JP6298328B2 - 成膜装置、プラズマガン、および、薄膜を備えた物品の製造方法 - Google Patents

成膜装置、プラズマガン、および、薄膜を備えた物品の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、プラズマガンを用いた成膜装置に関する。
圧力勾配型プラズマガンを用いた強誘電体膜の製造装置が特許文献1に開示されている。圧力勾配型プラズマガンは、チャンバー内部に高密度なアーク放電プラズマを発生・維持することができる。このアーク放電プラズマを用いて雰囲気ガスや材料蒸気を活性化することで、誘電特性に優れたPb(ZrTi1−x)O(PZT)膜などを製造することができることが開示されている。
また、特許文献2には、つば部を有するアノードカバーをアノードに取り付けることにより、アノードの貫通孔の内壁領域に成膜粒子が堆積するのを防ぐ構成が開示されている。
特許第4138196号公報 特開2013−65417号公報
プラズマガンは、アノードが最もチャンバー(成膜室)に近いため、アノードのチャンバー側の面は、チャンバー内の蒸発源等から飛来する材料蒸気に晒され、膜が形成される。特に半導体や絶縁体材料を成膜する場合はアノードに高抵抗な膜が付着する場合が多く、アノードが絶縁化する。これにより放電電流が不安定になり、プラズマ発生中に突然放電が消失したり、プラズマガンの大気側で放電が発生してプラズマガンを損傷するなどの問題が発生する。またプラズマが不安定になると、成膜できた場合でも所望の特性を有する薄膜が出来なかったり、不純物の混入や異相が発生したりする。
また、特許文献2に記載の、つば部を有するアノードカバーは、つば部が成膜粒子を遮蔽することによってアノード貫通孔の内壁領域へ成膜粒子が付着するのを防止する。そのため、つば部には成膜粒子が付着するため、つば部から付着した成膜粒子を定期的に除去するメンテナンスが必要である。
本発明の目的は、電子が流入する電極に成膜粒子が付着しにくく、長期間放電を維持することができるプラズマガンを用いた成膜装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の成膜装置は、成膜室と、成膜室に接続されたプラズマガンとを有する成膜装置が提供される。プラズマガンは、軸方向に沿って順に配置された、カソードと、前記成膜室に向かって突出した部分を含むアノードとを備える。
本発明によれば、アノードの突出した部分に、プラズマ中の電子が流れ込み、突出した部分が高い温度に維持されるため、成膜粒子は付着しにくく、長期間放電を維持することができる。
実施形態の成膜装置の全体構造を示す説明図。 実施形態のプラズマガンの断面構造と電子の軌道を示す説明図。
以下、本発明の一実施の形態について図面を用いて説明する。図1は、成膜装置の全体構成の一例を示す説明図であり、図2は、プラズマガンの一例の断面図である。
本実施形態の成膜装置は、図1、図2に示すように、成膜室11と、成膜室11に接続されたプラズマガン10とを有する。プラズマガン10は、軸方向に沿って配置された、カソード1と、成膜室に向かって突出した部分(6)を含むアノード50とを含む。
このように、アノード50は、成膜室11側に向かって突出した部分(6)を有するため、プラズマガン10から成膜室11内に引き出されたプラズマに含まれる電子は、突出した部分(6)に集中して到達して、アノード50内に流入する。電子の流入により、突出した部分(6)には電流が流れ、突出した部分(6)は加熱される。これにより、突出した部分(6)に成膜粒子が到達しても、高温であるため成膜粒子が付着しにくくなり、突出した部分(6)の全体が成膜粒子で覆われるのを防ぐことができる。よって、成膜粒子が絶縁体や半導体であっても、突出した部分(6)は少なくとも一部が露出された状態に保たれ、放電を維持することができる。また、突出した部分(6)の温度が高くなることにより、突出した部分(6)の電気抵抗が低下し、電子は突出した部分(6)にいっそう多く流入しやすくなり、突出した部分(6)の温度を高温に維持することができる。よって、成膜粒子が、よりいっそう突出した部分(6)に付着しにくくなり、突出した部分(6)が成膜粒子に覆われるのを防ぐことができる。
アノード50は、成膜室に向かって突出した部分(以下、電極6と呼ぶ)と、電極6よりもカソード1側に配置され、電極6と接触したアノード基部5とを含む構成としてもよい。電極6とアノード基部5との接触面積は、プラズマガンのプラズマ発生中に電極6がアノード基部5よりも高温となるように設定されている。このとき、電極6は、アノード基部5と接触しているため、アノード基部5とほぼ等電位である。よって、電極6は、電気的にはアノード基部5とともにアノード50を構成する。プラズマガン10から成膜室11内に引き出されたプラズマに含まれる電子は、電極6の突出した形状の部分に集中して到達し、電極6内に流入する。電子の流入により、電極6には電流が流れ、電極6は加熱される。このとき、アノード基部5と電極6との接触面積が調整されているため、電極6からアノード基部5への熱伝導量が調整でき、電極6の温度をアノード基部5よりも高くすることができる。これにより、電極6に成膜粒子が到達しても電極6が高温であるため付着しにくくなり、電極6は少なくとも一部が露出された状態に保たれ、放電を維持することができる。また、電極6の温度が高くなることにより、電極6の電気抵抗が低下し、電子は電極6にいっそう多く流入しやすくなる。
本実施形態の成膜装置について具体的に説明する。
図1のように、成膜室(チャンバー)11内には、成膜すべき基板(成膜対象)14を支持する基板ホルダー13と、材料ガスや反応ガスの導入管17と、1以上の蒸発源12と、蒸発源12の加熱装置(不図示)が配置されている。基板ホルダー13には、基板14を加熱するためのヒーターが内蔵されている。蒸発源12は、成膜室11の底面に配置されている。また、成膜室11には、内部を排気するための排気装置(真空ポンプ)が接続されている。
成膜室11の側面にはプラズマガン10が備えられている。プラズマガン10からプラズマ軸10に沿って成膜室11内にプラズマ105が引き出される。プラズマ105は、成膜室11内の雰囲気を活性化する。これにより蒸発源12を電子ビームにより加熱した場合には、イオンプレーティングにより基板14上に膜を形成することができる。導入管17から原料ガスを成膜室11内に導入した場合には、プラズマCVDにより基板14上に膜を形成することができる。
プラズマガン10は、図2のように、筒状のプラズマガン容器103に、カソード1、第1中間電極2、第2中間電極3、第3中間電極4、アノード基部5および電極6をプラズマ引き出し軸101に沿って順に配置した構造である。アノード基部5と電極6は、アノードを構成している。なお、ここでは、中間電極の数を3としているが、中間電極の数は、放電ガスの種類によって、最も安定して放電が生じる数を選択することができる。カソード1、第1中間電極2、第2中間電極3、第3中間電極4、アノード基部5は、不図示のガイシによって相互に絶縁されている。アノード基部5の外周側には、プラズマ105をガイドする磁界を発生する空芯コイル8が配置されている。
アノード基部5には、冷却部5aが備えられている。例えば、冷却部5aとしては、アノード基部5内に冷却水を流す水冷構造(空洞)を採用することができる。カソード1、第1、第2および第3中間電極2、3および4にもそれぞれ、水冷等の冷却部1a,2a,3a,4aが備えられている。
カソード1は、アーク放電に適した公知のカソード構造である。カソード1には放電ガスの導入口102が備えられている。
第1、第2および第3中間電極2、3、4ならびに、アノード基部5は、それぞれ円筒形であり、中央に所定の径の貫通孔(オリフィス)を有している。これら貫通孔がプラズマガン容器103の圧力を成膜室11よりも陽圧に維持し、圧力勾配を形成する。これにより、プラズマガン10は、圧力勾配型のプラズマガンを構成している。
アノード基部5には、上述したように電極6が接続されている。電極6は、図2に示したように、プラズマ軸101に軸方向が一致するように配置された円筒6aと、中央に貫通孔を備えた円盤6bとを連結した構造である。円盤6bは、円筒6aのアノード基部5側の端部に連結されている。円盤6bのアノード基部5側の表面は、所定の面積でアノード基部5と接触している。よって、電極6は、アノード基部5の成膜室11側の側面から、成膜室11に向かって、円筒6aの端部が突出した形状で設置されている。電極6の端部形状は、成膜室11に向かって突出する形状であればどのような形状でもよく、先端が針状であってもよい。また、電極6のアノード基部5との接触部は、開口を有する円盤でなくてもよく、アノード基部5と電気的な接触が十分取れる形状であればよい。例えば、棒状の電極6をアノード基部5に挿入してよい。また、外径がアノード基部5の貫通孔の内径とほぼ等しい円筒を電極6として用い、アノード基部5の貫通孔に挿入して、接触させる構成にしてもよい。この場合、円筒状の電極6をアノード基部5に挿入する深さにより、電極6とアノード基部5との接触面積を調整することができる。
電極6には、成膜室11側の先端(円筒の端部)にプラズマ105から電子が集中的に到達し、電子が流れ込む。これにより電極6に電流が流れ、この電流によって電極6は加熱される。電極6は、冷却部5aにより冷却されたアノード基部5と接触しているため、電極6の熱はアノード基部5に伝導して冷却される。電極6とアノード基部5との接触面積は、プラズマガン10のプラズマ発生中に電極6がアノード基部5よりも高温となるように設定されている。特に、電極6とアノード基部5との接触面積が、プラズマガン10のプラズマ発生中の電極6の温度が、成膜室で成膜される材料がプラズマガン内の真空度において蒸発する温度以上となるように設計されていることが好ましい。これによって、電極6の表面に到達した成膜粒子は、電極6の熱により再蒸発するため、プラズマ発生中に着膜して電極6が高抵抗化することを防ぐことができる。具体的には例えば、電極6の温度は、1000℃以上であることが望ましく、2000℃以上である場合にはさらに望ましく、2500℃以上である場合には、特に望ましい。なお、電極6とアノード基部5の接触面積は、実験や計算により、上記温度になるように予め求めて設定しておく。
電極6は、高融点(例えば1000℃以上)で、導電性のある材料で構成されている。特に、低電気抵抗の金属であることが望ましい。具体的には、例えば、カーボン、タングステン、および、モリブデンのうちの1以上を含む材料によって電極6を形成することができる。電極6を低電気抵抗の金属により形成することにより、電極6がアノード基部5と同電位となり、電気的にはアノード50として作用する。また、高融点金属で形成されているため、高温になっても溶融や変形を生じない。
本実施形態では、高温に加熱された電極6から熱が放射(輻射)されて、周辺のプラズマガン容器103や成膜室(チャンバー)11を加熱することを防止するために、図2に示すように、アノード50と成膜室11との間に、冷却部7を配置している。冷却部7の冷却により、プラズマ容器103と成膜室(チャンバー)11との接続部12の真空保持部材(Oリング等)が加熱により劣化するのを防止することができる。例えば、冷却部7としては、図2のように水冷フランジを用いることができる。特に、冷却部7(水冷フランジ)が、図2のように成膜室11の内部まで突出する形状にすることにより、成膜室11の壁面に、電極6からの放射熱が到達するのを遮断することができる。よって、放射熱は真空室11のプラズマ105の軸方向にのみ到達することができる。プラズマ105の軸方向は、プラズマ105によって高温状態にあるため、電極6からの熱が放射されても問題を生じない。
カソード1とアノード基部5には、図1に示したように、直流電源16が接続されている。第1、第2および第3中間電極2、3、4は、適切な抵抗値のホーロー抵抗21、22、23を介して直流電源16の正極と接続されている。ホーロー抵抗21、22、23の値は、第1、第2および第3中間電極2、3、4が、カソード1側からアノード50側に近づくにつれ高い電位になるように設定されている。これにより、成膜室11内にプラズマを引き出すことができる。
また、第2中間電極3には、磁石3bが内蔵されている。磁石は磁界を発生し、プラズマを収束させる。これにより、プラズマは、第1〜第3中間電極2〜4およびアノード50の貫通孔(オリフィス)を通過する。
以下、図1の装置を用いて、プラズマを発生させ、基板上に成膜を行う際の各部の動作について説明する。
基板ホルダー13に基板14を取り付け、蒸発源12には、所定の固体原料を配置する。導入管17に、所定の材料ガスや反応ガスの供給源を接続する。プラズマガン10の内部および成膜室11内を所定の圧力まで排気する。プラズマガン10にArガス、Heガス等の放電ガスを供給し、直流電源16からカソード1、第1、第2および第3の中間電極2,3、4ならびにアノード50に電圧を印加する。この電圧印加によって、プラズマガン10内の放電ガスが電離し、グロー放電プラズマが発生する。放電電流を徐々に増加させると、カソード1内の陰極が放電電流によって加熱され、熱陰極となって大電流を発生させる状態となり、プラズマガン10内は、アーク放電プラズマに移行する。
プラズマガン10のアーク放電プラズマ105の電子は、第1、第2および第3中間電極2,3,4、ならびに、アノード50の電位差によって加速されながら、中間電極2〜4の貫通孔を通過して、さらにアノード50を通過して成膜室11内まで到達する。成膜室11内に到達した電子は、反応ガスや材料ガス、蒸発源12からの材料蒸気にエネルギーを与え、活性化する。活性化された材料蒸気や材料ガスや反応ガス(成膜粒子)が基板14上に到達することによって、イオンプレーティングやプラズマCVDにより高品質な膜を成膜することができる。
プラズマ105内の電子は、成膜室11の空間電荷によって反射され、電極6の先端部に集中的に到達する。これにより、放電を維持する。電極6の先端部に集中して到達することにより、電極6に安定して電流が流れやすくなり、放電を安定して維持することができる。また流れ込んだ電流によって電極6が加熱され、例えば1000℃以上の高温状態に維持される。よって、電極6に到達した材料蒸気は、電極6の表面で再蒸発するため、電極6に着膜せず、電極6が成膜粒子で覆われることがない。よって、電極6が高抵抗化することを防ぐことができる。また、電極6が高温になることにより、低電気抵抗化するため、ますます電子が集中して電極6に到達する。よって、電極6に、さらに安定した電流が流れ、放電が安定して維持される。
また、第1〜第3中間電極2,3,4の貫通孔(オリフィス)は、通過するガスのコンダクタンスを小さくし、カソード1の領域とアノード50の領域との間に圧力差(圧力勾配)を形成する。これにより、カソード1の領域の圧力を高い圧力、アノード50の領域を低圧力に保ち、カソード1の領域でのイオンの平均自由行程を短くすることができる。よって、アノード領域からのイオン逆流衝突によるカソード1の損傷を避けることができる。また、カソード1の領域に、成膜室11側から化学的活性気体が流入するのを防止でき、カソードの化学的損傷が避けられる。
また、空芯コイル8は、プラズマをガイドする磁界を発生する。偏りのない均質なプラズマを、まっすぐに真空容器11に引き出すことができる。
また、水冷部(水冷フランジ)7は、電極6からの放射熱を遮断し、プラズマガンと成膜室11との接続部12の真空保持部材や、成膜室11自体が熱により損傷を防止することができる。結果として、プラズマの安定的な維持に貢献する。
このように、本実施形態では、アノード基部5に電気的に接続され、かつ、放電電流によって高温に加熱される電極6を設けることにより、絶縁膜の成膜を継続した場合であっても、原材料蒸発源から飛来する蒸気が電極6に着膜を防止できる。また、冷却部(水冷フランジ)7を設けたことにより、電極6からの放射熱を遮断し、成膜室の熱による損傷を防ぐことができる。したがって、成膜中にプラズマを安定的に維持でき、良質な薄膜を再現性よく製造できる。また、放電初期のプラズマを安定させることができるので、プラズマを発生してから所望の放電電流まで到達するまでの時間が短縮できる。
ここで、図1の装置を用いてペロブスカイト型酸化物強誘電体(PZT)膜を製造する方法について説明する。蒸発源12の材料として、Pb,Zr,Tiの各金属を用意する。これらは、別々の電子ビームにより独立に加熱する構造とする。
まず、プラズマガン10にHeガスをキャリアガスとして導入し、直流バイアス電圧を印加することにより、アーク放電を発生させる。アーク放電で生成した高密度プラズマを、成膜室11内に導く。この状態で、導入管17よりOガスを反応ガスとして導入することにより、成膜室11内に高密度の酸素プラズマ及び酸素ラジカルを生成する。
HeとOの混合プラズマの存在下で、蒸発源12の原料金属の蒸気と混合プラズマ中の酸素ラジカルとを反応させながら基板14上に堆積させることにより、PZTの薄膜作製を行うことができる。基板14は、基板ホルダー13内の加熱ヒーターにより所定の温度に加熱する。3つの蒸発源12の出力を制御することにより、ペロブスカイト型酸化物強誘電体(結晶構造単相)のPZT膜を備えた物品を製造することができる。この薄膜作成方法では、膜成長に効果的な酸素ラジカル量を増大させることができるため、大きな成膜速度で、PZT膜を成長させることが可能である。
なお、本実施形態の成膜装置で成膜することのできる膜は、PZT膜に限られるものではなく、SiO膜やTiO膜等の酸化物、Siおよび透明導電等の所望の膜を成膜することができる。本発明のプラズマガンを用いた成膜方法は、成膜する膜が絶縁膜であっても安定して放電を維持できるため、絶縁性薄膜の成膜であって、特に高い成膜レートが求められる物の製造に好適である。例えば、ヘッドランプのポリカーボネート(PC)レンズ用ハードコート、窓等のPC透明建材用ハードコート、ならびに、自動車のPC使用窓用ハードコートを備えた物品の製造に好適である。
また、本実施形態では、プラズマガン10から成膜室11に引き出されたプラズマが、プラズマガン10のアノード50に戻る反射型の成膜装置について説明したが、アノード50を成膜室11内に配置する直進型の成膜装置に本発明を適用することができる。直進型の場合、プラズマガン10が成膜室11に接続された位置に、向かい合う成膜室11内の位置にアノード50を配置する。アノード50の突出した部分(電極6)は、プラズマガン10に向かって突出するように配置する。これにより、プラズマガン10から引き出されたプラズマは、成膜室11内の対向する位置に配置されたアノード50の突出した部分(電極6)に到達し、突出した部分(電極6)が加熱される。よって、突出した部分(電極6)には成膜粒子が付着しにくく、放電が維持できる。
1…カソード、2…第1中間電極、3…第2中間電極、4…第3中間電極、5…アノード、6…電極、7…冷却部(水冷フランジ)、8…空芯コイル、11…成膜室、12…蒸発源、13…基板ホルダー、14…基板、17…導入管、16…直流電源、21,22、23…ホーロー抵抗、101…プラズマ軸、102…放電ガス導入口、103…プラズマガン容器

Claims (9)

  1. 成膜室と、前記成膜室に接続されたプラズマガンとを有し、
    前記プラズマガンは、軸方向に沿って配置された、カソードと、前記成膜室に向かって突出した部分を含むアノードと、を備え、前記アノードと前記成膜室との間には、冷却部が配置されていることを特徴とする成膜装置。
  2. 請求項に記載の成膜装置において、前記アノードは、前記成膜室に向かって突出した電極と、前記突出した電極よりもカソード側に配置され、前記電極と接触したアノード基部とを含み、
    前記電極と前記アノード基部との接触面積は、前記プラズマガンのプラズマ発生中の前記電極の温度が、前記成膜室で成膜される材料が前記プラズマガン内の真空度において蒸発する温度以上となるように設計されていることを特徴とする成膜装置。
  3. 請求項1または2に記載の成膜装置において、前記アノードは、前記成膜室に向かって突出した電極と、前記突出した電極よりもカソード側に配置され、前記電極と接触したアノード基部とを含み、
    前記アノード基部は、円筒状であり、前記電極は、前記成膜室に向かって突出する部分が円筒状であることを特徴とする成膜装置。
  4. 成膜室のプラズマガン取付部に対して、接続部を設けて取り付けるプラズマガンであって、
    前記プラズマガンは、筒状のプラズマガン容器に軸方向に沿って順に配置された、カソードと、1以上の中間電極と、アノードとを含み、前記アノードが前記成膜室側となるように配置され、
    前記アノードは、前記中間電極とは逆側に向かって突出した形状であり、前記アノードと前記接続部との間には、冷却部が配置されていることを特徴とするプラズマガン。
  5. 請求項に記載のプラズマガンにおいて、前記アノードは、前記中間電極とは逆側に向かって突出した電極と、前記突出した電極よりも中間電極側に配置され、前記電極と接触したアノード基部とを含み、
    前記電極と前記アノード基部との接触面積は、前記プラズマガンのプラズマ発生中に前記電極が前記アノード基部よりも高温となるように設定されていることを特徴とするプラズマガン。
  6. 請求項1に記載の成膜装置を用いて、前記成膜装置内に設けた成膜対象に薄膜を形成し、薄膜を備えた物品を製造する方法であって、
    前記プラズマガンとして、軸方向に沿って順に配置された、カソードと、1以上の中間電極と、前記成膜室に向かって突出した部分を含むアノードとを備えたものを用いて、前記プラズマガンから前記成膜室にプラズマを引き出し、
    前記プラズマ発生中に、前記成膜室のプラズマに含まれる電子の少なくとも一部を前記アノードの突出した部分に流入させ、前記アノードのうち前記突出した部分に生じる電流により前記突出した部分の温度を、前記突出した部分よりも前記中間電極側に位置するアノード基部より高温に維持しながら成膜を行うことを特徴とする薄膜を備えた物品の製造方法。
  7. 請求項に記載の薄膜を備えた物品の製造方法において、前記電子により、前記アノードの前記突出した部分を、前記薄膜の材料が前記突出した部分の少なくとも一部に付着しない温度以上に加熱することを特徴とする薄膜を備えた物品の製造方法。
  8. 請求項またはに記載の薄膜を備えた物品の製造方法において、前記電子により、前記突出した部分を、前記薄膜の材料が前記プラズマガン内の真空度において蒸発する温度以上に加熱することを特徴とする薄膜を備えた物品の製造方法。
  9. 請求項ないしのいずれか1項に記載の薄膜を備えた物品の製造方法において、前記薄膜は、酸化物薄膜、または、ペロブスカイト型酸化物強誘電体であることを特徴とする薄膜を備えた物品の製造方法。
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