JP5234773B2 - 酸化チタン膜の形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光触媒および半導体装置などにおける絶縁膜、中間膜、あるいは透明電極膜として用いられる酸化チタン膜の形成方法に関するものである。
近年では、酸化チタン膜(TiO2)が、光触媒機能を有する材料として重要性を増している。光触媒を目的とする場合、大きな面積に対して数百μm程度の厚い膜を形成する必要があり、塗布法、ゾルゲル法、PLD法、電子ビームプラズマCVD法などにより成膜が行われている(非特許文献1参照)。
一方、最近では、TiOxを用いた抵抗変化型不揮発メモリや、白金膜の酸化シリコン基板への密着性を確保する際の中間層に用いることができることについて報告されている。また、ニオブをドープした酸化チタン膜が、透明導電膜として有望なことが報告されている。これらのような電子デバイスおよび光デバイスに応用する場合には、膜厚や膜質の分布が均一で高品質な酸化チタン膜を精度よく形成できるスパッタ法が、酸化チタン膜の形成方法として一般的と考えられる。
T. Miyata, et al., "Preparation of anatase TiO2 thin films by vacuum arc plasma evaporation", Thin Solid Films, Vol.496, pp136-140, 2006. B.-S.Jeong, et al,. "Conductivity in transparent anatase TiO2 films epitaxially grown by riactive sputtering deposition", Solid-State Electronics, Vol.47, pp.2275-2278, 2003.
しかしながら、よく知られているように、酸化チタンは金属酸化物薄膜の中でも、最もスパッタ法による成膜が困難な材料である。これは、代表的なスパッタによる酸化チタンの成膜速度(スパッタ速度)が1nm/minに満たないためである。このため、酸化チタン膜の形成には、多くの場合、スパッタ法以外の成膜方法が用いられている。
酸化チタンのスパッタ成膜の困難性は、金属状態のチタン(Ti)と酸化物状態TiO2の間でスパッタ速度が大幅に異なることに由来する。TiO2ターゲットを用いると非常に低いスパッタ速度しか得られないので、金属Tiをターゲットとして用い、酸素ガスを供給して酸素原子との反応性スパッタリングを利用することになる。
金属Tiをターゲットとした反応性スパッタリングでは、供給する酸素の分圧が閾値以下で、ターゲットの表面にTi原子が露出しながらスパッタされている条件では、スパッタリングは主に、Ti原子が露出している場所で発生する。これは、いわゆるメタルモードである。この状態では、参加度の低いスパッタ粒子が生成されるため、堆積される膜は、TiO2-xの組成になる(非特許文献2参照)。TiO2-x膜中には、酸素が1個程度しか結合していない金属状態に近いTi原子が含まれるため、膜は黒っぽい色を呈して透明度が低い。酸素流量を増加させると、これに伴い形成される膜の酸化度は高くなり、透明度も向上するが、やはり着色していることには変わりがない。
上述したメタルモードに対し、ある酸素流量において、ターゲット表面が完全に酸素で覆われると、急激にスパッタ速度が低下する現象が発生する。この現象の割合は、通常1桁以上であり、場合によっては2桁程度に及ぶ。この状態が、いわゆる酸化物モードである。酸化物モードのスパッタで得られる酸化チタン膜は、高い透明性を備えている。
上述したような、ターゲットの表面の状態によってスパッタ速度が極端に異なる酸化チタンのスパッタ法については、これまで様々な試みが行われてきた。高酸素流量においても、前述したメタルモードが保持できれば、高いスパッタ速度が得られる状態で、十分に酸化された膜質が得られるようになる。これを実現するためには、例えば、スパッタ領域と、酸素プラズマによりスパッタした粒子を酸化する領域とを、差動排気により分けるような装置を用いればよい。この装置において、ターゲット付近の酸素ガス圧力(分圧)を低くすることでターゲット表面の金属状態を保ってスパッタ速度を高くし、飛行してくるスパッタ粒子が基板へ到達する手前で酸化すれば、高スパッタ速度とスパッタしたTi原子の十分な酸化とが得られるようになる。
しかしながら、上述したような装置は、構造が複雑となり、高価な装置となるため、時債の生産に適用させることが容易ではない。このように、従来では、高いスパッタ速度で十分に酸化された酸化チタン膜をスパッタ法で形成することが容易ではないという問題があった。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、スパッタ法により、より簡便な装置構成で、高いスパッタ速度で十分に酸化された酸化チタン膜が形成できるようにすることを目的とする。
本発明に係る酸化チタン膜の形成方法は、内部にチタンからなるターゲットが固定された密閉可能な処理室内に膜形成対象の基板を載置する第1工程と、処理室内を真空排気する第2工程と、処理室内に不活性ガスと酸素ガスを導入して不活性ガスと酸素ガスとのプラズマを生成し、ターゲットに負のバイアスを印加してプラズマにより発生した粒子をターゲットに衝突させてスパッタ現象を起こし、酸化チタン膜を基板の表面に形成する第3工程とを少なくとも備え、第3工程では、ターゲットを加熱するようにした方法である。
上記酸化チタン膜の形成方法において、第3工程では、ターゲットと基板との距離を20cmとし、ヒータにより基板を600℃に加熱することで発生する輻射熱でターゲットを加熱するようにすればよい。また、プラズマは、電子サイクロトロン共鳴により生成されて発散磁界により運動エネルギーが与えられた電子サイクロトロン共鳴プラズマである。
以上説明したように、本発明によれば、ターゲットを加熱してスパッタするようにしたので、スパッタ法により、より簡便な装置構成で、高いスパッタ速度で十分に酸化された酸化チタン膜が形成できるようになるという優れた効果が得られる。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
[実施の形態1]
始めに、本発明の実施の形態1について説明する。図1および図2は、本発明の実施の形態における酸化チタン膜の形成方法を説明する説明図である。まず、図1に示すように、ECRスパッタ装置の、密閉可能な処理室における成膜室101の内部に膜形成対象の基板103を載置する。
ECRスパッタ装置の処理室は、成膜室101に加え、成膜室101に連通するプラズマ生成室104を備え、プラズマ生成室104には、マイクロ波供給源105により例えば2.45GHzのマイクロ波が供給可能とされている。また、プラズマ生成室104の周囲には、例えば、0.0875T(テスラ)の磁場をプラズマ生成室104内に発生させる磁気コイル106が備えられている。
また、成膜室101には、プラズマ生成室104の出口近傍を取り巻くリング状のターゲット102が配置されている。ターゲット102は、金属Tiから構成され、ターゲットバイアス印加部110により、所定のターゲットバイアス(高周波電力)が印加可能とされている。また、成膜室101内に載置される基板103は、ヒータ107により加熱可能とされている。
上述したように構成されたECRスパッタ装置の成膜室101の内部に、ターゲット102と約20cm離間させて基板103を載置した後、よく知られた排気機構(不図示)により、成膜室101の内部を所定の圧力にまで真空排気する。例えば、成膜室101の内部を、10-4〜10-5Pa台の高真空状態の圧力に減圧する。
次に、ECRスパッタ装置の処理室、例えばプラズマ生成室104に、アルゴンなどの不活性ガスおよび酸素ガスを導入して所定の真空度(圧力)とし、この状態で、磁気コイル106により2.45GHzのマイクロ波(500W程度)と0.0875Tの磁場とを供給して電子サイクロトロン共鳴条件とすることで、図2に示すように、プラズマ生成室104内にECRプラズマ111を形成させる。例えばアルゴンガスの供給流量は8sccm,酸素ガスの供給流量は1.4sccmとする。なお、sccmは流量の単位であり、0℃・1気圧の流体が1分間に1cm3流れることを示す。
上述したことにより生成されたECRプラズマは、ECRスパッタ装置の磁気コイルの発散磁場により、プラズマ生成室104から、これに連通する成膜室101の側に放出される。この状態で、プラズマ生成室104の出口に配置されたターゲット102に、例えば、13.56MHz・500Wの高周波電力(ターゲットバイアス)を供給(印加)する。このことにより、生成されているECRプラズマにより発生した粒子が、ターゲット102に衝突してスパッタリング現象が起こり、ターゲット102を構成している粒子が飛び出す状態となる。
以上のようにしてECRプラズマを生成してスパッタ状態にすると共に、ヒータ107により基板103を例えば600℃に加熱し、加熱された基板103からの輻射熱171によりターゲット102を加熱する。この状態を所定時間継続することで、加熱されたターゲット102よりスパッタされている粒子(Ti原子)141が、ECRプラズマ中の酸素イオンや酸素ラジカルなどの活性化された酸素により酸化されて基板103の上に堆積し、基板103の上に酸化チタン膜112が形成される。
上述した本実施の形態の酸化チタン膜の形成方法によれば、スパッタ速度(成膜速度)の低下を招くことなく、より高い透明度の酸化チタン膜112が得られる。
次に、上述同様のECRスパッタ装置を用い、供給する酸素ガスの量を変化させてスパッタ成膜を行う実験結果について説明する。前述同様に、アルゴンガスの供給量は8sccm一定とし、供給する酸素流量は、0.8sccmから1.5sccmまで変化させる。このときの、供給する酸素流量の変化に対する成膜速度およびターゲットセルフバイアス電位(ターゲット電圧)の変化を図3に示す。
図3から明らかなように、酸素ガス流量が1sccmを超えると、成膜速度が急激に減少する。酸素ガス流量が1sccmのときの成膜速度は4.8nm/min程度であるが、酸素ガス流量が1.1sccmのときの成膜速度は、0.2nm/min以下とゼロに近づき、成膜速度が1桁以上減少している。また、ターゲット電圧も、40V程度浅い方へシフトしている。この現象は、上述した条件においては、酸素流量が0.1sccmまではメタルモードであり、酸素流量が0.1sccmを超えると、Tiターゲットの表面がほぼ酸化された状態の酸化物モードとなり、反応性スパッタが起こりにくくなることに対応している。
次に、前述した本実施の形態のように、加熱された基板103の輻射熱171によりターゲット102を加熱した状態で、ECRスパッタ装置を用い、供給する酸素ガスの量を変化させてスパッタ成膜を行う実験結果について説明する。前述同様に、アルゴンガスの供給量は8sccm一定とし、供給する酸素流量は、0.9sccmから1.6sccmまで変化させる。このときの、供給する酸素流量の変化に対する成膜速度およびターゲットセルフバイアス電位(ターゲット電圧)の変化を図4に示す。図4から明らかなように、ターゲット102を加熱すると、成膜速度の急激な減少は、酸素ガス流量が1.4sccmを超えたところで発現するようになる。また、ターゲット電圧の急激なシフトも、酸素ガス流量が1.4sccmを超えたところで発現するようになる。言い換えると、ターゲット102の加熱により、メタルモードから酸化物モードへの遷移点が、酸素ガス流量がより多い状態の方に移動する。
また、同じ酸素流量1sccmの状態で比較すると、輻射熱171によるターゲット102の加熱を行わない場合は、ターゲット電圧が−596Vであるが、輻射熱171によるターゲット102の加熱を行う場合、ターゲット電圧は、−631Vであり、ターゲット102の加熱を行う場合の方が明らかにターゲット102の酸化度外が低いことが示されている。また、輻射熱によるターゲットの加熱を行わずに酸素流量1sccmで作製した酸化チタン膜と、本実施の形態における酸化チタン膜112とを比較すると、酸化チタン膜112の方がより酸化が進んでいるために、明らかに着色の度合いが弱いことが目視で確認できる。なお、酸化チタン膜112においても、若干灰色がかって見える。これらのことから明らかなように、基板103の加熱が、ターゲット102の表面状態に影響与えていることは明らかであり、ターゲット102の温度(ターゲット102の表面温度)を変化させることで、スパッタの状態を変化させられることが明らかである。
ここで、スパッタされたTi原子および基板の上に堆積した酸化チタン膜の酸化状態は、生成されているプラズマの状態が同一であれば、基板温度などよりも、酸素分圧(流量)によって決定される。メタルモードから酸化物モードへ遷移する酸素流量が、前述したようにターゲットを加熱することで増加できることは、より高い酸素分圧においてメタルモード領域を用いて高いスパッタ速度のスパッタ成膜が可能であることを示している。このように、本実施の形態によれば、より高い成膜速度で、より酸化が進行して透明度の高い酸化チタン膜が得られるという効果が得られる。これは、生産性や制御性に優れるスパッタ法を用いて酸化チタン膜を形成する上で有用である。
上述したように、本発明は、より高い酸素分圧の状態までTiターゲットの金属状態を保つために、Tiターゲットを加熱するようにしたものである。例えば、Tiゲッターポンプでは、Tiフィラメントに通電することによりTi原子を蒸発させ、露出したTi金属面にガス分子を吸着させるゲッター作用により排気を行っている。このことから予想されるように、物理スパッタよりも加熱による蒸発の方が、効果的にTi原子を飛散させ易いことが考えられる。また、蒸発にまで至らなくても、熱的なアシストでより高い温度となっていれば、よりスパッタされやすくなることも予想できる。なお、スパッタ法による成膜では、よく知られているように、生成しているプラズマによりターゲットが加熱されるが、本発明におけるターゲットの加熱は、プラズマにより加熱されているターゲットを、より高温に加熱することを示している。
[実施の形態2]
次に、本発明の実施の形態2について説明する。図5は、本発明の実施の形態2における酸化チタン膜の形成方法を説明する説明図である。まず、図5に示すように、平行平板電極型プラズマスパッタ装置の、密閉可能な処理室501の内部に膜形成対象の基板503を載置する。基板503は、平行平板型の陽極504の上に載置される。
また、処理室501の内部には、金属チタンからなるターゲット502が配置されている。ターゲット502は、陰極505に固定され、基板503と対向するように配置されている。また、陰極505には、電源506により所定の電圧が印加可能とされている。電源506により、例えば、直流電圧もしくは交流電圧が印加される。加えて、ターゲット503は、ヒータ507により、陰極505を介して加熱可能とされている。
上述したように構成された平行平板電極型プラズマスパッタ装置の処理室501の内部に、基板503を載置した後、よく知られた排気機構(不図示)により、処理室501の内部を所定の圧力にまで真空排気する。
次に、処理室501に、アルゴンなどの不活性ガスおよび酸素ガスを導入して所定の真空度(圧力)とし、この状態で、陰極505と陽極504の間に所定の電圧を印加することで、処理室501内にプラズマを生成させる。
上述したことにより生成されたプラズマにより発生した粒子が、ターゲット502に衝突してスパッタリング現象が起こり、ターゲット502より、スパッタ原子510が飛び出す状態となる。
以上のようにしてプラズマを生成してスパッタ状態にすると共に、ヒータ507によりターゲット502を加熱する。この状態を所定時間継続することで、加熱されたターゲット502よりスパッタされているスパッタ原子510が、プラズマ中の酸素イオンや酸素ラジカルなどの活性化された酸素により酸化されて基板503の上に堆積し、基板503の上に酸化チタン膜が形成される。この実施の形態の酸化チタン膜の形成方法によれば、前述した実施の形態1と同様に、スパッタ速度(成膜速度)の低下を招くことなく、より高い透明度の酸化チタン膜が得られる。
[実施の形態3]
次に、本発明の実施の形態3について説明する。図6は、本発明の実施の形態3における酸化チタン膜の形成方法を説明する説明図である。まず、図6に示すように、RFマグネトロンスパッタ装置の、密閉可能な処理室601の内部に膜形成対象の基板603を載置する。基板603は、陽極604の上に載置される。
また、処理室601の内部には、金属チタンからなるターゲット602が配置されている。ターゲット602は、陰極605に固定され、基板603と対向するように配置されている。また、陰極605には、RF源606により所定の高周波(13.56MHz)が印加可能とされている。また、ターゲット602の陰極605側には、永久磁石607が配置されている。加えて、ターゲット603は、ランプヒータ608より処理室601に設けられた窓609を介して照射される光(赤外線)により加熱可能とされている(ランプアニール)。
上述したように構成されたRFマグネトロンスパッタ装置の処理室601の内部に、基板603を載置した後、よく知られた排気機構(不図示)により、処理室601の内部を所定の圧力にまで真空排気する。
次に、処理室601に、アルゴンなどの不活性ガスおよび酸素ガスを導入して所定の真空度(圧力)とする。この状態で、陰極605と陽極604の間に所定の高周波を印加することで、処理室601内にプラズマを生成させる。RFマグネトロンスパッタ装置では、電子が、永久磁石607の磁界による磁力線にそって螺旋状に運動する。プラズマは電子の周りに発生するために閉じ込められ、集中的にスパッタすることが可能となる。
上述したことにより生成されたプラズマにより発生した粒子が、ターゲット602に衝突してスパッタリング現象が起こり、ターゲット602より、スパッタ原子610が飛び出す状態となる。
以上のようにしてプラズマを生成してスパッタ状態にすると共に、ランプヒータ608によりターゲット602を加熱する。この状態を所定時間継続することで、加熱されたターゲット602よりスパッタされているスパッタ原子610が、プラズマ中の酸素イオンや酸素ラジカルなどの活性化された酸素により酸化されて基板603の上に堆積し、基板603の上に酸化チタン膜が形成される。この実施の形態の酸化チタン膜の形成方法によれば、前述した実施の形態1と同様に、スパッタ速度(成膜速度)の低下を招くことなく、より高い透明度の酸化チタン膜が得られる。
本発明の実施の形態における酸化チタン膜の形成方法を説明する説明図である。 本発明の実施の形態における酸化チタン膜の形成方法を説明する説明図である。 供給する酸素流量の変化に対する成膜速度およびターゲットセルフバイアス電位(ターゲット電圧)の変化を示す特性図である。 ターゲットを加熱した場合の、供給する酸素流量の変化に対する成膜速度およびターゲットセルフバイアス電位(ターゲット電圧)の変化を示す特性図である。 本発明の実施の形態2における酸化チタン膜の形成方法を説明する説明図である。 本発明の実施の形態3における酸化チタン膜の形成方法を説明する説明図である。
符号の説明
101…成膜室、102…ターゲット、103…基板、104…プラズマ生成室、105…マイクロ波供給源、106…磁気コイル、107…ヒータ、110…ターゲットバイアス印加部、111…ECRプラズマ、112…酸化チタン膜、141…粒子(Ti原子)、171…輻射熱。

Claims (1)

  1. 内部にチタンからなるターゲットが固定された密閉可能な処理室内に膜形成対象の基板を載置する第1工程と、
    前記処理室内を真空排気する第2工程と、
    前記処理室内に不活性ガスと酸素ガスを導入して不活性ガスと酸素ガスとのプラズマを生成し、前記ターゲットに負のバイアスを印加して前記プラズマにより発生した粒子を前記ターゲットに衝突させてスパッタ現象を起こし、酸化チタン膜を前記基板の表面に形成する第3工程と
    を少なくとも備え、
    前記プラズマは、電子サイクロトロン共鳴により生成されて発散磁界により運動エネルギーが与えられた電子サイクロトロン共鳴プラズマであり、
    前記第3工程では、前記ターゲットと前記基板との距離を20cmとし、ヒータにより前記基板を600℃に加熱することで発生する輻射熱で前記ターゲットを加熱することを特徴とする酸化チタン膜の形成方法。
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