JP2007308727A - 結晶性薄膜の成膜方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シングルカソードパルススパッタリング法による薄膜の成膜方法において、ターゲット電極に印加する印加電力のデューティ比を60%以下とする。又、デュアルカソードパルススパッタリング法による薄膜の成膜方法において、2つのターゲット電極にそれぞれ印加する印加電力のデューティ比を40%以下とする。
【効果】シングルカソードパルススパッタリング法、又はデュアルカソードパルススパッタリング法において、低温あるいは無加熱の基板上へ結晶性薄膜を形成することができる。
【選択図】図2
Description
[1]シングルカソードパルススパッタリング法による薄膜の成膜方法において、ターゲット電極に印加する印加電力のデューティ比を60%以下としたことを特徴とする結晶性薄膜の成膜方法。
[2]1パルスに対応するピーク電流が、同一印加電力密度におけるデューティ比80%の場合のピーク電流値の1.5倍以上であることを特徴とする[1]記載の結晶性薄膜の成膜方法。
[3]ターゲット電極に印加する印加電力の周波数が1〜200kHzであることを特徴とする[1]又は[2]記載の結晶性薄膜の成膜方法。
[4]2つのターゲット電極に交互に電力を印加するデュアルカソードパルススパッタリング法による薄膜の成膜方法において、前記2つのターゲット電極にそれぞれ印加する印加電力のデューティ比を40%以下としたことを特徴とする結晶性薄膜の成膜方法。
[5]1パルスに対応するピーク電流が、同一印加電力密度におけるデューティ比45%の場合のピーク電流値の1.3倍以上であることを特徴とする[4]記載の結晶性薄膜の成膜方法。
[6]ターゲット電極に印加する印加電力の周波数が1〜200kHzであることを特徴とする[4]又は[5]記載の結晶性薄膜の成膜方法。
[7]結晶性薄膜材料が酸化物、窒化物、酸窒化物、炭化物、ホウ化物、金属、半導体から選ばれる1種又は2種以上からなる無機化合物を含む[1]乃至[6]のいずれか1項記載の結晶性薄膜の成膜方法。
[8]結晶性薄膜を形成する基板がプラスチックフィルムである[1]乃至[7]のいずれか1項記載の結晶性薄膜の成膜方法。
デューティ比=[オン時間/(オン時間+オフ時間)]×100(%)
と表され、このデューティ比を60%以下にすることで、結晶性の薄膜を形成し得るものである。
デューティ比(A)=[Xa/(Xa+Ya)]×100(%)
デューティ比(B)=[Xb/(Xb+Yb)]×100(%)
(Xa:カソードAのオン時間、Ya:カソードAのオフ時間)
(Xb:カソードBのオン時間、Yb:カソードBのオフ時間)
において、それぞれのカソードでのデューティ比を40%以下とすることにより、結晶性薄膜が形成されるものである。
図5において、11は基板であり、その上に薄膜層12が設けられている。なお、図には示さないが、必要に応じて基板11と薄膜層12の間に下地層を設け、両者を隔絶しても良い。
なお、上記基板11の厚さは、25μm〜5mmが一般的であり、25μm〜3mmが好適に用いられる。
これらのスパッタリング法は、不活性ガスの存在下で行うか、又は不活性ガス及び酸素ガス等の反応性ガスの存在下で行うことができる。
その際、1周期中のオンの時間の比率であるデューティ比を低下させることにより、瞬間的に大きな放電電流が流れ、それに伴いプラズマ中の活性粒子密度が向上し、結晶性の高い薄膜層が得られる。
バイポーラ型デュアルカソードパルススパッタリング装置の2つのカソードにそれぞれTiターゲット(放電面積270cm2/1個)を設置し、基板として石英ガラスをセットし、一旦、5×10-4Paまで真空引きした後に、装置内にArガスを導入して、0.5Paとし、電力3kW、デューティ比20%のパルス電力を50kHzの周波数でそれぞれ交互に各ターゲット電極に印加し、反応性ガスとして酸素ガスを用いて反応性パルススパッタリングを行った。この場合のパルス電圧、電流値を図6(a),(b)に示す。反応性ガスはプラズマの発光をモニタリングし、500nmの発光強度がArのみでスパッタした場合の約20%の強度となるようにフィードバック制御して酸素を導入し、二酸化チタン薄膜を無加熱の基板上に200nmになるまで成膜させた。この薄膜を公知のX線回折法に基づき分析した結果、図7に示したように二酸化チタン結晶に帰属する回折ピークが認められたことから、結晶性薄膜であることを確認した。
バイポーラ型デュアルカソードパルススパッタリング装置の2つのカソードにそれぞれTiターゲット(放電面積270cm2/1個)を設置し、基板として石英ガラスをセットし、一旦、5×10-4Paまで真空引きした後に、装置内にArガスを導入して、0.5Paとし、電力3kW、デューティ比45%のパルス電力を50kHzの周波数でそれぞれ交互に各ターゲット電極に印加し、反応性ガスとして酸素ガスを用いて反応性パルススパッタリングを行った。この場合のパルス電圧、電流値を図8(a),(b)に示す。反応性ガスはプラズマの発光をモニタリングし、500nmの発光強度がArのみでスパッタした場合の約20%の強度となるようにフィードバック制御して酸素を導入し、二酸化チタン薄膜を無加熱の基板上に200nmになるまで成膜させた。この薄膜を公知のX線回折法に基づき分析した結果、図9に示したようにブロードパターンのみが認められたことから、アモルファス薄膜であることを確認した。
シングルカソードパルススパッタリング装置のカソードにTiターゲット(放電面積270cm2)を設置し、基板として石英ガラスをセットし、一旦、5×10-4Paまで真空引きした後に、装置内にArガスを導入して、0.5Paとし、電力2kW、デューティ比40%のパルス電力を80kHzの周波数でターゲット電極に印加し、反応性ガスとして酸素ガスを用いて反応性パルススパッタリングを行った。反応性ガスはプラズマの発光をモニタリングし、500nmの発光強度がArのみでスパッタした場合の約20%の強度となるようにフィードバック制御して酸素を導入し、二酸化チタン薄膜を無加熱の基板上に200nmになるまで成膜させた。この薄膜を公知のX線回折法に基づき分析した結果、実施例1と同様に二酸化チタン結晶に帰属する回折ピークが認められたことから、結晶性薄膜であることを確認した。
シングルカソードパルススパッタリング装置のカソードにTiターゲット(放電面積270cm2)を設置し、基板として石英ガラスをセットし、一旦、5×10-4Paまで真空引きした後に、装置内にArガスを導入して、0.5Paとし、電力2kW、デューティ比80%のパルス電力を80kHzの周波数でターゲット電極に印加し、反応性ガスとして酸素ガスを用いて反応性パルススパッタリングを行った。反応性ガスはプラズマの発光をモニタリングし、500nmの発光強度がArのみでスパッタした場合の約20%の強度となるようにフィードバック制御して酸素を導入し、二酸化チタン薄膜を無加熱の基板上に200nmになるまで成膜させた。この薄膜を公知のX線回折法に基づき分析した結果、比較例1と同様にブロードパターンのみが認められたことから、アモルファス薄膜であることを確認した。
12 薄膜層
Claims (8)
- シングルカソードパルススパッタリング法による薄膜の成膜方法において、ターゲット電極に印加する印加電力のデューティ比を60%以下としたことを特徴とする結晶性薄膜の成膜方法。
- 1パルスに対応するピーク電流が、同一印加電力密度におけるデューティ比80%の場合のピーク電流値の1.5倍以上であることを特徴とする請求項1記載の結晶性薄膜の成膜方法。
- ターゲット電極に印加する印加電力の周波数が1〜200kHzであることを特徴とする請求項1又は2記載の結晶性薄膜の成膜方法。
- 2つのターゲット電極に交互に電力を印加するデュアルカソードパルススパッタリング法による薄膜の成膜方法において、前記2つのターゲット電極にそれぞれ印加する印加電力のデューティ比を40%以下としたことを特徴とする結晶性薄膜の成膜方法。
- 1パルスに対応するピーク電流が、同一印加電力密度におけるデューティ比45%の場合のピーク電流値の1.3倍以上であることを特徴とする請求項4記載の結晶性薄膜の成膜方法。
- ターゲットに印加する印加電力の周波数が1〜200kHzであることを特徴とする請求項4又は5記載の結晶性薄膜の成膜方法。
- 結晶性薄膜材料が酸化物、窒化物、酸窒化物、炭化物、ホウ化物、金属、半導体から選ばれる1種又は2種以上からなる無機化合物を含む請求項1乃至6のいずれか1項記載の結晶性薄膜の成膜方法。
- 結晶性薄膜を形成する基板がプラスチックフィルムである請求項1乃至7のいずれか1項記載の結晶性薄膜の成膜方法。
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