JP2007178962A - 定着液、トナーの定着方法、トナーの定着装置、画像形成方法、及び画像形成装置 - Google Patents

定着液、トナーの定着方法、トナーの定着装置、画像形成方法、及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】より効率的にトナーを記録媒体に定着させることが可能な定着液等を提供する。
【解決手段】樹脂を含むトナーを記録媒体に定着させる定着液は、トナーに含まれる樹脂の少なくとも一部を溶解又は膨潤させる成分を含む液状粒子が、マイクロエマルジョンとして、分散媒に分散されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、定着液、トナーの定着方法、トナーの定着装置、画像形成方法、及び画像形成装置に関する。
プリンター、ファクシミリ、及び複写装置のような画像形成装置は、紙、布、及びOHP用シートのような記録媒体に、画像情報に基づいて文字や記号を含む画像を形成する装置である。特に、電子写真方式の画像形成装置は、普通紙に高精細な画像を高速で形成することができるため、広くオフィスで使用されている。このような電子写真方式の画像形成装置においては、記録媒体上のトナーを加熱して溶融させ、溶融したトナーを加圧することによって、トナーを記録媒体上に定着させる熱定着方式が、広く用いられている。この熱定着方式は、高い定着速度及び高い定着画像品質等を提供することができるため、好適に用いられている。
しかしながら、このような電子写真方式の画像形成装置における消費電力の約半分以上は、熱定着方式においてトナーを加熱することに消費されている。一方、近年における環境問題対策の観点からは、低消費電力(省エネルギー)の定着装置が、望まれている。即ち、トナーを定着するためにトナーを加熱する温度を今までよりも極端に低下させること、又は、トナーを加熱することを必要としない定着方法が、望まれている。特に、トナーを全く加熱することなくトナーを記録媒体に定着させる非加熱定着方法が、低消費電力の点で、理想的である。
このような非加熱定着方法としては、例えば、トナーを溶解または膨潤可能で、水に不溶または難溶である有機化合物が、水に分散混合された水中油滴型の定着剤を、未定着のトナーが所定位置に配設された被定着物の表面から噴霧または滴下してトナーを溶解または膨潤させたのち、被定着物を乾燥させるトナーの湿式定着方法が、特許文献1に開示されている。
しかしながら、特許文献1に開示される湿式定着方法においては、水に不溶又は難溶な有機化合物が、水に分散混合された水中油滴型の定着剤を用いているため、多量の定着剤を、未定着トナーに付与した場合には、転写紙などの記録媒体(非定着物)が、定着剤の水分を吸収し、記録媒体にシワやカールが発生する。これにより、画像形成装置に必要とされる安定かつ高速な記録媒体の搬送を著しく損なうこととなる。そこで、乾燥装置を用いて、定着剤に含まれる多量の水を蒸発させることにより、記録媒体に付与された定着剤から水分を除去しようとすると、熱定着方式を用いる画像形成装置の消費電力に匹敵する電力を必要とすることとなる。
また、大気中の水分を吸着することによってトナー粒子が互いに凝集することを予防し、トナーの流動性を維持するために、トナー粒子の表面は、通常、疎水性シリカなどを用いて、撥水性処理されている。このため、記録媒体上の未定着トナーに、上記定着剤のような分散媒として水を含む水系の定着液を噴霧又は滴下すると、撥水性処理されたトナー液状粒子は、水性の定着液によって弾かれてしまう。その結果、トナーによる画像に空白部分が形成され、画像に欠陥が生じる。
図1(a)、(b)、及び(c)は、記録媒体上の撥水性処理されたトナーに水を主成分とする定着液を付与する定着方法を説明する図である。図1(a)に示すように、記録媒体としての記録紙11上に転写された撥水性処理された未定着トナー12の層に、適当な定着液供給手段によって、水を主成分とする定着液13の液滴を滴下する。このとき、図1(b)に示すように、撥水性処理された未定着トナー12の層に、水を主成分とする定着液13の液滴が接触すると、撥水性処理された未定着トナー12の粒子は、水を主成分とする定着液13の液滴によって弾かれてしまう。その結果、図1(c)に示すように、水を主成分とする定着液13の液滴によって弾かれた撥水性処理された未定着トナー12の粒子は、記録紙11における水を主成分とする定着液13の拡散に伴って、水を主成分とする定着液13の液滴の周辺に移動する。そして、記録紙11に転写された撥水性処理された未定着トナー12の層には、望まれない撥水性処理されたトナーの空白部分が形成され、トナーによる画像に欠陥が生じることになる。このように、水を主成分とする定着液13を用いた場合には、記録紙11上に転写された未定着トナー12の層が、乱れ易いという問題点がある。
そこで、撥水性処理された未定着トナーを弾かない定着液として、非水系溶媒に、トナーを溶解又は膨潤させる材料を溶解させた非水系の定着液が、開示されている。例えば、トナーを構成する樹脂成分を溶解又は膨潤させる材料を成分としての脂肪族二塩基酸エステル等を希釈液(溶媒)として不揮発性のジメチルシリコーンで希釈した(溶解させた)定着液が、特許文献2に開示されている。また、静電気的方法で形成された未定着画像を、画像を乱すことなく鮮明にかつ容易に受像シート上に固着できる定着方法に用いることのできる定着用溶液として、トナーを溶解し、かつシリコーンオイルと相溶性を有する溶剤100容量に対し、シリコーンオイル8〜120容量部を混合してなる相溶状態の未定着トナー画像の定着用溶液が、特許文献3に開示されている。このような非水系の定着液は、撥水性処理された未定着トナーとの高い親和性を有する非水系溶媒を含むため、撥水性処理された未定着トナーを弾くことなく、トナーを溶解又は膨潤させ、トナーを記録媒体に定着させることができる。
ここで、非水系の定着液に使用される非水系溶媒として、VOC(揮発性有機化合物)
の使用は、人体に対する悪影響を及ぼし、不快な臭気を発生させるために、好ましくない。よって、非水系の定着液に使用される非水系溶媒としては、実際には、不揮発性の非水系溶媒が、使用される。
しかしながら、不揮発性の非水系溶媒に、トナーを溶解又は膨潤させる材料を溶解させた非水系の定着液は、記録媒体に対して高い浸透性を有する。このため、記録媒体上の未定着トナーに、上記のような非水系の定着液を噴霧又は滴下すると、非水系の定着液は、記録媒体に拡散及び記録媒体を通過する速度が高く、非水系の定着液に含まれるトナーを溶解又は膨潤させる材料の一部分のみが、記録媒体上の未定着トナーを溶解又は膨潤させることになる。そして、トナーを溶解又は膨潤させる材料の残りの部分は、トナーを溶解又は膨潤させることに利用されることなく、非水系溶媒と共に記録媒体に拡散又は記録媒体を通過してしまう。このように、非水系の定着液に含まれるトナーを溶解又は膨潤させる材料の一部分のみが、記録媒体上の未定着トナーを溶解又は膨潤させることになるため、非水系溶媒に含まれるトナーを溶解又は膨潤させる材料の濃度を高くする必要がある。例えば、本発明者は、特許文献3に開示される定着用溶液については、非水系溶媒としてのシリコーンオイルに溶解させる溶剤の濃度は、20重量%以上であることが、必要であることを見出した。よって、不揮発性の非水系溶媒に、トナーを溶解又は膨潤させる材料を溶解させた非水系の定着液については、トナーを溶解又は膨潤させる材料の、トナーを溶解又は膨潤させる効率が低い。
図2は、(a)、(b)、及び(c)は、記録媒体上の撥水性処理されたトナーに、不揮発性の非水系溶媒に、トナーを溶解又は膨潤させる材料を溶解させた非水系の定着液を付与する定着方法を説明する図である。図2(a)に示すように、記録媒体としての記録紙21上に転写された撥水性処理された未定着トナー22の層に、適当な定着液供給手段によって、不揮発性の非水系溶媒に、トナーを溶解又は膨潤させる材料を溶解させた非水系の定着液23の液滴を滴下する。このとき、図2(b)に示すように、記録紙21に接触した上記の非水系の定着液23は、記録紙21に対して高い浸透性を有し、記録紙21の中に急速に浸透する。その結果、図2(c)に示すように、非水系の定着液23に含まれるトナーを溶解又は膨潤させる材料の一部は、記録紙21上の未定着トナー22を溶解又は膨潤させることができるが、トナーを溶解又は膨潤させる材料の残りの部分は、記録紙21上の未定着トナー22を溶解又は膨潤させることなく、不揮発性の非水系溶媒と共に記録紙21内に浸透し拡散する。このように、不揮発性の非水系溶媒に、トナーを溶解又は膨潤させる材料を溶解させた非水系の定着液を用いた場合には、トナーを溶解又は膨潤させる材料の利用効率が低いという問題点がある。
従って、より効率的にトナーを記録媒体に定着させることが可能な定着液が望まれている。
特許第3290513号公報(請求項1等) 特開2004−109749号公報(第0009段落、第0031段落、第0032段落、第0034段落等) 特開昭59−119364号公報(特許請求の範囲1、第2頁右上欄等)
本発明は、より効率的にトナーを記録媒体に定着させることが可能な定着液、トナーの定着方法、トナーの定着装置、画像形成方法、及び画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明の第一の態様は、樹脂を含むトナーを記録媒体に定着させる定着液において、トナーに含まれる樹脂の少なくとも一部を溶解又は膨潤させる成分を含む液状粒子が、マイクロエマルジョンとして、分散媒に分散されていることを特徴とする定着液である。
本発明の第二の態様は、樹脂を含むトナーを記録媒体に定着させるトナーの定着方法において、本発明の第一の態様である定着液を用いることを特徴とするトナーの定着方法である。
本発明の第三の態様は、本発明の第二の態様であるトナーの定着方法を用いて、樹脂を含むトナーを記録媒体に定着させることを特徴とするトナーの定着装置である。
本発明の第四の態様は、樹脂を含むトナーの画像を記録媒体に形成する画像形成方法において、本発明の第二の態様であるトナーの定着方法を用いることを特徴とする画像形成方法である。
本発明の第五の態様は、本発明の第四の態様である画像形成方法を用いて、樹脂を含むトナーの画像を記録媒体に形成することを特徴とする画像形成装置である。
本発明によれば、より効率的にトナーを記録媒体に定着させることが可能な定着液、トナーの定着方法、トナーの定着装置、画像形成方法、及び画像形成装置を提供することができる。
次に、本発明の実施の形態を図面と共に説明する。
本発明による第一の実施形態は、樹脂を含むトナーを記録媒体に定着させる定着液において、トナーに含まれる樹脂の少なくとも一部を溶解又は膨潤させる成分を含む液状粒子が、マイクロエマルジョンとして、分散媒に分散されていることを特徴とする定着液である。
トナーは、結着樹脂、離型剤などのような樹脂を含む。トナーに含まれる樹脂は、特に限定されないが、好適な結着樹脂としては、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリル共重合体樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられ、離型剤としては、例えば、ポリエチレンなどのワックス成分などが挙げられる。トナーは、結着樹脂の他に、公知の着色剤、電荷制御剤、流動性付与剤、外添剤などを含んでもよい。また、トナーは、メチル基を有する疎水性シリカ及び疎水性酸化チタンのような疎水性微粒子をトナーの粒子の表面に固着させることによって、撥水性処理されていることが好ましい。
記録媒体は、特に限定されず、例えば、紙、布、及び液体透過層を有するOHP用シートのようなプラスチックフィルムなどが挙げられる。
トナーに含まれる樹脂の少なくとも一部を溶解又は膨潤させる成分は、トナーに含まれる樹脂の少なくとも一部を溶解又は膨潤させて、トナーを記録媒体に定着させることができる成分であれば、特に限定されない。なお、簡単のために、トナーに含まれる樹脂の少なくとも一部を溶解又は膨潤させる成分を、以下では、トナーの軟化剤とも呼ぶことにする。
液状粒子は、トナーの軟化剤を含む粒子であり、液体の粒子のみならず、ゲル状の液体の粒子、ワックスのような半固体の粒子であってもよい。液状粒子が、液体である場合には、その液状粒子の粘度は、好ましくは、1mPa・秒以上1Pa・秒以下である。液状粒子の粘度が、1mPa・秒未満であるか又は1Pa・秒を越える場合には、液状粒子の粘度が、低すぎるか又は高すぎて、定着液におけるその液状粒子の使用が、容易ではない。
分散媒は、トナーの軟化剤を含む液状粒子を、マイクロエマルジョンとして、分散させることができる液体の分散媒であり、水系分散媒又は非水系分散媒である。ここで、水系分散媒は、室温(20℃)における水に対する溶解度が、90重量%以下である分散媒である。また、非水系分散媒は、室温(20℃)における水に対する溶解度が0.1重量%以下である分散媒である。分散媒が、水系分散媒である場合には、水に対するトナーの軟化剤の溶解性は、0.1%以下である、すなわち、非水系であることが好ましい。
マイクロエマルジョンは、一般に、数nm〜数百nm程度の大きさを備えた油相又は水相の微粒子が、水相又は油相の分散媒において、その分散媒の界面活性の作用によって、分散している、分散系である。特に、マイクロエマルジョンは、通常のエマルジョンよりも小さい微粒子が、自己分散し、分散媒は、それ自体、界面活性を有する物質(cosurfactant)として機能し、微粒子を安定化させる。よって、マイクロエマルジョンには、分散媒において液状粒子を安定化させるための界面活性剤を必ずしも必要としない。また、マイクロエマルジョンは、液状粒子を分散媒によって安定化させるので、通常のエマルジョンよりも高い安定性及び保存性を有する。
油相の微粒子が、水相の分散媒に分散している場合には、そのマイクロエマルジョンは、水中油滴型又はミセル構造のマイクロエマルジョンと呼ばれる。一方、水相の微粒子が、油相の分散媒に分散している場合には、そのマイクロエマルジョンは、油中水滴型又は逆ミセル構造のマイクロエマルジョンと呼ばれる。
マイクロエマルジョンにおいては、通常の溶液とは異なり、水相及び油相が、分子レベルで互いに溶解せずに、あくまでも分離したままである。マイクロエマルジョンは、通常のエマルジョン(数ミクロン程度の粒子が分散媒に分散する分散系)とも異なり、白濁した系ではなく、(微粒子による若干の光の散乱によって若干青白いこともある)透明な系であり、油相又は水相が互いに溶解しているような外観を示す。
よって、通常、マイクロエマルジョンは、目視で透明であり、光の透過率による懸濁度の測定では、マイクロエマルジョン及び溶液を通常のエマルジョンと区別することはできるが、マイクロエマルジョンを溶液と区別することができない。マイクロエマルジョンにおいて分散する微粒子の粒度分布の測定には、光散乱法及び小角X線散乱法のような散乱法が用いられる。このような散乱法による微粒子の粒度分布の測定によって、マイクロエマルジョンを溶液と区別することができる。なお、本発明者は、ドップラー光散乱法を用いて、マイクロエマルジョンにおいて分散する微粒子の粒度分布を測定し、マイクロエマルジョンにおいて分散する微粒子の個数平均粒径を得た。
トナーの軟化剤を含む液状粒子を、分散媒に分散させるため方法としては、トナーの軟化剤を含む材料を、分散媒に混合し、得られる混合物を機械的に攪拌する又は得られる混合物に振動を与えることによって、本発明の第一の実施形態による定着液を得ることができる。例えば、ホモミキサー及びホモジナイザーのような機械的に攪拌する手段、並びに超音波ホモジナイザーのような振動を与える手段が、挙げられる。特に、トナーの軟化剤を含む液状粒子の粒径を1nm以上100nm以下とするためには、機械式ホモジナイザー、ホモミキサー、及び超音波ホモジナイザーのような振動式の強く攪拌する手段を用いることが、望ましい。
本発明の第一の実施形態によれば、より効率的にトナーを記録媒体に定着させることが可能な定着液を提供することができる。
例えば、本発明の第一の実施形態による定着液は、水系又は非水系分散媒のいずれを用いた場合であっても、トナーに対する良好な濡れ性を有するため、記録媒体に提供されたトナーに定着液を付与する際に、定着液の付与によって生じ得る、記録媒体に提供されたトナーによって形成される画像の欠陥を低減することができる。
また、例えば、本発明の第一の実施形態による定着液においては、トナーの軟化剤を、溶媒に溶解させるのではなく、トナーの軟化剤を含む液状粒子を、通常のエマルジョンに分散する粒子よりも小さい微粒子を含むマイクロエマルジョンとして、分散媒に分散させるので、トナーの軟化剤を含む、より多数の微粒子の液状粒子が、分散媒に分散しており、より多数の微粒子の液状粒子を、記録媒体に提供されたトナーに作用させることが可能となる。このようにして、記録媒体に提供されたトナーに対するトナーの軟化剤を含む液状粒子の合計の接触面積を、増加させることができる。
その結果、分散媒が、記録媒体中に浸透する又は記録媒体を通過する一方で、トナーの軟化剤を含む液状粒子は、記録媒体中に浸透せずに又は記録媒体を通過せずに濃縮されて、記録媒体に提供されたトナーと接触する確率が高くなる。この場合には、液状粒子に含まれるトナーの軟化剤が、記録媒体中に浸透せずに又は記録媒体を通過せずに、記録媒体に提供されたトナーに作用する確率も高くなるため、トナーの軟化剤を、記録媒体に提供されたトナーに対して有効に作用させて、トナーに含まれる樹脂の少なくとも一部を有効に溶解又は膨潤させることができる。これにより、記録媒体に提供されたトナーを、より高速に定着させることが可能となり、結果として、記録媒体に提供されたトナーの定着応答性を向上させることが可能となる。
また、定着液に含まれるトナーの軟化剤の量を低減することも可能となる。さらに、トナーの軟化剤の消費における無駄を低減することが可能となる。
加えて、本発明の第一の実施形態による定着液においては、液状粒子が、通常のエマルジョンに分散される粒子よりも小さいマイクロエマルジョンの微粒子であるため、より多数の微粒子の液状粒子を、記録媒体に提供されたトナーに作用させることができる。よって、液状粒子に含まれるトナーの軟化剤を、記録媒体に提供されたトナーに、より均一に作用させることができる。結果として、記録媒体に提供されたトナーを、より均一に定着させることができる。すなわち、記録媒体に提供されたトナーの定着のムラを低減する又は無くすことができる。
さらに、本発明の第一の実施形態による定着液は、微粒子の液状粒子が分散媒に分散されている、マイクロエマルジョンであるため、微粒子の液状粒子に含まれるトナーの軟化剤は、低減されている。このため、過剰のトナーの軟化剤が、記録媒体に提供されたトナーを溶解又は膨潤させ過ぎることを低減し、液化したトナーが、記録媒体に浸透し、記録媒体に提供されたトナーによって形成された画像の乱れ(にじみ)が発生することを低減することができる。すなわち、トナーによって形成された画像を、記録媒体に良好に定着させることができる。
本発明の第一の実施形態による定着液において、好ましくは、液状粒子は、液体である。トナーの軟化剤を含む液状粒子が、液体の液状粒子であるとき、定着液は、液体の液状粒子が、分散媒に分散されているマイクロエマルジョンである。この場合には、トナーの軟化剤を含む液状粒子が、液体の液状粒子であるので、トナーの軟化剤を含む液体の液状粒子が、記録媒体に提供されたトナーとより容易に作用し、記録媒体に提供されたトナーを、より高速に定着させることが可能となる。
本発明の第一の実施形態による定着液において、好ましくは、上記の液状粒子は、上記のトナーに含まれる樹脂の少なくとも一部を溶解又は膨潤させる成分(トナーの軟化剤)を含む単一の相からなる。
液状粒子が、トナーの軟化剤を含む単一の相からなる場合であって、且つ、トナーの軟化剤を含む液状粒子が、水系の液状粒子である場合には、定着液は、非水系分散媒に水系の液状粒子が分散する油中水滴(W/O)型のマイクロエマルジョンである。また、トナーの軟化剤を含む単一の相からなる場合であって、且つ、トナーの軟化剤を含む液状粒子が、非水系の液状粒子である場合には、定着液は、水系分散媒に非水系の液状粒子が分散する水中油滴(O/W)型マイクロエマルジョンであるか又は非水系分散媒に非水系の液状粒子が分散する油中油(O/O)マイクロエマルジョンである。
液状粒子が、トナーに含まれる樹脂の少なくとも一部を溶解又は膨潤させる成分(トナーの軟化剤)を含む単一の相からなる場合には、トナーの軟化剤を含む液状粒子を、安定して、分散媒に分散させることができる。
本発明の第一の実施形態による定着液において、好ましくは、上記の液状粒子の個数平均粒径は、1nm以上100nm以下である。
ここで、トナーの軟化剤を含む液状粒子の個数平均粒径の測定には、光散乱法及び小角X線散乱法のような散乱法が用いられる。なお、本発明者は、レーザー光の散乱光(チンダル現象)を利用するドップラー光散乱法を用いて、マイクロエマルジョンにおいて分散する微粒子の粒度分布を測定し、マイクロエマルジョンにおいて分散する微粒子の個数平均粒径を得た。
まず、本発明による第一の実施形態の定着液において、マイクロエマルジョンを形成するためには、液状粒子の個数平均粒径が、100nm以下であることが好ましい。トナーの軟化剤を含む粒子の個数平均粒径が、100nm以下である場合には、本発明の第一の実施形態による定着液を、トナーが提供された記録媒体に付与したとき、トナーの軟化剤が、記録媒体に提供されたトナーの粒子間を通過せずに、又は、記録媒体中に浸透せずに若しくは記録媒体を通過せずに、記録媒体に提供されたトナーの粒子上に付着する確率が高くなる。その結果、記録媒体に提供されたトナーに作用する確率も高くなるため、トナーの軟化剤を、記録媒体に提供されたトナーに対して、より有効に作用させることができる。これにより、記録媒体に提供されたトナーを、より高速に定着させることが可能となる。また、トナーの軟化剤の量を、より低減することも可能となり、トナーの軟化剤の消費における無駄を、より低減することが可能となる。さらに、記録媒体に提供されたトナーを定着させる定着におけるムラをより低減する又は無くすことができる。
次に、本発明による第一の実施形態の定着液において、上記の液状粒子の個数平均粒径は、1nm以上であることが好ましい。
トナーの軟化剤を含む粒子の個数平均粒径が、1nm以下である場合には、本発明の第一の実施形態による定着液を、トナーが提供された記録媒体に付与したとき、トナーの軟化剤も、分散媒とともにトナーの粒子間を容易に通過し、又は、記録媒体中に容易に浸透し若しくは記録媒体を容易に通過し、液状粒子を、記録媒体に提供されたトナーの粒子上に効率よく付着させることが困難であることがある。その結果、トナーの軟化剤を、記録媒体に提供されたトナーに作用させることが、困難であることがある。
本発明の第一の実施形態による定着液において、好ましくは、上記の分散媒は、アルコール類を含む。
分散媒は、アルコール類を含む場合、分散媒は、水系分散媒である。アルコール類は、一種類のアルコールであってもよく、複数種類のアルコールの混合物であってもよい。また、アルコール類は、単価アルコールであってもよく、多価アルコールであってよい。単価アルコールとしては、エタノールなどが挙げられる。また、多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール(1,3−ブチレングリコール)、グリセリンなどが挙げられる。
本発明者は、水に対するトナーの軟化剤の溶解性が、0.1%以下である、すなわち、非水系である場合、分散媒のアルコール類は、それ自体、界面活性を有する物質(cosurfactant)として機能し、安定したマイクロエマルジョンを容易に形成することができることを見出した。
本発明の第一の実施形態による定着液において、好ましくは、上記のアルコール類は、プロピレングリコール又は1,3−ブタンジオールを含む。
プロピレングリコール及び1,3−ブタンジオールは、人体に対する安全性が極めて高く、不快臭を発生させない、分散媒を提供することができる。
本発明による第一の実施形態の定着液において、好ましくは、上記のアルコール類は、プロピレングリコールを含む。
特に、上記のアルコール類が、プロピレングリコールを含む場合には、プロピレングリコールは、人体に対して極めて安全な材料であり、人体に対して安全な定着液を提供することが可能となる。加えて、プロピレングリコールは、徐々に揮発する性質を有する。分散媒が、完全に不揮発性物質であると、定着液を記録媒体に付与した後、分散媒が、記録媒体上にいつまでも残存することになる。その結果、定着したトナーを備えた記録媒体の筆記性又は手で触ったときの質感を損なうことがある。よって、分散媒は、徐々に記録媒体から揮発することが、望ましい。上記のアルコール類が、プロピレングリコールを含む場合には、プロピレングリコールは、徐々に揮発する性質を有するため、定着したトナーを備えた記録媒体は、良好な筆記性又は手で触ったときの質感を与えることが可能となる。一方、揮発性有機物は、人体に対する影響の点で問題となる。しかしながら、プロピレングリコールは、極めて高い安全性を有し、プロピレングリコールの緩やかな揮発は、問題とならない。また、分散媒としてのプロピレングリコールは、緩やかに揮発するため、定着液を、大気中に放置しても、定着液を安定に保持することが容易である。
本発明による第一の実施形態の定着液において、好ましくは、上記のアルコール類は、エタノールを含む。
上記のアルコール類が、エタノールを含む場合には、エタノールは、人体に対して極めて安全な材料であり、揮発性有機物の中で、オフィス環境でも使用することができる唯一の材料であるため、人体に対して安全な定着液を提供することが可能となる。また、エタノールは、各種の多孔質の材料に対して優れた浸透性を示す材料であり、記録媒体及び記録媒体に提供されたトナーに対しても優れた浸透性を有する分散媒である。そして、分散媒としてのエタノールが、記録媒体及び記録媒体に提供されたトナーをより速く通過するため、定着液に含まれる液状粒子が、記録媒体に提供されたトナーに、より容易に、付着すると共に残存する。その結果、液状粒子に含まれるトナーの軟化剤が、記録媒体に提供されたトナーに対して、より容易に作用し、定着液の定着速度を向上させることができる。
本発明の第一の実施形態による定着液において、好ましくは、上記の分散媒は、n−アルカンを含む。
上記の分散媒は、n−アルカンを含む場合には、n−アルカンは、特に撥水性処理されたトナーに対して高い親和性を有するため、撥水性処理されたトナーを、顕著に濡らすことができる。すなわち、パラフィン系の分散媒であるn−アルカンは、25mN/m以下の低い表面張力を有し、撥水性処理されたトナーに対して高い親和性を有する。
その結果、本発明の第一の実施形態におる定着液を、記録媒体における撥水性処理されたトナーに付与するとき、撥水性処理されたトナーによって形成される画像の乱れを、低減することができる。例えば、n−アルカンの中で、デカン、ドデカン、ウンデカン、及びトリデカンは、より低い揮発性を有し、非水系分散媒としてデカン、ドデカン、ウンデカン、及びトリデカンのいずれかを含む液滴を、記録媒体における撥水性処理されたトナーへ付与したとき、撥水性処理されたトナーによって形成される画像の乱れは、ほとんど発生しない。
本発明の第一の実施形態による定着液において、好ましくは、上記の分散媒は、ジメチルシリコーンを含む。
上記の分散媒は、ジメチルシリコーンを含む場合には、ジメチルシリコーンは、特に撥水性処理されたトナーに対して高い親和性を有するため、撥水性処理されたトナーを、顕著に濡らすことができる。すなわち、シリコーン系の分散媒であるジメチルシリコーンは、20mN/m程度の低い表面張力を有し、撥水性処理されたトナーに対して高い親和性を有する。
その結果、本発明の第一の実施形態におる定着液を、記録媒体における撥水性処理されたトナーに付与するとき、撥水性処理されたトナーによって形成される画像の乱れを、低減することができる。
また、ジメチルシリコーンは、無臭であり、人体に対する安全性が高い。このため、分散媒としてジメチルシリコーンは、無臭且つ人体に対して安全な定着液を提供することが可能となる。特に、3mPa・秒以上の粘度を有するジメチルシリコーンは、より低い揮発性を有する。
また、分散媒としてジメチルシリコーンを含む液滴を、記録媒体における撥水性処理されたトナーへ付与したとき、撥水性処理されたトナーによって形成される画像の乱れは、ほとんど発生しない。
本発明の第一の実施形態による定着液において、好ましくは、上記の分散媒は、水を含まない。
定着液の分散媒が、水を含み、分散媒における水の割合が、高い場合には、記録媒体が、紙であるとすると、紙におけるパルプの繊維が、ほぐれて、紙のシワが、容易に発生する。上記の分散媒が、水を含まない(分散媒における水の含有率が、0%である)ことが、最も望ましく、紙のシワの発生を低減することができる。なお、定着液の分散媒が、水を含む場合には、分散媒における水の含有率は、20%以下であることが望ましい。
本発明の第一の実施形態による定着液において、好ましくは、上記の分散媒の表面張力は、20mN/m以上40mN/m以下である、及び/又は、上記の液状粒子の表面張力は、20mN/m以上40mN/m以下である。また、本発明の第一の実施形態による定着液において、好ましくは、定着液の表面張力が、20mN/m以上40mN/m以下である。
ここで、分散媒の表面張力及び液状粒子の表面張力は、それぞれ、常温(室温:20℃)且つ常圧(大気圧)における値である。また、分散媒の表面張力及び液状粒子の表面張力は、例えば、白金プレートを用いたプレート法(ウィルヘルミー法)によって、測定される。
上記の分散媒及び/又は上記の液状粒子は、記録媒体に提供されたトナーに対して親和性を有することが、好ましい。ここで、親和性とは、液体が固体に接触したときに、固体の表面に対する液体の拡張濡れの程度を意味する。よって、言い換えれば、上記の分散媒及び/又は上記の液状粒子は、記録媒体に提供されたトナーに対して濡れ性を有することが、好ましい。
記録媒体に提供されたトナーに対する上記の分散媒及び/又は上記の液状粒子の親和性(濡れ性)は、記録媒体に提供されたトナーの樹脂からなる平板の平面に付与された上記の分散媒の液滴及び/又は上記の液状粒子の後退接触角の値によって評価される。上記の後退接触角の値が、1度以下である場合には、上記の分散媒及び/又は上記の液状粒子は、記録媒体に提供されたトナーに対して親和性(濡れ性)を有する。一方、上記の後退接触角の値が、1度を超える場合には、上記の分散媒及び/又は上記の液状粒子は、記録媒体に提供されたトナーに対して親和性(濡れ性)を有さない。
疎水性シリカ及び疎水性酸化チタンのような疎水性微粒子で撥水性処理されたトナーの表面は、疎水性シリカ及び疎水性酸化チタンのメチル基によって覆われており、おおよそ20mN/m程度の表面エネルギーを有する。撥水性処理されたトナーの表面の全てが、疎水性微粒子によって覆われてはいないため、撥水性処理されたトナーの表面エネルギーは、おおよそ、20mN/m〜40mN/mであると推測される。よって、撥水性処理されたトナーに対して親和性を有する(濡れ性を有する)ためには、分散媒及び/又は液状粒子の表面張力及び/又は定着液の表面張力は、20mN/m以上40mN/m以下であることが好ましい。このような分散媒としては、例えば、フッ素系オイル、パラフィン系分散媒、オレフィン系分散媒、シリコーン系分散媒などが挙げられる。
また、トナーの軟化剤を含む液状粒子が、マイクロエマルジョンとして、分散媒に分散する定着液においては、トナーの軟化剤を含む液状粒子の粒子径が、小さい(おおよそ1nm〜100nmである)ため、トナーの軟化剤を含む液状粒子が、記録媒体に提供されたトナーに付着せずに、記録媒体に提供されたトナーの粒子間を容易に通過する、又は、紙のパルプ繊維目のような記録媒体を容易に通過する可能性がある。
よって、液状粒子は、記録媒体に提供されたトナーに対して親和性を有することが、好ましい。この場合には、トナーの軟化剤を含む液状粒子が、記録媒体に提供されたトナーの表面に付着され易くなる。その結果、トナーの軟化剤を含む液状粒子が、より容易に、記録媒体に提供されたトナーの表面に濃縮されると共に残存する。そして、記録媒体に提供されたトナーに、トナーの軟化剤をより容易に作用させて、トナーを記録媒体により容易に定着させることができる。また、液状粒子が、記録媒体に提供されたトナーに対して親和性を有する場合には、記録媒体に提供されたトナーに定着液を付与したとき、定着液に含まれる分散媒が、記録媒体に広がる一方で、定着液に含まれる液状粒子を、記録媒体に提供されたトナーにおける定着液が付与された部分に局所的に作用させることができる。すなわち、記録媒体に提供されたトナーにおける定着液が付与された部分を局所的に定着させることができる。これに対して、トナーの軟化剤を含む溶液である定着液については、定着液が、記録媒体に提供されたトナーに広がると、分散媒のみならずトナーの軟化剤も記録媒体に提供されたトナーに広がって、記録媒体に提供されたトナーにおける定着液が広がった部分の全体が定着されるが、軟化剤の定着液中の濃度が低い場合、軟化剤が記録媒体中に拡散してしまうため定着性が低くなる。
また、分散媒は、記録媒体に提供されたトナーに対して親和性を有することが、好ましい。この場合には、分散媒を含む定着液が、記録媒体に提供されたトナーに付与されたとき、分散媒が、記録媒体に提供されたトナーに対して親和性を有するため、定着液も、記録媒体に提供されたトナーに対して親和性し、定着液は、記録媒体に提供されたトナーに弾かれず、記録媒体に提供されたトナーに付着することができる。
なお、液状粒子は、トナーの軟化剤、すなわち、トナーに含まれる樹脂の少なくとも一部を溶解又は膨潤させる成分を含むことによって、しばしば、記録媒体に提供されたトナーに対して親和性を有する。
本発明の第一の実施形態による定着液において、好ましくは、上記の分散媒における上記の液状粒子の含有率は、0.5重量%以上50重量%以下である。より好ましくは、上記の分散媒における上記の液状粒子の含有率は、1重量%以上10重量%以下である。
上記の分散媒における上記の液状粒子の含有率が、0.5重量未満であると、トナーに含まれる樹脂の少なくとも一部を溶解又は膨潤させることが困難であり、トナーを記録媒体に十分に定着させることが、困難であることがある。一方、上記の分散媒における上記の液状粒子の含有率が、50重量%を超えると、トナーに含まれる樹脂の少なくとも一部を溶解又は膨潤させ過ぎて、トナーの流動性を長時間にわたって低下させることができず、定着液を付与したトナーの層が、長時間にわたって粘着性を有することがある。よって、上記の分散媒における上記の液状粒子の含有率は、0.5重量%以上50重量%以下であると、トナーに含まれる樹脂の少なくとも一部を適度に溶解又は膨潤させ、トナーを記録媒体に良好に定着させることができる。
本発明の第一の実施形態による定着液は、好ましくは、界面活性剤をさらに含む。
分散媒が、水系分散媒であると共に高い表面張力を有する場合、界面活性剤を定着液に含有させることによって、分散媒の表面張力を低下させることができる。この場合には、分散媒を含む定着液の表面張力を、低下させることができ、定着液は、撥水性処理されたトナーに対して親和性を有し得る。その結果、トナーの軟化剤を含む液状粒子が、記録媒体に提供されたトナーの表面に付着され易くなる。そして、記録媒体に提供されたトナーに、トナーの軟化剤をより容易に作用させて、トナーを記録媒体により容易に定着させることができる。例えば、単価アルコールの分散媒よりも高い表面張力を有する多価アルコールの分散媒を用いる場合には、界面活性剤を定着液に添加して、分散媒の表面張力を低下させることが、好ましい。
本発明の第一の実施形態による定着液において、好ましくは、上記の界面活性剤のHLB値は、10以上である。
上記の界面活性剤のHLB(親水性・親油性バランス)値が、10以上である場合には、水系分散媒を含む定着液に、撥水性処理されたトナーに対する親和性を与えることができる。ここで、HLB値は、例えば、グリフィン(Griffin)の式として知られる
HLB値=20×(界面活性剤中の親水性基分子量)/(界面活性剤の分子量)
によって算出された値とする。HLB値が10以上である界面活性剤としては、例えば、HLB値が13以上であるポリオキシアルキル変性シリコーンが挙げられる。
本発明の第一の実施形態による定着液において、好ましくは、上記のトナーに含まれる樹脂の少なくとも一部を溶解又は膨潤させる成分(トナーの軟化剤)は、脂肪族エステルを含む。
脂肪族エステルは、トナーに含まれる樹脂の少なくとも一部を溶解又は膨潤させる溶解性又は膨潤性に優れるため、トナーの軟化剤は、脂肪族エステルを含むことが好ましい。
また、トナーの軟化剤については、人体に対する安全性の観点から、その急性経口毒性LD50が3g/kgよりも大きいことが好ましい。脂肪族エステルは、化粧品原料として多用されているように、人体に対する安全性が高い。
さらに、記録媒体に対するトナーの定着は、密閉された環境において頻繁に使用される機器で行われ、トナーの軟化剤は、トナーの記録媒体への定着後にも、トナー中に残留するため、記録媒体に対するトナーの定着は、揮発性有機化合物(VOC)及び不快臭の発生を伴わないことが、好ましい。すなわち、トナーの軟化剤は、揮発性有機化合物(VOC)及び不快臭の原因となる物質を含まないことが好ましい。脂肪族エステルは、一般に汎用される有機溶剤(トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、酢酸エチルなど)と比較して、高い沸点及び低い揮発性を有し、刺激臭を持たない。また、脂肪族エステルは、水質汚染を引き起こさないという利点も有する。
なお、オフィス環境等における臭気を高い精度で測定することができる実用的な臭気の測定尺度として、官能測定である三点比較式臭袋法による臭気指数(10×log(物質の臭気が感じられなくなるまでの物質の希釈倍率))を臭気の指標とすることができる。
トナーの軟化剤に含まれる脂肪族エステルの臭気指数は、10以下であることが好ましい。この場合には、通常のオフィス環境では、不快臭を感じなくなる。
なお、トナーの軟化剤のみならず、定着液に含まれる分散媒などの材料も、同様に、不快臭及び刺激臭を有さないことが好ましい。なお、定着液における分散媒の含有量は、多いため、分散媒の臭気指数は、好ましくは、7以下であり、さらに好ましくは、3以下である。
本発明の第一の実施形態による定着液において、好ましくは、上記の脂肪族エステルは、飽和脂肪族エステルを含む。
上記の脂肪族エステルが、飽和脂肪族エステルを含む場合には、トナーの軟化剤の保存安定性(酸化及び加水分解などに対する耐性)を向上させることができる。また、飽和脂肪族エステルは、人体に対する安全性が高く、多くの飽和脂肪族エステルは、トナーに含まれる樹脂を1秒以内で溶解又は膨潤させることができる。さらに、飽和脂肪族エステルは、溶解又は膨潤したトナーの表面に油膜を形成すると考えられるため、飽和脂肪族エステルは、分散媒が記録媒体内に浸透した後又記録媒体上で蒸発した後、記録媒体に提供されたトナーの粘着感を低下させることができる。
本発明の第一の実施形態による定着液において、好ましくは、上記の飽和脂肪族エステルは、一般式
COOR
で表される化合物を含み、Rは、炭素数が11以上14以下のアルキル基であり、Rは、炭素数が1以上3以下のアルキル基である。
上記の飽和脂肪族エステルが、一般式RCOORで表される化合物を含み、Rは、炭素数が11以上14以下のアルキル基であり、Rは、炭素数が1以上3以下のアルキル基である場合には、トナーに含まれる樹脂に対する溶解性又は膨潤性を向上させることができる。また、上記の化合物の臭気指数は、10以下であり、上記の化合物は、不快臭及び刺激臭を有さない。
上記の化合物である脂肪族モノカルボン酸エステルとしては、例えば、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、トリデシル酸エチル、トリデシル酸イソプロピル、ミリスチン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル等が挙げられる。上記の化合物であるこれらの脂肪族モノカルボン酸エステルの多くは、非水系分散媒に溶解するが、水系分散媒には溶解しない。よって、上記の化合物である脂肪族モノカルボン酸エステルの多くについては、例えば、上記の化合物である脂肪族モノカルボン酸エステルからなる液状粒子を、水系分散媒に分散させることによって、マイクロエマルジョンを得ること、すなわち、本発明の第一の実施形態による定着液を得ることができる。よって、図3に示すように、トナーの軟化剤としての脂肪族モノカルボン酸エステルからなる液状粒子が、マイクロエマルジョンとして、水系分散媒に分散した定着液を、得ることができる。
本発明の第一の実施形態による定着液において、好ましくは、上記の脂肪族エステルは、脂肪族ジカルボン酸エステルを含む。
上記の脂肪族エステルが、脂肪族ジカルボン酸エステルを含む場合には、より短い時間でトナーに含まれる樹脂を溶解又は膨潤させることができる。例えば、60ppm程度の高速印字では、記録媒体における未定着のトナーに定着液を付与し、トナーが記録媒体に定着するまでの時間は、1秒以内であることが望ましい。上記の脂肪族エステルが、脂肪族ジカルボン酸エステルを含む場合には、記録媒体における未定着のトナーに定着液を付与し、トナーが記録媒体に定着するのに要する時間を、1秒以内にすることが可能となる。さらに、より少量のトナーの軟化剤の添加によって、トナーに含まれる樹脂を溶解又は膨潤させることができるため、定着液に含まれるトナーの軟化剤の含有量を、低減することができる。
本発明の第一の実施形態による定着液において、好ましくは、上記の脂肪族ジカルボン酸エステルは、一般式
(COOR
で表される化合物を含み、Rは、炭素数が3以上8以下のアルキレン基であり、Rは、炭素数が2以上5以下のアルキル基である。
上記の脂肪族ジカルボン酸エステルが、一般式R(COORで表される化合物を含み、Rは、炭素数が3以上8以下のアルキレン基であり、Rは、炭素数が2以上5以下のアルキル基である場合には、トナーに含まれる樹脂に対する溶解性又は膨潤性を向上させることができる。また、上記の化合物の臭気指数は、10以下であり、上記の化合物は、不快臭及び刺激臭を有さない。
上記の化合物である脂肪族ジカルボン酸エステルとしては、例えば、コハク酸ジエチル、アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソデシル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル等が挙げられる。上記の化合物であるこれらの脂肪族ジカルボン酸エステルの多くは、非水系分散媒に溶解するが、水系分散媒には溶解しない。よって、上記の化合物である脂肪族ジカルボン酸エステルの多くについては、例えば、上記の化合物である脂肪族ジカルボン酸エステルからなる液状粒子を、水系分散媒に分散させることによって、マイクロエマルジョンを得ること、すなわち、本発明の第一の実施形態による定着液を得ることができる。よって、図3に示すように、トナーの軟化剤としての脂肪族ジカルボン酸エステルからなる液状粒子が、マイクロエマルジョンとして、水系分散媒に分散した定着液を、得ることができる。
本発明の第一の実施形態による定着液において、好ましくは、上記の脂肪族エステルは、脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルを含む。
上記の脂肪族エステルが、脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルを含む場合には、記録媒体に対するトナーの定着性を向上させることができる。
本発明の第一の実施形態による定着液において、好ましくは、上記の脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルは、一般式
(COOR−O−R
で表される化合物を含み、Rは、炭素数が2以上8以下のアルキレン基であり、Rは、炭素数が2以上4以下のアルキレン基であり、Rは、炭素数が1以上4以下のアルキル基である。
上記の脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルは、一般式R(COOR−O−Rで表される化合物を含み、Rは、炭素数が2以上8以下のアルキレン基であり、Rは、炭素数が2以上4以下のアルキレン基であり、Rは、炭素数が1以上4以下のアルキル基である場合には、トナーに含まれる樹脂に対する溶解性又は膨潤性を向上させることができる。また、上記の化合物の臭気指数は、10以下であり、上記の化合物は、不快臭及び刺激臭を有さない。
上記の化合物である脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルとしては、例えば、コハク酸ジエトキシエチル、コハク酸ジブトキシエチル、アジピン酸ジエトキシエチル、アジピン酸ジブトキシエチル、セバシン酸ジエトキシエチル等が挙げられる。上記の化合物であるこれらの脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルの多くは、水に若干溶解する(若干水性である)。よって、上記の化合物である脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルの多くについては、例えば、上記の化合物である脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルからなる液状粒子を、直接、非水系媒体に分散させることによって、マイクロエマルジョンを得ること、すなわち、本発明の第一の実施形態による定着液を得ることができる。よって、図3に示すように、トナーの軟化剤としての脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルからなる液状粒子が、マイクロエマルジョンとして、非水系分散媒に分散した定着液を、得ることができる。
図3は、本発明による定着液の一つの例を説明する図である。図3に示す定着液30は、分散媒31、及び分散媒31に溶解しないトナーの軟化剤を含む単一の相からなる液状粒子32を含む。定着液30において、液状粒子32は、分散媒31中に分散している。液状粒子32は、トナーの軟化剤のみで構成されている。分散媒31は、水系分散媒又は非水系分散媒である。水系分散媒は、例えば、単価のアルコール類又はグリコール類であってもよく、非水系分散媒は、例えば、n−アルカン、ジメチルシリコーン、又はα−オレフィン系溶剤であってもよい。トナーの軟化剤は、例えば、分散媒31に溶解しない脂肪族エステルであってもよい。また、定着液30は、分散媒31に液状粒子32を安定して分散させるための界面活性剤のような分散剤を含んでもよい。
本発明の第二の実施形態は、樹脂を含むトナーを記録媒体に定着させるトナーの定着方法において、本発明の第一の実施形態による定着液を用いることを特徴とするトナーの定着方法である。
より詳しくは、本発明による第二の実施形態のトナー定着方法においては、記録媒体における樹脂を含むトナーに、本発明の第一の実施形態による定着液を付与することによって、樹脂を含むトナーを記録媒体に定着させる。
本発明による第二の実施形態によれば、より効率的にトナーを記録媒体に定着させることが可能なトナーの定着方法を提供することができる。
図4(a)〜(d)は、本発明によるトナーの定着方法の具体例を説明する図である。
まず、図4(a)に示すように、記録媒体41に転写された撥水性トナー42に対して、インクジェットノズル及びスプレーガンのような適当な定着液供給手段を使用して、本発明の第一の実施形態による定着液43を提供する。この定着液43は、撥水性トナー42に対して高い親和性を有する分散媒44に、マイクロエマルジョンとして分散された、トナーの軟化剤を含む液体の液状粒子45を含む。液状粒子45は、トナーの軟化剤を含むことによって、撥水性トナー42に対して親和性を有する。
次に、図4(b)に示すように、定着液43が、記録媒体41及び記録媒体41に転写された撥水性トナー42に接触したとき、定着液43は、主として、撥水性トナー42に対して高い親和性を有する分散媒44を含むため、撥水性トナー42は、定着液43によっては弾かれず、記録媒体41に転写された撥水性トナー42の層の乱れは、ほとんど発生しない。そして、定着液43に含まれる分散媒44は、記録媒体41及び記録媒体41に転写された撥水性トナー42の層に広がっていく。
次に、図4(c)に示すように、定着液43に含まれる分散媒44が、撥水性トナー42の層における空隙を通過し、記録媒体41の中に浸透する一方で、定着液43に含まれる液状粒子45は、撥水性トナー42の層における空隙及び記録媒体41を通過せずに、撥水性トナー42の層に付着する。ここで、液状粒子45は、撥水性トナー42の層における定着液43が滴下された部分に付着する。よって、分散媒44が、撥水性トナー42の層における空隙を通過し、記録媒体41の中に浸透するとき、定着液43に含まれる液状粒子45の濃度、すなわち、トナーの軟化剤の濃度が、増加することになる。
そして、図4(d)に示すように、分散媒44が、記録媒体41の中に十分に浸透する一方で、複数の液状粒子45が、互いに結合し、トナーの軟化剤を含む液層46を形成する。液層46に含まれるトナーの軟化剤は、急速に撥水性トナー42を溶解又は膨潤させる。その結果、撥水性トナー42の層は、フィルム状になり、記録媒体41に定着する。
このように、分散媒44におけるトナーの軟化剤の濃度が低くても、分散媒44が記録媒体41に浸透する一方で、トナーの軟化剤の濃度が、撥水性トナー42の層の表面で高くなる。よって、定着液中におけるトナーの軟化剤の含有量を、低減することができる。また、トナーの軟化剤の多くは、撥水性トナー42に作用することができ、記録媒体41中へ浸透するトナーの軟化剤の量は、比較的少ない。よって、トナーの軟化剤を無駄に消費しない。
さらに、定着液43は、マイクロエマルジョンであり、液状粒子45は、通常のエマルジョンに分散される粒子よりも小さい微粒子である。よって、撥水性トナー42に接触する液状粒子45の合計の接触面積が、より大きく、液状粒子45に含まれるトナーの軟化剤を、撥水性トナー42に効率よく作用させ、記録媒体41に対するトナーの定着応答性を向上させることができる。また、液状粒子45は、通常のエマルジョンに分散される粒子よりも小さい微粒子であるため、より多数の液状粒子45を、撥水性トナー42に、より均一に付着させることができ、液状粒子45に含まれるトナーの軟化剤を、撥水性トナー42に、より均一に作用させることができる。結果として、記録媒体41に提供された撥水性トナー42を、より均一に定着させることができる。加えて、液状粒子45は、通常のエマルジョンに分散される粒子よりも小さい微粒子であるため、過剰のトナーの軟化剤が、記録媒体41に提供された撥水性トナー42を溶解又は膨潤させ過ぎることを低減し、記録媒体41に提供された撥水性トナー42によって形成された画像の乱れ(にじみ)が発生することを低減することができる。すなわち、撥水性トナー42によって形成された画像を、記録媒体41に良好に定着させることができる。
本発明の第三の実施形態は、本発明の第二の実施形態によるトナーの定着方法を用いて、樹脂を含むトナーを記録媒体に定着させることを特徴とするトナーの定着装置である。
本発明の第三の実施形態によれば、より効率的にトナーを記録媒体に定着させることが可能なトナーの定着装置を提供することができる。
本発明による第三の実施形態によるトナーの定着装置は、例えば、本発明の第二の実施形態によるトナーの定着方法において使用される本発明の第一の実施形態による定着液を貯蔵する定着液の容器、並びに、記録媒体に提供された未定着のトナーに供給する、スプレーガン及びインクジェットノズルなどの液滴飛翔手段のような適当な定着液供給手段を有する。また、トナーの定着装置は、本発明の第一の実施形態による定着液をトナーに供給した後、トナーの軟化剤によって溶解又は膨潤したトナーを加圧する、一対の平滑化ローラ(ハードローラ)を有してもよい。一対の平滑化ローラ(ハードローラ)によって、溶解又は膨潤したトナーを加圧することによって、溶解又は膨潤したトナーの層の表面を平滑化して、トナーに光沢を付与することが可能となる。また、記録媒体内へ溶解又は膨潤したトナーを押し込むことによって、記録媒体に対するトナーの定着性を向上させることができる。
図5は、本発明によるトナーの定着装置の具体例を説明する図である。図5に示すトナーの定着装置は、定着液51を貯蔵する定着液容器52、記録媒体53に転写されたトナー54に対して定着液51を供給するスプレーガンのような定着液供給手段55、トナー54が提供された記録媒体53を搬送する搬送ローラ56、定着液51によって溶解又は膨潤したトナー57を加圧する一対の平滑化ローラ58を有する。
図5に示すトナーの定着装置においては、トナー54が提供された記録媒体53が、搬送ローラ56によって搬送されており、定着液容器52に貯蔵された定着液51が、定着液供給手段55によって、記録媒体53上のトナー54に供給される。定着液51が、記録媒体53上のトナー54に供給されると、定着液51に含まれる、トナーの軟化剤によって、トナーは、溶解又は膨潤する。定着液51によって溶解又は膨潤したトナー57は、記録媒体53と共に、搬送ローラ56によってさらに搬送される。そして、定着液51によって溶解又は膨潤したトナー57は、一対の平滑化ローラ58によって加圧され、定着トナー59として、記録媒体53に定着される。
本発明の第四の実施形態は、樹脂を含むトナーの画像を記録媒体に形成する画像形成方法において、本発明の第二の実施形態によるトナーの定着方法を用いることを特徴とする画像形成方法である。また、本発明の第五の実施形態は、本発明の第四の実施形態による画像形成方法を用いて、樹脂を含むトナーの画像を記録媒体に形成することを特徴とする画像形成装置である。
本発明の第四の実施形態によれば、より効率的にトナーを記録媒体に定着させることが可能な画像形成方法を提供することができる。また、本発明の第五の実施形態によれば、より効率的にトナーを記録媒体に定着させることが可能な画像形成装置を提供することができる。
図6(a)及び(b)は、本発明による画像形成方法及び画像形成装置の具体例を説明する図である。図6(a)は、複写機又はプリンターであってもよい、カラー電子写真のタンデム方式の画像形成装置を示す図であり、図6(b)は、図6(a)の画像形成装置の画像形成ユニットの一つを示す。
図6(a)及び(b)に示す画像形成装置は、トナー像担持体として中間転写ベルト101を有する。この中間転写ベルト101は、三つの支持ローラ102、103及び104に張架されており、時計方向に回転する。この中間転写ベルト101に対しては、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各画像形成ユニット105BK、105Y、105M及び105Cが配列されている。これら画像形成ユニットの上方には、図示してない露光装置が配置されている。例えば、画像形成装置が、複写機である場合には、スキャナーで原稿の画像情報を読み込み、この画像情報に応じて、各感光体ドラム106上に静電潜像を書き込むための各光Lが露光装置により照射される。
中間転写ベルト101の支持ローラ104に対向する位置には、二次転写装置107が設けられている。二次転写装置107は、二つの支持ローラ108及び109の間に張架された二次転写ベルト110で構成されている。なお、二次転写装置107としては、転写ベルト以外に転写ローラを用いてもよい。また、中間転写ベルト101の支持ローラ102に対向する位置には、ベルトクリーニング装置111が配置されている。ベルトクリーニング装置111は、中間転写ベルト101上に残留するトナーを除去するために配置されている。
記録媒体としての記録紙112は、一対の給紙ローラ113で二次転写部へ導かれ、トナー像を記録紙112に転写する際に、二次転写ベルト110を中間転写ベルト101に押し当てることによって、トナー像の転写を行う。
トナー像が転写された記録紙112は、二次転写ベルト110によって搬送され、記録紙112に転写された未定着のトナー像は、本発明による第三の実施形態であるトナーの定着装置119によって、定着される。すなわち、記録紙112に転写された未定着のトナー像には、トナーの定着装置119から供給される本発明による第一の実施形態である定着液が付与され、定着液に含まれるトナーの軟化剤によって、未定着のトナー像を、記録紙112に定着させる。
次に、画像形成ユニットについて説明する。図6(b)に示すように、画像形成ユニットには、感光体ドラム106の周辺に、帯電装置114、現像装置115、クリーニング装置116及び除電装置117が配置されている。また、中間転写ベルト101を介して、感光体ドラム106に対向する位置に、一次転写装置118が設けられている。
帯電装置114は、帯電ローラを採用した接触帯電方式の帯電装置である。帯電装置114は、帯電ローラを感光体ドラム106に接触させて、感光体ドラム106に電圧を印加することにより、感光体ドラム106の表面を一様に帯電する。この帯電装置114としては、非接触のスコロトロン等を採用した非接触帯電方式の帯電装置を採用することもできる。
現像装置115は、現像剤中のトナーを感光体ドラム106上の静電潜像に付着させ、静電潜像を可視化させる。ここで、各色に対応するトナーは、それぞれの色に着色させた樹脂材料からなり、これらの樹脂材料は、本発明による第一の実施形態である定着液により溶解又は膨潤する。なお、現像装置115は、図示しない攪拌部及び現像部を有し、現像に使用されなかった現像剤は、攪拌部に戻され、再利用される。攪拌部におけるトナーの濃度は、トナー濃度センサーによって検出され、トナーの濃度が、一定であるように制御されている。
一次転写装置118は、感光体ドラム106上で可視化されたトナーを中間転写ベルト101に転写する。ここでは、一次転写装置118としては、転写ローラを採用しており、転写ローラを、中間転写ベルト101を挟んで感光体ドラム106に押し当てている。一次転写装置118としては、導電性ブラシ、非接触のコロナチャージャー等を採用することもできる。
クリーニング装置116は、感光体ドラム106上の不要なトナーを除去する。クリーニング装置116としては、感光体ドラム116に押し当てられる先端を備えたブレードを用いることができる。ここで、クリーニング装置116によって回収されたトナーは、図示しない回収スクリュー及びトナーリサイクル装置によって、現像装置125に回収され、再利用される。
除電装置117は、ランプで構成されており、光を照射して感光体ドラム106の表面電位を初期化する。
次に、本発明の実施形態を、実施例を用いて説明する。なお、以下の実施例及び比較例におけるトナーを軟化させる液体は、トナーに含まれる樹脂の少なくとも一部を溶解又は膨潤させる液体(トナーの軟化剤の液体)であることを意味する。
[実施例1]
トナーを軟化させる液体の軟化剤としての2重量%のアジピン酸ジイソブチル(表面張力=36mN/m、LD50=12.8g/kg)、水系分散媒としての97重量%のプロピレングリコール(粘度:48mPa・秒、表面張力=70mN/m、LD50=15g/kg)、及び1重量%のポリオキシアルキル変性シリコーン系界面活性剤(HLB値=13)(東レダウコーニング社製:SH3746)を混合した後、その混合物をスターラーで攪拌して、アジピン酸ジイソブチルがプロピレングリコールに分散した透明な(若干青白い)マイクロエマルジョンの定着液を調製した。定着液全体の表面張力は、35mN/mであった。
調製した定着液を、ドップラー光散乱法を用いる粒度測定装置(Honeywell社製の粒度分析機:Microtrac UPA)を用いて、25℃における定着液の粒度分布を測定した。定着液に分散する微粒子の個数平均粒径は、約20nmであった。
カラーMFP機(Ipsio NeoC455(リコー社製))の定着ユニットを取り除いた状態で、PPC用紙に未定着トナー画像を形成した。得られた未定着トナー画像に定着液をスプレー塗布し、1秒後、10秒後、20秒後に、画像の表面をウエスで擦り、ウエスへのトナーの付着の有無によって、PPC用紙に対するトナーの定着の程度を判定した。
その結果、1秒後に、ウエスにはトナーが付着せず、PPC用紙上にトナーが定着していた。また、アジピン酸ジイソブチルの臭気指数が1であり、プロピレングリコールの臭気指数が0であり、定着液としての臭気指数は、0であった。なお、トナー画像の定着時において、実験室内に不快臭は発生しなかった。さらに、定着したトナーの画像を光学顕微鏡で観察したところ、定着トナー層の乱れが無く、良好な定着トナー層が、PPC用紙上に観察された。また、定着液の塗布後に、分散媒としてのプロピレングリコールが揮発し、手触りに優れた定着画像が得られた。
[比較例1]
トナーを軟化させる液体の軟化剤としての2重量%のコハク酸ジエトキシエチル(表面張力=35mN/m、LD50=5g/kg)、水系分散媒としての97重量%のプロピレングリコール(粘度:48mPa・秒、表面張力=70mN/m、LD50=15g/kg)、及び1重量%のポリオキシアルキル変性シリコーン系界面活性剤(HLB値=13)(東レダウコーニング社製:SH3746)を混合した後、その混合物をスターラーで攪拌して、コハク酸ジエトキシエチルがプロピレングリコールに溶解した透明な溶液である定着液を調製した。定着液全体の表面張力は、35mN/mであった。
カラーMFP機(Ipsio NeoC455(リコー社製))の定着ユニットを取り除いた状態で、PPC用紙に未定着トナー画像を形成した。得られた未定着トナー画像に定着液をスプレー塗布し、1秒後、10秒後、20秒後に、画像の表面をウエスで擦り、ウエスへのトナーの付着の有無によって、PPC用紙に対するトナーの定着の程度を判定した。
その結果、トナー画像の乱れは、観察されなかったものの、20秒後でも、ウエスで画像の表面を擦ると、ウエスにトナーが付着し、PPC用紙上にトナーが定着しなかった。そのまま、1時間経過後、トナー画像を再びウエスで擦ったが、トナーは、紙から剥離し、定着しなかった。
[実施例2]
トナーを軟化させる液体の軟化剤としての3重量%のセバシン酸ジブチル(表面張力=35mN/m、LD50=12.8g/kg)、水系分散媒としての96重量%のエタノール(粘度:48mPa・秒、表面張力=22mN/m、LD50=15g/kg)、及び1重量%のポリオキシアルキル変性シリコーン系界面活性剤(HLB値=13)(東レダウコーニング社製:SH3746)を混合した後、その混合物をスターラーで攪拌して、セバシン酸ジブチルがエタノールに分散した透明な(若干青白い)マイクロエマルジョンの定着液を調製した。定着液全体の表面張力は、24mN/mであった。
調製した定着液を、ドップラー光散乱法を用いる粒度測定装置(Honeywell社製の粒度分析機:Microtrac UPA)を用いて、25℃における定着液の粒度分布を測定した。定着液に分散する微粒子の個数平均粒径は、約5nmであった。
カラーMFP機(Ipsio NeoC455(リコー社製))の定着ユニットを取り除いた状態で、PPC用紙に未定着トナー画像を形成した。得られた未定着トナー画像に定着液をスプレー塗布し、1秒後、10秒後、20秒後に、画像の表面をウエスで擦り、ウエスへのトナーの付着の有無によって、PPC用紙に対するトナーの定着の程度を判定した。
その結果、1秒後に、ウエスにはトナーが付着せず、PPC用紙上にトナーが定着していた。また、セバシン酸ジブチルの臭気指数が0であり、定着後のトナーの臭気指数は、0であった。なお、トナー画像の定着時において、実験室内に不快臭は発生しなかった。さらに、定着したトナーの画像を光学顕微鏡で観察したところ、定着トナー層の乱れが無く、良好な定着トナー層が、PPC用紙上に観察された。また、定着液の塗布後に、分散媒とてのエタノールが揮発し、手触りに優れた定着画像が得られた。
[比較例2]
トナーを軟化させる液体の軟化剤としての2重量%のコハク酸ジエトキシエチル(表面張力=35mN/m、LD50=5g/kg)、水系分散媒としての96重量%のエタノール(粘度:1mPa・秒、表面張力=22mN/m、LD50=15g/kg)、及び1重量%のポリオキシアルキル変性シリコーン系界面活性剤(HLB値=13)(東レダウコーニング社、SH3746)を混合した後、その混合物をスターラーで攪拌して、コハク酸ジエトキシエチルがエタノールに溶解した透明な溶液である定着液を調製した。定着液全体の表面張力は、24mN/mであった。
カラーMFP機(Ipsio NeoC455(リコー社製))の定着ユニットを取り除いた状態で、PPC用紙に未定着トナー画像を形成した。得られた未定着トナー画像に定着液をスプレー塗布し、1秒後、10秒後、20秒後に、画像の表面をウエスで擦り、ウエスへのトナーの付着の有無によって、PPC用紙に対するトナーの定着の程度を判定した。
その結果、トナー画像の乱れは、観察されなかったものの、20秒後でも、ウエスで画像の表面を擦ると、ウエスにトナーが付着し、PPC用紙上にトナーが定着しなかった。そのまま、1時間経過後、トナー画像を再びウエスで擦ったが、トナーは、紙から剥離し、定着しなかった。
[実施例3]
トナーを軟化させる液体の軟化剤としての3重量%のラウリン酸エチル(表面張力=28mN/m、LD50=3g/kg)、水系分散媒としての96重量%のプロピレングリコール(粘度:48mPa・秒、表面張力=70mN/m、LD50=15g/kg)、及び1重量%のポリオキシアルキル変性シリコーン系界面活性剤(HLB値=13)(東レダウコーニング社製:SH3746)を混合した後、その混合物をスターラーで攪拌して、ラウリン酸エチルがプロピレングリコールに分散した透明な(若干青白い)マイクロエマルジョンの定着液を調製した。定着液全体の表面張力は、32mN/mであった。
調製した定着液を、ドップラー光散乱法を用いる粒度測定装置(Honeywell社製の粒度分析機:Microtrac UPA)を用いて、25℃における定着液の粒度分布を測定した。定着液に分散する微粒子の個数平均粒径は、約70nmであった。
カラーMFP機(Ipsio NeoC455(リコー社製))の定着ユニットを取り除いた状態で、PPC用紙に未定着トナー画像を形成した。得られた未定着トナー画像に定着液をスプレー塗布し、1秒後、10秒後、20秒後に、画像の表面をウエスで擦り、ウエスへのトナーの付着の有無によって、PPC用紙に対するトナーの定着の程度を判定した。
その結果、1秒後に、ウエスにはトナーが付着せず、PPC用紙上にトナーが定着していた。また、ラウリン酸エチルの臭気指数が1であり、プロピレングリコールの臭気指数が0であり、定着液としての臭気指数は、0であった。なお、トナー画像の定着時において、実験室内に不快臭は発生しなかった。さらに、定着したトナーの画像を光学顕微鏡で観察したところ、定着トナー層の乱れが無く、良好な定着トナー層が、PPC用紙上に観察された。また、定着液の塗布後に分散媒としてのプロピレングリコールが揮発し、手触りに優れた定着画像が得られた。
[比較例3]
トナーを軟化させる液体の軟化剤としての3重量%のラウリン酸エチル(表面張力=28mN/m、LD50=5g/kg)及び水系分散媒としての97重量%のジメチルシリコーン(粘度:50mPa・秒、表面張力=20mN/m、LD50=15g/kg)を混合した後、その混合物をスターラーで攪拌して、ラウリン酸エチルがジメチルシリコーンに溶解した透明な溶液である定着液を調製した。定着液全体の表面張力は、21mN/mであった。
カラーMFP機(Ipsio NeoC455(リコー社製))の定着ユニットを取り除いた状態で、PPC用紙に未定着トナー画像を形成した。得られた未定着トナー画像に定着液をスプレー塗布し、1秒後、10秒後、20秒後に、画像の表面をウエスで擦り、ウエスへのトナーの付着の有無によって、PPC用紙に対するトナーの定着の程度を判定した。
その結果、トナー画像の乱れは、観察されなかったものの、20秒後でも、ウエスで画像の表面を擦ると、ウエスにトナーが付着し、PPC用紙上にトナーが定着しなかった。そのまま、1時間経過後、トナー画像を再びウエスで擦ったが、トナーは、紙から剥離し、定着しなかった。
[実施例4]
トナーを軟化させる液体の軟化剤としての2重量%のアジピン酸ジイソブチル(表面張力=36mN/m、LD50=12.8g/kg)、水系分散媒としての70重量%のプロピレングリコール(粘度:48mPa・秒、表面張力=70mN/m、LD50=15g/kg)、27重量%の1,3ブタンジオール(粘度:98mPa・秒、表面張力=38mN/m、LD50=10g/kg)、及び1重量%のポリオキシアルキル変性シリコーン系界面活性剤(HLB値=13)(東レダウコーニング社製:SH3746)を混合した後、その混合物をスターラーで攪拌して、アジピン酸ジイソブチルがプロピレングリコールに分散した透明な(若干青白い)マイクロエマルジョンの定着液を調製した。定着液全体の表面張力は、35mN/mであった。
調製した定着液を、ドップラー光散乱法を用いる粒度測定装置(Honeywell社製の粒度分析機:Microtrac UPA)を用いて、25℃における定着液の粒度分布を測定した。定着液に分散する微粒子の個数平均粒径は、約20nmであった。
カラーMFP機(Ipsio NeoC455(リコー社製))の定着ユニットを取り除いた状態で、PPC用紙に未定着トナー画像を形成した。得られた未定着トナー画像に定着液をスプレー塗布し、1秒後、10秒後、20秒後に、画像の表面をウエスで擦り、ウエスへのトナーの付着の有無によって、PPC用紙に対するトナーの定着の程度を判定した。
その結果、1秒後に、ウエスにはトナーが付着せず、PPC用紙上にトナーが定着していた。また、アジピン酸ジイソブチルの臭気指数が1であり、プロピレングリコール及び1,3ブタンジオールの臭気指数が0であり、定着液としての臭気指数は、0であった。なお、トナー画像の定着時において、実験室内に不快臭は発生しなかった。さらに、定着したトナーの画像を光学顕微鏡で観察したところ、定着トナー層の乱れが無く、良好な定着トナー層が、PPC用紙上に観察された。また、定着液の塗布後に、分散媒としてのプロピレングリコールが揮発し、手触りに優れた定着画像が得られた。
以上の結果より、実施例1、2、3及び4に示すマイクロエマルジョンの定着液は、比較例1、2及び3に示す溶液の定着液と比較して、より効率的に(より短い時間で)トナーを記録媒体に定着させることができることが、確認された。
以上、本発明の実施の形態及び実施例を具体的に説明してきたが、本発明は、これらの実施の形態及び実施例に限定されるものではなく、これら本発明の実施の形態及び実施例を、本発明の主旨及び範囲を逸脱することなく、変更又は変形することができる。
(a)、(b)、及び(c)は、記録媒体上の撥水性処理されたトナーに水系の定着液を付与する定着方法を説明する図である。 (a)、(b)、及び(c)は、記録媒体上の撥水性処理されたトナーに、不揮発性の非水系溶媒に、トナーを溶解又は膨潤させる材料を溶解させた非水系の定着液を付与する定着方法を説明する図である。 本発明による定着液の一つの例を説明する図である。 (a)〜(d)は、本発明によるトナーの定着方法の具体例を説明する図である。 本発明によるトナーの定着装置の具体例を説明する図である。 (a)及び(b)は、本発明による画像形成方法及び画像形成装置の具体例を説明する図である。
符号の説明
11、21 記録紙
12、22 未定着トナー
13 水系の定着液
23 非水系の定着液
30、43、51 定着液
31、44 分散媒
32 液状粒子
41、53 記録媒体
42 撥水性トナー
45 液体の粒子
46 液層
52 定着液容器
54 トナー
55 定着液供給手段
56 搬送ローラ
57 溶解又は膨潤したトナー
58 平滑化ローラ
59 定着トナー
101 中間転写ベルト
102、103、104、108、109 支持ローラ
105 画像形成ユニット
106 感光体ドラム
107 二次転写装置
110 二次転写ベルト
111 ベルトクリーニング装置
112 記録紙
113 給紙ローラ
114 帯電装置
115 現像装置
116 クリーニング装置
117 除電装置
118 一次転写装置
119 トナーの定着装置

Claims (22)

  1. 樹脂を含むトナーを記録媒体に定着させる定着液において、
    トナーに含まれる樹脂の少なくとも一部を溶解又は膨潤させる成分を含む液状粒子が、マイクロエマルジョンとして、分散媒に分散されていることを特徴とする定着液。
  2. 前記液状粒子の個数平均粒径は、1nm以上100nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の定着液。
  3. 前記分散媒は、アルコール類を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の定着液。
  4. 前記アルコール類は、プロピレングリコール又は1,3−ブタンジオールを含むことを特徴とする請求項3に記載の定着液。
  5. 前記アルコール類は、エタノールを含むことを特徴とする請求項3に記載の定着液。
  6. 前記分散媒は、水を含まないことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の定着液。
  7. 前記分散媒の表面張力は、20mN/m以上40mN/m以下であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の定着液。
  8. 前記液状粒子の表面張力は、20mN/m以上40mN/m以下であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の定着液。
  9. 前記分散媒における前記液状粒子の含有率は、0.5重量%以上50重量%以下であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の定着液。
  10. 界面活性剤をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の定着液。
  11. 前記界面活性剤のHLB値は、10以上であることを特徴とする請求項10に記載の定着液。
  12. 前記トナーに含まれる樹脂の少なくとも一部を溶解又は膨潤させる成分は、脂肪族エステルを含むことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載の定着液。
  13. 前記脂肪族エステルは、飽和脂肪族エステルを含むことを特徴とする請求項12に記載の定着液。
  14. 前記飽和脂肪族エステルは、一般式
    COOR
    で表される化合物を含み、
    は、炭素数が11以上14以下のアルキル基であり、
    は、炭素数が1以上3以下のアルキル基であることを特徴とする請求項13に記載の定着液。
  15. 前記脂肪族エステルは、脂肪族ジカルボン酸エステルを含むことを特徴とする請求項11乃至14のいずれか一項に記載の定着液。
  16. 前記脂肪族ジカルボン酸エステルは、一般式
    (COOR4)
    で表される化合物を含み、
    は、炭素数が3以上8以下のアルキレン基であり、
    は、炭素数が2以上5以下のアルキル基であることを特徴とする請求項15に記載の定着液。
  17. 前記脂肪族エステルは、脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルを含むことを特徴とする請求項12乃至16のいずれか一項に記載の定着液。
  18. 前記脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルは、一般式
    (COOR−O−R
    で表される化合物を含み、
    は、炭素数が2以上8以下のアルキレン基であり、
    は、炭素数が2以上4以下のアルキレン基であり、
    は、炭素数が1以上4以下のアルキル基であることを特徴とする請求項17に記載の定着液。
  19. 樹脂を含むトナーを記録媒体に定着させるトナーの定着方法において、
    請求項1乃至18のいずれか一項に記載の定着液を用いることを特徴とするトナーの定着方法。
  20. 請求項19に記載のトナーの定着方法を用いて、樹脂を含むトナーを記録媒体に定着させることを特徴とするトナーの定着装置。
  21. 樹脂を含むトナーの画像を記録媒体に形成する画像形成方法において、
    請求項19に記載のトナーの定着方法を用いることを特徴とする画像形成方法。
  22. 請求項21に記載の画像形成方法を用いて、樹脂を含むトナーの画像を記録媒体に形成することを特徴とする画像形成装置。
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