JP2008293879A - X線源およびx線検査装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも、電子放出陰極を有する電子銃と、陽極と、電子レンズと、該電子銃から放出された電子ビームが照射されることによりX線を放出するターゲット部とを有するX線源であって、該電子放出陰極としてダイヤモンドを用いたことを特徴とするX線源であって、該ダイヤモンドが、柱状形状を有し、少なくとも1箇所の電子放出部となる先鋭部を有し、前記先鋭部の先端半径もしくは先端曲率半径が10μm以下であることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
このようなX線源10において、ターゲット部15に衝突した電子ビームがX線に変換されるエネルギー効率は1%以下と非常に小さく、残りの99%以上は衝突した場所で熱エネルギーに変換されてしまう。
X線は電荷を持たないので、電子線のように自由に軌道を変化・収束させることができない。そのために、図4のようなX線検査装置20でできるだけ高い倍率を得ようと思えば、試料21に対して放射状に広がっていくX線をできるだけ距離をおいて配置した(2次元)X線検出器22で検出する必要がある。距離を広げれば広げるほど倍率は上がることにはなるが、単位面積あたりのX線量が距離の2乗に反比例して減少していくので、(2次元)X線検出器22の感度と検出器22に到達するX線量のトレードオフで最高倍率が限定される。従って、電子銃11を収納する管状部材の中心軸と、ターゲット部15を収納する管状部材の中心軸を一致させ、X線はターゲット部15の電子線照射面とは反対側の面から取り出す方式が、倍率を高くするには好ましい。
すなわち、高分解能かつ高倍率のX線検査装置を実現するためには、輝度(単位立体角/面積あたりの電流量)が大きく、かつ全体の放射電流量が大きい電子源が必要である。現在、最も一般的に用いられているタングステンフィラメントを電子放射陰極として利用した電子源では、その消耗が激しく寿命が短い上に、蒸発したタングステンがターゲット上に蒸着し、所望のX線を取り出しにくくなるという問題点がある。
特許文献1)が、それでもX線源としての分解能は0.4μm程度が限界である(特許文献2)。
さらにより高輝度な電子源として、熱電界電子放射陰極、具体的にはZrO/Wを用いたものが開示されているが、それでもX線源としての分解能は0.04〜0.1μm程度が限界である(特許文献2)。
また、特許文献2には、気相合成ダイヤモンドの表面の一部にターゲット金属を形成し、放熱性を上げる技術が開示されている。しかし、一般的に気相合成ダイヤモンドは電気的に絶縁性であり、本公知文献で開示されているものでは電子線を照射するとすぐにチャージアップし、安定した電子線照射が不可能である。
本発明の目的は、高輝度X線源、及びそれを用いた高分解能かつ高倍率のX線検査装置を提供することにある。
さらに、前記ダイヤモンドが、柱状形状を有し、少なくとも1箇所の電子放出部となる先鋭部を有し、該先鋭部の先端半径もしくは先端曲率半径が10μm以下であることを特徴とするX線源を提供する。
さらに、前記ターゲット部が、少なくともX線を主に発生する金属が表面に形成されたダイヤモンドからなり、前記ターゲット金属が形成されたダイヤモンドが導電性を有することを特徴とするX線源を提供する。
さらに、これらのX線源を搭載したX線検査装置を提供する。
また、非特許文献3のような先端径10nmが得られる微細加工技術があるので高輝度化についても問題ない。また、ダイヤモンドについては、上記電子親和力を有することが判明して以来、非特許文献4や特許文献4のような電子源がこれまでに提案されてきた。
柱状形状とすることにより、前記ダイヤモンドを電子銃に把持し、組み込むことが容易になる。電子放出部となる先鋭部は、柱状形状の片端に位置することが好ましい。電子放出部となる先鋭部が柱状形状の片端に位置することにより、電子放出部となる先鋭部に高電界を容易に印加することが可能となる。先鋭部が先端半径もしくは先端曲率半径として10μm以下であることにより、先鋭部に効率的に高電界を印加することが可能となるとともに、電子放出部が微小になることから、高輝度電子線を取り出すことができる。
べてその活性化エネルギーが小さく、より低温で多数のキャリア(電子)を伝導帯に供給することができる。Pを混入させたn型半導性を有するダイヤモンドを導電層としてダイヤモンド上に形成するには、気相合成法を用いることが好ましいが、その形成する面は(111)面もしくは(111)面から8度以下の方位ずれであることが好ましい。すなわち、前記共通の主面の面方位もこの範囲とすることが好ましい。
導電層はまた、耐熱性の高い金属層であっても良い。ここで使用できる金属は、例えばTi,Pt,Mo,W,Au,Re,Ta,Crなどが好ましい。
電子放射を目的とする領域と、把持を目的とする領域の間に導電性を持たせる方法としては、上述の方法のほか、例えばダイヤモンド単結晶そのものに導電性を持たせる方法や、上述の方法との組み合わせを用いても良い。組み合わせを用いる場合には、ダイヤモンド単結晶そのものは不純物としてB(ホウ素)を混入させ、p型とし、共通の主面上に形成する導電層は、不純物としてP(リン)を混入させたn型ダイヤモンド単結晶とすることが好ましい。
さらに、把持を目的とする領域に、金属被膜を形成することが好ましい。
られた。
ターゲット材に用いる導電性Bドープダイヤモンドは、1インチφ×2.5mmtのシリコン板を基板として用い、熱フィラメントCVD法で水素、メタン、ホウ酸トリメチルを原料ガスとして多結晶体を成長させた。成長後、表面を機械研磨で鏡面とし、シリコンを酸処理で除去して1インチφのBドープダイヤモンドを得た。その表面に、Wをスパッタリングで中央部約10mmφに形成した。このターゲットは、熱伝導率が約1900W/mKと高く、抵抗率が約1.5×10−3Ωcmと低く、高輝度X線源のターゲットとして優れた特性を期待できる。このターゲットはタングステンを形成した面を電子源側(内側)にセットし、ダイヤモンドを通してX線を取り出す方式で使用した。
102 面方位(111)面(ずれ3.9度)
103 Pドープダイヤモンド層
104 Al層
110 ダイヤモンド電子放射陰極
201 把持を目的とする後端領域
202 細径加工された中間領域
203 電子放出を目的とする先端領域
310 Mo製のサプレッサ
320 コバール製の端子
330 絶縁性セラミック
340 インコネル製の金属部材
350 スペーサ
11 電子銃
12 電子放出陰極
13 陽極
14 電子レンズ
15 金属ターゲット
21 試料
22 X線検出器
Claims (4)
- 少なくとも、電子放出陰極を有する電子銃と、陽極と、電子レンズと、該電子銃から放出された電子ビームが照射されることによりX線を放出するターゲット部とを有するX線源であって、該電子放出陰極としてダイヤモンドを用いたことを特徴とするX線源。
- 前記ダイヤモンドが、柱状形状を有し、少なくとも1箇所の電子放出部となる先鋭部を有し、該先鋭部の先端半径もしくは先端曲率半径が10μm以下であることを特徴とする請求項1に記載のX線源。
- 前記ターゲット部が、少なくともX線を主に発生する金属が表面に形成されたダイヤモンドからなり、該ダイヤモンドが導電性を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のX線源。
- 請求項1〜3のいずれか一に記載のX線源を搭載したことを特徴とするX線検査装置。
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JP2007140295A JP2008293879A (ja) | 2007-05-28 | 2007-05-28 | X線源およびx線検査装置 |
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2007
- 2007-05-28 JP JP2007140295A patent/JP2008293879A/ja active Pending
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