JP2950760B2 - クラスト入りベーカリー製品の製造方法 - Google Patents
クラスト入りベーカリー製品の製造方法Info
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- JP2950760B2 JP2950760B2 JP7230797A JP23079795A JP2950760B2 JP 2950760 B2 JP2950760 B2 JP 2950760B2 JP 7230797 A JP7230797 A JP 7230797A JP 23079795 A JP23079795 A JP 23079795A JP 2950760 B2 JP2950760 B2 JP 2950760B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、クラスト断片を配合し
たベーカリー製品の製造方法に関するものである。
たベーカリー製品の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】食パンの耳いわゆるクラストは、通常、
パンとしてそのまま食されるが、硬く、咀嚼時に引き感
(引きちぎる食感)が強いため食べにくい面もある。例
えばサンドイッチを作る際にはクラストを切り離し、内
部の軟い部分のみを使用することが多い。かくして、昨
今の消費者のソフト志向の強まりにともない、製パン工
場では多量のクラストが発生するようになり、かつては
家畜類の飼料に増量材として混ぜて処理されていたが、
最近では廃棄物として処分されることが多く、さりとて
その有効利用の妙案もないのが実情である。
パンとしてそのまま食されるが、硬く、咀嚼時に引き感
(引きちぎる食感)が強いため食べにくい面もある。例
えばサンドイッチを作る際にはクラストを切り離し、内
部の軟い部分のみを使用することが多い。かくして、昨
今の消費者のソフト志向の強まりにともない、製パン工
場では多量のクラストが発生するようになり、かつては
家畜類の飼料に増量材として混ぜて処理されていたが、
最近では廃棄物として処分されることが多く、さりとて
その有効利用の妙案もないのが実情である。
【0003】一方、パンをはじめとするベーカリー製品
では、消費者の嗜好のバラエティ化に適応させ、従来の
単一な食味の生地に加えて種々のフィリング材を混在さ
せたものが開発され市販されるようになった。例えばレ
ーズン、チェリー、ナッツ、チョコレート等を生地に混
ぜて焼き上げたパン、ケーキ、クッキー等が知られ、ま
た固形チーズや固形マーガリンを配合してトーストする
だけで食べるタイプのパンも出回わっている。
では、消費者の嗜好のバラエティ化に適応させ、従来の
単一な食味の生地に加えて種々のフィリング材を混在さ
せたものが開発され市販されるようになった。例えばレ
ーズン、チェリー、ナッツ、チョコレート等を生地に混
ぜて焼き上げたパン、ケーキ、クッキー等が知られ、ま
た固形チーズや固形マーガリンを配合してトーストする
だけで食べるタイプのパンも出回わっている。
【0004】そこで本出願人は、廃棄処分されているク
ラストの有効利用をはかるとともに、クラストをフィリ
ング材として用い、見栄えの良い、種々の味付けが可能
なクラスト入りベーカリー製品、およびその製造方法を
開発し、特許出願した(特願平6−256006号)。
しかしながら、かかる方法でクラスト入りベーカリー製
品を製造すると、味付けしたクラストまたはクラスト断
片を冷蔵または冷凍する必要があり、このためクラスト
どうしが付着して作業性が劣り、またベーカリー製品の
生地の冷却障害(製品の風味劣化)を招く場合があると
いう難点があった。
ラストの有効利用をはかるとともに、クラストをフィリ
ング材として用い、見栄えの良い、種々の味付けが可能
なクラスト入りベーカリー製品、およびその製造方法を
開発し、特許出願した(特願平6−256006号)。
しかしながら、かかる方法でクラスト入りベーカリー製
品を製造すると、味付けしたクラストまたはクラスト断
片を冷蔵または冷凍する必要があり、このためクラスト
どうしが付着して作業性が劣り、またベーカリー製品の
生地の冷却障害(製品の風味劣化)を招く場合があると
いう難点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、廃棄
処分されているクラストの有効利用をはかるとともに、
クラストをフィリング材として用い、見栄えの良い、種
々の味付けが可能なクラスト入りベーカリー製品を製造
するにあたり、簡便に、かつ品質的に優れた製品を製造
する方法を提供することにある。
処分されているクラストの有効利用をはかるとともに、
クラストをフィリング材として用い、見栄えの良い、種
々の味付けが可能なクラスト入りベーカリー製品を製造
するにあたり、簡便に、かつ品質的に優れた製品を製造
する方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の要旨は、クラストもしくはクラスト断片を水
分含量が30重量%以下の調味液に接触させて味付けし
た後、クラストの場合には断片化し、もしくは断片化す
ることなく、常温にて、該味付けクラスト断片もしくは
該味付けクラストをベーカリー製品の生地に添加(好ま
しくは該生地に対して10〜80重量%)し、該生地と
混在または積層して焼成することを特徴とするクラスト
入りベーカリー製品の製造方法にある。
の本発明の要旨は、クラストもしくはクラスト断片を水
分含量が30重量%以下の調味液に接触させて味付けし
た後、クラストの場合には断片化し、もしくは断片化す
ることなく、常温にて、該味付けクラスト断片もしくは
該味付けクラストをベーカリー製品の生地に添加(好ま
しくは該生地に対して10〜80重量%)し、該生地と
混在または積層して焼成することを特徴とするクラスト
入りベーカリー製品の製造方法にある。
【0007】以下に本発明を詳細に説明する。まず本発
明でいうベーカリー製品とは、パン、ケーキ、ドーナッ
ツ、クッキー、スナック菓子等の汎用的なベーカリー製
品を対象とする。このうちパン類を対象にするものが良
く、かかるパン類はクラスト付きのものであっても、あ
るいはロールパンのようなクラストのないパンでもさし
つかえない。また前記のようなフィリング材を既に配合
したパン類でも何ら支障ない。
明でいうベーカリー製品とは、パン、ケーキ、ドーナッ
ツ、クッキー、スナック菓子等の汎用的なベーカリー製
品を対象とする。このうちパン類を対象にするものが良
く、かかるパン類はクラスト付きのものであっても、あ
るいはロールパンのようなクラストのないパンでもさし
つかえない。また前記のようなフィリング材を既に配合
したパン類でも何ら支障ない。
【0008】本発明のクラスト入りベーカリー製品は、
基本的には味付けクラスト断片とベーカリー製品の生地
とから構成されるものである。ここに使用するクラスト
は前述のとおり製パン工場で多量に発生しており、これ
を利用できる。通常、厚さが約5mm、幅が約1cm程度の
細長い状態で切断されており、これを細長いままあるい
は適当な長さ例えば1〜2cmの断片にし、これにフィリ
ング材として適当な味付けを施したものである。
基本的には味付けクラスト断片とベーカリー製品の生地
とから構成されるものである。ここに使用するクラスト
は前述のとおり製パン工場で多量に発生しており、これ
を利用できる。通常、厚さが約5mm、幅が約1cm程度の
細長い状態で切断されており、これを細長いままあるい
は適当な長さ例えば1〜2cmの断片にし、これにフィリ
ング材として適当な味付けを施したものである。
【0009】味付けのための材料としてはシロップ、砂
糖、上白糖、黒糖、ブドウ糖、果糖、ソルビトール、マ
ンニトール、液糖(ブドウ糖果糖液糖、果糖ブドウ糖液
糖)等の糖類および/または糖アルコール類の水溶液、
ラム酒、シェリー酒、ブランデー等の酒類、コーヒーパ
ウダー、ココアパウダー、粉乳、油脂、味噌、ソース
類、香辛料等の水溶液、牛乳、練乳、クリーム、ジャム
希釈液、マーマレード希釈液、野菜類の搾汁、果汁、乳
酸飲料、ヨーグルト、マーガリン、チーズ等の加温溶液
等の1種もしくは2種以上を組み合わせた調味用液体
(以下、調味液という)を例示できる。
糖、上白糖、黒糖、ブドウ糖、果糖、ソルビトール、マ
ンニトール、液糖(ブドウ糖果糖液糖、果糖ブドウ糖液
糖)等の糖類および/または糖アルコール類の水溶液、
ラム酒、シェリー酒、ブランデー等の酒類、コーヒーパ
ウダー、ココアパウダー、粉乳、油脂、味噌、ソース
類、香辛料等の水溶液、牛乳、練乳、クリーム、ジャム
希釈液、マーマレード希釈液、野菜類の搾汁、果汁、乳
酸飲料、ヨーグルト、マーガリン、チーズ等の加温溶液
等の1種もしくは2種以上を組み合わせた調味用液体
(以下、調味液という)を例示できる。
【0010】前記調味液は、本発明においては水分含量
が30重量%以下となるように調整する必要がある。水
分含量が30重量%を超える調味液を用いると、後述す
るように、ベーカリー製品の生地と混捏時に味付けクラ
スト断片が細分化され、最終製品においてクラスト断片
が見栄えの良いフィリングとして混在した状態にならな
い。
が30重量%以下となるように調整する必要がある。水
分含量が30重量%を超える調味液を用いると、後述す
るように、ベーカリー製品の生地と混捏時に味付けクラ
スト断片が細分化され、最終製品においてクラスト断片
が見栄えの良いフィリングとして混在した状態にならな
い。
【0011】一方、ベーカリー製品の生地は公知のもの
であり、小麦粉、食用油脂類、糖類、食塩、卵製品、乳
製品、水、イースト、イーストフード、その他の添加物
等の原材料をベーカリー製品の種類により適宜に選択
し、混捏したものである。
であり、小麦粉、食用油脂類、糖類、食塩、卵製品、乳
製品、水、イースト、イーストフード、その他の添加物
等の原材料をベーカリー製品の種類により適宜に選択
し、混捏したものである。
【0012】このうち、食用油脂類としては大豆油、菜
種油、綿実油、パーム油、サフラワー油、ひまわり油、
バター、ラード、マーガリン、ショートニング等を例示
できる。糖類としては砂糖、転化糖、異性化糖、含蜜
糖、ブドウ糖、果糖、乳糖、麦芽糖、ハチミツ、水飴、
液糖(ブドウ糖果糖液糖、果糖ブドウ糖液糖)等をあげ
ることができる。卵製品としては全卵、卵黄、卵白、液
状卵、乾燥卵、凍結卵、加糖濃縮卵等があげられる。乳
製品としては牛乳、練乳、全粉乳、脱脂粉乳、クリー
ム、ホエーパウダー、チーズ等を例示することができ
る。またその他の添加物として大豆粉、乳化剤、酵素、
ビタミン類、ミネラル類、カルシウム供給源、カロチ
ン、ナッツ類、ドライフルーツ類、レーズン等を用いる
ことができる。
種油、綿実油、パーム油、サフラワー油、ひまわり油、
バター、ラード、マーガリン、ショートニング等を例示
できる。糖類としては砂糖、転化糖、異性化糖、含蜜
糖、ブドウ糖、果糖、乳糖、麦芽糖、ハチミツ、水飴、
液糖(ブドウ糖果糖液糖、果糖ブドウ糖液糖)等をあげ
ることができる。卵製品としては全卵、卵黄、卵白、液
状卵、乾燥卵、凍結卵、加糖濃縮卵等があげられる。乳
製品としては牛乳、練乳、全粉乳、脱脂粉乳、クリー
ム、ホエーパウダー、チーズ等を例示することができ
る。またその他の添加物として大豆粉、乳化剤、酵素、
ビタミン類、ミネラル類、カルシウム供給源、カロチ
ン、ナッツ類、ドライフルーツ類、レーズン等を用いる
ことができる。
【0013】例えば食パンの生地は、強力粉:薄力粉=
100〜70:0〜30(重量比)からなる粉1000
gに対してマーガリン35〜150g、上白糖20〜1
50g、食塩1〜20g、全卵0〜100g、脱脂粉乳
0〜30g、イースト20〜40g、イーストフード0
〜1gおよび水500〜700gを加えて捏ね上げるこ
とにより調製される。またスポンジケーキやシフォンケ
ーキの生地は、薄力粉:強力粉=100〜50:0〜5
0(重量比)からなる粉1000gに対して、全卵10
00〜3000g、上白糖(液糖、ハチミツを含む)6
00〜2000g、油脂100〜1000g、食塩0〜
2g、ベーキングパウダーおよび重曹0〜30gおよび
水0〜500gを加えて混捏することによって調製でき
る。
100〜70:0〜30(重量比)からなる粉1000
gに対してマーガリン35〜150g、上白糖20〜1
50g、食塩1〜20g、全卵0〜100g、脱脂粉乳
0〜30g、イースト20〜40g、イーストフード0
〜1gおよび水500〜700gを加えて捏ね上げるこ
とにより調製される。またスポンジケーキやシフォンケ
ーキの生地は、薄力粉:強力粉=100〜50:0〜5
0(重量比)からなる粉1000gに対して、全卵10
00〜3000g、上白糖(液糖、ハチミツを含む)6
00〜2000g、油脂100〜1000g、食塩0〜
2g、ベーキングパウダーおよび重曹0〜30gおよび
水0〜500gを加えて混捏することによって調製でき
る。
【0014】以下に、本発明のクラスト入りベーカリー
製品の製造手順について詳述する。この要旨は、クラス
トもしくはクラスト断片を水分含量が30重量%以下の
調味液に接触させて味付けした後、クラストの場合には
断片化し、もしくは断片化することなく、常温にて、該
味付けクラスト断片もしくは該味付けクラストをベーカ
リー製品の生地に添加(好ましくは該生地に対して10
〜80重量%)し、該生地と混在または積層して焼成す
ることを特徴とする。
製品の製造手順について詳述する。この要旨は、クラス
トもしくはクラスト断片を水分含量が30重量%以下の
調味液に接触させて味付けした後、クラストの場合には
断片化し、もしくは断片化することなく、常温にて、該
味付けクラスト断片もしくは該味付けクラストをベーカ
リー製品の生地に添加(好ましくは該生地に対して10
〜80重量%)し、該生地と混在または積層して焼成す
ることを特徴とする。
【0015】この方法によれば、例えば製パン工場等で
発生する食パンから切り離されたクラストは、細長いま
まあるいは適当なサイズ例えば厚さ:約5mm、幅:約1
cm、長さ:1〜2cm程度に断片化し、前記の水分含量が
30重量%以下、好ましくは25〜15重量%の調味液
に浸漬するか、該液体をスプレーもしくは塗付して、ク
ラスト全体もしくは部分的に味付けし、細長いままのク
ラストの場合にはそのまま味付けクラストとし、あるい
は前記同様に任意の大きさの断片とする。
発生する食パンから切り離されたクラストは、細長いま
まあるいは適当なサイズ例えば厚さ:約5mm、幅:約1
cm、長さ:1〜2cm程度に断片化し、前記の水分含量が
30重量%以下、好ましくは25〜15重量%の調味液
に浸漬するか、該液体をスプレーもしくは塗付して、ク
ラスト全体もしくは部分的に味付けし、細長いままのク
ラストの場合にはそのまま味付けクラストとし、あるい
は前記同様に任意の大きさの断片とする。
【0016】本発明においては、調味液の含水率が30
重量%以下となるように水分濃度を設定することが重要
である。これにより味付けされたクラストおよびクラス
ト断片は、後の工程でベーカリー製品の生地と混ぜ合わ
せる際に、常温(20〜30℃)においても細分化され
ることがなく、結果として得られるベーカリー製品にお
いて見栄えの良いフィリングとして混在することが可能
となる。水分含量が30重量%を超える調味液を用いて
味付けすると、クラストがベーカリー製品の生地中で細
分化された状態となる。
重量%以下となるように水分濃度を設定することが重要
である。これにより味付けされたクラストおよびクラス
ト断片は、後の工程でベーカリー製品の生地と混ぜ合わ
せる際に、常温(20〜30℃)においても細分化され
ることがなく、結果として得られるベーカリー製品にお
いて見栄えの良いフィリングとして混在することが可能
となる。水分含量が30重量%を超える調味液を用いて
味付けすると、クラストがベーカリー製品の生地中で細
分化された状態となる。
【0017】特願平6−256006号では、味付けし
たクラストもしくはその断片を冷蔵処理または冷凍処理
した後にベーカリー製品の生地と混ぜ合わせるが、この
ような方法に比べて本発明の方法では、クラストどうし
の接着にともなう作業性の低さがほぼ完全に改善され、
またベーカリー製品の生地(ドウ)が冷却されることに
よる弊害すなわち最終製品における風味の劣化や食感の
低下を防止できる。
たクラストもしくはその断片を冷蔵処理または冷凍処理
した後にベーカリー製品の生地と混ぜ合わせるが、この
ような方法に比べて本発明の方法では、クラストどうし
の接着にともなう作業性の低さがほぼ完全に改善され、
またベーカリー製品の生地(ドウ)が冷却されることに
よる弊害すなわち最終製品における風味の劣化や食感の
低下を防止できる。
【0018】味付けされたクラストまたはクラスト断片
は、常温にて、前記原材料を配合して調製したベーカリ
ー製品の生地(ドウ)に対して好ましくは10〜80重
量%、さらに好ましくは15〜60重量%添加する。1
0重量%未満では配合したクラスト断片がフィリング材
として目立たなくなり、逆に80重量%を超えて配合す
ると前記生地の発酵阻害をひきおこし、得られるベーカ
リー製品はボリューム感のないものとなる。
は、常温にて、前記原材料を配合して調製したベーカリ
ー製品の生地(ドウ)に対して好ましくは10〜80重
量%、さらに好ましくは15〜60重量%添加する。1
0重量%未満では配合したクラスト断片がフィリング材
として目立たなくなり、逆に80重量%を超えて配合す
ると前記生地の発酵阻害をひきおこし、得られるベーカ
リー製品はボリューム感のないものとなる。
【0019】ついで、捏上温度20〜30℃にて該クラ
ストが微細化しないように軽く混ぜ合わせて分散させ、
あるいは該生地に積層してロール状に巻き、この合せ生
地を常法により、例えば食パンの場合には25〜30℃
で60〜180分間発酵(うち60〜120分後にパン
チして脱ガス)し、適当なサイズに分割後、ベンチタイ
ムを0〜30分間とり、ホイロ:30〜40℃で30〜
90分間、ついで170〜220℃で20〜60分間焼
成することにより、本発明のクラスト入りベーカリー製
品を得る。
ストが微細化しないように軽く混ぜ合わせて分散させ、
あるいは該生地に積層してロール状に巻き、この合せ生
地を常法により、例えば食パンの場合には25〜30℃
で60〜180分間発酵(うち60〜120分後にパン
チして脱ガス)し、適当なサイズに分割後、ベンチタイ
ムを0〜30分間とり、ホイロ:30〜40℃で30〜
90分間、ついで170〜220℃で20〜60分間焼
成することにより、本発明のクラスト入りベーカリー製
品を得る。
【0020】本発明のクラスト入りベーカリー製品は、
種々の風味に味付けされたクラスト断片がベーカリー製
品の生地中に均一もしくは不均一に分散されたもの、ロ
ール状に連続して配置されたもの等のさまざまな形態に
アレンジすることが可能である。また従来のベーカリー
製品では困難であった多種多様な風味と食感のフィリン
グを楽しむことができる。
種々の風味に味付けされたクラスト断片がベーカリー製
品の生地中に均一もしくは不均一に分散されたもの、ロ
ール状に連続して配置されたもの等のさまざまな形態に
アレンジすることが可能である。また従来のベーカリー
製品では困難であった多種多様な風味と食感のフィリン
グを楽しむことができる。
【0021】
実施例1 製パン工場で発生するクラスト(厚さ:約5mm、幅:約
1cm、長さ:5〜10cm)300gに果糖ブドウ糖液糖
(日本食品化工(株)製、商品名:フジフラクトH−1
00、Brix:75)300gおよびラム酒10gからな
る混合調味液を吸収させ、長さが約1cmの大きさに切断
して味付けクラスト断片を調製した。一方、ミキサー
(エスケーミキサー(株)製、型式:SK−20)を用
い、強力粉:薄力粉=90:10(重量比)で混合した
小麦粉1000gに上白糖150g、食塩17g、全卵
100g、脱脂粉乳40g、イースト25g、イースト
フード1gおよび水540gを加え、捏上温度27℃に
て、低速攪拌(30rpm)で2分間ついで中速攪拌(6
0rpm )で5分間(以下、L2M5のように表示する)
ミキシングし、ついでマーガリン(日清製油(株)製、
商品名:シャルニ700)150gを加えてL2M4で
攪拌し、パン生地(ドウ)を調製した。
1cm、長さ:5〜10cm)300gに果糖ブドウ糖液糖
(日本食品化工(株)製、商品名:フジフラクトH−1
00、Brix:75)300gおよびラム酒10gからな
る混合調味液を吸収させ、長さが約1cmの大きさに切断
して味付けクラスト断片を調製した。一方、ミキサー
(エスケーミキサー(株)製、型式:SK−20)を用
い、強力粉:薄力粉=90:10(重量比)で混合した
小麦粉1000gに上白糖150g、食塩17g、全卵
100g、脱脂粉乳40g、イースト25g、イースト
フード1gおよび水540gを加え、捏上温度27℃に
て、低速攪拌(30rpm)で2分間ついで中速攪拌(6
0rpm )で5分間(以下、L2M5のように表示する)
ミキシングし、ついでマーガリン(日清製油(株)製、
商品名:シャルニ700)150gを加えてL2M4で
攪拌し、パン生地(ドウ)を調製した。
【0022】このパン生地に同温で前記味付けクラスト
断片を加え(パン生地に対して味付けクラスト断片とし
て30.2重量%、クラスト断片として14.8重量
%)、L1M1で混ぜ合わせ、発酵時間:90分(うち
60分後にパンチ)、1個430g(ワンローフ:14
00ml、生地比容積:3.3)に分割、ベンチタイム:
20分、焙炉温度および時間:38℃で50分、焼成温
度および時間:200℃で25分の条件下で本発明のラ
ム酒風味のクラスト入りパンを製造した。このパンはク
ラスト断片が塊状にパン生地内部に散在し、フィリング
として見栄えが良く、クラスト断片を配合しないタイプ
のパンと比べて食感に異和感がなく、ラム酒の風味が豊
かなものであった。
断片を加え(パン生地に対して味付けクラスト断片とし
て30.2重量%、クラスト断片として14.8重量
%)、L1M1で混ぜ合わせ、発酵時間:90分(うち
60分後にパンチ)、1個430g(ワンローフ:14
00ml、生地比容積:3.3)に分割、ベンチタイム:
20分、焙炉温度および時間:38℃で50分、焼成温
度および時間:200℃で25分の条件下で本発明のラ
ム酒風味のクラスト入りパンを製造した。このパンはク
ラスト断片が塊状にパン生地内部に散在し、フィリング
として見栄えが良く、クラスト断片を配合しないタイプ
のパンと比べて食感に異和感がなく、ラム酒の風味が豊
かなものであった。
【0023】実施例2 実施例1の味付けクラスト断片の代わりに、予め長さ1
〜2cmの大きさに切断したクラスト断片300gをカカ
オペースト120g、チョコレートフレーバー5g、上
白糖225gおよび水75gからなる調味液に漬けたも
のに置き換え、その他の条件を実施例1と同じにしてチ
ョコレート風味のクラスト入りパンを製造した(パン生
地に対して味付けクラスト断片として35.8重量%、
クラスト断片として14.8重量%添加)。このパンは
クラスト断片が塊状にパン生地内部に散在し、フィリン
グとして見栄えが良く、良好な食感とチョコレート味の
ものであった。
〜2cmの大きさに切断したクラスト断片300gをカカ
オペースト120g、チョコレートフレーバー5g、上
白糖225gおよび水75gからなる調味液に漬けたも
のに置き換え、その他の条件を実施例1と同じにしてチ
ョコレート風味のクラスト入りパンを製造した(パン生
地に対して味付けクラスト断片として35.8重量%、
クラスト断片として14.8重量%添加)。このパンは
クラスト断片が塊状にパン生地内部に散在し、フィリン
グとして見栄えが良く、良好な食感とチョコレート味の
ものであった。
【0024】実施例3 実施例1で用いたクラスト断片の代わりに、予め長さ1
〜2cmの大きさに切断したクラスト断片300gを、マ
ーガリン(日清製油(株)製、商品名:ソルート50
0)300gを40〜60℃に加温したマーガリン液に
漬けた後25℃に冷却したものに置き換え、その他の条
件は実施例1と同じにしてバター風味のクラスト入りパ
ンを製造した。このパンはクラスト断片が塊状にパン生
地内部に散在し、フィリングとして見栄えが良く、良好
な食感とバター風味を有するものであった。
〜2cmの大きさに切断したクラスト断片300gを、マ
ーガリン(日清製油(株)製、商品名:ソルート50
0)300gを40〜60℃に加温したマーガリン液に
漬けた後25℃に冷却したものに置き換え、その他の条
件は実施例1と同じにしてバター風味のクラスト入りパ
ンを製造した。このパンはクラスト断片が塊状にパン生
地内部に散在し、フィリングとして見栄えが良く、良好
な食感とバター風味を有するものであった。
【0025】実施例4 クラスト150gを予め長さ1〜2cmの大きさに切断
し、30〜40℃に加温したチョコレート液100gに
漬け、25℃まで冷却した。一方、ミキサー(エスケー
ミキサー(株)製、型式:SK−20)を用い、マーガ
リン(日清製油(株)製、商品名:ブリランテ2000
CP)500g、上白糖500gを中高速(80〜10
0rpm )で5〜10分間攪拌しながら全卵625gを徐
々に加え、さらに別に予め薄力粉625gにベーキング
パウダー10gを均一分散させておいたものを添加し、
バターケーキ生地を作成した(生地比重=0.65〜
0.90)。
し、30〜40℃に加温したチョコレート液100gに
漬け、25℃まで冷却した。一方、ミキサー(エスケー
ミキサー(株)製、型式:SK−20)を用い、マーガ
リン(日清製油(株)製、商品名:ブリランテ2000
CP)500g、上白糖500gを中高速(80〜10
0rpm )で5〜10分間攪拌しながら全卵625gを徐
々に加え、さらに別に予め薄力粉625gにベーキング
パウダー10gを均一分散させておいたものを添加し、
バターケーキ生地を作成した(生地比重=0.65〜
0.90)。
【0026】該生地に前記味付けクラスト断片を加え、
25℃にて低速(30〜40rpm )で均一に分散させた
(該生地に対して味付けクラスト断片として11.1重
量%、クラスト断片として6.6重量%添加)。450
gの生地をケーキ型に流し、160〜180℃で40分
間焼成し、本発明のチョコレート風味のクラスト入りケ
ーキを製造した。このケーキはチョコレート味のクラス
ト断片がケーキ生地中に塊状に散在し、フィリングとし
て見栄えが良く、良好なチョコレート風味と食感を有す
るものであった。
25℃にて低速(30〜40rpm )で均一に分散させた
(該生地に対して味付けクラスト断片として11.1重
量%、クラスト断片として6.6重量%添加)。450
gの生地をケーキ型に流し、160〜180℃で40分
間焼成し、本発明のチョコレート風味のクラスト入りケ
ーキを製造した。このケーキはチョコレート味のクラス
ト断片がケーキ生地中に塊状に散在し、フィリングとし
て見栄えが良く、良好なチョコレート風味と食感を有す
るものであった。
【0027】比較例1 実施例1において、調味液としてブドウ糖果糖液糖(実
施例1と同じ)250g、水50gおよびラム酒10g
の混合溶液(水分:約40重量%)を用い、これ以外は
同様の条件で味付けクラスト断片を作り、パン生地に混
ぜ、クラスト入りパンを製造した。このパンはクラスト
が細分化されパン生地内部に同質化しており、小さな異
物が混在したような状態であり、フィリングとしての見
栄えが劣り、また食感はクラスト部分に異物感があるも
のであった。
施例1と同じ)250g、水50gおよびラム酒10g
の混合溶液(水分:約40重量%)を用い、これ以外は
同様の条件で味付けクラスト断片を作り、パン生地に混
ぜ、クラスト入りパンを製造した。このパンはクラスト
が細分化されパン生地内部に同質化しており、小さな異
物が混在したような状態であり、フィリングとしての見
栄えが劣り、また食感はクラスト部分に異物感があるも
のであった。
【0028】比較例2 予め長さ1〜2cmの大きさに切断したクラスト断片30
0gに比較例1に記載の混合調味液310gを吸収さ
せ、−18℃にて24時間放置して固化させた後、これ
を用いて実施例1と同様に処理してクラスト入りパンを
製造した。この場合には、冷凍処理したクラスト断片ど
うしが接着し、パン生地(ドウ)に混ざりにくく、また
製品の食感はクラスト部分の組織がパン全体の組織に比
べて硬いものであった。
0gに比較例1に記載の混合調味液310gを吸収さ
せ、−18℃にて24時間放置して固化させた後、これ
を用いて実施例1と同様に処理してクラスト入りパンを
製造した。この場合には、冷凍処理したクラスト断片ど
うしが接着し、パン生地(ドウ)に混ざりにくく、また
製品の食感はクラスト部分の組織がパン全体の組織に比
べて硬いものであった。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、これまで廃棄処分され
ていたクラストを有効に再利用し、クラストをフィリン
グ材として配合した、見栄えの良い、種々の風味付けが
可能なクラスト入りベーカリー製品を提供することがで
きる。とりわけ本発明の方法によれば、食感の点で異物
感や違和感がなく、風味の点でも満足できる前記ベーカ
リー製品を簡単に製造できる。
ていたクラストを有効に再利用し、クラストをフィリン
グ材として配合した、見栄えの良い、種々の風味付けが
可能なクラスト入りベーカリー製品を提供することがで
きる。とりわけ本発明の方法によれば、食感の点で異物
感や違和感がなく、風味の点でも満足できる前記ベーカ
リー製品を簡単に製造できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A21D 2/00 - 17/00 JICSTファイル(JOIS)
Claims (3)
- 【請求項1】 クラストを水分含量が30重量%以下の
調味液に接触させて味付けした後、断片化し、もしくは
断片化することなく、常温にて、該味付けクラスト断片
もしくは該味付けクラストをベーカリー製品の生地に混
在または積層して焼成することを特徴とするクラスト入
りベーカリー製品の製造方法。 - 【請求項2】 クラスト断片を水分含量が30重量%以
下の調味液に接触させて味付けした後、常温にて、該味
付けクラスト断片をベーカリー製品の生地に混在または
積層して焼成することを特徴とするクラスト入りベーカ
リー製品の製造方法。 - 【請求項3】 ベーカリー製品の生地に対して味付けク
ラスト断片もしくは味付けクラストを10〜80重量%
配合するものである請求項1または2に記載の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7230797A JP2950760B2 (ja) | 1995-08-16 | 1995-08-16 | クラスト入りベーカリー製品の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7230797A JP2950760B2 (ja) | 1995-08-16 | 1995-08-16 | クラスト入りベーカリー製品の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0951755A JPH0951755A (ja) | 1997-02-25 |
JP2950760B2 true JP2950760B2 (ja) | 1999-09-20 |
Family
ID=16913431
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7230797A Expired - Fee Related JP2950760B2 (ja) | 1995-08-16 | 1995-08-16 | クラスト入りベーカリー製品の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2950760B2 (ja) |
-
1995
- 1995-08-16 JP JP7230797A patent/JP2950760B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0951755A (ja) | 1997-02-25 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
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LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |