JP2004175744A - 皮膚障害抑制剤、皮膚障害改善剤及びそれを含有する皮膚外用剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】紫外線(太陽光)曝露に起因するシワ形成、皮膚腫瘍、皮膚肥厚及び皮膚硬化症を抑制、改善する皮膚障害抑制剤、皮膚障害改善剤、及びそれを含有する皮膚外用剤の提供。
【解決手段】ビタミンD類と、抗アレルギー薬もしくは抗アレルギー作用を有する植物抽出物を含有する皮膚障害抑制剤、皮膚障害改善剤、及びこれを含有する皮膚外用剤。
【選択図】 なし
【解決手段】ビタミンD類と、抗アレルギー薬もしくは抗アレルギー作用を有する植物抽出物を含有する皮膚障害抑制剤、皮膚障害改善剤、及びこれを含有する皮膚外用剤。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、紫外線曝露に起因する皮膚障害を抑制、改善する作用を有する皮膚障害抑制剤、皮膚障害改善剤、及びそれを含有する皮膚外用剤に関し、更に詳細にはビタミンD類と、抗アレルギー薬及び/又は抗アレルギー作用を有する植物抽出物とを含有し、紫外線曝露に起因する皮膚障害を抑制、改善する作用を有する皮膚障害抑制剤、皮膚障害改善剤に関するものであり、また、その皮膚障害抑制剤、皮膚障害改善剤を含有し、紫外線曝露によるシワ形成、皮膚腫瘍、皮膚肥厚及び皮膚硬化症の発現を抑制、改善し、化粧品や医薬品として有用な皮膚外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
紫外線(太陽光)の連続的な長期間曝露は皮膚にケミカルメディエーター、サイトカイン等による炎症を生じせしめ、シワ、タルミ、皮膚肥厚、皮膚硬化、皮膚癌、日光性弾性線維症等の皮膚障害が生じる(非特許文献1参照)。特に表皮及び真皮が肥厚することにより、皮膚の弾性、保湿性が低下し、これが皮膚老化の要因の一つとなっていると考えられている。そこで、従来からこれらの障害を防ぐために、紫外線吸収剤(特許文献1、非特許文献2参照)、紫外線散乱剤(非特許文献3参照)が配合された外用剤、すなわち乳液、クリーム、ローション、美容液、ファンデーション、軟膏、パップ剤、貼付剤等が使用されている。
又、加齢、紫外線曝露等により生じる皮膚のシワやタルミ、ハリや弾力性の低下を予防、あるいは改善するために、レチノイン酸(非特許文献4参照)、抗炎症薬(非特許文献5参照)やオウバクエキス、シラカンバエキス、セージエキス、ローマカミツレエキス等(特許文献2参照)、メリッサ抽出物等(特許文献3参照)が配合されている。
しかしながら、例えば、レチノイン酸を配合した皮膚外用剤は、真皮上層にコラーゲンを増殖させシワ改善効果は有するが、シワの発生を抑制する効果はなく、塗布を中止すると元に戻ってしまい、また、塗布部位に紫外線が曝露すると却って皮膚癌を誘発する等の問題がある。他の紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、抗炎症薬、植物抽出物等を配合した皮膚外用剤においても、シワ形成、皮膚腫瘍、皮膚肥厚等の抑制、改善効果が十分ではなかったり、効果を高めるためにこれらの添加物を高濃度に配合すると製剤の使用感が損なわれたり、高温時や経時で変質する等の問題が生じる場合があった。そこで、外用剤の剤型や使用感に影響を与えず、紫外線(太陽光)曝露によるシワ形成、皮膚腫瘍、皮膚肥厚及び皮膚硬化症等の皮膚障害の発現を防御する皮膚障害抑制剤、また、形成もしくは発現した皮膚障害を改善する皮膚障害改善剤、及びそれを含有する皮膚外用剤の開発が望まれていた。
【0003】
【特許文献1】
特開平09−268194号公報
【特許文献2】
特開平8−109122号公報
【特許文献3】
特開平9−241148号公報
【非特許文献1】
菅原努、野津敬一著「太陽紫外線と健康」裳華房(1998)
P.2〜100
【非特許文献2】
ニコラス.J.ローウ/ナディム.A.シャース編「サンスクリーン剤と皮膚科学」フレグランスジャーナル社1993年7月20日発行、P.195〜262
【非特許文献3】
「FRAGRANCE JOURNAL」フレグランスジャーナル社編 2002年7月号 P.16〜27、33〜38
【非特許文献4】
Lorraine H.Kligman著,“Effects ofall−trans−retinoic acid on the dermis of hairless mice”,Journal of the American Academy of Dermatology,1986年,vol.15,No.4,Part.2,October,P.779〜785
【非特許文献5】
Bissett DL,et.al著,“Photoprotective effect of topical anti−inflammatory agents against ultraviolet radiation−induced chronic skin damage inthe hairless mouse”,1990年,vol.7,P.153〜158
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、本発明の目的は、紫外線(太陽光)障害によるシワ形成、皮膚腫瘍、皮膚肥厚及び皮膚硬化症の発現を抑制する皮膚障害抑制剤、形成もしくは発現した皮膚障害を改善する皮膚障害改善剤、及びそれを含有する皮膚外用剤を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するために、すでに安全性が確認されている医薬品、化粧品原料、及び民間薬等で使用されている植物に着目し、鋭意研究を重ねた結果、ビタミンD類が紫外線曝露による線維芽細胞の異常増殖やコラーゲンの異常産生、及び、コラーゲン、エラスチンの架橋等による皮膚肥厚の抑制、改善に働くこと、更には、皮膚のホメオスタシスを正常に維持することで皮膚腫瘍、皮膚硬化症等の発現等の皮膚障害抑制に効果があることを別途見出した。そして、更にビタミンD類に抗アレルギー薬もしくは抗アレルギー作用を有する植物抽出物を組み合わせることで、紫外線曝露により過剰に生じたケミカルメディエーター、サイトカイン等により生ずる紅斑、炎症等を抑制、改善し、シワ形成、皮膚腫瘍、皮膚硬化症等の発現等の皮膚障害抑制、改善に、より一層の効果が得られるとの新知見を得、本発明を完成した。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられるビタミンD類は、紫外線曝露による線維芽細胞の異常増殖や、コラーゲンの異常産生、及び、コラーゲン、エラスチンの架橋等による皮膚肥厚の抑制、改善に働き、皮膚のホメオスタシスを正常に維持することで皮膚腫瘍、皮膚硬化症等の発現等の皮膚障害を抑制、改善する。ビタミンD類としては、特に制限はなく、コレカルシフェロール、カルシフェディオール、カルシトリオール、カルシポトリオール、エルゴカルシフェロール、ジヒドロタキステロール、1,25−ジヒドロキシエルゴカルシフェロール、25−ヒドロキシジヒドロタキステロール等が挙げられ、中でもコレカルシフェロール、エルゴカルシフェロールが好ましく、エルゴカルシフェロールがより好ましい。製法や由来についても特に制限はなく、種々の方法により得られる。例えば、活性型ビタミンDは、紫外線により7−デヒドロコレステロールから生じたプロビタミンDより膵臓で合成される。また、コレカルシフェロールは7−デヒドロコレステロールを紫外線照射して工業的に得られる。エルゴカルシフェロールは、ビール酵母、シイタケ等から溶媒を用いてエルゴステロールを抽出し、加熱・紫外線照射することによって得られる。
【0007】
一方、本発明に用いられる抗アレルギー薬及び/又は抗アレルギー作用を有する植物抽出物(以下、合せて「抗アレルギー成分」と略すことがある)は、抗アレルギー作用を有するものであれば、その種類や製法等に特に制限はなく、その一種又は二種以上が用いられる。
【0008】
本発明に用いられる抗アレルギー成分のうち、抗アレルギー薬は、アトピー性皮膚炎、花粉症、蕁麻疹等の治療に用いられるものであり、特に制限はないが、オキサトミド、塩酸アゼラスチン、フマル酸ケトチフェン、塩酸エピナスチン、トラニラスト及びペミロラストカリウムが、ビタミンD類と組み合わせた場合に、過剰に生じたケミカルメディエーター、サイトカイン等により生じた紅斑、炎症等を抑制、改善する効果に優れ、シワ形成、皮膚腫瘍、皮膚肥厚及び皮膚硬化症等の皮膚障害を抑制、改善する効果が増大し、より好ましい。
【0009】
また、本発明に用いられる抗アレルギー作用を有する植物抽出物も、抗アレルギー薬同様、特に制限はないが、広く伝統的民間薬として使用されている以下の植物から得られる抽出物がビタミンD類と組み合わせた場合、過剰に生じたケミカルメディエーター、サイトカイン等により生じた紅斑、炎症等を抑制、改善する効果に優れ、シワ形成、皮膚腫瘍、皮膚肥厚及び皮膚硬化症の発現抑制、改善効果が増大し、より好ましい。
セイヨウイラクサ(イラクサ科Urtica dioica)、
オトギリソウ(オトギリソウ科Hypricum erectum Thunb.)、
セージ:セイヨウサルビア(シソ科Salvia officinalis)、
コガネバナ(シソ科Scutellaria baicalensis)、
カラトウキ(セリ科Chinese angerica)、
エキネシア(キク科Echinacea angustifolia)、
セイヨウニワトコ(スイカズラ科Sambucus nigra)、
タイム:タチジャコウソウ)(シソ科Thymus vulgaris)、
ツキヌキヒヨドリ(キク科Eupatorium perfoliatum)、
ローズマリー:マンネンロウ(シソ科Rosemarinus officinalis)、
カンゾウ(マメ科Glycyrrhiza glabra)、
セイロンニッケイ:シナモン(クスノキ科Cinnamomum verum)、
シソ(シソ科Perilla frutescens var. crispa)
【0010】
本発明に用いられる抗アレルギー作用を示す植物抽出物はその調製法についても、特に限定されるものではなく、全草、又は根、茎、幹、樹皮、幼芽、葉、花、果実、種子等のいずれか1ヶ所以上から抽出することが出来、これらを乾燥、細切、圧搾、或いは発酵等、適宜処理を施した後、低温もしくは室温〜加温下で溶媒により抽出する方法を挙げることができる。
【0011】
抽出溶媒としては、例えば水、低級1価アルコール(メチルアルコール、エチルアルコール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール等)、液状多価アルコール(グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等)、低級アルキルエステル(酢酸エチル等)、炭化水素(ベンゼン、ヘキサン、ペンタン等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、エーテル類(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジプロピルエーテル等)、アセトニトリル等が挙げられ、一種又は二種以上を用いることができる。特に好ましい抽出溶媒としては、水又は、水−エチルアルコール系の混合溶媒が挙げられる。
【0012】
更に抽出物は、分子量分画、溶媒分画、各種の樹脂処理(イオン交換樹脂、吸着剤等)等によって精製されたもの、凍結乾燥されたもの等いずれのものでも用いることができる。
【0013】
具体的な製法としては、例えば植物の乾燥物を粉砕し、約10倍質量の濃度0〜100vol%の含水エチルアルコール又は1,3−ブチレングリコールを用い、室温で、又は加温して1〜5日間抽出を行った後、ろ過し、更に抽出液を分子量分画、溶媒分画、各種の樹脂処理(イオン交換樹脂、吸着剤等)等によって精製し、凍結乾燥し、固形物を得る方法等がある。また、水−エチルアルコール系の溶媒においてはエチルアルコールを留去後、凍結乾燥し、固形分を得る。
【0014】
本発明の皮膚障害抑制剤、皮膚障害改善剤のその形態については、ビタミンD類と、抗アレルギー薬及び/又は抗アレルギー作用を有する植物抽出物とを有効成分として含む限り、特に制限はなく、液状、ペースト状、クリーム状、ゲル状等いずれの形態で用いることもでき、更にスプレードライ等により乾燥させて粉末として用いることもできる。
【0015】
本発明の皮膚外用剤は、前記皮膚障害抑制剤、皮膚障害改善剤を含有することを特徴とする。本発明の皮膚外用剤における前記皮膚障害抑制剤、皮膚障害改善剤のうち、ビタミンD類の含有量は、皮膚外用剤中、0.0001〜1質量%(以下、単に「%」と記す)が好ましく、より好ましくは0.0005〜0.1%である。この範囲であれば、紫外線曝露による線維芽細胞の異常増殖や、コラーゲンの異常産生、及びコラーゲン、エラスチンの架橋等による皮膚肥厚の抑制、改善に働き、皮膚のホメオスタシスを正常に維持し、シワ形成、皮膚腫瘍、皮膚肥厚及び皮膚硬化症の発現を抑制、改善する効果に優れ、経時安定性の面からも良好なものが得られる。
【0016】
また、本発明に用いられる抗アレルギー薬の皮膚外用剤における含有量は0.00001〜10%が好ましく、より好ましくは0.0001〜5%であり、抗アレルギー作用を有する該植物抽出物の皮膚外用剤における含有量は、乾燥固形分として、0.00001〜10%が好ましく、0.0001〜5%がより好ましい。抽出液を使用する場合は、溶質である乾燥固形分の含有量が上記範囲内であれば、その抽出液濃度は何ら限定されるものではない。
この範囲であれば、ビタミンD類と組み合わせた場合、紫外線曝露により過剰に生じたケミカルメディエーター、サイトカイン等による紅斑、炎症等を抑制する効果に優れ、シワ形成、皮膚腫瘍、皮膚肥厚及び皮膚硬化症の発現抑制効果が促進され、さらにその効果に基づく皮膚障害改善効果を発揮することができる。
【0017】
本発明の皮膚障害抑制剤、皮膚障害改善剤及びこれを含有する皮膚外用剤には上記必須成分の他、化粧料や医薬部外品、外用医薬品等に通常使用される各種の成分、即ち、水、アルコール、油剤、界面活性剤、増粘剤、粉体、キレート剤、pH調整剤、美白剤、抗炎症剤、抗酸化剤、保湿剤、殺菌剤、血行促進剤等の各種薬効剤、動植物・微生物由来の抽出物、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、香料等を、本発明の効果を損なわない範囲で目的に応じて適宜加えることができる。
【0018】
また、本発明の皮膚障害抑制剤、皮膚障害改善剤を含有する皮膚外用剤としては、化粧料、医薬部外品、医薬品等が挙げられ、剤型も水性剤型、油性剤型、乳化剤型、粉末剤型、固形剤型等いずれの剤型にも配合することができる。例えば、化粧料としては、化粧水、乳液、クリーム、美容液、パック、バスソルト、軟膏、ゲル剤、ファンデーション、パウダー、リップクリーム、口紅、日焼け止め製品等とすることができる。
【0019】
【実施例】
次に植物抽出物の製造例、及び実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに何ら制約されるものではない。
【0020】
製造例1〜13:植物抽出物の製造
[製造例1]
セイヨウイラクサ葉の乾燥物の破砕物100gに対して、25vol%エタノール水溶液1,000mLを加え、還流抽出を2時間行なった。これを遠心分離、加圧ろ過し、膜分離を用い、分子量5,000以下のものを採取し、抽出液600mLを得、エバポレーターで減圧濃縮し、エタノールを留去後、この液を凍結乾燥し、固形物として6.2gを得た。
【0021】
[製造例2]
オトギリソウ花(頭状花)の乾燥物の破砕物100gに対して、25vol%エタノール水溶液1,000mLを加え、還流抽出を2時間行なった。これを遠心分離、加圧ろ過し、膜分離を用い、分子量5,000以下のものを採取し、抽出液650mLを得、エバポレーターで減圧濃縮し、エタノールを留去後、この液を凍結乾燥し、固形物として7.6gを得た。
【0022】
[製造例3]
コガネバナ根の乾燥物の破砕物100gに対して、精製水1,000mLを加え、加熱抽出を1時間行なった。これを遠心分離、加圧ろ過し、膜分離を用い、分子量5,000以下のものを採取し、抽出液620mLを得、エバポレーターで減圧濃縮後、この液を凍結乾燥し、固形物として8.2gを得た。
【0023】
[製造例4]
セイヨウニワトコ花の乾燥物の破砕物100gに対して、25vol%エタノール水溶液1,000mLを加え、還流抽出を2時間行なった。これを遠心分離、加圧ろ過し、膜分離を用い、分子量5,000以下のものを採取し、抽出液700mLを得、エバポレーターで減圧濃縮し、エタノールを留去後、この液を凍結乾燥し、固形物として5.9gを得た。
【0024】
[製造例5]
カラトウキ根茎の乾燥物の破砕物100gに対して、25vol%エタノール水溶液1,000mLを加え、還流抽出を2時間行なった。これを遠心分離、加圧ろ過し、膜分離を用い、分子量5,000以下のものを採取し、抽出液610mLを得、エバポレーターで減圧濃縮し、エタノールを留去後、この液を凍結乾燥し、固形物として6.8gを得た。
【0025】
[製造例6]
タイム全草の乾燥物の破砕物100gに対して、25vol%エタノール水溶液1,000mLを加え、還流抽出を2時間行なった。これを遠心分離、加圧ろ過し、膜分離を用い、分子量5,000以下のものを採取し、抽出液700mLを得、エバポレーターで減圧濃縮し、エタノールを留去後、この液を凍結乾燥し、固形物として8.1gを得た。
【0026】
[製造例7]
ツキヌキヒヨドリ葉・茎乾燥物の破砕物100gに対して、25vol%エタノール水溶液1,000mLを加え、還流抽出を2時間行なった。これを遠心分離、加圧ろ過し、膜分離を用い、分子量5,000以下のものを採取し、抽出液670mLを得、エバポレーターで減圧濃縮し、エタノールを留去後、この液を凍結乾燥し、固形物として7.8gを得た。
【0027】
[製造例8]
ローズマリー葉の乾燥物の破砕物100gに対して、25vol%エタノール水溶液1,000mLを加え、還流抽出を2時間行なった。これを遠心分離、加圧ろ過し、膜分離を用い、分子量5,000以下のものを採取し、抽出液740mLを得、エバポレーターで減圧濃縮し、エタノールを留去後、この液を凍結乾燥し、固形物として8.2gを得た。
【0028】
[製造例9]
カンゾウ根乾燥物の破砕物100gに対して、精製水1,000mLを加え、加熱抽出を1時間行なった。これを遠心分離、加圧ろ過し、膜分離を用い、分子量5,000以下のものを採取し、抽出液760mLを得、エバポレーターで減圧濃縮し、この液を凍結乾燥し、固形物として8.1gを得た。
【0029】
[製造例10]
セイロンニッケイ樹皮乾燥物の破砕物100gに対して、25vol%エタノール水溶液1,000mLを加え、還流抽出を2時間行なった。これを遠心分離、加圧ろ過し、膜分離を用い、分子量5,000以下のものを採取し、抽出液660mLを得、エバポレーターで減圧濃縮し、エタノールを留去後、この液を凍結乾燥し、固形物として8.6gを得た。
【0030】
[製造例11]
シソ葉の乾燥物の破砕物100gに対して、25vol%エタノール水溶液1,000mLを加え、還流抽出を2時間行なった。これを遠心分離、加圧ろ過し、膜分離を用い、分子量5,000以下のものを採取し、抽出液580mLを得、エバポレーターで減圧濃縮し、エタノールを留去後、この液を凍結乾燥し、固形物として5.9gを得た。
【0031】
[製造例12]
エキネシア根乾燥物の破砕物100gに対して、25vol%エタノール水溶液1,000mLを加え、還流抽出を2時間行なった。これを遠心分離、加圧ろ過し、膜分離を用い、分子量5,000以下のものを採取し、抽出液660mLを得、エバポレーターで減圧濃縮し、エタノールを留去後、この液を凍結乾燥し、固形物として6.5gを得た。
【0032】
[製造例13]
セージ(セイヨウサルビア)葉の乾燥物の破砕物100gに対して、精製水1,000mLを加え、加熱抽出を1時間行なった。これを遠心分離、加圧ろ過し、膜分離を用い、分子量5,000以下のものを採取し、抽出液780mLを得、エバポレーターで減圧濃縮後、この液を凍結乾燥し、固形物として7.7gを得た。
【0033】
実施例1:ヘアレスマウス紫外線照射による皮膚障害試験
下記調製方法により皮膚障害抑制剤を調製し、紫外線照射による皮膚肥厚、皮膚腫瘍、シワ形成及び皮膚硬化症について評価した。
【0034】
[試料(皮膚障害抑制剤)の調製]
表1〜3に示すビタミンD類と、抗アレルギー成分(抗アレルギー薬、抗アレルギー作用を有する植物抽出物の凍結乾燥物)とを基剤(ポリエチレングリコール1000:エチルアルコール=1:1)に溶解し、皮膚障害抑制剤を調製した。
【0035】
[試料塗布法と紫外線照射法]
1群8匹とし、紫外線照射90分前に上述の試料をヘアレスマウス(10週齢)背中に0.1g塗布し、一定量の紫外線(東芝BLBランプ)を1日2時間(5回/週)15週間照射し(総照射量:716J/cm2)、皮膚肥厚及び皮膚腫瘍、シワ形成、皮膚硬化症抑制効果を調べた。
尚、これらの試料の紫外線吸収スペクトルを測定し、これらは評価試験に影響を与えないことを確認した。
【0036】
[評価法]
(皮膚肥厚抑制効果)
紫外線照射前と紫外線照射15週後の皮膚の厚みをダイアル厚みゲージ(OZAK.MFG.CO.LTD.)を用い測定した。結果は、8匹の皮膚の厚みの平均値、及びその15週間後の増加率で評価した。
(皮膚腫瘍抑制効果)
皮膚腫瘍は径が0.5mm以上の腫瘍を発症したマウスの発生率(8匹中)で評価した。
【0037】
(シワ形成抑制効果)
紫外線照射15週後のシワ形成について、下記表4に示す「光皮膚老化グレード」に基づいてシワグレードを判定した。なお、結果は、8匹の評点の平均値で表し評価した。
【0038】
(皮膚硬化症の発現抑制効果)
ヘアレスマウス皮膚背部中央部位を摘み、復元に5秒以上を要する皮膚を皮膚硬化症とし、マウス8匹中の発現率で評価した。
【0039】
皮膚肥厚、皮膚腫瘍、シワ形成、及び皮膚硬化症抑制効果の評価結果をそれぞれ表1〜3に併せて示す。
(結果)
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】
(シワグレード(光皮膚老化グレード)判定基準)
【0044】
【表4】
【0045】
表1〜3から明らかなように、ビタミンD類と、抗アレルギー薬及び/又は抗アレルギー作用を有する植物抽出物を組み合わせた皮膚障害抑制剤である本発明品1〜38はいずれも顕著な皮膚肥厚及び皮膚腫瘍、シワ及び皮膚硬化症の発現を相乗的に抑制する効果に極めて優れたものであった。
【0046】
実施例2;クリーム
下記表5に示す組成及び下記製法でクリームを調製し、皮膚のシワ改善効果を評価した。
【0047】
(製法)
A.成分(1)〜(11)、(15)〜(17)、及び(19)を混合し、加熱して70℃に保つ。
B.成分(12)〜(14)、(18)及び(21)を加熱して70℃に保つ。C.AにBを加えて乳化する。
D.Cに成分(20)を加えた後、冷却してクリームを得た。
【0048】
(試験方法)
35〜54才の女性20名をパネルとし、毎日朝と夜の2回、15週間にわたって洗顔後に被験クリームの適量を顔面に塗布した。塗布による皮膚のシワ改善効果を以下の基準によって評価し、各評価基準に該当する人数を表5に併せて示した。
【0049】
(評価基準)
<評価> <内 容>
有 効 肌のシワが目立たなくなった。
やや有効 肌のシワがあまり目立たなくなった。
無 効 使用前と変化なし。
【0050】
(組成及び結果)
【0051】
【表5】
【0052】
表5の結果から明らかなように、ビタミンD類と、抗アレルギー薬及び/又は抗アレルギー作用を有する植物抽出物を配合した本発明品39〜42は、これらを皮膚に適用することにより、シワを改善し、張りのある肌とすることが明らかとなった。
【0053】
【0054】
(製法)
A.成分(1)〜(8)及び(10)を混合し、加熱して70℃に保つ。
B.成分(9)及び(12)を加熱して70℃に保つ。
C.AにBを加えて乳化する。
D.Cに成分(11)を加えた後、冷却してクリームを得た。
【0055】
実施例4 化粧水
(成分) (%)
(1)グリセリン 10.0
(2)1,3−ブチレングリコール 6.0
(3)クエン酸 0.1
(4)クエン酸ナトリウム 0.3
(5)カラトウキ抽出物*1 2.0
(6)セイヨウサルビア抽出物*2 1.0
(7)精製水 残量
(8)コレカルシフェロール*3 0.005
(9)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60E.O.) 0.5
(10)エチルアルコール 8.0
(11)防腐剤 適量
(12)香料 適量
*1 製造例5で製造したもの
*2 製造例13で製造したもの
*3 関東化学工業社製
【0056】
(製法)
A.成分(1)〜(7)を混合溶解する。
B.成分(8)〜(12)を混合溶解する。
C.AとBを混合して、均一にし、化粧水を得た。
【0057】
実施例5 化粧水
(成分) (%)
(1)グリセリン 10.0
(2)1,3−ブチレングリコール 6.0
(3)クエン酸 0.1
(4)クエン酸ナトリウム 0.3
(5)セイヨウニワトコ抽出物*2 0.2
(6)エキネシア抽出物*3 0.1
(7)精製水 残量
(8)エルゴカルシフェロール*1 0.005
(9)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60E.O.) 0.5
(10)エチルアルコール 8.0
(11)防腐剤 適量
(12)香料 適量
*1 製造例4で製造したもの
*2 製造例12で製造したもの
*3 ナカライテスク社製
【0058】
(製法)
A.成分(1)〜(7)を混合溶解する。
B.成分(8)〜(12)を混合溶解する。
C.AとBを混合して、均一にし、化粧水を得た。
【0059】
実施例6 化粧水
(成分) (%)
(1)グリセリン 10.0
(2)1,3−ブチレングリコール 6.0
(3)セイヨウニワトコ抽出物*1 2.0
(4)タイム抽出物*2 1.0
(5)乳酸 0.1
(6)乳酸ナトリウム 0.3
(7)精製水 残量
(8)エルゴカルシフェロール*3 0.002
(9)コレカルシフェロール*4 0.002
(10)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60E.O.) 0.5
(11)エチルアルコール 8.0
(12)防腐剤 適量
(13)香料 適量
*1 製造例4で製造したもの
*2 製造例6で製造したもの
*3 ナカライテスク社製
*4 関東化学工業社製
【0060】
(製法)
A.成分(1)〜(7)を混合溶解する。
B.成分(8)〜(13)を混合溶解する。
C.AとBを混合して均一にし、化粧水を得た。
【0061】
【0062】
(製法)
A.成分(14)〜(18)を加熱混合し、70℃に保つ。
B.成分(1)〜(13)を加熱混合し、70℃に保つ。
C.AにBを加えて混合し、均一に乳化する。
D.Cを冷却後(19)〜(22)を加え、均一に混合して乳液を得た。
【0063】
【0064】
(製法)
A.成分(14)〜(18)を加熱混合し、70℃に保つ。
B.成分(1)〜(13)を加熱混合し、70℃に保つ。
C.AにBを加えて混合し、均一に乳化する。
D.Cを冷却後(19)〜(22)を加え、均一に混合して乳液を得た。
【0065】
実施例3〜8はいずれも経時安定性に優れ、皮膚に適用することにより、紫外線曝露による皮膚障害抑制効果に優れ、皮膚の肥厚や、硬化がなく、また、シワ改善効果にも優れ、張りのある美しい肌にするクリーム、化粧水及び乳液であった。
【0066】
実施例9 軟膏
(成分) (%)
(1)ステアリン酸 18.0
(2)セタノール 4.0
(3)エルゴカルシフェロール*1 0.1
(4)防腐剤 適量
(5)トリエタノールアミン 2.0
(6)グリセリン 5.0
(7)精製水 残量
(8)セイヨウイラクサ抽出物*2 0.5
*1 ナカライテスク社製
*2 製造例1で製造したもの
【0067】
(製法)
A.成分(5)、(6)及び(7)の一部を加熱混合し、75℃に保つ。
B.成分(1)〜(4)を加熱混合し、75℃に保つ。
C.AをBに徐々に加える。
D.Cを冷却しながら(7)の残部で溶解した(8)を加え、軟膏を得た。
【0068】
実施例9は経時安定性に優れ、皮膚に適用することにより、紫外線曝露によって形成されたシワ改善効果に優れ、さらに張りのある美しい肌にする軟膏であった。
【0069】
実施例10 パック
(成分) (%)
(1)ポリビニルアルコール 15.0
(2)無水ケイ酸 0.5
(3)ポリエチレングリコール 0.5
(4)ポリオキシプロピレンメチルグルコシド 5.0
(5)グリセリン 5.0
(6)精製水 残量
(7)エチルアルコール 10.0
(8)防腐剤 適量
(9)エルゴカルシフェロール*1 0.1
(10)ペミロラストカリウム*2 0.1
(11)香料 適量
*1 ナカライテスク社製
*2 三洋化学研究所社製
【0070】
(製法)
A.成分(1)〜(6)を混合し、70℃に加熱して溶解する。
B.成分(7)〜(10)を混合して溶解する。
C.Bを先のAに加え、混合した後、冷却して(11)を均一に分散してパックを得た。
【0071】
実施例11 パック
(成分) (%)
(1)ポリビニルアルコール 15.0
(2)無水ケイ酸 0.5
(3)ポリエチレングリコール 0.5
(4)ポリオキシプロピレンメチルグルコシド 5.0
(5)グリセリン 5.0
(6)精製水 残量
(7)エチルアルコール 20.0
(8)防腐剤 適量
(9)コレカルシフェロール*1 0.5
(10)ツキヌキヒヨドリ抽出物*2 0.5
(11)カンゾウ抽出物*3 1.0
(12)香料 適量
*1 関東化学工業社製
*2 製造例7で製造したもの
*3 製造例9で製造したもの
【0072】
(製法)
A.成分(1)〜(6)を混合し、70℃に加熱して溶解する。
B.成分(7)〜(9)を混合して溶解する。
C.Bを先のAに加え、混合した後、冷却して(10)〜(12)を均一に分散してパックを得た。
【0073】
実施例10及び11は経時安定性に優れ、皮膚に適用することにより、紫外線曝露による肌のシワを改善し、張りのある美しい肌にするパックであった。
【0074】
【0075】
(製法)
A.成分(1)〜(9)を加熱し混合溶解する。
B.Aに成分(15)〜(20)を加え、均一に混合し、70℃に保つ。
C.成分(10)〜(14)を均一に溶解し、70℃に保つ。
D.CにBを添加して、均一に乳化する。
E.Dを冷却後、成分(21)を添加してリキッドファンデーションを得た。
【0076】
【0077】
(製法)
A.成分(1)〜(9)を混合溶解する。
B.Aに成分(16)〜(23)を加え、均一に混合し、70℃に保つ。
C.成分(10)〜(15)を均一に溶解し、70℃に保つ。
D.CにBを添加して、均一に乳化する。
E.Dを冷却後、成分(24)を添加してリキッドファンデーションを得た。
【0078】
実施例14 油性ファンデーション
(成分) (%)
(1)キャンデリラワックス 4.0
(2)パラフィンワックス 5.0
(3)ワセリン 5.0
(4)ジメチルポリシロキサン 15.0
(5)スクワラン 25.0
(6)トリイソステアリン酸ジグリセリル 残量
(7)エルゴカルシフェロール*1 0.02
(8)有機変性ベントナイト 3.0
(9)グリセリン 0.5
(10)酸化チタン 10.0
(11)セリサイト 5.0
(12)ナイロンパウダー 5.0
(13)着色顔料 適量
(14)アルキル変性カルボキシビニルポリマー 0.5
(15)オトギリソウ抽出物*2 1.0
(16)香料 適量
*1 ナカライテスク社製
*2 製造例2で製造したもの
【0079】
(製法)
A.成分(1)〜(9)を80℃で加熱溶解する。
B.Aに成分(10)〜(14)、及び(15)、(16)を加えて均一に混合し、冷却固化して油性ファンデーションを得た。
【0080】
実施例15 日焼け止め乳液
(成分) (%)
(1)ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン 1.0
(2)ジメチルポリシロキサン 5.0
(3)オクタメチルシクロテトラシロキサン 20.0
(4)イソノナン酸イソトリデシル 5.0
(5)パラメトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル 5.0
(6)エルゴカルシフェロール*1 0.02
(7)防腐剤 適量
(8)微粒子酸化チタン 10.0
(9)微粒子酸化亜鉛 10.0
(10)酸化ジルコニウム 5.0
(11)ポリスチレン末 3.0
(12)トリメチルシロキシケイ酸 0.5
(13)ジプロピレングリコール 3.0
(14)エチルアルコール 10.0
(15)精製水 残量
(16)食塩 0.2
(17)コガネバナ抽出物*2 3.0
(18)香料 適量
*1 ナカライテスク社製
*2 製造例3で製造したもの
【0081】
(製法)
A.成分(1)〜(12)を混合分散する。
B.成分(13)〜(17)を混合溶解する。
C.AにBを添加して、均一に乳化する。
D.Cに成分(18)を添加して日焼け止め乳液を得た。
【0082】
実施例16 日焼け止め乳液
(成分) (%)
(1)ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン 1.0
(2)ジメチルポリシロキサン 5.0
(3)オクタメチルシクロテトラシロキサン 20.0
(4)イソノナン酸イソトリデシル 5.0
(5)パラメトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル 10.0
(6)エルゴカルシフェロール*1 0.05
(7)コレカルシフェロール*2 0.05
(8)防腐剤 適量
(9)微粒子酸化チタン 8.0
(10)微粒子酸化亜鉛 7.0
(11)酸化ジルコニウム 5.0
(12)ポリスチレン末 3.0
(13)トリメチルシロキシケイ酸 0.5
(14)ジプロピレングリコール 3.0
(15)エチルアルコール 10.0
(16)エキネシア抽出物*3 2.0
(17)精製水 残量
(18)食塩 0.2
(19)香料 適量
*1 ナカライテスク社製
*2 関東化学工業社製
*3 製造例12で製造したもの
【0083】
(製法)
A.成分(1)〜(13)を混合分散する。
B.成分(14)〜(18)を混合溶解する。
C.AにBを添加して、均一に乳化する。
D.Cに成分(19)を添加し、日焼け止め乳液を得た。
【0084】
実施例12〜16は経時安定性に優れ、ファンデーションや日焼け止め乳液としての効果に加え、皮膚に適用することにより、紫外線曝露による皮膚障害を抑制、改善する効果にも優れたものであった。
【0085】
【発明の効果】
以上のごとく、本発明に係わるビタミンD類と、抗アレルギー薬及び/又は抗アレルギー作用を有する植物抽出物とを含有する本発明の皮膚障害抑制剤、皮膚障害改善剤は紫外線曝露に起因するシワ形成、皮膚肥厚、皮膚腫瘍の発生及び皮膚硬化症の発現を顕著に抑制、改善するものであった。また、この皮膚障害抑制剤、皮膚障害改善剤を含有した本発明の皮膚外用剤も、紫外線曝露におけるシワ形成、皮膚肥厚、皮膚腫瘍の発生及び皮膚硬化症の発現を顕著に抑制し、改善する効果を有するものであった。従って、本発明の皮膚外用剤は、皮膚老化防止を目的とする化粧品や医薬品等として有利に利用することができるものである。
【発明の属する技術分野】
本発明は、紫外線曝露に起因する皮膚障害を抑制、改善する作用を有する皮膚障害抑制剤、皮膚障害改善剤、及びそれを含有する皮膚外用剤に関し、更に詳細にはビタミンD類と、抗アレルギー薬及び/又は抗アレルギー作用を有する植物抽出物とを含有し、紫外線曝露に起因する皮膚障害を抑制、改善する作用を有する皮膚障害抑制剤、皮膚障害改善剤に関するものであり、また、その皮膚障害抑制剤、皮膚障害改善剤を含有し、紫外線曝露によるシワ形成、皮膚腫瘍、皮膚肥厚及び皮膚硬化症の発現を抑制、改善し、化粧品や医薬品として有用な皮膚外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
紫外線(太陽光)の連続的な長期間曝露は皮膚にケミカルメディエーター、サイトカイン等による炎症を生じせしめ、シワ、タルミ、皮膚肥厚、皮膚硬化、皮膚癌、日光性弾性線維症等の皮膚障害が生じる(非特許文献1参照)。特に表皮及び真皮が肥厚することにより、皮膚の弾性、保湿性が低下し、これが皮膚老化の要因の一つとなっていると考えられている。そこで、従来からこれらの障害を防ぐために、紫外線吸収剤(特許文献1、非特許文献2参照)、紫外線散乱剤(非特許文献3参照)が配合された外用剤、すなわち乳液、クリーム、ローション、美容液、ファンデーション、軟膏、パップ剤、貼付剤等が使用されている。
又、加齢、紫外線曝露等により生じる皮膚のシワやタルミ、ハリや弾力性の低下を予防、あるいは改善するために、レチノイン酸(非特許文献4参照)、抗炎症薬(非特許文献5参照)やオウバクエキス、シラカンバエキス、セージエキス、ローマカミツレエキス等(特許文献2参照)、メリッサ抽出物等(特許文献3参照)が配合されている。
しかしながら、例えば、レチノイン酸を配合した皮膚外用剤は、真皮上層にコラーゲンを増殖させシワ改善効果は有するが、シワの発生を抑制する効果はなく、塗布を中止すると元に戻ってしまい、また、塗布部位に紫外線が曝露すると却って皮膚癌を誘発する等の問題がある。他の紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、抗炎症薬、植物抽出物等を配合した皮膚外用剤においても、シワ形成、皮膚腫瘍、皮膚肥厚等の抑制、改善効果が十分ではなかったり、効果を高めるためにこれらの添加物を高濃度に配合すると製剤の使用感が損なわれたり、高温時や経時で変質する等の問題が生じる場合があった。そこで、外用剤の剤型や使用感に影響を与えず、紫外線(太陽光)曝露によるシワ形成、皮膚腫瘍、皮膚肥厚及び皮膚硬化症等の皮膚障害の発現を防御する皮膚障害抑制剤、また、形成もしくは発現した皮膚障害を改善する皮膚障害改善剤、及びそれを含有する皮膚外用剤の開発が望まれていた。
【0003】
【特許文献1】
特開平09−268194号公報
【特許文献2】
特開平8−109122号公報
【特許文献3】
特開平9−241148号公報
【非特許文献1】
菅原努、野津敬一著「太陽紫外線と健康」裳華房(1998)
P.2〜100
【非特許文献2】
ニコラス.J.ローウ/ナディム.A.シャース編「サンスクリーン剤と皮膚科学」フレグランスジャーナル社1993年7月20日発行、P.195〜262
【非特許文献3】
「FRAGRANCE JOURNAL」フレグランスジャーナル社編 2002年7月号 P.16〜27、33〜38
【非特許文献4】
Lorraine H.Kligman著,“Effects ofall−trans−retinoic acid on the dermis of hairless mice”,Journal of the American Academy of Dermatology,1986年,vol.15,No.4,Part.2,October,P.779〜785
【非特許文献5】
Bissett DL,et.al著,“Photoprotective effect of topical anti−inflammatory agents against ultraviolet radiation−induced chronic skin damage inthe hairless mouse”,1990年,vol.7,P.153〜158
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、本発明の目的は、紫外線(太陽光)障害によるシワ形成、皮膚腫瘍、皮膚肥厚及び皮膚硬化症の発現を抑制する皮膚障害抑制剤、形成もしくは発現した皮膚障害を改善する皮膚障害改善剤、及びそれを含有する皮膚外用剤を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するために、すでに安全性が確認されている医薬品、化粧品原料、及び民間薬等で使用されている植物に着目し、鋭意研究を重ねた結果、ビタミンD類が紫外線曝露による線維芽細胞の異常増殖やコラーゲンの異常産生、及び、コラーゲン、エラスチンの架橋等による皮膚肥厚の抑制、改善に働くこと、更には、皮膚のホメオスタシスを正常に維持することで皮膚腫瘍、皮膚硬化症等の発現等の皮膚障害抑制に効果があることを別途見出した。そして、更にビタミンD類に抗アレルギー薬もしくは抗アレルギー作用を有する植物抽出物を組み合わせることで、紫外線曝露により過剰に生じたケミカルメディエーター、サイトカイン等により生ずる紅斑、炎症等を抑制、改善し、シワ形成、皮膚腫瘍、皮膚硬化症等の発現等の皮膚障害抑制、改善に、より一層の効果が得られるとの新知見を得、本発明を完成した。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられるビタミンD類は、紫外線曝露による線維芽細胞の異常増殖や、コラーゲンの異常産生、及び、コラーゲン、エラスチンの架橋等による皮膚肥厚の抑制、改善に働き、皮膚のホメオスタシスを正常に維持することで皮膚腫瘍、皮膚硬化症等の発現等の皮膚障害を抑制、改善する。ビタミンD類としては、特に制限はなく、コレカルシフェロール、カルシフェディオール、カルシトリオール、カルシポトリオール、エルゴカルシフェロール、ジヒドロタキステロール、1,25−ジヒドロキシエルゴカルシフェロール、25−ヒドロキシジヒドロタキステロール等が挙げられ、中でもコレカルシフェロール、エルゴカルシフェロールが好ましく、エルゴカルシフェロールがより好ましい。製法や由来についても特に制限はなく、種々の方法により得られる。例えば、活性型ビタミンDは、紫外線により7−デヒドロコレステロールから生じたプロビタミンDより膵臓で合成される。また、コレカルシフェロールは7−デヒドロコレステロールを紫外線照射して工業的に得られる。エルゴカルシフェロールは、ビール酵母、シイタケ等から溶媒を用いてエルゴステロールを抽出し、加熱・紫外線照射することによって得られる。
【0007】
一方、本発明に用いられる抗アレルギー薬及び/又は抗アレルギー作用を有する植物抽出物(以下、合せて「抗アレルギー成分」と略すことがある)は、抗アレルギー作用を有するものであれば、その種類や製法等に特に制限はなく、その一種又は二種以上が用いられる。
【0008】
本発明に用いられる抗アレルギー成分のうち、抗アレルギー薬は、アトピー性皮膚炎、花粉症、蕁麻疹等の治療に用いられるものであり、特に制限はないが、オキサトミド、塩酸アゼラスチン、フマル酸ケトチフェン、塩酸エピナスチン、トラニラスト及びペミロラストカリウムが、ビタミンD類と組み合わせた場合に、過剰に生じたケミカルメディエーター、サイトカイン等により生じた紅斑、炎症等を抑制、改善する効果に優れ、シワ形成、皮膚腫瘍、皮膚肥厚及び皮膚硬化症等の皮膚障害を抑制、改善する効果が増大し、より好ましい。
【0009】
また、本発明に用いられる抗アレルギー作用を有する植物抽出物も、抗アレルギー薬同様、特に制限はないが、広く伝統的民間薬として使用されている以下の植物から得られる抽出物がビタミンD類と組み合わせた場合、過剰に生じたケミカルメディエーター、サイトカイン等により生じた紅斑、炎症等を抑制、改善する効果に優れ、シワ形成、皮膚腫瘍、皮膚肥厚及び皮膚硬化症の発現抑制、改善効果が増大し、より好ましい。
セイヨウイラクサ(イラクサ科Urtica dioica)、
オトギリソウ(オトギリソウ科Hypricum erectum Thunb.)、
セージ:セイヨウサルビア(シソ科Salvia officinalis)、
コガネバナ(シソ科Scutellaria baicalensis)、
カラトウキ(セリ科Chinese angerica)、
エキネシア(キク科Echinacea angustifolia)、
セイヨウニワトコ(スイカズラ科Sambucus nigra)、
タイム:タチジャコウソウ)(シソ科Thymus vulgaris)、
ツキヌキヒヨドリ(キク科Eupatorium perfoliatum)、
ローズマリー:マンネンロウ(シソ科Rosemarinus officinalis)、
カンゾウ(マメ科Glycyrrhiza glabra)、
セイロンニッケイ:シナモン(クスノキ科Cinnamomum verum)、
シソ(シソ科Perilla frutescens var. crispa)
【0010】
本発明に用いられる抗アレルギー作用を示す植物抽出物はその調製法についても、特に限定されるものではなく、全草、又は根、茎、幹、樹皮、幼芽、葉、花、果実、種子等のいずれか1ヶ所以上から抽出することが出来、これらを乾燥、細切、圧搾、或いは発酵等、適宜処理を施した後、低温もしくは室温〜加温下で溶媒により抽出する方法を挙げることができる。
【0011】
抽出溶媒としては、例えば水、低級1価アルコール(メチルアルコール、エチルアルコール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール等)、液状多価アルコール(グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等)、低級アルキルエステル(酢酸エチル等)、炭化水素(ベンゼン、ヘキサン、ペンタン等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、エーテル類(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジプロピルエーテル等)、アセトニトリル等が挙げられ、一種又は二種以上を用いることができる。特に好ましい抽出溶媒としては、水又は、水−エチルアルコール系の混合溶媒が挙げられる。
【0012】
更に抽出物は、分子量分画、溶媒分画、各種の樹脂処理(イオン交換樹脂、吸着剤等)等によって精製されたもの、凍結乾燥されたもの等いずれのものでも用いることができる。
【0013】
具体的な製法としては、例えば植物の乾燥物を粉砕し、約10倍質量の濃度0〜100vol%の含水エチルアルコール又は1,3−ブチレングリコールを用い、室温で、又は加温して1〜5日間抽出を行った後、ろ過し、更に抽出液を分子量分画、溶媒分画、各種の樹脂処理(イオン交換樹脂、吸着剤等)等によって精製し、凍結乾燥し、固形物を得る方法等がある。また、水−エチルアルコール系の溶媒においてはエチルアルコールを留去後、凍結乾燥し、固形分を得る。
【0014】
本発明の皮膚障害抑制剤、皮膚障害改善剤のその形態については、ビタミンD類と、抗アレルギー薬及び/又は抗アレルギー作用を有する植物抽出物とを有効成分として含む限り、特に制限はなく、液状、ペースト状、クリーム状、ゲル状等いずれの形態で用いることもでき、更にスプレードライ等により乾燥させて粉末として用いることもできる。
【0015】
本発明の皮膚外用剤は、前記皮膚障害抑制剤、皮膚障害改善剤を含有することを特徴とする。本発明の皮膚外用剤における前記皮膚障害抑制剤、皮膚障害改善剤のうち、ビタミンD類の含有量は、皮膚外用剤中、0.0001〜1質量%(以下、単に「%」と記す)が好ましく、より好ましくは0.0005〜0.1%である。この範囲であれば、紫外線曝露による線維芽細胞の異常増殖や、コラーゲンの異常産生、及びコラーゲン、エラスチンの架橋等による皮膚肥厚の抑制、改善に働き、皮膚のホメオスタシスを正常に維持し、シワ形成、皮膚腫瘍、皮膚肥厚及び皮膚硬化症の発現を抑制、改善する効果に優れ、経時安定性の面からも良好なものが得られる。
【0016】
また、本発明に用いられる抗アレルギー薬の皮膚外用剤における含有量は0.00001〜10%が好ましく、より好ましくは0.0001〜5%であり、抗アレルギー作用を有する該植物抽出物の皮膚外用剤における含有量は、乾燥固形分として、0.00001〜10%が好ましく、0.0001〜5%がより好ましい。抽出液を使用する場合は、溶質である乾燥固形分の含有量が上記範囲内であれば、その抽出液濃度は何ら限定されるものではない。
この範囲であれば、ビタミンD類と組み合わせた場合、紫外線曝露により過剰に生じたケミカルメディエーター、サイトカイン等による紅斑、炎症等を抑制する効果に優れ、シワ形成、皮膚腫瘍、皮膚肥厚及び皮膚硬化症の発現抑制効果が促進され、さらにその効果に基づく皮膚障害改善効果を発揮することができる。
【0017】
本発明の皮膚障害抑制剤、皮膚障害改善剤及びこれを含有する皮膚外用剤には上記必須成分の他、化粧料や医薬部外品、外用医薬品等に通常使用される各種の成分、即ち、水、アルコール、油剤、界面活性剤、増粘剤、粉体、キレート剤、pH調整剤、美白剤、抗炎症剤、抗酸化剤、保湿剤、殺菌剤、血行促進剤等の各種薬効剤、動植物・微生物由来の抽出物、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、香料等を、本発明の効果を損なわない範囲で目的に応じて適宜加えることができる。
【0018】
また、本発明の皮膚障害抑制剤、皮膚障害改善剤を含有する皮膚外用剤としては、化粧料、医薬部外品、医薬品等が挙げられ、剤型も水性剤型、油性剤型、乳化剤型、粉末剤型、固形剤型等いずれの剤型にも配合することができる。例えば、化粧料としては、化粧水、乳液、クリーム、美容液、パック、バスソルト、軟膏、ゲル剤、ファンデーション、パウダー、リップクリーム、口紅、日焼け止め製品等とすることができる。
【0019】
【実施例】
次に植物抽出物の製造例、及び実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに何ら制約されるものではない。
【0020】
製造例1〜13:植物抽出物の製造
[製造例1]
セイヨウイラクサ葉の乾燥物の破砕物100gに対して、25vol%エタノール水溶液1,000mLを加え、還流抽出を2時間行なった。これを遠心分離、加圧ろ過し、膜分離を用い、分子量5,000以下のものを採取し、抽出液600mLを得、エバポレーターで減圧濃縮し、エタノールを留去後、この液を凍結乾燥し、固形物として6.2gを得た。
【0021】
[製造例2]
オトギリソウ花(頭状花)の乾燥物の破砕物100gに対して、25vol%エタノール水溶液1,000mLを加え、還流抽出を2時間行なった。これを遠心分離、加圧ろ過し、膜分離を用い、分子量5,000以下のものを採取し、抽出液650mLを得、エバポレーターで減圧濃縮し、エタノールを留去後、この液を凍結乾燥し、固形物として7.6gを得た。
【0022】
[製造例3]
コガネバナ根の乾燥物の破砕物100gに対して、精製水1,000mLを加え、加熱抽出を1時間行なった。これを遠心分離、加圧ろ過し、膜分離を用い、分子量5,000以下のものを採取し、抽出液620mLを得、エバポレーターで減圧濃縮後、この液を凍結乾燥し、固形物として8.2gを得た。
【0023】
[製造例4]
セイヨウニワトコ花の乾燥物の破砕物100gに対して、25vol%エタノール水溶液1,000mLを加え、還流抽出を2時間行なった。これを遠心分離、加圧ろ過し、膜分離を用い、分子量5,000以下のものを採取し、抽出液700mLを得、エバポレーターで減圧濃縮し、エタノールを留去後、この液を凍結乾燥し、固形物として5.9gを得た。
【0024】
[製造例5]
カラトウキ根茎の乾燥物の破砕物100gに対して、25vol%エタノール水溶液1,000mLを加え、還流抽出を2時間行なった。これを遠心分離、加圧ろ過し、膜分離を用い、分子量5,000以下のものを採取し、抽出液610mLを得、エバポレーターで減圧濃縮し、エタノールを留去後、この液を凍結乾燥し、固形物として6.8gを得た。
【0025】
[製造例6]
タイム全草の乾燥物の破砕物100gに対して、25vol%エタノール水溶液1,000mLを加え、還流抽出を2時間行なった。これを遠心分離、加圧ろ過し、膜分離を用い、分子量5,000以下のものを採取し、抽出液700mLを得、エバポレーターで減圧濃縮し、エタノールを留去後、この液を凍結乾燥し、固形物として8.1gを得た。
【0026】
[製造例7]
ツキヌキヒヨドリ葉・茎乾燥物の破砕物100gに対して、25vol%エタノール水溶液1,000mLを加え、還流抽出を2時間行なった。これを遠心分離、加圧ろ過し、膜分離を用い、分子量5,000以下のものを採取し、抽出液670mLを得、エバポレーターで減圧濃縮し、エタノールを留去後、この液を凍結乾燥し、固形物として7.8gを得た。
【0027】
[製造例8]
ローズマリー葉の乾燥物の破砕物100gに対して、25vol%エタノール水溶液1,000mLを加え、還流抽出を2時間行なった。これを遠心分離、加圧ろ過し、膜分離を用い、分子量5,000以下のものを採取し、抽出液740mLを得、エバポレーターで減圧濃縮し、エタノールを留去後、この液を凍結乾燥し、固形物として8.2gを得た。
【0028】
[製造例9]
カンゾウ根乾燥物の破砕物100gに対して、精製水1,000mLを加え、加熱抽出を1時間行なった。これを遠心分離、加圧ろ過し、膜分離を用い、分子量5,000以下のものを採取し、抽出液760mLを得、エバポレーターで減圧濃縮し、この液を凍結乾燥し、固形物として8.1gを得た。
【0029】
[製造例10]
セイロンニッケイ樹皮乾燥物の破砕物100gに対して、25vol%エタノール水溶液1,000mLを加え、還流抽出を2時間行なった。これを遠心分離、加圧ろ過し、膜分離を用い、分子量5,000以下のものを採取し、抽出液660mLを得、エバポレーターで減圧濃縮し、エタノールを留去後、この液を凍結乾燥し、固形物として8.6gを得た。
【0030】
[製造例11]
シソ葉の乾燥物の破砕物100gに対して、25vol%エタノール水溶液1,000mLを加え、還流抽出を2時間行なった。これを遠心分離、加圧ろ過し、膜分離を用い、分子量5,000以下のものを採取し、抽出液580mLを得、エバポレーターで減圧濃縮し、エタノールを留去後、この液を凍結乾燥し、固形物として5.9gを得た。
【0031】
[製造例12]
エキネシア根乾燥物の破砕物100gに対して、25vol%エタノール水溶液1,000mLを加え、還流抽出を2時間行なった。これを遠心分離、加圧ろ過し、膜分離を用い、分子量5,000以下のものを採取し、抽出液660mLを得、エバポレーターで減圧濃縮し、エタノールを留去後、この液を凍結乾燥し、固形物として6.5gを得た。
【0032】
[製造例13]
セージ(セイヨウサルビア)葉の乾燥物の破砕物100gに対して、精製水1,000mLを加え、加熱抽出を1時間行なった。これを遠心分離、加圧ろ過し、膜分離を用い、分子量5,000以下のものを採取し、抽出液780mLを得、エバポレーターで減圧濃縮後、この液を凍結乾燥し、固形物として7.7gを得た。
【0033】
実施例1:ヘアレスマウス紫外線照射による皮膚障害試験
下記調製方法により皮膚障害抑制剤を調製し、紫外線照射による皮膚肥厚、皮膚腫瘍、シワ形成及び皮膚硬化症について評価した。
【0034】
[試料(皮膚障害抑制剤)の調製]
表1〜3に示すビタミンD類と、抗アレルギー成分(抗アレルギー薬、抗アレルギー作用を有する植物抽出物の凍結乾燥物)とを基剤(ポリエチレングリコール1000:エチルアルコール=1:1)に溶解し、皮膚障害抑制剤を調製した。
【0035】
[試料塗布法と紫外線照射法]
1群8匹とし、紫外線照射90分前に上述の試料をヘアレスマウス(10週齢)背中に0.1g塗布し、一定量の紫外線(東芝BLBランプ)を1日2時間(5回/週)15週間照射し(総照射量:716J/cm2)、皮膚肥厚及び皮膚腫瘍、シワ形成、皮膚硬化症抑制効果を調べた。
尚、これらの試料の紫外線吸収スペクトルを測定し、これらは評価試験に影響を与えないことを確認した。
【0036】
[評価法]
(皮膚肥厚抑制効果)
紫外線照射前と紫外線照射15週後の皮膚の厚みをダイアル厚みゲージ(OZAK.MFG.CO.LTD.)を用い測定した。結果は、8匹の皮膚の厚みの平均値、及びその15週間後の増加率で評価した。
(皮膚腫瘍抑制効果)
皮膚腫瘍は径が0.5mm以上の腫瘍を発症したマウスの発生率(8匹中)で評価した。
【0037】
(シワ形成抑制効果)
紫外線照射15週後のシワ形成について、下記表4に示す「光皮膚老化グレード」に基づいてシワグレードを判定した。なお、結果は、8匹の評点の平均値で表し評価した。
【0038】
(皮膚硬化症の発現抑制効果)
ヘアレスマウス皮膚背部中央部位を摘み、復元に5秒以上を要する皮膚を皮膚硬化症とし、マウス8匹中の発現率で評価した。
【0039】
皮膚肥厚、皮膚腫瘍、シワ形成、及び皮膚硬化症抑制効果の評価結果をそれぞれ表1〜3に併せて示す。
(結果)
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】
(シワグレード(光皮膚老化グレード)判定基準)
【0044】
【表4】
【0045】
表1〜3から明らかなように、ビタミンD類と、抗アレルギー薬及び/又は抗アレルギー作用を有する植物抽出物を組み合わせた皮膚障害抑制剤である本発明品1〜38はいずれも顕著な皮膚肥厚及び皮膚腫瘍、シワ及び皮膚硬化症の発現を相乗的に抑制する効果に極めて優れたものであった。
【0046】
実施例2;クリーム
下記表5に示す組成及び下記製法でクリームを調製し、皮膚のシワ改善効果を評価した。
【0047】
(製法)
A.成分(1)〜(11)、(15)〜(17)、及び(19)を混合し、加熱して70℃に保つ。
B.成分(12)〜(14)、(18)及び(21)を加熱して70℃に保つ。C.AにBを加えて乳化する。
D.Cに成分(20)を加えた後、冷却してクリームを得た。
【0048】
(試験方法)
35〜54才の女性20名をパネルとし、毎日朝と夜の2回、15週間にわたって洗顔後に被験クリームの適量を顔面に塗布した。塗布による皮膚のシワ改善効果を以下の基準によって評価し、各評価基準に該当する人数を表5に併せて示した。
【0049】
(評価基準)
<評価> <内 容>
有 効 肌のシワが目立たなくなった。
やや有効 肌のシワがあまり目立たなくなった。
無 効 使用前と変化なし。
【0050】
(組成及び結果)
【0051】
【表5】
【0052】
表5の結果から明らかなように、ビタミンD類と、抗アレルギー薬及び/又は抗アレルギー作用を有する植物抽出物を配合した本発明品39〜42は、これらを皮膚に適用することにより、シワを改善し、張りのある肌とすることが明らかとなった。
【0053】
【0054】
(製法)
A.成分(1)〜(8)及び(10)を混合し、加熱して70℃に保つ。
B.成分(9)及び(12)を加熱して70℃に保つ。
C.AにBを加えて乳化する。
D.Cに成分(11)を加えた後、冷却してクリームを得た。
【0055】
実施例4 化粧水
(成分) (%)
(1)グリセリン 10.0
(2)1,3−ブチレングリコール 6.0
(3)クエン酸 0.1
(4)クエン酸ナトリウム 0.3
(5)カラトウキ抽出物*1 2.0
(6)セイヨウサルビア抽出物*2 1.0
(7)精製水 残量
(8)コレカルシフェロール*3 0.005
(9)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60E.O.) 0.5
(10)エチルアルコール 8.0
(11)防腐剤 適量
(12)香料 適量
*1 製造例5で製造したもの
*2 製造例13で製造したもの
*3 関東化学工業社製
【0056】
(製法)
A.成分(1)〜(7)を混合溶解する。
B.成分(8)〜(12)を混合溶解する。
C.AとBを混合して、均一にし、化粧水を得た。
【0057】
実施例5 化粧水
(成分) (%)
(1)グリセリン 10.0
(2)1,3−ブチレングリコール 6.0
(3)クエン酸 0.1
(4)クエン酸ナトリウム 0.3
(5)セイヨウニワトコ抽出物*2 0.2
(6)エキネシア抽出物*3 0.1
(7)精製水 残量
(8)エルゴカルシフェロール*1 0.005
(9)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60E.O.) 0.5
(10)エチルアルコール 8.0
(11)防腐剤 適量
(12)香料 適量
*1 製造例4で製造したもの
*2 製造例12で製造したもの
*3 ナカライテスク社製
【0058】
(製法)
A.成分(1)〜(7)を混合溶解する。
B.成分(8)〜(12)を混合溶解する。
C.AとBを混合して、均一にし、化粧水を得た。
【0059】
実施例6 化粧水
(成分) (%)
(1)グリセリン 10.0
(2)1,3−ブチレングリコール 6.0
(3)セイヨウニワトコ抽出物*1 2.0
(4)タイム抽出物*2 1.0
(5)乳酸 0.1
(6)乳酸ナトリウム 0.3
(7)精製水 残量
(8)エルゴカルシフェロール*3 0.002
(9)コレカルシフェロール*4 0.002
(10)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60E.O.) 0.5
(11)エチルアルコール 8.0
(12)防腐剤 適量
(13)香料 適量
*1 製造例4で製造したもの
*2 製造例6で製造したもの
*3 ナカライテスク社製
*4 関東化学工業社製
【0060】
(製法)
A.成分(1)〜(7)を混合溶解する。
B.成分(8)〜(13)を混合溶解する。
C.AとBを混合して均一にし、化粧水を得た。
【0061】
【0062】
(製法)
A.成分(14)〜(18)を加熱混合し、70℃に保つ。
B.成分(1)〜(13)を加熱混合し、70℃に保つ。
C.AにBを加えて混合し、均一に乳化する。
D.Cを冷却後(19)〜(22)を加え、均一に混合して乳液を得た。
【0063】
【0064】
(製法)
A.成分(14)〜(18)を加熱混合し、70℃に保つ。
B.成分(1)〜(13)を加熱混合し、70℃に保つ。
C.AにBを加えて混合し、均一に乳化する。
D.Cを冷却後(19)〜(22)を加え、均一に混合して乳液を得た。
【0065】
実施例3〜8はいずれも経時安定性に優れ、皮膚に適用することにより、紫外線曝露による皮膚障害抑制効果に優れ、皮膚の肥厚や、硬化がなく、また、シワ改善効果にも優れ、張りのある美しい肌にするクリーム、化粧水及び乳液であった。
【0066】
実施例9 軟膏
(成分) (%)
(1)ステアリン酸 18.0
(2)セタノール 4.0
(3)エルゴカルシフェロール*1 0.1
(4)防腐剤 適量
(5)トリエタノールアミン 2.0
(6)グリセリン 5.0
(7)精製水 残量
(8)セイヨウイラクサ抽出物*2 0.5
*1 ナカライテスク社製
*2 製造例1で製造したもの
【0067】
(製法)
A.成分(5)、(6)及び(7)の一部を加熱混合し、75℃に保つ。
B.成分(1)〜(4)を加熱混合し、75℃に保つ。
C.AをBに徐々に加える。
D.Cを冷却しながら(7)の残部で溶解した(8)を加え、軟膏を得た。
【0068】
実施例9は経時安定性に優れ、皮膚に適用することにより、紫外線曝露によって形成されたシワ改善効果に優れ、さらに張りのある美しい肌にする軟膏であった。
【0069】
実施例10 パック
(成分) (%)
(1)ポリビニルアルコール 15.0
(2)無水ケイ酸 0.5
(3)ポリエチレングリコール 0.5
(4)ポリオキシプロピレンメチルグルコシド 5.0
(5)グリセリン 5.0
(6)精製水 残量
(7)エチルアルコール 10.0
(8)防腐剤 適量
(9)エルゴカルシフェロール*1 0.1
(10)ペミロラストカリウム*2 0.1
(11)香料 適量
*1 ナカライテスク社製
*2 三洋化学研究所社製
【0070】
(製法)
A.成分(1)〜(6)を混合し、70℃に加熱して溶解する。
B.成分(7)〜(10)を混合して溶解する。
C.Bを先のAに加え、混合した後、冷却して(11)を均一に分散してパックを得た。
【0071】
実施例11 パック
(成分) (%)
(1)ポリビニルアルコール 15.0
(2)無水ケイ酸 0.5
(3)ポリエチレングリコール 0.5
(4)ポリオキシプロピレンメチルグルコシド 5.0
(5)グリセリン 5.0
(6)精製水 残量
(7)エチルアルコール 20.0
(8)防腐剤 適量
(9)コレカルシフェロール*1 0.5
(10)ツキヌキヒヨドリ抽出物*2 0.5
(11)カンゾウ抽出物*3 1.0
(12)香料 適量
*1 関東化学工業社製
*2 製造例7で製造したもの
*3 製造例9で製造したもの
【0072】
(製法)
A.成分(1)〜(6)を混合し、70℃に加熱して溶解する。
B.成分(7)〜(9)を混合して溶解する。
C.Bを先のAに加え、混合した後、冷却して(10)〜(12)を均一に分散してパックを得た。
【0073】
実施例10及び11は経時安定性に優れ、皮膚に適用することにより、紫外線曝露による肌のシワを改善し、張りのある美しい肌にするパックであった。
【0074】
【0075】
(製法)
A.成分(1)〜(9)を加熱し混合溶解する。
B.Aに成分(15)〜(20)を加え、均一に混合し、70℃に保つ。
C.成分(10)〜(14)を均一に溶解し、70℃に保つ。
D.CにBを添加して、均一に乳化する。
E.Dを冷却後、成分(21)を添加してリキッドファンデーションを得た。
【0076】
【0077】
(製法)
A.成分(1)〜(9)を混合溶解する。
B.Aに成分(16)〜(23)を加え、均一に混合し、70℃に保つ。
C.成分(10)〜(15)を均一に溶解し、70℃に保つ。
D.CにBを添加して、均一に乳化する。
E.Dを冷却後、成分(24)を添加してリキッドファンデーションを得た。
【0078】
実施例14 油性ファンデーション
(成分) (%)
(1)キャンデリラワックス 4.0
(2)パラフィンワックス 5.0
(3)ワセリン 5.0
(4)ジメチルポリシロキサン 15.0
(5)スクワラン 25.0
(6)トリイソステアリン酸ジグリセリル 残量
(7)エルゴカルシフェロール*1 0.02
(8)有機変性ベントナイト 3.0
(9)グリセリン 0.5
(10)酸化チタン 10.0
(11)セリサイト 5.0
(12)ナイロンパウダー 5.0
(13)着色顔料 適量
(14)アルキル変性カルボキシビニルポリマー 0.5
(15)オトギリソウ抽出物*2 1.0
(16)香料 適量
*1 ナカライテスク社製
*2 製造例2で製造したもの
【0079】
(製法)
A.成分(1)〜(9)を80℃で加熱溶解する。
B.Aに成分(10)〜(14)、及び(15)、(16)を加えて均一に混合し、冷却固化して油性ファンデーションを得た。
【0080】
実施例15 日焼け止め乳液
(成分) (%)
(1)ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン 1.0
(2)ジメチルポリシロキサン 5.0
(3)オクタメチルシクロテトラシロキサン 20.0
(4)イソノナン酸イソトリデシル 5.0
(5)パラメトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル 5.0
(6)エルゴカルシフェロール*1 0.02
(7)防腐剤 適量
(8)微粒子酸化チタン 10.0
(9)微粒子酸化亜鉛 10.0
(10)酸化ジルコニウム 5.0
(11)ポリスチレン末 3.0
(12)トリメチルシロキシケイ酸 0.5
(13)ジプロピレングリコール 3.0
(14)エチルアルコール 10.0
(15)精製水 残量
(16)食塩 0.2
(17)コガネバナ抽出物*2 3.0
(18)香料 適量
*1 ナカライテスク社製
*2 製造例3で製造したもの
【0081】
(製法)
A.成分(1)〜(12)を混合分散する。
B.成分(13)〜(17)を混合溶解する。
C.AにBを添加して、均一に乳化する。
D.Cに成分(18)を添加して日焼け止め乳液を得た。
【0082】
実施例16 日焼け止め乳液
(成分) (%)
(1)ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン 1.0
(2)ジメチルポリシロキサン 5.0
(3)オクタメチルシクロテトラシロキサン 20.0
(4)イソノナン酸イソトリデシル 5.0
(5)パラメトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル 10.0
(6)エルゴカルシフェロール*1 0.05
(7)コレカルシフェロール*2 0.05
(8)防腐剤 適量
(9)微粒子酸化チタン 8.0
(10)微粒子酸化亜鉛 7.0
(11)酸化ジルコニウム 5.0
(12)ポリスチレン末 3.0
(13)トリメチルシロキシケイ酸 0.5
(14)ジプロピレングリコール 3.0
(15)エチルアルコール 10.0
(16)エキネシア抽出物*3 2.0
(17)精製水 残量
(18)食塩 0.2
(19)香料 適量
*1 ナカライテスク社製
*2 関東化学工業社製
*3 製造例12で製造したもの
【0083】
(製法)
A.成分(1)〜(13)を混合分散する。
B.成分(14)〜(18)を混合溶解する。
C.AにBを添加して、均一に乳化する。
D.Cに成分(19)を添加し、日焼け止め乳液を得た。
【0084】
実施例12〜16は経時安定性に優れ、ファンデーションや日焼け止め乳液としての効果に加え、皮膚に適用することにより、紫外線曝露による皮膚障害を抑制、改善する効果にも優れたものであった。
【0085】
【発明の効果】
以上のごとく、本発明に係わるビタミンD類と、抗アレルギー薬及び/又は抗アレルギー作用を有する植物抽出物とを含有する本発明の皮膚障害抑制剤、皮膚障害改善剤は紫外線曝露に起因するシワ形成、皮膚肥厚、皮膚腫瘍の発生及び皮膚硬化症の発現を顕著に抑制、改善するものであった。また、この皮膚障害抑制剤、皮膚障害改善剤を含有した本発明の皮膚外用剤も、紫外線曝露におけるシワ形成、皮膚肥厚、皮膚腫瘍の発生及び皮膚硬化症の発現を顕著に抑制し、改善する効果を有するものであった。従って、本発明の皮膚外用剤は、皮膚老化防止を目的とする化粧品や医薬品等として有利に利用することができるものである。
Claims (9)
- ビタミンD類と、抗アレルギー薬及び/又は抗アレルギー作用を有する植物抽出物とを含有することを特徴とする紫外線曝露に起因する皮膚障害抑制剤。
- ビタミンD類がコレカルシフェロール及び/又はエルゴカルシフェロールである請求項1記載の皮膚障害抑制剤。
- 抗アレルギー薬がオキサトミド、フマル酸ケトチフェン、塩酸アゼラスチン、塩酸エピナスチン、トラニラスト、ペミロラストカリウムから選ばれる一種又は二種以上である請求項1記載の皮膚障害抑制剤。
- 抗アレルギー作用を有する植物抽出物がセイヨウイラクサ、オトギリソウ、セージ、コガネバナ、カラトウキ、エキネシア、セイヨウニワトコ、タイム、ツキヌキヒヨドリ、ローズマリー、カンゾウ、セイロンニッケイ、シソの各抽出物から選ばれる一種又は二種以上である請求項1記載の皮膚障害抑制剤。
- ビタミンD類と、抗アレルギー薬及び/又は抗アレルギー作用を有する植物抽出物とを含有することを特徴とする紫外線曝露に起因する皮膚障害改善剤。
- ビタミンD類がコレカルシフェロール及び/又はエルゴカルシフェロールである請求項5記載の皮膚障害改善剤。
- 抗アレルギー薬がオキサトミド、フマル酸ケトチフェン、塩酸アゼラスチン、塩酸エピナスチン、トラニラスト、ペミロラストカリウムから選ばれる一種又は二種以上である請求項5記載の皮膚障害改善剤。
- 抗アレルギー作用を有する植物抽出物がセイヨウイラクサ、オトギリソウ、セージ、コガネバナ、カラトウキ、エキネシア、セイヨウニワトコ、タイム、ツキヌキヒヨドリ、ローズマリー、カンゾウ、セイロンニッケイ、シソの各抽出物から選ばれる一種又は二種以上である請求項5記載の皮膚障害改善剤。
- 請求項1乃至4の記載の皮膚障害抑制剤の一種又は二種以上、及び/又は請求項5乃至8の皮膚障害改善剤の一種又は二種以上を含有する皮膚外用剤。
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