JP3402830B2 - ベーカリー製品用粉およびベーカリー製品 - Google Patents

ベーカリー製品用粉およびベーカリー製品

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JP3402830B2 JP05999995A JP5999995A JP3402830B2 JP 3402830 B2 JP3402830 B2 JP 3402830B2 JP 05999995 A JP05999995 A JP 05999995A JP 5999995 A JP5999995 A JP 5999995A JP 3402830 B2 JP3402830 B2 JP 3402830B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はベーカリー製品用の原料
粉、およびそのベーカリー製品用の原料粉を用いて製造
されたベーカリー製品に関する。
【0002】
【従来の技術】広義のベーカリー製品には、焙焼パン、
揚げパン、蒸しパンなどのパン類;穀粉類を主原料とす
る洋菓子や和菓子などの菓子類;クッキーやビスケット
類などの種々のものが包含される。これらのベーカリー
製品では、その使用原料に起因して、小麦粉臭、イース
ト臭、ベーキングパウダー臭、卵臭、フスマ臭などがあ
り、これらの臭気はベーカリー製品の風味を損なう一因
となっている。
【0003】また、ベーカリー製品の食感についてみる
と、パン類では、ひきが弱く、ソフトで口溶けの良いパ
ン類が求められており、またスポンジケーキ、バターケ
ーキ、ホットケーキ、カステラ、饅頭などの洋菓子類や
和菓子類では、しっとりとしていて、口溶けのよい菓子
類が求められている。さらに、クッキーやビスケット類
などの場合は、サクサクとしていて、軽く、口溶けの良
好なものが求められている。
【0004】従来からも風味がよく且つ食感の良好なベ
ーカリー製品を得るための研究が種々なされているが、
小麦粉臭、イースト臭、ベーキングパウダー臭、卵臭、
フスマ臭などを除去するための風味改良成分を添加する
と、食感や食味の低下を招くことが多い。また、食感を
向上させるための成分を添加した場合には、食感は向上
するものの風味の改良までは達成できにくい場合が多い
のが現状である。
【0005】
【発明の内容】上記のような状況下に、本発明者は、ベ
ーカリー製品の風味を損なう小麦粉臭、イースト臭、ベ
ーキングパウダー臭、卵臭、フスマ臭などを除去し、し
かも食感の良好なベーカリー製品を得ることを目的とし
て、ベーカリー製品の製造に用いる小麦粉やその他の穀
粉原料の内容、ベーカリー製品用粉の配合、添加剤の種
類、ベーカリー製品の製造工程などに関して、種々検討
を重ねてきた。その結果、米粉の一種である香り米粉を
原料粉に添加してベーカリー製品を製造すると、ベーカ
リー製品の外観、内相、触感などを良好に保ちながら、
ベーカリー製品の風味を損なう小麦粉臭、イースト臭、
ベーキングパウダー臭、卵臭、フスマ臭などが効果的に
除去されて、ほのかに甘い良好な香りを有する風味の良
いベーカリー製品が得られること、しかも同時にベーカ
リー製品の食感が向上して、例えばパン類ではひきが弱
くなってソフトで口溶けのよいパン類が得られること、
また洋菓子や和菓子類の場合はしっとりとして口溶けの
良い製品が得られること、クッキーやビスケットなどで
はサクサクとしていて、軽く、口溶けの良好な製品が得
られることを見出して本発明を完成した。
【0006】したがって、本発明は、香り米粉を含有す
ることを特徴とするベーカリー製品用粉である。そし
て、本発明は、香り米粉を含有する上記のベーカリー製
品用粉を用いて得られたベーカリー製品である。
【0007】ここで、本発明でいう「ベーカリー製品」
とは、小麦粉および/または小麦粉以外の穀粉類を用い
て得られるパン類や菓子類をいう。本発明のベーカリー
製品の代表例には、焙焼パン類、蒸しパン類(蒸し
物)、揚げパン類などのパン類;洋菓子類;和菓子類;
クッキー、ビスケット、クラッカー類;穀粉使用のその
他の菓子類などが含まれる。より具体的には、焙焼パン
類の例としては、食パン;バターロール、ホットドッグ
ロール、ディナーロールなどのソフトロール類;カイザ
ーロールなどのハードロール類;フランスパン類;ライ
麦パン;全粒粉パン(グラハムブレッド);スイートロ
ール、デニッシュペストリー、バンズ、パネトーネ、シ
ュートレン、ブリオッシュ、クロワッサンなどの欧米式
菓子パン類;あんパン、ジャムパン、クリームパンなど
の日本式パン類などを挙げることができ、蒸しパン類
(蒸し物)の例としては、蒸しパン、中華饅頭、饅頭な
どを挙げることができ、また揚げパン類の例としてはカ
レーパン、ピロシキ、ドーナツなどを挙げることができ
る。
【0008】また、洋菓子類の例としては、スポンジケ
ーキ、バターケーキ、パイ、シュー皮、クレープ等を、
また和菓子類の例としては、栗饅頭、桃山、そば饅頭、
紅葉饅頭、人形焼きなどの各種饅頭類、どらやき、今川
焼、たいやきなどを挙げることができる。上記したもの
以外にも、本発明のベーカリー製品には、クッキー、ビ
スケット、クラッカー、カステラ、ホットケーキ、カリ
ントウなどが含まれる。
【0009】そして、本発明でいうベーカリー製品に
は、既に焙焼したり、蒸したり、揚げたりされていて、
消費者がそのまま喫食可能な最終製品;焙焼したり、蒸
したり、揚げたりする前の生地の状態または成形した状
態で流通したり販売される半製品;冷凍状態、冷蔵状態
または常温状態の半製品または最終製品の形態の製品な
どのいずれもが包含され、その形態は特に制限されな
い。よって、本発明でいう「ベーカリー製品用粉」と
は、上記した種々のベーカリー製品の製造に用いられる
原料粉をいう。
【0010】また、本発明で用いる香り米粉は“香り
米”として知られている米を粉にしたものであればいず
れでもよく、その種類は何ら制限されない。香り米の範
疇に含まれる米としては、日本在来由来の“ヒエリ”、
“みやかおり”、“はぎのかおり”、“キタカオリ”、
“奥羽353号”、“中国140号”“兵系53号”、
“高育香34号”、“高育香35号”、“高育香36
号”、;インディカ(長粒米)由来の“Khao Da
wk Mali”などのタイ国産の香り米、“サリーク
イーン”、“RINX89”、“奥羽348号”、“東
北148号”、“関東172号”、“Basmati3
70”などの種々のものが知られているが、本発明では
上記したような香り米を粉にしたもののいずれもが使用
できる。また、本発明で使用する香り米粉は、1種類の
香り米からなる粉であっても、または2種以上の香り米
からなる混合粉であってもよい。入手の容易性、経済性
などの点からいうと、タイなどの東南アジア産の香り米
から得られる香り米粉を用いるのが便利である。
【0011】本発明で用いる香り米粉の粒度は特に制限
されず、それぞれのベーカリー製品に使用される穀粉類
と同程度の粒度のものを用いるのが、風味、食感、食味
の良好なベーカリー製品を良好な作業性で得ることがで
きるので好ましい。香り米粉の粒度が大きすぎると(通
常350μ以上であると)、ベーカリー製品がざらつい
た食感になり、食感に悪影響を及ぼし易い。
【0012】ベーカリー製品用粉における香り米粉の含
有量は、ベーカリー製品の種類などに応じて調節し得る
が、一般に、ベーカリー製品用粉に含まれる穀粉類の全
重量に基づいて1〜20重量%であるのが好ましく、3
〜12重量%であるのがより好ましい。香り米粉の含有
量が1重量%未満であると、風味および食感の向上が得
られにくくなり、一方20重量%より多く配合してもそ
れ以上の風味および食感の向上がほとんどなく、むしろ
風味が低下する。
【0013】そして、本発明のベーカリー製品用粉は、
上記した香り米粉と共に、製造を目的とするベーカリー
製品の種類などに応じて、それぞれのベーカリー製品の
製造に従来から用いられている他の穀粉類を含有する。
香り米粉と共に用いられる他の穀粉類としては、小麦
粉、小麦の全粒粉、そば粉、澱粉類、香り米粉以外の米
粉、大麦粉、ライ麦粉、フスマ、小豆粉、大豆粉などを
挙げることができる。本発明のベーカリー製品用粉で
は、ベーカリー製品の種類などに応じて、香り米粉と共
に、上記した他の穀粉類の1種または2種以上を、ベー
カリー製品用粉に含まれる穀粉類の全重量に基づいて、
80〜99重量%の割合で用いるのが好ましく、88〜
97重量%の割合で用いるのがより好ましい。本発明の
ベーカリー製品用粉においては、香り米粉と他の穀粉類
とは、予め混合しておいて貯蔵、流通、販売などを行っ
ても、またはベーカリー製品の製造時に混合してもよ
い。
【0014】また、本発明では、上記した香り米粉およ
び他の穀粉類と共に、ベーカリー製品の種類などに応じ
て、ベーカリー製品の製造に通常用いられている、食
塩;イースト;イーストフード;ベーキングパウダー;
砂糖、蜂蜜、水あめ、その他の糖類;牛乳、脱脂粉乳、
コンデンスミルク、その他の乳製品;ショートニング、
バター、マーガリン、ラード、植物油、その他の動植物
性油脂類;卵や卵製品;香辛料;ガム類などの保水剤;
乳化剤;活性グルテンなどの蛋白強化剤;ビタミン、ミ
ネラル、アミノ酸などの栄養強化剤;保存剤などのうち
の1種または2種以上を用いてもよい。これらの成分
は、ベーカリー製品用粉に予め混合しておいても、また
はベーカリー製品の製造時に香り米粉や穀粉類に混合し
て用いることができる。
【0015】そして、本発明のベーカリー製品の製造に
当たっては、その製造方法、製造条件、製造装置、製造
後の後処理工程など特に制限されず、それぞれのベーカ
リー製品の種類および形態などに応じて、従来から知ら
れている製造方法、製造条件、製造装置、処理工程など
を採用して製造することができる。
【0016】
【実施例】以下に例を挙げて本発明について具体的に説
明するが、本発明はそれにより何ら限定されない。以下
の例では、特に断らない限り、%は重量%を、部は重量
部を表す。
【0017】《実施例1および比較例1〜2》下記の表
3に記載する配合を用いて、下記の表1の製パン工程に
したがって食パンを製造した。その結果得られた食パン
の品質を下記の表2に示す評価基準にしたがって、10
名のパネラーにより点数評価してもらい、その平均値を
採ったところ、下記の表3に示すとおりであった。
【0018】
【表1】 [製パン工程(食パン)] ミキシング :低速で2分間及び中速で5分間混捏後、ショートニングを投入 して更に中速で3分間および高速で2分間混捏(混捏終了時の 生地温度27℃) 発 酵 :温度28℃、湿度78%で90分間 分 割 :250g/個に分割してまるめる ベンチタイム:20分間 成 形 :ガス抜きし、棒状に伸ばして、U字形に成形して3斤型に6個 詰める ホ イ ロ :温度38℃、湿度88%で45分間 焼 成 :温度220℃で35分間
【0019】
【表2】
【0020】
【表3】 実施例1 比較例1 比較例2 配 合(部): 小麦粉 95 95 100 香り米粉 5 − − うるち米粉1) − 5 − イースト 2.5 2.5 2.5 イーストフード 0.1 0.1 0.1 食 塩 2 2 2 砂 糖 5 5 5 脱脂粉乳 2 2 2 ショートニング 5 5 5 水 65 65 65 パンの品質: 焼き色 5.0 3.8 2.8 触 感 4.9 3.5 2.9 クラスト 4.8 3.7 3.9 内 相 4.9 4.0 4.1 風 味 5.0 2.92) 2.52) 食 感 4.9 3.1 2.6 1)コシヒカリを粉にしたもの 2)イースト臭がある
【0021】上記表3の結果から、香り米粉を含有する
粉を用いて製造された実施例1の食パンは、通常の米粉
を用いて製造した比較例1の食パン、米粉を何ら用いな
いで製造した比較例2の食パンに比べて、焼き色、触
感、クラスト、内相、風味および食感のすべてにおいて
優れており、特にイースト臭がなくほのかな甘い香りが
して風味が良好であり、且つひきが弱くて、ソフトで、
口溶けの良い優れた食感を有することがわかる。
【0022】《実施例 2》小麦粉と香り米粉の配合量
を下記の表4に示すようにそれぞれ変えて行った以外は
実施例1と同様の配合を用いて、実施例1と同様の製パ
ン工程によって食パンを製造した。得られたそれぞれの
食パンの品質を実施例1と同様にして評価したところ、
下記の表4に示すとおりであった。
【0023】
【表4】 実 験 番 号 a b c d e f g h i j 穀粉配合(部): 小麦粉 100 99.5 99 97 95 88 85 80 78 75 香り米粉 0 0.5 1 3 5 12 15 20 22 25 ○パンの品質: 焼き色 2.8 2.8 4.0 5.0 5.0 4.7 4.3 4.2 3.8 2.9 触 感 2.9 3.0 4.0 4.8 4.9 4.8 4.8 4.7 3.1 3.0 クラスト 4.0 3.9 4.8 4.8 4.8 4.9 4.2 4.1 4.0 2.5 内 相 3.7 4.0 4.7 4.9 4.9 5.0 4.9 4.5 3.8 3.2 風 味 2.8 3.0 4.1 4.9 5.0 4.9 4.3 4.2 2.8 2.0 食 感 2.6 2.6 4.1 4.8 5.0 4.9 4.3 4.3 2.7 1.9
【0024】上記表4の結果から、パンを製造するのに
用いる穀粉類の全重量に基づいて香り米粉を1〜20重
量%の割合で配合すると、焼き色、触感、クラスト、内
相、風味および食感のすべてにおいて優れており、特に
風味と食感に優れるパンが得られることがわかる。
【0025】《実施例3および比較例3〜4》下記の表
6に記載する配合を用いて、下記の表5の製パン工程に
したがってバターロールを製造した。その結果得られた
バターロールの品質を前記の表2に示した評価基準にし
たがって、10名のパネラーにより点数評価してもら
い、その平均値を採ったところ、下記の表6に示すとお
りであった。
【0026】
【表5】 [製パン工程(バターロール)] ミキシング :低速で2分間及び中速で6分間混捏後、マーガリンを投入して 更に中速で5分間および高速で3分間混捏(混捏終了時の生地 温度28℃) 発 酵 :温度28℃、湿度78%で20分間 分 割 :40g/個に分割 ベンチタイム:15分間 成 形 :ガス抜きし、棒状に伸ばし、1本むすびとする 冷 凍 :−35℃の温度でフリーザにて30分間凍結 保 存 :プラスチックバックに入れて、−18℃の温度で1カ月保存 解凍・ホイロ:室温にて30分間放置して解凍後、温度32℃、湿度82%で 80分間 焼 成 :温度200℃で10分間
【0027】
【表6】 実施例3 比較例3 比較例4 配 合(部): 小麦粉 97 97 100 香り米粉 3 − − うるち米粉1) − 3 − イースト(冷凍用) 6 6 6 イーストフード 0.3 0.3 0.3 食 塩 1.5 1.5 1.5 砂 糖 15 15 15 脱脂粉乳 2 2 2 卵 12 12 12 マーガリン 12 12 12 水 48 48 48 パンの品質: 焼き色 4.8 4.0 4.0 触 感 5.0 4.1 2.9 クラスト 4.8 3.8 3.6 内 相 5.0 3.7 3.0 風 味 5.0 2.92) 2.72) 食 感 5.0 3.0 2.8 1)コシヒカリを粉にしたもの 2)イースト臭および卵臭がある
【0028】上記表6の結果から、香り米粉を含有する
粉を用いて製造した実施例3のバターロールは、通常の
米粉を用いて製造した比較例3のバターロール、米粉を
何ら用いないで製造した比較例4のバターロールに比べ
て、焼き色、触感、クラスト、内相、風味および食感の
すべてにおいて優れており、特にイースト臭および卵臭
がなく、ほのかな甘い香りがして風味が良好であり、且
つひきが弱くて、ソフトで、口溶けの良い優れた食感を
有することがわかる。
【0029】《実施例4および比較例5〜6》下記の表
8に記載する配合を用いて、下記の表7の製パン工程に
したがってフランスパンを製造した。その結果得られた
フランスパンの品質を前記の表2に示した評価基準にし
たがって、10名のパネラーにより点数評価してもら
い、その平均値を採ったところ、下記の表8に示すとお
りであった。
【0030】
【表7】 [製パン工程(フランスパン)] ミキシング :低速で3分間及び中速で7分間混捏(混捏終了時の生地温度 27℃) 発 酵 :温度28℃、湿度78%で80分間 分 割 :350g/個に分割 ベンチタイム:30分間 成 形 :40cmの長さの棒状に伸ばす ホ イ ロ :温度32℃、湿度82%で65分間 焼 成 :温度220℃で30分間
【0031】
【表8】 実施例4 比較例5 比較例6 配 合(部): 小麦粉 88 88 100 香り米粉 12 − − うるち米粉1) − 12 − ドライイースト 1 1 1 イーストフード 0.1 0.1 0.1 食 塩 2 2 2 水 66 66 66 パンの品質: 焼き色 5.0 4.3 3.0 触 感 4.7 4.2 4.0 クラスト 5.0 3.9 3.8 内 相 4.7 4.0 3.7 風 味 5.0 2.82) 2.72) 食 感 4.9 3.5 2.8 1)コシヒカリを粉にしたもの 2)イースト臭がある
【0032】上記表8の結果から、香り米粉を含有する
粉を用いて製造された実施例4のフランスパンは、通常
の米粉を用いて製造した比較例5のフランスパン、米粉
を何ら用いないで製造した比較例6のフランスパンに比
べて、焼き色、触感、クラストの質、内相、風味および
食感のすべてにおいて優れており、特に風味と食感が極
めて良好であることがわかる。
【0033】《実施例5および比較例7〜8》下記の表
10に記載する配合を用いて、下記の表9の製パン工程
にしたがって全粒粉食パンを製造した。その結果得られ
た全粒粉食パンの品質を前記の表2に示した評価基準に
したがって、10名のパネラーにより点数評価してもら
い、その平均値を採ったところ、下記の表10に示すと
おりであった。
【0034】
【表9】 [製パン工程(全粒粉食パン)] ミキシング :低速で2分間および中速で5分間混捏後、バターを投入して 更に中速で5分間混捏(混捏終了時の生地温度29℃) 発 酵 :温度28℃、湿度80%で60分間 分 割 :400g/個に分割 ベンチタイム:20分間 成 形 :ガス抜きし、棒状に伸ばし、ワンローフケースに入れる ホ イ ロ :温度38℃、湿度88%で45分間 焼 成 :温度200℃で35分間
【0035】
【表10】 実施例5 比較例7 比較例8 配 合(部): 小麦全粒粉 88 88 96 香り米粉 8 − − うるち米粉1) − 8 − バイタルグルテン 4 4 4 イースト 3 3 3 食 塩 2.2 2.2 2.2 砂 糖 4 4 4 バター 6 6 6 はちみつ 2 2 2 水 70 70 70 パンの品質: 焼き色 4.2 4.2 4.0 触 感 4.8 4.5 3.9 クラスト 4.8 3.7 3.0 内 相 4.3 3.8 3.7 風 味 5.0 2.82) 1.52) 食 感 4.6 3.3 1.8 1)コシヒカリを粉にしたもの 2)イースト臭およびフスマ臭がある
【0036】上記表10の結果から、香り米粉を含有す
る粉を用いて製造された実施例5の全粒粉食パンは、通
常の米粉を用いて製造した比較例7の全粒粉食パン、米
粉を何ら用いないで製造した比較例8の全粒粉食パンに
比べて、焼き色、触感、クラスト、内相、風味および食
感のすべてにおいて優れており、特にイースト臭および
フスマ臭がなく、ほのかな甘い香りがして風味が良好で
あり、且つひきが弱くて、ソフトで、口溶けの良い優れ
た食感を有することがわかる。
【0037】《実施例6および比較例9〜10》下記の
表12に記載する配合を用いて、下記の工程にしたがっ
てスポンジケーキを製造した。得られたスポンジケーキ
の体積を菜種法により測定した。また、得られたスポン
ジケーキの品質のうち、焼き色、内相、触感および風味
を前記の表2におけるのと同様の評価基準にしたがって
10名のパネラーに点数評価してもらってその平均値を
採ると共に、スポンジケーキの表面状態および食感を下
記の表11に示した評価基準にしたがって10名のパネ
ラーに点数評価してもらってその平均値を採った。それ
らの結果を下記の表12に示す。
【0038】[スポンジケーキの製造工程]全卵に砂糖
を入れて充分に泡立てた後、小麦粉、米粉をよく混ぜ合
わせ、これに湯煎にて予め温めておいた牛乳とバターを
加えてよく混ぜて生地をつくる。この生地の350g
を、予め紙を敷いておいた6号丸形ケーキ型に流し入れ
て、190℃の温度で30分間焼成する。
【0039】
【表11】 スポンジケーキの品質評価基準(表面状態および食感) 表面状態: 5点 :表面が極めて平らであり、極めて良好 4点 :表面がほぼ平らでであり、良好 3点 :表面がやや平らでである 2点 :表面にやや凹凸があり、やや不良 1点 :表面にかなりの凹凸があり、不良 食 感: 5点 :しっとりとしていて、口溶けが極めてよい 4点 :ほぼしっとりとしていて、口溶けがよい 3点 :少ししっとりとしていて、やや口溶けがよい 2点 :パサツキが少しあり、口溶けがやや悪い 1点 :パサツキが大きく、口溶けが悪い
【0040】
【表12】 実施例6 比較例9 比較例10 配 合(部): 小麦粉 90 90 100 香り米粉 10 − − うるち米粉1) − 10 − 全 卵 150 150 150 砂 糖 110 110 110 牛 乳 15 15 15 バター 10 10 10 ○スポンジケーキ体積(cc) 2610 2550 2480 ○スポンジケーキの品質: 焼き色 5.0 3.9 3.7 触 感 5.0 4.3 3.8 表面状態 4.7 4.8 4.0 内 相 4.8 4.1 2.9 風 味 5.0 2.92) 2.92) 食 感 5.0 4.0 2.7 1)コシヒカリを粉にしたもの 2)卵臭が強い
【0041】上記表12の結果から、香り米粉を含有す
る粉を用いて製造した実施例6のスポンジケーキは、通
常の米粉を用いて製造した比較例9のスポンジケーキ、
米粉を何ら用いないで製造した比較例10のスポンジケ
ーキに比べて、よく膨らんでいて体積が大きく、しかも
焼き色、触感、表面状態、内相、風味および食感のすべ
てにおいて優れており、特に卵臭がなく、甘い良好な香
りがして風味が良く、且つしっとりとして口溶けのよい
良好な食感を有することがわかる。
【0042】《実施例 7》小麦粉と香り米粉の配合量
を下記の表13に示すようにそれぞれ変えて行った以外
は実施例6と同様の配合を用いて、実施例6と製造工程
でスポンジケーキを製造した。得られたそれぞれのスポ
ンジケーキの体積の測定および品質の評価を実施例6と
同様に行ったところ、下記の表13に示すとおりであっ
た。
【0043】
【表13】 実 験 番 号 a b c d e f g h i j 穀粉配合(部) : 小麦粉 100 99.5 99 97 95 88 85 80 78 75 香り米粉 0 0.5 1 3 5 12 15 20 22 25スポンジケーキ体積 : (cc) 2480 2470 2510 2500 2580 2610 2600 2500 2440 2410スポンジケーキの品質 : 焼き色 4.0 4.1 4.7 4.7 5.0 5.0 4.8 4.8 3.9 2.9 触 感 3.7 4.0 4.1 4.3 4.8 5.0 4.6 4.4 3.7 3.1 表面状態 3.6 3.9 4.1 4.5 5.0 4.9 4.6 4.4 3.9 3.6 内 相 2.7 3.0 4.2 4.6 5.0 4.8 4.4 4.1 2.9 2.7 風 味 2.4 3.0 4.0 4.4 4.9 5.0 4.7 4.0 3.0 1.9 食 感 2.6 3.1 4.0 4.2 5.0 5.0 4.2 4.3 3.0 1.7
【0044】上記表13の結果から、スポンジケーキを
製造するに当たって、穀粉類の全重量に基づいて1〜2
0重量%の割合で香り米粉を配合すると、体積が大き
く、しかも焼き色、触感、表面状態、内相、風味および
食感のすべてにおいて優れており、特に風味と食感に優
れるスポンジケーキが得られることがわかる。
【0045】《実施例8および比較例11〜12》下記
の表15に記載する配合を用いて、下記の工程にしたが
ってパイを製造した。得られたパイの品質のうち、焼き
色および内相を前記の表2におけるのと同様の評価基準
にしたがって10名のパネラーに点数評価してもらって
その平均値を採ると共に、パイの風味および食感を下記
の表14に示した評価基準にしたがって15名のパネラ
ーに点数評価してもらってその平均値を採った。それら
の結果を下記の表15に示す。
【0046】[パイの製造工程]ロールインマーガリン
以外のパイ用原料を混合して、低速で2分間および中速
で5分間混捏して生地を製造する(混捏終了時の生地温
度25℃)。生地を冷蔵庫(4℃)で一晩休ませた後、
冷蔵庫より取り出して、ロールインマーガリンを折り込
む(4つ折りを4回行う)。次いで、10cm×10c
mの正方形にカットし、その中央にアンコを絞り入れて
四隅(四つの角)から包み込んで四角形のアンコ入り未
焼成パイをつくり、これを210℃の温度で15分間焼
成する。
【0047】
【表14】 パイの品質評価基準(風味および食感) ○風 味: 5点 :小麦粉臭が全くせず、極めて香ばしい 4点 :小麦粉臭がほぼせず、香ばしい 3点 :小麦粉臭がわずかにあるが、やや香ばしい 2点 :小麦粉臭が少しあり、香ばしさに少し欠ける 1点 :小麦粉臭がかなりあり、香ばしさに欠ける 食 感: 5点 :サクサクとしてクリスピーであり、口溶けが極めてよい 4点 :ほぼサクサクとしていて、口溶けがよい 3点 :少しサクサクとしていて、やや口溶けがよい 2点 :サク味にやや欠け、口溶けがやや悪い 1点 :サク味に欠け、口溶けが悪い
【0048】
【表15】 実施例8 比較例11 比較例12 配 合(部): 小麦粉 92 92 100 香り米粉 8 − − うるち米粉1) − 8 − バター 5 5 5 食 塩 0.5 0.5 0.5 水 53 53 53 ロールインマーガリン 80 80 80 パイの品質: 焼き色 5.0 4.3 4.0 内 相 5.0 4.3 3.8 風 味 5.0 3.22) 2.92) 食 感 4.9 4.0 2.7 1)コシヒカリを粉にしたもの 2)小麦粉臭がある
【0049】上記表15の結果から、香り米粉を含有す
る粉を用いて製造した実施例8のパイは、通常の米粉を
用いて製造した比較例11のパイ、米粉を何ら用いない
で製造した比較例12のパイに比べて、焼き色、内相、
風味および食感のすべてにおいて優れており、特に小麦
粉臭がなく、香ばしい良好な風味がして、サクサクとし
てクリスピーな口溶けのよい良好な食感を有することが
わかる。
【0050】《実施例9および比較例13〜14》下記
の表17に記載する配合を用いて、下記の表16の製造
工程にしたがって中華饅頭を製造した。得られた中華饅
頭の品質を前記の表2に示す評価基準にしたがって、1
0名のパネラーにより点数評価してもらい、その平均値
を採ったところ、下記の表17に示すとおりであった。
【0051】
【表16】 [製造工程(中華饅頭)] ミキシング :低速で2分間、中速で5分間および高速で3分間混捏(終了時 の生地温度27℃) 発 酵 :温度28℃、湿度78%で20分間 分 割 :80g/個に分割 成 形 :50gの肉饅の具を包み込む ホ イ ロ :温度38℃の乾燥ホイロで40分間 蒸 し :12分間
【0052】
【表17】 実施例9 比較例13 比較例14 配 合(部): 小麦粉 90 90 100 香り米粉 10 − − うるち米粉1) − 10 − イースト 2 2 2 食 塩 0.3 0.3 0.3 砂 糖 8 8 8 ラード 8 8 8 ベーキングパウダー 1 1 1 水 50 50 50 中華饅頭の品質: 触 感 5.0 4.0 4.0 内 相 5.0 4.1 4.0 風 味 5.0 2.92) 2.92) 食 感 5.0 3.8 2.9 1)コシヒカリを粉にしたもの 2)イースト臭およびベーキングパウダー臭がある
【0053】上記表17の結果から、香り米粉を含有す
る粉を用いて製造した実施例9の中華饅頭は、通常の米
粉を用いて製造した比較例13の中華饅頭、米粉を何ら
用いないで製造した比較例14の中華饅頭に比べて、触
感、内相、風味および食感のすべてにおいて優れてお
り、特にイースト臭およびベーキングパウダー臭がな
く、ほのかな甘い香りがして風味が良好であり、且つひ
きが弱くて、ソフトで、口溶けの良い優れた食感を有す
ることがわかる。
【0054】《実施例10および比較例15〜16》下
記の表19に記載する配合を用いて、下記の工程にした
がってビスケットを製造した。得られたビスケットの品
質のうち、焼き色を前記の表2におけるのと同様の評価
基準にしたがって10名のパネラーに点数評価してもら
ってその平均値を採ると共に、ビスケットの風味および
食感を下記の表18に示した評価基準にしたがって10
名のパネラーに点数評価してもらってその平均値を採っ
た。それらの結果を下記の表19に示す。
【0055】[ビスケットの製造工程]ビスケット用の
原料のうち、ショートニング、砂糖、脱脂粉乳および食
塩を混ぜ合わせ、これに卵および水を加えて混ぜ合わ
せ、これに、予め小麦粉、米粉およびベーキングパウダ
ーを混合しておいたものを混ぜ合わせて生地をつくる。
生地を5mmの厚さに延ばして、直径5cmの丸型で抜
き、天板に並べて180℃の温度で12分間焼成する。
【0056】
【表18】 ビスケットの品質評価基準(風味および食感) ○風 味: 5点 :小麦粉臭およびベーキングパウダー臭が全くせず、極めて香ばしい 4点 :小麦粉臭およびベーキングパウダーがほぼせず、香ばしい 3点 :小麦粉臭およびベーキングパウダー臭があまりしないが、香ばしさ が少ない 2点 :小麦粉臭およびベーキングパウダー臭が少しあり、香ばしさに少し 欠ける 1点 :小麦粉臭およびベーキングパウダー臭がかなりあり、香ばしさが全 くない 食 感: 5点 :サクサクとしていて軽く、口溶けが極めてよい 4点 :ほぼサクサクとしていて、ほぼ軽く、口溶けがよい 3点 :少しサクサクとしていて、やや口溶けがよい 2点 :サク味にやや欠け、やや重く、口溶けがやや悪い 1点 :サク味に欠け、重く、口溶けが悪い
【0057】
【表19】 実施例10 比較例15 比較例16 配 合(部): 小麦粉 90 90 100 香り米粉 10 − − うるち米粉1) − 10 − ベーキングパウダー 1 1 1 ショートニング 35 35 35 砂 糖 40 40 40 脱脂粉乳 4 4 4 食 塩 0.3 0.3 0.3 卵 10 10 10 水 20 20 20 ビスケットの品質: 焼き色 5.0 4.5 3.2 風 味 5.0 3.52) 3.02) 食 感 5.0 4.8 3.5 1)コシヒカリを粉にしたもの 2)小麦粉臭およびベーキングパウダー臭がある
【0058】上記表19の結果から、香り米粉を含有す
る粉を用いて製造した実施例10のビスケットは、通常
の米粉を用いて製造した比較例15のビスケット、米粉
を何ら用いないで製造した比較例16のビスケットに比
べて、焼き色、風味および食感のすべてにおいて優れて
おり、特に小麦粉臭およびベーキングパウダー臭がな
く、香ばしい良好な風味がして、サクサクとして軽く、
口溶けのよい良好な食感を有することがわかる。
【0059】《実施例11および比較例17〜18》下
記の表21に記載する配合を用いて、下記の工程にした
がって栗饅頭を製造した。得られた栗饅頭の品質のう
ち、焼き色を前記の表2におけるのと同様の評価基準に
したがって10名のパネラーに点数評価してもらってそ
の平均値を採ると共に、栗饅頭の風味および食感を下記
の表20に示した評価基準にしたがって15名のパネラ
ーに点数評価してもらってその平均値を採った。それら
の結果を下記の表21に示す。
【0060】[栗饅頭の製造工程]栗饅頭用の原料のう
ち、砂糖と卵を混ぜ合わせ、これに練乳を加え、更にイ
スパタ(膨張剤)を水に溶いて加えた後、小麦粉および
米粉を加えて生地をつくる。生地を室温で2時間休ませ
た後、30g/個に分割する。これで餡50gを包み込
んで小判型に成形する。天板に並べて表面に卵を塗り、
190℃の温度で15分間焼成する。
【0061】
【表20】 栗饅頭の品質評価基準(風味および食感) ○風 味: 5点 :小麦粉臭および卵臭が全くせず、ほのかに甘い良好な香ばしさ がある 4点 :小麦粉臭および卵臭がほぼせず、ほぼ香ばしいほぼ良好な風味 3点 :小麦粉臭および卵臭があまりしないが、香ばしさが少ない 2点 :小麦粉臭および卵臭が少しあり、香ばしさに欠ける 1点 :小麦粉臭および卵臭がかなりあり、香ばしさが全くない 食 感: 5点 :しっとりしていて、口溶けが極めてよい 4点 :ほぼしっとりしていて、口溶けがよい 3点 :少ししっとりしていて、やや口溶けがよい 2点 :しっとりさにやや欠け、口溶けがやや悪い 1点 :しっとりさに欠け、口溶けが悪い
【0062】
【表21】 実施例11 比較例17 比較例18 配 合(部): 小麦粉 95 95 100 香り米粉 5 − − うるち米粉1) − 5 − 砂 糖 50 50 50 卵 40 40 40 練 乳 25 25 25 イスパタ(膨張剤) 1 1 1 水 5 5 5 栗饅頭の品質: 焼き色 5.0 4.2 3.0 風 味 4.7 3.22) 2.82) 食 感 4.6 3.9 2.9 1)コシヒカリを粉にしたもの 2)小麦粉臭および卵臭がある
【0063】上記表21の結果から、香り米粉を含有す
る粉を用いて製造した実施例11の栗饅頭は、通常の米
粉を用いて製造した比較例17の栗饅頭、米粉を何ら用
いないで製造した比較例18の栗饅頭に比べて、焼き
色、風味および食感のすべてにおいて優れており、特に
小麦粉臭および卵臭がなく、香ばしく甘い良好な風味が
して、しっとりした口溶けのよい良好な食感を有するこ
とがわかる。
【0064】
【発明の効果】香り米粉を原料粉に添加して得られる本
発明のベーカリー製品は、外観、内相、クラスト、触感
などを良好に保ちながら、ベーカリー製品の風味を損な
う小麦粉臭、イースト臭、ベーキングパウダー臭、卵
臭、フスマ臭などの異臭が効果的に除去されて、ほのか
に甘い良好な香りを有していて風味が極めて良好であ
る。しかも、香り米粉を使用して得られた本発明のベー
カリー製品は、良好な風味と共に、口溶けがよく、しか
もそれぞれのベーカリー製品に望ましいとされている良
好な食感(例えばソフトさ、クリスピー感、しっとり感
など)をも有している。
【0065】限定されるものではないが、本発明のそれ
ぞれのベーカリー製品の特性について具体的に説明する
と、香り米粉を含有する粉を用いて製造された本発明の
パン類は、イースト臭がなく、また卵を使用したパン類
では卵臭も除去されて、ほのかな甘い香りを有していて
風味に極めて優れており、しかもひきが弱くて、ソフト
で、口溶けの良い優れた食感を有し、その上、良好な焼
き色、触感、クラスト、内相を有している。特に、多量
のイーストを用いて短時間で発酵させてパン類をつくる
いわゆる速成法による場合はイースト臭の強い風味の低
下したパン類が生成し易いが、香り米粉を添加する本発
明による場合は、そのような速成法によってパン類を製
造した場合にも、イースト臭のない風味の良好なパン類
が速やかに得られる。また、全粒粉やフスマを用いて得
られるパン類は特有のフスマ臭を有していて風味に劣っ
ている場合が多いが、香り米粉を使用している本発明に
よる場合は、全粒粉やフスマを用いたパン類であって
も、フスマ臭が効果的に除去されて、風味の向上した、
栄養価の高いパン類が得られる。
【0066】また、香り米粉を用いて得られた本発明の
スポンジケーキなどのケーキ類は、よく膨らんでいて体
積が大きく、卵臭がなく、甘い良好な香りがして風味が
良好であり、しかもしっとりとして口溶けのよい良好な
食感を有し、その上、焼き色、触感、表面状態、内相な
どにも優れている。そして、香り米粉を含有する粉を用
いて得られる本発明のパイ類は、小麦粉臭がなく、香ば
しい良好な風味を有し、しかもサクサクとしてクリスピ
ーな口溶けのよい良好な食感を有し、その上、焼き色、
内相などの点でも優れている。
【0067】更に、香り米粉を含有する粉を用いて製造
した本発明の中華饅頭などの蒸し物は、イースト臭およ
びベーキングパウダー臭がなく、ほのかな甘い香りがし
て風味が良好であり、しかもひきが弱くて、ソフトで、
口溶けの良い優れた食感を有し、その上、触感や内相な
どの点でも優れている。また、香り米粉を含有する粉を
用いて製造した本発明のビスケット、クッキー、クラッ
カー等は、小麦粉臭およびベーキングパウダー臭がな
く、香ばしい良好な風味がして、サクサクとして軽く、
口溶けのよい良好な食感を有し、しかも良好な焼き色を
有している。そして、香り米粉を含有する粉を用いて製
造した栗饅頭やその他の本発明の饅頭類は、小麦粉臭お
よび卵臭がなく、香ばしくて甘い良好な風味を有し、し
かもしっとりした口溶けのよい良好な食感を有し、その
上良好な焼き色を有している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A21D 2/00 - 2/40 A21D 13/00 - 13/08 A23L 1/10 A23G 3/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 香り米粉を含有することを特徴とするベ
    ーカリー製品用粉。
  2. 【請求項2】 香り米粉の含有量が、ベーカリー製品用
    粉中の穀粉類の全重量に基づいて1〜20重量%である
    請求項1のベーカリー製品用粉。
  3. 【請求項3】 請求項1または2のベーカリー製品用粉
    を用いて得られたベーカリー製品。
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