において、各R8 は相互に独立に炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基または炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基もしくはその置換誘導体を示すか、あるいは何れか2つのR8 が相互に結合して、それぞれが結合している炭素原子と共に炭素数4〜20の2価の脂環式炭化水素基もしくはその置換誘導体を形成し、残りの
8 が炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基または炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基もしくはその置換誘導体を示す。〕
式(2-2) において、R9 は前記式(2-1) で表される基、炭素数3〜20の環状炭化水素基、原子数3〜20の複素環式基、トリアルキルシリル基(但し、各アルキル基の炭素数は1〜6である。)または炭素数4〜20のオキソアルキル基を示し、dは0〜6の整数である。
式(2-3) において、各R10は相互に独立に水素原子または炭素数1〜20のアルキル基を示し、R11は炭素数1〜20の1価の炭化水素基または原子数3〜20の1価の複素環式基を示すか、あるいは2つのR10が相互に結合して環を形成し、または何れか一方の
10とR11とが相互に結合して環を形成しており、R10の該アルキル基、R11の該1価の炭化水素基および1価の複素環式基、2つのR10が相互に結合して形成した環並びに何れか一方のR10とR11とが相互に結合して形成した環はそれぞれ置換されていてもよい。〕
式(2-1) において、R8 の炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等を挙げることができる。
また、R8 の炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基および何れか2つのR2 が相互に結合してそれぞれが結合している炭素原子と共に形成した炭素数4〜20の2価の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロブタン、シクロペンタン、シクロペンテン、シクロヘキサン、シクロヘキセン、シクロヘプタン、シクロオクタン等のシクロアルカン類に由来する基;アダマンタン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、トリシクロ[ 5.2.1.02,6 ]デカン、テトラシクロ[ 6.2.1.
3,6 .02,7 ]ドデカン等の有橋式炭化水素類に由来する基等を挙げることができる。
また、前記1価または2価の脂環式炭化水素基の置換誘導体における置換基としては、例えば、前記式(I)におけるRの1価の炭化水素基および1価の複素環式基に対する置換基について例示したものと同様の基等を挙げることができる。
前記置換基は、各置換誘導体中に1個以上あるいは1種以上存在することができる。
式(2-1)で表される基としては、例えば、
t−ブチル基、t−アミル基、2−エチル−2−ブチル基、3−メチル−3−ペンチル基、1,1−ジエチルプロピル基等のトリアルキルメチル基;1−メチルシクロペンチル基、1−エチルシクロペンチル基、1−n−プロピルシクロペンチル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−エチルシクロヘキシル基、1−n−プロピルシクロヘキシル基等の1−アルキルシクロアルキル基;
2−メチルアダマンタン−2−イル基、2−メチル−3−ヒドロキシアダマンタン−2−イル基、2−エチルアダマンタン−2−イル基、2−エチル−3−ヒドロキシアダマンタン−2−イル基、2−n−プロピルアダマンタン−2−イル基、2−n−ブチルアダマンタン−2−イル基、2−メトキシメチルアダマンタン−2−イル基、2−メトキシメチル−3−ヒドロキシアダマンタン−2−イル基、2−エトキシメチルアダマンタン−2−イル基、2−n−プロポキシメチルアダマンタン−2−イル基、
2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル基、2−メチル−5−ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル基、2−メチル−6−ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル基、2−メチル−5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル基、2−メチル−6−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル基、2−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル基、2−エチル−5−ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル基、2−エチル−6−ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル基、
8−メチルトリシクロ[ 5.2.1.02,6 ]デカン−8−イル基、8−メチル−4−ヒドロキシトリシクロ[ 5.2.1.02,6 ]デカン−8−イル基、8−メチル−4−シアノトリシクロ[ 5.2.1.02,6 ]デカン−8−イル基、8−エチルトリシクロ[ 5.2.1.02,6 ]デカン−8−イル基、8−エチル−4−ヒドロキシトリシクロ[ 5.2.1.02,6 ]デカン−8−イル基、
4−メチルテトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ]ドデカン−4−イル基、4−メチル−9−ヒドロキシテトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ]ドデカン−4−イル基、4−メチル−10−ヒドロキシテトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ]ドデカン−4−イル基、4−メチル−9−シアノテトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ]ドデカン−4−イル基、4−メチル−10−シアノテトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ]ドデカン−4−イル基、4−エチルテトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ]ドデカン−4−イル基、4−エチル−9−ヒドロキシテトラシクロ[ 6.2.1.
3,6 .02,7 ]ドデカン−4−イル基、4−エチル−10−ヒドロキシテトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ]ドデカン−4−イル基
等のアルキル置換有橋式炭化水素基;
1−メチル−1−シクロペンチルエチル基、1−メチル−1−(2−ヒドロキシシクロペンチル)エチル基、1−メチル−1−(3−ヒドロキシシクロペンチル)エチル基、1−メチル−1−シクロヘキシルエチル基、1−メチル−1−(3−ヒドロキシシクロヘキシル)エチル基、1−メチル−1−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)エチル基、1−メチル−1−シクロへプチルエチル基、1−メチル−1−(3−ヒドロキシシクロへプチル)エチル基、1−メチル−1−(4−ヒドロキシシクロへプチル)エチル基等のジアルキル・シクロアルキルメチル基;
1−メチル−1−(アダマンタン−1−イル)エチル基、1−メチル−1−(3−ヒドロキシアダマンタン−1−イル)エチル基、1−メチル−1−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)エチル基、1−メチル−1−(5−ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)エチル基、1−メチル−1−(6−ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)エチル基、1−メチル−1−(テトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ]ドデカン−4−イル)エチル基、1−メチル−1−(9−ヒドロキシテトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ]ドデカン−4−イル)エチル基、1−メチル−1−(10−ヒドロキシテトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ]ドデカン−4−イル)エチル基、1−メチル−1−(トリシクロ[ 5.2.1.02,6 ]デカン−8−イル)エチル基、1−メチル−1−(4−ヒドロキシトリシクロ[ 5.2.1.02,6 ]デカン−8−イル)エチル基等のアルキル置換・有橋式炭化水素基置換メチル基;
1,1−ジシクロペンチルエチル基、1,1−ジ(2−ヒドロキシシクロペンチル)エチル基、1,1−ジ(3−ヒドロキシシクロペンチル)エチル基、1,1−ジシクロヘキシルエチル基、1,1−ジ(3−ヒドロキシシクロヘキシル)エチル基、1,1−ジ(4−ヒドロキシシクロヘキシル)エチル基、1,1−ジシクロへプチルエチル基、1,1−ジ(3−ヒドロキシシクロへプチル)エチル基、1,1−ジ(4−ヒドロキシシクロへプチル)エチル基等のアルキル・ジシクロアルキルメチル基;
1,1−ジ(アダマンタン−1−イル)エチル基、1,1−ジ(3−ヒドロキシアダマンタン−1−イル)エチル基、1,1−ジ(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)エチル基、1,1−ジ(5−ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)エチル基、1,1−ジ(6−ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)エチル基、1,1−ジ(テトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ]ドデカン−4−イル)エチル基、1,1−ジ(9−ヒドロキシテトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ]ドデカン−4−イル)エチル基、1,1−ジ(10−ヒドロキシテトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ]ドデカン−4−イル)エチル基、1,1−ジ(トリシクロ[ 5.2.1.02,6 ]デカン−8−イル)エチル基、1,1−ジ(4−ヒドロキシトリシクロ[ 5.2.1.02,6 ]デカン−8−イル)エチル基等のアルキル置換・ジ(有橋式炭化水素基)置換メチル基
等を挙げることができる。
式(2-2) において、R9 の炭素数3〜20の環状炭化水素基としては、例えば、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、アダマンタン−1−イル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル基、ビシクロ[2.2.2]オクタン、トリシクロ[ 5.2.1.02,6 ]デカン−3−イル基、テトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ]ドデカン−4−イル基等を挙げることができる。
また、R9 の原子数3〜20の複素環式基としては、例えば、2−テトラヒドロフラニル基、2−テトラヒドロピラニル基等を挙げることができる。
また、R9 のトリアルキルシリル基としては、例えば、トリメチルシリル基、エチルジメチルシリル基、メチルジエチルシリル基、トリエチルシリル基、i−プロピルジメチルシリル基、メチルジi−プロピルシリル基、トリ−i−プロピルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基等を挙げることができる。
また、R9 の炭素数4〜20のオキソアルキル基としては、例えば、3−オキソシクロペンチル基、3−オキソシクロヘキシル基、4−オキソシクロヘキシル基、4−メチル−2−オキソオキサン−4−イル基、5−メチル−2−オキソオキソラン−5−イル基等を挙げることができる。
式(2-2) で表される基としては、例えば、
t−ブトキシカルボニル基、t−アミルオキシカルボニル基、1,1−ジエチルプロポキシカルボニル基、1−メチルシクロペンチルオキシカルボニル基、1−エチルシクロペンチルオキシカルボニル基、1−メチルシクロヘキシルオキシカルボニル基、1−エチルシクロヘキシルオキシカルボニル基、1−メチル−2−シクロペンテニルオキシカルボニル基、1−エチル−2−シクロペンテニルオキシカルボニル基、(2−メチルアダマンタン−2−イル)オキシカルボニル基、(2−エチルアダマンタン−2−イル)オキシカルボニル基、(2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)オキシカルボニル基、(2−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)オキシカルボニル基、
t−ブトキシカルボニルメチル基、t−アミルオキシカルボニルメチル基、1,1−ジエチルプロポキシカルボニルメチル基、1−メチルシクロペンチルオキシカルボニルメチル基、1−エチルシクロペンチルオキシカルボニルメチル基、1−メチルシクロヘキシルオキシカルボニルメチル基、1−エチルシクロヘキシルオキシカルボニルメチル基、1−メチル−2−シクロペンテニルオキシカルボニルメチル基、1−エチル−2−シクロペンテニルオキシカルボニルメチル基、(2−メチルアダマンタン−2−イル)オキシカルボニルメチル基、(2−エチルアダマンタン−2−イル)オキシカルボニルメチル基、(2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)オキシカルボニルメチル基、(2−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)オキシカルボニルメチル基、2−テトラヒドロフラニルオキシカルボニルメチル基、2−テトラヒドロピラニルオキシカルボニルメチル基、
1−メトキシエトキシカルボニルメチル基、1−エトキシエトキシカルボニルメチル基、(1−メチル−1−シクロペンチルエトキシ)カルボニルメチル基、(1−メチル−1−シクロヘキシルエトキシ)カルボニルメチル基、〔1−メチル−1−(アダマンタン−1−イル)エトキシ〕カルボニルメチル基、〔1−メチル−1−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)エトキシ〕カルボニルメチル基、
2−テトラヒドロフラニルオキシカルボニルメチル基、2−テトラヒドロピラニルオキシカルボニルメチル基
等を挙げることができる。
式(2-3) において、R10の炭素数1〜20のアルキル基としては、例えば、
メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基等の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基;
シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等の環状のアルキル基
を挙げることができる。
式(2-3) において、R11の炭素数1〜20の1価の炭化水素基としては、例えば、前記式(I)におけるRの炭素数1〜20の1価の炭化水素基について例示したものと同様の基等を挙げることができる。
また、R11の原子数3〜20の1価の複素環式基としては、例えば、前記式(I)におけるRの原子数3〜20の1価の複素環式基について例示したものと同様の基等を挙げることができる。
また、2つのR10が相互に結合して形成した環としては、例えば、2つのR10が結合している炭素原子と共に形成した3〜8員の環を挙げることができる。
また、何れか一方のR10とR11とが相互に結合して形成した環としては、例えば、R10が結合している炭素原子およびR11が結合している酸素原子と共に形成した3〜8員の環を挙げることができる。
10の前記アルキル基、R11の前記1価の炭化水素基および1価の複素環式基、2つのR10が相互に結合して形成した前記環並びに何れか一方のR10とR11とが相互に結合して形成した前記環に対する置換基としては、例えば、前記式(I)におけるRの1価の炭化水素基および1価の複素環式基に対する置換基として例示したものと同様の基等を挙げることができる。
前記置換基は、各置換誘導体中に1個以上あるいは1種以上存在することができる。
式(2-3) において、R11の置換された1価の炭化水素基の好ましい具体例としては、4−ヒドロキシ−n−ブチル基、6−ヒドロキシ−n−ヘキシル基、2−n−ブトキシエチル基、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル基、(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)メチル基、下記式(3-1) 〜式(3-4) で表される基等を挙げることができる。
Figure 2005126592
式(2-3) で表される基としては、例えば、
メトキシメチル基、エトキシメチル基、n−プロポキシメチル基、i−プロポキシメチル基、n−ブトキシメチル基、t−ブトキシメチル基、シクロペンチルオキシメチル基、シクロヘキシルオキシメチル基、フェノキシメチル基、ベンジルオキシメチル基、フェネチルオキシメチル基等の置換メチル基;
1−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基、1−n−プロポキシエチル基、1−i−プロポキシエチル基、1−n−ブトキシエチル基、1−t−ブトキシエチル基、1−シクロペンチルオキシエチル基、1−シクロヘキシルオキシエチル基、1−フェノキシエチル基、1−ベンジルオキシエチル基、1−フェネチルオキシエチル基等の1−置換エチル基;
1−メチル−1−メトキシエチル基、1−メチル−1−エトキシエチル基、1−メチル−1−n−プロポキシエチル基、1−メチル−1−i−プロポキシエチル基、1−メチル−1−n−ブトキシエチル基、1−メチル−1−t−ブトキシエチル基、1−メチル−1−シクロペンチルオキシエチル基、1−メチル−1−シクロヘキシルオキシエチル基、1−メチル−1−フェノキシエチル基、1−メチル−1−ベンジルオキシエチル基、1−メチル−1−フェネチルオキシエチル基等の1−メチル−1−置換エチル基;
1−メトキシ−n−プロピル基、1−エトキシ−n−プロピル基、1−n−プロポキシ−n−プロピル基、1−フェノキシ−n−プロピル基等の1−置換−n−プロピル基;
2−メトキシ−n−プロピル基、2−エトキシ−n−プロピル基、2−n−プロポキシ−n−プロピル基、2−フェノキシ−n−プロピル基等の2−置換−n−プロピル基;
1−メトキシ−n−ブチル基、1−エトキシ−n−ブチル基、1−n−プロポキシ−n−ブチル基、1−フェノキシ−n−ブチル基等の1−置換−n−ブチル基;
テトラヒドロフラン−2−イル基、2−メチルテトラヒドロフラン−2−イル基、テトラヒドロピラン−2−イル基、2−メチルテトラヒドロピラン−2−イル基等の複素環式基等を挙げることができる。
式(II)において、R2 の炭素数3〜20の環状炭化水素基としては、例えば、前記式(2-2)におけるR9 の炭素数3〜20の環状炭化水素基について例示したものと同様の基等を挙げることができる。
また、R2 の原子数3〜20の複素環式基としては、例えば、前記式(2-2)におけるR9 の原子数3〜20の複素環式基について例示したものと同様の基等を挙げることができる。
また、R2 のトリアルキルシリル基としては、例えば、前記式(2-2)におけるR9 のトリアルキルシリル基について例示したものと同様の基等を挙げることができる。
また、R2 の炭素数4〜20のオキソアルキル基としては、例えば、前記式(2-2)におけるR9 の炭素数4〜20のオキソアルキル基について例示したものと同様の基等を挙げることができる。
式(III)において、R3 の炭素数1〜20の(c+1)価の炭化水素としては、例えば、
メタン、エタン、プロパン、n−ブタン、i−ブタン、n−ペンタン、i−ペンタン、ネオペンタン、n−ヘキサン、i−ヘキサン、n−オクタン基、2−エチルヘキサン、n−デカン等の直鎖状もしくは分岐状のアルカン類に由来する基;
シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン基、シクロオクタン等の環状のアルカン類に由来する基;
アダマンタン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、トリシクロ[ 5.2.1.02,6 ]デカン、テトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ]ドデカン等の有橋式炭化水素類に由来する基;
ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、i−プロピルベンゼン、ナフタレン等の芳香族炭化水素類に由来する基等を挙げることができる。
また、R3 の原子数3〜20の(c+1)価の複素環式基としては、例えば、オキセタン、チエタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフラン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロチオピラン等の非有橋式複素環式化合物に由来する基;前記式(1-1)、式(1-2)、式(1-3)または式(1-4)で表される化合物等の有橋式複素環式化合物に由来する基を挙げることができる。
3 の前記炭素数1〜20の(c+1)価の炭化水素基および原子数3〜20の(c+1)価の複素環式基に対する置換基としては、例えば、前記式(I)におけるRの1価の炭化水素基および1価の複素環式基に対する置換基として例示したものと同様の基等を挙げることができる。
前記置換基は、各置換誘導体中に1個以上あるいは1種以上存在することができる。
式(III)において、R4 の1価の酸解離性基としては、例えば、前記式(II)におけるR2 の1価の酸解離性基について例示したものと同様の基等を挙げることができる。
構造単位(III)としては、より具体的には、例えば、下記式(III-1)〜式(III-10) で表されるものを挙げることができる。
Figure 2005126592
Figure 2005126592
Figure 2005126592
Figure 2005126592
式(IV) において、R5 の3価の炭素数3〜20の3価の炭化水素基としては、例えば、メタン、エタン、プロパン、n−ブタン、i−ブタン、n−ペンタン、i−ペンタン、ネオペンタン、n−ヘキサン、i−ヘキサン、n−オクタン基、2−エチルヘキサン、n−デカン等の直鎖状もしくは分岐状のアルカン類に由来する基;
シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン基、シクロオクタン等の環状のアルカン類に由来する基;
アダマンタン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、トリシクロ[ 5.2.1.02,6 ]デカン、テトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ]ドデカン等の有橋式炭化水素類に由来する基;
ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、i−プロピルベンゼン、t−ブチルベンゼン、ナフタレン等の芳香族炭化水素類に由来する基等を挙げることができる。
また、R5 の原子数3〜20の3価の複素環式基としては、例えば、
オキセタン、チエタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフラン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロチオピラン等の非有橋式複素環式化合物に由来する基;
前記式(1-1)、式(1-2)、式(1-3)または式(1-4)で表される化合物等の有橋式複素環式化合物に由来する基を挙げることができる。
5 の前記炭素数1〜20の3価の炭化水素基および原子数3〜20の3価の複素環式基に対する置換基としては、例えば、前記式(I)におけるRの1価の炭化水素基および1価の複素環式基に対する置換基として例示したものと同様の基等を挙げることができる。
前記置換基は、各置換誘導体中に1個以上あるいは1種以上存在することができる。
式(IV) において、R6 の炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等を挙げることができる。
また、R6 の炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状のフルオロアルキル基としては、例えば、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル基、3,3,3,2,2−ペンタフルオロ−n−プロピル基、ヘプタフルオロ−n−プロピル基、4,4,4−トリフルオロ−n−ブチル基、4,4,4,3,3−ペンタフルオロ−n−ブチル基、4,4,4,3,3,2,2−ヘプタフルオロ−n−ブチル基、ノナフルオロ−n−ブチル基等を挙げることができる。
式(IV) において、R7 の1価の酸解離性基としては、例えば、前記式(II)におけるR2 の1価の酸解離性基について例示したものと同様の基等を挙げることができる。
構造単位(IV) としては、より具体的には、例えば、下記式(IV-1) 〜式(IV-17)で表されるものを挙げることができる。
Figure 2005126592
Figure 2005126592
Figure 2005126592
Figure 2005126592
ポリシロキサン(A1)において、構造単位(II)、構造単位(III)および構造単位(IV)は、それぞれ単独でまたは2種以上が存在することができる。
ポリシロキサン(A)およびポリシロキサン(A1)は、さらに、縮合反応に関して3官能のシラン化合物に由来する前記以外の構造単位の1種以上や、縮合反応に関して2官能あるいは4官能のシラン化合物に由来する構造単位の1種以上を有することもできる。
さらに、ポリシロキサン(A)およびポリシロキサン(A1)は、下記式(4-1) または式(4-2) で表される酸解離性結合基により、分子内架橋および/または分子間架橋されていてもよい。
Figure 2005126592
〔式(4-1) および式(4-2) において、各R12は相互に独立に水素原子または炭素数1〜8の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基を示すか、あるいは同一の炭素原子に結合している2つのR12が相互に結合して3〜8員の炭素環を形成しており、各R13は相互に独立に炭素数1〜10の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキレン基を示し、各eは相互に独立に0〜10の整数であり、各fは相互に独立に1〜7の整数であり、各R14は相互に独立に炭素数1〜50の(f+1)価の直鎖状もしくは分岐状の飽和炭化水素基、炭素数3〜50の(f+1)価の環状の飽和炭化水素基、炭素数6〜50の(f+1)価の芳香族炭化水素基または原子数3〜50の(f+1)価の複素環式基を示し、該直鎖状もしくは分岐状の飽和炭化水素基、環状の飽和炭化水素基、芳香族炭化水素基および複素環式基はそれぞれ、主鎖および/または側鎖にヘテロ原子が介在してもよく、またそれらの炭素原子に結合する水素原子の少なくとも一部がフッ素原子、水酸基、カルボキシル基あるいはアシル基で置換されていてもよく、各U1 は相互に独立に−COO−、
−NHCOO−または−NHCONH−を示す。〕
前記酸解離性結合基の好ましい具体例としては、下記式(4-1-1) 〜式(4-1-8) で表されるもの等を挙げることができる。
Figure 2005126592
Figure 2005126592
Figure 2005126592
ポリシロキサン(A)において、構造単位(I)の含有率は、通常、0〜100モル%、好ましくは5〜100モル%、さらに好ましくは10〜100モル%である。
ポリシロキサン(A1)において、構造単位(II)、構造単位(III)および構造単位(IV) の合計含有率は、通常、5〜100モル%、好ましくは10〜100モル%、さらに好ましくは20〜100モル%である。
酸解離性基が解離していないポリシロキサン(A)は、その構造単位に対応する縮合性シラン化合物(例えば、トリクロロシラン化合物、トリエトキシシラン化合物等)の重縮合により製造することができる。
また、酸解離性基が解離したポリシロキサン(A)は、それらの構造単位に対応する縮合性シラン化合物中のカルボキシル基、アルコール性水酸基あるいはフェノール性水酸基を、例えばアセチル基あるいは低級アルキル基(例えば、メチル基、エチル基等)で保護して重縮合させたのち、該アセチル基あるいは低級アルキル基を脱離させる方法により製造することができる。
さらに、酸解離性基が解離したポリシロキサン(A)中のカルボキシル基、アルコール性水酸基あるいはフェノール性水酸基に酸解離性基を導入することにより、酸解離性基を有するポリシロキサン(A)を製造することもできる。
なお、ポリシロキサン(A1)の製造方法およびそれに使用される縮合性シラン化合物の合成方法は、例えば特許文献4〜6にも記載されている。
特開2002−268225号公報 特開2002−268226号公報 特開2002−268227号公報
ポリシロキサン(A)を製造する際の縮合性シラン化合物の重縮合は、酸性触媒または塩基性触媒の存在下、無溶媒下または溶媒中で実施することができるが、本発明においては、酸性触媒の存在下で重縮合させるか、あるいは酸性触媒の存在下で重縮合させたのち、塩基性触媒の存在下で反応を継続させることが好ましい。
以下、ポリシロキサン(A)を製造する重縮合法について説明する。
前記酸性触媒としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、蟻酸、酢酸、n−プロピオン酸、酪酸、吉草酸、しゅう酸、マロン酸、琥珀酸、マレイン酸、フマル酸、アジピン酸、フタル酸、テレフタル酸、無水酢酸、無水マレイン酸、クエン酸、ホウ酸、燐酸、四塩化チタン、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等を挙げることができる。
これらの酸性触媒のうち、塩酸、硫酸、酢酸、しゅう酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、無水酢酸、無水マレイン酸等が好ましい。
前記酸性触媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
酸性触媒の使用量は、シラン化合物の全量100重量部に対して、通常、0.01〜10,000重量部である。
また、前記塩基性触媒のうち、無機塩基類としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等を挙げることができる。
また、前記塩基性触媒のうち、有機塩基類としては、例えば、
n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン、シクロヘキシルアミン等の直鎖状、分岐状もしくは環状のモノアルキルアミン類;
ジ−n−ブチルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、ジ−n−ヘキシルアミン、ジ−n−ヘプチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジ−n−ノニルアミン、ジ−n−デシルアミン、シクロヘキシルメチルアミン、ジシクロヘキシルアミン等の直鎖状、分岐状もしくは環状のジアルキルアミン類;
トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ノニルアミン、トリ−n−デシルアミン、シクロヘキシルジメチルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、トリシクロヘキシルアミン等の直鎖状、分岐状もしくは環状のトリアルキルアミン類;
アニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、4−ニトロアニリン、ジフェニルアミン、トリフェニルアミン、ナフチルアミン等の芳香族アミン類;
エチレンジアミン、N,N,N',N’−テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)プロパン、2−(4−アミノフェニル)−2−(3−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(4−アミノフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,4−ビス〔1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル〕ベンゼン、1,3−ビス〔1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル〕ベンゼン等のジアミン類;
イミダゾール、ベンズイミダゾール、4−メチルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール等のイミダゾール類;
ピリジン、2−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2−エチルピリジン、4−エチルピリジン、2−フェニルピリジン、4−フェニルピリジン、2−メチル−4−フェニルピリジン、ニコチン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、キノリン、4−ヒドロキシキノリン、8−オキシキノリン、アクリジン等のピリジン類;ピペラジン、1−(2’−ヒドロキシエチル)ピペラジン等のピペラジン類のほか、
ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、キノザリン、プリン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、4−メチルモルホリン、1,4−ジメチルピペラジン、1,4−ジアザビシクロ [2.2.2] オクタン等の他の含窒素複素環化合物
等を挙げることができる。
これらの塩基性触媒のうち、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ピリジン等が好ましい。
前記塩基性触媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。 塩基性触媒の使用量は、シラン化合物の全量100重量部に対して、通常、0.01〜10,000重量部である。
また、重縮合に用いられる溶媒としては、例えば、
2−ブタノン、2−ペンタノン、3−メチル−2−ブタノン、2−ヘキサノン、4−メチル−2−ペンタノン、3−メチル−2−ペンタノン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、2−ヘプタノン、2−オクタノン等の直鎖状もしくは分岐状のケトン類;
シクロペンタノン、3−メチルシクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−メチルシクロヘキサノン、2,6−ジメチルシクロヘキサノン、イソホロン等の環状のケトン類;
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−i−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−i−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−sec−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;
2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシプロピオン酸n−プロピル、2−ヒドロキシプロピオン酸i−プロピル、2−ヒドロキシプロピオン酸n−ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸i−ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸sec−ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸t−ブチル等の2−ヒドロキシプロピオン酸アルキル類;
3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル等の3−アルコキシプロピオン酸アルキル類;
エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、t−ブタノール、シクロヘキサノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル等のアルコール類;
ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル等のジアルキレングリコールジアルキルエーテル類;
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;
2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸メチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メチル−3−メトキシブチルブチレート、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル等の他のエステル類のほか、
N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ベンジルエチルエーテル、ジ−n−ヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、しゅう酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン等を挙げることができる。
これらの溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
溶媒の使用量は、シラン化合物の全量100重量部に対して、通常、2,000重量部以下である。
ポリシロキサン(A)を合成する重縮合は、無溶媒下、あるいは2−ブタノン、2−ペンタノン、3−メチル−2−ブタノン、2−ヘキサノン、4−メチル−2−ペンタノン、3−メチル−2−ペンタノン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、2−ヘプタノン、2−オクタノン、シクロペンタノン、3−メチルシクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−メチルシクロヘキサノン、2,6−ジメチルシクロヘキサノン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート等の溶媒中で実施することが好ましい。
また、重縮合に際しては、反応系に水を添加することもできる。この場合の水の添加量は、シラン化合物の全量100重量部に対して、通常、10,000重量部以下である。 酸性条件下または塩基性条件下での重縮合および塩基性条件下での反応における反応条件は、反応温度が、通常、−50〜+300℃、好ましくは20〜100℃であり、反応時間が、通常、1分〜100時間程度である。
精製前のポリシロキサンのMwは、1,000以上であり、好ましくは1,000〜1,000,000、さらに好ましくは1,000〜500,000である。
ポリシロキサンは、そのまま、またはエタノールの溶解度(25℃)が100g/100g以上、好ましくは200g/100g以上の溶剤(α)〔但し、炭素数1〜3の1価もしくは多価の脂肪族アルコールおよび炭素数1〜10の多価の脂肪族アルコールの遊離水酸基含有アルキルエーテル(但し、アルキル基の炭素数は1〜10である。)を除く。〕に溶解した溶液として、精製に供される。
本発明においては、ポリシロキサンをそのまま精製に供する場合、別途製造しても市販品を使用してもよい。また、ポリシロキサンを溶液として精製に供する場合、ポリシロキサンを製造する重縮合に用いられた溶媒がエタノールの溶解度に関する前記要件を満たすときは、該溶媒を溶剤(α)として使用することができる。
精製方法(i)および精製方法(ii)に使用される溶剤(α)としては、例えば、
2−ブタノン、2−ペンタノン、3−メチル−2−ブタノン、2−ヘキサノン、3−メチル−2−ペンタノン、4−メチル−2−ペンタノン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、2−ヘプタノン、2−オクタノン等の直鎖状もしくは分岐状のケトン類;
シクロペンタノン、3−メチルシクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−メチルシクロヘキサノン、2,6−ジメチルシクロヘキサノン、イソホロン等の環状のケトン類;
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−i−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−i−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−sec−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;
3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル等の3−アルコキシプロピオン酸アルキル類;
酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、エトキシ酢酸エチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メチル−3−メトキシブチルブチレート、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル等の他のエステル類のほか、
N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ベンジルエチルエーテル、ジ−n−ヘキシルエーテル、カプロン酸、カプリル酸、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、しゅう酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン
等を挙げることができる。
これらの溶剤(α)のうち、2−ブタノン、2−ペンタノン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、γ−ブチロラクトン等が好ましい。
前記溶剤(α)は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
ポリシロキサンを溶剤(α)に溶解した溶液中のポリシロキサンの濃度は、通常、10〜90重量%、好ましくは30〜80重量%、さらに好ましくは50〜80重量%である。この場合、ポリシロキサンの濃度が10重量%未満では、樹脂の回収率が低下する傾向があり、一方90重量%を超えると、樹脂溶液の取り扱いが困難になる傾向がある。
精製方法(i)および精製方法(ii)に使用される炭素数1〜10の1価もしくは多価の脂肪族アルコール(以下、「低級脂肪族アルコール」という。)としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,2,3−プロパントリオール、グリセリン等を挙げることができる。
これらの低級脂肪族アルコールのうち、メタノール、エタノール、n−プロパノール等が好ましく、特に、メタノール等が好ましい。
精製方法(i)および精製方法(ii)において、前記低級脂肪族アルコールは、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
また、精製方法(ii)に使用される炭素数1〜10の多価の脂肪族アルコールの遊離水酸基含有アルキルエーテル(但し、アルキル基の炭素数は1〜10、好ましくは1〜3である。)(以下、「遊離水酸基含有多価アルコール誘導体」という。)としては、例えば、
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、 エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル等のエチレングリコール誘導体類;
プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル等のプロピレングリコール誘導体類;
ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル等のジエチレングリコール誘導体類;
ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル等のジプロピレングリコール誘導体類
等を挙げることができる。
これらの水酸基含有多価アルコール誘導体のうち、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等が好ましい。
前記遊離水酸基含有多価アルコール誘導体は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
精製方法(ii)において、溶剤(ロ)中の水の含有率は、0.001〜50重量%であり、好ましくは0.01〜20重量%、さらに好ましくは0.01〜15重量%である。この場合、水の含有率が0.001重量%未満では、相分離能が低下する傾向があり、一方50重量%を超えると、ポリシロキサンの溶解性が低下する傾向がある。
精製方法(i)において、溶剤(イ)を含む溶剤中のポリシロキサンの溶液におけるポリシロキサンの濃度は、通常、1〜60重量%、好ましくは1〜50重量%、さらに好ましくは5〜40重量%である。この場合、ポリシロキサンの濃度が1重量%未満では、工業的な処理能力が低下する傾向があり、一方50重量%を超えると、不純物の除去能が低下する傾向がある。
また、精製方法(ii)において、溶剤(ロ)を含む溶剤中のポリシロキサンの溶液におけるポリシロキサンの濃度は、通常、1〜60重量%、好ましくは1〜50量%、さらに好ましくは5〜40重量%である。この場合、ポリシロキサンの濃度が1重量%未満では、工業的な処理能力が低下する傾向があり、一方50重量%を超えると、不純物の除去能が低下する傾向がある。
精製方法(i)における溶剤(イ)を含む溶剤中のポリシロキサンの溶液および精製方法(ii)における溶剤(ロ)を含む溶剤中のポリシロキサンの溶液を調製する際の処理条件は、処理温度が、通常、0〜40℃、好ましくは15〜35℃であり、処理時間が、通常、5分〜24時間、好ましくは10分〜3時間である。
精製方法(i)および精製方法(ii)に使用される炭素数5〜10の炭化水素(以下、「炭化水素溶媒」という。)としては、例えば、
n−ペンタン、i−ペンタン、n−ペンタン、i−ペンタン、n−ヘプタン、i−ヘプタン、n−オクタン、i−オクタン、n−ペンタン、nーデカン等の脂肪族炭化水素類;
シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環族炭化水素類;
ペンテン類、ヘプテン類、オクテン類等の不飽和脂肪族炭化水素類;
ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類
等を挙げることができる。
これらの炭化水素溶媒のうち、脂肪族炭化水素類が好ましく、特に、nーヘキサン、n−ヘプタン等が好ましい。
精製方法(i)および精製方法(ii)において、炭化水素溶媒の使用量は、ポリシロキサン100重量部に対して、通常、100〜10,000重量部、好ましくは100〜5,000重量部、さらに好ましくは200〜2,000重量部である。この場合、炭化水素溶媒の使用量が100重量%未満では、不純物の除去能が低下する傾向があり、一方10,000重量%を超えると、工業的な処理能力が低下する傾向がある。
精製方法(i)および精製方法(ii)において、ポリシロキサンの溶液に炭化水素溶媒を添加して混合する際の処理条件は、処理温度が、通常、0〜40℃、好ましくは15〜35℃であり、処理時間が、通常、5分〜24時間、好ましくは10分〜3時間である。 この処理に際しては、ポリシロキサンの溶液に炭化水素溶媒を添加して混合したのち、通常、0〜40℃、好ましくは15〜35℃で、通常、10分以上、好ましくは30分以上放置することが好ましい。その後、2相に分離した下層を分取し、必要に応じて、さらに炭化水素溶媒を添加して混合する操作を1回以上行って下層を分取する。この分取された層は溶液であり凝固物を含んでいないため、処理上の取り扱いが簡便である。
その後必要に応じて、分取した層から溶剤を、例えば減圧蒸留等により除去して、精製されたポリシロキサンを得る。
精製方法(i)および精製方法(ii)における各処理工程での混合は、特に限定されるものではなく、プロペラ型、平羽根型、湾曲羽根型、ファウドラー型、ブルーマージン型、等の適宜の攪拌手段を用いて実施することができる。
このような本発明の精製方法によると、ポリシロキサンから不純物を簡便かつ高効率に除去することができる。
本発明により精製されたポリシロキサン(A)は、例えば化学増幅型レジストの樹脂成分に用いたときに、樹脂を乾燥させることなく溶液の状態で処理を行うことが可能なため、再溶解しにくい状態への変質を防止できるとともに、不純物の除去処理を行わない場合に生じる低分子成分の昇華等の問題を来たすことがないという利点を有する。
本発明の精製方法によると、化学増幅型レジストの樹脂成分等に用いられるポリシロキサンから、合成原料であるシラン化合物や低分子量シロキサン成分等の不純物を、簡便かつ高効率に除去することができる。
合成例1(ポリシロキサン溶液の調製)
撹拌機、還流冷却器、温度計を装着した3つ口フラスコに、下記式(a−1)で表されるシラン化合物(以下、「シラン化合物(a−1)」という。)36.3g、下記式(b−1)で表されるシラン化合物(以下、「シラン化合物(b−1)」という。)41.3g、メチルトリエトキシシラン22.4g、4−メチル−2−ペンタノン100g、1.75重量%蓚酸水溶液23.0gを仕込み、撹拌しつつ、60℃で6時間反応させたのち、反応容器を氷冷して、反応を停止させた。その後、反応溶液を分液ロートに移して、水層を廃棄し、さらにイオン交換水を加えて水洗して、反応溶液が中性になるまで水洗を繰り返したのち、その有機層のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)測定を行った。その結果、不純物を除く樹脂の重量平均分子量は1860で、得られた樹脂中の各シラン化合物の含有率は、シラン化合物(a−1)が1.8重量%、シラン化合物(b−1)が1.5重量%、メチルトリエトキシシランが0.2重量%であった。
次いで、この不純物を含む樹脂を4−メチル−2−ペンタノンに、濃度が50重量%となるように濃縮して、樹脂溶液を調製した。この濃度は、樹脂溶液1gを入れたアルミ皿を、180℃に加熱したホットプレート上で1時間焼成したときの重量変化量から換算して算出した。
Figure 2005126592
合成例2(ポリシロキサン溶液の調製)
撹拌機、還流冷却器、温度計を装着した3つ口フラスコに、下記式(a−2)で表されるシラン化合物(以下、「シラン化合物(a−2)」という。)40.8g、下記式(b−2)で表されるシラン化合物(以下、「シラン化合物(b−2)」という。)36.4g、メチルトリエトキシシラン22.8g、4−メチル−2−ペンタノン100g、1.75重量%蓚酸水溶液23.5gを仕込み、撹拌しつつ、60℃で6時間反応させたのち、反応容器を氷冷して、反応を停止させた。その後、反応溶液を分液ロートに移して、水層を廃棄し、さらにイオン交換水を加えて水洗して、反応溶液が中性になるまで水洗を繰り返したのち、その有機層のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)測定を行った。その結果、不純物を除く樹脂の重量平均分子量は1950で、得られた樹脂中の各シラン化合物の含有率は、シラン化合物(a−2)が2.2重量%、シラン化合物(b−2)が1.5重量%、メチルトリエトキシシランが0.2重量%であった。
次いで、この不純物を含む樹脂を4−メチル−2−ペンタノンに、濃度が50重量%となるように溶解して、樹脂溶液を調製した。この濃度は、合成例1と同様にして算出した。
Figure 2005126592
実施例1
合成例1で調製した樹脂溶液50gにメタノール250gを添加し、攪拌しつつ混合して、均一溶液としたのち、溶液を分液ロートに移して、n−ヘプタン300gを投入しところ、2相に分離した。その後、この相分離した液体を2分間激しく攪拌したのち、室温で30分間放置した。その後、下層を分取して、再度分液ロートに移し、これに再度n−ヘプタン300gを投入して、相分離した液体を2分間激しく攪拌したのち、室温で30分間放置した。その後、下層を分取してナスフラスコに移し、溶液を濃縮しながら、溶剤を4−メチル−2−ペンタノンに置換した。この溶液の濃度を合成例1と同様にして算出し、樹脂回収率を算出した。またゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)測定を行って、回収樹脂中の不純物除去率を算出した。その結果を表1に示す。
実施例2
合成例1で調製した樹脂溶液50gにプロピレングリコールモノメチルエーテル250gおよびイオン交換水25gを添加し、攪拌しつつ混合して、均一溶液としたのち、溶液を分液ロートに移して、n−ヘプタン300gを投入しところ、2相に分離した。その後、この相分離した液体を2分間激しく攪拌したのち、室温で30分間放置した。その後、下層を分取して、再度分液ロートに移し、これに再度n−ヘプタン300gを投入して、相分離した液体を2分間激しく攪拌したのち、室温で30分間放置した。その後、下層を分取してナスフラスコに移し、溶液を濃縮しながら、溶剤を4−メチル−2−ペンタノンに置換した。この溶液の濃度を合成例1と同様にして算出し、樹脂回収率を算出した。またゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)測定を行って、回収樹脂中の不純物除去率を算出した。その結果を表1に示す。
比較例1
合成例1で調製した樹脂溶液50gを減圧濃縮後、γ−ブチロラクトン25gを添加し、得られた溶液をイオン交換水300gに投入して、樹脂を凝固沈殿させ、沈殿した樹脂を回収した。その後、得られた樹脂をγ−ブチロラクトン25gに溶解し、再度イオン交換水300gに投入して、樹脂を凝固沈殿させた。その後、混合物をデカンテーションして、樹脂を回収したのち、減圧乾燥後の重量から樹脂回収率を算出した。またゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)測定を行って、回収樹脂中の不純物除去率を算出した。その結果を表1に示す。
実施例3
合成例2で調製した樹脂溶液50gにメタノール250gを添加し、攪拌しつつ混合して、均一溶液としたのち、溶液を分液ロートに移して、n−ヘプタン300gを投入しところ、2相に分離した。その後、この相分離した液体を2分間激しく攪拌したのち、室温で30分間放置した。その後、下層を分取して、再度分液ロートに移し、これに再度n−ヘプタン300gを投入して、相分離した液体を2分間激しく攪拌したのち、室温で30分間放置した。その後、下層を分取してナスフラスコに移し、溶液を濃縮しながら、溶剤を4−メチル−2−ペンタノンに置換した。この溶液の濃度を合成例1と同様にして算出し、樹脂回収率を算出した。またゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)測定を行って、樹脂回収率および回収樹脂中の不純物除去率を算出した。その結果を表1に示す。
実施例4
合成例2で調製した樹脂溶液50gにプロピレングリコールモノメチルエーテル250gおよびイオン交換水25gを添加し、攪拌しつつ混合して、均一溶液としたのち、溶液を分液ロートに移して、n−ヘプタン300gを投入しところ、2相に分離した。その後、この相分離した液体を2分間激しく攪拌したのち、室温で30分間放置した。その後、下層を分取して、再度分液ロートに移し、これに再度n−ヘプタン300gを投入して、相分離した液体を2分間激しく攪拌したのち、室温で30分間放置した。その後、下層を分取してナスフラスコに移し、溶液を濃縮しながら、溶剤を4−メチル−2−ペンタノンに置換した。この溶液の濃度を合成例1と同様にして算出し、樹脂回収率を算出した。またゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)測定を行って、樹脂回収率および回収樹脂中の不純物除去率を算出した。その結果を表1に示す。
比較例2
合成例2で調製した樹脂溶液50gを減圧濃縮後、γ−ブチロラクトン30gを添加して、得られた溶液をイオン交換水300gに投入して、樹脂を凝固沈殿させ、沈殿した樹脂を回収した。その後、得られた樹脂をγ−ブチロラクトン25gに溶解し、再度イオン交換水300gに投入して、沈殿した樹脂を回収した。その後、得られた樹脂をγ−ブチロラクトン25gに溶解し、再度イオン交換水300gを投入して、樹脂を凝固沈殿させた。その後、混合物をデカンテーションして、樹脂を回収したのち、減圧乾燥後の重量から樹脂回収率を算出した。またゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)測定を行って、回収樹脂中の不純物除去率を算出した。その結果を表1に示す。
Figure 2005126592

Claims (4)

  1. ポリスチレン換算重量平均分子量が1,000以上のポリシロキサン、または該ポリシロキサンをエタノールの溶解度(25℃)が100g/100g以上の溶剤(α)〔但し、炭素数1〜3の1価もしくは多価の脂肪族アルコールおよび炭素数1〜10の多価の脂肪族アルコールの遊離水酸基含有アルキルエーテル(但し、アルキル基の炭素数は1〜10である。)を除く。〕に溶解した溶液を、炭素数1〜3の1価もしくは多価の脂肪族アルコールの群から選ばれる少なくとも1種からなる溶剤(イ)と混合して、溶剤(イ)を含む溶剤中のポリシロキサンの溶液を調製したのち、該溶液に炭素数5〜10の炭化水素の群から選ばれる少なくとも1種を添加して混合することにより相分離させ、その後溶剤(イ)を媒体とする層から精製ポリシロキサンを回収することを特徴とするポリシロキサンの精製方法。
  2. ポリスチレン換算重量平均分子量が1,000以上のポリシロキサン、または該ポリシロキサンをエタノールの溶解度(25℃)が100g/100g以上の溶剤(α)〔但し、炭素数1〜3の1価もしくは多価の脂肪族アルコールおよび炭素数1〜10の多価の脂肪族アルコールの遊離水酸基含有アルキルエーテル(但し、アルキル基の炭素数は1〜10である。)を除く。〕に溶解した溶液を、炭素数1〜10の1価もしくは多価の脂肪族アルコールおよび炭素数1〜10の多価の脂肪族アルコールの遊離水酸基含有アルキルエーテル(但し、アルキル基の炭素数は1〜10である。)の群から選ばれる少なくとも1種と水との混合物からなり、水の含有率が0.001〜50重量%である溶剤(ロ)と混合して、溶剤(ロ)を含む溶剤中のポリシロキサンの溶液を調製したのち、該溶液に炭素数5〜10の炭化水素の群から選ばれる少なくとも1種を添加して混合することにより相分離させ、その後溶剤(ロ)を媒体とする層から精製ポリシロキサンを回収することを特徴とするポリシロキサンの精製方法。
  3. ポリシロキサンが下記式(I)で表される構造単位を有する樹脂である、請求項1または請求項2に記載のポリシロキサンの精製方法。
    Figure 2005126592
    〔式(I)において、Rは炭素数1〜20の1価の炭化水素基または原子数3〜20の1価の複素環式基を示し、該1価の炭化水素基および1価の複素環式基はそれぞれ置換されていてもよい。〕
  4. ポリシロキサンが下記式(II)で表される構造単位、下記式(III)で表される構造単位および下記式(IV)で表される構造単位の群から選ばれる少なくとも1種を有する樹脂である、請求項1または請求項2に記載のポリシロキサンの精製方法。
    Figure 2005126592
    〔式(II)において、R1 は炭素数1〜20の2価の炭化水素基または原子数3〜20の2価の複素環式基を示し、該2価の炭化水素基および2価の複素環式基はそれぞれ置換されていてもよく、R2 は水素原子または1価の酸解離性基を示す。〕
    Figure 2005126592
    〔式(III)において、R3 は炭素数1〜20の(c+1)価の炭化水素基または原子数3〜20の(c+1)価の複素環式基を示し、該(c+1)価の炭化水素基および(c+1)価の複素環式基はそれぞれ置換されていてもよく、R4 は水素原子または1価の酸解離性基を示し、aおよびbは相互に独立に0〜3の整数であり、cは1または2である。〕
    Figure 2005126592
    〔式(IV) において、R5 は炭素数3〜20の3価の炭化水素基または原子数3〜20の3価の複素環式基を示し、該3価の炭化水素基および3価の複素環式基はそれぞれ置換されていてもよく、R6 は水素原子、フッ素原子、炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基または炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状のフルオロアルキル基を示し、
    7 は水素原子または1価の酸解離性基を示す。〕
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