JP2862478B2 - 表面生成形負イオン源 - Google Patents

表面生成形負イオン源

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JP2862478B2 JP6144984A JP14498494A JP2862478B2 JP 2862478 B2 JP2862478 B2 JP 2862478B2 JP 6144984 A JP6144984 A JP 6144984A JP 14498494 A JP14498494 A JP 14498494A JP 2862478 B2 JP2862478 B2 JP 2862478B2
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E30/10Nuclear fusion reactors

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  • Electron Sources, Ion Sources (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、表面生成形負イ
オン源に関し、例えばイオン注入、核融合におけるプラ
ズマの加熱、診断及び加速期加速器への入射器などに利
用され、負イオンを発生する表面生成形負イオン源に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】図11は例えば『プロシーディングス・
オブ・ザ・パーティクル・アクセルレイタ・カンファレ
ンス』(Proc. of the Particle Accelerator Conferenc
e)(IEEE1985)1782ページに示された従来
の表面生成形負イオン源の要部を示す構成図である。図
において、1はビーム出口1aを有する円筒状のイオン
源本体、2はイオン源本体1内の真空度を検出する真空
ゲージ(図示せず)を接続するための真空ゲージ接続
口、3はイオン源本体1内にガスを導入するためのガス
導入口、4はイオン源本体1内にセシウム蒸気を導入す
るためのセシウム導入口、5はイオン源本体1の外周部
に互いに間隔をおいて複数個設けられているプラズマ閉
じ込め用の永久磁石である。
【0003】6はイオン源本体1内に設けられ熱電子を
放出するフィラメント、7はイオン源本体1内に発生し
た正のイオンを負イオンに変換するコンバータであり、
このコンバータ7は、イオン源本体1内に挿入されたコ
ンバータ支柱8と、イオン源本体1内でコンバータ支柱
8の先端部に保持されているコンバータヘッド9と、保
護用ガラス管10とを有している。また、コンバータ支
柱8内に冷却水流路11が設けられている。
【0004】次に、動作について説明する。イオン源本
体1内は、ビーム出口1a側、即ちイオン源が接続され
る加速器等の真空チャンバ(図示せず)を真空引きする
ことにより、真空にされている。この状態で、フィラメ
ント6が高温に熱せられ、熱電子が放出されるととも
に、ガス導入口3からはガスが導入される。この後、コ
ンバータヘッド9にイオン源本体1に対して負の電圧が
印加されるとともに、イオン源本体1とフィラメント6
との間に、パルス電圧が印加される。また、ビーム引き
出し用の加速電極(図示せず)に電圧が印加される。
【0005】フィラメント6から放出された熱電子は、
イオン源本体1とフィラメント6との間に印加されたア
ーク電圧により加速され、イオン源本体1内にプラズマ
が発生する。このアーク放電により、導入ガスの正のイ
オンと電離された電子とがイオン源本体1内に生成され
る。一方、セシウム導入口4からは、セシウム炉(図示
せず)で加熱されたセシウム蒸気が導入され、コンバー
タヘッド9に吹き付けられる。
【0006】生成された正のイオンは、コンバータ7に
より負イオンに変換される。即ち、コンバータヘッド9
には、イオン源本体1に対して負の電圧が印加されてい
るので、プラズマ中の正のイオンがコンバータヘッド9
に引き寄せられる。コンバータヘッド9の仕事関数は、
5〜6eVであるが、セシウム蒸気の吹き付けにより
1.5eV程度に下げられ、導入ガスの正のイオンは、
コンバータヘッド9の表面で負イオンに荷電変換され
る。生成された負イオンは、イオン源本体1と加速電極
との間の電界により加速され、ビーム出口1aから真空
チャンバ内に出力されることになる。
【0007】例えば、Hイオン源では、プラズマ中に
生成されたHがモリブデン製のコンバータヘッド9の
表面でHに荷電変換される。一方、Cのようなビー
ムを出力する場合は、キセノンガス中にプラズマを点火
し、炭素のコンバータヘッド9をスパッタすることによ
りCビームを生成する。また、コンバータヘッド9が
電気伝導性のあるシリコンであれば、Siビームが出
力される。従って、コンバータヘッド9の材料を変える
ことにより、ビームの種類を変更することも可能であ
る。このように、イオン種類を切り換えることでタンデ
ム式静電形加速器などと組み合わせれば、比較的簡単に
各種ビームを加速し、十分な強度で出力できる。
【0008】ここで、コンバータヘッド9におけるセシ
ウム層の厚みは、厚すぎると変換効率が低下するので、
ほぼ半原子層程度が最適とされている。このように、セ
シウムの供給量を制御することは、表面生成形負イオン
源の運転効率を向上させ出力を安定させる上で非常に重
要である。
【0009】図12は従来のセシウム炉の一例を示す側
面図、図13は図12の断面図である。図において、1
2はセシウムが封じ込められる有底円筒状の金属製の炉
本体、13は炉本体12の外周部に巻き付けられている
シースヒータ、14は炉本体12を図11のイオン源本
体1側に接続するための接続フランジである。
【0010】このようなセシウム炉では、炉本体12内
に封じ込められたセシウムは、シースヒータ13で炉温
度を100〜150℃に加熱・保温することにより、蒸
気となりセシウム導入口4からイオン源本体1内に導入
される。また、炉温度の変動は、±0.5℃に制御さ
れ、設定炉温度の調整のみによりイオン源本体1内のセ
シウム量が制御される。さらに、炉本体12内のセシウ
ムの残量及び酸化状態の確認は、その都度運転を中断し
て行われる。
【0011】また、イオン源本体1内へのセシウムの導
入は、図14に示すようなセシウム導入管15を用いて
行われる場合もある。このセシウム導入管15は、イオ
ン源本体1への伝熱量を最小限にするため、二重パイプ
構造となっている。なお、図14において、20は覗き
窓である。また、ビーム出口はイオン源本体1の軸線上
に設けられているため図示されておらず、ガス導入口も
図示されていない。
【0012】図15は図11のコンバータ7を拡大して
示す構成図である。コンバータヘッド9の表面にセシウ
ム膜を形成するに際して、コンバータヘッド9の表面温
度は膜厚に大きく影響する。このコンバータ9の表面温
度の決定要因としては、プラズマ点火用のフィラメント
6から受ける熱と、冷却水流路11内の冷却水の流量と
が最も重要である。
【0013】最終的に、セシウムの膜厚は、コンバータ
温度に加えて、セシウム炉温度(セシウム供給量)及び
プラズマによるスパッタ量(セシウム除去量)のバラン
スによって決定される。従って、セシウム膜厚を制御す
るためには、これらの3つの条件をモニタすることが望
ましい。
【0014】また、図11のようなイオン源本体1で
は、殆どのセシウムがコンバータヘッド9以外のイオン
源本体1の内壁に付着して消費される。これに対して、
図16に示すように、断熱された金属板からなるセシウ
ムジャケット16がイオン源本体1の内側に取り付けら
れる場合もある。この例では、フィラメント6やプラズ
マからの熱によりセシウムジャケット16の温度が上昇
し、セシウムの付着が防止される。
【0015】さらに、プラズマ閉じ込めに使用される永
久磁石5を冷却する場合、例えば図17に示すように、
永久磁石5を冷却チャンネル17内に配置し、磁石押さ
え板18により固定する。この場合、永久磁石5は、冷
却水により直接冷却される。また、永久磁石5及び冷却
チャンネル17は、イオン源本体1の内壁と熱的な接触
が良いため、イオン源本体1の内壁も同時に冷却される
ことになる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】上記のように構成され
た従来の表面生成形負イオン源においては、セシウム炉
内のセシウムの残量や酸化状態等を確認するためにイオ
ン源本体1を大気開放する必要があり、その都度半日程
度の運転停止を要し、運転効率が低下してしまうという
問題点があった。
【0017】また、セシウム炉温度は、立ち上げ後、設
定された適温に保たれるが、運転時にイオン源本体1の
内壁にセシウムが付着するため、それがセシウム炉とは
別のセシウム発生源となってしまい、セシウム炉温度に
よるセシウムの膜厚制御が困難になってしまい、さらに
セシウムが無駄に消費されるとともに、付着したセシウ
ムを定期的な保守作業時に洗浄する必要があり、運転効
率が低下するとともに、ビームの出力が不安定になって
しまうなどの問題点があった。
【0018】さらにまた、ビームのイオン種類の変更
は、内部の使用ガスを置換するか、又はコンバータヘッ
ド9の材料を変えることにより行われるが、そのために
はイオン源自体を加速器等から取り外す必要があり、こ
れによっても運転効率が低下するという問題点があっ
た。
【0019】また、イオン源本体1の内壁からの距離を
一定に保つようにセシウムジャッケット16を取り付け
ることは容易ではなく、しかも内壁とセシウムジャッケ
ット16との間にセシウムが蓄積して、セシウムが無駄
に消費され、逆効果になることもある。このように、セ
シウムが無駄に消費された場合、セシウムの充填に手間
がかかり、運転効率が低下するとともに、ビーム出力が
不安定になるなどの問題点があった。さらに、プラズマ
閉じ込めの観点からすると、カスプ磁場を形成する永久
磁石5とプラズマとの間の距離は最小限に保つことが好
ましいが、セシウムジャッケット16の取付を精度良く
一様に行うことは困難であるため、セシウムジャッケッ
ト16がプラズマ閉じ込めに悪影響を及ぼし、ビーム出
力が不安定になるという問題点もあった。
【0020】さらにまた、永久磁石5を冷却するための
冷却水によりイオン源本体1の内壁も冷却されてしまう
ため、内壁にセシウムが付着し易くなり、上述したよう
にセシウムが無駄に消費され、運転効率が低下するとと
もに、ビーム出力が不安定になるという問題点があっ
た。また、永久磁石5としては磁場強度の点からネオジ
ウム系のものが使用されており、冷却水に直接接触する
と腐食してしまうため、永久磁石5にコーティングを施
したり、磁場強度が劣っていても耐食性に優れた別の材
質の永久磁石5を使用する必要があるなどの問題点もあ
った。さらに、冷却チャンネル17を設けた場合、その
漏水対策が必要となるという問題点もあった。
【0021】この発明は、上記のような問題点を解決す
ることを課題としてなされたものであり、セシウムを効
果的に使用することができ、これにより運転効率を向上
させることができるとともに、ビーム出力を安定させる
ことができる表面生成形負イオン源を得ることを目的と
する。
【0022】
【課題を解決するための手段】請求項の発明に係る表
面生成形負イオン源は、イオン源本体と、このイオン源
本体内に設けられイオン源本体に対して負の電圧が印加
されるコンバータヘッドを有し、イオン源本体内に生成
された正のイオンを負イオンに変換するためのコンバー
タと、イオン源本体内に導入されるセシウムの蒸気を加
熱するヒータ、及びセシウムの蒸気を通す荷電変換膜を
有し、セシウムを正のイオンに荷電変換してイオン源本
体内に導入するセシウム導入部とを備えたものである。
【0023】請求項の発明に係る表面生成形負イオン
源は、イオン源本体と、このイオン源本体内に設けられ
イオン源本体に対して負の電圧が印加されるコンバータ
ヘッドを有し、イオン源本体内に生成された正のイオン
を負イオンに変換するためのコンバータと、コンバータ
ヘッドに設けられ、上記コンバータヘッドの温度を検出
するヘッド温度検出器とを備えたものである。
【0024】請求項の発明に係る表面生成形負イオン
源は、コンバータヘッドを冷却するための冷却水流路が
コンバータに設けられているとともに、温度検出器から
の情報に応じて冷却水の流量が調整可能になっているも
のである。
【0025】
【実施例】以下、この発明の実施例を図について説明す
る。なお、各図中、図11ないし図17と同一又は相当
部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0026】実施例1. 図1はこの発明の実施例1による表面生成形負イオン源
のセシウム炉を示す側面図である。図において、21は
炉本体12に設けられた石英からなる窓である。また、
シースヒータ13は、熱接触を考えて窓21を避けるよ
うに炉本体12にろう付けされている。さらに、窓21
が見えるように、炉本体12には保温材を巻かずに空気
中にさらしておく。
【0027】このようなセシウム炉では、窓21を通し
て炉本体12内のセシウムの状態、即ち残量や酸化状態
などを目視で観察することができる。従って、セシウム
の状態を確認するためにイオン源本体1を大気開放する
必要がなく、運転効率が向上する。
【0028】なお、窓21の材料は石英に限定されるも
のではなく、耐熱性に優れ酸化しにくいものであれば、
例えばパイレックスガラス等であってもよい。
【0029】実施例2. 図2はこの発明の実施例2による表面生成形負イオン源
の要部を示す構成図である。図において、22はセシウ
ム導入管15の吹き出し口付近に巻き付けられたヒー
タ、23はヒータ22からイオン源本体1外へ引き出さ
れたヒータリード線、24は押さえ板25を介してセシ
ウム導入管15の先端部に取り付けられている荷電変換
膜としてのタングステン膜であり、この実施例2のセシ
ウム導入部26は、セシウム導入管15,ヒータ22,
ヒータリード線23,タングステン膜24及び押さえ板
25を有している。
【0030】次に、動作について説明する。セシウム炉
からセシウム導入管15を経てイオン源本体1へ導入さ
れるセシウムの蒸気は、ヒータ22及びフィラメント6
からの熱で1000℃程度まで加熱される。加熱された
セシウムの蒸気は、タングステン膜24を通して表面電
離法によりCsの状態に荷電変換される。このCs
は、コンバータヘッド9に印加された負の電圧により誘
導され、コンバータヘッド9に優先的に付着する。
【0031】ここで、コンバータヘッド9の電位は、プ
ラズマ中ではそのシース効果によりCsに対する動作
がないが、プラズマを発生させるアーク電圧はデューテ
ィファクタの低いパルス電圧であるため、実際にはCs
はコンバータヘッド9に効果的に誘導されることにな
る。
【0032】従って、セシウムがコンバータヘッド9以
外の部分に付着して無駄に消費されるのが防止され、保
守作業時の洗浄の手間が軽減されるとともに、セシウム
の補充の手間も軽減され、またセシウムの膜厚制御が容
易になる。この結果、運転効率が向上するとともに、ビ
ームの出力が安定する。
【0033】実施例3. 図3はこの発明の実施例3による表面生成形負イオン源
のコンバータの断面図である。図において、31はコン
バータヘッド9のフィラメント6(図2)に最も近い部
分に埋め込まれているヘッド温度検出器としての熱電
対、32はコンバータ7の先端部の側面を覆うコンバー
タカバー、33はコンバータ7を支持するイオン源本体
1(図2)の端板、34は熱電対31に接続されている
フィードスルーコネクタである。
【0034】このような表面生成形負イオン源では、コ
ンバータヘッド9に熱電対31を埋め込んだので、コン
バータヘッド9自体の最高温度を容易に検出することが
でき、その検出温度に応じて、セシウム膜の膜厚を制御
することができる。
【0035】実施例4. 図4はこの発明の実施例4による表面生成形負イオン源
の要部を示す構成図である。図において、35,36は
それぞれコンバータ7の冷却水流路11の上流部に設け
られたバルブ及び流量計である。
【0036】この実施例4では、熱電対31で検出され
たヘッド温度に応じて、バルブ35を動作させ、冷却水
の流量が調整される。例えば、冷却水の流量を絞り、コ
ンバータヘッド9が破損しない範囲でコンバータヘッド
9の温度を上昇させれば、コンバータヘッド9にセシウ
ムが過度に付着するのが防止される。また、セシウム過
多の事態が発生した際に、迅速に回復することができ
る。
【0037】このように、コンバータヘッド9の表面の
セシウム膜の膜厚、即ちセシウムの付着量を、セシウム
炉の温度以外でも制御することができるようになり、イ
オン源本体1の内壁に付着したセシウムなど、セシウム
炉以外から発生するセシウムの制御も行うことができ、
ビームの出力を安定させることができる。
【0038】実施例5. 図5はこの発明の実施例5による表面生成形負イオン源
のコンバータを示す正面図、図6は図5の断面図であ
る。図において、41はコンバータヘッドであり、この
コンバータヘッド41は、4分割され交互に配置されて
いるとともに互いに異なる金属からなる第1及び第2の
表面部分42,43を有している。
【0039】この実施例5では、コンバータヘッド41
を2種類の金属で構成することにより、同一イオン源で
2種類のビーム生成が可能となる。例えば、電圧を印加
するために高純度かつ適当な導電性の材料(不純物濃度
=5.5×1015cm2,ボロン)を導入したシリコン
を第1の表面部分42に使用し、炭素を第2の表面部分
43に使用する。そして、プラズマガスとしてキセノン
若しくはアルゴンを使用する。
【0040】ここで、通常、φ50mm程度のコンバー
タヘッド41を使用すれば多くの利用に対して必要以上
のビーム強度が得られるため、コンバータヘッド41を
例えば2分割してもビーム強度の点で支障は生じない。
【0041】このように、同一イオン源で2種類のビー
ム生成が可能となるため、ヘッド材料交換のためにイオ
ン源本体1(図2)を大気開放して加速器等から取り外
す必要もなく、運転効率が向上する。
【0042】なお、コンバータヘッド41に使用する金
属は3種類以上であってもよく、種々の金属を組み合わ
せて使用することができる。
【0043】実施例6. 図7はこの発明の実施例6による表面生成形負イオン源
のコンバータを示す正面図、図8は図7のVIII−VIII
線断面図である。図において、44はコンバータヘッド
41の異なる材料部分、即ち第1及び第2の表面部分4
2,43にそれぞれ独立して電圧を印加するためのリー
ド線である。
【0044】この実施例7では、分割された電極間、即
ち第1及び第2の表面部分42,43間の距離を放電が
起こらない程度に保ち、これら第1及び第2の表面部分
42,43をコンバータヘッド41に埋め込む。各表面
部分42,43には、それぞれ独立したリード線44を
つなぎ、保護用ガラス管10とコンバータ支柱8との間
を通してフィードスルー(図示せず)に接続し、外部か
ら負の電圧を印加する。このとき、電圧を制御すること
により、出力されるビームの種類が選択可能となる。こ
れにより、同一イオン源から2種類以上のビームを出力
し、しかもイオン種を切り換えることが容易になる。
【0045】実施例7. 図9はこの発明の実施例7による表面生成形負イオン源
の永久磁石の取付部分を示す断面図である。この実施例
7では、プラズマ閉じ込め用の永久磁石5が、イオン源
本体1の凹部1bに磁石押さえ板51を介して取り付け
られている。凹部1bと永久磁石5との間には、1mm
程度の隙間52が設けられている。磁石押さえ板51に
は、永久磁石5を冷却するための冷却水を通す冷却管5
3が伝熱セメント54により固定されている。また、磁
石押さえ板51は、イオン源本体1との接触面積ができ
るだけ小さくなるようになっている。
【0046】このような永久磁石取付構造によれば、イ
オン源本体1と永久磁石5との間の伝熱経路が隙間52
により断熱されているため、従来例のように冷却チャン
ネル内で永久磁石5を直接冷却する必要がなく、従って
イオン源本体1の内壁が高温に保たれる。これにより、
セシウムジャケットを用いることなく、セシウムの付着
を防止して、セシウムが無駄に消費されるのを防止でき
る。この結果、運転効率を向上させることができるとと
もに、ビームの出力を安定させることができる。
【0047】また、冷却管53を磁石押さえ板51に取
り付けるという簡単な冷却構造により、耐食コーティン
グを施したりすることなく、ネオジウム系の永久磁石5
を使用することができ、十分な磁場強度を保つことがで
きる。また、面倒な漏水対策を施すことなく、水漏れ事
故を防止できる。
【0048】実施例8. なお、上記実施例7ではイオン源本体1と永久磁石5と
の間に隙間52を設けたが、例えば図10に示すよう
に、隙間52の少なくとも一部に断熱材55を挿入し介
在させてもよい。これにより、断熱効果を一層高め、イ
オン源本体1の内壁をより確実に高温に保つことが可能
となる。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明の
表面生成形負イオン源は、イオン源本体内に導入される
セシウムの蒸気を加熱するヒータ、及びセシウムの蒸気
を通す荷電変換膜を、セシウム導入部に設け、表面電離
法によりセシウムを正のイオンに荷電変換してイオン源
本体内に導入するようにしたので、負の電圧が印加され
たコンバータヘッドにセシウムを優先的に誘導して、セ
シウムの消費量を低減させるとともに、他の部分への付
着による悪影響を防止することができ、従ってセシウム
を効果的に使用し、運転効率を向上させることができる
とともに、ビームの出力を安定させることができるなど
の効果を奏する。
【0050】さらに、請求項の発明の表面生成形負イ
オン源は、コンバータヘッドの温度を検出するヘッド温
度検出器をコンバータヘッドに設けたので、コンバータ
ヘッドの温度に応じてセシウムの膜厚制御を行うことが
でき、これによりセシウムを効果的に使用し、ビーム出
力を安定させることができるという効果を奏する。
【0051】さらにまた、請求項の発明の表面生成形
負イオン源は、コンバータヘッドの冷却水流路を流れる
冷却水の流量を、温度検出器からの情報に応じて調整可
能としたので、上記請求項の発明と同様の効果に加え
て、セシウム膜の膜厚を、セシウム炉の温度以外のパラ
メータ、即ちイオン源本体内のパラメータであるコンバ
ータヘッドの温度によっても制御することができるよう
になり、この結果、セシウムをさらに効果的に使用する
ことができ、ビームの出力をより一層安定させることが
できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例1による表面生成形負イオ
ン源のセシウム炉を示す側面図である。
【図2】 この発明の実施例2による表面生成形負イオ
ン源の要部を示す構成図である。
【図3】 この発明の実施例3による表面生成形負イオ
ン源のコンバータの断面図である。
【図4】 この発明の実施例4による表面生成形負イオ
ン源の要部を示す構成図である。
【図5】 この発明の実施例5による表面生成形負イオ
ン源のコンバータを示す正面図である。
【図6】 図5の断面図である。
【図7】 この発明の実施例6による表面生成形負イオ
ン源のコンバータを示す正面図である。
【図8】 図7のVIII−VIII線断面図である。
【図9】 この発明の実施例7による表面生成形負イオ
ン源の永久磁石の取付部分を示す断面図である。
【図10】 この発明の実施例8による表面生成形負イ
オン源の永久磁石の取付部分を示す断面図である。
【図11】 従来の表面生成形負イオン源の一例の要部
を示す構成図である。
【図12】 従来のセシウム炉の一例を示す側面図であ
る。
【図13】 図12の断面図である。
【図14】 従来の表面生成形負イオン源の他の例を示
す構成図である。
【図15】 図11のコンバータを拡大して示す構成図
である。
【図16】 従来の表面生成形負イオン源のさらに他の
例を示す構成図である。
【図17】 図11の永久磁石を冷却する場合の構造の
一例を示す構成図である。
【符号の説明】
1 イオン源本体、5 永久磁石、7 コンバータ、
9,41 コンバータヘッド、11 冷却水流路、21
窓、22 ヒータ、24 タングステン膜(荷電変換
膜)、26 セシウム導入部、31 熱電対(ヘッド温
度検出器)、51磁石押さえ板、52 隙間。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオン源本体と、 このイオン源本体内に設けられ上記イオン源本体に対し
    て負の電圧が印加されるコンバータヘッドを有し、上記
    イオン源本体内に生成された正のイオンを負イオンに変
    換するためのコンバータと、 上記イオン源本体内に導入されるセシウムの蒸気を加熱
    するヒータ、及び上記セシウムの蒸気を通す荷電変換膜
    を有し、上記セシウムを正のイオンに荷電変換して上記
    イオン源本体内に導入するセシウム導入部とを備えてい
    ることを特徴とする表面生成形負イオン源。
  2. 【請求項2】 イオン源本体と、 このイオン源本体内に設けられ上記イオン源本体に対し
    て負の電圧が印加されるコンバータヘッドを有し、上記
    イオン源本体内に生成された正のイオンを負イオンに変
    換するためのコンバータと、 上記コンバータヘッドに設けられ、上記コンバータヘッ
    ドの温度を検出するヘッド温度検出器とを備えているこ
    とを特徴とする表面生成形負イオン源。
  3. 【請求項3】 コンバータヘッドを冷却するための冷却
    水流路がコンバータに設けられているとともに、温度検
    出器からの情報に応じて上記冷却水の流量が調整可能に
    なっていることを特徴とする請求項記載の表面生成形
    負イオン源。
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