JP2004259478A - 電子銃及び電子線露光装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来よりも小さな電源で十分な電子線を放出できる電子銃、従来よりも照明一様性の高い電子銃を提供する。
【解決手段】第1カソード2の材料であるタンタルは質量の大きな原子であり、電子の後方散乱係数が50%にも達する。つまり、ボンバードメント電子の半分はカソードに熱エネルギーを与えることなく、後方に散乱されてしまう。そこで、(a)に示すように、第1カソード2のボンバードメントの面に凹凸状のスロープを形成するようにしている。このようにすると、散乱された電子が再びスロープに衝突する頻度が増え、後方に散乱されてしまう前にカソード裏面に熱エネルギーを渡せる確率が増える。スロープが急峻であれば、それだけ後方散乱係数を低減でき、加熱効率を高めることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】第1カソード2の材料であるタンタルは質量の大きな原子であり、電子の後方散乱係数が50%にも達する。つまり、ボンバードメント電子の半分はカソードに熱エネルギーを与えることなく、後方に散乱されてしまう。そこで、(a)に示すように、第1カソード2のボンバードメントの面に凹凸状のスロープを形成するようにしている。このようにすると、散乱された電子が再びスロープに衝突する頻度が増え、後方に散乱されてしまう前にカソード裏面に熱エネルギーを渡せる確率が増える。スロープが急峻であれば、それだけ後方散乱係数を低減でき、加熱効率を高めることができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、第1カソードと第2カソードを設け、第2カソードから引き出した電子を加速して第1カソードに衝突させることにより第1カソードを加熱し、第1カソードから熱電子を放出させて、この熱電子を加速して放出させる、ボンバードメント方式の電子銃、及びこの電子銃を使用した電子線露光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、より微細な半導体集積回路を露光できる、電子線露光装置の研究、開発が盛んに行われている。ここで電子線露光装置とは、レチクルに形成された回路パターンを電子光学系の投影レンズによりウエハに露光転写する装置である。この中でも、実用化に向けて開発が進んでいるものは、レチクル面をサブフィールドと呼ばれる露光領域に分割し、サブフィールド内のパターンを一括して露光転写し、露光パターンをつなぎ合わせることによりウエハ上に回路パターン全体を露光転写する、分割投影露光方式と呼ばれる方式の電子線露光装置である。
【0003】
この分割投影露光方式の電子線露光装置のサブフィールド、すなわち露光領域の大きさはレチクル上で約1mm□、ウエハ上で約250μm□程度であり、従来使用されてきた電子線描画方式の露光装置の露光領域に比べて非常に大きい。そのため、その露光領域内を均一に照明できる、エミッタンスの高い電子銃が必要となる。
【0004】
エミッタンスの高い電子銃として、直径の大きなタンタル単結晶を電子のボンバードメントにより加熱する技術が提案されている(High emittance source for PREVAIL projection lithography system, J. Vac. Sci. Technol. B 17(6), 2856 (1999):非特許文献1)。
【0005】
このような電子銃の概略構成を図6に示す。電子銃1は、第1カソード2、第2カソード3、ウエネルト電極4、アノード5を主な構成要素として構成される。第1カソード2は、直径約10mmのタンタル単結晶の(111)面を研磨したものであり、その裏面を加熱し、熱電子を放出させる。加熱方法として、第2カソード3のタングステンフィラメントに通電加熱し、熱電子を放出させ、第2カソード3と第1カソード2の間に約−3kVの電圧をかけ、第2カソード3のフィラメントからの電子を加速して、加速された電子(ボンバードメント電子)で第1カソード2の裏面をボンバードメントする。
【0006】
ボンバードメントされた電子は、第1カソード2裏面に吸収され、運動エネルギーを熱エネルギーに変換して第1カソード2を加熱する。第1カソード2とアノード5の間には約−100kVの電圧が印加されており、第1カソード2から放出された熱電子は接地電位とされているアノード5に向かい加速されて、出口から放出される。ウエネルト電極4は、第1カソード2から引き出される熱電子の量を制御する役割を果たす。なお、ウエネルト電極4が無い電子銃も開発されている。
【0007】
【非特許文献1】High emittance source for PREVAIL projection lithography system, J. Vac. Sci. Technol. B 17(6), 2856 (1999)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記電子銃で十分な電子を照射させるためには、500ワットものパワーを与えなければならなかった。100kVという高電圧に加え、露光装置に必要な低ノイズ性を有するようにし、かつ電源のパワーが大きな電源装置は、設計・製作が困難であり、従って高価なものとなっていた。
【0009】
また、電子線露光装置に必要とされる照明一様性(露光フィールド内での電流密度の一様性)は1%と言われているが、上記電子銃で達成されている照明一様性は3.2%である。その主な理由は、熱電子放出面である第1カソード2のカソード表面の温度一様性が悪いためである。ボンバードメントされた電子により第1カソード2の裏面に与えられる熱は、第1カソード2の機械的な保持部からの熱伝導と、第1カソード2の表面からの熱輻射で外部に散逸して行く。そのため、第1カソード2の周縁部の温度が中央部に比べて低くなる傾向にある。
【0010】
カソード表面の温度が低いと熱電子の放出も減るため、カソード表面の温度分布は有効電子放出面部全体に渡り1K以内に抑える必要がある。カソードの温度が2000Kであることを考えると非常に高い温度一様性が必要であることが分かる。
【0011】
図7は、このような電子銃を電子線装置の電子線源として使用した場合の概念図を示す。図においては、電子銃として第1カソード2と第2カソード3のみを示している。前述のように第2カソード3から放出される熱電子を加速して第1カソード2をボンバードメント電子により加熱し、第1カソード2から放出された電子を、電子線光学系6のレンズ系7により制御して、第1カソード2の表面の像を結像面8に結像させて照明する。
【0012】
第1カソード2表面の温度と、結像面8における電子線密度を図7中に示す。第1カソード2の周縁部分で温度が低くなっていることに伴い、結像面8上における露光フィールド周縁で、電子線密度が低いことが分かる。
【0013】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、従来よりも小さな電源で十分な電子線を放出できる電子銃、従来よりも照明一様性の高い電子銃を提供すること、さらにこれに加えて、この電子銃を使用した電子線露光装置を提供することを課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための第1の手段は、第1カソードと第2カソードを設け、第2カソードから引き出した電子を加速して第1カソードに衝突させることにより第1カソードを加熱し、第1カソードから熱電子を放出させて、この熱電子を加速して放出させる、ボンバードメント方式の電子銃であって、第2カソードからの電子を受ける第1カソードの面に凹凸が設けられていることを特徴とするもの(請求項1)である。
【0015】
本手段においては、第2カソードからの電子を受ける第1カソードの面に凹凸が設けられている。一般に凹凸が設けられている面においては平滑な面よりも電子の反射率が低くなる。この理由は、平滑な面であると反射される電子が、凹凸があることによって凹凸の側面に衝突しその部分で吸収される確率が増えるからである。よって、第2カソードからの電子を受ける面での電子の吸収率が高くなり、その分、第1カソードの温度を高めて、熱電子の放出量を多くすることができる。従って、従来に比して少ない電源容量で、同じだけの電子線を放出させることができる。
【0016】
前記課題を解決するための第2の手段は、前記第1の手段であって、前記凹凸が、第1カソードの周縁部のみに設けられていることを特徴とするもの(請求項2)である。
【0017】
前記凹凸を第1カソードの周縁部のみに設けると、周縁部において電子の吸収率が高まるので、従来技術の欄において説明したような、第1カソード周縁部での温度の低下を相殺することができ、第1カソードの電子放出面の温度分布を均一化できる。よって、照明一様性が優れた電子銃とすることができる。
【0018】
前記課題を解決するための第3の手段は、第1カソードと第2カソードを設け、第2カソードから引き出した電子を加速して第1カソードに衝突させることにより第1カソードを加熱し、第1カソードから熱電子を放出させて、この熱電子を加速して放出させる、ボンバードメント方式の電子銃であって、第1カソードの第2カソードに対向する面、及び第1カソードの側面の少なくとも一方に接触又は近接して、軽元素で形成された電子吸収体が設けられていることを特徴とするもの(請求項3)である。
【0019】
B(硼素)、Li(リチウム)、Be(ベリリウム)、C(炭素)等の軽元素は、電子が貫通しない程度の厚さを持てば、後方散乱電子、すなわち入射側に飛び出す電子の量が少ないため、電子の吸収率が大きい材料である。よって、軽元素で形成された電子吸収体を、第1カソードの第2カソードに対向する面、及び第1カソードの側面の少なくとも一方に接触又は近接して設けることにより、電子の吸収率を良くする。そして、この電子吸収体から第1カソードへの熱伝達(熱伝導、放射)により第1カソードを加熱することにより、第1カソードの温度を高めて熱電子の放出量を多くすることができる。従って、従来に比して少ない電源容量で、同じだけの電子線を放出させることができる。
【0020】
前記課題を解決するための第4の手段は、前記第3の手段であって、前記電子吸収体が第1カソードに近接して設けられ、前記電子吸収体に面する第1カソードの面に凹凸が設けられていることを特徴とするもの(請求項4)である。
【0021】
一般に凹凸のある面は平滑な面に対して放射率が高い。よって、電子吸収体に面する第1カソードの面に凹凸を設けることにより、電子吸収体からの放射熱が効率的に第1カソードに吸収されるようになり、第1カソードの温度をさらに高めることができる。
【0022】
前記課題を解決するための第5の手段は、前記第4の手段であって、前記凹凸が、第1カソードの周縁部、及び側面の少なくとも一方のみに設けられていることを特徴とするもの(請求項5)である。
【0023】
前記凹凸部を第1カソードの周縁部と側面の少なくとも一方のみに設けると、周縁部において放射率が高まるので、従来技術の欄において説明したような、第1カソード周縁部での温度の低下を相殺することができ、第1カソードの電子放出面の温度分布を均一化できる。よって、照明一様性が優れた電子銃とすることができる。
【0024】
前記課題を解決するための第6の手段は、前記第3の手段又は第4の手段であって、前記電子吸収体が第1カソードの側面にのみ設けられており、第1カソードの、熱電子放出面と第2カソードに対向する面との間に、熱伝達率の小さな部分が設けられていることを特徴とするもの(請求項6)である。
【0025】
第1カソードは、主として、その側面方向から、熱電子吸収体からの放射熱により加熱されることが好ましい。しかし、実際には第1カソードの裏面にもボンバードメント電子が衝突するために発熱が起こる。つまり、本来、側面からの加熱のみにしたいところに、裏面からの熱が加わってしまう。そのため、本手段においては、第1カソードの熱電子放出面と第2カソードに対向する面(第1カソードの裏面)との間に、熱伝達率の小さな部分を設けている。これにより、カソードを側面から加熱できるので、熱電子放出面周縁部の温度の低下を抑制することができ、照明一様性の良い電子銃とすることができる。
【0026】
前記課題を解決するための第7の手段は、前記第3の手段、第4の手段、第6の手段のいずれかであって、前記電子吸収体が第1カソードの側面にのみ設けられており、第1カソードの第2カソードに対向する面と第2カソードとの間に、ボンバードメント電子を反射する反射板が設けられていることを特徴とするもの(請求項7)である。
【0027】
本手段においては、第1カソードの第2カソードに対向する面と第2カソードとの間に、ボンバードメント電子を反射する反射板を設けているので、第1カソードに直接入射するボンバードメント電子の量が少なくなり、第1カソードの加熱のほとんどは、側面に設けられた電子吸収体からの伝熱により行われる。よって、熱電子放出面中央部の温度を低させることができ、照明一様性の良い電子銃とすることができる。
【0028】
前記課題を解決するための第8の手段は、前記第7の手段であって、前記反射板の、第2カソード側の表面が平滑化されていることを特徴とするもの(請求項8)である。
【0029】
本手段においては、反射板の、第2カソード側の表面が平滑化されているので、反射板の電子反射率が向上する。よって、第1カソードに直接入射するボンバードメント電子の量が益々少なくなり、電子銃の照明一様性を向上させることができる。
【0030】
前記課題を解決するための第9の手段は、前記第3の手段から第8の手段のいずれかであって、前記軽元素がグラファイトであることを特徴とするもの(請求項9)である。
【0031】
グラファイトは炭素の焼結体であるが、焼結体であるため、表面に凹凸があり、電子吸収率が高い。又、融点が高く高温でも使用することができる。さらに、放射率が高いため、放射伝熱により効率的に第1カソードを加熱することができる。
【0032】
前記課題を解決するための第10の手段は、前記第1の手段から第9の手段のいずれかである電子銃を電子源として有することを特徴とする電子線露光装置である。
【0033】
本手段においては、前記第1の手段から第9の手段のいずれかである電子銃を電子源としているので、それぞれの手段の説明において述べたような特徴を有する電子銃を電子線源として使用することができ、小さな電源容量の電源で安定して駆動できたり、照明一様性を良好にしたりすることができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の例を、図を用いて説明する。以下に説明する電子銃の形式は、図6に示すものと同じであり、単に第1カソード2の形状が特殊であるのみであるので、以下の図においては、第1カソード2と第2カソード3の部分のみを図示している。
【0035】
図1は、本発明の第1の実施の形態である電子銃2の状態を示す図である。第1カソード2の材料であるタンタルは質量の大きな原子であり、電子の後方散乱係数が50%にも達する。つまり、ボンバードメント電子の半分はカソードに熱エネルギーを与えることなく、後方に散乱されてしまう。一般に従来の第1カソード2では、そのボンバードメントの表面を、ボンバードメント電子の入射方向と垂直にしていたので、特に後方に電子が散乱されやすい状態にあった。
【0036】
そこで、この実施の形態においては、図1(a)に示すように、第1カソード2のボンバードメントの面に凹凸状のスロープを形成するようにしている。このようにすると、散乱された電子が再びスロープに衝突する頻度が増え、後方に散乱されにくいので、結果としてカソードに吸収されて、カソード裏面に熱エネルギーを渡せる確率が増える。カソードは旋盤により加工されるため、旋盤のひきめを粗くすることによりスロープが形成される。スロープをより急峻にするためには、鋭い刃具を用意し、それを使って旋盤加工すればよい。スロープが急峻であれば、それだけ後方散乱係数を低減でき、加熱効率を高めることができる。
【0037】
同様な効果を得るため、図1(b)では、第1カソード2裏面をサンドブラストで荒らしている。このようにすると、表面にミクロなスロープが多数形成され、ボンバードメント電子がカソードに吸収される確率が増える。図1(c)のように、スロープを第1カソード2周縁部のみに形成すると、第1カソード2周縁部でより多くのボンバードメント電子が吸収されるため、発熱を第1カソード2中央より多くできる。
【0038】
周縁部の発熱が大きくなると、その分第1カソード2表面(エミッション側)の周縁部がより加熱され、第1カソード2周縁部の温度低下を低減できる。サンドブラストを第1カソード2裏面の周縁部のみに施した場合を図1(d)に示す。この場合も、図1(c)に示したものと同様な効果が期待できる。第1カソード2裏面の荒らしかたとして、エッチング、機械的なグラインディング、荒い砥粒での研磨等を使用できる。
【0039】
図2は、本発明の第2の実施の形態である電子銃の第1カソード2の状態を示す図である。この実施の形態においては、第1カソード2のボンバードメント側に、軽元素の電子吸収体を設けている。図2(a)はその1例であり、第1カソード2を構成するタンタル9の裏面にカーボンプレート10を設けることにより、このような方式を実現している。カーボンは軽元素(低原子番号)のであるため、後方散乱係数は7%であって小さい。そのため、タンタルと比べ吸収電子の数をほぼ倍にすることができ、加熱効率を高めることができる。カーボンの一種としてグラファイトを使用してもよい。
【0040】
又、カーボンプレート10として焼結体で内部がポーラスなものを使用すると、カーボン表面の凹凸が大きいので、この面でも電子の吸収を大きくできる。さらに、カーボンの融点は3700K以上であり、電子銃を高温環境でも使用することができる。
【0041】
しかしながら、カーボンプレート10を効率的に加熱しても、その熱をうまくタンタル9に伝達しないと意味がない。熱伝導の効率を上げる方法として、カーボンプレート10とタンタル9の接触面積を増加させることがあげられる。両者を固着させるためには、例えば、カーボンプレート10の表面にスパッタリングによりタンタル9を形成することが考えられる。しかしタンタルの熱膨張係数は7.2PPMなのと比べ、焼結カーボンの熱膨張率は6PPM程度であり、両者はやや異なる。そのため、たとえ両者を固着させても、熱膨張係数の違いに起因して、使用に際し、両者が剥がれる懸念がある。
【0042】
カーボンプレート10をタンタル9に強く押し当てようとしても、カーボンは欠け易いため、ネジ等できつくタンタルに押し当てられない。又、前述のように、熱膨張係数も異なるため、電子銃が作動する高温下でカーボンとタンタルをきつく固体接触させると、熱膨張による応力によりカーボンが割れる可能性がある。さらにカーボンは表面ラフネスが大きく、マクロにみた場合に両者が接触していても、ミクロに見ると接触面積は著しく小さい(1/1,000〜1/10,000程度)。よっって伝導伝熱を上げようとしても限界がある。
【0043】
しかしそもそも、電子銃が使用される真空中では接触熱抵抗は非常に大きく、電子銃が使用される高温環境下では輻射による熱移動が支配的となる。よって、カーボンプレート10とタンタル9との接触面積を増すことは、必ずしも重要ではなく、輻射伝熱を高めることの方が重要となる。この点でもカーボンは優れている。すなわち、カーボンの輻射率は0.84程度と高いため、輻射伝熱効率が高い。そのため、カーボンの熱が輻射によりタンタルカソードに移動しやすい。
【0044】
一般に、金属の輻射率は、表面が平滑になるほど低くなる。よって、タンタル9の裏面を図2(b)のようにサンドブラストやエッチングで荒らすと、表面の輻射率が増加する。タンタル9の輻射率が増加すると、カーボンプレート10からの輻射を効率的に吸収することができ、より輻射伝熱効率が高くなる。
【0045】
図2(c)のように、タンタル9裏面の周縁部のみを荒らすと、その部分で輻射による伝熱が起こりやすく、タンタル9中心部分では輻射が反射されて輻射伝熱が起こりにくい。このようにして、第1カソード2周縁部での温度低下を防ぐことができる。
【0046】
図3は、本発明の第3の実施の形態である電子銃の第1カソード2の状態を示す図である。この例は、グラファイト11でタンタル9を包み込むようにしたものである。
【0047】
図3(a)のように、グラファイト11でタンタル9を包み込むようにすると、タンタル9の裏面のみからでなく、9の側面からも熱移動が起こり、第1カソード2周縁部の温度低下を防ぐことができる。ただしこの場合、グラファイト11表面の一部が、高圧がかかっている電子銃の外側を向くようになる。グラファイト表面はポーラスであるため、微少な凹凸がある。この部分に電界が集中すると、電子が電界放射し、カソード以外からもエミッションが起こり問題となる。このような問題が起こる場合は、グラファイトの代わりにガラス状カーボンを使用するとよい。
【0048】
ガラス状カーボンは緻密で、鏡面加工もできる。そのため、ガラス状カーボンの下面(電子銃の出側を向く面)を鏡面加工し、ここからの電界放射電子を抑制することができる。ガラス状カーボンからタンタルカソードへの輻射による熱移動の効率を更に上げるため、図3(b)に示すように、タンタル9の裏面と側面をサンドブラスト等で荒らし、輻射率を上げるのが効果的である。この場合、タンタル9に面しているガラス状カーボンの部分には鏡面加工を施さないようにする。このようにすると、この部分の輻射率は高く保つことができる。又、ガラス状カーボンの外側面を鏡面加工することが好ましい。これにより、外側面の輻射率が下がるので、この部分からの輻射による熱の空間への散逸を低減し、加熱効率を高めることができる。
【0049】
図4は、本発明の第4の実施の形態である電子銃の第1カソード2の状態を示す図である。この実施の形態は、図4(a)のように、グラファイト11をリング形状とし、第1カソード2裏面をボンバードメントに直接さらす構成を採用したものである。この場合、第1カソード2裏面に比べグラファイト11部分の方がよりボンバードメント電子を吸収し、そのグラファイト11がタンタル9周縁を加熱するため、第1カソード2周縁の温度低下を抑えられる。
【0050】
図4(a)に示す実施の形態では、軽元素を第1カソード周囲に配置することにより、後方散乱係数に差を持たせ、ボンバードメントによる発熱を周辺部でより多くすることを狙っている。図4(b)に示す実施の形態では、さらにタンタルの裏面から表面にかけて、くびれを設け、第1カソード裏面で発生したボンバードメントによる発熱をカソード表面(熱電子放出面側)に伝えにくくしている。これにより第1カソードの熱電子放出面側の中央部の温度上昇を抑えることができ、相対的に周辺部の温度を中心部と同じ程度に保つことができる。
【0051】
更に、図4(c)に示す実施の形態のように、タンタルの手前にボンバードメントを跳ね返す反射板を置き、これとタンタルを分離してもよい。これにより反射板からのボンバードメントによる発熱が第1カソードに熱伝導で伝わる成分を完全に除去できる。そのため図4(b)で狙っている効果よりより高い効果が得られる。
【0052】
ボンバードメント電子を跳ね返す反射板12は、タンタルである必要はなく、より原子番号が大きく、融点が高いタングステンやレニウムを使用してもよい。これらの実施の形態では、反射板12に金属を使用しているため、輻射率が低く、高温となっても輻射を出しにくい。そのため、第1カソード2は、裏面側からの加熱が少なくなり、第1カソード2の周縁からの加熱が支配的になって、温度一様性を向上させることができる。
【0053】
以上の実施の形態に用いる軽元素として、カーボン(グラファイト)の他に、リチウム等の金属や、アルミナ、SiC、SiN等のセラミクスを使用することができる。しかし、カソード面が高温となる場合には、耐熱性の面でカーボン(グラファイト)を使用することが好ましい。
【0054】
図5は、本発明の実施の形態の1例である電子線露光転写装置の構成の概要を示す図である。図5において、21は上述の実施の形態で示された電子銃、22は電子ビーム、23a、23bは照明レンズ、24はレチクル、25は第1投影レンズ、26は第2投影レンズ、27はウエハ、28はアパーチャー、29、30は偏向器である。
【0055】
電子銃21から放出された電子ビームは、照明レンズ23a、23bでテレセン性を有する照明とされ、レチクル24上に電子銃のカソード面の像を作ることにより、レチクル24面を一様に照明する。レチクル24上に形成された回路パターンは、第1投影レンズ25と第2投影レンズ26により、ウエハ27の表面に結像する。レチクル24で散乱された電子を除去するため、アパーチャー28が設けられている。
【0056】
偏向器29は、レチクル24の照明位置を変化させ、偏向器30は、レチクルからの電子ビームの、ウエハ面での結像位置を変化させるのに使用される。レチクル24、ウエハ27、アパーチャー28はアース電位に保たれている。
【0057】
この装置においては、電子銃21に、本発明の実施の形態で示したような電子銃が用いられている。よって、レチクル24を照明する電子線の分布が一様となり、かつ、電子銃を駆動する電源が小さい容量のもので済むので、安価な装置とすることができる。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、従来よりも小さな電源で十分な電子線を放出できる電子銃、従来よりも照明一様性の高い電子銃を提供すること、さらにこれに加えて、この電子銃を使用した電子線露光装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態である電子銃の状態を示す図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態である電子銃の状態を示す図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態である電子銃の状態を示す図である。
【図4】本発明の第4の実施の形態である電子銃の状態を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態の1例である電子線露光転写装置の構成の概要を示す図である。
【図6】電子銃の概略構成を示す図である。
【図7】電子銃を電子線装置の電子線源として使用した場合の概念図である。
【符号の説明】
1…電子銃、2…第1カソード、3…第2カソード、4…ウエネルト電極、5…アノード、6…電子線光学系、7…レンズ系、8…結像面、9…タンタル、9a…くびれ、10…カーボンプレート、11…グラファイト、12…反射板、21…図6に示された電子銃、22…電子ビーム、23a、23b…照明レンズ、24…レチクル、25…第1投影レンズ、26…第2投影レンズ、27…ウエハ、28…アパーチャー、29、30…偏向器
【発明の属する技術分野】
本発明は、第1カソードと第2カソードを設け、第2カソードから引き出した電子を加速して第1カソードに衝突させることにより第1カソードを加熱し、第1カソードから熱電子を放出させて、この熱電子を加速して放出させる、ボンバードメント方式の電子銃、及びこの電子銃を使用した電子線露光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、より微細な半導体集積回路を露光できる、電子線露光装置の研究、開発が盛んに行われている。ここで電子線露光装置とは、レチクルに形成された回路パターンを電子光学系の投影レンズによりウエハに露光転写する装置である。この中でも、実用化に向けて開発が進んでいるものは、レチクル面をサブフィールドと呼ばれる露光領域に分割し、サブフィールド内のパターンを一括して露光転写し、露光パターンをつなぎ合わせることによりウエハ上に回路パターン全体を露光転写する、分割投影露光方式と呼ばれる方式の電子線露光装置である。
【0003】
この分割投影露光方式の電子線露光装置のサブフィールド、すなわち露光領域の大きさはレチクル上で約1mm□、ウエハ上で約250μm□程度であり、従来使用されてきた電子線描画方式の露光装置の露光領域に比べて非常に大きい。そのため、その露光領域内を均一に照明できる、エミッタンスの高い電子銃が必要となる。
【0004】
エミッタンスの高い電子銃として、直径の大きなタンタル単結晶を電子のボンバードメントにより加熱する技術が提案されている(High emittance source for PREVAIL projection lithography system, J. Vac. Sci. Technol. B 17(6), 2856 (1999):非特許文献1)。
【0005】
このような電子銃の概略構成を図6に示す。電子銃1は、第1カソード2、第2カソード3、ウエネルト電極4、アノード5を主な構成要素として構成される。第1カソード2は、直径約10mmのタンタル単結晶の(111)面を研磨したものであり、その裏面を加熱し、熱電子を放出させる。加熱方法として、第2カソード3のタングステンフィラメントに通電加熱し、熱電子を放出させ、第2カソード3と第1カソード2の間に約−3kVの電圧をかけ、第2カソード3のフィラメントからの電子を加速して、加速された電子(ボンバードメント電子)で第1カソード2の裏面をボンバードメントする。
【0006】
ボンバードメントされた電子は、第1カソード2裏面に吸収され、運動エネルギーを熱エネルギーに変換して第1カソード2を加熱する。第1カソード2とアノード5の間には約−100kVの電圧が印加されており、第1カソード2から放出された熱電子は接地電位とされているアノード5に向かい加速されて、出口から放出される。ウエネルト電極4は、第1カソード2から引き出される熱電子の量を制御する役割を果たす。なお、ウエネルト電極4が無い電子銃も開発されている。
【0007】
【非特許文献1】High emittance source for PREVAIL projection lithography system, J. Vac. Sci. Technol. B 17(6), 2856 (1999)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記電子銃で十分な電子を照射させるためには、500ワットものパワーを与えなければならなかった。100kVという高電圧に加え、露光装置に必要な低ノイズ性を有するようにし、かつ電源のパワーが大きな電源装置は、設計・製作が困難であり、従って高価なものとなっていた。
【0009】
また、電子線露光装置に必要とされる照明一様性(露光フィールド内での電流密度の一様性)は1%と言われているが、上記電子銃で達成されている照明一様性は3.2%である。その主な理由は、熱電子放出面である第1カソード2のカソード表面の温度一様性が悪いためである。ボンバードメントされた電子により第1カソード2の裏面に与えられる熱は、第1カソード2の機械的な保持部からの熱伝導と、第1カソード2の表面からの熱輻射で外部に散逸して行く。そのため、第1カソード2の周縁部の温度が中央部に比べて低くなる傾向にある。
【0010】
カソード表面の温度が低いと熱電子の放出も減るため、カソード表面の温度分布は有効電子放出面部全体に渡り1K以内に抑える必要がある。カソードの温度が2000Kであることを考えると非常に高い温度一様性が必要であることが分かる。
【0011】
図7は、このような電子銃を電子線装置の電子線源として使用した場合の概念図を示す。図においては、電子銃として第1カソード2と第2カソード3のみを示している。前述のように第2カソード3から放出される熱電子を加速して第1カソード2をボンバードメント電子により加熱し、第1カソード2から放出された電子を、電子線光学系6のレンズ系7により制御して、第1カソード2の表面の像を結像面8に結像させて照明する。
【0012】
第1カソード2表面の温度と、結像面8における電子線密度を図7中に示す。第1カソード2の周縁部分で温度が低くなっていることに伴い、結像面8上における露光フィールド周縁で、電子線密度が低いことが分かる。
【0013】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、従来よりも小さな電源で十分な電子線を放出できる電子銃、従来よりも照明一様性の高い電子銃を提供すること、さらにこれに加えて、この電子銃を使用した電子線露光装置を提供することを課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための第1の手段は、第1カソードと第2カソードを設け、第2カソードから引き出した電子を加速して第1カソードに衝突させることにより第1カソードを加熱し、第1カソードから熱電子を放出させて、この熱電子を加速して放出させる、ボンバードメント方式の電子銃であって、第2カソードからの電子を受ける第1カソードの面に凹凸が設けられていることを特徴とするもの(請求項1)である。
【0015】
本手段においては、第2カソードからの電子を受ける第1カソードの面に凹凸が設けられている。一般に凹凸が設けられている面においては平滑な面よりも電子の反射率が低くなる。この理由は、平滑な面であると反射される電子が、凹凸があることによって凹凸の側面に衝突しその部分で吸収される確率が増えるからである。よって、第2カソードからの電子を受ける面での電子の吸収率が高くなり、その分、第1カソードの温度を高めて、熱電子の放出量を多くすることができる。従って、従来に比して少ない電源容量で、同じだけの電子線を放出させることができる。
【0016】
前記課題を解決するための第2の手段は、前記第1の手段であって、前記凹凸が、第1カソードの周縁部のみに設けられていることを特徴とするもの(請求項2)である。
【0017】
前記凹凸を第1カソードの周縁部のみに設けると、周縁部において電子の吸収率が高まるので、従来技術の欄において説明したような、第1カソード周縁部での温度の低下を相殺することができ、第1カソードの電子放出面の温度分布を均一化できる。よって、照明一様性が優れた電子銃とすることができる。
【0018】
前記課題を解決するための第3の手段は、第1カソードと第2カソードを設け、第2カソードから引き出した電子を加速して第1カソードに衝突させることにより第1カソードを加熱し、第1カソードから熱電子を放出させて、この熱電子を加速して放出させる、ボンバードメント方式の電子銃であって、第1カソードの第2カソードに対向する面、及び第1カソードの側面の少なくとも一方に接触又は近接して、軽元素で形成された電子吸収体が設けられていることを特徴とするもの(請求項3)である。
【0019】
B(硼素)、Li(リチウム)、Be(ベリリウム)、C(炭素)等の軽元素は、電子が貫通しない程度の厚さを持てば、後方散乱電子、すなわち入射側に飛び出す電子の量が少ないため、電子の吸収率が大きい材料である。よって、軽元素で形成された電子吸収体を、第1カソードの第2カソードに対向する面、及び第1カソードの側面の少なくとも一方に接触又は近接して設けることにより、電子の吸収率を良くする。そして、この電子吸収体から第1カソードへの熱伝達(熱伝導、放射)により第1カソードを加熱することにより、第1カソードの温度を高めて熱電子の放出量を多くすることができる。従って、従来に比して少ない電源容量で、同じだけの電子線を放出させることができる。
【0020】
前記課題を解決するための第4の手段は、前記第3の手段であって、前記電子吸収体が第1カソードに近接して設けられ、前記電子吸収体に面する第1カソードの面に凹凸が設けられていることを特徴とするもの(請求項4)である。
【0021】
一般に凹凸のある面は平滑な面に対して放射率が高い。よって、電子吸収体に面する第1カソードの面に凹凸を設けることにより、電子吸収体からの放射熱が効率的に第1カソードに吸収されるようになり、第1カソードの温度をさらに高めることができる。
【0022】
前記課題を解決するための第5の手段は、前記第4の手段であって、前記凹凸が、第1カソードの周縁部、及び側面の少なくとも一方のみに設けられていることを特徴とするもの(請求項5)である。
【0023】
前記凹凸部を第1カソードの周縁部と側面の少なくとも一方のみに設けると、周縁部において放射率が高まるので、従来技術の欄において説明したような、第1カソード周縁部での温度の低下を相殺することができ、第1カソードの電子放出面の温度分布を均一化できる。よって、照明一様性が優れた電子銃とすることができる。
【0024】
前記課題を解決するための第6の手段は、前記第3の手段又は第4の手段であって、前記電子吸収体が第1カソードの側面にのみ設けられており、第1カソードの、熱電子放出面と第2カソードに対向する面との間に、熱伝達率の小さな部分が設けられていることを特徴とするもの(請求項6)である。
【0025】
第1カソードは、主として、その側面方向から、熱電子吸収体からの放射熱により加熱されることが好ましい。しかし、実際には第1カソードの裏面にもボンバードメント電子が衝突するために発熱が起こる。つまり、本来、側面からの加熱のみにしたいところに、裏面からの熱が加わってしまう。そのため、本手段においては、第1カソードの熱電子放出面と第2カソードに対向する面(第1カソードの裏面)との間に、熱伝達率の小さな部分を設けている。これにより、カソードを側面から加熱できるので、熱電子放出面周縁部の温度の低下を抑制することができ、照明一様性の良い電子銃とすることができる。
【0026】
前記課題を解決するための第7の手段は、前記第3の手段、第4の手段、第6の手段のいずれかであって、前記電子吸収体が第1カソードの側面にのみ設けられており、第1カソードの第2カソードに対向する面と第2カソードとの間に、ボンバードメント電子を反射する反射板が設けられていることを特徴とするもの(請求項7)である。
【0027】
本手段においては、第1カソードの第2カソードに対向する面と第2カソードとの間に、ボンバードメント電子を反射する反射板を設けているので、第1カソードに直接入射するボンバードメント電子の量が少なくなり、第1カソードの加熱のほとんどは、側面に設けられた電子吸収体からの伝熱により行われる。よって、熱電子放出面中央部の温度を低させることができ、照明一様性の良い電子銃とすることができる。
【0028】
前記課題を解決するための第8の手段は、前記第7の手段であって、前記反射板の、第2カソード側の表面が平滑化されていることを特徴とするもの(請求項8)である。
【0029】
本手段においては、反射板の、第2カソード側の表面が平滑化されているので、反射板の電子反射率が向上する。よって、第1カソードに直接入射するボンバードメント電子の量が益々少なくなり、電子銃の照明一様性を向上させることができる。
【0030】
前記課題を解決するための第9の手段は、前記第3の手段から第8の手段のいずれかであって、前記軽元素がグラファイトであることを特徴とするもの(請求項9)である。
【0031】
グラファイトは炭素の焼結体であるが、焼結体であるため、表面に凹凸があり、電子吸収率が高い。又、融点が高く高温でも使用することができる。さらに、放射率が高いため、放射伝熱により効率的に第1カソードを加熱することができる。
【0032】
前記課題を解決するための第10の手段は、前記第1の手段から第9の手段のいずれかである電子銃を電子源として有することを特徴とする電子線露光装置である。
【0033】
本手段においては、前記第1の手段から第9の手段のいずれかである電子銃を電子源としているので、それぞれの手段の説明において述べたような特徴を有する電子銃を電子線源として使用することができ、小さな電源容量の電源で安定して駆動できたり、照明一様性を良好にしたりすることができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の例を、図を用いて説明する。以下に説明する電子銃の形式は、図6に示すものと同じであり、単に第1カソード2の形状が特殊であるのみであるので、以下の図においては、第1カソード2と第2カソード3の部分のみを図示している。
【0035】
図1は、本発明の第1の実施の形態である電子銃2の状態を示す図である。第1カソード2の材料であるタンタルは質量の大きな原子であり、電子の後方散乱係数が50%にも達する。つまり、ボンバードメント電子の半分はカソードに熱エネルギーを与えることなく、後方に散乱されてしまう。一般に従来の第1カソード2では、そのボンバードメントの表面を、ボンバードメント電子の入射方向と垂直にしていたので、特に後方に電子が散乱されやすい状態にあった。
【0036】
そこで、この実施の形態においては、図1(a)に示すように、第1カソード2のボンバードメントの面に凹凸状のスロープを形成するようにしている。このようにすると、散乱された電子が再びスロープに衝突する頻度が増え、後方に散乱されにくいので、結果としてカソードに吸収されて、カソード裏面に熱エネルギーを渡せる確率が増える。カソードは旋盤により加工されるため、旋盤のひきめを粗くすることによりスロープが形成される。スロープをより急峻にするためには、鋭い刃具を用意し、それを使って旋盤加工すればよい。スロープが急峻であれば、それだけ後方散乱係数を低減でき、加熱効率を高めることができる。
【0037】
同様な効果を得るため、図1(b)では、第1カソード2裏面をサンドブラストで荒らしている。このようにすると、表面にミクロなスロープが多数形成され、ボンバードメント電子がカソードに吸収される確率が増える。図1(c)のように、スロープを第1カソード2周縁部のみに形成すると、第1カソード2周縁部でより多くのボンバードメント電子が吸収されるため、発熱を第1カソード2中央より多くできる。
【0038】
周縁部の発熱が大きくなると、その分第1カソード2表面(エミッション側)の周縁部がより加熱され、第1カソード2周縁部の温度低下を低減できる。サンドブラストを第1カソード2裏面の周縁部のみに施した場合を図1(d)に示す。この場合も、図1(c)に示したものと同様な効果が期待できる。第1カソード2裏面の荒らしかたとして、エッチング、機械的なグラインディング、荒い砥粒での研磨等を使用できる。
【0039】
図2は、本発明の第2の実施の形態である電子銃の第1カソード2の状態を示す図である。この実施の形態においては、第1カソード2のボンバードメント側に、軽元素の電子吸収体を設けている。図2(a)はその1例であり、第1カソード2を構成するタンタル9の裏面にカーボンプレート10を設けることにより、このような方式を実現している。カーボンは軽元素(低原子番号)のであるため、後方散乱係数は7%であって小さい。そのため、タンタルと比べ吸収電子の数をほぼ倍にすることができ、加熱効率を高めることができる。カーボンの一種としてグラファイトを使用してもよい。
【0040】
又、カーボンプレート10として焼結体で内部がポーラスなものを使用すると、カーボン表面の凹凸が大きいので、この面でも電子の吸収を大きくできる。さらに、カーボンの融点は3700K以上であり、電子銃を高温環境でも使用することができる。
【0041】
しかしながら、カーボンプレート10を効率的に加熱しても、その熱をうまくタンタル9に伝達しないと意味がない。熱伝導の効率を上げる方法として、カーボンプレート10とタンタル9の接触面積を増加させることがあげられる。両者を固着させるためには、例えば、カーボンプレート10の表面にスパッタリングによりタンタル9を形成することが考えられる。しかしタンタルの熱膨張係数は7.2PPMなのと比べ、焼結カーボンの熱膨張率は6PPM程度であり、両者はやや異なる。そのため、たとえ両者を固着させても、熱膨張係数の違いに起因して、使用に際し、両者が剥がれる懸念がある。
【0042】
カーボンプレート10をタンタル9に強く押し当てようとしても、カーボンは欠け易いため、ネジ等できつくタンタルに押し当てられない。又、前述のように、熱膨張係数も異なるため、電子銃が作動する高温下でカーボンとタンタルをきつく固体接触させると、熱膨張による応力によりカーボンが割れる可能性がある。さらにカーボンは表面ラフネスが大きく、マクロにみた場合に両者が接触していても、ミクロに見ると接触面積は著しく小さい(1/1,000〜1/10,000程度)。よっって伝導伝熱を上げようとしても限界がある。
【0043】
しかしそもそも、電子銃が使用される真空中では接触熱抵抗は非常に大きく、電子銃が使用される高温環境下では輻射による熱移動が支配的となる。よって、カーボンプレート10とタンタル9との接触面積を増すことは、必ずしも重要ではなく、輻射伝熱を高めることの方が重要となる。この点でもカーボンは優れている。すなわち、カーボンの輻射率は0.84程度と高いため、輻射伝熱効率が高い。そのため、カーボンの熱が輻射によりタンタルカソードに移動しやすい。
【0044】
一般に、金属の輻射率は、表面が平滑になるほど低くなる。よって、タンタル9の裏面を図2(b)のようにサンドブラストやエッチングで荒らすと、表面の輻射率が増加する。タンタル9の輻射率が増加すると、カーボンプレート10からの輻射を効率的に吸収することができ、より輻射伝熱効率が高くなる。
【0045】
図2(c)のように、タンタル9裏面の周縁部のみを荒らすと、その部分で輻射による伝熱が起こりやすく、タンタル9中心部分では輻射が反射されて輻射伝熱が起こりにくい。このようにして、第1カソード2周縁部での温度低下を防ぐことができる。
【0046】
図3は、本発明の第3の実施の形態である電子銃の第1カソード2の状態を示す図である。この例は、グラファイト11でタンタル9を包み込むようにしたものである。
【0047】
図3(a)のように、グラファイト11でタンタル9を包み込むようにすると、タンタル9の裏面のみからでなく、9の側面からも熱移動が起こり、第1カソード2周縁部の温度低下を防ぐことができる。ただしこの場合、グラファイト11表面の一部が、高圧がかかっている電子銃の外側を向くようになる。グラファイト表面はポーラスであるため、微少な凹凸がある。この部分に電界が集中すると、電子が電界放射し、カソード以外からもエミッションが起こり問題となる。このような問題が起こる場合は、グラファイトの代わりにガラス状カーボンを使用するとよい。
【0048】
ガラス状カーボンは緻密で、鏡面加工もできる。そのため、ガラス状カーボンの下面(電子銃の出側を向く面)を鏡面加工し、ここからの電界放射電子を抑制することができる。ガラス状カーボンからタンタルカソードへの輻射による熱移動の効率を更に上げるため、図3(b)に示すように、タンタル9の裏面と側面をサンドブラスト等で荒らし、輻射率を上げるのが効果的である。この場合、タンタル9に面しているガラス状カーボンの部分には鏡面加工を施さないようにする。このようにすると、この部分の輻射率は高く保つことができる。又、ガラス状カーボンの外側面を鏡面加工することが好ましい。これにより、外側面の輻射率が下がるので、この部分からの輻射による熱の空間への散逸を低減し、加熱効率を高めることができる。
【0049】
図4は、本発明の第4の実施の形態である電子銃の第1カソード2の状態を示す図である。この実施の形態は、図4(a)のように、グラファイト11をリング形状とし、第1カソード2裏面をボンバードメントに直接さらす構成を採用したものである。この場合、第1カソード2裏面に比べグラファイト11部分の方がよりボンバードメント電子を吸収し、そのグラファイト11がタンタル9周縁を加熱するため、第1カソード2周縁の温度低下を抑えられる。
【0050】
図4(a)に示す実施の形態では、軽元素を第1カソード周囲に配置することにより、後方散乱係数に差を持たせ、ボンバードメントによる発熱を周辺部でより多くすることを狙っている。図4(b)に示す実施の形態では、さらにタンタルの裏面から表面にかけて、くびれを設け、第1カソード裏面で発生したボンバードメントによる発熱をカソード表面(熱電子放出面側)に伝えにくくしている。これにより第1カソードの熱電子放出面側の中央部の温度上昇を抑えることができ、相対的に周辺部の温度を中心部と同じ程度に保つことができる。
【0051】
更に、図4(c)に示す実施の形態のように、タンタルの手前にボンバードメントを跳ね返す反射板を置き、これとタンタルを分離してもよい。これにより反射板からのボンバードメントによる発熱が第1カソードに熱伝導で伝わる成分を完全に除去できる。そのため図4(b)で狙っている効果よりより高い効果が得られる。
【0052】
ボンバードメント電子を跳ね返す反射板12は、タンタルである必要はなく、より原子番号が大きく、融点が高いタングステンやレニウムを使用してもよい。これらの実施の形態では、反射板12に金属を使用しているため、輻射率が低く、高温となっても輻射を出しにくい。そのため、第1カソード2は、裏面側からの加熱が少なくなり、第1カソード2の周縁からの加熱が支配的になって、温度一様性を向上させることができる。
【0053】
以上の実施の形態に用いる軽元素として、カーボン(グラファイト)の他に、リチウム等の金属や、アルミナ、SiC、SiN等のセラミクスを使用することができる。しかし、カソード面が高温となる場合には、耐熱性の面でカーボン(グラファイト)を使用することが好ましい。
【0054】
図5は、本発明の実施の形態の1例である電子線露光転写装置の構成の概要を示す図である。図5において、21は上述の実施の形態で示された電子銃、22は電子ビーム、23a、23bは照明レンズ、24はレチクル、25は第1投影レンズ、26は第2投影レンズ、27はウエハ、28はアパーチャー、29、30は偏向器である。
【0055】
電子銃21から放出された電子ビームは、照明レンズ23a、23bでテレセン性を有する照明とされ、レチクル24上に電子銃のカソード面の像を作ることにより、レチクル24面を一様に照明する。レチクル24上に形成された回路パターンは、第1投影レンズ25と第2投影レンズ26により、ウエハ27の表面に結像する。レチクル24で散乱された電子を除去するため、アパーチャー28が設けられている。
【0056】
偏向器29は、レチクル24の照明位置を変化させ、偏向器30は、レチクルからの電子ビームの、ウエハ面での結像位置を変化させるのに使用される。レチクル24、ウエハ27、アパーチャー28はアース電位に保たれている。
【0057】
この装置においては、電子銃21に、本発明の実施の形態で示したような電子銃が用いられている。よって、レチクル24を照明する電子線の分布が一様となり、かつ、電子銃を駆動する電源が小さい容量のもので済むので、安価な装置とすることができる。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、従来よりも小さな電源で十分な電子線を放出できる電子銃、従来よりも照明一様性の高い電子銃を提供すること、さらにこれに加えて、この電子銃を使用した電子線露光装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態である電子銃の状態を示す図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態である電子銃の状態を示す図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態である電子銃の状態を示す図である。
【図4】本発明の第4の実施の形態である電子銃の状態を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態の1例である電子線露光転写装置の構成の概要を示す図である。
【図6】電子銃の概略構成を示す図である。
【図7】電子銃を電子線装置の電子線源として使用した場合の概念図である。
【符号の説明】
1…電子銃、2…第1カソード、3…第2カソード、4…ウエネルト電極、5…アノード、6…電子線光学系、7…レンズ系、8…結像面、9…タンタル、9a…くびれ、10…カーボンプレート、11…グラファイト、12…反射板、21…図6に示された電子銃、22…電子ビーム、23a、23b…照明レンズ、24…レチクル、25…第1投影レンズ、26…第2投影レンズ、27…ウエハ、28…アパーチャー、29、30…偏向器
Claims (10)
- 第1カソードと第2カソードを設け、第2カソードから引き出した電子を加速して第1カソードに衝突させることにより第1カソードを加熱し、第1カソードから熱電子を放出させて、この熱電子を加速して放出させる、ボンバードメント方式の電子銃であって、第2カソードからの電子を受ける第1カソードの面に凹凸が設けられていることを特徴とする電子銃。
- 前記凹凸が、第1カソードの周縁部のみに設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電子銃。
- 第1カソードと第2カソードを設け、第2カソードから引き出した電子を加速して第1カソードに衝突させることにより第1カソードを加熱し、第1カソードから熱電子を放出させて、この熱電子を加速して放出させる、ボンバードメント方式の電子銃であって、第1カソードの第2カソードに対向する面、及び第1カソードの側面の少なくとも一方に接触又は近接して、軽元素で形成された電子吸収体が設けられていることを特徴とする電子銃。
- 前記電子吸収体が第1カソードに近接して設けられ、前記電子吸収体に面する第1カソードの面に凹凸が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の電子銃。
- 前記凹凸が、第1カソードの周縁部、及び側面の少なくとも一方のみに設けられていることを特徴とする請求項4に記載の電子銃。
- 前記電子吸収体が第1カソードの側面にのみ設けられており、第1カソードの、熱電子放出面と第2カソードに対向する面との間に、熱伝達率の小さな部分が設けられていることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の電子銃。
- 前記電子吸収体が第1カソードの側面にのみ設けられており、第1カソードの第2カソードに対向する面と第2カソードとの間に、ボンバードメント電子を反射する反射板が設けられていることを特徴とする、請求項3、請求項4及び請求項6のうちいずれか1項に記載の電子銃。
- 前記反射板の、第2カソード側の表面が平滑化されていることを特徴とする請求項7に記載の電子銃。
- 前記軽元素がグラファイトであることを特徴とする請求項3から請求項8のうちいずれか1項に記載の電子銃。
- 請求項1から請求項9のうちいずれか1項に記載の電子銃を電子源として有することを特徴とする電子線露光装置。
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