JP2008031095A - Scf結合阻害剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】c−kitレセプターに対するSCFの結合阻害活性を有するSCF結合阻害剤、抗アレルギー剤、食品の提供。
【解決手段】アカキナノキ、ホップ、ヤマアジサイ、イチョウ、アマチャヅル、セイヨウオトギリ、カミツレ、カワラヨモギ、ローマカミツレ、アマハステビア、ヨモギ、エキネシア、フキタンポポ、トンキンニッケイ、マグワ、シソ、セイヨウハッカ、ラベンダー、セージ、イブキジャコウソウ、タチジャコウソウ、コガネバナ、セイヨウシナノキ、スイカズラ、コウホネ、クミン、パセリ、アシタバ、ウイキョウ、クマザサ、ウワウルシ、スギナ、ドクダミ、カリン、ルブス・スアウィッシムス、ビワ、ヨーロッパスモモ、モモ、サンザシ、ロサ・ケンティフォリア、イノバラ、ロサ・カニナ、ワレモコウ、アーモンド、セイヨウネズ、ムクロジ、ユキノシタ、及びセンブリ等から選ばれる植物、クロレラ又はそれらの抽出物を有効成分とするSCF結合阻害剤。
【選択図】なし
【解決手段】アカキナノキ、ホップ、ヤマアジサイ、イチョウ、アマチャヅル、セイヨウオトギリ、カミツレ、カワラヨモギ、ローマカミツレ、アマハステビア、ヨモギ、エキネシア、フキタンポポ、トンキンニッケイ、マグワ、シソ、セイヨウハッカ、ラベンダー、セージ、イブキジャコウソウ、タチジャコウソウ、コガネバナ、セイヨウシナノキ、スイカズラ、コウホネ、クミン、パセリ、アシタバ、ウイキョウ、クマザサ、ウワウルシ、スギナ、ドクダミ、カリン、ルブス・スアウィッシムス、ビワ、ヨーロッパスモモ、モモ、サンザシ、ロサ・ケンティフォリア、イノバラ、ロサ・カニナ、ワレモコウ、アーモンド、セイヨウネズ、ムクロジ、ユキノシタ、及びセンブリ等から選ばれる植物、クロレラ又はそれらの抽出物を有効成分とするSCF結合阻害剤。
【選択図】なし
Description
本発明は、ステムセルファクター(Stem cell factor、以下「SCF」という)結合阻害剤に関する。
SCFは、癌遺伝子c−kitに対するリガンドとしてクローニングされ、造血幹細胞の表面に発現しているc−kitレセプターのリガンドであり、造血細胞の増殖・分化を促す膜結合型の増殖因子として知られている。また、c−kitレセプターは肥満細胞の表面にも発現しており(非特許文献1)、該c−kitレセプターにSCFが結合すると、肥満細胞(マスト細胞)の増殖・活性化させることが報告されている(非特許文献2)。
かようなことから、c−kitレセプターとSCFリガンドの結合を阻害することにより、c−kitの発現する肥満細胞の増殖・分化を抑制することができ、アレルギー症状の予防又は改善をすることができると考えられる。また、長期間投与しても安全性に優れている医薬品、化粧品及び食品素材等が望まれる。
J.Exp.Med.,183,2681-2686,1996 Blood., 87(6):2262-2268, 1996
J.Exp.Med.,183,2681-2686,1996 Blood., 87(6):2262-2268, 1996
本発明は、c−kitレセプターに対するSCFの結合を阻害し、アレルギー症状を予防又は改善する医薬品又は食品として有用なSCF結合阻害剤を提供することに関する。
本発明者らは、細胞表面上のc−kitレセプターに対するSCFの結合を特異的に阻害する天然物を探索したところ、アカネ科植物等の抽出物にc−kitとSCFとの結合阻害活性があり、肥満細胞の活性化に起因して生じるアレルギー症状の予防又は改善に有効であることを見出した。
すなわち、本発明は、アカキナノキ、ホップ、ヤマアジサイ、イチョウ、アマチャヅル、セイヨウオトギリ、カミツレ、カワラヨモギ、ローマカミツレ、アマハステビア、ヨモギ、エキネシア、フキタンポポ、トンキンニッケイ、マグワ、シソ、セイヨウハッカ、ラベンダー、セージ、イブキジャコウソウ、タチジャコウソウ、コガネバナ、セイヨウシナノキ、スイカズラ、コウホネ、クミン、パセリ、アシタバ、ウイキョウ、クマザサ、ウワウルシ、スギナ、ドクダミ、カリン、ルブス・スアウィッシムス、ビワ、ヨーロッパスモモ、モモ、サンザシ、ロサ・ケンティフォリア、イノバラ、ロサ・カニナ、ワレモコウ、アーモンド、セイヨウネズ、ゲンノショウコ、ボタン、シャクヤク、シナガワハギ、ルイボス、サンショウ、ムクロジ、ユキノシタ、及びセンブリから選ばれる植物、クロレラ(以下、植物等又はその抽出物とする。)又はそれらの抽出物を有効成分とするSCF結合阻害剤を提供するものである。
本発明のSCF結合阻害剤によれば、アレルギーに関与する肥満細胞の表面上のc−kitとSCFとの結合が阻害され、各種アレルギー症状を予防又は改善することができる。
本発明のSCF結合阻害剤とは、細胞表面上のc−kitレセプターに対するSCFの結合を特異的に阻害し、アレルギー症状の予防又は改善効果等を有するものをいう。
本発明における、アカキナノキとはアカネ科(Rubiaceae)のアカキナノキ(Cinchona succirubra)を、ホップとはアサ科(Cannabaceae)のセイヨウカラハナソウ(Humulus lupulus)を、ヤマアジサイとはアジサイ科(Hydrangeaceae)のヤマアジサイ(Hydrangea serrata)を、イチョウとはイチョウ科(Ginkgoaceae)のイチョウ(Ginkgo biloba)を、アマチャヅルとはウリ科(Cucurbitaceae)のアマチャヅル(Gynostemma pentaphyllum)を、セイヨウオトギリとはオトギリソウ科(Clusiaceae(Guttiferae))のセイヨウオトギリ(Hypericum perforatum)を、意味する。
また、トンキンニッケイとはクスノキ科(Lauraceae)のトンキンニッケイ(Cinnamomum cassia)を、マグワとはクワ科(Moraceae)のマグワ(Morus alba)を、セイヨウシナノキとはシナノキ科(Tiliaceae)のセイヨウシナノキ(Tilia europaea)を、スイカズラとはスイカズラ科(Caprifoliaceae)のスイカズラ(Lonicera japonica)を、コウホネとはスイレン科(Nymphaeaceae)のコウホネ(Nuphar japonicum)(別名:メウイキョウ)を、意味する。
また、クマザサとはタケ亜科(Bamboos)のクマザサ(Sasa Veitchii)を、ウワウルシとはツツジ科(Ericaceae)のウワウルシ(Arctostaphylos uva−ursi)を、スギナとはトクサ科(Equisetacease)のスギナ(Equisetum arvense)を、ドクダミとはドクダミ科(Saururaceae)のドクダミ(Houttuynia cordata)を、意味する。
また、セイヨウネズとはヒノキ科(Cupressaceae)のセイヨウネズ(Juniperus communis)を、ゲンノショウコとはフウロソウ科(Geraniaceae)のゲンノショウコ(Geranium thunbergii)を、サンショウとはミカン科(Rutaceae)のサンショウ(Zanthoxylum piperitum)を、ムクロジとはムクロジ科(Sapindaceae)のムクロジ(Sapindus mukorossi)を、ユキノシタとはユキノシタ科(Saxifragaceae)のユキノシタ(Saxifraga sarmentosa)を、センブリとはリンドウ科(Gentianaceae)のセンブリ(Swertia japonica)を、意味する。
また、カミツレとはキク科(Asteraceae(Compositae))のジャーマンカミツレ(Matricaria chamomilla)を、カワラヨモギとはキク科(Asteraceae(Compositae))のカワラヨモギ(Artemisia capillaris)を、ローマカミツレとはキク科(Asteraceae(Compositae))のローマカミツレ(Anthemis nobilis)を、アマハステビアとはキク科(Asteraceae(Compositae))の(Stevia rebaudiana)を、ヨモギとはキク科(Asteraceae(Compositae))のヨモギ(Artemisia princeps)を、エキネシアとはキク科(Asteraceae(Compositae))のエキネシア(Echinacea angustifolia)(別名:ホソバムラサキバレンギク)を、フキタンポポとはキク科(Asteraceae(Compositae))のフキタンポポ(Tussilago farfara)を、意味する。
また、本発明におけるシソとはシソ科(Laminaceae(Labiatae))のシソ(Perilla ocymoides)を、セイヨウハッカとはシソ科(Laminaceae(Labiatae))のセイヨウハッカ(Mentha X ppiperita)を、ラベンダーとはシソ科(Laminaceae(Labiatae))のラベンダー(Lavandura angustifolia)を、セージとはシソ科(Laminaceae(Labiatae))のセージ(別名:ヤクヨウサルビア)(Salvia officinalis)を、イブキジャコウソウとはシソ科(Laminaceae(Labiatae))のイブキジャコウソウ(Thymus serpyllum)を、タチジャコウソウとはシソ科(Laminaceae(Labiatae))のタチジャコウソウ(Thymus vulgaris)を、コガネバナとはシソ科(Laminaceae(Labiatae))のコガネバナ(Scutellaria baicalensis Georgi)を、意味する。
また、本発明におけるクミンとはセリ科(Apiaceae)のクミン(Cuminum cyminum)を、パセリとはセリ科(Apiaceae)のパセリ(Carum Petroselinum)を、アシタバとはセリ科(Apiaceae)の(Angelica keiskei)を、ウイキョウとはセリ科(Apiaceae)のウイキョウ(Foeniculum vulgare)を、意味する。
また、本発明におけるカリンとはバラ科(Rosaceae)のカリン(Chaenomeles sinensis (Cydonia oblonga))(別名:マルメロ)を、ルブス・スアウィッシムスとはバラ科(Rosaceae)のルブス・スアウィッシムス(Rubus suavissimus)を、ビワとはバラ科(Rosaceae)のビワ(Eriobotrya japonica)を、ヨーロッパスモモとはバラ科(Rosaceae)のヨーロッパスモモ(Prunus domestica)を、モモとはバラ科(Rosaceae)のモモ(Amygdalus persica (Prunus persica))を、サンザシとはバラ科(Rosaceae)のサンザシ(Crataegus cuneata)を、ロサ・ケンティフォリアとはバラ科(Rosaceae)のロサ・ケンティフォリア(Rosa centifolia)を、イノバラとはバラ科(Rosaceae)のイノバラ(Rosa multiflora)を、ロサ・カニナとはバラ科(Rosaceae)のロサ・カニナ(Rosa canina)を、ワレモコウとはバラ科(Rosaceae)のワレモコウ(Sanguisorba officinalis)を、アーモンドとはバラ科(Rosaceae)のアーモンド(Amygdalus communis (Prunus amygdalus))を、意味する。
また、本発明におけるボタンとはボタン科(Paeoniaceae)のボタン(Paeonia suffruticosa)を、シャクヤクとはボタン科(Paeoniaceae)のシャクヤク(Paeonia albiflora (Paeonia lactiflora))を、意味する。
また、本発明におけるシナガワハギとはマメ科(Leguminosae)のシナガワハギ(Melilotus officinalis)(別名:セイヨウエビラハギ)を、ルイボスとはマメ科(Leguminosae)のルイボス(Aspalathus linearis)を、意味する。
本発明におけるクロレラとは、クロレラ科(chlorellaceae)のクロレラ(Chlorella vulgaris)を、意味する。
上記植物等は、その植物の全草、地上部、葉、樹皮、枝、根茎、根、花、果実、実、又は種子等の単独或いは混合物若しくは藻体をそのまま又は粉砕して用いることができる。好ましくは、アカキナノキについては樹皮を、ホップについては花を、ヤマアジサイについては葉を、イチョウについては葉を、アマチャヅルについては葉を、セイヨウオトギリについては花を、カミツレについては花を、カワラヨモギについては花を、ローマカミツレについては花を、アマハステビアについては地上部を、ヨモギについては葉を、エキネシアについては葉を、フキタンポポについては花を、トンキンニッケイについては樹皮を、マグワについては葉を、シソについては葉を、セイヨウハッカについては葉を、ラベンダーについては花を、セージについては葉を、イブキジャコウソウについては葉を、タチジャコウソウについては葉を、コガネバナについては根を、セイヨウシナノキについては花又は葉を、スイカズラについては花を、コウホネについては根茎を、クミンについては種子を、パセリについては葉を、アシタバについては葉を、ウイキョウについては実を、クマザサについては葉を、ウワウルシについては葉を、スギナについては地上部を、ドクダミについては地上部を、カリンについては実を、ルブス・スアウィッシムスについては実を、ビワについては葉を、ヨーロッパスモモについては果実を、モモについては葉を、サンザシについては実を、ロサ・ケンティフォリアについては花を、イノバラについては果実を、ロサ・カニナについては果実を、ワレモコウについては根を、アーモンドについては種子を、セイヨウネズについては実を、ゲンノショウコについては地上部を、ボタンについては根を、シャクヤクについては根を、シナガワハギについては地上部を、ルイボスについては全草を、サンショウについては実を、ムクロジについては果実を、ユキノシタについては葉を、センブリについては全草を、クロレラについては藻体を、使用することである。
本発明の植物等抽出物としては、前記植物等の用部を、そのまま或いは乾燥した後に適当な大きさに切断したり、粉砕加工したりしたものを抽出して得られる抽出エキスの他、さらに分離精製して得られるより活性の高い画分(成分)が包含される。
抽出は、室温又は加熱した状態で溶剤に含浸させるか又はソックスレー抽出器等の抽出器具を用いて行われる溶剤抽出の他に、水蒸気蒸留等の蒸留法を用いて抽出する方法、炭酸ガスを超臨界状態にして行う超臨界抽出法、あるいは圧搾して抽出物を得る圧搾法等を用いることができる。
溶剤抽出に用いられる抽出溶剤としては、極性溶剤、非極性溶剤のいずれをも使用することができ、これらを混合して用いることもできる。例えば、水;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール等の多価アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等の鎖状及び環状エーテル類;ポリエチレングリコール等のポリエーテル類;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類;ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル等の炭化水素類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類;ピリジン類;超臨界二酸化炭素;油脂、ワックス、その他オイル等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用でき、溶剤を変えて繰り返し行うことも可能である。このうち、水、エタノール、プロピレングリコール、ブチレングリコール等を用いるのが好ましく、特に水・エタノール混液を用いるのが好ましい。
抽出は、例えば植物等1質量部に対して1〜50質量部の溶剤を用い、3〜100℃で数時間〜数週間浸漬又は加熱還流するのが好ましい。
抽出は、例えば植物等1質量部に対して1〜50質量部の溶剤を用い、3〜100℃で数時間〜数週間浸漬又は加熱還流するのが好ましい。
また、抽出物の分離精製手段としては、例えば、抽出物を活性炭処理、液液分配、カラムクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、ゲル濾過、精密蒸留等を挙げることができる。
本発明の植物等抽出物は、斯くして得られる抽出液や画分をそのまま用いてもよく、適宜な溶媒で希釈した希釈液として用いてもよく、或いは濃縮エキスや乾燥粉末としたり、ペースト状に調製したものでもよい。また、凍結乾燥し、用時に、通常抽出に用いられる溶剤、例えば水、エタノール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、水・エタノール混液、水・プロピレングリコール混液、水・ブチレングリコール混液等の溶剤で希釈して用いることもできる。また、リポソーム等のベシクルやマイクロカプセル等に内包させて用いることもできる。
本発明の植物等又はその抽出物は、後記実施例に示すように、c−kitへのSCFの結合阻害活性を有し、肥満細胞上のc−Kitの活性化によって引き起こされるアレルギー機構の作用を抑制することができると考えられる(Eur J Pharmacol. 533(1-3), 327-340, 2006)。従って、本発明の植物等又はその抽出物は、これを有効成分とするSCF結合阻害剤として使用することができ、また、SCF結合阻害剤を製造するために使用することができる。当該SCF結合阻害剤は、アレルギー症状の予防又は改善等の効果を発揮する、ヒト若しくは動物用の医薬品、医薬部外品、化粧品、食品・飲料等として使用可能である。また前記ヒト若しくは動物用の医薬品、医薬部外品、化粧品、食品・飲料等の製造のために使用可能である。アレルギー症状の予防又は改善等をコンセプトとし、必要に応じてその旨の表示を付した飲料又は食品、例えば、病者用飲食品、特定保健用食品、美容食品等の機能性食品として、或いは化粧品として利用することができる。
ここで、アレルギー症状とは、例えば喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性副鼻腔炎、アナフィラキシー症候群、蕁麻疹、血管浮腫、アトピー性皮膚炎、アレルギー性接触皮膚炎、結節性紅斑、多形性紅斑、皮膚壊死性静脈炎等のアレルギー疾患によって呈される諸症状をいう。
本発明のSCF結合阻害剤を医薬品として用いる場合の投与形態としては、例えば錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤等による経口投与又は注射剤、外用剤、坐剤、経皮吸収剤等による非経口投与のいずれでもよい。当該医薬製剤を調製するには、本発明の植物又はその抽出物を単独で、又は他の薬学的に許容される賦形剤、結合剤、増量剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、分散剤、緩衝剤、保存剤、嬌味剤、香料、被膜剤、担体、希釈剤等を適宜組み合わせて用いることができる。
また、本発明のSCF結合阻害剤を医薬部外品や化粧料として用いる場合は、皮膚外用剤、洗浄剤、メイクアップ化粧料とすることができ、使用方法に応じて、ローション、乳液、ゲル、クリーム、軟膏剤、粉末、顆粒等の種々の剤型で提供することができる。このような種々の剤型の医薬部外品や化粧料は、本発明の植物等又はその抽出物を単独で、又は医薬部外品、皮膚化粧料及び洗浄料に配合される、油性成分、保湿剤、粉体、色素、乳化剤、可溶化剤、洗浄剤、紫外線吸収剤、増粘剤、薬効成分、香料、樹脂、防菌防黴剤、植物抽出物、アルコール類等を適宜組み合わせることにより調製することができる。尚、薬効成分としては、スプロピオン酸クロベタゾール、吉草酸ジフルコルトロン、酢酸ヒドロコルチゾン等のステロイド剤等が挙げられる。
本発明のSCF結合阻害剤を食品として用いる場合は、果汁飲料、炭酸飲料、茶系飲料、乳飲料、アルコール飲料、清涼飲料、ガム、キャンデー、クッキー、パン、米飯、麺類等あらゆる飲料又は食品の形態とすることができる。このような種々の飲料又は食品は、本発明の植物等又はその抽出物を単独で、又は飲料、食品に配合される酸化防止剤、香料、無機酸類、無機酸塩類、無機塩類、色素類、乳化剤、保存料、調味料、甘味料、酸味料、果汁エキス類、野菜エキス類、花蜜エキス類、乳酸菌、pH調整剤、品質安定剤等を適宜組み合わせることにより調製することができる。
本発明のSCF結合阻害剤の植物等の含有量は、乾燥固形成分として0.1〜20質量%、特に0.5〜10質量%とすることが好ましく、植物等抽出物の含有量としては、固形分換算で0.0001〜10質量%、特に0.001〜5質量%含有することが好ましい。
また、本発明のSCF結合阻害剤の成人1人当たりの1日の投与(摂取)量は、本発明の植物等又はその抽出物(乾燥固形分換算)として、例えば0.001〜1000mg、特に0.01〜100mgであることが好ましい。
また、本発明のSCF結合阻害剤の成人1人当たりの1日の投与(摂取)量は、本発明の植物等又はその抽出物(乾燥固形分換算)として、例えば0.001〜1000mg、特に0.01〜100mgであることが好ましい。
製造例 植物等抽出物の製造
アカキナノキの樹皮を乾燥し、粉砕した後、粉砕物(100g)を50%エタノール水溶液(1L)を加え、室温で10日間抽出した後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮することにより、アカキナノキ抽出物(0.7L)を得た。
表1及び2に示す植物等は上記のアカキナノキ抽出物の製造例に準じ、公知の方法により各植物等抽出物を得た。各植物等の蒸発残分(w/v:使用抽出溶剤1L当たりの質量)を表1及び2に示す。
アカキナノキの樹皮を乾燥し、粉砕した後、粉砕物(100g)を50%エタノール水溶液(1L)を加え、室温で10日間抽出した後、ろ過し、ろ液を減圧濃縮することにより、アカキナノキ抽出物(0.7L)を得た。
表1及び2に示す植物等は上記のアカキナノキ抽出物の製造例に準じ、公知の方法により各植物等抽出物を得た。各植物等の蒸発残分(w/v:使用抽出溶剤1L当たりの質量)を表1及び2に示す。
実施例1 SCF結合阻害活性
表1及び2で得られた各植物等抽出物溶液を終濃度5%(v/v)となるように添加し、下記のSCF結合阻害活性試験を行った。調製した溶媒をコントロールとした。
PBSで200μg/mLに溶解したRecombinant human c-kit (Soluble c-kit ; s-kit(R&D systems社))を96ウェルプレートに50μL/ウェルとなるように添加し、4℃で一晩放置した。翌日ウェルをPBSで2回洗浄した後、5%BSA(Bovine Serum Albumin;和光純薬工業株式会社)−PBST(0.1% Tween20-PBS)をウェルが満杯になるまで添加し、室温で1時間以上放置した。ウェルをPBSTで2回洗浄後、評価サンプル(各植物等抽出物溶液:終濃度5%(v/v))、終濃度100pMのSCF(「Recombinant Human SCF」(Peprotech社))、終濃度0.5%のBSA、PBSを加え計100μL/ウェルを添加し、室温で2時間以上振とうさせた。ウェルをPBSTで5回洗浄した後、終濃度0.5μg/mLの抗SCF抗体(「Rabbit polyclonal to SCF」(abcam社))、終濃度0.5%のBSA、PBSを加え計100μL/ウェルを添加し、室温で2時間以上振とうまたは、4℃で一晩放置した。ウェルをPBSTで5回洗浄した後、0.5%BSA−PBSTで1000倍希釈したHRP標識抗ウサギIgG抗体(ECL Anti-rabbit IgG(Amersham Biosciences社))を100μL/ウェル添加し、室温で2時間以上振とうさせた。ウェルをPBSTで10回洗浄した後、TMB基質液(「TMB Microwell Peroxidase Substrate System」(KPL社))を100μL/ウェル添加し、遮光して室温で10℃、20分放置した。さらにTMB反応停止液(「TMB Stop Solution」(KPL社))を100μL/ウェル添加し反応を停止させ、プレートリーダーで450nmの吸光度を測定しs−kitに結合したSCF量を計測した。
なおコントロールとして、評価サンプルの代わりにその溶媒を同量添加したウェルを作製した。また、s−kitを固相化せずに、評価サンプルの代わりにその溶媒を添加したウェルを作製し、この吸光度をブランク(非特異的結合量)とした。得られた吸光度はブランクの値を差し引くことで特異的結合量を求め、コントロールの値を100とした相対値で表した。
表1及び2で得られた各植物等抽出物溶液を終濃度5%(v/v)となるように添加し、下記のSCF結合阻害活性試験を行った。調製した溶媒をコントロールとした。
PBSで200μg/mLに溶解したRecombinant human c-kit (Soluble c-kit ; s-kit(R&D systems社))を96ウェルプレートに50μL/ウェルとなるように添加し、4℃で一晩放置した。翌日ウェルをPBSで2回洗浄した後、5%BSA(Bovine Serum Albumin;和光純薬工業株式会社)−PBST(0.1% Tween20-PBS)をウェルが満杯になるまで添加し、室温で1時間以上放置した。ウェルをPBSTで2回洗浄後、評価サンプル(各植物等抽出物溶液:終濃度5%(v/v))、終濃度100pMのSCF(「Recombinant Human SCF」(Peprotech社))、終濃度0.5%のBSA、PBSを加え計100μL/ウェルを添加し、室温で2時間以上振とうさせた。ウェルをPBSTで5回洗浄した後、終濃度0.5μg/mLの抗SCF抗体(「Rabbit polyclonal to SCF」(abcam社))、終濃度0.5%のBSA、PBSを加え計100μL/ウェルを添加し、室温で2時間以上振とうまたは、4℃で一晩放置した。ウェルをPBSTで5回洗浄した後、0.5%BSA−PBSTで1000倍希釈したHRP標識抗ウサギIgG抗体(ECL Anti-rabbit IgG(Amersham Biosciences社))を100μL/ウェル添加し、室温で2時間以上振とうさせた。ウェルをPBSTで10回洗浄した後、TMB基質液(「TMB Microwell Peroxidase Substrate System」(KPL社))を100μL/ウェル添加し、遮光して室温で10℃、20分放置した。さらにTMB反応停止液(「TMB Stop Solution」(KPL社))を100μL/ウェル添加し反応を停止させ、プレートリーダーで450nmの吸光度を測定しs−kitに結合したSCF量を計測した。
なおコントロールとして、評価サンプルの代わりにその溶媒を同量添加したウェルを作製した。また、s−kitを固相化せずに、評価サンプルの代わりにその溶媒を添加したウェルを作製し、この吸光度をブランク(非特異的結合量)とした。得られた吸光度はブランクの値を差し引くことで特異的結合量を求め、コントロールの値を100とした相対値で表した。
表3に示したとおり、本発明の植物等抽出物は、c−kitに対するSCFの結合阻害活性を有することが認められた。特に、ヤマアジサイ、カミツレ、カワラヨモギ、エキネシア、シソ、セージ、セイヨウシナノキ、スイカズラ、ウイキョウ、クマササ、スギナ、モモ、ロサ・ケンティフォリア、シナガワハギ及びクロレラで90%以上のSCF結合阻害作用が認められた。
Claims (1)
- アカキナノキ、ホップ、ヤマアジサイ、イチョウ、アマチャヅル、セイヨウオトギリ、カミツレ、カワラヨモギ、ローマカミツレ、アマハステビア、ヨモギ、エキネシア、フキタンポポ、トンキンニッケイ、マグワ、シソ、セイヨウハッカ、ラベンダー、セージ、イブキジャコウソウ、タチジャコウソウ、コガネバナ、セイヨウシナノキ、スイカズラ、コウホネ、クミン、パセリ、アシタバ、ウイキョウ、クマザサ、ウワウルシ、スギナ、ドクダミ、カリン、ルブス・スアウィッシムス、ビワ、ヨーロッパスモモ、モモ、サンザシ、ロサ・ケンティフォリア、イノバラ、ロサ・カニナ、ワレモコウ、アーモンド、セイヨウネズ、ゲンノショウコ、ボタン、シャクヤク、シナガワハギ、ルイボス、サンショウ、ムクロジ、ユキノシタ、及びセンブリから選ばれる植物、クロレラ又はそれらの抽出物を有効成分とするSCF結合阻害剤。
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