JP2012105619A - 層状膨化食品及びその製造法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、主に横(水平)方向に膨化する成形方法をとった層状膨化食品において、フィリング材としてのチョコレートの風味と食感を、喫食当初から最後まで均一に楽しむことが可能な層状膨化食品、およびその製造方法を提供することにある。
【解決手段】焼成耐性付与効果を有する副素材の含有量が3%以下、かつ形状が小片状であるチョコレート類を内包させた成形生地を、発酵後に焼成することで、板チョコレート様のフィリング材を生地の端まで内包した層状膨化食品が得られる。
【選択図】図3
【解決手段】焼成耐性付与効果を有する副素材の含有量が3%以下、かつ形状が小片状であるチョコレート類を内包させた成形生地を、発酵後に焼成することで、板チョコレート様のフィリング材を生地の端まで内包した層状膨化食品が得られる。
【選択図】図3
Description
本発明は、主に横(水平)方向に膨化する成形方法をとった層状膨化食品において、フィリング材としてのチョコレートの風味と食感を、喫食当初から最後まで均一に楽しむことが可能な層状膨化食品、およびその製造方法に関する。
パイやデニッシュペストリー、クロワッサンなどの層状膨化食品には、チョコレート類・カスタードクリーム・ピーナツクリームなどのフィリング材を包み焼成したものが多く存在する。中でも非特許文献1のようにチョコレートを内包したものは、味覚的なバランスが良好であることに加え、焼き上がり後のチョコレートの食感と、層状部分のサックリした食感の相性が消費者に好まれる要因となっている。
ここでのチョコレート類は、焼成によって融解や流出することなく内部に残っていることが好ましいため、焼成耐性を有する組成で、板状や棒状に成形されたものが通常用いられる。(非特許文献2)なお、焼成耐性を有するチョコレートとは、特定の副素材を配合することによってそれを可能としたものが挙げられ、具体的にはオカラ粉末(特許文献1)、大豆蛋白(特許文献2)、澱粉(特許文献3)、カゼインナトリウム(特許文献4)、調製乳清タンパク質加工品(特許文献5)、乾燥卵白(特許文献6)などが例示できる。また、チョコレート中の総油分の割合を下げることで流動性を低下させ、焼成耐性を有する組成とする方法も適用される。これらの手段は単独あるいは併用して用いられる。
ここでのチョコレート類は、焼成によって融解や流出することなく内部に残っていることが好ましいため、焼成耐性を有する組成で、板状や棒状に成形されたものが通常用いられる。(非特許文献2)なお、焼成耐性を有するチョコレートとは、特定の副素材を配合することによってそれを可能としたものが挙げられ、具体的にはオカラ粉末(特許文献1)、大豆蛋白(特許文献2)、澱粉(特許文献3)、カゼインナトリウム(特許文献4)、調製乳清タンパク質加工品(特許文献5)、乾燥卵白(特許文献6)などが例示できる。また、チョコレート中の総油分の割合を下げることで流動性を低下させ、焼成耐性を有する組成とする方法も適用される。これらの手段は単独あるいは併用して用いられる。
層状膨化食品は、その成形方法により、多彩なバラエティが可能である。その中で、積層した生地の断面が上面に位置する状態で展延、成形したものは、発酵・焼成によって主に横方向(水平方向)に膨化して広がり薄く焼き上がることで、特有のサクサクとした食感が顕著に感じられるため、非常に嗜好性の良好なものとなる。
しかし、このような成形方法をとった生地に対して、焼成用途において通常用いられるチョコレート類を内包し焼成した場合、横方向への膨化が著しいという特性が故に、チョコレートは元の形状のまま中央部に偏在し、周辺部の内部にはフィリングが存在しない仕上がりとなる。
よって、従来の技術では、このような特徴的な形状とパリパリ・サクサクした食感を維持しながら、チョコレートの風味と食感を喫食当初から最後まで均一に楽しみたいという要求に応えることは出来なかった。
しかし、このような成形方法をとった生地に対して、焼成用途において通常用いられるチョコレート類を内包し焼成した場合、横方向への膨化が著しいという特性が故に、チョコレートは元の形状のまま中央部に偏在し、周辺部の内部にはフィリングが存在しない仕上がりとなる。
よって、従来の技術では、このような特徴的な形状とパリパリ・サクサクした食感を維持しながら、チョコレートの風味と食感を喫食当初から最後まで均一に楽しみたいという要求に応えることは出来なかった。
講談社「パンの基本大図鑑」P.195(2003年発行)
講談社「パンの基本大図鑑」P.391(2003年発行)
本発明の目的は、主に横方向に膨化する成形方法をとった場合に、フィリング材としてのチョコレートの風味と食感を、喫食当初から最後まで均一に楽しむことが可能な層状膨化食品、およびその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題に対して鋭意研究を重ねた結果、展延した生地に所定の組成・サイズの小片状のチョコレートを包み、焼成することによって可能であることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、(1)としてはドウ及び折り込み油脂を含有する層状生地を、層断面を上面に配置して成形焼成した層状膨化食品において、焼成耐性付与効果を有する副素材の含有量が3重量%以下、かつ形状が小片状であるチョコレート類を内包させた成形生地を発酵後に焼成することを特徴とした層状膨化食品の製造法であり、(2)としては小片状のチョコレート類が個々の最大径20mm以下かつ最小径10mm以下である(1)の層状膨化食品の製造法であり、(3)としてはチョコレート類中の油分が33重量%以上である(1)ないし(2)の層状膨化食品の製造法であり、(4)としては板チョコレート様のフィリング材を生地の端まで内包した、ドウ及び折り込み油脂を含有する層状生地を、層断面を上面に配置して成形焼成した層状膨化食品である。
本発明によれば、薄く焼きあがった形状の内部に板チョコレート様のフィリング材を端まで均一に内包し、喫食当初から終わりまで一貫して食感と味覚のコントラストを楽しむことが出来る層状膨化食品を提供することが可能となる。
(a)…積層生地を巻き、切断した状態
(b)…(a)の層断面を上面として展延した状態
(c)…(b)に小片状のチョコレート類を配置した状態
(d)…(c)を半分に折り包んだ状態
1…積層の方向を示す線
2…小片状のチョコレート類
(b)…(a)の層断面を上面として展延した状態
(c)…(b)に小片状のチョコレート類を配置した状態
(d)…(c)を半分に折り包んだ状態
1…積層の方向を示す線
2…小片状のチョコレート類
以下、本発明を具体的に説明する。
(層状膨化食品)
本発明の層状膨化食品とは、パイやデニッシュ、ペストリー、クロワッサンなどに例示される、ドウ及び折り込み油脂を層状に折り込んだ生地を焼成したものである。さらに具体的には、該生地を層断面が上面に位置し層が露出する方向に展延し成形したものである。
(層状膨化食品)
本発明の層状膨化食品とは、パイやデニッシュ、ペストリー、クロワッサンなどに例示される、ドウ及び折り込み油脂を層状に折り込んだ生地を焼成したものである。さらに具体的には、該生地を層断面が上面に位置し層が露出する方向に展延し成形したものである。
(ドウ)
ドウは澱粉含有生地であり、主原料として強力粉、薄力粉、中力粉などの小麦粉類や、ライ麦粉、全粒粉、米粉などの穀粉や澱粉類が使用でき、これらは単独または複数を組み合わせて用いることができる。その他の原料としては油脂、全卵、乳製品、食塩、砂糖、水、イースト、膨化剤等が例示できる。以下の原料を各々の使用量範囲において、小麦粉100部(重量部:以下同)、油脂3〜10部、全卵5〜12部、乳製品0〜3部、食塩1.5〜2部、砂糖3〜15部、水44〜60部、イースト0.8〜4部、で混捏した生地が例示できる。
ドウは澱粉含有生地であり、主原料として強力粉、薄力粉、中力粉などの小麦粉類や、ライ麦粉、全粒粉、米粉などの穀粉や澱粉類が使用でき、これらは単独または複数を組み合わせて用いることができる。その他の原料としては油脂、全卵、乳製品、食塩、砂糖、水、イースト、膨化剤等が例示できる。以下の原料を各々の使用量範囲において、小麦粉100部(重量部:以下同)、油脂3〜10部、全卵5〜12部、乳製品0〜3部、食塩1.5〜2部、砂糖3〜15部、水44〜60部、イースト0.8〜4部、で混捏した生地が例示できる。
(油脂、および層状生地の調製)
折り込み油脂としては、パイ・デニッシュ用のシートマーガリンが例示できる。一例として、ドウ生地100部に対して折り込み油脂15部〜40部折り込むことにより層状生地を調製することができる。
折り込み油脂としては、パイ・デニッシュ用のシートマーガリンが例示できる。一例として、ドウ生地100部に対して折り込み油脂15部〜40部折り込むことにより層状生地を調製することができる。
(成形)
本発明においては、上記方法による層状生地を、従来公知の折り込み方法に準じて、好ましくは9〜60層に折り込んで調製することができる。層断面が上面に配置された成形方法の具体例としては、生地厚2〜4mmまで展延し、一端から巻いたものを、巻き目の方向に対して垂直に切断し、さらに切断面を上面にして個々に生地厚2〜4mmまで展延したものが例示できる。チョコレート類を内包する方法としては、楕円形に展延した中央部にチョコレート類を配置し、半分に折って包み、合わせ目を閉じたものが例示できる。また、展延した生地2枚でチョコレート類を挟むこともできる。なお、内包するチョコレート類の量は特に規定するものではなく、生地分量や成形サイズとのバランスを考慮し、合わせ目を閉じた状態で外側にはみ出さない程度で適宜設定することができる。
本発明においては、上記方法による層状生地を、従来公知の折り込み方法に準じて、好ましくは9〜60層に折り込んで調製することができる。層断面が上面に配置された成形方法の具体例としては、生地厚2〜4mmまで展延し、一端から巻いたものを、巻き目の方向に対して垂直に切断し、さらに切断面を上面にして個々に生地厚2〜4mmまで展延したものが例示できる。チョコレート類を内包する方法としては、楕円形に展延した中央部にチョコレート類を配置し、半分に折って包み、合わせ目を閉じたものが例示できる。また、展延した生地2枚でチョコレート類を挟むこともできる。なお、内包するチョコレート類の量は特に規定するものではなく、生地分量や成形サイズとのバランスを考慮し、合わせ目を閉じた状態で外側にはみ出さない程度で適宜設定することができる。
(チョコレート類)
なお、本発明におけるチョコレート類とは、規約(「チョコレート類の表示に関する公正競争規約」)ないし法規上の制約を受けるものではなく、カカオバター以外の油脂を使用した各種チョコレート類および油脂加工食品も包含する。
なお、本発明におけるチョコレート類とは、規約(「チョコレート類の表示に関する公正競争規約」)ないし法規上の制約を受けるものではなく、カカオバター以外の油脂を使用した各種チョコレート類および油脂加工食品も包含する。
(焼成耐性付与効果を有する副素材)
焼成食品用途におけるチョコレート類は、発酵および加熱の過程で融解や突沸して流出しガリガリした食感に焼き上がるのを回避するため、焼き残りする、すなわち焼成耐性を有する組成のものを使用するのが通常であるが、本発明においては焼成耐性の低いものを用いる。具体的には、オカラ粉末、大豆蛋白、澱粉、カゼインナトリウム、調製乳清タンパク質加工品、乾燥卵白に例示されるような、焼成耐性付与効果を有する副素材の含有量がチョコレート類中3重量%以下のものであり、1重量%以下が更に好ましい。
焼成食品用途におけるチョコレート類は、発酵および加熱の過程で融解や突沸して流出しガリガリした食感に焼き上がるのを回避するため、焼き残りする、すなわち焼成耐性を有する組成のものを使用するのが通常であるが、本発明においては焼成耐性の低いものを用いる。具体的には、オカラ粉末、大豆蛋白、澱粉、カゼインナトリウム、調製乳清タンパク質加工品、乾燥卵白に例示されるような、焼成耐性付与効果を有する副素材の含有量がチョコレート類中3重量%以下のものであり、1重量%以下が更に好ましい。
(形状)
内包するチョコレート類は、小片状の形状のものを用いる。個々の小片は必ずしも均一の形状である必要はないが、大きさは最大径20mm以下、かつ最小径10mm以下、より好ましくは15mm以下、かつ最小径5mm以下であるものが、発酵工程での成形生地の伸びに随伴する可動性を確保するために好適である。具体的な形状としては、チップ状、ペレット状、タブレット状、粒状、球状、碁石状、スプレー状、薄片状、削り粉状、フレーク状、カール状に例示される。
内包するチョコレート類は、小片状の形状のものを用いる。個々の小片は必ずしも均一の形状である必要はないが、大きさは最大径20mm以下、かつ最小径10mm以下、より好ましくは15mm以下、かつ最小径5mm以下であるものが、発酵工程での成形生地の伸びに随伴する可動性を確保するために好適である。具体的な形状としては、チップ状、ペレット状、タブレット状、粒状、球状、碁石状、スプレー状、薄片状、削り粉状、フレーク状、カール状に例示される。
(油分)
また、チョコレート類は、総油分が33重量%以上、より好ましくは38重量%以上のものを用いるのが好適である。33重量%未満では流動性が低く、焼成耐性が向上するため、本発明の目的とするチョコレートの連続性、すなわち板チョコ様の仕上がりが十分に達成されない。油分の上限は特に限定するものではなく、形状が小片状であるものを使用することができる。
また、チョコレート類は、総油分が33重量%以上、より好ましくは38重量%以上のものを用いるのが好適である。33重量%未満では流動性が低く、焼成耐性が向上するため、本発明の目的とするチョコレートの連続性、すなわち板チョコ様の仕上がりが十分に達成されない。油分の上限は特に限定するものではなく、形状が小片状であるものを使用することができる。
(発酵)
生地の発酵はホイロとも言うが、通常公知の方法において実施し、一例として温度27〜39℃、湿度50〜90%、約2倍〜3倍程度に生地を膨張させる。なお、温度および湿度は、それぞれ雰囲気の条件である。
生地の発酵はホイロとも言うが、通常公知の方法において実施し、一例として温度27〜39℃、湿度50〜90%、約2倍〜3倍程度に生地を膨張させる。なお、温度および湿度は、それぞれ雰囲気の条件である。
これらの組成および形状のチョコレート類を用いることで、まず発酵での成形生地の伸びに伴い、包まれたチョコレート類の小片が個々に広がり隅々まで再配置され、続いて焼成加熱により融解し、内部で板チョコレート状に合一し、冷却、再固化という過程を経るものと推察される。なお、意外にも、ここで焼成耐性の低い組成のチョコレート類が生地外に流出することはない。
(焼成)
発酵完了後の成形生地は、そのまま焼成、あるいは冷凍後に解凍・焼成することができる。焼成には既存の条件を適宜用いることができ、上火170〜230℃、下火170〜220℃、15〜30分間焼成の条件が例示できる。
発酵完了後の成形生地は、そのまま焼成、あるいは冷凍後に解凍・焼成することができる。焼成には既存の条件を適宜用いることができ、上火170〜230℃、下火170〜220℃、15〜30分間焼成の条件が例示できる。
このようにして得られた層状膨化食品は、主として横(水平)方向に薄く広がり膨化してサックリと焼き上がり、層の外観も美しく、且つ、内部には板チョコレート様のフィリングを端まで均一に挟んだ状態に仕上がり、これらの食感と風味のコントラストを最初から最後まで一貫して楽しむことが出来る。
以下に本発明をより具体的な実施例、比較例にて説明する。なお、以下に記載する「部」「%」は特に指定しない限り、「重量部」「重量%」を用いるものとする。
(実施例1)
強力粉(商品名イーグル、日本製粉株式会社製)30部、フランス粉(商品名リスドォル、日清製粉株式会社製)70部、上白糖6部、食塩1.5部、加糖卵黄調製品(商品名プロダッシュ800、不二製油株式会社製)12部、生イースト3.5部、水52部を合わせ混合した後に、油脂(商品名デリソフト、不二製油株式会社製)5部を入れミキシングし、生地を捏ね上げた。ミキシングを終えた生地は、30分間発酵を行い(温度27℃/湿度75%)、1750gに分割を行い、リタードをとった後(−2℃、12時間〜)、油脂50部(製品名:メサージュシート、不二製油株式会社製)の折り込み(3つ折2回=9層)を行い、長辺方向に一端から巻き、30分リタードをとった。リタード後の生地を、巻き目の方向に対して垂直にカットし(生地重量60g/個)、切断面を上面に向け、層が露出する状態で最終生地厚3mmに展延し、中央にチョコレート(商品名クーベルチュールスイートフレーク、不二製油株式会社製、12mm×12mm×1.5mm、油分:39%)を1個当たり16g載せ、2つ折りにした。これを天板に並べ、温度32℃/湿度75%で50分間発酵させ、上火180℃、下火180℃で25分間焼成した。
焼成品は、薄く焼き上がった生地の内部に板状のチョコレートを端まで均一に挟んだ状態となり、サックリとしたデニッシュ生地とパリッとしたチョコレートのコントラストが喫食時に一貫して感じられる好ましいものであった。また、チョコレートが生地外に漏出して外観を損ねることもなかった。
強力粉(商品名イーグル、日本製粉株式会社製)30部、フランス粉(商品名リスドォル、日清製粉株式会社製)70部、上白糖6部、食塩1.5部、加糖卵黄調製品(商品名プロダッシュ800、不二製油株式会社製)12部、生イースト3.5部、水52部を合わせ混合した後に、油脂(商品名デリソフト、不二製油株式会社製)5部を入れミキシングし、生地を捏ね上げた。ミキシングを終えた生地は、30分間発酵を行い(温度27℃/湿度75%)、1750gに分割を行い、リタードをとった後(−2℃、12時間〜)、油脂50部(製品名:メサージュシート、不二製油株式会社製)の折り込み(3つ折2回=9層)を行い、長辺方向に一端から巻き、30分リタードをとった。リタード後の生地を、巻き目の方向に対して垂直にカットし(生地重量60g/個)、切断面を上面に向け、層が露出する状態で最終生地厚3mmに展延し、中央にチョコレート(商品名クーベルチュールスイートフレーク、不二製油株式会社製、12mm×12mm×1.5mm、油分:39%)を1個当たり16g載せ、2つ折りにした。これを天板に並べ、温度32℃/湿度75%で50分間発酵させ、上火180℃、下火180℃で25分間焼成した。
焼成品は、薄く焼き上がった生地の内部に板状のチョコレートを端まで均一に挟んだ状態となり、サックリとしたデニッシュ生地とパリッとしたチョコレートのコントラストが喫食時に一貫して感じられる好ましいものであった。また、チョコレートが生地外に漏出して外観を損ねることもなかった。
(実施例2)
市販チョコレート(商品名:スイートチョコレート、不二製油株式会社製、油分:34%)を湯煎溶解し、テンパリングして絞り袋に入れ、ペレット状(底面直径10mm×高さ5mm)に成形した。これを実施例1同様にデニッシュ生地に包み成形、発酵、焼成した。
焼成品は、チョコレートの厚みに多少の凸凹はあるものの、全体的には連続した板チョコレートを端まで内包した状態に薄く焼き上がり、外観風味ともに良好なものであった。
市販チョコレート(商品名:スイートチョコレート、不二製油株式会社製、油分:34%)を湯煎溶解し、テンパリングして絞り袋に入れ、ペレット状(底面直径10mm×高さ5mm)に成形した。これを実施例1同様にデニッシュ生地に包み成形、発酵、焼成した。
焼成品は、チョコレートの厚みに多少の凸凹はあるものの、全体的には連続した板チョコレートを端まで内包した状態に薄く焼き上がり、外観風味ともに良好なものであった。
(実施例3)
市販チップチョコ(商品名:チップチョコスイート150H、不二製油株式会社製、底面直径6mm×高さ5mm、油分:32%)を用い、実施例1と同様にデニッシュ生地に包み成形、発酵、焼成した。
焼成品内部のチョコレートは、隙間となる部分も観察されたものの広範に広がり、全体的には連続して繋がっていた。
市販チップチョコ(商品名:チップチョコスイート150H、不二製油株式会社製、底面直径6mm×高さ5mm、油分:32%)を用い、実施例1と同様にデニッシュ生地に包み成形、発酵、焼成した。
焼成品内部のチョコレートは、隙間となる部分も観察されたものの広範に広がり、全体的には連続して繋がっていた。
(比較例1)
チョコレートを単一のブロック形状とし、16gの塊を層状生地に包み(商品名:クーベルチュールスイート、不二製油株式会社製、40mm×40mm×10mmに切削)、実施例1と同様にデニッシュ生地に包み成形、発酵、焼成した。
焼成品は、ほぼ元の形状を保持したままのチョコレートが中央内部に偏在し、層状生地のみが膨張した周辺部との差が顕著なものに仕上がり、特有の焼き上がり形状を十分に生かせておらず、商品としての魅力に乏しいものであった。
チョコレートを単一のブロック形状とし、16gの塊を層状生地に包み(商品名:クーベルチュールスイート、不二製油株式会社製、40mm×40mm×10mmに切削)、実施例1と同様にデニッシュ生地に包み成形、発酵、焼成した。
焼成品は、ほぼ元の形状を保持したままのチョコレートが中央内部に偏在し、層状生地のみが膨張した周辺部との差が顕著なものに仕上がり、特有の焼き上がり形状を十分に生かせておらず、商品としての魅力に乏しいものであった。
(比較例2)
市販チップチョコ<商品名:パンチップスイート300、不二製油株式会社製、底面直径8.5mm×高さ7mm、大豆蛋白5%含有>を用い、実施例1と同様にデニッシュ生地に包み成形、発酵、焼成した。
焼成品は、内部でチップチョコが広範に広がって配置されてはいるが、個々のチップ形状を保ったまま点在した状態であり、板チョコレートのようなパリッとした食感を楽しめる仕上がりとはならなかった。
市販チップチョコ<商品名:パンチップスイート300、不二製油株式会社製、底面直径8.5mm×高さ7mm、大豆蛋白5%含有>を用い、実施例1と同様にデニッシュ生地に包み成形、発酵、焼成した。
焼成品は、内部でチップチョコが広範に広がって配置されてはいるが、個々のチップ形状を保ったまま点在した状態であり、板チョコレートのようなパリッとした食感を楽しめる仕上がりとはならなかった。
[表1]
本発明は、主に横(水平)方向に膨化する成形方法をとった層状膨化食品において、フィリング材としてのチョコレートの風味と食感を、喫食当初から最後まで均一に楽しむことが可能な層状膨化食品、およびその製造方法に関するものである。
Claims (4)
- ドウ及び折り込み油脂を含有する層状生地を、層断面を上面に配置して成形、焼成した層状膨化食品において、焼成耐性付与効果を有する副素材の含有量が3重量%以下、かつ形状が小片状であるチョコレート類を内包させた成形生地を、発酵後に焼成することを特徴とした層状膨化食品の製造方法。
- チョコレート類の油分が33重量%以上である、請求項1ないし2の層状膨化食品の製造方法。
- 小片状のチョコレート類が、個々の最大径20mm以下、かつ最小径10mm以下である、請求項1ないし3の層状膨化食品の製造方法。
- 板チョコレート様のフィリング材を生地の端まで内包した、ドウ及び折り込み油脂を含有する層状生地を、層断面を上面に配置して成形、焼成した層状膨化食品。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014131505A (ja) * | 2012-12-08 | 2014-07-17 | Nisshin Kako Kk | チョコレートを含んでなる菓子及びその製造方法 |
JP2019140966A (ja) * | 2018-02-20 | 2019-08-29 | 不二製油株式会社 | 焼成用チョコレートおよびその組み合わせ焼成食品 |
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JP7251046B2 (ja) | 2018-02-20 | 2023-04-04 | 不二製油株式会社 | 焼成用チョコレートおよびその組み合わせ焼成食品 |
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