JP7319865B2 - カソード - Google Patents

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本発明は、カソードに関する。
イオン注入機は、シリコンウェハにイオンビームを衝突させることによってシリコンウェハにイオンを注入処理するために使用されている。このようにイオン注入機を用い、シリコンウェハに制御された濃度の不純物を注入することによって半導体を形成し、その半導体は集積回路の製造に使用される。
イオン注入装置の一例は、イオン源系(イオン発生部)にガスを導入して元素をイオン化し、高電圧を印加してイオンビームとして引き出し、質量分析系(イオン輸送部)で磁場をかけてイオンビームを曲げ、所定の質量のイオンだけを選別し、ビームライン系(イオン輸送部)でビームを輸送する中で必要な電圧をかけてビームを加速し、ビーム形状を整形、集束、走査(スキャン)し、エンドステーション部(イオン注入部)にターゲット基板をセットし、注入処理をおこなう構成となっている。
イオン源に関する特許文献1には、ガスを使用してイオンビームを取り出す傍熱型カソードイオン源において、該カソードの周囲にある熱電子の反射体であるカソードリペラーを炭素系素材で構成したことを特徴とする傍熱型カソードイオン源が記載されている。
特許文献1に記載されたイオン源では、フィラメントを熱電子供給源として使用するのではなく、フィラメントをカソードキャップ及びカソードリペラーで覆い、フィラメントでカソードキャップを加熱し、加熱されたカソードキャップが熱電子を放出する。フィラメントを熱電子供給源として使用した場合、高アーク電圧下でスパッタ効果により熱電子供給源の消耗が生じ易いが、特許文献1に記載のイオン源では、肉厚なカソードキャップを使用することによりカソードの寿命を延ばすことができる。
また、特許文献1には、カソードリペラーを炭素系素材で構成したため、腐食性の強いフッ素系のガス、特にGeFガスを使用してのGeビ-ム出しにおけるイオン源寿命の増大を図ることができるとともに、GeFガスを使用してのGeビ-ム出し後のメンテナンス作業時の大気開放に伴うHF等のガス発生を削減することが出来ることが記載されている。
また、カソードリペラーの材質は炭素材を使用しているので、このカソードリペラーからの剥離物が発生し難く、イオン源とカソードリペラーとの間の剥離物による絶縁不良も起こし難くすることができることが記載されており、さらに、従来のイオン源のように真空室内の堆積物に起因する、イオン源の寿命短縮、メンテナンス作業時の害のあるガス発生等の問題を解消することができ、安定したイオン源として利用できるすぐれた特徴を有することが記載されている。
特開2001-167707号公報
しかしながら、上記カソードは、カソードキャップと、該カソードキャップの周囲にあるカソードリペラーと、で構成される組み合わせ構造となっているため、上記カソードは、効率よくイオンを発生するために高温に曝され、昇華し易い環境にある。さらに、スパッタ効果も同時に発生するため、炭素からなるカソードリペラーからパーティクルが発生し易くなるという問題がある。
本発明は、上記課題に鑑み、カソードリペラーからパーティクルが発生しにくく、長寿命で、安定して使用可能なカソードを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明のカソードは、
ガスを用いてイオンビームを取り出すイオン源に用いられるカソードであって、
上記イオン源を構成するカソードは、Ta、W又はMoからなるカソードキャップと、上記カソードキャップを囲むカーボンからなるカソードリペラーとからなり、
上記カソードリペラーの内面には、熱分解炭素層が形成されていることを特徴とする。
カソードの中には、カソードを加熱するためのフィラメントが配置されている。フィラメントがカソードを加熱しプラズマを生成させているが、プラズマの生成に必要なのはカソードキャップのみでカソードリペラーはプラズマの発生にほとんど寄与していない。しかしながら、従来のカソードでは、カソードリペラーも同様にイオンのアタックを受け、表面に堆積物が形成したり、パーティクルが発生したり、炭素の昇華が生じたりする。
本発明のカソードでは、カソードリペラーの内面に、光や熱エネルギーを吸収しにくい熱分解炭素層が形成されているので、カソードリペラーの温度上昇を防止することができ、イオンのアタックを緩和し、カソードリペラーの劣化を防止するとともにパーティクルの発生を防止することができる。
上記熱分解炭素層は、表面が平滑であるので、光や熱エネルギーを吸収しにくく、光や熱エネルギーを反射し易い。さらに、上記熱分解炭素層は、緻密で気孔がないので、本来的にパーティクルが発生しにくい。
また、上記カソードによれば、カソードキャップが高耐熱金属であるTa、W又はMoからなるので、熱で溶融しても揮発しにくく、高い耐熱性と耐久性とを有し、長期間使用することができる。特にTaは融点が3017℃、沸点が5458℃と特に沸点が高く、好適に利用できる。
本発明のカソードでは、上記カソードリペラーの内面の波長800nmにおける拡散反射率は10~40%であることが望ましい。
本発明のカソードにおいて、上記カソードリペラーの内面の波長800nmにおける拡散反射率が10~40%であると、光や熱エネルギーを反射し易いので、熱エネルギーの吸収を少なくすることができる。
上記カソードリペラーの内面に熱分解炭素層を形成し、本来、光や熱エネルギーを反射しにくい炭素からなるカソードリペラーの内面の波長800nmにおける拡散反射率を10%以上とすることにより、フィラメントからの光や熱エネルギーを反射してカソードリペラーの温度を上昇しにくくすることができる。また、カソードリペラーの内面の波長800nmにおける拡散反射率を40%以下とすることにより、カソード下部の電極などに当たる光や熱を和らげ温度上昇を抑制することができる。
本発明のカソードでは、上記カソードキャップは、円柱形状の胴部と、上記胴部と比べて直径の大きい鍔部とからなり、上記胴部は、上記イオン源を構成するチャンバの中心に面する側に配置され、上記カソードキャップは、上記カソードリペラーの内面に、凹むように形成されたカソードキャップ支持部に上記鍔部が支持されており、かつ、上記鍔部と、上記カソードキャップ支持部との間には、少なくとも一部に隙間が形成されていることが望ましい。
本発明のカソードにおいて、上記カソードキャップと上記カソードリペラーとが上記のように構成されていると、カソードキャップの鍔部と上記カソードキャップ支持部との間には、少なくとも一部に隙間が形成され、上記カソードキャップと上記カソードリペラーとが接触しない部位が存在するので、熱抵抗が大きくなり、熱の伝達を抑制することができ、カソードリペラーの温度が上昇するのを防止することができる。
本発明のカソードによれば、カソードリペラーの内面に光や熱エネルギーを吸収しにくい熱分解炭素層が形成されているので、カソードリペラーの温度上昇を防止することができ、カソードリペラーの劣化を防止するとともにパーティクルの発生を防止することができる。また、カソードキャップがTa、W又はMoからなるので、高い耐熱性と、耐久性を有し、長期間使用することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係るカソードを備えたイオン源を模式的に示す断面図である。 図2は、実施形態に係る本発明のカソードを模式的に示す断面図である。
(発明の詳細な説明)
本発明のカソードは、ガスを用いてイオンビームを取り出すイオン源に用いられるカソードであって、上記イオン源を構成するカソードは、Ta、W又はMoからなるカソードキャップと、上記カソードキャップを囲むカーボンからなるカソードリペラーとからなり、上記カソードリペラーの内面には、熱分解炭素層が形成されていることを特徴とする。
イオン注入装置は、イオン発生部となるイオン源とイオン輸送部とイオン注入部とを備え、イオン源で得られたイオンを、イオン輸送部において、磁場の作用で選別するとともに加速し、イオン注入部に配置されたシリコンウェハ等に所定のイオンを打ち込む装置であり、打ち込むイオンの種類、深さ、量などを適宜調整して所定の性能の半導体を得ることができる。
最初のイオン源では、シリコンウェハ等に所定の元素を打ち込むため、所定の元素を含むガスをイオン源に導入し、イオン源の中では電極からの放電と誘導結合プラズマによる作用などでガスをイオン化し、スリットから得られたイオンを放出するまでの役割を担っている。
上記イオン源は、放電と誘導結合プラズマの両方の作用により、多くのラジカルが発生し、さらに温度も高いことから非常に浸食されやすい環境にある。
特に誘導結合プラズマとも距離が近い電極は、最も浸食されやすい部品である。金属元素は、沸点の低いフッ素系化合物のガスの形態でイオン源に導入され、効率よく所定のイオンを得ることができる一方、フッ素成分は、イオン源内の部材を腐食させやすい性質があり、消耗を減らす観点と、腐食により発生する生成物の悪影響の観点から腐食を抑えることが必要となる。
また、電極は高温に曝されるので、高温での消耗が速い部品でもあり、長寿命化の観点と、発生するパーティクルを減らす観点から消耗を減らすことが必要となる。
本発明のカソードは、ガスを用いてイオンビームを取り出すイオン源に用いられるカソードであって、上記イオン源を構成するカソードは、Ta、W又はMoからなるカソードキャップと、上記カソードキャップを囲むカーボンからなるカソードリペラーとからなり、上記カソードリペラーの内面には、熱分解炭素層が形成されていることを特徴とする。
本発明のカソードによれば、カソードリペラーの内面に光や熱エネルギーを吸収しにくい熱分解炭素層が形成されているので、フィラメントからの熱によるカソードリペラーの温度上昇を防止することができ、カソードリペラーの劣化を防止するとともにパーティクルの発生を防止することができる。
また、本発明のカソードによれば、カソードキャップがTa、W又はMoからなるので、熱で溶融しても揮発しにくく、高い耐熱性と耐久性とを有し、長期間使用することができる。特にTaは融点が3017℃、沸点が5458℃と特に沸点が高く、耐熱性金属の中では熱伝導率が50W/mK程度と低いため、熱が拡散しにくいので、高温で好適に使用できる。
また、カソードキャップを囲むカソードリペラーは、カーボンからなるので、Ta、W又はMoなどと比べ加工しやすいうえに、カーボンは利用しやすい元素であり、性能への影響を抑えながらカソードにおけるレアメタルの使用量を減らすことができる。さらに、カーボンはフッ化物系のガスを用いても化学的エッチングが生じても堆積しやすい沸点あるいは昇華点の高いフッ化物が生成せず、イオン源の内部に堆積する堆積物の生成を抑制することができる。
本発明のカソードリペラーのカーボンはどのようなものであってもよく特に限定されず、黒鉛、C/Cコンポジット等を利用することができ、これらを組み合わせた複合材も利用することができるが放熱の観点から黒鉛であることが好ましい。
熱分解炭素層は、炭化水素ガスを熱分解させ、カソードリペラーの内面に炭素を沈積させることにより形成することができる。
具体的には、化学気相蒸着(CVD)炉等の炉の内部にカソードリペラーを搬入し、炉内を加熱し、昇温させた後、水素、窒素、アルゴン等のキャリアガスを含む炭化水素ガスをCVD炉内に導入し、熱分解させることにより、カソードリペラーの内面に熱分解炭素層を形成することができる。カソードリペラーの内面のみに熱分解炭素層を形成する場合には、カソードリペラーの内面以外の部分を耐熱性の部材で覆い、熱分解炭素層を形成した後、耐熱性の部材を除去すればよいが、工程が煩雑となるので、カソードリペラーの全面に熱分解炭素層を形成してもよい。
熱分解に用いる炭化水素ガスは特に限定されないが、例えば、メタンガス、エタンガス、プロパンガス、エチレンガス、アセチレンガス、これらの混合物等が挙げられる。
本発明のカソードでは、上記カソードリペラーの内面の波長800nmにおける拡散反射率は10~40%であることが望ましい。
本発明のカソードにおいて、上記カソードリペラーの内面の波長800nmにおける拡散反射率は10~40%であると、熱エネルギーを反射し易いので、光や熱エネルギーの吸収を少なくすることができる。
上記カソードリペラーの内面に熱分解炭素層を形成することにより、このような放射率が低く、反射率の高い層とすることができ、光や熱エネルギーの吸収を少なくすることができる。
本発明のカソードにおいて、上記カソードリペラーの内面の波長800nmにおける拡散反射率は20%以上であることがさらに望ましい。拡散反射率が20%以上であると、熱エネルギーを反射し易いので、光や熱エネルギーの吸収をさらに少なくすることができる。
また、本発明のカソードにおいて、上記カソードリペラーの内面の波長800nmにおける拡散反射率は30%以下であることが望ましい。拡散反射率が30%以下であると、カソード下部の電極などに当たる光や熱をさらに和らげ温度上昇を抑制することができる。
なお、多孔質である黒鉛材の波長800nmにおける拡散反射率は10%未満であり、黒鉛に由来する表面の凹凸を残したまま熱分解炭素層を形成することにより、10%以上にすることができる。さらに黒鉛に由来する表面の凹凸がなくなるまで熱分解炭素層を形成すると20%以上の拡散反射率を得ることができる。
なお、拡散反射率とは、正反射と、乱反射との和である。測定は、積分球を用い、リファレンスとしてフッ素樹脂の白色板を反射率100%として測定する。
測定器は、例えば日本分光株式会社製V-770に積分球ユニットを用い、リファレンスとしてフッ素樹脂の白色板を用いて測定することができる。
上記構成のカソードでは、上記カソードキャップは、円柱形状の胴部と、上記胴部と比べて直径の大きい鍔部とからなり、上記胴部は、上記イオン源を構成するチャンバの中心に面する側に配置され、上記カソードキャップは、上記カソードリペラーの内面に、凹むように形成されたカソードキャップ支持部に上記鍔部が支持されており、かつ、上記鍔部と、上記カソードキャップ支持部との間には、少なくとも一部に隙間が形成されていることが望ましい。
なお、上記カソードキャップ支持部は、円筒形状のカソードリペラーの内周面の一定の位置に、軸方向に平行な断面がコの字形状、又は、円弧形状になるように形成されている。
本発明のカソードにおいて、上記カソードキャップと上記カソードリペラーとが上記のように構成されていると、上記カソードキャップの鍔部とカソードキャップ支持部で挟まれた部分との間に接触しない部位が存在するので、熱抵抗が大きくなり、熱の伝達を抑制することができ、カソードリペラーの温度が上昇するのを防止することができる。
上記のように構成されたカソードでは、上記カソードリペラーの内側に、凹むように形成されたカソードキャップ支持部でカソードキャップの鍔部を支持しているが、カソードキャップ支持部でカソードキャップの鍔部を支持するためには、少なくともカソードキャップ支持部の一部がカソードキャップの鍔部と接触する必要がある。しかしながら、上記カソードキャップの鍔部とカソードキャップ支持部との接触面積は、カソードキャップとカソードリペラーとの温度差を確保するためできるだけ小さいことが望ましい。カソードキャップからカソードリペラーへの熱の伝達をより抑制することができるからである。
このようなことから、例えば、カソードキャップの鍔部とカソードキャップ支持部とは、カソードキャップ支持部のエッジをカソードキャップの鍔部とわずかに接触させた細いリング状の接点を持つ構造であったり、カソードキャップ支持部に一部分だけに爪を形成し部分的に接触させる構造であったり、点接触の構造であることが好ましい。
さらに、カソードリペラーの温度上昇を小さくするために、カソードリペラーの下端には、カソードリペラーより熱容量の大きなヒートシンクを備えていることが好ましい。ヒートシンクは、カソードリペラーより熱容量が大きければよく、同じ黒鉛材料であれば、カソードリペラーより質量が大きければよい。
カソードリペラーとヒートシンクとは、熱伝導を円滑にするため、例えばねじ込み構造としてもよい。カソードリペラーの外周面あるいは内周面に形成されたネジで、ヒートシンクのカソードリペラーと接触可能な部分の全体を螺号して固定する構造であることが好ましい。ネジでヒートシンクのカソードリペラーと接触可能な部分の全体を螺号して固定する構造であると、単純な差し込み構造に比べて熱抵抗を小さくすることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係るカソードを備えたイオン源を模式的に示す断面図である。
イオン源100を構成するチャンバ4の上部には、リペラープレート7が配置され、下部には、カソード10が配置されている。また、チャンバ4の一側面には、ガス導入口6が設けられ、ガス導入口6が設けられた面に対向する側面には、スリット5が設けられている。
カソードキャップ1は、Taからなり、円柱形状の胴部1aと、胴部1aと比べて直径の大きい鍔部1bとからなり、胴部1aは、イオン源100を構成するチャンバ4の中心に面する側に配置されている。また、カソードリペラー2は、カーボンからなり、その内面には熱分解炭素層3が形成されており、上部がカソードキャップ1を取り囲むとともに、その内面に、凹むようにカソードキャップ支持部2aが形成され、カソードリペラー2のカソードキャップ支持部2aによりカソードキャップ1の鍔部1bが支持されている。また、カソードキャップ1の直下には、フィラメント8が配置されている。なお、カソードリペラー2とチャンバ4の下部との間は、絶縁を確保するために僅かに隙間Gが形成されている。
さらに、カソードリペラー2の下端には、円環形状のヒートシンク9が配設され、カソードリペラー2の温度上昇を抑制している。
このイオン源100では、ガス導入口6より原料ガスが導入される。一方、フィラメント8には電流が流され、フィラメント8が加熱され、フィラメント8より熱電子が発生する。発生した熱電子は、カソードキャップ1とフィラメント8との間の電圧により加速され、カソードキャップ1に流れ込み、カソードキャップ1を加熱する。そして、カソードキャップ1とリペラープレート7との間の放電を発生させ、誘導結合によってプラズマを形成し、プラズマ中で原料ガスを分解しイオン化させる。形成されたイオンは、スリット5を通ってイオン源100から放出され、イオン輸送部、イオン注入部を通ってシリコンウェハ等に注入される。
(実施形態)
図2は、実施形態に係る本発明のカソードを模式的に示す断面図であり、図2に示すカソードは、図1に示すイオン源100に設けられたものと同じ構成のものである。
実施形態に係る本発明のカソード10では、円筒形状のカソードリペラー2の内面に、凹むようにカソードキャップ支持部2aが形成されており、このカソードキャップ支持部2aに、タンタルからなるカソードキャップ1の鍔部1bが支持(挟持)されている。カソード10は、回転対称体であり、カソードリペラー2は円筒状、カソードキャップ支持部2aを構成する壁部に囲まれた部分は、リング形状である。また、カソードキャップ1は円盤形状であり、カソードリペラー2の先端よりも、カソードキャップ1のリペラープレート7(図1参照)に対向する面が突出する位置関係にある。
カソードキャップ1の鍔部1bとカソードキャップ支持部2aとの間には、図示されているように隙間Gが形成されていることが望ましい。隙間Gを形成することにより、カソードキャップ1からカソードリペラー2への熱の伝達を抑制することができ、カソードリペラー2の温度上昇を抑制することができるからである。
なお、カソードキャップ支持部2aにカソードキャップ1をはめ込むことができるよう複数の黒鉛部材でカソードリペラー2を形成し、炭素系接着材、ねじ止めによる接合などの方法で互いに複数の黒鉛部材どうしを接合し形成することができる。
また、カソードリペラー2は外周面に形成された雌ネジでヒートシンク9となる電極にねじ込まれている。
1 カソードキャップ
1a 胴部
1b 鍔部
2 カソードリペラー
2a カソードキャップ支持部
3 熱分解炭素層
4 チャンバ
5 スリット
6 ガス導入口
7 リペラープレート
8 フィラメント
9 ヒートシンク
10 カソード
100 イオン源

Claims (2)

  1. ガスを用いてイオンビームを取り出すイオン源に用いられるカソードであって、
    前記イオン源を構成するカソードは、Ta、W又はMoからなるカソードキャップと、前記カソードキャップを囲むカーボンからなるカソードリペラーとからなり、
    前記カソードリペラーの内面には、熱分解炭素層が形成されており、
    前記カソードキャップは、円柱形状の胴部と、前記胴部と比べて直径の大きい鍔部とからなり、前記胴部は、前記イオン源を構成するチャンバの中心に面する側に配置され、
    前記カソードキャップは、前記カソードリペラーの内面に、凹むように形成されたカソードキャップ支持部に前記鍔部が支持されており、かつ、前記鍔部と、カソードキャップ支持部との間には、少なくとも一部に隙間が形成されていることを特徴とするカソード。
  2. 前記カソードリペラーの内面の波長800nmにおける拡散反射率は10~40%であることを特徴とする請求項1に記載のカソード。
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