JP4392799B2 - フィリング入りベーカリー食品及びその製造方法 - Google Patents
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Description
これらは、ベーカリー生地でフィリングを包んで焼成したり、焼成した生地中にフィリングを注入する方法により製造されるのでフィリングは生地中に局在することになる(例えば特許文献1参照)。
フィリングと生地が上記のアンパンやカレーパンのように局在しないものとしては、断面が渦巻き形状となるように巻き込んだロールケーキが知られている。
前記ロールケーキはシート状に焼成したケーキ生地を使用して前記生地上にシート状のフィリング層を形成し生地とともに巻き込んで製造する。
一方、シナモンロールのような焼成前の生地を使用してロールケーキと同様に成形し、成形後焼成する方法もあるがこの方法では、加熱によって粘度が減少するチョコレートやクリームのようなフィリングは使用することは困難でありフィリングの種類が限定されるという欠点があった。
従って、本発明は以下の工程を含むフィリング入りベーカリー食品用生地の製造方法である。
(1)シート状のベーカリー生地上にシート状のフィリング層を成形する工程、
(2)前記ベーカリー生地をフィリングとともに断面が略「の」字形状の渦巻き形状になるように巻き込み略円柱状に成形する工程、
(3)前記略円柱状に成形した生地の巻き終わり部と両端部の生地をフィリングが隠れるように圧着する工程。
また、本発明は、前記方法により得られた生地を醗酵後又は醗酵せずに、焼成又はフライして得られるフィリング入りベーカリー食品およびその製造方法である。
フィリングは局在せず、生地となじんで食味が良好である。
また切断して、美しい渦巻き形状を露出することもできる。
本発明において使用できるフィリングは加熱可能であれば特に限定されない。
水分含有量が多く粘度が低いフィリングや加熱によって粘度が減少するチョコレートやクリームのようなフィリングでも使用することができる。
また、ナッツ等の固形物を含有するフィリングも使用できる。
使用できるフィリングとしては、例えば、餡、チョコレート、クリーム、チーズ、ジャム、バター・マーガリン、ゼリー、ルー、カレー、調理済み肉、野菜、卵等の惣菜を挙げることができる。
例えば、比較的リーンな配合のフランスパン生地、食パン生地、中華まん生地、油脂や糖類の配合が比較的多い菓子パン生地、油脂を層状に又はチップ状に練りこんだクロワッサン生地、イーストドーナツ生地、ピザ生地を使用できる。
また、生地は冷凍後解凍した生地も使用できる。
以下に一例としてイーストドーナツ生地の調製例を示す。
小麦粉100質量部、イースト0.5〜10質量部、砂糖0〜50質量部、食塩0.5〜10質量部に水を30〜80質量部加え、低速1〜3分、高速3〜10分ミキシングした後、油脂0〜30質量部を加え、更に低速1〜2分、高速5〜15分ミキシングを行い生地温度10〜30℃になるよう生地を調製し1次醗酵させる。
またイーストが死滅するといった悪影響もある。好ましくは1〜4質量部である。
さらに生地には、チョコレートチップ等を練り込むこともできる。
好ましくは17〜28℃である。
醗酵温度及び時間は適宜調整すればよいが、15〜30℃で15〜60分間が好ましい。
例えば、シーターや麺棒を使用することができる。
生地のべたつきを防ぐため、手粉等を使用することもできる。
シートの形状1は平面形状が略矩形になるように成形する。
成形する方法は特に限定されず、生地を直接略矩形になるように成形する方法や、略矩形になるように型抜き又は切断する方法等が使用できる。
前記シート状生地の大きさは生地を巻いたとき、巻きの回数が1周以上になる大きさが必要である。
生地の厚さは薄すぎると破れてフィリング2が流出したり、厚すぎると中心部まで火が通り難いため1〜30mm程度である。好ましくは3〜10mmである。
このとき巻き終わり部から1cmほどフィリング2を載せない部分5を設けると巻き終わり部3の圧着を容易にすることができる。
図2は生地を一周半巻いて略円柱状に成形した生地の斜視図である。
本発明において巻きの回数は1周以上でよく生地の大きさにより巻き数を調整することができる。
本発明はフィリングの局在を防ぎ、美観と食感において商品価値を高めることを目的としているため、最低でも断面が略「の」字形状となる一周半以上が好ましい。
圧着の方法は特に限定されず、生地を対向する方向から圧着する方法や、両端部では周縁部から絞るようにして圧着する方法を使用することができる。
例えば、角柱形、卵形、円柱形、俵形等に成形することができる。
また、表面に網等で模様をつけることもできる。
図3は巻き終わり部と両端部を圧着した生地の斜視図である。
醗酵させた場合は、食感が軽くなり、火どおりも良くなる。醗酵時間は120分間以下であり、好ましい醗酵時間は、5〜90分間である。
焼成又はフライの方法は特に限定されず火が通れば良い。
例えば、フライの場合は、150〜200℃で3〜5分程度行う。
図4は長手方向に対し斜めに切断して渦巻き模様を露出した斜視図である。
[実施例1]
小麦粉(日本製粉株式会社製、商品名「クイン」)100質量部、イースト4質量部、イーストフード0.1質量部、ベーキングパウダー1質量部、砂糖10質量部、食塩1.5質量部、生卵10質量部、脱脂粉乳2質量部、水45質量部をミキサーで低速2分、高速8分間混合した後ショートニング10質量部を加え低速1分、高速10分更に混合、生地温度28℃に捏ね上げた。
25℃で30分間発酵させた後、厚さ4mmのシート状に延展し、120mm×150mmの長方形に分割した。この生地に、チョコレートクリームを20g乗せ、巻き終わりのところを1cm程度残して生地に塗り広げ、ロールケーキの要領で手前から巻いて略円柱状に成形した。
前記成形した生地の巻き終わりと両端部をフィリングが隠れるように圧着させた後、38℃、湿度60%のホイロで、20分発酵させた。ホイロ後、190℃で4分間フライして本発明のベーカリー食品を得た。
実施例1において、生地の巻き終わりと両端部をフィリングが隠れるように圧着せず他は実施例1と同様にしてベーカリー食品を得た。
パネラー10名により、外観、内相、食味試験を行った。
実施例1において得られたベーカリー食品は試食したところ、生地とフィリングがよくなじみとても美味であった。
また、切断したところ断面は美しい「の」字状の模様となっていた。
比較例1において得られたベーカリー食品はフライ時にチョコレートクリームがフライ油に溶け出していたため、外観が悪く、食味も悪かった。
パネラー10名全員が実施例1において得られたベーカリー食品が好ましいと評価した。
2 フィリング
3 巻き終わり部
4 両端部
Claims (3)
- 以下の工程を含むフィリング入りベーカリー食品用生地の製造方法。
(1)シート状のベーカリー生地上にシート状のフィリング層を成形する工程、
(2)前記ベーカリー生地をフィリングとともに断面が略「の」字形状の渦巻き形状になるように巻き込み略円柱状に成形する工程、
(3)前記略円柱状に成形した生地の巻き終わり部と両端部の生地をフィリングが隠れるように圧着する工程。 - 請求項1に記載の方法により得られた生地を醗酵後又は醗酵せずに、焼成又はフライすることを特徴とするフィリング入りベーカリー食品の製造方法。
- 請求項1に記載の方法により得られた生地を醗酵後又は醗酵せずに、焼成又はフライすることを特徴とするフィリング入りベーカリー食品。
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