JP2003093896A - 光触媒性酸化チタン膜の成膜方法 - Google Patents

光触媒性酸化チタン膜の成膜方法

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JP2003093896A
JP2003093896A JP2002209278A JP2002209278A JP2003093896A JP 2003093896 A JP2003093896 A JP 2003093896A JP 2002209278 A JP2002209278 A JP 2002209278A JP 2002209278 A JP2002209278 A JP 2002209278A JP 2003093896 A JP2003093896 A JP 2003093896A
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titanium oxide
oxide film
film
photocatalytic titanium
photocatalytic
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JP2002209278A
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Junji Hiraoka
純治 平岡
Takahiro Doke
隆博 道家
Hisato Haraga
久人 原賀
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Toto Ltd
Shibaura Mechatronics Corp
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Toto Ltd
Shibaura Mechatronics Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 少ない光量で効率よく光触媒活性を有する光
触媒性複合材を提供する。 【解決手段】 基材と、この基材表面に酸化チタン薄膜
を施した光触媒性複合材であって、酸化チタン薄膜の表
面を酸化チタンアナターゼ多結晶構造とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】本発明は、基材上に光触媒性酸化
チタンの結晶性薄膜を設けた光触媒性複合材に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】特開2001−46882号公報では、
基材上にチタンを含有するターゲットをDMS法によ
り、アナターゼ型結晶の第1の酸化チタン膜を被覆し、
前記第1の酸化チタン膜の上に第2の酸化チタン膜を被
覆する成膜方法が2層の酸化チタンを被覆する成膜方法
が記載され、かつ第1の酸化チタン膜の厚みと第2の酸
化チタン膜の厚みの和を300nm〜10000nmと
することが記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】特開2001−468
82号公報では高速のDMS装置を用いて2層の光触媒
性酸化チタン膜の成膜を行っているが、膜厚が300n
m〜10000nmと厚く、また2層にするためその都
度成膜条件を変更する必要があるため工程が複雑にな
り、成膜時間がかかってしまい、その結果生産効率が悪
いという問題がある。また、投入電力、ターゲットと基
材の距離、成膜温度、ターゲットの使用状況等により酸
素分圧をその都度設定しなければ高活性な光触媒性酸化
チタン膜を得られず、品質が安定しなかった。
【0004】本発明は、高速成膜で高活性な光触媒性酸
化チタン膜を、膜厚の薄く、かつ安定的に成膜可能とし
た光触媒性酸化チタン膜の成膜方法を提供する。これに
より生産性を高め、より低コストで基材に光触媒性酸化
チタン膜の成膜方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
すべく、第1の発明では、基材表面に金属チタンをター
ゲットとしDMS法にて光触媒性酸化チタン膜を成膜す
る方法にて、前記DMS法の制御にOEM制御を用い、
そのセットポイントを20とし、かつ、成膜時の基材温
度を300℃以上、450℃以下に加熱して、膜厚25
nm〜200nmの光触媒性酸化チタン膜を成膜する方
法を提供する。本発明において、DMS(デュアルマグ
ネトロンスパッタ)と、OEM(オプチカルエミッショ
ンモニタ)制御をあわせて用いることにより光触媒性酸
化チタン膜をより高速で、安定して、薄く成膜すること
が可能となる。またOEM制御のセットポイントを20
とすることにより生成される膜の酸素とチタンの原子割
合が2:1となり効率的な成膜が可能となる。セットポ
イントを20未満すると酸素が過剰となり成膜速度が低
下する。逆に20を越えると酸素不足となって光触媒性
チタンが成膜しにくく高活性な光触媒性酸化チタン膜と
ならない。また、ターゲットは酸化チタンではなく金属
チタン(チタン純度99.9%以上)を用いることによ
りスパッタ率を高め、さらにはDMSとOEM合わせて
用いることによりターゲット表面の酸化を防ぎ、高速成
膜を可能としている。さらに、前記光触媒性酸化チタン
膜成膜時の基材温度を300℃以上、450℃以下に加
熱することにより、基材に関係なく高活性な光触媒性酸
化チタン膜を得ることが可能となる。尚、加熱温度が3
00℃未満では高活性な光触媒性酸化チタン膜が得られ
ない、450℃を越えると使用できる基材は耐熱性のあ
るものに限定されたものとなってしまい実用的ではな
い。さらに、膜厚を25〜200nmにすることによ
り、高活性な光触媒性酸化チタン膜を効率よく生産する
ことが可能となる。尚、膜厚が25nm未満だと高活性
な光触媒性酸化チタン膜が得られなくなり、200nm
を越えると成膜に時間がかかり生産性が悪くなる。
【0006】また、第2の発明では、第1の発明の光触
媒性酸化チタン膜を大気中300〜450℃で加熱する
光触媒性酸化チタン膜を成膜する方法を提供する。光触
媒性酸化チタン膜をさらに大気中300〜450℃で加
熱することにより、高活性な光触媒性酸化チタン膜を得
ることができる。尚、300℃未満の温度で加熱しても
光触媒活性に影響はなく、また、450℃を越える温度
で加熱すると使用できる基材は耐熱性のあるものに限定
されたものとなってしまい実用的ではない。
【0007】また、第3の発明では、第1の発明または
第2の発明の前記光触媒性酸化チタン膜を、DMS法に
て数回の成膜により形成する光触媒性酸化チタン膜を成
膜する方法を提供する。前記光触媒性酸化チタン膜を数
回の成膜により形成することにより、結晶の成長させる
時間を長くとることが可能となり、より欠陥の少ない緻
密な膜が成膜され光触媒活性が向上する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に本発明の構成要素について
説明する。本発明での基材には、防曇、視界確保、失透
防止の目的で使用する場合は、鏡、ガラス、レンズ、等
の透明性の基材を使用できる。また、汚れ防止や降雨等
による自己浄化性、易清掃性の目的で使用する場合に
は、上記の他に金属、タイル、セラミックス等が使用で
きる。
【0009】本発明で言う光触媒性酸化チタン膜とは光
触媒活性をWAX分解性試験で評価し、十分な分解活性
が認められたものを言う。
【0010】WAX分解性試験とは、次の通りである。
得られた酸化チタン膜表面に紫外線強度0.5mW/c
BLBの光を24時間照射する。その後、酸化チタ
ン膜表面に、市販ワックス(ワックスはシュワラスター
社製の商標「ヒーロー」でありその主成分はカルナバロ
ウである)を100mm×100mmあたり1〜3g程
度塗り広げ、1時間放置する。中性洗剤を含ませたスポ
ンジで表面の固形分がなくなるまで洗浄し、乾燥した上
で、紫外線強度0.5mW/cmBLBの光を照射
し、複合材表面と水滴のなす接触角を測定した。そして
照射4時間後に接触角が20度以下に到達したものを十
分な分解活性があったと判断し、20度を越えるものは
分解活性が弱い、もしくは無いと判断した。尚、複合材
表面と水滴のなす接触角は、接触角計(協和界面化学製
画像処理式接触角形CA−X150)により測定し
た。
【0011】本発明でのスパッタリング装置は、DMS
(デュアルマグネトロンスパッタ)装置のインライン
式、バッチ式、装置が挙げられる。
【0012】デュアルマグネトロンスパッタ(DMS)
については建築及び自動車などへの応用を考慮した比較
的大きな面積のガラスやプラスチック基材へ均一かつ高
速でTiO、Al、SiO、SnO、WO
などの絶縁性酸化膜、或いはITOなどの導電性膜を
形成する目的でドイツで最初に開発されたスパッタ装置
である。
【0013】図1にデュアルマグネトロンスパッタ装置
(DMS)の簡単な内部構成を示す。DMSとは二つの
ターゲットを用い、反応性ガスと不活性ガス(通常はア
ルゴン)をチャンバー内に供給し、スパッタリングを行
うが、この時、電源より10〜100kHzのサイン
波、もしくは矩形波を2対のターゲットに正負交互に電
圧を印加する。2対のターゲットが交互にアノードの役
割を果たし、スパッタリング時、ターゲットとその周辺
に形成される絶縁性の生成上のチャージアップを除去
し、アーキングを防ぎ、スパッタリングの成膜効率を向
上させる。
【0014】スパッタリングのプロセスで、発光プラズ
マの強度をモニターすることによりターゲット表面での
状態を知ることができる。本発明で使用したOEM(Op
tical Emission Monitoring)制御とは成膜中のプラ
ズマ発光強度をコリメータにて光ファイバーを通じてチ
タンフィルターに通し、チタンの500nmの発光線の
みをOED(Optical Emission Detector)に取り込
み、発光強度を電圧に変換し、その値をOEM強度とす
る。そして予め知得たセットポイント値の電圧とOEM
強度が等しくなるように酸素流量をピエゾバルブを使用
したガスフローコントローラー(Gas Flow Controlle
r)で制御する。OEM制御を使用することにより高速
性膜が可能になる理由は、スパッタリングは反応性ガス
流量が増加するとターゲット表面に化合物が成形されス
パッタ率が極端に低下するためである。反応性ガスの流
量に対する膜の成長速度を、同一のスパッタリング出力
のもとでもとめると、ヒステリシス特性が得られる。具
体的には、反応性ガスをO 、ターゲットを金属チタン
とした場合、Oの流量が増えていくとターゲット表面
に達するOが増し、表面で化学反応を起こしターゲッ
ト表面にTiOxが生成される。反応性ガスの増加とと
もにその専有面積は増し、場合によってはターゲット全
面を覆ってしまう。TiOxの二次電子エネルギーは非
常に高いのでスパッタ率は急激に低下する。逆に十分高
い値からO流量を減少させていくと次第に表面のTi
Oxがスパッタされ、金属チタンが現れ、スパッタ率は
元に戻る。Oがわずかの場合はTiOxが生成されて
もすぐスパッタされるのでスパッタ率はあまり変わら
ず、全面を覆う点で急変する。急変する点のOの割合
は増加するときと、減少するときとでは一致せず、ヒス
テリシス特性を示すのである。通常の反応性スパッタは
MFC(マスフローコントローラ)で反応性ガスを一定
量導入する。この方法ではこのようなヒステリシス領域
でスパッタをおこなうのは困難である。しかしながらO
EMを用いることで微量な反応性ガスの制御が可能とな
りヒステリシス内部の遷移領域内での反応性スパッタが
可能になり、極端にスパッタ率が低下しない領域で成膜
をおこなうことができる。
【0015】本発明の成膜はOEMのセットポイントを
20としメタル領域と酸化領域の遷移領域内での成膜を
行った。OEMのセットポイント20は経験的に得られ
た設定値であり、成膜した酸化チタン膜が化学量子論比
(ストイキオメトリー)で構成されていることを示す値
である。今回の場合はO:Ti=2:1である。このよ
うに膜の組成的にも安定した成膜を行うことが可能とな
る。OEMのセットポイントが20未満では必要以上に
酸素が供給され、レートが遅く生産性が悪い。また20
を越えると酸素が十分供給されず、膜がメタルよりにな
り高活性な光触媒性酸化チタン膜は得られ難い。
【0016】本発明で成膜する光触媒性酸化チタン膜の
厚みは25nm〜200nmが好ましく、さらには25
nm〜100nmが好ましい。これは成膜の厚みは薄い
方が成膜時間は短くなり生産性が向上するためである。
さらには、より薄い膜で同等の光触媒分解活性が得られ
ることが望ましい。今回成膜した光触媒性酸化チタン膜
は生産性の問題だけでなく、より薄い膜の方が光触媒性
能は向上しており生産性と性能の面で良い結果となって
いる。この理由として、薄い膜の方が厚い膜よりも表面
が平滑で汚れの付着量が少なく、分解が速く終わる。結
果として親水状態に速く到達する。言い替えれば洗浄性
がよくゴミが付着しにくい。また、25nmより薄いと
十分な光触媒性能が得られず、200nmより厚いと成
膜に時間がかかり、生産性が悪く実用的ではない。ま
た、膜厚を50nm以下にすることで、可視光の干渉が
起こらず、外観上有害とされる干渉縞や発色がおきなく
なる。これにより仮にスパッタ装置の膜厚均一性が悪く
ても外観上問題のない光触媒膜を成膜することが可能と
なる。
【0017】本発明においては成膜前に真空中で基材を
300℃以上の高温に加熱する。好ましくは360℃以
上に加熱してから成膜する。300℃未満では光触媒活
性を有する膜は得られない。450℃を超える高温で加
熱すると基材に耐熱性が求められる。このため使用でき
る基材は限られ、かつ加熱時間も長くなるためコストも
上がり実用的ではない。また、光触媒性酸化チタン膜を
さらに大気中で300℃〜450℃で加熱し光触媒性能
を高めることができることも確認している。大気中加熱
温度が300℃未満と光触媒性能の活性は変わらず効果
がない。また450℃を超える高温では上記同様基材が
限られるため実用的でない。これは成膜した基材を後焼
成することによって、光触媒性酸化チタン膜中に存在し
た酸素空孔に起因した点欠陥が減少し、電子・正孔が再
結合して不活性になる要因を少なくした為と考えられ
る。さらに表面が熱により溶融後平滑化され汚れが付着
し難くなった為と考えられる。
【0018】さらに上記光触媒性酸化チタン膜をDMS
法により数回に分けて成膜する方法を提供する。光触媒
性酸化チタン膜を数回に分けて間欠的に成膜する。これ
により結晶の成長させる時間を長くとることが可能とな
り、より欠陥の少ない緻密な膜が成膜され光触媒活性が
向上する。間欠の時間は2秒以上60秒以内が望まし
い。間欠時間がこれ以上長いとプラズマにさらされない
時間が長くなり基材の温度が低下し次の成膜で結晶化し
難くなる。2秒未満では結晶成長に十分な時間がとれず
ほとんど効果がない。通過型のインライン工程で数回往
復させるスパッタ法は他の箇所をスパッタ成膜している
間に間欠時間をとれる。このため一回で成膜するのと同
じスパッタ効率で成膜可能であり、生産性を低下するこ
となく大面積へのコーティングが可能となる。
【0019】以下に、本発明の実施例を具体的に説明す
る。本発明の実施に係わる光触媒性酸化チタン膜の作製
に用いるスパッタ成膜装置のDMSについて仕様を記
す。 対象基板 サイズ:600mm×400mm 厚さ:max60mm 投入電力:max30kW 基板加熱温度:max450℃ 垂直成膜、片側/両サイドコート クリーンルームレベル10000(部分的には1000) 膜厚均整度:600mm±3% 500mm±1.5%
【0020】以下に本発明の実施例と比較例を記載す
る。 (実施例1)大きさ125mm×125mm、厚さ1m
mの石英ガラス基材を中性洗剤、水、エタノールで順次
洗浄、乾燥し被覆基材とした。本実験で使用した装置は
FEP製のILA S750を使用。DMS(デュアル
マグネトロンスパッタ)によりインラインスパッタリン
グを行った。装置に基材を取り付け後、プラズマエッチ
ングで基材のクリーニングを行い、次に下地層としてS
iOを100nm成膜、その上に送り速度を調整し1
回のスパッタリングで25nmの膜厚の光触媒性酸化チ
タン膜を成膜した。光触媒性酸化チタン膜の成膜条件と
してチャンバー内圧力を1.2Pa、酸素分圧はオプチ
カルエミッションモニター(OEM)により成膜中のT
i発光強度がある一定の値になるように酸素とアルゴン
の流量を制御した。この時のOEMセットポイントは2
0とし、酸素分圧は18〜21%の範囲で推移した。タ
ーゲットは純度99.9%の金属Ti、ターゲットサイ
ズは750mm×120mm。また、予め基材を360
℃に加熱し成膜を行う。投入電力は25kWとした。
【0021】(実施例2)送り速度を調整し2回のスパ
ッタリング(25nm/回)で50nmの膜厚の光触媒
性酸化チタン膜を成膜した以外は実施例1と同様であ
る。
【0022】(実施例3)送り速度を調整し4回のスパ
ッタリング(17.5nm/回)で70nmの膜厚の光
触媒性酸化チタン膜を成膜した以外は実施例1と同様で
ある。
【0023】(実施例4)送り速度を調整し4回のスパ
ッタリング(25nm/回)で100nmの膜厚の光触
媒性酸化チタン膜を成膜した以外は実施例1と同様であ
る。
【0024】(実施例5)膜厚200nmの膜厚の光触
媒性酸化チタン膜を成膜した以外は実施例1と同様であ
る。
【0025】(実施例6)送り速度を調整し8回のスパ
ッタリング(25nm/回)で200nmの膜厚の光触
媒性酸化チタン膜を成膜した以外は実施例1と同様であ
る。
【0026】(実施例7)実施例3で得られた光触媒性
酸化チタン膜を大気中300℃で焼成した以外は実施例
3と同様である。
【0027】(実施例8)実施例4で得られた光触媒性
酸化チタン膜を大気中300℃で焼成した以外は実施例
4と同様である。
【0028】(実施例9)実施例3で得られた光触媒性
酸化チタン膜を大気中400℃で焼成した以外は実施例
3と同様である。
【0029】(実施例10)実施例4で得られた光触媒
性酸化チタン膜を大気中400℃で焼成した以外は実施
例4と同様である。
【0030】(実施例11)実施例4で得られた光触媒
性酸化チタン膜を大気中450℃で焼成した以外は実施
例4と同様である。
【0031】(実施例12)送り速度を調整し1回のス
パッタリングで100nmの膜厚の光触媒性酸化チタン
膜を成膜した以外は実施例4と同様である。
【0032】(実施例13)成膜時の基材温度を450
℃とした以外は実施例1と同様に光触媒性酸化チタン膜
を形成した。
【0033】(実施例14)成膜時の基材温度を450
℃とした以外は実施例5と同様に光触媒性酸化チタン膜
を形成した。
【0034】(比較例1)基材として、大きさ100m
m×100mm、厚さ2mmのソーダライムガラス基材
としたこと、成膜時基材温度を200℃に加熱し、送り
速度を調整し4回のスパッタリング(25nm/回)で
膜厚100nmの光触媒性酸化チタン膜を成膜したこと
以外は実施例1と同様である。
【0035】(比較例2)成膜時基材温度を200℃と
し、送り速度を調整し4回のスパッタリング(50nm
/回)で膜厚200nmの光触媒性酸化チタン膜を成膜
した以外は比較例1と同様である。
【0036】WAX分解性試験評価 実施例1〜11、および比較例1、2の光触媒性酸化チ
タン膜を以下に記載の方法によりWAX分解性試験を行
なった。WAX分解性試験とは、次の通りである。得ら
れた酸化チタン膜表面に紫外線強度0.5mW/cm
BLBの光を24時間照射する。その後、酸化チタン膜
表面に、市販ワックス(ワックスはシュワラスター社製
の商標「ヒーロー」でありその主成分はカルナバロウで
ある)を100mm×100mmあたり1〜3g程度塗
り広げ、1時間放置する。中性洗剤を含ませたスポンジ
で表面の固形分がなくなるまで洗浄し、乾燥したうえ
で、紫外線強度0.5mW/cmBLBの光を照射
し、複合材表面と水滴のなす接触角を測定した。そして
照射4時間後に接触角が20度以下に到達したものを十
分な分解活性があったと判断し、20度を越えるものは
分解活性が弱い、もしくは無いと判断した。尚、複合材
表面と水滴のなす接触角は、接触角計(協和界面化学製
画像処理式接触角形CA−X150)により測定し
た。
【0037】表1に、上記の実施例および比較例の光触
媒性酸化チタン膜のWAX分解性試験結果を示す。
【0038】
【表1】
【0039】表1から、基材表面に金属チタンをターゲ
ットとしDMS法にて、OEM制御を用い、そのセット
ポイントを20とし、かつ、成膜時の基材温度を300
℃以上、450℃以下に加熱して作成される光触媒性酸
化チタン膜の膜厚が25nm〜200nmの範囲で高い
光触媒活性を示すことが確認できた。また、実施例6〜
10及び4と11の結果から、光触媒性酸化チタン膜を
さらに大気中300〜450℃で加熱することにより高
い光触媒活性を示すことが確認できた。さらに実施例
5,6及び4と12からDMS法にて1回の成膜より数
回(4〜8回)にわけ成膜する方が高い光触媒活性を示
すことが確認できた。
【0040】以下に成膜時の加熱温度が低く、光触媒性
酸化チタン膜が得られなくても、大気中で後加熱を行う
ことにより高活性な光触媒性酸化チタン膜を得られるこ
とも発明者らは確認している。比較例1で得られた酸化
チタン膜を、大気中350℃後加熱処理を行った。WA
X分解試験の結果、接触角は11.1度となり分解活性
が確認でき、高活性な光触媒性酸化チタン膜が得られ
た。比較例2で得られた酸化チタン膜を、大気中300
℃で後加熱処理を行った。WAX分解試験の結果、接触
角は10.1度となり分解活性が確認でき、高活性な光
触媒性酸化チタン膜が得られた。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の成膜方法
によると膜厚25nm〜200nmで活性のある光触媒
性酸化チタン膜を得ることができた。これにより膜を成
膜する時間が大幅に短縮され、生産性を向上することが
可能となる。また、DMSとOEM制御を併用すること
で、より高速の成膜装置で高活性な光触媒性酸化チタン
膜が安定して効率よく成膜することが可能となりさらな
る生産性の向上につながる。また、成膜を数回に分けて
行うことにより、より高い活性を持った光触媒性酸化チ
タン膜が成膜できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】スパッタ装置の概略図
【符号の説明】
1…ターゲット、 2…基材、 3…真空チャンバー、
4…DM電源、 5…Oガス供給ノズル、 6…A
rガス供給ノズル、 7…OEMコリメータ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 道家 隆博 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 原賀 久人 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 Fターム(参考) 4G047 CA02 CB04 CC03 CD02 4G069 AA03 AA08 BA04A BA04B BA48A EA08 FB02 FB29 4K029 AA09 BA46 BA48 BB02 CA06 DC39 EA08 FA04 GA01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材表面に金属チタンをターゲットとし
    デュアルマグネトロンスパッタ(以下DMS)法にて光
    触媒性酸化チタン膜を成膜する方法であって、前記DM
    S法の制御にオプチカルエミッションモニタ(以下OE
    M)制御を用い、そのセットポイントを20とし、か
    つ、成膜時の基材温度を300℃〜450℃に加熱し
    て、膜厚25nm〜200nmの光触媒性酸化チタン膜
    を成膜することを特徴とする光触媒性酸化チタン膜の成
    膜方法。
  2. 【請求項2】 前記光触媒性酸化チタン膜を大気中で3
    00℃〜450℃で加熱することを特徴とする請求項1
    に記載の光触媒性酸化チタン膜の成膜方法。
  3. 【請求項3】 前記光触媒性酸化チタン膜は、DMS法
    にて数回の成膜により形成することを特徴とする請求項
    1又は請求項2に記載の光触媒性酸化チタン膜の成膜方
    法。
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