JP2008053460A - タンタル酸化物膜の成膜方法。 - Google Patents

タンタル酸化物膜の成膜方法。 Download PDF

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Abstract

【課題】薄膜トランジスタのゲート絶縁膜として好適に使用される信頼性の高い金属酸化物の薄膜を効率よく成膜することができる成膜方法を提供することを目的とする。
【解決手段】酸素ガスを含む雰囲気下でタンタルを含むターゲット2を用いてスパッタすることにより、基板表面にタンタル酸化物膜を成膜するタンタル酸化物膜の成膜方法において、複数のカソードを用い、それぞれのカソードにパルス電圧を交互に印加してスパッタすると共に、スパッタ時に放電の発光波長と発光強度をモニタリングし、プラズマ中のタンタル元素密度に応じて成膜条件を制御することを特徴とするタンタル酸化物膜の成膜方法を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、薄膜トランジスタのゲート絶縁膜の成膜に好適なタンタル酸化物膜の成膜方法に関し、更に詳述すると耐電特性に優れ、トランジスタのゲート絶縁膜として信頼性の高いタンタル酸化物膜を得ることができるタンタル酸化物膜の成膜方法に関する。
TFT素子などのトランジスタは、通常基板上に設けられたゲート電極、ソース電極、ドレン電極の各電極間をゲート絶縁膜で絶縁すると共に、上記ソース電極とドレン電極との間にチャネル層を形成した構造となっている。
近年、このような薄膜トランジスタにおいては、従来からのSiO2だけでなく、高い誘電率を有するTa酸化物やHf酸化物、Y酸化物などを上記ゲート絶縁膜として用いる試みがなされている(例えば、下記特許文献1、非特許文献1)。
しかし、これらの絶縁膜を形成する方法としては、スパッタ法が一般的であるが、スパッタリングにより得られたこれらTa酸化物膜やHf酸化物膜、Y酸化物膜は、耐電特性が不十分でトランジスタのゲート絶縁膜としては、信頼性に乏しいものであった。その原因の1つは、含有酸素量が十分に最適化されていないことが挙げられ、この含有酸素量が不適切であると、酸素欠損や過剰酸素によってキャリアの発生や結晶欠陥が生じ、それらが絶縁破壊の起因となる。
このため、スパッタ法によって金属酸化物膜をゲート絶縁膜として成膜する場合には、導入酸素量の最適化を厳密に行う必要がある。
また、このような薄膜トランジスタを低コストで作製する場合には、これらの金属酸化物膜を高速で成膜する必要もある。この場合、従来から金属酸化物の薄膜は、金属ターゲットを用いたDC反応性スパッタ法やセラミックスターゲットを用いたRFスパッタ法、パルスレーザー蒸着法などの物理的気相成長法を用いて作成されているが、これらの方法は成膜速度が遅く、工業的に十分な生産性を得ることは困難である。
特開2002−134500 Jpn.J Appl.Phys.,Part1,Vol.43,no1.pp372−377(2004)
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、薄膜トランジスタのゲート絶縁膜として好適に使用される信頼性の高い金属酸化物の薄膜を効率よく成膜することができる成膜方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、Taを含むターゲットを用いて酸素を含む雰囲気下でスパッタすることにより、Ta酸化物膜を成膜する際に、複数のカソードを用い、それぞれのカソードにパルス電圧を印加するマルチカソードマグネトロンスパッタ法により成膜を行うことにより、ターゲットに大電流を流して高速で成膜を行っても、安定的な成膜を行うことができ、十分な生産性をもってTa酸化物膜を成膜し得ることを見出した。
即ち、通常の方法でスパッタを行う場合には、単純に成膜レートを上げるために大電力を印加することはできない。その理由は、酸素ガスによってTaターゲット表面の酸化が進み、このため大電力の印加によってターゲットが容易にチャージアップしてアーキングが発生するためである。しかしながら、少なくとも2以上のカソードに一定の周期で交互に電圧が印加されるようにパルス電圧の印加を行うことにより、大電流を印加して成膜レートを向上させても異常放電の発生を効果的に抑制し得、安定した長期の放電が可能となり、ダメージの少ない高品質のTa酸化物膜を生産性よく成膜することができることを見出したものである。
そして、得られるTa酸化物膜についてゲート絶縁膜としての信頼性を向上させるため更に検討を進めた結果、上記マルチカソードマグネトロンスパッタ法により成膜を行う際に、プラズマの発光波長と発光量をモニタリングし、プラズマ中のTa元素密度から導入する酸素ガス流量や印加するパルス電圧の電力量、Duty比などを制御する、所謂PEM(Plasma Emission Monitor)コントロールを実施することにより、スパッタの進行に伴って変化するターゲットの状態にかかわらず、得られるTa酸化物膜の含有酸素量を所定の値に良好に制御することができ、高品質で信頼性の高いTa酸化物膜を確実に得ることができることを見出した。
即ち、スパッタに伴ってターゲットの消耗が進むにつれて成膜レートが変化するため、例えば酸素ガス流量の適正値は経時的に変化する。そのため、単純に流量計を用いて酸素ガス導入量を制御する従来の方法では、得られるTa酸化物膜中の酸素量を安定的に制御することは難しい。しかしながら、成膜時にプラズマの発光波長と発光量をモニタリングしてプラズマ中のTa元素密度をリアルタイムで監視し、その元素密度に応じて酸素ガス流量やパルス電流の電力量、Duty比などの成膜条件を制御することにより、変化するターゲットの状態に応じて、成膜条件を所望の膜組成が得られる好適な条件に制御しながらスパッタを行うことができ、金属組成比や酸化数を所定値に確実に制御してゲート絶縁膜として高品質で信頼性の高いTa酸化物膜を確実に得ることができることを見出し、本発明を完成したものである。
従って、本発明は、酸素ガスを含む雰囲気下でタンタルを含むターゲットを用いてスパッタすることにより、基板表面にタンタル酸化物膜を成膜するタンタル酸化物膜の成膜方法において、複数のカソードを用い、それぞれのカソードにパルス電圧を交互に印加してスパッタすると共に、スパッタ時に放電の発光波長と発光強度をモニタリングし、プラズマ中のタンタル元素密度に応じて成膜条件を制御することを特徴とするタンタル酸化物膜の成膜方法を提供する。
本発明の成膜方法によれば、薄膜トランジスタのゲート絶縁膜として好適に使用される信頼性の高いタンタル酸化物の薄膜を生産性よく成膜することができる。
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明の成膜方法は、上記のように、Taを含むターゲットを用い、酸素ガスを含む雰囲気下で、複数のカソードに交互にパルス電圧を印加してスパッタすることにより、Ta酸化物膜を成膜するものである。
例えば、図1に示したように、Taを含む2枚のターゲット2,2をチャンバー1内に配置して、チャンバー1内を酸素ガスを含む雰囲気に調整し、同図中にグラフで示したように、これらターゲット2,2に第1カソード3,第2カソード4を介してそれぞれパルス電流を印加して、両ターゲット2,2に第1,2カソード3,4を介して交互に電圧が印加されるように電圧印加を行い、チャンバー1内に配置した基板5上にTa酸化物膜を形成するものである。
ここで、上記ターゲット2としては、上記のようにTaを含むものであり、例えばTa金属板やタンタル酸化物のセラミックスターゲットなどを用いることができる。
このターゲット2は、通常は隣り合うようにして上記基板5から均等に配置される。また、ターゲット2は3枚以上とすることもできる。更に、各ターゲットの大きさや形状は同一であることが好ましい。
ここで、通常スパッタは、マグネトロンスパッタ方式が採用され、電圧印加を行うカソード電極3,4上に上記ターゲット2が配置され、その電極の下方に磁石が配置される。
上記第1カソード3及び第2カソード4には、パルス電圧を交互に印加するが、この場合パルス電圧は単一のパルスであってもよいが、図1にグラフで示したように、パルスパケットを交互に印加することが好ましく、パルスパケット状の電圧を印加することにより、単一パルスの場合に比べてより大電流を流すことができ、より安定的に高速成膜を行うことが可能となる。
このパルス電圧の周波数、電力、Duty比、パルス幅などは、ターゲット2の体積、チャンバー1の内容積、必要とする成膜速度等に応じて設定されるが、通常、周波数は1kHz〜1MHz、特に10k〜200kHzであることが好ましい。また、パルス電力は1〜20W/cm2、特に5〜15W/cm2であることが好ましく、パルス電力が5W/cm2未満、特に1W/cm2に満たないと成膜速度が遅くなってしまい、逆に15W/cm2超、特に15W/cm2を超えると大電力のために放電が安定しないという不都合か生じる場合がある。更に、パルス電圧のDuty比は、成膜条件を一定に保つために通常は、交互に印加される第1カソード3と第2カソード4とを50:50とするが、ターゲットの状態などによってはこのDuty比を変化させることもできる。この場合そのDuty比は、特に制限されるものではないが、10:30〜90:10の範囲とすることが好ましい。また更に、パルス幅は、特に制限されるものではないが、通常0.005〜0.1msecとすることが好ましい。
ここで、特に制限されものではないが、上記第1及び第2カソード3,4には、それぞれ上記パルス電圧印加のオフ時に正のバイアス電圧を印加することもでき、これによりターゲットのチャージアップを防止して、アーキングの発生を効果的に防止することができる。この場合のバイアス電圧は、特に制限されるものではないが、1V〜50Vの電圧が瞬間的にターゲットに印加されるように設定することが好ましい。
次に、チャンバー1内には、酸素ガスが不活性ガスと共に導入される。この場合酸素ガスの流量は、チャンバー1の大きさや排気用ポンプの能力、排気バルブの調節などに応じて適宜設定され特に制限されるものではないが、通常、1〜100sccmとされ、この範囲で目的とするTa酸化物膜が得られるように酸素ガス流量をコントロールすればよい。なお、上記不活性ガスとしては、特に制限されるものではないが、アルゴンガスが好ましく用いられる。
ここで、上記チャンバー1内を上記酸素ガスを含む雰囲気に調整する場合、まず真空ポンプでチャンバー1内を真空にした後、酸素ガスとアルゴンガス等の不活性ガスとの混合ガスをチャンバー1内に導入するが、この場合の到達真空度は、特に制限されるものではないが、1×10-5〜1×10-2Pa、特に1×10-4〜1×10-3Paとすることが好ましく、また酸素ガス/不活性ガス雰囲気に置換した後の成膜時の圧力は0.05〜5Pa、特に0.1〜3Paであることが好ましい。
上記基板5としては、特に制限はなく、スパッタリングによる半導体膜の形成に用いられる公知の基板を使用することができ、例えば、ケイ酸アルカリ系ガラス、無アルカリガラス、石英ガラス、ITOガラス等のガラス類を使用することができる。また、アクリル樹脂等の種々のプラスチック基板を使用することもでき、更にはポリエチレンテレフタレート(PET)などの高分子フィルムを基板として用いることも可能である。この基板の厚さは、特に制限されるものではないが、通常は10μm〜5mm、特に100μm〜3mmであることが好ましく、またガラス基板を用いる場合には、化学的或いは熱的に強化したものであることが好ましい。
このように、チャンバー1内を酸素ガスを含む雰囲気に調整し、複数(図1では2枚)のターゲット2,2に、それぞれカソード3,4を介して上記パルス電圧を交互に印加することにより、Ta酸化物膜が上記基板5上に形成される。この場合、このTa酸化物膜は、5nm〜5μm、特に10nm〜1μmの厚さに成膜することが可能であり、1〜100nm/min.の成膜速度を達成することができる。
ここで、本発明では、図1に示したように、上記スパッタによる成膜操作を行う際に、Taの発光波長と発光量をモニタリングしてプラズマ中のTa元素密度から、酸素ガス流量などの成膜条件を制御する、所謂PEM(Plasma Emission Monitor)コントロールを実施する。この場合、上記モニタリングは、公知のプラズマエミッションモニター6を用いて行えばよい。
このPEM(Plasma Emission Monitor)コントロールにより制御する成膜条件としては、酸素ガス流量、パルス電圧のDuty比やパルス幅、印加電力、成膜時の圧力などがあげられるが、特に酸素ガス流量は得られるTa酸化物膜の物性や性能に大きく影響するため、この酸素ガス流量をこのPEMコントロールによって適正に制御することが好ましい。
即ち、酸素の供給量がプラズマ中のTa密度に対して過剰であるとターゲット表面が過剰に酸化されて成膜速度が非常に遅くなり、一方酸素量が不足するとターゲット表面が酸化されずに成膜が行われ、その結果Ta酸化物膜中の酸素量が不足して所望の抵抗値が得られなかったり、耐電圧性能が低くなって本発明の目的を達成し得なくなる。そして、ターゲットの状態はスパッタによって変化するため、このターゲットから放出されるプラズマ中のTa密度も変化し、供給酸素との量的関係が変化して安定的に成膜を行うことが困難になる。そこで、上記PEMコントロールによってプラズマ中のTa密度をモニターして酸素ガス流量をコントロールすることにより、常に適切な量の酸素を導入して適切な酸素量のTa酸化物膜を安定的に得ることが可能となる。
なお、具体的な酸素導入量は、ターゲットの種類や状態、印加電圧やそのパルス幅などの成膜条件によって異なり、特に制限されるものではない。例えば、後述する実施例での実験では酸素ガスを全く導入しないときのTa発光強度を100%として35〜30%の発光強度が得られるように酸素ガス導入量を調整することにより、良好な耐電圧性能を有するTa酸化物膜が得られた。このように、酸素ガスを全く導入しないときのTa発光強度を100%として所定の割合の発光強度が常に得られるように酸素ガス導入量を調整すればよい。これにより、同じ装置で成膜を行う限り、この所定条件に従うことによってターゲットの状態によらず、再現性よく均一品質の皮膜を得ることができるものである。
ここで、パルス電圧のDuty比や印加電力のコントロールは、ターゲット2から放出されるTaの量を変化させることができ、上記酸素ガス流量と共にパルス電圧のDuty比や印加電力をコントロールすることにより、より適切な成膜条件の制御を行うことが可能となる。また、ゲート絶縁膜としてTa酸化物膜を用いる場合、アモルファス膜であっても平坦性の高い均一な膜であることが望ましいが、成膜時にパルス電圧のパルス幅や成膜時の圧力を変化させることにより、得られるTa酸化物膜の成膜性をコントロールすることが可能であり、これにより得られる膜の均一性を向上させることができる。更には、成膜時の基板加熱を併用することもでき、これにより膜の均一性をより一層向上させることもできる。
このように、Taを含むターゲットを用い、酸素ガスを含む雰囲気下で、複数のカソードに交互にパルス電圧を印加してスパッタすると共に、スパッタ中にTaの発光波長と発光量をモニタリングして、プラズマ中のTa元素密度から酸素ガス流量などの成膜条件を制御することにより、含有金属組成や含有酸素量が所望の値に制御された信頼性の高いTa酸化物膜を生産性よく成膜することができ、薄膜トランジスタのゲート絶縁膜として好適に使用される信頼性の高いタンタル酸化物膜を効率よく得ることができる。
なお、本発明の成膜方法で得られるタンタル酸化物膜は、上記のように薄膜トランジスタのゲート絶縁膜として好適に使用されるが、その用途はこれに限定されるものではなく、例えば表面保護膜やパッシベーション膜、半絶縁膜などの種々の用途に用いることができる。この場合、上記酸素ガス流量を調節して得られるタンタル酸化物膜中の酸素量を調節することにより、用途に応じて得られるタンタル酸化物膜の抵抗値を調節すればよい。
以下、実施例,比較例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
[実施例]
図1に示したスパッタリング装置を用い、2枚のTa金属板(100atm%、150mm×300mm)をターゲット2,2とし、チャンバー1内を酸素ガスとアルゴンガスとの混合ガス雰囲気に調整し、カソード電極3,4に交互にパルス電流を印加して下記条件でデュアルカソードマグネトロンスパッタを行い、ITOガラス基板上にタンタル酸化物膜を成膜した。このとき、プラズマエミッションモニター6によりTaイオンの発光をモニターし、酸素を全く導入しないときのTa発光強度を100%として発光強度が所定値になるように上記酸素ガスの導入量を制御しながらスパッタを行った。
成膜条件
到達真空度:5.0×10-4Pa
成膜時圧力:1.0Pa
パルス周波数:50kHz
パルスのDuty比:第1ターゲット/第2ターゲット=50/50
印加電力:約1000W/各ターゲット
パルス幅:0.02msec
成膜中にアーキングなどの異常放電は全く観察されず、長時間に亘って安定な状態を維持しながらスパッタを行うことができた。成膜後に得られた薄膜の膜厚を測定し、成膜速度を計算したところ、成膜速度は、発光強度が20%となるように酸素ガス流量を調整した場合で、20nm/min以上を確保し得ることが確認され、良好な生産性を有することが認められた。また、得られた薄膜のXRD構造回析を行った結果、得られた薄膜がアモルファス状態であることが確認された。
上記スパッタによるタンタル酸化物膜の成膜操作を様々な酸素導入条件で行って、タンタル酸化物膜を成膜した(厚さは全て約300μm)。得られた各タンタル酸化物膜上に1mmφの金のドットを成膜し、この金ドットとITOガラス基板との間に直流電圧を印加して、膜の耐電加圧を測定した。結果を図2に示す。
図2に示した結果から、Taの発光強度が35〜30%となるように酸素ガス流量を調整して得られたタンタル酸化物膜が、良好な耐電圧性能を示すことが認められる。そして、本実施例の成膜方法により、Taの発光強度が35〜30%となるように酸素ガス流量を調整してタンタル酸化物膜を成膜することによって、絶縁破壊電圧60Vを超える良好な耐電圧性能を有するTa酸化物膜が得られ、薄膜トランジスタのゲート絶縁膜として好適に使用し得る良好な耐電圧性能を示すタンタル酸化物膜を生産性よく成膜し得ることが確認された。
[比較例1]
ターゲットとしてTa金属板(100atm%、75mmφ)を一枚のみ用い、下記条件で通常のDC反応性スパッタを行って、ITOガラス基板上にタンタル酸化物膜を成膜した。
成膜条件
到達真空度:5.0×10-4Pa
成膜時圧力:1.0Pa
成膜時ガス流量:Ar/O2=80/20sccm
印加電力:約200W
成膜時の様子を観察すると、アーキングが発生しているのが確認された。また、成膜速度は約0.5nm/minで、生産性の劣るものであった。更に、実施例と同様にして耐電圧を測定したところ、約5Vであり耐電圧性能が大きく劣るものであった。
本発明の成膜方法を説明する概略図である。 実施例で行った成膜実験で得られたタンタル酸化物膜の耐電圧と酸素導入量(Ta発光強度)との関係を示すグラフである。
符号の説明
1 チャンバー
2 ターゲット
3,4 カソード
5 基板
6 プラズマエミッションモニター

Claims (5)

  1. 酸素ガスを含む雰囲気下でタンタルを含むターゲットを用いてスパッタすることにより、基板表面にタンタル酸化物膜を成膜するタンタル酸化物膜の成膜方法において、複数のカソードを用い、それぞれのカソードにパルス電圧を交互に印加してスパッタすると共に、スパッタ時に放電の発光波長と発光強度をモニタリングし、プラズマ中のタンタル元素密度に応じて成膜条件を制御することを特徴とするタンタル酸化物膜の成膜方法。
  2. 上記元素密度に応じて上記雰囲気中に導入する酸素ガス量をコントロールして、成膜条件を制御する請求項1記載のタンタル酸化物膜の成膜方法。
  3. 酸素ガスを全く導入しないときのTaの発光強度を100%として、Taの発光強度が所定の割合となるように酸素ガス導入量をコントロールしながらスパッタを行う請求項2記載のタンタル酸化物膜の成膜方法。
  4. 酸素ガス流量と共に、上記カソードに印加するパルス電圧のDuty比及び印加電力のいずれか一方又は両方を制御して成膜を行う請求項2又は3記載のタンタル酸化物膜の成膜方法。
  5. パルス電圧が印加されるカソードに、電圧オフ時に正のバイアス電圧を印加してターゲットに僅かに正の電圧を印加する請求項1〜4のいずれか1項に記載のタンタル酸化物膜の成膜方法。
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