JP2011087514A - バラエティブレッド生地及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】内相にソフトな食感の呈味部分が点在し、その食感が経日的に変化しない、良好な品質のバラエティブレッドを得るためのバラエティブレッド生地を提供すること及び該特徴を有するバラエティブレッドの製造方法を提供すること。
【解決手段】小片状のゲル化したシュー生地を含有するバラエティブレッド生地。また、小片状のゲル化したシュー生地を、ベースとなるパン生地に分散させる工程、及び/又は、ベースとなるパン生地に巻き込む工程を含むバラエティブレッド生地の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、内相にソフトな食感の呈味部分が点在するバラエティブレッドを得るためのバラエティブレッド生地及びその製造方法に関する。
食パン、菓子パン、デニッシュ等のパン類の内相に、呈味部分が点在するパン類はバラエティブレッドといわれ、その製造方法としては、焼成後にもそのままの形状で残るドライフルーツやチョコレートチップ等の呈味素材を、ベースとなるパン生地に混合する方法が一般に行なわれてきた。特にレーズン等の乾燥果実やチョコレートチップ等の油脂性菓子をベースとなるパン生地に分散させ、焼成して得られるバラエティブレッドは、その呈味素材の視認性が高く、風味を認識しやすいことから、古くから親しまれてきた。
しかし、これらの乾燥果実や油脂性菓子は、それ自体硬い食感であったり、焼成により硬化したりするため、その呈味部分の食感と、ベースとなるパンのクラムの食感との間に違和感を生じ、一体感に欠ける食感のバラエティブレッドになってしまう。
そこで、食した際にその呈味部分の食感がソフトとなるような食品素材を使用したバラエティブレッドの製造方法が各種提案されている。
例えば、呈味物質を含有する小片状のマーガリンやショートニング等の油脂組成物を使用する方法(例えば、特許文献1を参照)、シュー生地やケーキ生地等の焼成前の生地を配合する方法(例えば、特許文献2を参照)、小片状のフラワーペーストを使用する方法(例えば、特許文献3及び4を参照)、パイ生地等の生地で呈味素材をロールインした層状生地素材を使用する方法(例えば、特許文献5及び6を参照)、冷凍した菓子生地を使用する方法(例えば、特許文献7を参照)、シャリ感のあるハードキャンディーを使用する方法(例えば、特許文献8を参照)、キャラメルを使用する方法(例えば、特許文献9を参照)等が提案されている。
しかし、特許文献1に記載の方法では、クラムに油脂に起因する孔があいてしまう問題があった。また、特許文献2に記載の方法では、添加するシュー生地やケーキ生地は極めて軟らかいため、ミキシングによってベースとなるパン生地に均質に練り込まれてしまい、呈味素材の視認性が悪いという問題があった。また、特許文献3〜6に記載の方法では、ミキシングによって呈味素材が生地に練り込まれやすいことに加え、呈味素材自体由来の糊化澱粉の粘つく食感が残ってしまうため、クラムの食感との間に違和感を生じてしまうという問題があった。さらに特許文献7に記載の方法では、風味が乏しくなってしまうことに加え、混合時にベースとなるパン生地の温度が低下し、製造時間が長くなってしまい、得られるパンの品質も大きく低下する問題があり、特許文献8に記載の方法では、水分含量が少ないクッキー等の焼菓子に使用する場合は良好な結果を示すが、水分含量が比較的高いパンに使用した場合は焼成当初ざらついた食感が残ることに加え、経日的に食感が変化してしまう問題があった。
特開平06−233649号公報 特開昭61−128846号公報 特開2001−145454号公報 実開平07−028383号公報 特開平09−149755号公報 特開2001−269111号公報 特開2006−129816号公報 特開2006−280323号公報 特開2008−253144号公報
従って、本発明の目的は、内相にソフトな食感の呈味部分が点在し、その食感が経日的に変化しない、良好な品質のバラエティブレッドを得るためのバラエティブレッド生地を提供すること及び該特徴を有するバラエティブレッドの製造方法を提供することにある。
本発明者等は、上記目的を達成すべく種々検討した結果、小片状のゲル化したシュー生地を使用することにより、上記目的を達成し得ることを知見した。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、小片状のゲル化したシュー生地を含有することを特徴とするバラエティブレッド生地を提供するものである。
また、本発明は、小片状のゲル化したシュー生地を、ベースとなるパン生地に分散させる工程、及び/又は、ベースとなるパン生地に巻き込む工程を含むことを特徴とするバラエティブレッド生地の製造方法を提供するものである。
本発明のバラエティブレッド生地は、内相にソフトな食感の呈味部分が点在し、その食感が経日的に変化しない、良好な品質のバラエティブレッドを得ることができる。
また、本発明のバラエティブレッド生地の製造方法によれば、上記特徴を有するバラエティブレッドを得るためのバラエティブレッド生地を簡単に製造することができる。
まず、本発明で使用する小片状のゲル化したシュー生地について述べる。
上記小片状のゲル化したシュー生地は、ゲル化剤を含有するシュー生地を製造し、該生地を小片状としたものである。
上記ゲル化剤としては、グアーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、アラビアガム、アルギン酸類、ペクチン、キサンタンガム、プルラン、タマリンドシードガム、サイリウムシードガム、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、寒天、グルコマンナン、ゼラチン等が挙げられ、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
本発明では、上記ゲル化剤の中でも、ベースとなるパン生地中に練りこまれにくいこと及び得られるバラエティブレッドの呈味部分の食感がクラム部分との違和感がなく良好であることから、ゼラチン、寒天又はカラギーナンから選ばれた1種又は2種以上を使用することが好ましく、より好ましくは、ゼラチンを使用する。
また、上記シュー生地中におけるゲル化剤の含有量は、ゲル化剤の種類やゲル強度により異なり一概には言えないが、通常、シュー生地中に、0.1質量%〜10質量%、好ましくは1質量%〜2質量%程度である。ゲル化剤の含有量が0.1質量%より少ない場合には、ゲル化剤の効果が少なく、ベースとなるパン生地に簡単に練りこまれてしまいやすく、その場合、内相に呈味部分が点在するバラエティブレッドが得られない。また10質量%より多い場合には、呈味部分の食感がクラム部分との違和感が大きく、また、呈味部分の周辺に孔があきやすい等の悪影響が認められるようになる。
また、本発明では、上記シュー生地が水溶性糖類を3質量%〜20質量%、好ましくは5質量%〜10質量%含有することにより、ベースとなるパン生地のクラム部分との結着性が高まり、シュー生地の周囲に空洞が生じにくい点で好ましい。
上記水溶性糖類としては、特に限定されないが、例えば上白糖、グラニュー糖、粉糖、液糖、ブドウ糖、果糖、ショ糖、麦芽糖、乳糖、酵素糖化水飴、還元澱粉糖化物、異性化液糖、ショ糖結合水飴、オリゴ糖、還元糖ポリデキストロース、還元乳糖、ソルビトール、トレハロース、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、パラチノースオリゴ糖等の糖類が挙げられる。これらの糖類は、単独で用いることもでき、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。また、フラワーペースト類や、カスタード類などの上記水溶性糖類を含有する製菓材料を添加することももちろん可能である。
上記ゲル化剤、水溶性糖類以外は、上述のとおり、通常のシュー生地同様、主要原料として、澱粉類、油脂類、卵類、水等の原料を使用する。
上記澱粉類としては、例えば、強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉、デュラム粉、全粒粉などの小麦粉類、ライ麦粉、大麦粉、米粉などのその他の穀粉類、アーモンド粉、へーゼルナッツ粉、カシューナッツ粉、オーナッツ粉、松実粉などの堅果粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、タピオカ澱粉、小麦澱粉、甘藷澱粉、サゴ澱粉、米澱粉、モチ米澱粉などの澱粉や、α化処理、分解処理、エーテル化処理、エステル化処理、架橋処理、微細化、グラフト化処理などの中から選ばれた1種又は2種以上の処理を施した化工澱粉等が挙げられるが、本発明では、澱粉類中、小麦粉類を50質量%以上使用することが好ましく、70質量%以上がより好ましく、100質量%がさらに好ましい。
上記油脂類としては、例えば、ショートニング、マーガリン、バターなどの可塑性油脂組成物や、サラダ油、流動ショートニング、溶かしバターなどの流動状油脂組成物、また、粉末油脂などが挙げられる。また、油脂組成物が乳化物である場合、その乳化形態は、油中水型、水中油型及び二重乳化型のいずれでも構わない。
上記卵類としては、全卵、卵黄、卵白、加塩全卵、加塩卵黄、加塩卵白、加糖全卵、加糖卵黄、加糖卵白、乾燥全卵、乾燥卵黄、凍結全卵、凍結卵黄、凍結卵白、凍結加糖全卵、凍結加糖卵黄、凍結加糖卵白、酵素処理全卵、酵素処理卵黄などを用いることができ、これらの中から選ばれた1種または2種以上を用いることができる。
上記水としては、水道水や天然水が挙げられる。なお、水の一部または全部を、例えば、下記のその他の食品や添加物のうち、牛乳、部分脱脂乳、脱脂乳、発酵乳、乳酸菌飲料、乳飲料、加工乳、果汁、コーヒー飲料、紅茶飲料等の、水を多く含む食品や添加物で置換しても良い。
また、上記シュー生地には、本発明の目的の範囲内で所要により上記成分以外の、その他の食品や添加物を使用することが出来る。
上記のシュー生地に使用できるその他の食品や添加物としては、例えば、牛乳・部分脱脂乳・脱脂乳・発酵乳・乳酸菌飲料・乳飲料・加工乳・クリーム・チーズ・濃縮ホエイ・濃縮乳・脱脂濃縮乳・無糖練乳・無糖脱脂練乳・加糖練乳・加糖脱脂練乳・全粉乳・脱脂粉乳・クリームパウダー・ホエイパウダー・蛋白質濃縮ホエイパウダー・バターミルクパウダー・加糖粉乳・調製粉乳等の乳製品、甘味料、岩塩・精製塩・天塩等の食塩、デキストリン類、カゼインカルシウム・カゼインナトリウム・カゼインカリウム等の乳蛋白、アミラーゼ・プロテアーゼ・アミログルコシダーゼ・プルラナーゼ・ペントサナーゼ・セルラーゼ・リパーゼ・ホスフォリパーゼ・カタラーゼ・リポキシゲナーゼ・アスコルビン酸オキシダーゼ・スルフィドリルオキシダーゼ・ヘキソースオキシダーゼ・グルコースオキシダーゼ等の酵素、グリセリン脂肪酸エステル・ポリグリセリン脂肪酸エステル・グリセリン有機酸脂肪酸エステル・レシチン・ショ糖脂肪酸エステル・ステアロイル乳酸カルシウム等の乳化剤、重炭酸アンモニウム・重曹、ベーキングパウダー・イスパタ等の膨張剤、アスコルビン酸・シスチン等の酸化剤や還元剤、トコフェロール・茶抽出物・アスコルビン酸脂肪酸エステル等の酸化防止剤、β−カロチン・カラメル・紅麹色素等の着色料類、酢酸・乳酸・グルコン酸等の酸味料、塩化カリウム等の呈味剤、調味料、pH調整剤、食品保存料、日持ち向上剤、果実、ナッツペースト、香辛料、カカオマス、ココアパウダー、穀類、豆類、野菜類、肉類、酒類、魚介類、果汁、珈琲、コーヒー飲料、紅茶、紅茶飲料等の食品素材、着香料等が挙げられる。
次に、上記ゲル化剤を含有するシュー生地の製造方法について述べる。
上記ゲル化剤を含有するシュー生地の製造方法は、通常のシューの製造方法にゲル化剤を添加する工程を加える以外は特に限定されない。通常のシュー生地は、例えば、水、油脂類、食塩等を大きめの鍋、ボール等の容器に入れて煮沸させ、薄力粉等の澱粉類を加え練り上げて十分糊化させ、これに卵類を数回に分けて加え、均一に混合することによって得ることができるが、上記ゲル化剤を含有するシュー生地を得る場合は、煮沸時に添加、澱粉類の添加時に同時に添加、卵類の添加時に同時に添加、あるいは、卵類を混合し終わった生地に添加等の方法により、ゲル化剤を添加して均質に混合する。ゲル化剤を添加する際は、あらかじめ水や温水に溶解した状態で添加しても、粉末状で添加してもよい。なお、ゲル化剤の効果を十分に発揮するようにするため及び均質にシュー生地中に分散し溶解させるためには、あらかじめ温水に溶解した状態で、卵類の添加時に同時に添加、あるいは、卵類を混合し終わった生地に添加する方法によることが好ましい。
続いて、ゲル化及び小片化加工を行う。
なお、ゲル化させてから小片状に加工しても、小片状としてからゲル化させてもよいが、とくに小さな質量の小片を得る場合には、形状と質量を均質に揃えることが可能な点でゲル化させてから小片状に加工することが好ましい。
まず、通常のシュー生地は、澱粉類、油脂類、卵類及び水を主体とし、澱粉の糊化作用を利用して得られるものであり絞り生地であることから流動状の生地、すなわちバッターである。これに対し、本発明では、該シュー生地製造の際にゲル化剤を添加して製造することにより、冷却することでバッターからゲル状となるため、これを小片状に加工することが可能なのである。
そこで、まず、ゲル化させてから小片状に加工する方法について述べる。
まず、上記ゲル化剤を含有するシュー生地を、トレイ、バットや型等に流しこみ、冷却することによりゲル化させる。
ゲル化させる際の冷却温度や冷却時間等の冷却条件は、ゲル化剤の種類、ゲル強度、添加量等により異なり一概には言えないが、好ましくは0℃〜20℃、より好ましくは0℃〜10℃で、好ましくは1時間以上、より好ましくは3時間以上冷却し、完全にゲル化させる。
続いて小片状に加工する。
上記小片状とは、立方体状、直方体状、角柱状、多面体状、円柱状、半円柱状、球状、半球状、水滴状等の形状で、その質量が0.3g〜50g、好ましくは1g〜30gとしたものである。
なお、立方体状又は直方体状のものは一辺の長さが3mm〜35mm、好ましくは5mm〜15mm、角柱状のものは断面となる多角形の一辺が3mm〜35mmで長さが10mm〜100mm、好ましくは5mm〜15mmで長さが10mm〜35mm、円柱状又は半円柱状のものは直径が3mm〜35mm以下で長さが10mm〜100mm、好ましくは5mm〜15mmで長さが10mm〜35mm、球状のものは直径が3mm〜35mm、好ましくは5mm〜15mm程度のものである。
その成形方法としては、立方体や直方体の形状に細断する方法や、破砕する方法などを挙げることができる。
続いて、小片状としてからゲル化させる方法について述べる。
出来上がったばかりのシュー生地は上述のように流動状のバッターであるため、この生地を平板上に小片状となるように絞り、これを冷却してゲル化させる方法、あるいは、上記小片状の形状の型に入れて冷却してゲル化させる方法などが挙げられる。
また、上記小片状に加工する際にいったん冷凍してもよく、また得られた小片状のゲル化したシュー生地を冷凍保存してもよい。
本発明のバラエティブレッド生地は、上記小片状のゲル化したシュー生地を、ベースとなるパン生地100質量部に対して、好ましくは5質量部〜80質量部、更に好ましくは10質量部〜50質量部、最も好ましくは15質量部〜30質量部含有するものである。
該ベースとなるパン生地としては、食パン、菓子パン、パイ、デニッシュ、クロワッサン、フランスパン、セミハードロール、ワッフル、スコーン等の製造に用いられる生地として従来から使用されているものを用いることができるが、本発明では、その呈味部分の食感と、ベースとなるパンのクラムの食感との間に違和感のないパン類が得られる点で、糖類の配合量が澱粉類100質量部に対して好ましくは20質量部未満、より好ましくは15質量部未満、且つ、油脂類の配合量が澱粉類100質量部に対して、好ましくは15質量部未満、より好ましくは8質量部未満であるパン生地を用いることが好ましい。
なお、このベースとなるパン生地に使用することができる澱粉類、糖類、油脂類は、通常のパン生地で製造に使用するものを問題なく使用することができ、たとえば上述の、シュー生地の製造に使用することのできる澱粉類、油脂類、糖類と同様のものを問題なく使用することができる。
次に、本発明のバラエティブレッド生地の製造方法について述べる。
本発明のバラエティブレッド生地は、小片状のゲル化したシュー生地を、ベースとなるパン生地に分散させる工程、及び/又は、ベースとなるパン生地に巻き込む工程を含むものである。ここで、上記小片状のゲル化したシュー生地をパン生地に分散又は巻き込む際は、冷凍状態で添加することも可能であるが、好ましくは5℃〜25℃、より好ましくは10℃〜25℃に調温しておくことで、ベースとなるパン生地の品温の急激な上昇や下降を起こすことを防止できる点で好ましい。
上記小片状のゲル化したシュー生地をベースとなるパン生地に分散させる工程は、例えば、ベースとなるパン生地製造のミキシング途中で小片状のゲル化したシュー生地を添加し、軽く混合することにより行なうことができる。
また、上記小片状のゲル化したシュー生地を上記ベースとなるパン生地に巻き込む工程は、例えば、ベースとなるパン生地を成形するときに、小片状のゲル化したシュー生地をベースとなるパン生地上に散布し、これを巻き込むことにより行なうことができる。
なお、上記製造方法で用いる小片状のゲル化したシュー生地は、1種でもよいが、2種以上を同時に、又は、別々に添加してもよい。その具体的な方法としては、小片状のゲル化したシュー生地を分散させたバラエティブレッド生地を成形するときに別の小片状のゲル化したシュー生地を巻き込む方法や、ベースとなるパン生地を成形するときに、2種の小片状のゲル化したシュー生地をベースとなるパン生地上に数条の帯状に散布し、これを巻き込む方法等が挙げられる。
上記のようにして得られたバラエティブレッド生地は、通常のバラエティブレッド生地と同様に、必要に応じて、丸めたり、延展したり、さらに打抜く等の成形、型入れ、ホイロ等を行なった後、焼成、フライ、蒸す等の加熱工程に供することにより、バラエティブレッドとすることができる。
また、本発明のバラエティブレッド生地は、ホイロをとらずに冷凍又は冷蔵しても良いし、ホイロをとった後に冷凍又は冷蔵しても良い。
また、得られたバラエティブレッドは、冷凍保存することが可能であり、冷凍保存した後、電子レンジで解凍調理することが可能である。
以下、本発明で用いられる小片状のゲル化したシュー生地の製造例及び製造例で得られた小片状のゲル化したシュー生地を用いた本発明のバラエティブレッド生地の実施例等を挙げ、本発明のバラエティブレッド生地を更に詳しく説明する。しかしながら、本発明は、これらの製造例及び実施例等により何等制限されるものではない。
<小片状のシュー生地の製造>
〔製造例1〕
シュー用マーガリン140質量部及び水140質量部をミキサーボウルに計量し、ガスコンロにかけ、105℃になるまで加熱溶解した。これに小麦粉100質量部とココアパウダー5質量部の混合物を一度に投入し、激しく攪拌して、十分糊化・混合させた。ミキサーボウルをミキサーにセットし、中速で2分ミキシングし、55℃まで冷えたところで、膨張剤1質量部と冷水可溶性ゼラチン9.5質量部と全卵250質量部との混合物を、中速でミキシングしながら2分間かけて徐々に加え、さらに、中速で1分ミキシングし、ゲル化剤を1.5質量%含有するゲル化剤含有シュー生地とした。このシュー生地を厚さ10mmになるようにトレイに流しこみ、2℃の冷蔵庫で一晩冷却して完全にゲル化させた。これを10mm角の立方体に切り出し、小片状のゲル化したシュー生地Aを得た。
〔製造例2〕
製造例1で得たゲル化剤含有シュー生地100質量部に対しさらに上白糖7.5質量部を添加し、低速で2分ミキシングし、ゲル化剤を1.4質量%、上白糖を7質量%含有するゲル化剤含有シュー生地とした。このシュー生地を厚さ10mmになるようにトレイに流しこみ、2℃の冷蔵庫で一晩冷却して完全にゲル化させた。これを10mm角の立方体に切り出し、小片状のゲル化したシュー生地Bを得た。
〔製造例3〕
製造例1におけるゼラチンを無添加とした以外は同様にしてシュー生地を得た。このシュー生地を10mm角の型に流しこみ、マイナス20℃の冷凍庫で一晩冷却して完全に固化させた。これを型から取り出し、小片状の冷凍シュー生地Cを得た。
<バラエティブレッドの製造>
〔実施例1〕
まず、ベースとなるパン生地として下記の配合及び製法でセミハードロール生地を製造し、該セミハードロール生地と上記製造例1で得られた小片状のゲル化したシュー生地Aを使用して本発明のバラエティブレッド生地を製造し、さらに該バラエティブレッド生地を用いてバラエティブレッドを得た。
(配合及び製法)
強力粉70質量部、生イースト2質量部、イーストフード0.1質量部及び水40質量部をミキサーボウルに投入し、フックを使用し、低速で2分、中速で2分混合し、中種生地を得た。捏ね上げ温度は24℃であった。この中種生地を生地ボックスに入れ、温度28℃、相対湿度85%の恒温室で4時間、中種醗酵を行なった。終点温度は29℃であった。この中種醗酵の終了した生地を再びミキサーボウルに投入し、さらに、強力粉20質量部、薄力粉10質量部、食塩1.8質量部、上白糖3質量部及び水22質量部を添加し、低速で3分、中速で3分ミキシングした。ここで、練込油脂(マーガリン)7質量部を投入し、フックを使用し、低速で3分、中速で2分、高速で1分ミキシングを行ない、セミハードロール生地を得た。捏ね上げ温度は28℃であった。
次いで、得られたセミハードロール生地100質量部に、15℃に調温した上記小片状のゲル化したシュー生地Aを25質量部添加し、さらに低速で2分混合し、本発明のバラエティブレッド生地を得た。ここで、フロアタイムを30分とった後、70gに分割・丸めを行ない、次いでベンチタイムを20分とった後、モルダーを使用し、セミハード型に成形した。33℃、相対湿度70%で50分ホイロをとった後、クープを入れ、210℃に設定した固定窯に入れ、蒸気を入れ、15分焼成して、本発明のバラエティブレッドを得た。
〔実施例2〕
小片状のゲル状のシュー生地Aに代えて、製造例2で得られた小片状のゲル状のシュー生地Bを用いた以外は、実施例1と同様にして、本発明のバラエティブレッド生地を製造し、該バラエティブレッド生地を用いて本発明のバラエティブレッドを得た。
〔比較例1〕
小片状のゲル化したシュー生地Aに代えて、製造例3で得られた小片状の冷凍シュー生地Cを冷凍状態のまま(品温はマイナス20℃)用いた以外は、実施例1と同様にして、本発明のバラエティブレッド生地を製造し、該バラエティブレッド生地を用いて本発明のバラエティブレッドを得た。
<食感・製造性・体積試験>
上記実施例1及び2で得られたバラエティブレッドを、それぞれ、袋に詰めて25℃で3日静置した後、厚さ15mmにスライスし、試食したところ、何れも、小片状のゲル化したシュー生地が生地中に練り込まれることなく、呈味部分がセミハードロールのクラム中に点在し、その呈味部分はソフトな食感であり、クラム部分の食感との違和感がなく良好であった。
水溶性糖類を含有する小片状のゲル化したシュー生地を使用して得られた実施例2のバラエティブレッドは、水溶性糖類を含有しない小片状のゲル化したシュー生地を使用した実施例1のバラエティブレッドに比べ、呈味部分の周囲に空洞が全くないため、より良好な食感であった。それに対し、ゲル化剤を含有しない小片状の冷凍シュー生地を使用して得られた比較例1のバラエティブレッドは、冷凍状態で添加したにも係わらずシュー生地がパン生地中に均質に練りこまれてしまったため、呈味部分がセミハードロールのクラム中に見られなかった。
また、冷凍シュー生地を添加した時点で生地温度が低下したため、フロアタイム、ベンチタイムを若干延長する必要が生じ、さらに、得られたバラエティブレッドは、実施例1及び実施例2で得られたバラエティブレッドに比べて体積が劣っていた。
〔実施例3〕
製造例2で得られた小片状のゲル化したシュー生地Bを使用し、以下の配合及び製法により、バラエティブレッド生地を製造し、該バラエティブレッド生地を焼成して本発明のバラエティブレッドを得た。
(配合及び製法)
強力粉70質量部、生イースト2質量部、イーストフード0.1質量部及び水40質量部をミキサーボウルに投入し、フックを使用し、低速で2分、中速で2分混合し、中種生地を得た。捏ね上げ温度は24℃であった。この中種生地を生地ボックスに入れ、温度28℃、相対湿度85%の恒温室で、4時間、中種醗酵を行なった。終点温度は29℃であった。この中種醗酵の終了した生地を再びミキサーボウルに投入し、さらに、強力粉20質量部、薄力粉10質量部、食塩1.8質量部、上白糖3質量部及び水22質量部を添加し、低速で3分、中速で3分ミキシングした。ここで、練込油脂(マーガリン)7質量部を投入し、フックを使用し、低速で3分、中速で2分、高速で1分ミキシングを行ない、セミハードロール生地を得た。
ここで、フロアタイムを30分とった後、60gに分割・丸めを行ない、次いで、ベンチタイムを20分とった後、麺棒を用いてセミハードロール生地を平らに伸ばした。このセミハードロール生地上の全面に、セミハードロール生地100質量部に対し、上記小片状のゲル化したシュー生地Bを25質量部ばらまき、セミハードロール生地ごと端から巻き込み、本発明のバラエティブレッド生地を得た。次いで、33℃、相対湿度70%で50分ホイロをとった後、クープを入れ、210℃に設定した固定窯に入れ、蒸気を入れ、15分焼成して本発明のバラエティブレッドを得た。
<食感試験>
上記実施例3で得られたバラエティブレッドを、袋に詰めて25℃で3日静置した後、厚さ15mmにスライスし、試食したところ、呈味部分がセミハードロールのクラム中に渦巻き状に存在しており、その呈味部分はソフトな食感であり、クラム部分の食感との違和感がなく良好であった。

Claims (2)

  1. 小片状のゲル化したシュー生地を含有することを特徴とするバラエティブレッド生地。
  2. 小片状のゲル化したシュー生地を、ベースとなるパン生地に分散させる工程、及び/又は、ベースとなるパン生地に巻き込む工程を含むことを特徴とするバラエティブレッド生地の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013208100A (ja) * 2012-03-30 2013-10-10 Tsukishima Foods Industry Co Ltd シュー生地利用食品

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JP2013208100A (ja) * 2012-03-30 2013-10-10 Tsukishima Foods Industry Co Ltd シュー生地利用食品

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