JP2007274996A - 穂木収納容器およびこれを用いた接木装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】接木作業の作業性を大幅に向上させる。
【解決手段】穂木収納容器10に収納されている1組の穂木W2と同数の穂木W2が植設された台木カップ391を1組として順次搬送するカップ列搬送部30と、カップ列搬送部30の上流端位置から下流端に向けて台木供給部40、台木カット部50、穂木カット部60、接木操作部70、クリップ装着部80および苗木回収部90をそれぞれ配設し、台木供給部40から供給された1組の台木W1に台木カット部50でカッティング処理を施すことでV字溝W31を形成させる一方、穂木カット部60で1組の穂木W2にカッティング処理を施して先細り端部W32を形成し、接木操作部70で1組ずつの台木W1に穂木W2を接木処理し、クリップ装着部80で得られた苗木Wの接合部W3にクリップ89を装着し、苗木回収部90でクリップ89付きの苗木Wを回収する。
【選択図】図3

Description

本発明は、接木を行うときに使用される穂木を収納するための穂木収納容器およびこの穂木収納容器を利用する接木装置に関するものである。
従来、特許文献1に記載されているような接木方法が知られている。この接木方法は、接木用の苗木を切断した後、先端側の穂木になる方の切断片の接合端部に接木装置により先窄まりで多角錐状の接合用突部を形成させる一方、この穂木が接木される台木の切断面に前記接合用突部に対応した円錐状の接合凹孔を穿設し、この接合凹孔に前記接合用凸部を挿入することによって接木を行うものである。このような接合形状を採用すると、接合面を全周に満遍なく設けることができるため、接合の確実性が向上する。
特開2003−79244号公報
しかしながら、上記のような特許文献1に記載の接木方法にあっては、一旦苗木を切断して得た穂木側の切断片の基端部に接木装置を用いて多角錐状の接合用凸部を設けるための切削加工を施す作業が必要であり、また、台木用の苗木の切断面に接合凹部を凹設する必要がある。
すなわち、穂木を台木に接木するまでに、穂木用苗木の切断工程と、切断されて得られた穂木の基端部に切削加工を施して接合用突部を形成させる工程と、台木用の苗木を切断して台木を得る工程と、得られた台木の切断面に接合凹部を凹設する工程とを要してしまうことになり、しかも各工程が個別で、かつ、手作業を主体としたものになるため、結果として接木を1本ずつ行わざるを得ず、接木作業の作業効率が低いという問題点を有していた。
本発明は、かかる状況に鑑みなされたものであって、接木作業の作業性を大幅に向上させることが可能で、かつ、接木処理の自動化に適した穂木収納容器およびこの穂木収納容器を用いた接木装置を提供することを目的としている。
請求項1記載の発明は、接木用の複数本の穂木を収納する穂木収納容器であって、底板と側板を有し、天井面に開口を有する、穂木収納の容器本体と、前記開口を被う蓋体と有し、前記容器本体は、前記側板の一部上端縁で前記蓋体を前記開口に対して開閉可能に連結する蝶番部材と、前記蝶番部材を有する側板と対向する位置の対向側板の上端縁に形成され、収納された穂木の下部を外部に露出した状態で穂木を支持する所定個数の切欠きとを有することを特徴とするものである。
かかる構成によれば、蝶番部材回りの回動操作で蓋体を開成した上で、複数本の穂木のそれぞれをその基端部が対向側板に設けられた各切欠ききから外部に突出するようにして容器本体に入れていき、入れ終わった時点で蓋体を閉塞することにより、複数本の穂木がそれぞれの基端部(すなわち根の部分)を外部に突出させて穂木収納容器に収納された状態になる。
そして、穂木収納容器に収納された複数本の穂木は、接木処理のために切断処理に供される部分がそれぞれ容器本体から対向側板の切欠きを介して外部に突出しているため、これら複数本の穂木の外部に突出している部分に対して一度の切断処理を施すことにより、同時に複数本の穂木に穂木側接合端面が形成される。
また、複数本の穂木に対応して予め準備されて整列された複数本の台木に対し、穂木収納容器ごと接合操作することで一度に複数本の接木処理が完了する。
さらに、容器本体の対向側板には、穂木を通すべく、孔ではなく、一方が開成した切欠きが設けられているため、蓋体を開成した状態で単に切欠きに穂木を嵌め込むだけで穂木を容器本体に収納することができ、孔に通す必要がない分容器本体に対する穂木の装着作業が容易になり、しかも、接木処理が完了した後の苗木からの穂木収納容器の取り外しが容易になる。
このように、複数本の穂木が穂木収納容器に収納された状態で、これら複数本の穂木を穂木収納容器単位で接木処理に関し一括して取り扱うことが可能になるため、接木処理の自動化を図るに際し、1本ずつ供給される穂木に対して逐一接木用の処理を施す場合に比較し、接木処理の自動化が効率的に、かつ、容易に達成される。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記対向側板は、前記切欠きより上方に露出した、弾性材料からなる第1の支持部材を有し、前記蓋体は、前記開口を閉塞した状態で前記第1の支持部材に対向する位置に弾性材料からなる第2の支持部材を有することを特徴とするものである。
かかる構成によれば、穂木収納容器に収納された穂木は、容器本体の対向側の板切欠きから上方に露出した弾性材料からなる第1の支持部材によって支持されるとともに、蓋体には切欠きと対向した部分にも第1の支持部材と対向した弾性材料からなる第2の支持部材が設けられているため、蓋体が閉塞されることにより、穂木は、これら第1の支持部材と第2の支持部材とで挟持された状態になり、これによって穂木の支持が確実に行われるとともに、穂木が損傷することが確実に防止される。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の穂木収納容器に収納された各穂木の下部を切断して接合端面を形成する穂木カット部と、台木の下部をそれぞれ保持する、前記切欠きの個数と等しい複数個の台木保持容器と、前記台木保持容器に保持された台木の上部を切断して前記穂木の接合端面に一致する接合端面を形成する台木カット部と、前記穂木収納容器および台木収納容器を接合位置にそれぞれ搬送する搬送部と、前記接合位置で、前記穂木収納容器に収納された穂木の前記接合端面と前記台木収納容器に保持された台木の接合端面とをそれぞれ接合する接木操作部と、接合状態にある穂木と台木との各接合部分にクリップを装着するクリップ装着部とを備えてなることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、穂木収納容器に収納された各穂木は、穂木カット部においてその下部が切断されて接合端面が形成される一方、台木の下部をそれぞれ保持する、穂木収納容器の切欠きの個数と等しい複数個の台木保持容器に保持された各台木は、台木カット部においてそれらの上部が切断されて穂木の接合端面に一致する接合端面が形成される。
そして、それぞれ接合端面が形成された穂木および台木は、穂木収納容器および台木保持容器がそれぞれ搬送部によって接合位置に搬送されることにより上下で対向した状態とされ、この接合位置において穂木収納容器に収納された穂木の接合端面と台木収納容器に保持された台木の接合端面とが接木操作部の動作で互いに接合されて接木処理済みの苗木が形成される。
このようにして接ぎ木された苗木における接合状態にある穂木と台木とは、クリップ装着部において当該接合部分にクリップを装着され、これによって台木と穂木との接合状態が安定する。
このように台木は、複数本の台木が台木保持容器に保持されるとともに、穂木は、台木と同数本が穂木収納容器に収納された状態で、台木供給部、台木カット部、穂木カット部およびクリップ装着部の各部において一括して処理されるため、従来のように、台木および穂木の1本ずつに対して順番に接木処理を施していく場合に比較し、処理効率が大幅に向上する。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記クリップが装着された後、前記穂木収納容器の蓋体を開成する開成部と、前記開成後の穂木収納容器を回収する回収部とを備えたことを特徴とするものである。
かかる構成によれば、穂木と台木との接合部分にクリップが装着された後に開成部の操作で穂木収納容器の蓋体が開成されるため、穂木収納容器は、接木処理済みの苗木から取り外され得る状態になる。そして、苗木から取り外された穂木収納容器は、回収部により回収される。
請求項5記載の発明は、請求項3または4記載の発明において、前記搬送部は、穂木収納容器を、前記穂木カット部でのカット位置へ搬送した後、前記接合位置に搬送する穂木搬送手段を備えることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、穂木収納容器は、搬送部の穂木搬送手段によって穂木カット部のカット位置へ搬送され、各穂木に切断処理が施された後に接合位置へ搬送される。
請求項6記載の発明は、請求項3乃至5のいずれかに記載の発明において、前記搬送部は、台木保持容器を、前記台木カット部でのカット位置へ搬送した後、前記接合位置に搬送する台木搬送手段を備えることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、台木保持容器は、搬送部の台木搬送手段によって台木カット部のカット位置へ搬送され、各台木に切断処理が施された後に接合位置へ搬送される。
請求項7記載の発明は、請求項3乃至6のいずれかに記載の発明において、前記台木保持容器の複数個が一体化された、各台木保持容器に根付き台木を収納してなる容器群を搬送部に向けて移動させる台木供給コンベヤと、前記台木供給コンベヤによって容器群の最前列の台木保持容器が搬送部に供給された状態で最前列と次の列との間の介設部を切断する切断部材とを有していることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、台木供給部において、台木は、台木保持容器の複数個が一体化された容器群の各台木保持容器にそれぞれ根付き状態で収納されているため、特に各台木保持容器に対して整列処理を施すことなく、台木供給コンベヤの駆動で容器群を搬送部に向けて間欠移送することにより、所定の複数(1組)ずつの台木保持容器が搬送部へ容易に供給される。そして、1組の台木保持容器が搬送部に搬送された都度、当該最前列の台木保持容器と次の列の台木保持容器との間の介設部を切断部材によって切断することにより、それぞれが互いに位置設定された状態の1組の台木は、搬送部により下流側へ向けて搬送される。
このように、台木供給部で台木保持容器の複数個が一体化された容器群を採用するとともに、台木供給コンベヤによって搬送部に供給された最前列の台木保持容器を切断部材によって容器群から切り離すようにすることにより、台木供給コンベヤの駆動で1組ずつの台木保持容器の搬送部への供給が容易になるとともに、最前列の台木保持容器を切断部材で切り離すことにより、以後の接木処理を1組毎にまとまった状態で行うことが可能になる。
請求項8記載の発明は、請求項3乃至5のいずれかに記載の発明において、前記台木カット部は、台木の頂部に接合端面を形成するものであることを特徴とする。
かかる構成によれば、台木カット部において台木の頂部に接合端面が形成されるため、穂木は、この接合端面に接合される。
請求項9記載の発明は、請求項3乃至8のいずれかに記載の発明において、前記接木操作部は、前記穂木収納容器を前記搬送部に向けて移動させる第1移送手段と、前記第1移送手段上で最前列に位置した穂木収納容器を前記穂木カット部へ供給する第2移送手段と、前記穂木カット部で形成された接合端面を有する穂木を穂木収納容器ごと移動させて前記台木カット部で形成された台木の接合端面に接合させる接木機構とを備え、前記第1移送手段には、穂木の根を貫通させる貫通孔が穿設されていることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、接木操作部において、それぞれの内部に複数本の穂木が収納され、かつ、第1移送手段上に並べて載置された複数の穂木収納容器は、当該第1移送手段の間欠駆動で搬送部に向けて移動され、第1移送手段上で最前列に位置した穂木収納容器が接木機構の動作によって穂木カット部へ供給される。そして、接木機構により穂木収納容器ごと台木カット部へ供給された各穂木は、穂木収納容器から外部に突出している部分に台木カット部で切断処理が施され、台木側の接合端面が一斉に形成される。
接合端面が形成された1組の穂木は、さらに接木機構によって穂木収納容器ごと搬送部上に位置している1組の台木に向けて降下され、これによって各穂木の先鋭部である穂木側接合端面が対応した台木のV字溝に嵌め込まれ、1組の接木処理済みの苗木が得られる。
このように、接木操作部を、第1移送手段上に並べて載置された複数の穂木収納容器を搬送部へ向けて移動させる一対のローラ間に張設された第1移送手段と、第1移送手段上で最前列に位置した穂木収納容器を穂木カット部へ供給するとともに、穂木カット部で形成された穂木側接合端面を有する1組の穂木を穂木収納容器ごと移動させて前記台木カット部で形成された接合端面へ接合させる接木機構とを備えたものにすることにより、1組の穂木を1組の台木に対して一斉に接木処理することができ、接木処理の効率化が達成される。
そして、第1移送手段には、穂木収納容器が第1移送手段に向けて載置された状態で穂木の根を貫通させる貫通孔が穿設されているため、穂木収納容器は、穂木の根が貫通孔に貫通することで第1移送手段上に安定した状態で載置される。
請求項10記載の発明は、請求項1乃至8のいずれかに記載の発明において、前記搬送部は、複数のクリップを保持した状態で周回するクリップ移送コンベヤと、このクリップ移送コンベヤの最前列に位置した複数のクリップを前記台木の接合端面と穂木の接合端面との接合位置に装着するクリップ装着機構とを備えていることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、クリップ装着部において、クリップ移送コンベヤ上に複数のクリップを保持した状態で周回するクリップ移送コンベヤの最前列に位置した1組のクリップを、クリップ装着機構の動作により先の接木操作部で穂木が台木に接合されて形成した苗木の各接合位置にそれぞれ装着することにより、苗木における台木と穂木との接合状態が安定する。
このように、クリップ装着部を、複数のクリップを保持した状態で周回するクリップ移送コンベヤと、このクリップ移送コンベヤの最前列に位置した1組のクリップを各苗木の台木と穂木との接合位置でそれぞれクリップ処理するクリップ装着機構と、クリップ装着機構によりクリップが苗木の接合位置に装着された後に穂木収納容器を回収する容器回収機構とを備えて構成することにより、1組の苗木における台木と穂木との接合位置に対し一括してクリップを装着することができ、クリップ装着操作の効率化が達成される。
請求項11記載の発明は、請求項9または10記載の発明において、前記接木機構は、台木と穂木との接合部分にクリップが装着された苗木から、蓋体を開成させた上で穂木収納容器を取り外し、所定の回収位置へ移動させることにより空の穂木収納容器を回収する容器回収機構として機能するものであることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、接木機構の活用によって、専用の容器回収機構を設ける必要がなくなり、その分装置コストの低減化が実現する。
請求項12記載の発明は、請求項3乃至11のいずれかに記載の発明において、クリップ装着後の苗木を台木保持容器ごと回収する苗木回収部を有し、前記苗木回収部は、前記台木保持容器を搬出する苗木受取コンベヤと、この苗木受取コンベヤへ台木保持容器を移載する苗木移載部とを備えていることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、先の工程で苗木における台木と穂木との接合位置にクリップが装着された1組の苗木は、苗木移載部の動作により苗木受取コンベヤへ向けて移送され、苗木受取コンベヤの駆動で回収された後に商品として出荷される。
このように、苗木回収部が苗木を台木保持容器ごと搬出する苗木受取コンベヤと、この苗木受取コンベヤへ苗木を台木保持容器ごと移載する苗木移載部とを備えることにより、クリップの装着された1組ずつの苗木を自動的に回収して商品として出荷することができ、苗木の出荷作業の効率化が実現する。
請求項13記載の発明は、請求項12記載の発明において、前記苗木移載部は、シリンダからのピストンロッドの突出により前記台木保持容器を前記苗木受取コンベヤへ移載するシリンダ装置であることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、搬送部の最下流端まで搬送されたクリップ付きの苗木を有する1組の台木保持容器は、シリンダ装置のシリンダからのピストンロッドの突出により押圧されて搬送部から苗木受取コンベヤへ移送される。
このように、苗木移載部としてシリンダからのピストンロッドの突出により台木保持容器を搬送部から苗木受取コンベヤへ移送するシリンダ装置を採用することにより、苗木移載部を簡単な構造のものにした上で、搬送部上の苗木は、容易、かつ、確実に苗木受取コンベヤに移される。
請求項1記載の穂木収納容器によれば、複数本の穂木が穂木収納容器に収納された状態で、これら複数本の穂木を穂木収納容器単位で接木処理に関し一括して取り扱うことが可能になるため、接木処理の自動化を図るに際し、1本ずつ供給される穂木に対して逐一接木用の処理を施す場合に比較し、接木処理の自動化を効率的に、かつ、容易に図ることができる。
請求項2記載の発明によれば、基端側が容器本体の切欠きに嵌め込まれた状態で穂木収納容器に収納された穂木は、蓋体が閉塞されることにより第1の支持部材と第2の支持部材とで挟持されるため、穂木収納容器に収納された穂木が安定した状態で支持されるとともに、穂木の損傷を確実に防止することができる。
請求項3記載の発明によれば、台木は、複数本が台木保持容器に保持されるとともに、同数の穂木が穂木収納容器に収納された状態で、台木供給部、台木カット部、穂木カット部およびクリップ装着部の各部において一括して接木のための処理が施されるため、従来のように、台木および穂木の1本ずつに対して順番に接木処理を施していく場合に比較し、接木処理の処理効率を大幅に向上させることができる。
請求項4記載の発明によれば、穂木と台木との接合部分にクリップが装着された後に開成部の操作で穂木収納容器の蓋体が開成されるため、穂木収納容器は、接木処理済みの苗木から取り外され得る状態にすることができる。そして、苗木から取り外された穂木収納容器を回収部に回収することにより、以後の接木処理が空の穂木収納容器によって妨害されるような不都合の発生を有効に防止することができる。
請求項5記載の発明によれば、穂木収納容器は、搬送部の穂木搬送手段によって穂木カット部のカット位置へ搬送され、各穂木に切断処理が施された後に接合位置へ搬送されるため、穂木に切断処理を施しつつ当該穂木を円滑に搬送することができる。
請求項6記載の発明によれば、台木保持容器は、搬送部の台木搬送手段によって台木カット部のカット位置へ搬送され、各台木に切断処理が施された後に接合位置へ搬送されるため、台木に切断処理を施しつつ円滑に搬送することができる。
請求項7記載の発明によれば、台木供給部で台木保持容器の複数個が一体化された容器群を採用するとともに、台木供給コンベヤによって搬送部に供給された最前列の台木保持容器を切断部材によって容器群から切り離すようになされているため、台木供給コンベヤの駆動により1組ずつの台木保持容器を搬送部へ向けて容易に供給することができるとともに、最前列の台木保持容器を切断部材で切り離すことにより、以後の接木処理を1組毎にまとまった状態で行うことができ、接木処理の効率化に貢献することができる。
請求項8記載の発明によれば、台木カット部において台木の頂部に接合端面が形成されるため、穂木をこの接合端面に接合させることができる。
請求項9記載の発明によれば、接木操作部を、第1移送手段上に並べて載置された複数の穂木収納容器を搬送部へ向けて移動させる一対のローラ間に張設された第1移送手段と、第1移送手段上で最前列に位置した穂木収納容器を穂木カット部へ供給するとともに、穂木カット部で形成された穂木側接合端面を有する1組の穂木を穂木収納容器ごと移動させて前記台木カット部で形成された接合端面へ接合させる接木機構とを備えたものにすることにより、1組の穂木を1組の台木に対して一斉に接木処理することができ、接木処理の効率化を達成することができる。
そして、第1移送手段には、穂木収納容器が第1移送手段に向けて載置された状態で穂木の根を貫通させる貫通孔が穿設されているため、穂木収納容器を、穂木の根が貫通孔に貫通することで第1移送手段上に安定した状態で載置することができる。
請求項10記載の発明によれば、クリップ装着部を、複数のクリップを保持した状態で周回するクリップ移送コンベヤと、このクリップ移送コンベヤの最前列に位置した1組のクリップを各苗木の台木と穂木との接合位置でそれぞれクリップ処理するクリップ装着機構と、クリップ装着機構によりクリップが苗木の接合位置に装着された後に穂木収納容器を回収する容器回収機構とを備えて構成することにより、1組の苗木における台木と穂木との接合位置に対し一括して一斉にクリップを装着することができ、クリップ装着操作の効率化が達成することができる。
請求項11記載の発明によれば、接木操作部に設けられた接木機構を活用することによって、専用の容器回収機構を設ける必要がなくなり、その分装置コストの低減化に貢献することができる。
請求項12記載の発明によれば、苗木回収部が苗木を台木保持容器ごと搬出する苗木受取コンベヤと、この苗木受取コンベヤへ苗木を台木保持容器ごと移載する苗木移載部とを備えることにより、クリップの装着された1組ずつの苗木を自動的に回収して商品として出荷することができ、苗木の出荷作業の効率化に貢献することができる。
請求項13記載の発明によれば、苗木移載部としてシリンダからのピストンロッドの突出により台木保持容器を搬送部から苗木受取コンベヤへ移送するシリンダ装置が採用されているため、苗木移載部を簡単な構造のものにした上で、搬送部上の苗木を容易、かつ、確実に苗木受取コンベヤに移すことができる。
まず、本発明に係る穂木収納容器および接木装置について説明するに先立ち、図1を基に接木について概略的に説明する。図1は、接木を説明するための説明図であり、図1(A)は、穂木W2が台木W1に接合される直前の状態、図1(B)は、穂木W2が台木W1に接合されて接木の苗木Wが形成された状態をそれぞれ示している。
まず、図1(A)に示すように、接木処理によって接木済みの苗木Wをつくるに際しては、予め台木W1の切断面にV字カットが施されてV字溝(台木側の接合端面)W31が設けられる一方、穂木W2の切断位置に前記V字溝W31と対応した先細り端部(穂木側接合端面)W32が形成され、この先細り端部W32をV字溝W31に嵌め込むことによって接合部(接合位置)W3を形成することが行われ、これによって、図1(B)に示すような接木による苗木Wが完成する。
このようにして形成された接木処理済みの苗木Wは、台木W1のV字溝W31に穂木W2の先細り端部W32が差し込まれただけの状態になっている。そこで穂木W2が台木W1から外れるのを防止するべく苗木Wの接合部W3(図1(B)において二点鎖線で囲んだ部分)に後述する接木用のクリップ89が装着される。
そして、本発明にかかる穂木収納容器10およびこの穂木収納容器10を用いた接木装置20は、このような接木処理を、台木W1にV字溝W31を設ける工程、および穂木W2に先細り端部W32を形成させる工程をも含めて自動的に行うためのものである。
図2は、本発明に係る穂木収納容器の一実施形態を示す斜視図であり、図2(A)は、蓋体が開成された状態、図2(B)は、蓋体が閉塞された状態をそれぞれ示している。図1に示すように、穂木収納容器10は、複数本(図1に示す例では8本)の穂木W2が収納される容器本体11と、この容器本体11に対し開閉自在に取り付けられた蓋体12とを備えた基本構成を有している。
前記容器本体11は、扁平な箱体によって形成され、平面視で矩形状を呈する底板111と、この底板111の一方の長辺側の縁部(図1における手前側の縁部)から立設された第1長尺側板(対向側板)112と、底板111の他方の長辺側の縁部から立設された第2長尺側板113と、底板111の各短辺側の縁部から立設された一対の短尺側板114とを備えて扁平な直方体状に形成されている。かかる直方体状の容器本体11の底板111と対向する面は開口面110となっており、この開口面110を介して穂木W2を容器本体11内に対し挿脱し得るようになっている。
前記第1長尺側板112には、開口面110に臨んだ縁部から切り欠かれた状態で形成された複数(図1に示す例では8つ)の切欠き13が等ピッチで設けられている。これらの切欠き13は、容器本体11内に装着される穂木W2の基端側(根の側)を嵌め込むためのものである。かかる切欠き13は、本実施形態においてはV字状に形成されているが、本発明は、切欠き13がV字状であることに限定されるものではなく、半円状や半楕円状、さらには半多角形状であってもよい。
そして、第1長尺側板112の裏側には、スポンジや発泡性合成樹脂などの弾性材料からなる切欠き側支持部材(第1の支持部材)14が、第2長尺側板113の切欠き13のV字形状に沿い、かつ、若干切欠き13の内側に入り込んだ状態(開口面110に臨む側に露出した状態)で貼着されている。かかる切欠き側支持部材14が存在することにより、穂木W2を切欠き13に嵌め込んだ状態で当該穂木W2の位置固定(位置決め)が確実に行われるとともに、穂木W2の損傷が防止される。
また、一対の短尺側板114には、それらの略中央位置に互いに外方に向かって突設されたノックピン15がそれぞれ設けられている。これらのノックピン15は、穂木収納容器10を後述する接木装置20の各部において所定の操作を施すに際し、当該穂木収納容器10を位置決めするための基準として使用されるものである。
前記蓋体12は、前記容器本体11と平面視で同一形状に設定された平板によって形成されている。かかる蓋体12の一方の長辺側の縁部と前記容器本体11の第2長尺側板113の開口面110に臨んだ縁部との間には蝶番部材16が介設され、この蝶番部材16の蝶番軸161回りに回動することで容器本体11の開口面110を閉塞したり開成したりし得るようになっている。そして、本実施形態においては、蝶番軸161に一対の捻りバネ162が外嵌され、蓋体12は、普段これら一対の捻りバネ162の付勢力によって開成状態が維持されるようになっている。
かかる蓋体12の各短尺側の縁部における長尺側の縁部近傍には、蓋体12から互いに反対方向に向けて突設された係止部材17がそれぞれ設けられている一方、容器本体11の各短尺側板114には、前記係止部材17に対向した被係止突起18がそれぞれ突設されている。
前記係止部材17は、蓋体12の短尺側の縁部から外方に向かって突設された後、容器本体11へ向けて円弧が形成されるように湾曲された状態の半円状を呈する半円部171と、この半円部171の先端部から斜めに外方に向かって形成された誘導部172とを備えている。第1長尺側板112側に互いに反対方向に向けて突設された短尺側板114の延びる方向に長尺の半円柱状を呈する被係止突起18がそれぞれ設けられている。
これに対し各短尺側板114に形成された前記被係止突起18は、係止部材17の半円部171に対応するように蒲鉾状(半円柱状)に形成され、短尺側板114の長手方向に延びるように方向設定されている。
また、蓋体12の短尺側の各縁部には、容器本体11の各短尺側板114に設けられた各ノックピン15と対応する二股突片19がそれぞれ設けられ、蓋体12を閉塞することによってこれら二股突片19の隙間191がそれぞれ対応したノックピン15に嵌り込むようになっている。
さらに、蓋体12には、その裏面側の蝶番部材16と対向した縁部に、前記容器本体11側の各切欠き側支持部材14と対応した軟質の合成樹脂製の複数の蓋体側支持部材(第2の支持部材)14′がそれぞれ貼設され、これによって蓋体12が閉塞された状態で容器本体11内に収納されている各穂木W2の位置固定(位置決め)が確実に行われるとともに、穂木W2の切欠き13に位置している部分が保護されるようになっている。
このように構成された穂木収納容器10によれば、図2(A)に示すように、蓋体12を開成して容器本体11に複数本の穂木W2を、それらの根が各切欠き13からそれぞれ外部に突出するようにして装填し、引き続き蓋体12を閉塞することによって、複数本の穂木W2は、図2(B)に示すように、それらの根を第1長尺側板112に設けられた切欠き13から外部に突出させた状態で穂木収納容器10に装填された状態になる。
そして、容器本体11の開口面110が蓋体12によって閉塞された状態では、各係止部材17は、閉塞途中に誘導部172が被係止突起18と干渉することで一旦互いに離間する方向に向けて弾性変形した後、各半円部171がそれぞれ対応した被係止突起18に外嵌されるとともに、一対の二股突片19の各隙間191がそれぞれ対応したノックピン15に外嵌され、これらによって蓋体12による容器本体11の開口面110に対する閉塞状態が安定するようになされている。
また、穂木W2が穂木収納容器10に収納された状態で、当該穂木W2における容器本体11の切欠き13に位置している部分は、当該切欠き13に対応して第1長尺側板112の裏面側に貼設された弾性材料からなる切欠き側支持部材14と、蓋体12の裏面側に切欠き側支持部材14と対向して貼設された弾性材料からなる蓋体側支持部材14′とによって囲繞された状態になっているため、穂木収納容器10の移送中や取扱中に穂木W2が損傷するような不都合の発生を有効に防止することができる。
そして、本発明に係る接木装置20は、このような穂木収納容器10に装填された複数本の穂木W2を、別途用意された同数の台木W1に対して一斉に接合させて接木処理を効率的に行い得るようになされている。以下、図3および図4を基に接木装置20について説明する。
図3は、本発明に係る接木装置20の一実施形態を示す斜視図であり、図4は、その平面図である。なお、図3および図4においてX−X方向を左右方向、Y−Y方向を前後方向といい、特に−X方向を左方、+X方向を右方、−Y方向を前方、+Y方向を後方という。これらの図に示すように、接木装置20は、前後方向に長尺の作業台21の上部に配設されたカップ列搬送部30、台木供給部40、台木カット部50、穂木カット部60、接木操作部70、クリップ装着部80および苗木回収部90とを備えた基本構成を有している。
前記作業台21は、前後方向に長尺に寸法設定された作業ボード22と、この作業ボード22の四隅部およびその他の適所に設けられた当該作業ボード22を支持するための複数本の支柱23とを備えている。本実施形態においては、かかる作業台21の後方位置が上流側として設定され、前方位置が下流側として設定されている。
前記カップ列搬送部30は、後述するカップ列390および前記穂木収納容器10を接合位置にそれぞれ搬送する本発明に係る搬送部搬送部の一構成要素であり、台木供給部40で形成されたカップ列390を接合位置へ向けて搬送するものである。かかるカップ列搬送部30は、作業ボード22の左右方向の中央部で前後方向に延びるように形成され、前記穂木収納容器10に収納されている複数本の穂木W2(1組の穂木W2)と同数の台木W1を1組(カップ列390)として前方へ順次搬送するようになされている。
本実施形態においては、台木W1は、複数本が容器集合体(容器群)39に装着され、この容器集合体39がカップ列搬送部30に供給されるようになっている。かかる容器集合体39は、台木W1を収納した複数の台木カップ(台木保持容器)391と、隣接する台木カップ391間に介設された介設シート392とを備えている。かかる容器集合体39は、本実施形態においては、所定温度に加熱された熱可塑性合成樹脂からなる矩形状のシート体に対して金型を用いたプレス処理を施すことによって形成されている。
因みに、図3に示す例では、容器集合体39は、前後方向に8個、左右方向に15個で合計120個の台木カップ391がマトリックス状に縦横に配設されることによって構成されている。そして、各台木W1は、本発明に係る接木装置20による接木処理より前の工程において、容器集合体39の各台木カップ391に土付きで根ごと挿入され、茎だけ残して葉がカットされている。かかる複数本の台木W1が各台木カップ391に植え付けられた状態の容器集合体39が台木供給部40を介してカップ列搬送部30へ供給されるようになっている。
すなわち、前記台木供給部40は、カップ列搬送部30の上流端(後端)位置に対向配置され、1組ずつ(本実施形態においては1列の8個)の台木カップ391に挿入された各台木W1をカップ列搬送部30へ向けて供給するようになっている。
前記台木カット部50は、前記台木供給部40の下流側(前方側)で前記カップ列搬送部30の側部(図3に示す例ではカップ列搬送部30の左側)に対向配置され、各台木W1の上端部にV字溝W31を形成させるようになっている。
そして、本実施形態においては、カップ列搬送部30と台木供給部40とで本発明に係る搬送部の内の台木W1に関する部分を構成している。この場合、本発明に係る台木搬送手段は、後述する台木搬送ベルト42である。
前記穂木カット部60は、前記台木カット部50の下流側で前記カップ列搬送部30の上方位置に設けられ、1組の穂木W2の穂木収納容器10から外部に突出している部分にそれぞれ切断処理を施して前記V字溝W31に対応した先細り端部W32を形成させるようになっている。
前記接木操作部70は、前記台木カット部50の下流側で前記カップ列搬送部30の側部(図3に示す例ではカップ列搬送部30の右側)等に対向配置され、1組の穂木W2が収納された前記穂木収納容器10ごと操作して搬送されてきた1組の台木W1に1組の穂木W2をそれぞれ接木するようになっている。
そして、本実施形態においては、接木操作部70における後述の容器搬送ベルト(第1移送手段)71と、後述の作業ロボット73とで本発明に係る搬送部の内の穂木W2に関する部分(すなわち穂木搬送手段)を構成している。
前記クリップ装着部80は、前記カップ列搬送部30を挟んで前記接木操作部70に対向配置され(図3に示す例ではカップ列搬送部30の左側に対向配置され)、接木操作部70によって接木されることにより形成された1組の苗木における各台木W1と各穂木W2との各接合部分にそれぞれクリップ89を装着するようになっている。
前記苗木回収部90は、前記カップ列搬送部30の下流端位置に当該カップ列搬送部30と対向配置され(図3に示す例ではカップ列搬送部30を挟んで形成され)、接木処理済みの1組ずつの各苗木Wをカップ列搬送部30から回収するようになっている。
以下、接木装置20の各構成要素であるカップ列搬送部30、台木供給部40、台木カット部50、穂木カット部60、接木操作部70、クリップ装着部80および苗木回収部90のそれぞれについて、図5〜図11を基にさらに詳細に説明する。
図5は、カップ列搬送部30の一実施形態を示す一部切欠き斜視図である。なお、図5におけるXおよびYによる方向表示は、図3の場合と同様(Xは左右方向(−X:左方、+X:右方)、Yは前後方向(−Y:前方、+Y:後方))である。
図5に示すように、カップ列搬送部30は、作業台21の作業ボード22上に固定された前後方向に長尺の直方体状を呈するケーシング31と、このケーシング31の内外に装着された前記1組(容器集合体39における1列の8個)の台木カップ391を搬送するためのベルトコンベヤ32と、ケーシング31の内外に装着された、容器集合体39から1列(すなわち1組の8個)の台木カップ391を切断して分離するカップ分離機構33とを備えている。
前記ケーシング31は、下面が開成状態の箱形に形成され、その天板311に略前後方向の全長に亘るが設けられているとともに、下端縁部には外方に向かって突設されたフランジ313が設けられ、このフランジ313がねじその他の固定部材で作業ボード22に固定されることにより、当該ケーシング31が作業台21に装着されるようになっている。
前記ベルトコンベヤ32は、前記ケーシング31内の前後の端部にそれぞれ配設された一対の歯付きローラ321と、これら一対の歯付きローラ321間に張設されたタイミングベルト322と、一方の歯付きローラ321(図5に示す例では後方の歯付きローラ321)を軸心回りに駆動回転させる第1駆動モータ323とを備えている。
前記一対の歯付きローラ321は、各ローラ軸321aがケーシング31内の前後の端部で作業ボード22上に固定された一対のU字状を呈する軸受け部材324に左右方向へ延びた状態で軸支されている。そして、本実施形態においては、これら一対のローラ軸321aの内の後方のローラ軸321aが前記第1駆動モータ323の駆動軸と同心で一体回転可能に連結され、これによって第1駆動モータ323の駆動で後方の歯付きローラ321がローラ軸321aを介して駆動回転するようになっている。
かかる歯付きローラ321の周面には、全周に亘って所定ピッチで凸部(すなわち歯)が形成されている一方、前記タイミングベルト322には、その裏面側に全長に亘って前記歯付きローラ321の歯に対応する凹凸が形成され、これらの凹凸が歯付きローラ321の周面の歯に嵌り込むことによってタイミングベルト322は、スリップすることなく一対の歯付きローラ321間で周回し得るようになっている。
そして、タイミングベルト322は、一対の歯付きローラ321間に張設された状態で、その往きベルトが前記ケーシング31の長尺開口312から僅かに外部に突出し、これによって台木供給部40からカップ列搬送部30へ運び込まれてタイミングベルト322上に載置された台木カップ391が当該タイミングベルト322の周回で下流側(前方)に向けて搬送され得るようになっている。
このようなタイミングベルト322の表面側には、全周に亘って複数の位置決め突起322aが突設されている。かかるタイミングベルト322は、位置決め突起322a間の距離が容器集合体39から切り離された1組の台木カップ391(すなわち8個の台木カップ391)の長さ寸法より僅かに長めに設定された部分(台木カップ保持域322b)と、この台木カップ保持域322bに隣設された台木カップ保持域322bより距離が短い部分(緩衝域322c)とを備えている。
そして、タイミングベルト322上の台木カップ保持域322bに位置した1組の台木カップ391は、当該タイミングベルト322の周回によって位置決め突起322aにより押圧されるようになっている。これによって台木カップ391は、タイミングベルト322上でスリップすることが防止され、タイミングベルト322上での確実な位置決めが行われることになる。
また、前記天板311の裏面側には、長尺開口312を左右方向に向けて横断するように所定個数のベルト支持板314が架設され、一対の歯付きローラ321間を周回しているタイミングベルト322は、その往きベルトがこれらのベルト支持板314に支持されることにより、弛んで長尺開口312内に没入してしまうことが防止されるようになっている。
前記カップ分離機構33は、台木供給部40からタイミングベルト322上へ供給された容器集合体39の最前列の台木カップ391を、当該容器集合体39の残りの部分から切り離すためのものである。かかるカップ分離機構33は、容器集合体39を切断する丸鋸(切断部材)331と、この丸鋸331を軸心回りに駆動回転させる第2駆動モータ332と、前記丸鋸331を第2駆動モータ332ごと前後方向に移動させる丸鋸移動機構333とを備えている。
一方、前記ケーシング31の天板311には、長尺開口312の右側においてその後端位置から前方に向けて開口された長孔315が設けられ、前記丸鋸331は、その一部がケーシング31内からこの長孔315を介して上方に突出されている。
前記丸鋸331は、台木供給部40から搬送された容器集合体39の最前列がタイミングベルト322上に位置した状態で、前記長孔315内を前方から後方に向けて移動することにより、最前列の台木カップ391と次の列の台木カップ391との間の介設シート392を前後方向に向けて切断するものである。かかる丸鋸331による切断処理でそれぞれに台木W1が装填された1組の台木カップ391(以下カップ列390という)が形成される。以後、このカップ列390に対して後述する所定の接木処理が施されることになる。
前記丸鋸移動機構333は、ケーシング31内における前記長孔315の下方位置に設けられた前後一対のプーリ334と、これら一対のプーリ334間に張設された無端ベルト335と、前方のプーリ334を軸心回りに駆動回転させる第3駆動モータ336とを備えている。そして、無端ベルト335の上方側の往きベルトが第2駆動モータ332に連結され、無端ベルト335の駆動で無端ベルト335を時計方向に向けて周回させることにより、ホームポジション(後端部)に位置した第2駆動モータ332が前方に向けて移動することになる。
従って、容器集合体39の最前列(カップ列390)がタイミングベルト322の台木カップ保持域322bに位置した状態で、第2駆動モータ332の駆動により丸鋸331を軸心回りに回転させつつ、第3駆動モータ336の駆動により丸鋸331を長孔315に沿って前方に向けて移動させることにより、容器集合体39のカップ列390と残部との間の介設シート392が切断され、これによってカップ列390が移動可能な状態でタイミングベルト322に装着されることになる。
つぎに、図6を基に台木供給部40の一実施形態について説明する。図6は、台木供給部40の一実施形態を示す一部切欠き斜視図である。なお、図6におけるXおよびYによる方向表示は、図3の場合と同様(Xは左右方向(−X:左方、+X:右方)、Yは前後方向(−Y:前方、+Y:後方))である。
図6に示すように、台木供給部40は、容器集合体39を1列ずつカップ列搬送部30のタイミングベルト322の上流端へ向けて移動させるためのものである。かかる台木供給部40は、ケーシング31と平行に配設された左右方向一対の台木ローラ41と、これら一対の台木ローラ41間に張設された無端ベルトである台木搬送ベルト(台木供給コンベヤ)42と、この台木搬送ベルト42を一対の台木ローラ41間で周回させるための第4駆動モータ43とを備えている。
前記台木ローラ41の内の左側のものは、作業台21の作業ボード22上に立設された前後方向一対の左方軸受44にローラ軸411が軸心回りに回転可能に支持されているとともに、同右方のものは、図略のフロアに立設された前後方向一対の右方軸受45にローラ軸411が軸心回りに回転可能に支持されている。
前記台木搬送ベルト42は、前後幅寸法が容器集合体39の有効前後幅寸法(1列の8個の台木カップ391の内の前端の台木カップ391の前壁と後端の台木カップ391の後壁との間の寸法)より僅かに広めに設定されたベルト本体421と、このベルト本体421の前後の縁部に形成された厚み寸法がベルト本体421の厚み寸法より厚い前後方向一対の縁堰条422とを備えている。各縁堰条422は、ベルト本体421の表面から外方に向かって突設され、これによってベルト本体421上に載置された容器集合体39は、前後方向への移動が規制されるようになっている。
前記第4駆動モータ43は、本実施形態においては、右側の台木ローラ41の前方位置における図略のフロア上に駆動軸431が前後方向に延びた状態で据え付けられている。かかる第4駆動モータ43の駆動軸431には同心で一体回転可能にモータ側プーリ432が設けられている一方、ローラ軸411にはモータ側プーリ432と対向したローラ側プーリ433が同心で一体回転可能に設けられ、これらモータ側プーリ432およびローラ側プーリ433間にタイミングベルト434が張設されている。
かかる台木供給部40によれば、第4駆動モータ43を反時計方向に向けて駆動させることにより、この駆動が駆動軸431、モータ側プーリ432、タイミングベルト434およびローラ側プーリ433を介してローラ軸411へ伝達され、このローラ軸411の軸心回りの回転によって右側の台木ローラ41が駆動回転するとともに、左側の台木ローラ41が台木搬送ベルト42を介して従動し、これによって台木搬送ベルト42が一対の台木ローラ41間で反時計方向に向けて周回することになるため、台木搬送ベルト42のベルト本体421上に載置された容器集合体39がカップ列搬送部30へ向かわせられることになる。
そして、本発明においては、第4駆動モータ43は、1つの台木カップ391の左右寸法分だけ駆動した後、容器集合体39から最前列のカップ列390が前記カップ分離機構33により切り離し処理された後にタイミングベルト322の周回で切り離されたカップ列390が台木カット部50へ移送されてしまうまでの間停止されるように間欠駆動される。従って、第4駆動モータ43を間欠駆動させるとともに、この間欠駆動に同期させてカップ分離機構33および第1駆動モータ323を間欠駆動させることにより、台木搬送ベルト42上に載置された容器集合体39は、最下流位置のカップ列390が順次切り離されて順番に台木カット部50へ向かわせられることになる。
つぎに、図7を基に台木カット部50の一実施形態について説明する。図7は、台木カット部50の一実施形態を示す一部切欠き斜視図であり、図7(A)は全体斜視図、図7(B)は部分斜視図である。なお、図7におけるXおよびYによる方向表示は、図3の場合と同様(Xは左右方向(−X:左方、+X:右方)、Yは前後方向(−Y:前方、+Y:後方))である。
台木カット部50は、図7(A)に示すように、カップ列搬送部30のケーシング31を挟んで当該ケーシング31の上方位置で対向した台木W1を切断し、その頂部にV字溝W31を形成する切断機構51と、この切断機構51による切断処理に際し台木W1を受ける受け部材52とを備えている。
前記切断機構51は、カップ列搬送部30のケーシング31の左側における作業ボード22上に立設された外観視で直方体状を呈する前後方向に長尺の案内枠体511と、この案内枠体511に案内されつつ左右方向に向けて正逆移動する外観視で直方体状を呈した前後方向に長尺の移動体512と、この移動体512を移動させる前後方向一対のシリンダ装置513と、前記移動体512の右面から右方に向かって突設された複数本の切断刃部材53とを備えている。
前記案内枠体511には、前後方向に長尺の角孔514が設けられ、前記移動体512は、この角孔514に嵌め込まれた状態で当該角孔514に案内されつつ左右方向に向けて正逆移動し得るようになっている。
前記シリンダ装置513は、案内枠体511の左面に固定され、図略のピストンロッドが案内枠体511の左壁面を貫通して移動体512に連結されている。これによって移動体512は、シリンダ装置513の正逆駆動で受け部材52に対し進退し得るようになっている。
前記切断刃部材53は、カップ列搬送部30により台木カット部50へ搬送されてきたカップ列390の各台木カップ391に植設されている台木W1に対し切断処理を施すことにより、その頂部にV字溝W31を形成させるものであり、移動体512の右面から右方に向けて複数本が突設されている。かかる複数本の切断刃部材53は、カップ列390の各台木W1と同一ピッチで設けられている。
従って、カップ列390がタイミングベルト322上で所定の位置に位置決めされた状態で、シリンダ装置513の駆動により移動体512を右方に向けて突出させると、各台木W1が前記受け部材52に支持された状態で各切断刃部材53がそれぞれ対応した台木W1をV字状に切断し、これによって台木W1の頂部にV字溝W31を形成させることになる。
前記切断刃部材53は、図7(B)に示すように、移動体512の右面から右方に向けて突設された中央刃物54と、この中央刃物54の両側面から互いに反対方向に向けて分岐された、中央刃物54の長手方向に延びる一対の分岐刃物55とを備えている。
前記中央刃物54は、長さが所定寸法、ここでは50mm〜150mmに設定されている。かかる寸法が設定されるのは、中央刃物54が50mm未満であると分岐刃物55に後述する緩やかな傾斜を形成させ得なくなるからであり、また、接木する台木W1の径寸法を勘案して中央刃物54を150mm以上に設定する必要がないからである。因みに、本実施形態においては、中央刃物54の長さ寸法が略120mmに設定されているが、略120mmであることに限定されるものではなく、台木W1の種類や太さに応じて適宜最適の長さ寸法が設定される。
かかる中央刃物54は、移動体512の右面から右方に向かって真っ直ぐに延びた峰部541と、この峰部541の先端に形成された切れ目形成刃542とからなっている。前記峰部541は、全長に亘って同一の峰高さ(峰部541の対向した縁部間の距離、本実施形態では略22mm)に設定されているが、峰高さが略22mmであることに限定されるものではなく、状況に応じて適宜の峰高さが設定される。
前記切れ目形成刃542は、峰部541の上縁から右方に向けて先下がりに傾斜した上部切れ目形成刃543と、下縁から右方に向けて先上がりに傾斜した下部切れ目形成刃544とからなっている。かかる上下の切れ目形成刃543,544は、中央刃物54の長手方向に延びる中心線に対する傾斜角度αが、いずれも略30°に設定されているが、略30°であることに限定されるものではなく、状況に応じて種々の角度を設定することが可能である。
そして、上部切れ目形成刃543は、峰部541の峰高さの略70%を占めるとともに、下部切れ目形成刃544は、峰部541の峰高さの略30%を占めるように設置位置が設定され、これによって上部切れ目形成刃543の方が下部切れ目形成刃544より長くなっている。かかる上下の切れ目形成刃543,544の交差位置には、外方に向かって先鋭に尖った切っ先545が形成されている。
前記各分岐刃物55は、中央刃物54の両側面において中央刃物54の延びる方向に延びた切っ先545を通る上下の分岐線に沿い、かつ、互いに反対方向に向けて先上がりに傾斜した状態で中央刃物54に固定されている。かかる分岐刃物55は、長さ寸法が中央刃物54の長さ寸法より若干短めに設定され、かつ、先端側(切れ目形成刃542が設けられている側)に向けて先細りになるような直角三角状に形状設定されている。
このような分岐刃物55は、所定の厚み寸法を有する直角三角形状の峰部551と、この峰部551の直角三角形状の斜辺に対応する縁部に形成された両刃のV字状切断刃552とからなっている。各峰部551と中央刃物54との間の角度は、略30°に設定されているが、角度が略30°であることに限定されるものではなく、台木W1の種類や太さに応じて適宜の角度が設定される。また、直角三角形状の各分岐刃物55の底辺部分とV字状切断刃552の延びる方向との間に形成される角度は、略10°に設定されているが、角度が略10°であることに限定されるものではなく適宜の角度が設定される。
このように構成された切断刃部材53は、前記受け部材52がシリンダ装置513の初期駆動で台木W1の側部に押し当てられた状態で、切れ目形成刃542の切っ先545が受け部材52と対向するように台木W1の周面に一旦差し込まれて位置決めされ、引き続きシリンダ装置513の本格的駆動で受け部材52に向けて押圧されることにより台木W1を切断するようになっている。
前記受け部材52は、台木W1を目掛けて向かってくる切断刃部材53に対し当該台木W1を受けて支持するものであり、作業台21におけるケーシング31の右側の作業ボード22上に配置された支持台521と、この支持台521に一体的に支持された受け部材本体522とを備えている。
受け部材本体522は、カップ列搬送部30のケーシング31を挟んで前記移動体512と対向配置され、移動体512と同一長さ寸法を備えている。かかる受け部材本体522における前記各切断刃部材53と対向した位置には、図7(B)に示すようなY字状を呈した刃物受入れ溝56がそれぞれ設けられている。この刃物受入れ溝56は、前記切断刃部材53の中央刃物54が差し込まれる中央差込み溝57と、切断刃部材53の一対の分岐刃物55が差し込まれる中央差込み溝57から分岐された一対の分岐差込み溝58とからなっている。
前記中央差込み溝57は、受け部材本体522の台木W1と対向した先端部分が開成端とされ、かつ、この開成端から受け部材本体522の長尺方向に向けて延びるように形成されている。かかる中央差込み溝57は、長さ寸法が切断刃部材53の中央刃物54の長さ寸法と略同一に設定されているとともに上面が外部に向かって開成されている。
前記一対の分岐差込み溝58は、中央差込み溝57の上下方向の中央部より若干下方の分岐位置571から互いに反対方向に向けて分岐され、台木W1と対向される面が中央差込み溝57と同様に開成端とされているとともに、中央差込み溝57と同様に上面が外部に向かって開成されている。各分岐差込み溝58の長さ寸法は、前記切断刃部材53の分岐刃物55に対応するように中央差込み溝57の長さ寸法より若干短めに設定されている。
また、前記中央差込み溝57における前記分岐位置571より下方部分には、切断刃部材53の中央刃物54より下方部分が差し通される下方溝572が形成され、この下方溝572に中央刃物54の分岐刃物55より下方部分が差し通されるようになっている。
さらに、受け部材本体522の台木W1と対向する端面には、台木W1を抱え込み得るように凹没されることによって形成した凹没面59が形成されている。この凹没面59は、中央差込み溝57の上下方向に延びる中心線を境にして左右に対称に形成された一対の傾斜端面591によって形成されている。従って、台木W1が受け部材本体522の凹没面59に押し付けられることにより、当該台木W1は、一対の傾斜端面591によって抱持され、これによって台木W1の受け部材52に対する押し当て状態を安定させることができる。
そして、本実施形態においては、各傾斜端面591によって形成される角度は、120°に設定されているが、本発明は、この角度が120°であることに限定されるものではなく、対象とする台木W1の太さや種類等に応じて適宜設定することができる。
かかる構成の台木カット部50によれば、図7(A)に示すように、カップ列390がカップ列搬送部30の駆動により台木供給部40から台木カット部50に送り込まれた状態、すなわちカップ列390の各台木カップ391に植設されている各台木W1が切断刃部材53の切っ先545に対向した状態において、シリンダ装置513の駆動により移動体512を案内枠体511から右方に向けて突出させると、台木W1は、まず切断刃部材53の切っ先545に押されて右方へ撓み、これによって、図7(B)に二点鎖線で示すように、受け部材本体522における凹没面59の傾斜端面591間に受けられた状態になる。
この状態で切断刃部材53の突出が継続されることにより、当該切断刃部材53の中央刃物54が受け部材52の中央差込み溝57に嵌り込んでいくとともに、一対の分岐刃物55が一対の分岐差込み溝58に嵌り込んでいき、これによって台木W1が上下に分断されるとともに、当該台木W1の頂部にV字溝W31(図1(A)参照)が形成されることになる。切断刃部材53は、台木W1にV字溝W31を形成させた後、シリンダ装置513が逆駆動されることによりホームポジションに戻されることになる。
このように、シリンダ装置513の駆動による移動体512の1度の往復動で複数本の台木W1に同時にV字溝W31が形成されるため、従来のように1本ずつ供給される台木W1に対して切断刃部材53の操作で順番にV字溝W31を形成される方式に比較し、処理効率が格段に向上する。
つぎに、図8を基に穂木カット部60の一実施形態について説明する。図8は、穂木カット部60の一実施形態を示す一部切欠き斜視図である。なお、図8におけるXおよびYによる方向表示は、図3の場合と同様(Xは左右方向(−X:左方、+X:右方)、Yは前後方向(−Y:前方、+Y:後方))である。
穂木カット部60は、予め穂木収納容器10に収納された、カップ列390に保持されている台木W1と同数の穂木W2に対してカッティング処理を施し、その切断面に前記台木W1のV字溝W31と対応した先細り端部W32(図1参照)を形成させるものである。かかる穂木カット部60は、図8に示すように、後述する作業ロボット(接木機構)73に吊持された穂木収納容器10を挟んで当該穂木収納容器10から下方に向けて突出した穂木W2を切断し、その下端部に先細り端部W32を形成する切断機構61と、この切断機構61による切断処理に際し台木W1を受ける受け部材62とを備えている。
前記切断機構61は、作業台21の左側の枠体69に支持された外観視で直方体状を呈する前後方向に長尺の案内枠体611と、この案内枠体611に案内されつつ左右方向に向けて正逆移動する外観視で直方体状を呈した前後方向に長尺の移動体612と、この移動体612を移動させる前後方向一対のシリンダ装置613と、前記移動体612の右面から右方に向かって突設された複数本の切断刃部材63とを備えている。
前記案内枠体611には、前後方向に長尺の角孔614が設けられ、前記移動体612は、この角孔614に嵌め込まれた状態で当該角孔614に案内されつつ左右方向に向けて正逆移動し得るようになっている。
前記シリンダ装置613は、案内枠体611の左面に固定され、図略のピストンロッドが案内枠体611の左壁面を貫通して移動体612に連結されている。これによって移動体612は、シリンダ装置613の正逆駆動で受け部材62に対し進退し得るようになっている。
前記切断刃部材63は、後述する作業ロボット73の容器把持アーム74により吊持された穂木収納容器10から下方に向けて突出されている各穂木W2に対し切断処理を施すことにより、その下端部に前記台木W1のV字溝W31に対応した先細り端部W32を形成させるものであり、移動体612の右面から右方に向けて複数本が突設されている。かかる複数本の切断刃部材63は、穂木収納容器10に収納された各穂木W2と同一ピッチで設けられている。
従って、穂木収納容器10が作業ロボット73の動作により、図8に二点鎖線で示すように、所定の高さ位置に位置決めされた状態で、シリンダ装置613の駆動により移動体612を右方に向けて突出させると、各穂木W2が前記受け部材52に支持された状態で各切断刃部材63がそれぞれ対応した穂木W2をV字状に切断し、これによって穂木W2の頂部に先細り端部W32を形成させることになる。
前記切断刃部材63は、先の台木カット部50で採用されている切断刃部材53と全く同様に構成され、移動体612の右面から右方に向けて突設された中央刃物64と、この中央刃物64の両側面から互いに反対方向に向けて分岐された、中央刃物64の長手方向に延びる一対の分岐刃物65とを備えているのであるが、切断刃部材53と全く同様であるためその説明を省略する。
前記受け部材62は、穂木W2を目掛けて向かってくる切断刃部材63に対し当該穂木W2を受けて支持するものであり、作業台21におけるケーシング31の左側の作業ボード22上に配置された門構え枠体621と、この門構え枠体621の上面に一体的に支持された受け部材本体622とを備えている。
前記門構え枠体621は、作業ボード22上に立設された前後方向一対の支柱621aと、これら一対の支柱621aの頂部間に架設された梁材621bとから構成されている。前記一対の支柱621aは、梁材621bとケーシング31との間に相当の隙間621cが形成されるように高さ設定されている。このようにされるのは、前記隙間621cを介してクリップ装着部80からの後述する接木用のクリップ89をベルトコンベヤ32のタイミングベルト322上の苗木Wにおける台木W1と穂木W2との接合部W3に装着するためである。
受け部材本体622は、作業ロボット73の容器把持アーム74に包持された穂木収納容器10を介して前記移動体612と対向配置され、移動体612と同一長さ寸法を備えている。かかる受け部材本体622における前記各切断刃部材63と対向した位置には、先の台木カット部50の受け部材本体522におけるY字状を呈した刃物受入れ溝56と同様の刃物受入れ溝66がそれぞれ設けられている。この刃物受入れ溝66は、先の刃物受入れ溝56と同様に構成され、前記切断刃部材63の中央刃物64が差し込まれる中央差込み溝67と、切断刃部材63の一対の分岐刃物65が差し込まれる中央差込み溝67から分岐された一対の分岐差込み溝68とからなっているのであるが、前記刃物受入れ溝56と同様であるため詳細な説明は省略する。
そして、受け部材本体622の穂木W2と対向する端面には、穂木W2を抱え込み得るように凹没されることによって形成した前記台木カット部50における凹没面59と同様の凹没面69が形成されている。この凹没面69は、中央差込み溝67の上下方向に延びる中心線を境にして左右に対称に形成された一対の傾斜端面691によって形成されている。従って、穂木W2が受け部材本体622の凹没面69に押し付けられることにより、穂木W2は、一対の傾斜端面691によって抱持されるため、受け部材62の穂木W2に対する押し当て状態が安定する。
そして、本実施形態においては、各傾斜端面691によって形成される角度は、120°に設定されているが、本発明は、この角度が120°であることに限定されるものではなく、対象とする穂木W2の太さや種類等に応じて適宜設定することができる。
かかる構成の穂木カット部60によれば、穂木収納容器10が作業ロボット73の動作により接木操作部70の後述する容器搬送ベルト71から吊り上げられて穂木カット部60の上部に位置設定された状態、すなわち穂木収納容器10に収納されている各穂木W2の下部が穂木収納容器10から下方に向けて突出された状態において、シリンダ装置613の駆動により移動体612を案内枠体611から右方に向けて突出させると、穂木W2は、まず切断刃部材63の切っ先645に押されて右方へ向かい、受け部材本体622における凹没面69の傾斜端面691間に受けられた状態になる。
この状態で切断刃部材63の突出が継続されることにより、当該切断刃部材63の中央刃物64が受け部材62の中央差込み溝67に嵌り込んでいくとともに、一対の分岐刃物65が一対の分岐差込み溝68に嵌り込んでいき、これによって穂木W2が上下に分断されるとともに、当該穂木W2の下端部に先細り端部W32(図1(A)参照)が形成されることになる。切断刃部材63は、穂木W2に先細り端部W32を形成させた後、シリンダ装置613が逆駆動されることにより元のホームポジションに戻されることになる。
このように、シリンダ装置613の駆動による移動体612の1度の往復動で複数本の穂木W2に同時に先細り端部W32が形成されるため、従来のように1本ずつ供給される穂木W2に対して切断刃部材63の操作で順番に先細り端部W32を形成される方式に比較し、処理効率を格段に向上させることができる。
つぎに、図9を基に接木操作部70の一実施形態について説明する。図9は、接木操作部70の一実施形態を示す一部切欠き斜視図である。なお、図9におけるXおよびYによる方向表示は、図3の場合と同様(Xは左右方向(−X:左方、+X:右方)、Yは前後方向(−Y:前方、+Y:後方))である。
図9に示すように、接木操作部70は、穂木収納容器10に収納された状態の1組(本実施形態においては8本)の穂木W2に対し前記穂木カット部60において先細り端部W32を形成させた後に、当該各穂木W2の先細り端部W32を、穂木収納容器10ごと操作してカップ列390に保持されている同数の台木W1の各V字溝W31に接合させるものである。
かかる接木操作部70は、予め所定本数(本実施形態においては8本)の穂木W2が収納された穂木収納容器10をカップ列搬送部30側へ搬送する容器搬送ベルト(第1移送手段)71と、この容器搬送ベルト71を周回駆動させる駆動機構72と、容器搬送ベルト71上の穂木収納容器10に対して各種の動作を施す作業ロボット(接木機構)73とを備えている。
前記容器搬送ベルト71は、従動ローラ713と駆動ローラ716との間に掛け回されている。前記従動ローラ713は、作業台21の作業ボード22上に立設された前後方向一対の左方軸受711にローラ軸712回りに回転可能に軸支されているとともに、前記駆動ローラ716は、図略のフロアに立設された前後方向一対の右方軸受714に支持されたローラ軸715回りに一体回転可能に軸支されている。そして、容器搬送ベルト71は、駆動ローラ716のローラ軸715回りの反時計方向に向かう駆動回転によって従動ローラ713と駆動ローラ716との間で反時計方向に向けて周回し、往きベルト上に載置された穂木収納容器10をカップ列搬送部30側へ向けて搬送するようになっている。
かかる容器搬送ベルト71は、前後幅寸法が穂木収納容器10の長さ寸法より僅かに広めに設定されたベルト本体71aと、このベルト本体71aの前後の縁部に形成された厚み寸法がベルト本体71aの厚み寸法より厚い前後方向一対の縁堰条71bとを備えている。各縁堰条71bは、ベルト本体71aの表面から外方に向かって突設され、これによってベルト本体71a上に載置された穂木収納容器10は、前後方向への横ずれが規制されるようになっている。
そして、かかる容器搬送ベルト71のベルト本体71aには、前後方向に列をなすように貫通孔71cが等ピッチで穿設されることによって形成された孔列71dが設けられている。前記各貫通孔71cのピッチは、穂木収納容器10内に収納された穂木W2の収納ピッチと同一に設定されている。このような孔列71dは、穂木収納容器10の厚み寸法より僅かに大きいピッチ寸法で容器搬送ベルト71の周方向の全長に亘って設けられている。
従って、穂木収納容器10の容器本体11の第1長尺側板112(図2)側を下方に向けるとともに、容器本体11が蓋体12より右になる状態で、かつ、容器本体11の第1長尺側板112から下方に突出した各穂木W2の根の部分を各孔列71dの各貫通孔71cに貫通させるようにして穂木収納容器10を容器本体11上に順次載置していくことにより、図9に示すように、複数の穂木収納容器10が容器搬送ベルト71上に装着された状態になる。
前記駆動機構72は、右方軸受714の前方位置における図略のフロア上に据え付けられた第5駆動モータ721と、この第5駆動モータ721の前後方向に延びる駆動軸722に同心で一体回転可能に装着されたモータ側プーリ723と、このモータ側プーリ723と対向するようにローラ軸715に同心で一体回転可能に外嵌されたローラ側プーリ724とを備えている。
従って、第5駆動モータ721を反時計方向に向けて駆動させることにより、この駆動が駆動軸722、モータ側プーリ723、タイミングベルト725およびローラ側プーリ724を介してローラ軸715へ伝達され、このローラ軸715の軸心回りの回転によって駆動ローラ716が駆動回転するとともに、左側の従動ローラ713が容器搬送ベルト71を介して従動し、これによって容器搬送ベルト71が従動ローラ713および駆動ローラ716間で反時計方向に向けて周回し、容器搬送ベルト71のベルト本体71a上に載置された穂木収納容器10が左方へ向けて移動させられることになる。
そして、本発明においては、作業ロボット73は、最前列の穂木収納容器10を対象として当該穂木収納容器10に収納されている穂木W2に穂木カット部60でカッティング処理させ、引き続きカップ列390の各台木W1に対して穂木収納容器10に収納されている各穂木W2を接合させ、さらにクリップ装着部80によるクリップ装着処理によって台木W1と穂木W2との安定した接合状態が確保され、さらに不要になった穂木収納容器10を回収するようになされており、作業ロボット73が不要となった穂木収納容器10を回収した後に第5駆動モータ721は、その駆動で隣設する孔列71d間の距離だけ容器搬送ベルト71を反時計方向に向けて周回させるようになっている。
すなわち、本実施形態においては、本発明に係る容器回収機構として作業ロボット73が兼用されている。そして、本発明に係る穂木収納容器10を回収する回収部は、かかる作業ロボット73と、回収後の穂木収納容器10を一時的に貯留するための台木搬送ベルト42および容器搬送ベルト71間の空間(容器一時貯留空間)とによって構成されている。
かかる作業ロボット73の動作およびこの動作に同期した第5駆動モータ721の駆動が繰り返されることにより、容器搬送ベルト71上に整列された複数の穂木収納容器10のそれぞれに収納されている穂木W2が、カップ列搬送部30のタイミングベルト322の周回によって送り込まれてきたカップ列390の各台木カップ391にそれぞれ植設されている台木W1へ順次接合される接木処理が実行されることになる。
前記作業ロボット73は、本実施形態においては、図3に示すように、台木搬送ベルト42と容器搬送ベルト71との間の空間におけるフロア上であって、容器搬送ベルト71と作業台21とが交差する位置の近傍に据え付けられている。
かかる作業ロボット73は、図9に示すように、フロアに据え付けられた直方体状の基台731と、この基台731の上面に同心で設けられた円盤部732と、この円盤部732から同心で上方に向かって突設された図略の駆動モータの駆動により軸心回りに回転可能で、かつ、内部の図略の昇降機構により軸心方向に昇降可能な円柱体733と、この円柱体733から径方向に向けて延設された、当該円柱体733の昇降および回動に追随する昇降回動アーム734と、この昇降回動アーム734に外嵌され、かつ、当該昇降回動アーム734の延びる方向に向けて正逆移動可能な位置決めブロック735と、この位置決めブロック735から介設ロッド736を介して垂下された当該位置決めブロック735に対して図略の旋回機構により介設ロッド736回りに相対回転が可能な容器把持アーム74とを備えている。
前記基台731には、電動モータや油圧機器等の図略の駆動源が内装され、この駆動源を制御することによって円柱体733を昇降させたり軸心回りに回転させたりし得るようになっている。
また、前記位置決めブロック735は、駆動源からの駆動力がワイヤやリンクアーム等を介して伝達されるようになっており、この駆動力の伝達によって昇降回動アーム734に対して進退し得るようになっている。
また、前記容器把持アーム74は、駆動源からワイヤやリンクアーム等を介して伝達される駆動力により介設ロッド736回りに相対的に回動し、不要になった穂木収納容器10を回収する場合を除いて常に前後方向に向くように姿勢制御されている。
従って、容器把持アーム74は、昇降回動アーム734の動作範囲内において三次元的にどの位置にも位置することができるため、穂木収納容器10を把持した状態で当該穂木収納容器10に収納されている穂木W2に先細り端部W32を形成させるべく穂木カット部60の所定の位置に位置させたり、接木処理のために穂木収納容器10をカップ列390の上部に位置させたりすることができる。
前記容器把持アーム74は、有効長さ寸法が穂木収納容器10の長さ寸法より僅かに長いアーム本体741と、このアーム本体741の両端部からそれぞれ下方に向けて垂下された一対の二股状の挟持アーム742とを備えている。
前記各挟持アーム742は、下端部から上方に向けて切り込まれた状態で形成した装着溝743を有し、この装着溝743の溝奥部分に出没可能に係止爪744がそれぞれ設けられている。これらの係止爪744は、容器把持アーム74の一対の挟持アーム742で穂木収納容器10の短尺側板114間を挟持した状態で各ノックピン15を係止し、これによって抜け止め状態で穂木収納容器10を容器把持アーム74に保持させるためのものである。かかる係止爪744を操作することによって、穂木収納容器10を容器把持アーム74に対して着脱することができる。
また、前記挟持アーム742における装着溝743の下端部分には、穂木収納容器10の蓋体12に設けられ、被係止突起18に外嵌することで蓋体12の閉塞状態を維持するための係止部材17の誘導部172を操作して蓋体12を開成させるための係止解除片(開成部)745が設けられ、穂木収納容器10が容器把持アーム74に装着された状態でこの係止解除片745が操作されることにより、係止部材17の被係止突起18に対する係止状態が解消され、これによって蓋体12が捻りバネ162の付勢力により開成されるようになっている。
また、接木装置20に設けられた各種の駆動系を所定のルーチンに従って動作させるべく、マイクロコンピュータを有する制御部29(図4)が備えられている。各種の駆動系における対象部材の移動量や駆動量は、予め設定されたものとしてもよいが、適所にそれぞれセンサ類を配置しておき、制御部29がこれらセンサの検出信号を受けて動作制御を行う態様を採用してもよい。
かかる構成の接木操作部70によれば、容器搬送ベルト71上に複数個の穂木収納容器10が整列載置された状態で作業ロボット73を動作させ、まず、容器把持アーム74によって最前列の穂木収納容器10を把持し、この把持した穂木収納容器10を台木カット部50の切断機構51と受け部材52との間に位置させた状態(図7)で切断機構51の動作により穂木収納容器10が保持している穂木W2に先細り端部W32を形成させる。
ついで、円柱体733の昇降動作および昇降回動アーム734の旋回動作によって穂木収納容器10をカップ列搬送部30のタイミングベルト322上に位置しているカップ列390の上方位置に位置決めし、引き続き円柱体733の下降によって容器把持アーム74を下降させることにより、カップ列390の各台木カップ391に植設されているそれぞれの台木W1のV字溝W31に、穂木収納容器10から下方に向けて露出した各穂木W2の先細り端部W32が嵌り込み、これによって複数本の台木W1に対する複数本の穂木W2の接合が一度に完了する。
但し、この状態では、台木W1のV字溝W31に穂木W2の先細り端部W32が嵌り込んだだけの状態になっているため、接合部W3における両者の接合状態は不安定である。そこで、本発明においては、クリップ装着部80において接合部W3へ接木用のクリップ89を装着することが行われ、かかるクリップ89の装着によって接木処理済みの苗木Wは、台木W1と穂木W2とが確実に接合された状態となる。
以下、図10を基にクリップ装着部80の一実施形態について説明する。図10は、クリップ装着部80を説明するための斜視図であり、図10(A)は、クリップ装着部80の一実施形態を示す斜視図である。また、図10(B)〜図10(D)は、クリップ装着機構83の動作を説明するための部分拡大斜視図であり、図10(B)は、クリップ89の一対の操作片892が押圧されつつある状態、図10(C)は、クリップ89の円筒状包持部891が開成された状態、図10(D)は、苗木Wの接合部W3がクリップ89の円筒状包持部891によって包持された状態をそれぞれ示している。なお、図10におけるXおよびYによる方向表示は、図3の場合と同様(Xは左右方向(−X:左方、+X:右方)、Yは前後方向(−Y:前方、+Y:後方))である。
クリップ装着部80は、図3および図4に示すように、カップ列搬送部30を挟んで前記接木操作部70と対向配置されている。かかるクリップ装着部80は、図10に示すように、予め1列当たり所定個数(本実施形態においては8個)のクリップ89が複数列で装着され、1列ずつのクリップ89を前記接木操作部70へ送り込むクリップ搬送ベルト(クリップ移送コンベヤ)81と、このクリップ搬送ベルト81を周回駆動させる駆動機構82と、クリップ搬送ベルト81上の最前列(右端部の列)のクリップ89を取り上げて台木W1と穂木W2とが接合された直後の苗木Wの接合部W3に対して当該クリップ89を装着するクリップ装着機構(開成部)83とを備えている。
前記クリップ搬送ベルト81は、従動ローラ813と駆動ローラ816との間に掛け回されている。前記従動ローラ813は、作業台21の作業ボード22上に立設された前後方向一対の右方軸受811にローラ軸812回りに回転可能に軸支されているとともに、前記駆動ローラ816は、図略のフロアに立設された前後方向一対の左方軸受814に支持されたローラ軸815回りに一体回転可能に軸支されている。そして、クリップ搬送ベルト81は、駆動ローラ816のローラ軸815回りの時計方向に向かう駆動回転によって従動ローラ813と駆動ローラ816との間で時計方向に向けて周回し、往きベルト上に載置されたクリップ89をカップ列搬送部30側へ向けて搬送するようになっている。
そして、かかるクリップ搬送ベルト81には、その表面側に前後方向に列をなすようにクリップ保持突片841が等ピッチで突設されることによって形成された突片列84が設けられている。各クリップ保持突片841は、矩形状の小さな板片で形成され、表裏面が前後方向に向いた状態でクリップ搬送ベルト81に固定されている。かかる各クリップ保持突片841の前後方向の突設ピッチは、接木操作部70で台木W1と穂木W2とが接ぎ木されることによって形成された苗木Wの形成ピッチと同一に設定されている。かかる突片列84は、クリップ搬送ベルト81の周方向の全長に亘って同一ピッチで設けられている。
このような各クリップ保持突片841に予めクリップ89が装着され、最前列(右端の列)に位置した突片列84に装着されている各クリップ89がクリップ装着機構83の動作によってクリップ保持突片841から取り外され、接木操作部70に待機している苗木Wの接合部W3に装着されるようになっている。
前記クリップ89は、台木W1と穂木W2との接合部W3に装着することにより両者の接合状態を安定的に確保するためのものであり、弾性材料である所定の合成樹脂によって一体的に形成されている。かかるクリップ89は、図10(B)に示すように、周方向の一部が軸心方向の全長に亘って切り欠かれることによって形成したスリット893を有する円筒状包持部891と、この円筒状包持部891における前記スリット893の反対側の周面から径方向に外方に向けて突設された周方向で互いに対向する一対の操作片892とを備え構成されている。
クリップ89を製造するために使用される合成樹脂材料としては、所定の範囲内で弾性変形が可能な軟質のプラスチックが採用され、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS樹脂(アクリルニトリルブタジエンスチレン共重合体)、ポリビニルクロライド(塩化ビニル)、ポリアミド(ナイロン)、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリエステル、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等の熱可塑性合成樹脂が好適に使用されるが、熱可塑性合成樹脂に限らず、フェノール樹脂やエポキシ樹脂等の熱硬化性合成樹脂も使用することができる。さらに天然ゴムや各種の合成ゴム等のいわゆるエラストマーも好適に使用することができる。
前記一対の操作片892は、円筒状包持部891の外周面におけるスリット893と対向した位置に軸心方向の全長に亘った状態で径方向に突出して一体的に設けられている。かかる操作片892は、本実施形態においては、略長方形状に形成されているが、長方形状であることに限定されるものではなく、半円形状であったり、半楕円形状であったり、その他の異形であったりしてもよい。
このようなクリップ89において、一対の操作片892を、図10(B)に矢印で示すように、押圧することにより、円筒状包持部891における一対の操作片892の基端部間の部分が軸心方向に向けて膨出するように弾性変形し、これによってスリット893の径方向の寸法が広がり、円筒状包持部891は、図10(C)に示すように開成されることになる。一対の操作片892に対する押圧力を弱めると、円筒状包持部891は、図10(D)に示すように、元の円筒形状に戻ることになる。
前記駆動機構82は、左方軸受814の前方位置における図略のフロア上に据え付けられた第6駆動モータ821と、この第6駆動モータ821の前後方向に延びる駆動軸822に同心で一体回転可能に装着されたモータ側プーリ823と、このモータ側プーリ823と対向するようにローラ軸815に同心で一体回転可能に外嵌されたローラ側プーリ824とを備えている。
従って、第6駆動モータ821を時計方向に向けて駆動させることにより、この駆動が駆動軸822、モータ側プーリ823、タイミングベルト825およびローラ側プーリ824を介してローラ軸815へ伝達され、このローラ軸815の軸心回りの回転によって駆動ローラ816が駆動回転するとともに、右側の従動ローラ813がクリップ搬送ベルト81を介して従動し、これによってクリップ搬送ベルト81が従動ローラ813および駆動ローラ816間で時計方向に向けて周回することになるため、クリップ搬送ベルト81上の各クリップ保持突片841に装着されたクリップ89が右方へ向けて移動させられることになる。
前記クリップ装着機構83は、クリップ搬送ベルト81上で右端の最前列に位置した突片列84の各クリップ保持突片841にそれぞれ保持されている各クリップ89を取り外し、接木操作部70で待機している接木処理済みの苗木Wの接合部W3に装着するように動作するものである。
かかるクリップ装着機構83は、最前列の突片列84の各クリップ保持突片841に保持されている各クリップ89を取り外して苗木Wの接合部W3に装着するクリップ着脱部材831と、このクリップ着脱部材831をクリップ搬送ベルト81上のホームポジションと、クリップ89を苗木Wに装着する装着ポジションとの間で移動させるガイド部材836とを備えている。
前記クリップ着脱部材831は、クリップ搬送ベルト81の最前列のクリップ保持突片841の突片列84とその次の突片列84との間にクリップ搬送ベルト81を横断した状態で配設される着脱操作ボード832と、この着脱操作ボード832の前後の端面から互いに反対方向に向けて突設された前後方向一対の被案内ロッド833と、前記着脱操作ボード832の右面から外方に向かって突設された、前記クリップ89の操作片892を挟持する複数組の挟持片834と、着脱操作ボード832に内装された、前記挟持片834を動作させる図略の動作機構とを備えている。
前記各挟持片834は、最前列の各クリップ保持突片841と対向した位置にそれぞれ一対で設けられ、着脱操作ボード832がホームポジションから下位ポジションへ向けて下降されることにより、クリップ89の一対の操作片892が、図10(B)に示すように、一対の挟持片834によって挟持されるようになっている。この状態で図略の動作機構の動作によって一対の挟持片834が互いに接近することにより、クリップ89の一対の操作片892が外側から押圧され、これによってクリップ89の円筒状包持部891が、図10(C)に示すように、開成させられることになる。
前記ガイド部材836は、クリップ着脱部材831をホームポジション、下位ポジションおよび装着ポジション間で移動させるものであり、クリップ搬送ベルト81の右側部において当該クリップ搬送ベルト81を挟むようにして前後一対で設けられている。かかる一対のガイド部材836の対向面には、クリップ着脱部材831の被案内ロッド833が嵌め込まれるガイド溝837がそれぞれ設けられているとともに、ガイド部材836の内部には、被案内ロッド833を介し、かつ、ガイド溝837に沿ってクリップ着脱部材831を移動させる図略の駆動手段が設けられている。
前記動作機構は、前後方向に延びる一対のスパイラルロッドを有している。一方のスパイラルロッドは、一対の操作片892の一方に噛合されているとともに、他方のスパイラルロッドは、一対の操作片892の他方に噛合されている。そして、一対のスパイラルロッドの軸心回りの正逆回転によって、一対の操作片892が離接するようになっている。
前記ガイド溝837は、ホームポジションに位置したクリップ着脱部材831を下位ポジションへ案内する垂直溝837aと、ホームポジションに位置したクリップ着脱部材831を装着ポジションへ案内する水平溝837bとからなっている。
このように構成されたクリップ装着機構83によれば、クリップ着脱部材831が、図10(A)に示すように、ホームポジションに位置設定された状態で、ガイド部材836内に設けられた図略の駆動手段の駆動により当該クリップ着脱部材831を垂直溝837aに沿って下降させて下位ポジションに位置変更すれば、図10(B)に示すように、クリップ着脱部材831の各一対の挟持片834が、クリップ89の一対の操作片892を給仕した状態になる。
この状態において着脱操作ボード832内の前記図略の動作機構の動作で一対の挟持片834を互いに接近する方向に向けて移動させることにより、クリップ89の一対の操作片892が互いに接近する方向に移動され、これによってクリップ89の円筒状包持部891は、弾性変形することによりスリット893が広がって開成される。
ついで、クリップ着脱部材831は、円筒状包持部891の開成状態を維持したまま、ガイド部材836内の図略の駆動手段の駆動で垂直溝837aに沿ってホームポジションにまで上昇され、今度は水平溝837bに沿って右方へ移動されて装着位置に位置設定される。これによって一対の挟持片834に一対の操作片892が押圧挟持されたクリップ89は、その開成状態の円筒状包持部891が、図10(C)に示すように、接木操作部70で待機していた苗木Wの台木W1と、穂木収納容器10に収納されている穂木W2との間の接合部W3に対向した状態になる。
この状態で、一対の挟持片834は、図略の動作機構の逆動作により互いに離間する方向へ向けて移動され、これによって一対の操作片892に対する押圧挟持状態が解消される。これによって弾性変形していたクリップ89の円筒状包持部891は、図10(D)に示すように、元の円筒状に復元し、苗木Wにおける台木W1と穂木W2との接合部W3がクリップ89によって外れないように補強された状態になる。クリップ89が苗木Wに装着された後、クリップ着脱部材831は元のホームポジションへ戻される。
このようなクリップ89を苗木Wに装着するクリップ装着機構83の動作がクリップ搬送ベルト81の間欠駆動と同期して行われることにより、接木操作部70に位置したカップ列390の各台木カップ391に植設されている接木処理済みの苗木Wに対しクリップ89が自動的に装着されていくことになる。そして、各苗木Wにクリップ89が装着された後、カップ列390は、カップ列搬送部30のタイミングベルト322の周回により苗木回収部90へ向けて搬送される。
最後に、図11を基に苗木回収部90の一実施形態について説明する。図11は、苗木回収部90の一実施形態を示す斜視図であり、図11(A)は、苗木回収部90の全体図であり、カップ列390がタイミングベルト322から苗木回収ベルト91へ移される前の状態、図11(B)は、苗木回収部90の部分図であり、カップ列390がタイミングベルト322から苗木回収ベルト91へ移された直後の状態をそれぞれ示している。なお、図11におけるXおよびYによる方向表示は、図3の場合と同様(Xは左右方向(−X:左方、+X:右方)、Yは前後方向(−Y:前方、+Y:後方))である。
苗木回収部90は、クリップ装着部80においてクリップ89が各苗木Wに装着された状態でタイミングベルト322の駆動により送り込まれてきたカップ列390を、出荷のためにカップ列搬送部30から回収するためのものであり、カップ列搬送部30の下流端で当該カップ列搬送部30の左方位置に設けられている。
かかる苗木回収部90は、図11に示すように、クリップ装着部80で各台木カップ391に植設されている各苗木Wにクリップ89が装着された状態でタイミングベルト322の周回により苗木回収部90へ送り込まれた苗木Wをカップ列390ごと運び出す苗木回収ベルト(苗木受取コンベヤ)91と、この苗木回収ベルト91を周回駆動させる駆動機構92と、苗木回収部90においてタイミングベルト322上に位置したカップ列390を苗木回収ベルト91へ向けて押圧するカップ列押圧機構(苗木移載部)93とを備えている。
前記苗木回収ベルト91は、従動ローラ913と駆動ローラ916との間に張設されている。前記従動ローラ913は、作業台21の作業ボード22上に立設された前後方向一対の右方軸受911にローラ軸912回りに回転可能に軸支されているとともに、前記駆動ローラ916は、図略のフロアに立設された前後方向一対の左方軸受914に支持されたローラ軸915回りに一体回転可能に軸支されている。そして、苗木回収ベルト91は、駆動ローラ916のローラ軸915回りの時計方向に向かう駆動回転によって従動ローラ913と駆動ローラ916との間で反時計方向に向けて周回し、カップ列押圧機構93の駆動でタイミングベルト322上から移されたカップ列390を運び出して出荷処理に対応し得るようになされている。
前記駆動機構92は、左方軸受914の前方位置における図略のフロア上に据え付けられた第7駆動モータ921と、この第7駆動モータ921の前後方向に延びる駆動軸922に同心で一体回転可能に装着されたモータ側プーリ923と、このモータ側プーリ923と対向するようにローラ軸915に同心で一体回転可能に外嵌されたローラ側プーリ924とを備えている。
従って、第7駆動モータ921を時計方向に向けて駆動させることにより、この駆動が駆動軸922、モータ側プーリ923、タイミングベルト925およびローラ側プーリ924を介してローラ軸915へ伝達され、このローラ軸915の軸心回りの回転によって駆動ローラ916が駆動回転するとともに、右側の従動ローラ913が苗木回収ベルト91を介して従動し、これによって苗木回収ベルト91が従動ローラ913および駆動ローラ916間で反時計方向に向けて周回することになるため、苗木回収ベルト91上へ回収されたカップ列390は、当該苗木回収ベルト91の下流端(左端)で受けられ、出荷されることになる。
前記カップ列押圧機構93は、カップ列搬送部30のケーシング31を挟んで前記苗木回収ベルト91と対向配置されたシリンダ装置94と、このシリンダ装置94に付設された押圧板95とを備えている。
前記シリンダ装置94は、作業ボード22から右方に向けて張り出された張出しボード221上に据え付けられた左右方向に延びるシリンダ941と、このシリンダ941の左端面から左方に向かって進退可能に突設されたピストンロッド942とを備えている。前記シリンダ941には、図略の油圧機構から作動油が供給され、これによってピストンロッド942がシリンダ941を基準として進退するようになっている。
前記押圧板95は、タイミングベルト322の下流端上に位置したカップ列390を苗木回収ベルト91へ向けて押圧するためのものであり、カップ列390と略同一の長さ寸法に設定され、長尺側の縁部が前記ピストンロッド942の左端部に固定されている。かかる押圧板95は、左縁部が作業ボード22上に設けられたケーシング31の天板311上に載置された状態になっている。
かかるカップ列押圧機構93によれば、カップ列390がタイミングベルト322の周回駆動で苗木回収ベルト91の上流端に対向する位置へ搬送された状態で、シリンダ装置94の駆動によりピストンロッド942をシリンダ941から突出させると、ピストンロッド942の先端に固定された押圧板95がタイミングベルト322を横断するように左方に向かって移動するため、タイミングベルト322上のカップ列390は、押圧板95によって反時計方向に向けて周回している苗木回収ベルト91上へ押し出され、以後は苗木回収ベルト91の周回によって出荷のために系外へ運び出されることになる。
そして、上記のようなカップ列搬送部30、台木供給部40、台木カット部50、穂木カット部60、接木操作部70、クリップ装着部80および苗木回収部90を備えて構成された本発明に係る接木装置20は、適所に設けられた図略の制御装置によってその運転が制御され、各部における処理対象物の搬送や処理が互いに同期し、かつ、連係して行われるようになされている。従って、作業者は、接木装置20の駆動をスタートさせた状態で、予め準備された容器集合体39を台木搬送ベルト42に載置するとともに、容器集合体39がなくなると継ぎ足していくだけで、台木W1に対して穂木W2が自動的に接ぎ木され、出荷し得る状態の苗木Wが順次形成されていくため、接木作業の大幅な効率化を達成することができる。
以上詳述したように、本発明に係る穂木収納容器10は、接木装置20で使用されることを前提として接木用の複数本の穂木W2を収納するものであり、一面に略全面に亘る開口面110が設けられ、かつ、この一面と対向した他面側に複数本の穂木W2を整列状態で装填する箱状の容器本体11と、この容器本体11の開口面110に臨んだ一縁部に形成された蝶番部材16の蝶番軸161回りに回動することで開閉自在に容器本体に取り付けられた蓋体12と、蓋体12の閉塞状態を係止する係止部材17とを備えて構成され、容器本体11の蝶番部材16が設けられた側板(第2長尺側板113)と対向する側板(第1長尺側板112)には、該第1長尺側板112の開口面110に臨む縁部から凹没された穂木W2の基端部を外部に突出させる複数の切欠き13が設けられている。
かかる構成の穂木収納容器10によれば、蝶番部材16回りの回動操作で蓋体12を開成した上で、複数本の穂木W2のそれぞれをその基端部が側板に設けられた各切欠き13から外部に突出するようにして容器本体11に入れていき、入れ終わった時点で蓋体12を閉塞し、この蓋体12を係止部材17により容器本体11に係止することにより、複数本の穂木W2がそれぞれの基端部(すなわち根の部分)を外部に突出させて穂木収納容器に収納された状態になる。
そして、穂木収納容器に収納された複数本の穂木W2は、接木処理のために切断処理に供される部分がそれぞれ容器本体11から側板の切欠き13を介して外部に突出しているため、これら複数本の穂木W2の外部に突出している部分に対して一度の切断処理を施すことにより、同時に複数本の穂木W2に先細り端部W32が形成される。
また、複数本の穂木W2に対応して予め準備されて整列された複数本の台木に対し、穂木収納容器ごと接合操作することで一度に複数本の接木処理が完了する。
さらに、容器本体11の側板には、穂木W2を通すべく、孔ではなく一方が開成した切欠き13が設けられているため、孔に通す必要がない分装置本体に対する穂木W2の装着作業が容易になり、しかも、接木処理が完了した後の苗木からの穂木収納容器の取り外しが容易になる。
このように、複数本の穂木W2が穂木収納容器に収納された状態で、これら複数本の穂木W2を穂木収納容器単位で接木処理に関し一括して取り扱うことが可能になるため、接木処理の自動化を図るに際し、1本ずつ供給される穂木W2に対して逐一接木用の処理を施す場合に比較し、接木処理の自動化を容易に図ることができる。
そして、このような穂木収納容器10において、切欠き13には、弾性材料からなる切欠き側支持部材14が設けられているとともに、蓋体12には、切欠き側支持部材14と対応した位置に弾性材料からなる蓋体側支持部材14′が設けられているため、穂木収納容器10に収納された穂木W2は、容器本体11の側板に設けられた切欠き13に対応した部分が、弾性材料からなる切欠き側支持部材14によって保護されるとともに、蓋体12の切欠き13と対向した部分にも弾性材料からなる蓋体側支持部材14′が設けられているため、基端側が容器本体11の切欠き13に嵌め込まれた状態で穂木収納容器10に収納された穂木W2は、蓋体12が閉塞されることにより切欠き側支持部材14と蓋体側支持部材14′とで挟持されるため、当該穂木W2の損傷を確実に防止することができる。
このような穂木収納容器10を利用する本発明に係る接木装置20は、穂木収納容器10に収納されている1組の穂木W2と同数の台木カップ391にそれぞれ保持された各台木W1を1組として順次搬送するカップ列搬送部30と、カップ列搬送部30の上流端位置に対向配置され、1組ずつの各台木W1をカップ列搬送部30に供給する台木供給部40と、台木供給部40の下流側でカップ列搬送部30の側部に対向配置され、各台木W1の上端部にV字溝W31を形成させる台木カット部50と、台木カット部50の下流側でカップ列搬送部30の上方位置に設けられ、1組の穂木W2の穂木収納容器10から外部に突出している部分にそれぞれ切断処理を施して台木W1側の接合端面(すなわちV字溝W31)に対応した穂木W2側の接合端面(すなわち先細り端部W32)を形成させる穂木カット部60と、台木カット部50の下流側でカップ列搬送部30の側部に対向配置され、1組の穂木W2が収納された穂木収納容器10ごと操作して搬送されてきた1組の台木W1に1組の穂木W2をそれぞれ接木する接木操作部70と、カップ列搬送部30を挟んで接木操作部70に対向配置され、接木操作部70によって接木されることにより形成された1組の苗木Wにおける各台木W1と各穂木W2との各接合部分(すなわち接合部W3)にそれぞれクリップ89を装着するクリップ装着部80と、カップ列搬送部30の下流端位置に対向配置され、1組ずつの各苗木Wをカップ列搬送部30から回収する苗木回収部90とを備えている。
かかる構成の接木装置20によれば、カップ列搬送部30の上流端位置に対向配置された台木供給部40から台木カップ391にそれぞれ保持された1組ずつの所定本数の台木W1がカップ列搬送部30へ向けて供給される。カップ列搬送部30へ供給された1組ずつの台木W1は、カップ列搬送部30の駆動で台木供給部40の下流側に設けられた台木カット部50へ搬送され、ここで台木カット部50の所定の動作により各台木W1の上端部にV字溝W31が形成される。
一方、台木カット部50の下流側でカップ列搬送部30の上方位置に穂木カット部60が設けられ、穂木収納容器10に収納された1組の穂木W2の当該穂木収納容器10から外部に突出している部分が穂木カット部60によって切断処理され、これによって各穂木W2にはV字溝W31に対応した先細り端部W32が形成される。
そして、先細り端部W32が形成された穂木収納容器10内の1組の穂木W2は、接木操作部70において穂木収納容器10ごと操作されることにより、搬送されてきた1組の台木W1に一括してそれぞれ接木処理される。これによって形成した接木後の1組の苗木Wは、カップ列搬送部30を挟んで接木操作部70に対向配置されたクリップ装着部80において、当該1組の苗木Wにおける各台木W1と各穂木W2との各接合部分にそれぞれクリップ89が装着され、台木W1と穂木W2との接合状態が確実に維持される。このようにして得られた接木後の1組ずつの苗木Wは、カップ列搬送部30の最下流側に設けられた苗木回収部90において順次回収されて出荷される。
このように台木W1は、台木は、1組ずつが台木カップ391に保持されるとともに、穂木W2は、1組ずつが穂木収納容器10に収納された状態で、台木供給部40、台木カット部50、穂木カット部60、クリップ装着部80および苗木回収部90の各部において一括して接木処理が施されるため、従来のように、台木W1および穂木W2の1本ずつに対して順番に接木処理を施していく場合に比較し、接木処理の処理効率を大幅に向上させることができる。
そして、カップ列搬送部30は、一対の歯付きローラ321間に張設されたタイミングベルトコンベヤを備えているため、タイミングベルトコンベヤは、歯付きローラ321との間でスリップすることがなく、従って、カップ列搬送部30による台木W1および穂木W2の搬送に対して精度の高い搬送タイミングを得ることができ、接木処理に対する高精度の自動制御を実現する上で好都合である。
また、台木供給部40は、台木カップ391の複数個がマトリックス状に配設された状態でそれぞれ介設シート392を介して一体化された、各台木カップ391に根付き台木W1を収納してなる容器集合体39をカップ列搬送部30に向けて移動させる台木搬送ベルト42と、台木搬送ベルト42によって容器集合体39の最前列の台木カップ391がカップ列搬送部30に供給された状態で最前列と次の列との間の介設シート392を切断する丸鋸331とを有している。
従って、台木供給部40において台木W1は、台木カップ391の複数個がマトリックス状に配設された状態でそれぞれ介設シート392を介して一体化された容器集合体39の各台木カップ391にそれぞれ根付き状態で収納されているため、特に各台木カップ391に対して整列処理を施すことなく、台木搬送ベルト42の駆動で容器集合体39をカップ列搬送部30に向けて間欠移送することにより、1組ずつの台木カップ391がカップ列搬送部30へ容易に供給される。そして、1組の台木カップ391がカップ列搬送部30に搬送された都度、当該最前列の台木カップ391と次の列の台木カップ391との間の介設シート392を丸鋸331によって切断することにより、それぞれが互いに位置設定された状態の1組の台木W1は、カップ列搬送部30により下流側へ向けて搬送される。
このように、台木供給部40で台木カップ391の複数個がマトリックス状に配設されて一体化された容器集合体39を採用するとともに、台木搬送ベルト42によってカップ列搬送部30に供給された最前列の台木カップ391を丸鋸331によって容器集合体39から切り離すようになされているため、台木搬送ベルト42の駆動により1組ずつの台木カップ391をカップ列搬送部30へ向けて容易に供給することができるとともに、最前列の台木カップ391を丸鋸331で切り離すことにより、以後の接木処理を1組毎にまとまった状態で行うことができ、接木処理の効率化に貢献することができる。
また、台木カット部50において台木W1の頂部にはV字溝W31が形成されるため、このV字溝W31によって穂木W2を安定した状態で受けることができる。また、V字溝W31は、頂部に形成されるすり鉢状の孔に比べて容易に形成されるため、台木カット部50の構成の簡素化に貢献することができる。
これに対し、穂木カット部60は、穂木W2に台木W1のV字溝W31に嵌り込むように対応した先鋭部としての先細り端部W32を形成させるため、この先細り端部W32を台木W1のV字溝W31に嵌め込むことにより、穂木W2を台木W1に安定した状態で接合することができる。
また、接木操作部70は、それぞれの内部に1組の穂木W2が収納され、かつ、タイミングベルト322の往きベルト上に並べて載置された複数の穂木収納容器10をカップ列搬送部30に向けて移動させる容器搬送ベルト71と、容器搬送ベルト71上で最前列に位置した穂木収納容器10を穂木カット部60へ供給するとともに、穂木カット部60で形成された先細り端部W32を有する1組の穂木W2を穂木収納容器10ごと移動させて台木カット部50で形成されたV字溝W31へ接合させる作業ロボット73とを備え、容器搬送ベルト71には、穂木収納容器10が往きベルトに載置された状態で穂木W2の根を貫通させる貫通孔が穿設されている。
かかる構成によれば、接木操作部70において、それぞれの内部に1組の穂木W2が収納され、かつ、一対のローラ間に張設された容器搬送ベルト71の往きベルト上に並べて載置された複数の穂木収納容器10は、当該容器搬送ベルト71の間欠駆動でカップ列搬送部30に向けて移動され、往きベルト上で最前列に位置した穂木収納容器10が作業ロボット73の動作によって穂木カット部60へ供給される。そして、作業ロボット73により穂木収納容器10ごと台木カット部50へ供給された1組の穂木W2は、穂木収納容器10から外部に突出している部分に台木カット部50で切断処理が施され、V字溝W31が一斉に形成される。
V字溝W31が形成された1組の穂木W2は、さらに作業ロボット73によって穂木収納容器10ごとカップ列搬送部30上に位置している1組の台木W1に向けて降下され、これによって各穂木W2の先鋭部である先細り端部W32が対応した台木W1のV字溝W31に嵌め込まれ、1組の接木処理済みの苗木Wが得られる。
このように、接木操作部70を、往きベルト上に並べて載置された複数の穂木収納容器10をカップ列搬送部30へ向けて移動させる一対のローラ間に張設された容器搬送ベルト71と、容器搬送ベルト71上で最前列に位置した穂木収納容器10を穂木カット部60へ供給するとともに、穂木カット部60で形成された先細り端部W32を有する1組の穂木W2を穂木収納容器10ごと移動させて台木カット部50で形成されたV字溝W31へ接合させる作業ロボット73とを備えて構成することにより、1組の穂木W2を1組の台木W1に対して一斉に接木処理することができ、接木処理の効率化を達成することができる。
そして、容器搬送ベルト71には、穂木収納容器10が往きベルトに向けて載置された状態で穂木W2の根を貫通させる貫通孔が穿設されているため、穂木収納容器10を、穂木W2の根が貫通孔に貫通することで往きベルト上に安定した状態で載置することができる。
また、クリップ装着部80は、1列に1組の苗木Wに対応する1組のクリップ89を保持した複数列のクリップ89を備えて周回するクリップ搬送ベルト81と、このクリップ搬送ベルト81の最前列に位置した1組のクリップ89を苗木WにおけるV字溝W31と先細り端部W32との接合部W3に装着するクリップ装着機構83とを備えているため、クリップ搬送ベルト81の最前列に位置した1組のクリップ89を、クリップ装着機構83の動作により先の接木操作部70で穂木W2が台木W1に接合されて形成した苗木Wの各接合部W3にそれぞれ装着することにより、苗木Wにおける台木W1と穂木W2との接合部W3における両者の接合状態を安定させることができる。
また、本実施形態においては、作業ロボット73が、容器回収機構として機能するようになされているため、当該作業ロボット73を有効活用することによって、専用の容器回収機構を設ける必要がなくなり、その分装置コストの低減化に貢献することができる。
そして、苗木回収部90を、カップ列搬送部30の搬送方向と平行な一対のローラ間に張設された苗木回収ベルト91と、カップ列搬送部30によって搬送されてきた1組の苗木Wを1列の台木カップ391ごと苗木回収ベルト91へ移送する苗木移載部とを備えて構成することにより、クリップ89の装着された1組ずつの苗木Wを自動的に回収して商品として出荷することができ、苗木Wの出荷作業の効率化に貢献することができる。
さらに、苗木移載部としてシリンダ941からのピストンロッド942の突出により台木カップ391のカップ列390をカップ列搬送部30から苗木回収ベルト91へ移送するシリンダ装置94が採用されているため、苗木移載部を簡単な構造のものにした上で、カップ列搬送部30上の苗木Wを容易、かつ、確実に苗木回収ベルト91に移すことができる。
本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、以下の内容をも包含するものである。
(1)上記の実施形態においては、台木供給部40において台木搬送ベルト42に多数の台木カップ391を縦横にマトリックス状に配してなる容器集合体39を供給するようにしているが、本発明は、台木搬送ベルト42にかかる容器集合体39を供給することに限定されるものではなく、当初から個々に別体として形成された台木カップ391を台木搬送ベルト42上に縦横に整列させ、この整列状態を確保しながら1組ずつの台木カップ391をカップ列搬送部30へ供給するようにしてもよい。こうすることによって、カップ列搬送部30に丸鋸331などを備えたカップ分離機構33を採用する必要がなくなり、その分部品点数の削減、延いては装置コストの低減化に貢献することができる。
(2)上記の実施形態においては、苗木回収部90で採用されているシリンダ装置94を除き、容器集合体39、カップ列390、穂木収納容器10等の処理対象物の移送にベルトコンベヤが採用されているが、ベルトコンベヤに代えてシリンダ装置を採用し、シリンダ装置のピストンで押圧して対象物を移動させるようにしてもよい。
(3)上記の実施形態において、クリップ89の材料に生分解性プラスチックを採用してもよい。こうすることによって、一旦苗木Wに装着されたクリップ89を取り外さなくてもクリップ89が腐食して土に帰るため、作業性を向上させた上で環境保全にも貢献することができる。
(4)上記の実施形態において、作業ロボット73が不要になった穂木収納容器10を回収するようになされているが、こうする代わりに専用の容器回収機構を設けてもよい。
(5)上記の実施形態においては、作業ロボット73の動作で容器搬送ベルト71上の穂木収納容器10を取り上げて収納されている穂木W2に先細り端部W32を形成させるとともに、台木W1に対する穂木W2の接合処理をも行わせるようになされているが、こうする代わりに、作業ロボット73によるこれらの作業を作業者による手作業に代えてもよい。
(6)上記の実施形態においては、容器集合体39として前後方向に8個、左右方向に15個で合計120個の台木カップ391を備えたものが採用されているが、本発明は、容器集合体39をかかる配列で備えた容器集合体39に限定されるものではなく、前後左右に所要数ずつを配列した容器集合体39であってもよい。
(7)上記の実施形態においては、作業ロボット73として容器把持アーム74を昇降可能な円柱体733回りに回転させる方式のものを採用しているが、こうする代わりに容器把持アーム74を前後左右および上下に直線的に移動させる、いわゆるXYZテーブル方式を採用してもよい。
接木を説明するための説明図であり、(A)は、穂木が台木に接合される直前の状態、(B)は、穂木が台木に接合されて接木の苗木が形成された状態をそれぞれ示している。 本発明に係る穂木収納容器の一実施形態を示す斜視図であり、(A)は、蓋体が開成された状態、(B)は、蓋体が閉塞された状態をそれぞれ示している。 本発明に係る接木装置の一実施形態を示す斜視図である。 図3に示す接木装置の平面図である。 搬送部の一実施形態を示す一部切欠き斜視図である。 台木供給部の一実施形態を示す一部切欠き斜視図である。 台木カット部の一実施形態を示す一部切欠き斜視図であり、(A)は全体斜視図、(B)は部分斜視図である。 穂木カット部の一実施形態を示す一部切欠き斜視図である。 接木操作部の一実施形態を示す一部切欠き斜視図である。 クリップ装着部を説明するための斜視図であり、(A)は、クリップ装着部の一実施形態を示す斜視図、(B)は、クリップの一対の操作片が押圧されつつある状態を示す社鈴、(C)は、クリップの円筒状包持部が開成された状態を示す斜視図、(D)は、苗木Wの接合部がクリップの円筒状包持部によって包持された状態を示す斜視図である。 苗木回収部の一実施形態を示す斜視図であり、(A)は、苗木回収部の全体図であり、カップ列がタイミングベルトから苗木回収ベルトへ移される前の状態、(B)は、苗木回収部の部分図であり、カップ列がタイミングベルトから苗木回収ベルトへ移された直後の状態をそれぞれ示している。
符号の説明
10 穂木収納容器 11 容器本体
110 開口面 112 第1長尺側板(対向側板)
113 第2長尺側板 12 蓋体
13 切欠き 14 切欠き側支持部材(第1の支持部材)
14′ 蓋体側支持部材(第2の支持部材)
16 蝶番部材 161 蝶番軸
17 係止部材 20 接木装置
30 カップ列搬送部 331 丸鋸
322 タイミングベルト 39 容器集合体(容器群)
390 カップ列 391 台木カップ(台木保持容器)
392 介設シート 40 台木供給部
42 台木搬送ベルト(台木供給コンベヤ)
50 台木カット部 60 穂木カット部
70 接木操作部 71 容器搬送ベルト(第1移送手段)
73 作業ロボット(接木機構、第2移送手段)
745 係止解除片(開成部)
80 クリップ装着部 81 クリップ搬送ベルト
83 クリップ装着機構(開成部)
89 クリップ 90 苗木回収部
91 苗木回収ベルト(苗木受取コンベヤ)
93 カップ列押圧機構(苗木移載部)
941 シリンダ 942 ピストンロッド
94 シリンダ装置 W1 台木
W2 穂木 W3 接合部(接合位置)
W31 V字溝W(台木側の接合端面)
W32 先細り端部(穂木側の接合端面)

Claims (13)

  1. 接木用の複数本の穂木を収納する穂木収納容器であって、
    底板と側板を有し、天井面に開口を有する、穂木収納の容器本体と、前記開口を被う蓋体と有し、前記容器本体は、前記側板の一部上端縁で前記蓋体を前記開口に対して開閉可能に連結する蝶番部材と、前記蝶番部材を有する側板と対向する位置の対向側板の上端縁に形成され、収納された穂木の下部を外部に露出した状態で穂木を支持する所定個数の切欠きとを有することを特徴とする穂木収納容器。
  2. 前記対向側板は、前記切欠きより上方に露出した、弾性材料からなる第1の支持部材を有し、前記蓋体は、前記開口を閉塞した状態で前記第1の支持部材に対向する位置に弾性材料からなる第2の支持部材を有することを特徴とする請求項1記載の穂木収納容器。
  3. 請求項1または2記載の穂木収納容器に収納された各穂木の下部を切断して接合端面を形成する穂木カット部と、
    台木の下部をそれぞれ保持する、前記切欠きの個数と等しい複数個の台木保持容器と、
    前記台木保持容器に保持された台木の上部を切断して前記穂木の接合端面に一致する接合端面を形成する台木カット部と、
    前記穂木収納容器および台木収納容器を接合位置にそれぞれ搬送する搬送部と、
    前記接合位置で、前記穂木収納容器に収納された穂木の前記接合端面と前記台木収納容器に保持された台木の接合端面とをそれぞれ接合する接木操作部と、
    接合状態にある穂木と台木との各接合部分にクリップを装着するクリップ装着部とを備えてなることを特徴とする接木装置。
  4. 前記クリップが装着された後、前記穂木収納容器の蓋体を開成する開成部と、
    前記開成後の穂木収納容器を回収する回収部とを備えたことを特徴とする請求項3記載の接木装置。
  5. 前記搬送部は、穂木収納容器を、前記穂木カット部でのカット位置へ搬送した後、前記接合位置に搬送する穂木搬送手段を備えることを特徴とする請求項3または4記載の接木装置。
  6. 前記搬送部は、台木保持容器を、前記台木カット部でのカット位置へ搬送した後、前記接合位置に搬送する台木搬送手段を備えることを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載の接木装置。
  7. 前記複数個の台木保持容器を1列に配し、かつ、介設部を挟んで複数列分に亘って一体化された台木用容器群を搬送部に向けて移動させる台木供給コンベヤと、前記台木供給コンベヤによって台木用容器群の最前列の台木保持容器が搬送部に供給された状態で最前列と次列との間の介設部を切断する切断部材とからなる台木供給部を有していることを特徴とする請求項3乃至6のいずれかに記載の接木装置。
  8. 前記台木カット部は、台木の頂部に接合端面を形成するものである特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載の接木装置。
  9. 前記接木操作部は、前記穂木収納容器を前記搬送部に向けて移動させる第1移送手段と、
    前記第1移送手段上で最前列に位置した穂木収納容器を前記穂木カット部へ供給する第2移送手段と、
    前記穂木カット部で形成された接合端面を有する穂木を穂木収納容器ごと移動させて前記台木カット部で形成された台木の接合端面に接合させる接木機構とを備え、
    前記第1移送手段には、穂木の根を貫通させる貫通孔が穿設されていることを特徴とする請求項3乃至8のいずれかに記載の接木装置。
  10. 前記搬送部は、複数のクリップを保持した状態で周回するクリップ移送コンベヤと、
    このクリップ移送コンベヤの最前列に位置した複数のクリップを前記台木の接合端面と穂木の接合端面との接合位置に装着するクリップ装着機構とを備えていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の接木装置。
  11. 前記接木機構は、台木と穂木との接合部分にクリップが装着された苗木から、蓋体を開成させた上で穂木収納容器を取り外し、所定の回収位置へ移動させることにより空の穂木収納容器を回収する容器回収機構として機能するものであることを特徴とする請求項9または10記載の接木装置。
  12. クリップ装着後の苗木を台木保持容器ごと回収する苗木回収部を有し、前記苗木回収部は、前記台木保持容器を搬出する苗木受取コンベヤと、この苗木受取コンベヤへ台木保持容器を移載する苗木移載部とを備えていることを特徴とする請求項3乃至11のいずれかに記載の接木装置。
  13. 前記苗木移載部は、シリンダからのピストンロッドの突出により前記台木保持容器を前記苗木受取コンベヤへ移載するシリンダ装置であることを特徴とする請求項12記載の接木装置。
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