JP5808417B2 - 電子ビームを形成するための装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子ビームを形成するための装置に関する。特に、本発明による装置を用いることにより、焦点直径が小さく、且つ、電力密度の高い「スリムな」電子ビームを形成することができ、また真空チャンバ内の所定のプロセス位置に作用を及ぼすことができる。ビーム形成器及びその給電構造群は、構造が小さい点、メンテナンスが容易である点、また、製造コストが比較的低い点で優れている。本発明による電子ビーム形成器の典型的な技術的利用分野として、物理気相成長法(PVD)による基板への機能層(例えば腐食保護用の層、装飾用の層、拡散バリヤ用の層、EMC遮蔽用の層、断熱用の層)のコーティング、真空での金属の洗浄及び金属の鋳直し精錬、並びに、融接を用いたモジュールの素材結合による接合が挙げられる。
装飾的又は機能的な薄層系による半製品及び製品の精密加工は、表面技術の重要な作業分野である。製品プロセスが広く普及するに連れて、物理気相成長法(PVD)の多面的で、環境に優しくまた経済的な方法が発見された。この方法においては、コーティング材料が先ず真空中で蒸発され、続けて、必要に応じて反応性ガスも付加されて、制御下でそれぞれの基板上にフィルムとして凝縮される。利用可能な種々の技術の中から適切なコーティング方法を選択するための重要な判定基準として、析出すべき層の達成可能な形態学、純度及び固着性の他に、特に層の成長速度、並びに蒸発装置の投資ニーズ及び運転コストが挙げられる。何故ならば、プロセスの経済性はそれらの特性量に決定的に依存するからである。
構造様式の異なる種々の電子ビーム源が、数10年来、工業的な高レートPVD法を実施するために使用されている。電子ビーム蒸発装置は、汎用的に確立された最大限のコーティングレートを提供し、それと同時に、析出された層の非常に優れた均一性及び純度も提供し、これは強磁性で高溶解性の反応性層材料に対しても提供される。これらの指標は、磁気による焦点合わせ及びビーム案内によって慣性の影響を受けずに調整することができる高い電波密度、並びに蒸気を発する表面の直接的な加熱から得られ、それにより、コーティング材料を蓄積するために必要とされる坩堝を冷却することができ、従って、コーティングの汚染は惹起されない。
工業的なPVDプロセスのための電子源として、現行では専ら、高い動作温度に加熱されたカソードが使用されており、このカソードではエジソン効果に基づき自由電子が形成される(GB 1 041 282 Aを参照されたい)。「熱電子カソード」とも称されるこの電極の機能原理によって、慣例の電子ビーム形成器は構造的に複雑であり、また、その電流供給装置に関しても比較的高いコストで実現されている。更には、特定の実施の形態は技術的な用途の非常に限定的な領域しかカバーできない。
電子ビーム物理蒸着(「EB−PVD」とも称される)用の周知の蒸気源は例えば、いわゆる横方向電子ビーム源(「transverse EB guns」とも称される)であり、この蒸気源においてはビーム形成部、ビームを磁気的に270°偏向させる偏向部及び蒸気素材を有する坩堝が大抵の場合は小型の機能ブロックに統合されている。それらのビーム源は比較的廉価であるが、その最大ビーム出力(約20kW)並びに加速電圧(約20kV)は制限されており、従って、発生可能な蒸気レートに関しても制限されている。更に、本来のビーム源(加熱装置を備えているカソード)は加速チャンバの圧力レベルにあり、また、加速チャンバ内に存在する蒸気及びガスに直接的に晒されている。
従って、加速チャンバ内の圧力を真空ポンプの相応に大きい寸法設計によって低い値に維持し、電子源の動作時の不安定性を回避する必要がある。要求に応じた化学量論を保証するために、反応性のプロセスの管理、即ち、真空チャンバ内の反応性ガスの比較的高い部分圧(例えば0.1Paから1.0Pa)の調整を必要とする誘電性化合物の高レート析出では、「transverse EB guns」は、構造的な改善又は回路側での改善が十分であるにも係わらず、特にそのプロセス条件下では高電圧が弧絡する傾向が許容できないほどに高いために、成果を収めることができないでいる。
EB−PVD用の技術的に比較的性能の良いビームツールは、300kWまでのビーム出力と60kVまで(特別な用途に関しては75kVまで)の加速電圧を用いる蒸着方法用に設計されている、いわゆる軸方向電子ビーム源(「axial EB guns」)である。その種のビーム形成器のカソードチャンバは、ビームを通過させるための小さくて大抵の場合は円形である開口部を備えており、また真空技術的に流れ抵抗として機能するブラインドによってプロセスチャンバから隔てられ、別個に付加的な高真空ポンプ(現行の実施の形態ではターボ分子ポンプ)によって真空化されるこれによって、蒸着プロセスを比較的高い圧力でも実施することができ、特に、加速チャンバ内の反応性ガスの割合が多くても実施することができる。更には、安定性が失われることなく、比較的高い加速レートが達成される。もっとも、その種のシステムは所要投資コストに関してかなりのコストが掛かり、従って、経済的な理由からやはり限定的な分野でしか有利に使用できない。
この制限を克服するために、電子の放出がエジソン効果に基づくものではなく、大面積の金属電極に対するイオン衝撃により生じる、プラズマアノードを備えた冷陰極ビーム形成器が度々提案されてきた。ビーム源において維持される高圧グロー放電はイオンを発生させ、そのイオンをカソードに向かって加速させる。カソードにおける衝撃により固体から真空中に移動する電子は、プラズマの陰極降下時に加速され、また適切な電極輪郭によって共心ビームに成形される。この共心ビームを慣例の電子光学モジュールによって焦点合わせし、蒸発装置へと偏向させることができる。
エジソン効果を基礎とするエミッタはカソードチャンバ内に10-3よりも高い高真空を必要とするが、動作圧力はプラズマ誘導式の冷陰極では(動作電圧、プラズマプロセスガス及び実際に要求される放電電流に応じて)2Paから10Paの範囲にある。従って、加速チャンバ内の約1Paの圧力までは、ビーム源の差動排気を省略することができ、これによっても軸方向ビーム形成器の本質的な利点、例えば技術的な普遍性、並びに蒸発装置及びビーム源の空間的且つ真空技術的な分離、またそれにより得られる信頼性が失われることはない。ビーム出力の制御は、カソードチャンバ内のプラズマ密度を高速気流制御によって変化させることにより行なわれる。熱電子カソードにおける従来の一般的な多重導体式の高圧誘導の代わりに、単極式のケーブルが設けられていれば十分であり、また高圧の供給に関しても高い電位において浮いている付加的な電源部は必要とされない。経済的に重要な成果としては、給電コンポーネント及び制御コンポーネントを含むビーム源から成る冷陰極ビーム形成器を基礎とするシステムは従来の軸方向ビーム形成器システムに比べて遙かに低いコストで製造できる点が挙げられる。
即ち、前述の冷陰極軸方向ビーム形成器は慣例の熱陰極ビーム形成器に比べて多くの利点を有しているが、特定の技術的なパラメータのもとでは、もしくは特別な用途に関しては許容できない欠点も有している。つまり、冷陰極の達成可能な比較的低い放射電流密度(タングステン熱陰極における10A/cm2までの放射電流密度に対し100mA/cm2)は、大電流に関して大面積のカソードを実現することを必要とする。これによりビーム直径は比較的大きくなる傾向にあり、またプロセス位置における電力密度も比較的低くなる。従って、ビーム源の大きさは高出力の領域ではやはり不所望に大きくなる。更には、電子光学系のコストが比較的高くなり、その一方で蒸着レートは同一の定格電力を有する慣例のシステムにおける蒸着レートに比べてやや低くなる。
ビーム形成器自体において放電を制御するために、プロセスチャンバに比べて低い超過圧力を常に維持する必要があるので、カソードチャンバにおいて高圧グロー放電を維持するために必要とされるプロセスガスは、ビームを出力するために必要とされる軸方向の開口部を通過して持続的にプロセスチャンバへと流入する。技術的に発生するガスに加えて、このガス負荷もプロセスチャンバの真空システムによって排出されなければならない。
許容できる効率(出力できるビーム出力と放電部に供給される総出力との比、目標値は90%超)を保証するために、付加的に反応性成分、例えば酸素又は二酸化炭素がプラズマプロセスガスにおいて必要とされ、それらの反応性成分はカソード表面における誘電性のコーティングの形成及び安定化に使用され、従って、二次電子収量(入射イオン当りの放出電子)を増加させるために使用される。しかしながら技術的に考察すると、この構成は不活性化に対する要求もしくは純度に対する要求が高いプロセスに関しては問題があり、またシステム技術的には、金属性の光沢のある電極表面に比べて発生率が顕著に高い高電圧の弧絡を処理する際の付加的なコストをもたらす。
カソードに対する電界強度の負荷低減に対する要求(これについては大きい電極間隔が達成されるべきである)と、より確実な暗視野遮蔽(これについては小さい電極間隔が有利である)への要求が競合することにより、プラズマを基礎とするビーム源では動作圧力が高くなるに連れ、高い加速電圧を長期間安定させて維持することはいっそう困難になる。従来では、冷陰極ビーム形成器を用いる高出力領域では一般的な30kV付近の動作電圧は、(約0.001Paから0.01Paでの)例えばメタライジングのような高真空コーティング法にとっては十分であった。しかしながら、プロセスチャンバにおいて一般的には遙かに高い圧力(約0.1Paから1Pa)を用いる比較的高レートのコーティングプロセスにとっては、ビームのエネルギ輸送能力もそれと共に改善されるので、40kVから60kVの範囲の電圧が好適である。
イオン衝撃に起因するカソードでの損失出力は、オーダで見ると、出力されるビーム出力の約5%であり、比較的高い。従って、ビーム出力が高い場合には、カソードの直接的な水冷は不可避である。しかしながら、このことは二つの理由から不利である。第1に、高圧が印加される電極に冷却水を接触させなければならない。従って、損失電流を少なくしながらこの電位差を減少させるためには、数メートル(順方向及び逆方向それぞれについて推奨値:>1m/5kV)を必要とし、また十分な人体保護を保証するためには特別に確実に絶縁されたチューブを必要とする。第2に、カソードを交換する度に水循環回路を遮断し、詰まったごみなどを除去し、また開放する必要があり、大きな労働力を要する。
従って本発明は、従来技術の欠点を克服することができる、電子ビームを形成するための装置を提供することを技術的な課題とする。特に、本発明による装置を用いて、焦点直径が小さく、且つ、電力密度の高いスリムな電子ビームが形成され、それと同時に、簡単な構造及びシステム構成が実現されるべきである。
上記の技術的な課題は、請求項1の特徴部分に記載されている構成によって解決される。本発明の別の有利な実施の形態は、従属請求項から明らかになる。
本発明による装置は、少なくとも一つの領域において真空化可能な空間の境界を成すハウジングを含んでいる。ハウジング内の流入部を介して、プロセスガスが真空化可能な空間へと流入し、いずれもこの真空化可能な空間(以下ではカソードチャンバと称する)内に配置されている面状のカソードと対応するアノードとの間に、グロー放電プラズマを形成することができる。このために、カソードとアノードとの間には、電流供給装置によって電圧が印加される。電流供給装置として、技術的な側面から要求される電圧(典型的な<103kV)及び電流(典型的には<25A)を供給することができる、従来技術から公知のあらゆる高圧装置を使用することができる。グロー放電プラズマに由来するイオンはカソードの方向に向かって加速され、カソード表面に衝突した際に二次電子を放出し、この二次電子は陰極降下時に加速されて電子ビームに成形される。電子ビームは電子ビーム出射開口部を介してハウジングから出射し、更にプロセス位置へと案内される。その限りにおいて、本発明による装置は、グロー放電に基づき電子ビームが形成される、冷陰極を備えた電子ビーム形成器に類似する。
本発明による装置の重要な特徴は面状のカソードの特別な構成にある。この面状のカソードは、導電性ではあるが、異なる材料から成る、少なくとも二つの部分を含んでいる。中央の第1の表面領域においては、本発明による装置のカソードは少なくとも一つの第1の材料から成り、この第1の材料は、比較的高い二次電子収量(γ>5;正確な値は放出イオンのエネルギに依存する)を有し、且つ、低い電子親和力(φ<4eV)及び高い融点(Ts>1750K)を有している(これは熱陰極の場合には有利である)。この判定基準を満たす利用可能な材料は、例えば希土類元素ホウ化物のグループにおいて見付けられる。一つの実施の形態においては、中央の表面領域を形成するカソードの第1の部分は、中実でディスク状の六硼化ランタノイド(LaB6)タブレットから成る。別の一つの実施の形態においては、カソードの第1の部分が、電子を放射する表面領域において、高温接着剤又は高温はんだを用いて温度安定性のある支持プレート上に固定された層LaB6を含む結合体から成るものである。択一的に、LaB6から成る層を別の方法、例えばPVD法、焼結、溶接又はパウダースプレー法によっても支持プレート上に析出することができる。
中央の第1の表面領域を包囲している表面領域を備えているカソードの第2の部分は第2の材料から成るものである。第2の材料は高い温度安定性(Ts>1750K)及び可能な限り低い熱伝導率を有し、また、高い電子親和力(φ>4eV)において低い二次電子収量(γ<5)しか有していない。この第2の材料に関しては、グラファイトが殊に適している。しかしながら択一的には、例えば、W、Ta、Mo、Ti、それらの材料の合金又は(低いビーム出力に関しては)特殊鋼等の耐熱金属のような材料も第2の材料に使用することができる。
冷陰極を備えた公知の電子ビーム形成器は、通常の場合、冷却装置を有しており、その冷却装置を用いることにより、一方ではカソード自体が冷却され、それによって、カソードの材料(例えばアルミニウム)はイオン衝撃によるエネルギ注入によっても溶融せず、また他方では、その種の冷却装置によって冷陰極に接触している構成部材も冷却され、従ってそれらの構成部材が損傷することもない。
本発明による装置は同様に冷却装置を有している。しかしながら、この冷却装置によってカソードは冷却されない。何故ならば本発明によれば、少なくともカソードの中央の表面領域を有する第1の部分がイオン衝撃によって加熱されることが所望されるか、それどころか必要とされるからである。これについては下記において更に説明する。本発明による装置では、冷却装置を用いてカソードに隣接する構成部材のみが冷却されるべきであるので、カソードを隣接する構成部材から熱的に絶縁することは有利である。これは、電子ビームに関してカソードの後方に配置されている構成部材に関する。
本発明による装置では、電子ビーム形成器にとっては一般的な高電圧がカソードとアノードとの間に印加され、プロセスガスが真空化されたカソードチャンバ内に流入部を介して供給されることによってグロー放電が点弧されると、以下のことが起こる。つまり、最初は冷たいカソードの第1の材料から成る中央の第1の表面領域が差し当たり、加速されたイオンの供給による二次電子放射器としてのみ機能する。もっともイオン衝撃が続き、冷却が不足すると、中央領域は継続的に加熱され、この加熱は、エジソン効果に基づき熱電子放射される電子も付加的に生じ、また電子ビームの電子電流密度を高める表面温度に第1の材料が最終的に達するまで続く。この表面温度を超えると、二つの放射メカニズムが共存するが、第1の材料の表面温度が更に上昇するとエジソン効果がいっそう優勢になる。従って、本発明による装置を用いることにより、通常は熱陰極を備えた電子ビーム形成器でしか得られないような電子電流密度を達成することができる。本発明による装置のカソードでは両方の放射メカニズムが機能するので、その種のカソードに対しては、ここではハイブリッドカソードの概念が採用される。
しかしながら、いずれの放射モードにおいてもハイブリッドカソードにおける自由電子は主として、カソードの第1の材料から成る第1の部分に由来する。従って、カソードのこの部分を以下ではエミッタとも称する。これに対して、第2の材料から放射される小数の二次電子は電子ビームの電力密度プロフィールに関して無視できる。電子ビームの電子は実質的にエミッタのみに由来するので、その形状及び大きさは電子ビームの断面の形状及び寸法にとっても本質的なものである。上記において説明したように、エミッタの表面はカソード表面の一部しか構成していないので、従って、ハイブリッドカソードを用いる電子ビーム形成器はビーム断面積の小さい電子ビームを形成することができる。これに対して、所属の面状のカソードの表面全体から電子が放出される冷陰極を備えた電子ビーム形成器では大きい断面積の電子ビームが生じる。
通常の場合、冷陰極軸方向ビーム形成器において電子を放出する面は、円形の断面を有する電子ビームを成形するために、円形で凹状に湾曲した形状を有している。ハイブリッドカソードも同様に有利には円形に構成されている。この場合、円形ディスクとしてのエミッタの材料及びこのエミッタを包囲する第2の材料はリング状に凹状に湾曲するように構成されている。しかしながら択一的には、エミッタが別の幾何学形状を有していても良い。
エミッタの電子を放出する表面を平面状に構成することができるか、凸状又は凹状に湾曲させて構成することができ、更には、周囲の第2の材料の表面と面一に配置することができるか、又は、その表面に対して放射方向から離れる方向もしくは放射方向に向かう方向において軸方向に所定の間隔だけずらして配置することができる。エミッタの熱的な絶縁を最適化するために、カソードの背面と、隣接している冷却される構成部材との間に少なくとも一つの真空化された間隙を設けることは好適であり、また、熱的に浮いた多層リフレクタとして構成されている、背面側に配置されたビームシールドを設けることは更に好適である。
エミッタを包囲する第2の材料はエミッタ材料のための保持機能の他に実質的に三つのタスクを担うことができる。
第1に、第2の材料を用いてカソードの表面が拡大される。即ち、ビーム直径の小さい電子ビームが形成され、従って電子を放出するエミッタの面が非常に小さい場合には、エミッタのただ一つの面を非常に小さくすることができ、それによりエミッタとアノードとの間の安定したグロー放電を維持することができる。この理由から、第2の材料は同様に導電性である必要があり、またカソード面を拡大するためにエミッタと同じ電位を有する。従って、一つの実施の形態においては、イオン衝撃に晒される第2の材料の面積はエミッタの面積の少なくとも3倍大きい。
第2に、隣接する構成部材に対するカソードの熱的な絶縁のテーマについては上記において既に説明した。エミッタ材料を包囲する第2の材料は、先ず、イオン衝撃に基づき非常に熱くなったエミッタを隣接する構造群に対して熱的に絶縁する。従って、イオン衝撃によってもエミッタからの熱伝導によっても加熱される第2の材料の熱伝導率は低いことが望ましい。エミッタとそれを包囲している第2の材料を間隙によって間隔を空けて配置し、それにより断熱部を形成することができる。この間隙はそれと同時に、加熱されて膨張したエミッタ材料のための遊間としても機能する。この場合、間隙は有利には、エミッタ材料が最大限に加熱された場合であっても、膨張したエミッタ材料によって完全には閉じられないように寸法設計されている。しかしながら、適切な接触接続によって(例えばワッシャによって)、エミッタと第2の材料が同一の電位を有し、且つ、エミッタへの電流供給が保証されたままであることが常に保証されている。
第3に、第2の材料の幾何学的な形状を変化させることによって、静電的なビーム成形に影響を及ぼすことができる。第2の材料の表面は、軸方向の電子ビームを形成するために、有利には凹球面状又は円錐状に湾曲されており、従って、ビーム軸の領域においては電気的な等ポテンシャル面の(ほぼ)球面状の経過を形成し、これによって、電子の径方向に収束される加速がもたらされる。この種の共心電子ビームを電子光学的に非常に良好に案内することができ、また高い電力密度でプロセス位置に投影することができる。第2の材料の表面輪郭は特に、電子ビームの直径がカソードチャンバのハウジングからの出射開口部の領域において可能な限り小さくなるように選定される。この条件の下で出射開口部の断面積も小さいものに維持することができ、これによって、カソードチャンバにおけるグロー放電をプロセスガスの比較的僅かな消費量で維持することができる。
本発明による電子ビーム形成器は、使用中に有利には真空プロセスチャンバの壁面に実装されており、それにより真空プロセスチャンバの真空はビーム出射開口部を介してカソードチャンバの内部まで延在している。従って、電子ビーム形成器自体はカソードチャンバを真空にするための固有の真空ポンプを有しておらず、真空チャンバ内のプロセス圧力をカソードチャンバにおけるグロー放電の動作圧力よりも低く選定できる限りは、真空チャンバの(一つ又は複数の)真空ポンプを用いて真空化される。
ハイブリッド電極の放射電流制御部に対する調整量は、冷陰極の場合と同様に、プラズマプロセスガスの流量である。もっとも冷陰極とは異なり、電子放射は、イオン電流密度とそれに直接的に依存する二次電子の生成を介して直接的に制御されるだけでなく、放射面の温度の制御とそれに依存する熱電子的な電子の放出を介して間接的にも制御される。
本発明は、熱陰極を備えた慣例の電子ビーム形成器の利点(高い放射電流密度、高いビーム出力密度、高い加速電圧、プロセスチャンバの反応性ガスの負荷無し、アース電位にある冷却回路)と、プラズマアノードを備えた冷陰極ビーム形成器の利点(廉価で小型の構造、固有の真空システム無し、簡略化された高圧供給部、アース電位にある電力制御部)とが一体化された、軸方向タイプの電子ビーム形成器を実現する。
エミッタの直径は比較的小さいので、ハイブリッドカソードを用いることにより、同一の電流と同等のシンプルな構造において、大面積の冷たいアルミニウムカソードを用いる場合に比べて(より高い電力密度を有する)遙かにスリムな電子ビームを形成することができ、またプロセス位置(例えば蒸発坩堝)において従来技術よりも効果的に作用を及ぼすことができる。実験により、17mmの直径を有するLaB6エミッタと90mmの外径の対応するグラファイトリングとを備えたハイブリッドカソードからは、25kVの加速電圧において>3Aの電流が抽出された。これに対し、従来使用されている、90mmの直径を有する中実のアルミニウム冷陰極では、約5倍大きいビーム直径でこの電流が供給される。
ガス放電加熱されるLaB6エミッタを基礎とするハイブリッドカソードコンセプトの従来の分析によれば、本発明による装置では(冷陰極を備えた装置とは異なり)、例えばあらゆる希ガスのような不活性プラズマプロセスガスをカソードチャンバにおいて使用することができる。反応性ガスの混合も原理的には可能であるが、例えば酸素及び水蒸気はLaB6エミッタにおける電子親和力を高めるので、いわゆる「化学的なカソード汚染」が生じる可能性がある。軽量のプロセスガスが好適である。何故ならば、この軽量のプロセスガスにより、放射面のスパッタ侵食が減少し、また電子の散乱も比較的少なくなるからである。経済的な周辺条件を考慮すると、例えば、技術的に純粋なヘリウム又は水素も、技術的に等価で、それと同時に廉価な解決手段を提供する。
ハイブリッドカソードの電力制御は、上述のように、カソードチャンバへのプロセスガスの流量を変化させることによって行なわれる。このことは、エジソン効果による放射モードにおいては、確かに放射面の温度の制御を介することで間接的にしか機能しないが、慣例の高出力ビーム形成器にとっては一般的である、背面側からのカソードブロックの衝撃加熱と比較すると、更に動力学的な利点も存在する。何故ならば、カソードボディの熱耐性は放射側からの加熱時には、イオン衝撃によって作用が及ぼされるように、それほど顕著には明らかにならないからである。
実験により、ハイブリッドカソードの組み合わされた放射メカニズムから、公知の冷陰極に比べて、カソードチャンバ内の(同じ電流で)低いプロセスガス圧力、またそれと有利に関係する損失電力も得られることが分かった。このことは三つの利点をもたらす:第1に、カソードチャンバからプロセスチャンバに流入するガス量が低減され、それによって、プロセスチャンバにおいて達成可能な動作圧力により好適に作用するか、もしくは、それに伴い真空システムの寸法設計に対して課される要求も低くなる。第2に、カソードの直接的な冷水が不要になる(それによって、複雑で高圧耐性のある絶縁された冷却水チューブが省略され、カソードの交換時に冷却回路を開く必要はもはやなくなる)。第3に、カソード保持部の必要とされる暗視野遮蔽部はより簡単に構成され、またより高い加速電圧(例えば40kVから60kVの範囲)も僅かな手間で印加することができる。
完全性を保つために、ここで、本発明による装置では、従来技術からも公知であるように、アノードを実現するために種々の解決手段を利用できることを言及しておく。最も簡単な場合には、カソードチャンバのハウジングを電気的にアノードとして接続することができる。しかしながらまた、別個のアノードをカソードチャンバ内に配置し、このカソードチャンバを接地されたハウジングから電気的に絶縁させ、従って、別の電位を印加することもできる。その種の別個の電極を例えばリング状に構成することができ、その場合には、リングの開口部が電子ビーム出射開口部として機能する。
以下では、複数の実施例に基づき本発明を詳細に説明する。
電子ビームを形成するための本発明による装置の概略図を示す。 衝撃により加熱される、熱電子的なブロックカソードを備えた電子ビーム源のカソードヘッドの概略図を示す。 直接的に冷却される、グロー放電により誘導放出される冷陰極を備えた電子ビーム源のカソードヘッドの概略図を示す。 取り付け台が直接的に冷却される、一つの実施の形態における本発明による装置のカソードヘッドの概略図を示す。 取り付け台が間接的に冷却され、また熱的に浮いたビームシールドを備えた、一つの実施の形態における本発明による装置のカソードヘッドの概略図を示す。
図面において紙面を占めている同一の構造を有する素子は一つの構成部材を形成している。図1には、本発明による装置が概略的に示されている。真空チャンバ10には電子ビーム形成器11が固定されており、この電子ビーム形成器11はハウジング12を含んでいる。ハウジング12は、ビーム出射側において、カソードチャンバとして形成されている真空化可能な空間13を規定する。カソードチャンバ13内には、二つの材料から成る、円形で面状のカソード14が配置されている。ディスク状で平坦に形成されており、また17mmのディスク直径を有している、LaB6から成るエミッタ14aはカソード14の中央領域として機能する。エミッタ14aは、90mmの外径を有しているグラファイトリング14bによって包囲されているが、環状の空隙によってこのグラファイトリング14bから機械的に分離されている。それにもかかわらず、グラファイトリング14bもエミッタディスク14aも、図1には図示していないコンタクト素子を用いることにより、同一の(カソード)電位を有している。カソード14に対向してアノード15が配置されており、このアノード15はリング状のディスクとして形成されており、またその軸方向のリング状開口部は、真空チャンバ10へと向かう電子ビームの出射開口部として機能する。真空チャンバ10の真空ポンプ10aは、真空チャンバ10自体も、カソードチャンバ13も真空状態にする。真空チャンバ10の真空状態は、アノード15のリング状開口部を介してカソードチャンバ13にまで拡がっている。
カソード14とアノード15との間においてグロー放電を生じさせるために、ガス流入部16を介して、ヘリウムが真空状態のカソードチャンバ13へと流入し、それと同時に、カソード14とアノード15との間の燃焼電圧として機能する、電子ビーム形成器において一般的な−30kVの高電圧が印加され、その際に、ハウジング12から機械的に分離されているアノード15にはアース電位か、又はそれとは異なる電位を選択的に印加することができる。電子ビーム形成器11の技術的な使用目的に応じて、更に好適には、前述の高圧が直流電圧として印加されるのではなく、高速に連続的に発生する電圧パルスの形態で印加される。それによって、カソード14とアノード15との間にはグロー放電プラズマが形成され、そのイオンがカソード14の表面に向かって加速され、それに基づき、主としてエミッタ14aの材料から二次電子が放出される。エミッタ14aの電子を放出する表面が比較的小さいこと、また、グラファイトリング14bの形状が凹状であることに基づき、放出される電子は一つのスリムな電子ビーム17へと束ねられる。
冷却されないエミッタ表面へのイオン衝撃が続くと、このエミッタ表面は、二次電子の他にエミッタ材料からの熱ビームに起因する電子も更に放出されることになる温度まで加熱され、この付加的な電子により電子ビーム17の電力密度が高められる。このようにして、ビーム断面が小さく、且つ電力密度が非常に高い電子ビームが生じ、この電子ビームは、アノード15の電子ビーム出射開口部を介してカソードチャンバ13から出力され、続いて、電子ビーム形成器11の公知の電子光学的な構造群11a(レンズ構造群及び偏向ミラー)を用いて、真空チャンバ10内に配置されているターゲット10bへと案内され、そのターゲットにおいて意図した処理タスク(例えば材料の加熱、溶融又は蒸発)によって所期のように作用を及ぼすことができる。
カソードチャンバ13の外側において、例えばカソード14とアノード15の間の真ん中には、交差する二つの鞍型コイルから成る、付加的な磁気コイルシステム11bが配置されている。これによって、ビーム軸に直交しているが、方位角に関して自由に配向可能である力線経過を有している磁場をカソードチャンバ13内に形成することができる。プラズマを圧縮するため、又は放電を安定させるために軸方向の磁場が時折使用される軸方向の放電装置のための公知の磁気コイルシステムとは異なり、本発明による磁気コイルシステム11bは、電子ビーム軸を横断する方向に延在しており、電子ビーム17の電場方向に影響を及ぼすことができる磁場を形成するために使用される。従って、外部の妨害磁場の影響下においても、又は、カソード14のエラー調整が簡単なものであるにもかかわらず、電子ビーム17を常に正確にアノード15の電子ビーム出射開口部へとセンタリングすることができる。センタリングユニットがアノードの下方にある電子光学的な柱の一部である公知の放射器システムとは異なり、本発明の磁気コイルシステム11bは既にカソードチャンバ13内で機能し、即ち、既に電子の加速中に機能し、従って非常に効率的なものである。この補助手段を用いることにより、電子ビーム出射開口部の非常に小さい直径(カソード直径の20%を下回る)を許容することができ、従って、プラズマプロセスガスの消費量を低減することができる。磁気コイルシステム11bをここでは確かに具体的な実施例に基づき説明したが、しかしながら、この磁気コイルシステム11bがカソードチャンバの外側においてハイブリッドカソードと対応するアノードとの間のある高さに配置されることによって、磁気コイルシステム11を本発明による装置の他の全ての実施の形態においても使用することができる。
イオン衝撃に起因してエミッタ14aが加熱することにより達する高い温度は、隣接する構成素子に対する熱的な保護を必要とする。このためにカソード14の背面には、熱的な絶縁体18が配置されており、この熱的な絶縁体18自体は電気的な絶縁体19に固定されている。電気的な絶縁体19はそれと同時に、カソードチャンバ13のための内壁として機能し、且つ、冷却チャネル19aと、カソードチャネル13への真空気密な高圧供給部とを含んでいる。冷却チャネル19aは管状に構成されている。冷却媒体は、この管の内部においては下方に向かって流れ(この流れは下方に向けられている太い矢印によって示唆されている)、管と電気絶縁体19との間に延在する中間空間においては再び上方に向かって流れる(この流れは上方に向けられている複数の細い矢印によって示唆されている)。エミッタ14aの改善された断熱を達成するために、エミッタ14aは間隙によって熱的な絶縁体18からもグラファイトリング14bからも間隔を空けて配置されている。
従来技術と比較するために、図2には、タングステン熱陰極を備えている公知のカソードプラグが概略的に示されており、また図3には、アルミニウム冷陰極を備えている同様に公知のカソードヘッドが概略的に示されている。
図2に示されているカソードプラグは、タングステンから成る熱陰極21の他に加熱コイル22も含んでおり、この加熱コイル22を用いることによりカソード21はその背面から電子衝撃によって加熱され、それにより、相応の温度に達すると、カソード21の前面では熱電効果に起因して電子が放出される。カソード21の断面積が比較的小さいことに基づき、その種の装置においては、ビーム断面積が小さい電子ビーム23が生じる。しかしながら、その種のカソードプラグには三つの電位、つまり、グローフィラメント用の二つの電位及びカソード電位が印加されなければならない。タングステン熱陰極の動作温度が高いこと、また、制限的な空間において複数の電位を案内し、且つ、相互に電気的に絶縁する必要があることに起因して、カソードプラグの機械的な構造は比較的複雑になり、それにより製造コストが上昇し、また実装及び位置調整に対する要求も増す結果となる。
図3に示されているカソードヘッドは取り付け台31を含んでおり、この取り付け台31には、90mmの外径を有し、またアルミニウムから成るディスク状の冷陰極32がネジ結合により固定されており、それら二つの構成部材は中空部33を形成し、この中空部33内に冷却媒体が流れる。従って、冷却媒体は直接的にカソード32の背面を通過するように流れ、この背面を冷却する。カソード32と図3には図示していないアノードとの間においてグロープラズマを形成することができ、このグロープラズマからイオンがカソード32の表面に向かって加速され、それによって二次電子がカソード材料から生じる。それらの二次電子はカソード32の表面全体から放出され、更なる電子を放出する可能性があるその他の放射メカニズムには作用しないので、図1及び図2に示した電子ビーム17及び23に比べてビーム断面積が比較的大きく、且つ、電力密度が小さい電子ビーム44が生じる。もっとも、図2に示したタングステン熱陰極のための煩雑なカソードヘッドに比べて、冷陰極のカソードヘッドは構造的に簡単に構成することができ、またメンテナンスも容易である。
図4には、本発明による装置のカソードヘッドの第1の実施の形態のヴァリエーションがやや詳細に概略的に示されている。カソードヘッドはアルミニウムから成る取り付け台40と特殊鋼から成る取り付け台41とを含んでおり、これら二つの取り付け台40,41はネジ結合によって相互に押し付けられている。キャップナット42を用いて、90mmの外径を有するグラファイトリング43bは取り付け台20に押し付けられる。そのリング状開口部に17mmの外径を有する平坦なLaB6エミッタディスクが挿入されているグラファイトリング43bは、このグラファイトリング43bが断熱を目的として大面積の間隔44が生じるように取り付け台40とは間隔を空けて配置されるように構成されている。エミッタ43a及びグラファイトリング43bは一緒に一つのハイブリッドカソード43を形成する。このハイブリッドカソード43では主としてエミッタ43aから電子ビーム45のための電子が放出される。取り付け台40の反対側の面には成形部品46が配置されており、従ってこの成形部品46は取り付け台40及び41に対して中空部47を形成している。それらの中空部47には冷却手段が流されており、成形部品46は冷却媒体の流れを方向付け、また取り付け台40の集中的な冷却を保証する。同様にカソードヘッドはプラスチックから成る絶縁体48を含んでおり、この絶縁体48はカソードヘッドの後方に配置されている構成部材をカソード電位から絶縁させる。本発明による装置のこの第1の実施の形態のヴァリエーションを用いることにより、構造的に比較的簡単な構成において、カソードヘッドを構成するために廉価な材料が使用される場合には、図2に示したタングステン熱陰極の直径及び電力密度に相当する直径及び電力密度を有している電子ビーム45を形成することができる。更に有利には、ハイブリッドカソード43を交換する際に冷却回路をもはや開く必要はない。これに対し、図3に示した冷陰極では冷却回路を開くことが必要になる。もっとも、上述の本発明の実施の形態のヴァリエーションにおいても、冷却媒体とカソード電位が依然として直接電気的に接触しており、それによってカソードヘッドに対する冷却回路の絶縁を保証するためのコストが上昇することは不利である。
図5には、改良された別の第2のヴァリエーションのカソードヘッドが概略的に示されている。ここでもまたカソードヘッドは二つの部品から形成されている取り付け台50を含んでいるが、もっともこの実施の形態ではモリブデンから成るものである。それら二つの部品はネジ結合によって相互に押し付けられており、また、ここでは窒化アルミニウムから成る電気的な絶縁体58に押し付けられている。択一的に、絶縁体58を酸化物セラミックスから形成することも考えられる。キャップナット52を用いて、そのリング状開口部に平坦なLaB6エミッタディスク53a(17mmの外径を有する)が挿入されているグラファイトリング53b(90mmの外径を有する)は取り付け台50に押し付けられる。エミッタ53a及びグラファイトリング53bは一緒に一つのハイブリッドカソード53を形成する。このハイブリッドカソード53では主としてエミッタ53aから電子ビーム55のための電子が放出される。取り付け台50は、ハイブリッドカソード53と絶縁体58との間に真空化された大面積の中間空間54が10mmの高さで生じ、その中間空間54内には熱的に浮いている多層のビームシールド56が取り付けられている。ビームシールド56は、スペーサによって隔てられている、重なって鋲留めされた三つの平行な特殊鋼薄板ディスクから形成される。これによって(図4に示した間隙44によって実現されているような個々の中間空間の断熱能力に比べて)改善された、ハイブリッドカソード53の断熱に基づき、冷却手段がもはや直接的に取り付け台50を通過する必要はない。冷却手段を案内するための中空部57はむしろ、電気的な絶縁体58に統合されており、それによって、冷却手段とカソード電位との間で生じるべき分離が達成される。同様に、真空気密な高圧供給部51が絶縁体58を通っており、この高圧供給部51は、所属の電子ビーム形成器の動作に必要とされる高圧を多層のビームシールド56に供給し、またこの多層のビームシールド56を介してカソード53に供給する。

Claims (19)

  1. 電子ビームを形成するための装置であって、
    該装置は、
    真空化可能な空間(13)の境界を成し、且つ、電子ビーム出射開口部を有しているハウジング(12)と、
    前記真空化可能な空間(13)へとプロセスガスを供給するための流入部(16)と、
    前記真空化可能な空間(13)内に配置されている面状のカソード(14)及びアノード(15)を備えており、
    前記カソード(14)と前記アノード(15)との間に電圧を印加することによりグロー放電プラズマが形成され、該グロー放電プラズマに由来するイオンが前記カソード(14)の表面に向かって加速され、且つ、前記カソードから放出された電子が前記グロー放電プラズマへと加速される、装置において、
    a)前記カソード(14)の中央に配置されている第1の表面領域を形成する、前記カソード(14)の第1の部分(14a)は少なくとも放射側において第1の材料から成るものであり、
    b)前記第1の表面領域を包囲している、前記カソード(14)の第2の表面領域を形成する、前記カソード(14)の第2の部分(14b)は第2の材料から成るものであり、
    c)前記第1の材料は導電性であり、且つ、4eVよりも小さい電子親和力を有しており、
    d)前記第2の材料は導電性であり、且つ、4eVよりも大きい電子親和力を有しており、
    e)前記第1の材料は加速されたイオンの印加によって、前記電子が主として熱電子放出によって前記第1の材料から発生する温度に加熱され
    f)少なくとも前記第1の材料は、背面側の断熱部によって、前記装置の冷却される部分から熱的に絶縁されている、
    ことを特徴とする、装置。
  2. 前記第1の表面領域は平坦に形成されている、請求項1に記載の装置。
  3. 前記第1の表面領域は凹状に形成されている、請求項1に記載の装置。
  4. 前記第1の表面領域を包囲する前記第2の表面領域は凹状に形成されている、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の装置。
  5. 前記第1の材料は希土類元素ホウ化物を含む、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の装置。
  6. 前記第1の表面領域は、前記第1の材料から成る中実の固体(14a)によって形成されている、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の装置。
  7. 前記第1の表面領域は結合体の構成部材である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の装置。
  8. 前記第2の材料はグラファイトを含む、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の装置。
  9. 前記第2の材料は金属を含む、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の装置。
  10. 前記第1の表面領域と前記第2の表面領域は、前記第1の表面領域を包囲する間隙によって隔てられている、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の装置。
  11. 前記断熱部は少なくとも一つの真空化可能な間隙(44;54)及び/又は断熱材(18;56)を含む、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の装置。
  12. 前記グロー放電の前記プロセスガスは希ガス又は水素である、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の装置。
  13. 前記装置のビーム出力は、燃焼電圧が一定である場合、又は、燃焼電圧がパルス制御式の場合、前記グロー放電のプロセスガス流を変化させることによって制御される、請求項1乃至12のいずれか一項に記載の装置。
  14. 電気的な絶縁体(19;48;58)が設けられており、該電気的な絶縁体(19;48;58)はカソード電位とは分離された冷却チャネル(19a)と真空気密な高圧供給部(19b)とを有している、請求項1乃至13のいずれか一項に記載の装置。
  15. 前記絶縁体はプラスチック(48)、酸化セラミックス又は窒化アルミニウム(58)から成るものである、請求項14に記載の装置。
  16. 前記真空化可能な空間(13)における前記電子ビーム(17)の伝播方向は、磁気コイルシステム(11b)によって前記カソード(14)と前記アノード(15)との間の領域に形成される、横方向の磁場によって制御される、請求項1乃至15のいずれか一項に記載の装置。
  17. 前記第1の材料は、1750Kよりも高い融点Tsを有している、請求項1に記載の装置。
  18. 前記第2の材料は、1750Kよりも高い融点Tsを有している、請求項1に記載の装置。
  19. 前記装置は、前記カソード(14)を冷却する装置を有していない、請求項1に記載の装置。
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