JP2014192264A - 薄膜トランジスタの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】IGZO−TFTの活性層をDCパルススパッタ装置により成膜する際の条件を調整することにより、高いオン電流とし得る薄膜トランジスタの製造方法を提供する。
【解決手段】スパッタ室34内に配した基板10上に、直接または他の層を介して、薄膜トランジスタの酸化物半導体層20よりなる活性層をDCパルススパッタ装置を用いて成膜する。酸化物半導体層20は酸化インジウムガリウム亜鉛を含む材料により成膜し、さらに、DCパルススパッタ装置のカソード側に供給される電力を170W以下または300W以上に設定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、薄膜トランジスタの活性層にアモルファス(非晶質)の酸化インジウムガリウム亜鉛(InGaZnO)を用いた薄膜トランジスタの製造方法に関する。
近年、ディスプレイ駆動素子等に活用することを目的とした薄膜トランジスタ(以下、TFT(Thin-Film Transistor)と称することもある)として、インジウム、ガリウムおよび亜鉛を含む酸化物半導体(酸化インジウムガリウム亜鉛(InGaZnO(IGZO:商標登録第5451821号)))等の酸化物半導体をチャネル(活性層)に用いたものが注目されている。このようにInGaZnOを用いたTFTは、アモルファスシリコンTFTに比べて移動度が大きく、また、多結晶シリコンTFTに比べて活性層の膜質の均一性が高いという優れた特徴を有している。
このようなアモルファスIGZO膜を成膜する手法としては、スパッタ法、パルスレーザーデポジション法、塗布法等の種々の手法をとり得ることが知られているが、その中でも広い面積に亘って均一に成膜できることから、スパッタ法が最も実用化されている。
ところで、スパッタ法の一つの態様として、真空チャンバー内でグロー放電を生じさせるための電源をDCパルス電源としたDCパルススパッタ法が知られており、カソード上の異常放電(アーク)を防止できることから優れたスパッタ法として注目されている(下記非特許文献1を参照)。
ところで、アモルファスIGZO膜の膜質は、それを活性層として用いたIGZO−TFT(IGZOを活性層に用いたTFT:以下同じ)の電流電圧特性に大きな影響を与える。したがって、DCパルススパッタ法を用いて駆動されるスパッタ装置(以下、DCパルススパッタ装置と称する)によりアモルファスIGZO膜を成膜する際には、それを活性層として用いるIGZO−TFTが良好な特性を示し得るように、成膜条件を適切に設定する必要がある。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、IGZO−TFTの活性層をDCパルススパッタ装置により成膜する際の条件を調整することにより、高いオン電流が得られる薄膜トランジスタの製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明に係る、薄膜トランジスタの製造方法は、
真空チャンバー内に配した基板上に、直接または他の層を介し、酸化物半導体よりなる活性層をDCパルススパッタ装置を用いて成膜してなる、薄膜トランジスタの製造方法において、
前記活性層を酸化インジウムガリウム亜鉛を含む材料により成膜する場合に、前記DCパルススパッタ装置のカソード側に供給される電力を170W以下または300W以上に設定することを特徴とするものである。
また、前記チャンバー内に導入する気体がアルゴンおよび酸素からなり、該アルゴンと該酸素の流量比は下記条件式(1)を満足するように設定することが好ましい。
2%≦流量比率F (1)
ここで、前記流量比率Fとは、酸素流量/(酸素流量+アルゴン流量)により定義される。
さらに、上記条件式(1)に替えて下記条件式(2)を満足することがより好ましい。
2%≦流量比率F≦5% (2)
また、前記気体を導入した後のチャンバー内の圧力が下記条件式(3)を満足するように設定することが好ましい。
0.05Pa≦チャンバー内の圧力P≦1.00Pa (3)
また、前記活性層を酸化インジウムガリウム亜鉛を含む材料により成膜した後に、下記条件式(4)を満足するようにアニール処理を行うことが好ましい。
100℃≦アニール処理の温度T≦300℃ (4)
また、前記活性層が、前記基板上にゲート電極、ゲート絶縁層、ならびにソース電極およびドレイン電極をこの順に形成した積層体上に積層されてなることが好ましい。
なお、上述した「前記チャンバー内に導入する気体がアルゴンと酸素」とは、主要な導入気体がアルゴンおよび酸素という意味であり、不純物等として他の気体を全く含まないということを意味するものではない。
本発明に係る薄膜トランジスタの製造方法によれば、薄膜トランジスタの活性層を成膜する材料を、アモルファスの酸化インジウムガリウム亜鉛を含む材料により構成しているので、この材料をアモルファスシリコンとした場合に比べて移動度を大きくすることができ、また、この材料を多結晶シリコンとした場合に比べて活性層の膜質の均一性を高くすることができる。
また、このように成膜する材料を酸化インジウムガリウム亜鉛とした場合に、DCパルススパッタ装置のカソード側に供給される電源からの供給電力を170W以下または300W以上に設定している。
上記のように、スパッタ電源からのパワーを170W以下とするとスパッタによる成膜ダメージの小さいアモルファスIGZO膜を形成することができるので、オン電流の大きいIGZO−TFTが得られ、IGZO−TFTを用いて構成した回路の高速動作を実現することができる。また、スパッタ電源からの供給電力を300W以上とすると、スパッタされた粒子が十分なエネルギーを付与されているので、緻密なアモルファスIGZO膜が形成され、上記170W以下とされた場合と同様に、IGZO−TFTを用いて構成した回路の高速動作を実現することができる。
IGZO−TFTの素子構造の断面を示す模式図である。 DCパルススパッタ装置のスパッタ電源から出力されたパルス波形を示す概略図である。 IGZO−TFTのゲート電圧−ドレイン電流特性を示すグラフである。 TFTの活性層の成膜方法を実施するための製造装置を示す概略図である。 酸素流量比率が2%の場合における、DCパルス電源からの供給電力(パワー)とIGZO−TFTのオン電流との関係を示すグラフである。 酸素流量比率が3%の場合における、DCパルス電源からの供給電力(パワー)とIGZO−TFTのオン電流との関係を示すグラフである。 酸素流量比率が4%の場合における、DCパルス電源からの供給電力(パワー)とIGZO−TFTのオン電流との関係を示すグラフである。 酸素流量比率が5%の場合における、DCパルス電源からの供給電力(パワー)とIGZO−TFTのオン電流との関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態に係る薄膜トランジスタの製造方法を図面を用いて説明する。
図1は本実施形態の薄膜トランジスタの製造方法を用いて作成した薄膜トランジスタ素子1の構造を示すものである。
薄膜トランジスタ素子1を製造する際には、まず、基板10上にゲート電極12およびゲート絶縁膜14を順次成膜し、次に、ゲート絶縁膜14上にソース電極16およびドレイン電極18を成膜し、その上に酸化物半導体層(アモルファスIGZO膜(活性層))20を成膜する(一部はゲート絶縁膜14上に成膜される)。これにより、図1に示すような、ボトムゲート型であり、かつボトムコンタクト型であるTFTが製造される。
より具体的に説明すると、まず、プラスチック樹脂等の可撓性材料よりなる基板10上に、Al、Mo、Ti、W、Ta、Cr、Cu等の金属をスパッタリングすることでゲート電極12を形成し、このゲート電極12上に、例えばオレフィン系の有機材料(オレフィン系ポリマー材料等)を、スピンコート法等を用いて塗布し、この後、所定の温度(例えば130℃)にてアフターベーキング処理を施すことにより300nmの厚さのゲート絶縁膜14を形成し、そのゲート絶縁膜14の上に、Al、Mo、Ti、W、Ta、Cr、Cu等の金属によってソース電極16およびドレイン電極18を形成する。
この後、ソース電極16およびドレイン電極18の上(チャネル領域22においては、直接、ゲート絶縁膜14の上)に、DCパルススパッタ装置を用いるとともに、InGaZnO(IGZO)のスパッタターゲット(IGZOの焼結体)をカソード電極部として用いることにより、アモルファスIGZO膜20を30nmの厚さに形成する。
なお、アモルファスIGZO膜20は、インジウム、ガリウムおよび亜鉛を含む酸化物半導体膜であり室温環境下で形成する。IGZOターゲットにおける、インジウム、ガリウム、亜鉛および酸素の組成比は、例えば1:1:1:4とする。
ところで、本実施形態の薄膜トランジスタの製造方法においては、DCパルススパッタ装置を用いて、アモルファスIGZO膜20をスパッタ成膜する場合に、DCパルススパッタ装置のカソード側に供給されるDCパルス電源からの供給電力(以下、単にパワーとも称する)は、170W以下、または、300W以上となるように設定されている。
このようにDCパルス電源のパワーを170W以下に設定した場合、スパッタによるアモルファスIGZO膜20の成膜ダメージが小さいものとなり、それによりオン電流の大きいIGZO−TFTが得られる。また、DCパルス電源のパワーを300W以上とした場合には、スパッタによりターゲットからたたき出された粒子が十分なエネルギーを持つことで、緻密なアモルファスIGZO膜が形成され、それによりオン電流の大きいIGZO−TFTが得られる。したがって、本実施形態によって製造されたIGZO−TFTは大きいオン電流が得られ、回路の高速動作に寄与することができる。
また、DCパルススパッタ装置のDCパルス電源からの供給電力に係るDCパルスの周波数は、例えば100kHz、反転時間は、例えば3.7μs程度に設定する。ここで、DCパルス電源から出力されるパルス波形の一例を図2に示す。
図2において、横軸は時間、縦軸は電圧を示すものである。負電圧パルスの列中において所定間隔毎に正電圧パルスが配された、バイポーラパルスと称されるパルス列であり、パルス列の全てが負電圧パルスとされる場合よりも安定した放電を継続させることが可能となる。なお、DCパルスの波形としては種々の態様を採用することが可能であり、例えば、バイポーラ型に替えてユニポーラ型のパルス波形とすることも可能である。
さらに、DCパルススパッタ装置のスパッタ室34内を一旦10−5Pa程度まで真空引きし、この後、スパッタ室34内にアルゴンと酸素を下記条件式(A)(請求項4の条件式(3)に対応する)を満足する圧力程度となるまで、好ましくは0.2Pa程度となるまで導入する。
0.05Pa≦真空チャンバー内の圧力P≦1.00Pa (A)
なお、スパッタ室34内の上記ガス(アルゴンと酸素)の圧力を0.05Paよりも小さい値とすると、スパッタ室34内のアルゴンや酸素の絶対量が少なくなり過ぎ、IGZO膜20を形成する時間が長くなる結果、製造効率が悪化する。一方、スパッタ室34内の上記ガスの圧力を1.00Paよりも大きい値とすると、酸素の導入量が大きくなり過ぎ、しきい値電圧のシフトが大きくなる。
また、この際に、アルゴンと酸素の導入比率を、アルゴンと酸素の合計ガス流量に対する酸素ガス流量の比率Fによって示すと、下記条件式(B)(請求項2の条件式(1)に対応する)に示すようになる。
2%≦流量比率F (B)
さらに、上記条件式(B)に替えて下記条件式(C)(請求項3の条件式(2)に対応する)を満足することが好ましい。
2%≦流量比率F≦5% (C)
すなわち、上記比率Fが小さくなり過ぎても大きくなり過ぎてもTFTのON/OFF切替がうまくいかなくなる。
詳述すれば、上記比率Fが小さくなり過ぎると、電圧を加えた場合に、しきい値電圧のシフトが大きくなり、特性が安定しなくなる。すなわち、図3(IGZO−TFTのゲート電圧−ドレイン電流特性を示す(ドレイン電圧は10V))からも明らかなように、上記比率Fが0%の場合はもとより、1%の場合であってもゲート電圧が負となった場合に、ドレイン電流が0まで落ちきらず、TFTとして機能させることが難しくなる。
一方、上記比率が大きくなり過ぎると、ゲート電圧0V付近におけるON/OFFしきい値電圧のシフトが大きくなり過ぎるという問題が発生する。
したがって、TFTの機能を良好なものとするためには、上記比率Fを小さ過ぎず、かつ大き過ぎない程度の、丁度よい範囲に設定することが好ましい。
すなわち、丁度よい範囲としては、前述した条件式(B)を満足する、2%以上10%以下の範囲となり、さらに好ましくは、前述した条件式(C)を満足する、2%以上5%以下の範囲となる。
また、前述したアモルファスIGZO膜20においては、その成膜後に下記条件式(D)(請求項5の条件式(4)に対応する)を満足する範囲の温度でアニール処理を行うことが好ましい。
100℃≦アニール処理の温度T≦300℃ (D)
なお、このアニール処理が100℃未満である場合には、TFTのON-OFF特性が大きく劣化する虞があり、一方、このアニール処理が300℃より大きくなると、基板10、特にプラスチックを基板材料とした場合にその基板10に大きな損傷を与える虞がある。
このような観点から、上記アニール処理は、上記範囲の中でも200℃以上、300℃以下とすることが、より好ましい。
なお、上記アニール処理は大気環境中で行えば十分であるので、設備の簡素化を図ることができ、例えば、ホットプレート等を用いて実施可能である。さらに、クリーンオーブン等を用いて行ってもよい。
図4は、上記薄膜トランジスタ素子1の活性層を製造するためのDCパルススパッタ装置100を概念的に示す概略図である。
このDCパルススパッタ装置100は、ロードロック室32およびスパッタ室34からなる真空チャンバー30と、この真空チャンバー30内に配されたターゲットを構成するカソード部52およびこのカソード部52にパルス電力を供給するDCパルス電源部56と、この真空チャンバー30を真空引きするロータリーポンプ36およびターボ分子ポンプ38と、アルゴン(Ar)および酸素(O)をスパッタ室34に導入するマスフロー42、44と、構成各部を接続する配管40a、b、cを備えている。
なお、ロードロック室32とは、スパッタ室34を大気に開放しないことを目的として設けられた真空室であり、スパッタ室34とはゲートバルブ32aで仕切られており、ロードロック室32において処理前、処理後の基板10の出し入れを行うようにすることで、スパッタ室34を高真空の状態に保持することができる。
この装置100を用いた処理は次のようにして行われる。
まず、ゲートバルブ32aを開放にした状態で、ロータリーポンプ36を用い、配管40aを介して、ロードロック室32とスパッタ室34を粗引きし、次に、ゲートバルブ32aを閉じた状態で、ターボ分子ポンプ38を用い、配管40bを介して、スパッタ室34のみを、例えば10−5Pa程度の高真空状態まで排気する。
次に、マスフロー42、44および配管40cを介して、スパッタガスとしてのアルゴン、および酸素をスパッタ室34に導入して、スパッタ室34内の圧力を上記条件式(A)の範囲、例えば0.2Pa程度とする。
この後、基板ホルダー54に予め取り付けてある基板10(その上にゲート電極12、ゲート絶縁膜14、ソース電極16およびドレイン電極18を予め形成しておくことが可能である)に対向させて配したカソード部52にDCパルス電源部56からの直流パルス電力を供給し、このカソード部(ターゲット)52からのイオン化されたスパッタ粒子を、ソース電極16およびドレイン電極18(中央部はゲート絶縁膜14)上に堆積させる。これにより上述したアモルファスIGZOからなる酸化物半導体層20が成膜される。
上記DCパルス電源部56は、具体的には、直流電源と、直流電源からの直流出力(スパッタ電力)をスイッチング素子の開閉によりパルス化するパルス発生回路と、このスイッチング素子を用いてパルスの周期およびパルス幅を制御するとともに、スパッタ電力の供給、停止を行うパルス制御回路とを備えている。上記パルス制御回路には、スパッタ電力の供給中断時間の長さを制御するタイマーが設けられている。また、上記パルス発生回路の陰極側出力端部がカソード部52に接続され、その一方、陽極側出力端部が導電材料にて形成された真空チャンバー30に接続され、接地されている。
なお、上記本実施形態に係る薄膜トランジスタの製造方法においては種々の態様の変更が可能である。
例えば、上記実施形態に係る薄膜トランジスタの製造方法においては、基板10上に、ゲート電極12およびゲート絶縁膜14を順次積層形成しているが、例えば可撓性基板上にTFT構造を形成する場合に、一旦他の基板上にTFT構造を形成した後、このTFT構造をその基板から剥離し、可撓性基板上に転設してもよい。
また、ゲート電極12等の下部に位置する層が基板10を兼ねるようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、基板10としてプラスチック樹脂等の可撓性材料を用いているが、これをガラス材料に替えてもよい。
また、上記実施形態においては、スパッタ室34内に導入するスパッタガス(放電ガス)としてArを用いているが、これに替えて、HeやNe等のその他の希ガスや窒素ガスを用いることが可能である。
また、上記実施形態に示されたものは、基板を兼用する、あるいは基板側に位置するゲート電極12上に、ゲート絶縁膜14と、ソース/ドレイン電極16、18と酸化物半導体層20を順次積層するように構成される、ボトムゲート−ボトムコンタクト型のTFTを製造する方法であるが、本発明に係る薄膜トランジスタの製造方法はこれに限られるものではなく、ボトムゲート−トップコンタクト型のTFT、トップゲート−ボトムコンタクト型のTFTさらにはトップゲート−トップコンタクト型のTFTを製造する各方法に適用することが可能である。
ここで、トップゲート型のTFTとは、ゲート電極の下にゲート絶縁膜およびアモルファスIGZO膜がこの順で形成されたTFTであり、ボトムゲート型のTFTとは、ゲート電極の上にゲート絶縁膜およびアモルファスIGZO膜がこの順に形成されたTFTである。また、トップコンタクト型のTFTとは、ソース電極とドレイン電極がアモルファスIGZO膜よりも上に位置するTFTであり、ボトムコンタクト型のTFTとは、ソース電極とドレイン電極がアモルファスIGZO膜よりも下に位置するTFTである。なお、上記上下の方向は、基板を基準とし、この基板上に成膜されていく方向を上側、その反対方向を下側とする。
以下、本発明の実施例に係る薄膜トランジスタの製造方法について説明する。
<サンプル作製>
ゲート電極12を兼ねた高ドープシリコン基板10上にSiO熱酸化膜からなるゲート絶縁膜14をシリコンの熱酸化により100nmの厚さに形成し、また、そのゲート絶縁膜14上に、Alによりソース電極16およびドレイン電極18を形成した。次に、DCパルススパッタ装置100のカソード部52として設置されているInGaZnOスパッタターゲットを用いて、DCパルススパッタ法によるスパッタ処理を行って、ゲート絶縁膜14、ソース電極16およびドレイン電極18上に、アモルファスIGZO膜(酸化物半導体層)20を30nmの厚さに成膜した。
その後、ホットプレートを用いて、大気中で200℃、1時間のアニール処理を行った。このようにしてIGZO−TFTのサンプルを作製した。作製したIGZO−TFTはボトムゲート−ボトムコンタクト構造であり、チャネル長は80μm、チャネル幅は130μmとなるように作製した。
なお、ここで用いたIGZO−TFTのアモルファスIGZO膜20の成膜条件は、DCパルス電源(周波数100kHz、反転時間:3.7μs)のパワーは125W、アルゴンと酸素の全ガスを導入した後のスパッタ室34内の圧力は0.2Pa、スパッタ室34内に導入する全ガスの流量(アルゴンと酸素の流量を加えたもの)に対する酸素の流量の比率F{(酸素流量/全ガス流量)×100%}は2%である。
ここで、電圧−電流特性の測定は、半導体パラメータアナライザを用いて実施した。
また、オン電流(Ion)をゲート電圧(Vg)が20V、ドレイン電圧(Vd)が10Vの時のドレイン電流と定義すると、Ionは120μAであった。同様に、DCパルス電源のパワーを順次125W、150W(酸素流量比率Fが2%と3%の場合のみ)、170W、200W、300Wおよび400Wと変化させ、また、各パワーにおいて、酸素流量比率Fを2%、3%、4%、5%と順次変化させて各々IGZO−TFTのサンプルを作製した。
<サンプルの測定結果>
各IGZO−TFTサンプルについて、DCパルス電源のパワーとオン電流との関係を測定し、その測定結果を図5、6、7、8に示す。
すなわち、図5は酸素流量比率が2%の場合におけるIGZO−TFTのDCパルス電源のパワーとオン電流との関係を示すものであり、図6は酸素流量比率が3%の場合におけるIGZO−TFTのDCパルス電源のパワーとオン電流との関係を示すものであり、図7は酸素流量比率が4%の場合におけるIGZO−TFTのDCパルス電源のパワーとオン電流とを示すものであり、図8は酸素流量比率が5%の場合におけるIGZO−TFTのDCパルス電源のパワーとオン電流との関係を示すものである。
図5、6、7、8から明らかなように、オン電流(Ion)は、酸素流量比率Fの大小に拘わらず、DCパルス電源のパワーが170Wから300Wの間で低レベル領域となることから、その範囲を避けて、DCパルス電源のパワーを170W以下、または、300W以上にすることで、高いオン電流とし得るIGZO−TFTを得ることができる。
1 薄膜トランジスタ素子(TFT素子)
10 基板
12 ゲート電極
14 ゲート絶縁膜
16 ソース電極
18 ドレイン電極
20 酸化物半導体層(アモルファスIGZO膜)
30 真空チャンバー
32 ロードロック室
32a ゲートバルブ
34 スパッタ室
36 ロータリーポンプ
38 ターボ分子ポンプ
40a、b、c 配管
42、44 マスフロー
52 カソード部
54 基板ホルダー
56 DCパルス電源部
100 DCパルススパッタ装置

Claims (6)

  1. 真空チャンバー内に配した基板上に、直接または他の層を介し、酸化物半導体よりなる活性層をDCパルススパッタ装置を用いて成膜してなる、薄膜トランジスタの製造方法において、
    前記活性層を酸化インジウムガリウム亜鉛を含む材料により成膜する際に、前記DCパルススパッタ装置のカソード側に供給される電力を170W以下または300W以上に設定することを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
  2. 前記チャンバー内に導入する主要な気体がアルゴンと酸素からなり、該アルゴンと該酸素の流量比が下記条件式(1)を満足するように設定することを特徴とする請求項1記載の薄膜トランジスタの製造方法。
    2%≦流量比率F (1)
    ここで、前記流量比率Fとは、酸素流量/(酸素流量+アルゴン流量)により定義される。
  3. 前記流量比率Fが下記条件式(2)を満足することを特徴とする請求項1または2記載の薄膜トランジスタの製造方法。
    2%≦流量比率F≦5% (2)
  4. 前記気体を導入した後の真空チャンバー内の圧力が下記条件式(3)を満足するように設定することを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項記載の薄膜トランジスタの製造方法。
    0.05Pa≦真空チャンバー内の圧力P≦1.00Pa (3)
  5. 前記活性層を酸化インジウムガリウム亜鉛を含む材料により成膜した後に、下記条件式(4)を満足するようにアニール処理を行うことを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか1項記載の薄膜トランジスタの製造方法。
    100℃≦アニール処理の温度T≦300℃ (4)
  6. 前記活性層を、前記基板上にゲート電極、ゲート絶縁層、ならびにソース電極およびドレイン電極をこの順に形成した積層体上に積層することを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか1項記載の薄膜トランジスタの製造方法。
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