JP2007518416A - フルーツペストリーのバーの製造方法 - Google Patents
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Abstract
この方法は、略U字型の断面形状を有する細長い形状の型(30)にペストリー生地(50)を詰めて、型の底および側面における、底から一定の高さまでの部分を生地で覆うようにするステップと、生地に菓子ミックス(58)を注ぎ入れるステップと、ゲル化物と混ぜ合わせた装飾用フルーツまたはフルーツ片(62)を型の上端まで注ぎ入れて、ゲル化物と混ぜ合わせた装飾用フルーツまたはフルーツ片で生地および菓子ミックスを覆うステップと、型に入った装飾物付きの生地および菓子ミックスを焼くステップと、を備えている。
Description
本発明は、バー状のフルーツペストリー、詳細には個別のポーション状になっているペストリーを、特に産業規模で製造する場合に用いる方法を提供しようとするものである。
小さな円形タルトに代表される個別ポーションのフルーツペストリーは、消費者から非常に人気がある。その他各形状、特にバー状のフルーツペストリーは、キャンディバーのように手に持ちやすく、また貯蔵しやすいという利点がある。これらは、ファーストフード店または食堂での使用に非常に向いているが、適用範囲はそれにとどまらない。
いずれにしても、フルーツペストリーをバー状にすると、特にペストリーの量を相対的に制限したい場合、困難が生じる。特に個別ポーションのペストリーにおいては、フルーツを囲っているペストリーの縁をバーの全高にわたって形成することはできない。フルーツの量に比べてペストリーの量が過多となってしまうからである。したがって、適切な強度、およびペストリーによるバー形状の維持に問題が生じる。
本発明の目的は、外観、質感、および味の面で魅力的な製品を得られると共に、製造コストが低く産業規模での実施に適したペストリーの製造方法を提供することである。
本発明によると、この目的は、
略U字型の断面形状を有する細長い形状の型にペストリー生地を詰めて、型の底および側面における、底から一定の高さまでの部分を覆うようにするステップと、
生地に菓子ミックス(confectioner’s mix)を注ぎ入れるステップと、
ゲル化物(gelling composition)と混ぜ合わせた装飾用フルーツまたはフルーツ片を型の上端まで注ぎ入れて、ゲル化物と混ぜ合わせた装飾用フルーツまたはフルーツ片で生地および菓子ミックスを覆うステップと、
型に入ったペストリーおよび覆われた菓子ミックスを焼くステップと、
を備える方法によって達成される。
略U字型の断面形状を有する細長い形状の型にペストリー生地を詰めて、型の底および側面における、底から一定の高さまでの部分を覆うようにするステップと、
生地に菓子ミックス(confectioner’s mix)を注ぎ入れるステップと、
ゲル化物(gelling composition)と混ぜ合わせた装飾用フルーツまたはフルーツ片を型の上端まで注ぎ入れて、ゲル化物と混ぜ合わせた装飾用フルーツまたはフルーツ片で生地および菓子ミックスを覆うステップと、
型に入ったペストリーおよび覆われた菓子ミックスを焼くステップと、
を備える方法によって達成される。
使用される菓子ミックスは、とりわけ、任意で泡立ててある菓子フィリング(confectionery filling)または従来のアーモンドクリームから構成されてよい。ゲル化物としては、赤砂糖(brown sugar)およびペクチンを含む調合物を使用可能である。
厚紙またはアルミニウム製の型のような使い捨ての型を使用することが好ましい。
また、フィーダを用いて装飾用フルーツまたはフルーツ片を自動的に加えることが好ましい。これにより、手作業で装飾を加える場合と比較して、フルーツに手が触れるのを回避することができ、また製造コストを減らすことができる。
フルーツおよびフルーツ片で装飾を施す前に、ペストリーおよび菓子ミックスを下焼きすることも可能である。下焼きは、たとえば全焼きの50〜85%程度に相当する焼き加減となるまで行われる。「焼き加減」という用語は、とくに脱水の度合いを意味して用いる。その後の焼成のステップにより、完全に焼かれるとともに、フルーツまたはフルーツ片の見栄えが良くなる。
型の側壁のうち、その高さの1/4〜2/3の範囲内の高さまでを覆うように、ペストリー生地を型に詰めることが好ましい。
焼成後に、できたペストリーを冷凍および包装してもよい。
下焼きを行う場合、下焼き後、場合によっては下焼きされたペストリーおよび菓子ミックスに装飾が施された後であって、最終焼成の前に冷凍してもよい。最終焼成は、ペストリーの消費直前に行われてよい。
また、本発明は上記の方法により得られるペストリーを提供する。つまり、底が矩形状で長縁および端縁を有するタルトレットと、タルトレットの底を覆う菓子ミックスと、ゲル化物によって結合されたフルーツまたはフルーツ片であって、タルトレットの端の上方まで達しつつタルトレットの矩形状の外郭を実質的に再現するタルトレット上の装飾物を構成するフルーツまたはフルーツ片と、からなるペストリーを提供する。
ペストリーは、たとえばアルミニウムまたは厚紙製の、使い捨ての焼き型に包装されていてよい。
以下、添付の図面を参照しつつ詳細な説明をする。
本発明に係るペストリーは、U字型の断面形状を有する略矩形の型30(図3および図4を参照)内で調製される。型の形状および寸法は、製造するペストリーの形状および寸法に応じて選択される。たとえばアルミニウム製や厚紙製などの使い捨ての型を使用すると好都合である。型は、底32、長壁34,35、および端壁36,37を有する。
図1の方法では、生地をこねる(ステップ10)、菓子ミックスを用意する(ステップ11)、そして装飾用フルーツを用意する(ステップ12)、という処理が別々に行われる。
あらかじめ用意しておいた生地を型に詰める(ステップ13)。生地は、サクサクするクラストペストリー、パフペストリー、またはショートブレッドの生地であってよい。生地は、型の底32および壁34,35,36,37を覆う。生地の高さは、壁34,35,36,37の高さの一定部分まで、好ましくは底から1/4〜2/3の範囲内の高さである。
菓子ミックスは、任意で泡立ててあるクリーム状の調理品、たとえば菓子フィリングやアーモンドクリームである。菓子ミックスを量り取り(ステップ14)、型の中にある生地を規定量の菓子フィリングで覆うようにする(ステップ15)。周知のように、菓子フィリングは、焼成中にフルーツから果汁を吸収するため、ペストリーをサクサクした状態に維持できる。
装飾用フルーツは、フルーツまたはフルーツ片とゲル化物との混合物である。このゲル化物は、フルーツの重量に対して約10〜40重量%となっている。
たとえば、赤砂糖および/またはペクチンを含むゲル化物を使用する。一般に、ゲル化物は、卵25〜35重量%、砂糖(蔗糖またはその他の砂糖)25〜35重量%、バターまたはその他任意の動物性脂肪25〜35重量%、およびペクチン等のゲル化成分2〜10重量%からなる。リンゴ、洋梨、プラム、アプリコット、桃、赤果実(red fruit)等の各種フルーツを、丸ごとまたは切って使用可能である。
図3に示すように、フィーダ38によって装飾用フルーツを量り取り(ステップ16)、型の中の生地および菓子ミックスの上に載せる(ステップ17)。装飾用フルーツは、フィリングおよび生地を覆って型30を満たし、型の壁の底部に詰まっている生地の縁よりも上まで達する。
生地、菓子ミックス、および装飾用フルーツからなる組立体を焼成し(ステップ18)、その後冷凍(ステップ19)および包装する(ステップ20)。もちろん、出来上がったペストリーを食べるまでの時間によっては冷凍のステップを省略可能であり、またペストリーは型に入ったままであると好都合である。
焼成後、バー状のフルーツペストリー50(図4参照)が得られる。このペストリー50は、底が矩形で長壁および端壁54,56を有する焼いたペストリータルトレット52と、ペストリータルトレットに詰められた菓子ミックス58と、ゲル化物によって結合されたフルーツまたはフルーツ片62を含む装飾60とからなる。フルーツまたはフルーツ片は、焼成前にフィリングの層内に入り込む。ペストリーは、その形状を良好に保ちつつ型30から取り出し可能である。
図2は本発明の他の実施態様を示している。図1と異なっているのは、装飾用フルーツを載せる前に、型30の中に詰まっている生地および菓子ミックスを下焼きするステップ(ステップ21)があるという点である。下焼きは、全焼きの50%〜85%に相当する程度まで行われる。脱水の度合いによって下焼きの程度を測る。下焼きの度合いは、特に、後に加えられて最終的な焼成のステップに付される装飾用フルーツの性質に応じて変更可能である。
続いて、型30を満たすように、計量した装飾用フルーツで、下焼きした型内のペストリーおよび菓子ミックスを覆う(ステップ22)。
下焼きしたペストリーおよび菓子ミックスに装飾用フルーツを加えたものからなる組立体は中間生成物となり、冷蔵保存または冷凍保存して(ステップ23)包装できる(ステップ24)。消費する前に、最終焼成のステップが行われ(ステップ25)、全焼きされる。
なお、装飾用フルーツを載せた後で下焼きを行い、その後下焼きされたペストリーを冷凍してもよい。
アップルバーを、以下のようにして製造した。
長さ150ミリメートル(mm)、幅30mm、高さ30mmの厚紙の型に、約40グラム(g)の生地を詰めて、生地が、型の底および壁を、15mmの高さまで覆うようにした。
生地には、厚み12mmのアーモンドクリーム層を充填した。クリームの構成は、バター1重量部、卵1重量部、砂糖1重量部、アーモンドパウダー1重量部、および小麦粉0.75重量部であった。
組立体を、180℃の温度で全焼きの75%程度まで下焼きした。
下焼きの後、フィーダによってペストリーおよび菓子ミックス内に詰め物をした。フィーダは、リンゴ片およびゲル化物からなる装飾物約90gを型に注入するものであった。ゲル化物はリンゴの重量に対して30重量%であった。ゲル化物の構成は、卵1重量部、砂糖1重量部、バター1重量部、およびゲル化成分(ペクチン)0.1重量部であった。
組立体を、約200℃の温度で最終焼成した。
最終焼成後、フルーツ片が見栄えよく仕上がり、また縁の高さが低いにもかかわらず、一体となったペストリーが申し分ない出来上がりであることが確認された。図5の写真は、型から取り出して得られたリンゴバーを示す。
上述のように、装飾用フルーツを載せる前に中間生成物を冷凍して、消費直前に最終焼成を行ってもよい。
下焼きのステップを省略することも可能である。
Claims (14)
- バー状のフルーツペストリーの製造方法であって、
略U字型の断面形状を有する細長い形状の型にペストリー生地を詰めて、型の底および側面における、底から一定の高さまでの部分を覆うようにするステップと、
生地に菓子ミックスを注ぎ入れるステップと、
ゲル化物と混ぜ合わせた装飾用フルーツまたはフルーツ片を型の上端まで注ぎ入れて、ゲル化物と混ぜ合わせた装飾用フルーツまたはフルーツ片で生地および菓子ミックスを覆うステップと、
型に入ったペストリーおよび覆われた菓子ミックスを焼くステップと、
を備えることを特徴とする方法。 - アーモンドクリームおよび菓子フィリングのうちから選ばれる菓子ミックスを使用することを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 赤砂糖を含むゲル化物を使用することを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
- ゲル化成分を含むゲル化物を使用することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
- 特にアルミニウムおよび厚紙のうちから選ばれる材料でできている使い捨ての型を使用することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
- フィーダを用いて装飾用フルーツまたはフルーツ片を自動的に加えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
- 型の側壁のうち、その高さの1/4〜2/3の範囲内の高さまでを覆うように、生地を型に詰めることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
- 焼いたペストリーおよび菓子ミックスに装飾を加えたものからなる型に入った組立体を冷凍することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
- 生地および菓子ミックスを、全焼きの50〜85%に相当する焼き加減となるまで下焼きすることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
- 下焼きは、装飾用フルーツまたはフルーツ片を詰める前に行うことを特徴とする請求項9に記載の方法。
- 下焼きされたペストリーおよび菓子ミックスに、任意で下焼きされた装飾用フルーツを加えたものからなる組立体を冷凍することを特徴とする請求項9または10に記載の方法。
- 底が矩形状で長縁および端縁を有するペストリータルトレットと、タルトレットの底に詰められた菓子ミックスと、ゲル化物によって結合されたフルーツまたはフルーツ片であって、タルトレットを覆ってタルトレットの端の上方まで達しつつタルトレットの矩形状の外郭を実質的に再現する装飾物を構成するフルーツまたはフルーツ片と、からなることを特徴とするバー状のフルーツペストリー。
- 使い捨ての焼き型、特にアルミニウムまたは厚紙でできている型に包装されていることを特徴とする請求項12に記載のペストリー。
- 型の側壁のうち、型の底からの高さの1/4〜2/3の範囲内の高さまでがペストリーによって覆われていることを特徴とする請求項13に記載のペストリー。
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