JP2006184389A - 定着方法、定着装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 不揮発もしくは不揮発に近く、かつ絶縁性のキャリア液とキャリア液中に樹脂及び顔料からなる固形成分を分散し、その粘度が100[mPa・s]以上、10000[mPa・s]以下の高粘度の液体現像剤を用いて、転写紙P上に形成されたトナー像T1を転写紙Pに定着させる定着液26が、トナー像を形成するトナーを溶解または膨潤させる性質を有する定着溶質と、定着溶質を希釈する定着溶媒とからなる溶液であり、定着溶質がトナーに含まれる樹脂に対して溶解性又は膨潤性を示す脂肪族エステルを含有している。
【選択図】 図4
Description
この種の画像形成装置では、その消費電力の半分以上は熱定着時のトナー加熱のために消費される。近年、環境問題を重視する観点から、低消費電力の画像形成装置が望まれており、定着部での電力消費を抑えることが画像形成装置全体の省エネ対策として有効である。そこで従来から、熱定着方式を採用しない定着方式も、種々提案されている。その中には、トナーを溶解又は膨潤させる定着液を用いて定着処理を行う湿式定着方法が知られている。
この湿式定着方法は、トナーに定着液を付与してこれを溶解又は膨潤することで、トナーを記録材上に定着させるものである。この方式においては、熱定着方式のような大量の電力消費を伴うトナー溶解のための加熱処理が不要となるため、省エネ対策として優れた定着方式であると言える。また、熱定着方式のようなウォームアップ時間も不要であるため、クイックスタートが可能である。湿式定着方法を採用する画像形成装置としては、例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3及び特許文献4等に開示されたものがある。
また、請求項2の発明は、請求項1の定着方法において、上記脂肪族エステルは飽和脂肪族エステルを含有することを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2の定着方法において、上記飽和脂肪族エステルは一般式R1−COO−R2で示される化合物であり、R1は、炭素数が11以上14以下のアルキル基であり、R2は、炭素数が1以上3以下のアルキル基であることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1、2または3の定着方法において、上記脂肪族エステルは、脂肪族ジカルボン酸エステルを含有することを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項4の定着方法において、上記脂肪族ジカルボン酸エステルは、一般式R3−(COO−R4)2で示される化合物であり、R3は、炭素数が3以上8以下のアルキレン基であり、R4は、炭素数が2以上5以下のアルキル基であることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1、2、3、4または5の定着方法において、上記脂肪族エステルは、脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルを含有することを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項6の定着方法において、上記脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルは、一般式R5−(COO−R6−O−R7)2で示される化合物であり、R5は、炭素数が2以上8以下のアルキレン基であり、R6は、炭素数が2以上4以下のアルキレン基であり、R7は、炭素数が1以上4以下のアルキル基であることを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1、2、3、4、5、6または7の定着方法において、上記定着溶媒は、水を含有することを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7または8の定着方法において、上記記録媒体上に転写された上記トナー像に対して定着液塗布ローラ上に薄層付着された上記定着液を該定着液塗布ローラを接触させて付与し、該定着液を付与した該トナー像に対して加圧し、定着させることを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7または8の定着方法において、上記記録媒体上に転写された上記トナー像に対してミスト化された上記定着液を非接触で付与し、該定着液を付与した該トナー像に対して加圧し、定着させることを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7または8の定着方法において、上記記録媒体上に転写された上記トナー像に対してノズル噴射された上記定着液を非接触で付与し、該定着液を付与した該トナー像に対して加圧し、定着させることを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、不揮発もしくは不揮発に近く、かつ絶縁性のキャリア液と該キャリア液中に樹脂及び顔料からなる固形成分を分散し、その粘度が100[mPa・s]以上、10000[mPa・s]以下の高粘度の液体現像剤を用いて、記録媒体上に形成されたトナー像を記録媒体に定着させる定着液を用いる定着装置において、該定着液は、該トナー像を形成するトナーを溶解または膨潤させる性質を有する定着溶質と、該定着溶質を希釈する定着溶媒とからなる溶液であり、該定着溶質が該トナーに含まれる樹脂に対して溶解性又は膨潤性を示す脂肪族エステルを含有することを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、請求項12の定着装置において、上記脂肪族エステルは飽和脂肪族エステルを含有することを特徴とするものである。
また、請求項14の発明は、請求項13の定着装置において、上記飽和脂肪族エステルは一般式R1−COO−R2で示される化合物であり、R1は、炭素数が11以上14以下のアルキル基であり、R2は、炭素数が1以上3以下のアルキル基であることを特徴とするものである。
また、請求項15の発明は、請求項12、13または14の定着装置において、上記脂肪族エステルは、脂肪族ジカルボン酸エステルを含有することを特徴とするものである。
また、請求項16の発明は、請求項15の定着装置において、上記脂肪族ジカルボン酸エステルは、一般式R3−(COO−R4)2で示される化合物であり、R3は、炭素数が3以上8以下のアルキレン基であり、R4は、炭素数が2以上5以下のアルキル基であることを特徴とするものである。
また、請求項17の発明は、請求項12、13、14、15または16の定着装置において、上記脂肪族エステルは、脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルを含有することを特徴とするものである。
また、請求項18の発明は、請求項17の定着装置において、上記脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルは、一般式R5−(COO−R6−O−R7)2で示される化合物であり、R5は、炭素数が2以上8以下のアルキレン基であり、R6は、炭素数が2以上4以下のアルキレン基であり、R7は、炭素数が1以上4以下のアルキル基であることを特徴とするものである。
また、請求項19の発明は、請求項12、13、14、15、16、17または18の定着装置において、上記定着溶媒は、水を含有することを特徴とするものである。
また、請求項20の発明は、請求項12、13、14、15、16、17、18または19の定着装置において、表面に上記定着液を薄層状で担持し、上記記録媒体上に転写されたトナー像に接触し該定着液を塗布する定着液塗布ローラと、該定着液を塗布された後の該トナー像に対して加圧し、加圧定着する加圧ローラとを有すること特徴とする定着装置。
また、請求項21の発明は、請求項12、13、14、15、16、17、18または19の定着装置において、上記定着液をミスト化し、上記記録媒体上に転写されたトナー像に対して非接触で該定着液を付与する定着液ミスト化手段と、該定着液を付与された後の該トナー像に対して加圧し、加圧定着する加圧ローラとを有すること特徴とする定着装置。
また、請求項22の発明は、請求項12、13、14、15、16、17、18または19の定着装置において、上記定着液をノズル噴射し、上記記録媒体上に転写されたトナー像に対して非接触で該定着液を付与する定着液噴射ノズルと、該定着液を付与された後の該トナー像に対して加圧し、加圧定着する加圧ローラとを有すること特徴とする定着装置。
また、請求項23の発明は、潜像坦持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、該潜像坦持体の表面に不揮発もしくは不揮発に近くかつ、絶縁性のキャリア液と該キャリア液中に樹脂及び顔料からなる固形分を分散し、その粘度が100[mPa・s]以上、10000[mPa・s]以下の高粘度の液体現像剤を供給して前記潜像形成手段により形成された潜像を現像し、トナー像化する現像手段と、該潜像坦持体上に形成された該トナー像を転写材に転写する転写手段と、転写後の該潜像坦持体上の残留現像液を除去するクリーニング手段と、該転写材に転写された該トナー像を該転写材上に定着させる定着手段とを有する湿式画像形成装置において、該定着手段として請求項12、13、14、15、16、17、18、19、20、21または22に記載の定着装置を備えることを特徴とするものである。
以下、本発明を画像形成装置である湿式電子写真複写機(以下、複写機200という。)に適用した一実施形態(以下、実施形態1という。)について説明する。尚、本実施形態では、イエロー(以下、「Y」と省略する。)、マゼンタ(以下、「M」と省略する。)、シアン(以下、「C」と省略する。)、ブラック(以下、「Bk」と省略する。)の4色のトナーによるフルカラー画像を形成する場合について説明する。
液体現像装置40Yは、現像ローラ41Y、液体現像剤110Yを溜めておく現像タンク42Y、現像タンク42Y内の液体現像剤に浸漬するように配設された現像液汲み上げローラ43Yを有している。さらに、現像液汲み上げローラ43Yから汲み上げられた液体現像剤を薄層化して現像ローラ41Yに塗布する現像液塗布ローラ44Y等から構成されている。液体現像剤110Yは不揮発もしくは、不揮発性に近く、かつ絶縁性の溶媒であるキャリア液中に顕像化粒子であるトナー粒子が高濃度に分散され、その粘度が100[mPa・s]以上、10000[mPa・s]以下の高粘度の液体現像剤を使用している。そして、このトナー粒子は正極性に帯電している。
中間転写ベルト71は、張架ローラ72、73、74、75、76、77及び各感光体ドラム10Y、10M、10C、10Bkにより、所定の張力を有するように張架され、図1中矢印Aの方向に表面移動すようになっている。また、各1次転写バイアスローラ78Y、78M、78C、78Bkは、それぞれ感光体ドラム10Y、10M、10C、10Bkに中間転写ベルト71を介して対向配置されている。これら1次転写バイアスローラ78Y、78M、78C、78Bkには、図示しない1次転写電源から所定の1次転写バイアスが印加される。
2次転写バイアスローラ81は、JISで規定されている十点平均粗さRzが3[μm]以下である平滑な表面を有するように形成されている。この2次転写バイアスローラ81は、中間転写ユニット70の張架ローラ73に対向して配置されており、2次転写電源86とともに2次転写バイアス形成手段を構成し、中間転写ベルト71との間に2次転写バイアスを形成する。また、2次転写電源86は、2次転写バイアスローラ81に、定電流制御されたバイアスを印加している。
このように現像されて形成されたYトナー像は、図1に示すように、感光体ドラム10Yの回転に伴い、感光体ドラム10Yと中間転写ベルト71とが接触するY1次転写部に搬送される。このY1次転写部において、中間転写ベルト71の裏面には、1次転写バイアスローラ78Yにより負極性バイアス電圧、例えば−(マイナス)300〜−500Vが印加される。そして、このバイアス印加によって発生した1次転写電界により、感光体ドラム10Y上のYトナー像を中間転写ベルト71に引き寄せ、中間転写ベルト71上に1次転写する。以下、同様にして、Mトナー像、Cトナー像、Bkトナー像も、中間転写ベルト71上のYトナー像に順次重ね合うように1次転写される。
定着装置20は定着液を付与することにより転写紙上のトナー像を溶融または膨潤させ、転写紙P上に定着させる湿式定着方法を用いた定着装置である。定着装置20は、定着液26を収容する定着液溜めタンク27と、定着液26を転写紙Pに塗布する定着液塗布ローラ24と、定着液溜めタンク27から定着液26を汲み上げ、定着液塗布ローラ24に定着液26を供給する定着液汲み上げローラ25とを備えている。この定着液汲み上げローラ25はワイヤーバーで構成されている。さらに、転写紙Pの搬送経路を挟んで定着液塗布ローラ24と対向する位置に、定着液26を転写紙Pに塗布する際に転写紙Pを抑える抑え加圧ローラ23と、抑え加圧ローラ23から転写紙Pの搬送方向下流側に定着液26の供給を受けた転写紙Pを加圧する加圧ローラ対22とを備えている。定着液26についての詳細は後述する。
1つ目は、定着液に用いられるものには人体に対して有害なものが多く、安全性について課題が残っていた。定着液の溶媒として人体に無害な水を用いたものもあるが、トナーを溶解または膨潤させる性質を有する溶質は安全性についての検討が十分にはなされていなかった。
2つ目は、溶質を溶液に溶かすために定着液に混入する界面活性剤や溶質として用いるものには人が臭いを感じるものが多く、大量に定着を行うと強い臭いによりユーザーが不快感を感じることがあるにも関わらず、臭いについての検討も十分にはなされていなかった。
よって、本実施形態で用いる定着液26としては、この2つの問題を解決することができるようにする。
そして、食塩のLD50の値は3.0[g/kg]であり、食塩より安全なものを用いれば人体に対して無害であると言うことができると判断し、本実施形態の定着液26としてはLD50の値が定着溶媒及び定着溶質が共に3.0[g/kg]以上のものを用いた。また、より安全性の高いものを求めるとすると定着溶媒及び定着溶質共に5.0[g/kg]以上となる材料を用いることがより好ましい。
臭気指数=10×Log(臭気濃度)
例えば、臭いを含んだ気体や液体を、臭いのない気体または液体で100倍に希釈して、臭いが感じられなくなった場合、その臭気濃度は100であり、下記の式よりその臭気指数は20となる。
臭気指数=10×Log(100)=10×2=20
そして、臭いに対する規制基準として臭気指数を採用している多くの地方自治体では、工場や事業場の敷地境界線上の臭気指数を10以下にするように規制している。また、臭気指数10とは、異臭を持つ気体を10倍に薄めた気体を20人が嗅いで、18人は無臭と判定するレベルである。よって、臭気指数が10以下であれば無臭であるということができると判断し、本実施形態の定着液26としては臭気指数が10以下のものを用いた。
つまり、トナーを溶解・膨潤させるトルエンやベンゼンなどの滴、エマルジョンの粒子はかなり微小と言っても数[μm]〜数十[μm]の粒径を持っており、経時変化でさらに大粒子になる可能性もある。このような定着液が紙面上に塗布され、転写紙上のトナー層に付与されても上述の粒径が大きいエマルジョン粒子がトナー粒子に接触し、浸透するには時間がかかる。また、溶質を溶媒に分散させている状態なので、定着液中でトナーを溶解または膨潤させる性質を有する溶質の濃度が一定にならず、トナーを溶解または膨潤させる作用にもムラが出てしまう。これにより、記録体上でのトナーの定着状態にもムラが生じ、定着品質を悪化させる恐れがあった。
このような着色剤としては、以下のようなものがある。
三菱化学社製のカーボンブラックとして、#2700、#2650、#2600、#2400、#2300、#2200、#1000、#990、#980、#970、#960、#950、#900、#750、#650、MA600、MA77、MA8、カラー用としてはMA11、MA100、MA100S、MA230、#50、#47、#32、#30、#25、#20、#5、#95及び#260などがある。また、オリエント化学工業社製のものとしては、SPIRIT BLACK SB、SSBB、ABやNIGROSINE BASE SA、SAP、SAP−L、EE、EEL、EX、EX−B、EBなどがある。これらは定着液に不溶であるので好適である。一方、オリエント化学工業の油溶性染料も多く使用できるが、定着液の溶媒を構成する溶媒に溶解するものは選択せずに構成する。例えば、WATEER YELLOW1,2,6,18やWATEER RED1,2,3,27、WATEER BLUE3,9,105,及び、WATEER BLACK100-L,187-LM,R-455,R-456などは定着液が水ベースの場合は確実に溶解して画像がにじんでしまう。
しかし、脂肪族エステルの水に対する溶解度は、一般に低いため、脂肪族エステルを水中で可溶な状態で保持する必要がある。このような方法としては、HLB値が5〜16程度の界面活性剤を水に添加し、脂肪族エステルを添加した後、加熱しながら長時間攪拌する方法が挙げられる。HLB値が5〜16程度の界面活性剤としては、ショ糖ラウリン酸エステル、ショ糖ミリスチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル等のショ糖脂肪酸エステル類等が挙げられる。
R1COOR2
で示される化合物であり、R1は、炭素数が11以上14以下のアルキル基であり、R2は、炭素数が1以上3以下のアルキル基であることが好ましい。これにより、トナーに含まれる樹脂に対する溶解性を向上させることができる。また、臭気指数が10以下であり、不快臭や刺激臭を有さない。
R3(COOR4)2
で示される化合物であり、R3は、炭素数が3以上8以下のアルキレン基であり、R4は、炭素数が2以上5以下のアルキル基であることが好ましい。これにより、トナーに含まれる樹脂に対する溶解性を向上させることができる。また、臭気指数が10以下であり、不快臭や刺激臭を有さない。
R5(COOR6−O−R7)2
で示される化合物であり、R5は、炭素数が2以上8以下のアルキレン基であり、R6は、炭素数が2以上4以下のアルキレン基であり、R7は、炭素数が1以上4以下のアルキル基であることが好ましい。これにより、トナーに含まれる樹脂に対する溶解性を向上させることができる。また、臭気指数が10以下であり、不快臭や刺激臭を有さない。
ラウリン酸ヘキシル(軟化剤(溶質);LD50=8.0[g/kg])を5.0[重量%]及びジメチルシロキサン(溶媒;1.0[mPa・s]、LD50=15[g/kg])を95[重量%]を混合攪拌して、透明な定着液を作製した。プリンターIpsio CX6100(リコー社製)の定着部を加熱せずに、未定着トナー画像を形成したPPC用紙に定着液をスプレー塗布し、5秒後、10秒後及び20秒後に画像の表面をウエスで擦り、ウエスへのトナー付着の有無で定着度合いを判定した。
この結果、5秒後でウエスにはトナーが付着せず、紙上にトナーが定着していた。また、軟化剤である溶質の臭気指数が1、溶媒の臭気指数が0あり、定着液としての臭気指数は、0であった。そして、トナー画像の定着時にオフィス内に不快な臭いは、発生しなかった。
なお、ラウリン酸ヘキシルは飽和脂肪族エステルである。そして、その一般式R1−COO−R2で示される化合物であり、R1は、炭素数が11以上14以下のアルキル基であり、R2は、炭素数が1以上3以下のアルキル基である。
ミリスチン酸イソプロピル(軟化剤(溶質);LD50=8.0[g/kg])を10[重量%]及びジメチルシロキサンを90[重量%]を混合攪拌して、透明な定着液を作製した。プリンターIpsio CX6100の定着部を加熱せずに、未定着トナー画像を形成したPPC用紙に定着液を図4の塗布装置で塗布し、5秒後、10秒後及び20秒後に画像の表面をウエスで擦り、ウエスへのトナー付着の有無で定着度合いを判定した。
この結果、5秒後でウエスにはトナーが付着せず、紙上にトナーが定着していた。また、軟化剤である溶質の臭気指数が0、溶媒の臭気指数が0であり、定着液としての臭気指数は、0であった。そして、トナー画像の定着時にオフィス内に不快な臭いは、発生しなかった。
なお、ミリスチン酸イソプロピルは飽和脂肪族エステルである。そして、その一般式R1−COO−R2で示される化合物であり、R1は、炭素数が11以上14以下のアルキル基であり、R2は、炭素数が1以上3以下のアルキル基である。
ラウリン酸エチル(軟化剤(溶質);LD50=3.0[g/kg])を7.0[重量%]及びn−ヘキサン(溶媒;LD50=28.7[g/kg])を93[重量%]を混合攪拌して、透明な定着液を作製した。プリンターIpsio CX6600(リコー社製)の定着部を加熱せずに、未定着トナー画像を形成したPPC用紙に定着液をスプレー塗布し、5秒後、10秒後及び20秒後に画像の表面をウエスで擦り、ウエスへのトナー付着の有無で定着度合いを判定した。
この結果、5秒後でウエスにはトナーが付着せず、紙上にトナーが定着していた。また、軟化剤である溶質の臭気指数が13、溶媒の臭気指数が0であり、定着液としての臭気指数は、10であった。そして、トナー画像の定着時にオフィス内に不快な臭いは、発生しなかった。
なお、ラウリン酸エチルは飽和脂肪族エステルである。そして、その一般式R1−COO−R2で示される化合物であり、R1は、炭素数が11以上14以下のアルキル基であり、R2は、炭素数が1以上3以下のアルキル基である。
セバシン酸ジブチル(軟化剤(溶質);LD50=14.9[g/kg])を5.0[重量%]及びハイドロフルオロエーテル(溶媒;LD50>5.0[g/kg])を95[重量%]を混合攪拌して、透明な定着液を作製した。プリンターIpsio CX6600の定着部を加熱せずに、未定着トナー画像を形成したPPC用紙に定着液をスプレー塗布し、5秒後、10秒後及び20秒後に画像の表面をウエスで擦り、ウエスへのトナー付着の有無で定着度合いを判定した。
この結果、5秒後でウエスにはトナーが付着せず、紙上にトナーが定着していた。また、軟化剤である溶質の臭気指数が3、溶媒の臭気指数が2であり、定着液としの臭気指数は、2であった。そして、トナー画像の定着時にオフィス内に不快な臭いは、発生しなかった。
なお、セバシン酸ジブチルは脂肪族ジカルボン酸エステルである。そして、その一般式R3−(COO−R4)2で示される化合物であり、R3は、炭素数が3以上8以下のアルキレン基であり、R4は、炭素数が2以上5以下のアルキル基である。
アジピン酸ジイソブチル(軟化剤(溶質);LD50=12.3[g/kg])を4.0[重量%]及びジメチルシロキサンを96[重量%]を混合攪拌して、透明な定着液を作製した。プリンターIpsio CX6600の定着部を加熱せずに、未定着トナー画像を形成したPPC用紙に定着液を図4の塗布装置で塗布し、5秒後、10秒後及び20秒後に画像の表面をウエスで擦り、ウエスへのトナー付着の有無で定着度合いを判定した。
この結果、5秒後でウエスにはトナーが付着せず、紙上にトナーが定着していた。また、軟化剤である溶質の臭気指数が3、溶媒の臭気指数が0であり、定着液としての臭気指数は、0であった。そして、トナー画像の定着時にオフィス内に不快な臭いは、発生しなかった。
なお、アジピン酸ジイソブチルは脂肪族ジカルボン酸エステルである。そして、その一般式R3−(COO−R4)2で示される化合物であり、R3は、炭素数が3以上8以下のアルキレン基であり、R4は、炭素数が2以上5以下のアルキル基である。
コハク酸ジエトキシエチル(軟化剤(溶質);LD50=5.0[g/kg])を10[重量%]及びハイドロフルオロエーテルを90[重量%]を混合攪拌して、透明な定着液を作製した。プリンターIpsio CX6600の定着部を加熱せずに、未定着トナー画像を形成したPPC用紙に定着材をスプレー塗布し、5秒後、10秒後及び20秒後に画像の表面をウエスで擦り、ウエスへのトナー付着の有無で定着度合いを判定した。
この結果、5秒後でウエスにはトナーが付着せず、紙上にトナーが定着していた。また、軟化剤である溶質の臭気指数が1、溶媒の臭気指数が0であり、定着液としての臭気指数は、0であった。そして、トナー画像の定着時にオフィス内に不快な臭いは、発生しなかった。
なお、アジピン酸ジイソブチルは脂肪族ジカルボン酸エステルである。そして、その一般式R3−(COO−R4)2で示される化合物であり、R3は、炭素数が3以上8以下のアルキレン基であり、R4は、炭素数が2以上5以下のアルキル基である。
ラウリン酸エチルを2.0[重量%]、水(溶媒)を97[重量%]及びショ糖ラウリン酸エステル(界面活性剤;HLB値=16)を1.0[重量%]を混合攪拌して、透明な定着液を作製した。プリンターLaserJet3500(HP社製)の定着部を加熱せずに、未定着トナー画像を形成したPPC用紙上に定着材をスプレー塗布し、5秒後、10秒後及び20秒後に画像の表面をウエスで擦り、ウエスへのトナー付着の有無で定着度合いを判定した。
この結果、5秒後に、ウエスにはトナーが付着せず、紙上にトナーが定着していた。また、軟化剤である溶質の臭気指数が3、溶媒の臭気指数が0であり、定着液としての臭気指数は、0であった。そして、トナー画像の定着時にオフィス内に不快な臭いは、発生しなかった。
アジピン酸ジイソブチルを4.0[重量%]、エタノール(溶媒;LD50=20[g/kg])を20[重量%]、水を76[重量%]及びショ糖ラウリン酸エステルを1.0[重量%]を混合攪拌して、透明な定着液を作製した。プリンターIpsio CX6600の定着部を加熱せずに、未定着トナー画像を形成したPPC用紙に定着液を図3の塗布装置で塗布し、5秒後、10秒後及び20秒後に画像の表面をウエスで擦り、ウエスへのトナー付着の有無で定着度合いを判定した。
この結果、5秒後でウエスにはトナーが付着せず、紙上にトナーが定着していた。また、軟化剤である溶質の臭気指数が1、溶媒の臭気指数が0であり、定着液としての臭気指数は、0であった。なお、トナー画像の定着時にオフィス内に不快な臭いは、発生しなかった。また、定着液を密閉容器に入れて、50℃で1ヶ月間保管したが、アジピン酸ジイソブチルの分解や分離は見られず、定着液の性能も良好であった。
コハク酸ジエトキシエチルを9.0[重量%]、水を90[重量%]及びショ糖ラウリン酸エステルを1.0[重量%]を混合攪拌して、透明な定着液を作製した。プリンターIpsio CX6600の定着部を加熱せずに、未定着トナー画像を形成したPPC用紙に定着材をスプレー塗布し、5秒後、10秒後及び20秒後に画像の表面をウエスで擦り、ウエスへのトナー付着の有無で定着度合いを判定した。
この結果、5秒後でウエスにはトナーが付着せず、紙上にトナーが定着していた。また、軟化剤である溶質の臭気指数が1、溶媒の臭気指数が0であり、定着液としての臭気指数は、0であった。そして、トナー画像の定着時にオフィス内に不快な臭いは、発生しなかった。また、定着液を密閉容器に入れて、50℃で1ヶ月間保管したが、コハク酸ジエトキシエチルの分解や分離は見られず、定着液の性能も良好であった。
コハク酸ジエトキシエチルを10[重量%]、エタノールを10[重量%]、水を79[重量%]及びノニオン性界面活性剤を1.0[重量%]を混合攪拌して、透明な定着液を作製した。プリンターIpsio CX6600の定着部を加熱せずに、未定着トナー画像を形成したPPC用紙に定着液をスプレー塗布し、5秒後、10秒後及び20秒後に、画像の表面をウエスで擦り、ウエスへのトナー付着の有無で定着度合いを判定した。
この結果、5秒後でウエスにはトナーが付着せず、紙上にトナーが定着していた。また、軟化剤である溶質の臭気指数が1、溶媒の臭気指数が0であり、定着液としての臭気指数は、0であった。そして、トナー画像の定着時にオフィス内に不快な臭いは、発生しなかった。また、定着液を密閉容器に入れて、50℃で1ヶ月間保管したが、コハク酸ジエトキシエチルの分解や分離は見られず、定着液の性能も良好であった。
パルミチン酸ブチル(軟化剤;LD50=8.0[g/kg])を2.0[重量%]、水を97[重量%]及びショ糖ラウリン酸エステルを1.0[重量%]を混合攪拌して、乳化した定着液を作製した。プリンターIpsio CX6600の定着部を加熱せずに、未定着トナー画像を形成したPPC用紙に定着液をスプレー塗布し、5秒後、10秒後及び20秒後に画像の表面をウエスで擦り、ウエスへのトナー付着の有無で定着度合いを判定した。
この結果、20秒後でも紙にトナーがほとんど定着せず、ウエスにトナーがこびりついた。
パルミチン酸イソプロピル(軟化剤;LD50=8.0[g/kg])を2.0[重量%]、水を97[重量%]及びショ糖ラウリン酸エステルを1.0[重量%]を混合攪拌して、乳化した定着液を作製した。プリンターLaserJet3500の定着部を加熱せずに、未定着トナー画像を形成したPPC用紙に定着液をスプレー塗布し、5秒後、10秒後及び20秒後に画像表面をウエスで擦り、ウエスへのトナー付着の有無で定着度合いを判定した。
この結果、20秒後でも紙にトナーがほとんど定着せず、ウエスにトナーがこびりついた。
カプリル酸メチル(軟化剤;LD50=3.0[g/kg])を2.0[重量%]、水を97[重量%]及びショ糖ラウリン酸エステルを1.0[重量%]を混合攪拌して、乳化した定着液を作製した。プリンターIpsio CX6600の定着部を加熱せずに、未定着トナー画像を形成したPPC用紙に定着液をスプレー塗布し、5秒後、10秒後及び20秒後に、画像の表面をウエスで擦り、ウエスへのトナー付着の有無で定着度合いを判定した。
この結果、20秒後ではウエスにはトナーが付着せず、紙上にトナーが強固に定着していた。しかし、軟化剤の臭気指数が13、溶媒の臭気指数が0であり、定着液としての臭気指数は、11であった。このため、トナー画像の定着時に腐ったような酸臭がオフィス内に漂った。
アジピン酸イソブチルを5.0[重量%]、水を94[重量%]及びノニオン性界面活性剤を1.0[重量%]を混合攪拌して、乳化した定着液を作製した。プリンターIpsio CX6600の定着部を加熱せずに、未定着トナー画像を形成したPPC用紙に定着液をスプレー塗布し、5秒後、10秒後及び20秒後に画像の表面をウエスで擦り、ウエスへのトナー付着の有無で定着度合いを判定した。
この結果、20秒後では紙にトナーがある程度定着したものの、ウエスにトナーが付着した。また、定着液を密閉容器に入れて、50℃で1ヶ月間保管したが、アジピン酸イソブチルと水とが相分離し、定着液の性能が劣化した。
コハク酸ジエトキシエチルを10[重量%]、水を79[重量%]及びノニオン系界面活性剤を1.0[重量%]を混合攪拌して、乳化した定着液を作製した。プリンターIpsio CX6600の定着部を加熱せずに、未定着トナー画像を形成したPPC用紙に定着液をスプレー塗布し、5秒後、10秒後及び20秒後に画像表面をウエスで擦り、ウエスへのトナー付着の有無で定着度合いを判定した。
この結果、20秒後で紙にトナーがある程度定着したものの、ウエスにトナーが付着した。また、定着液を密閉容器に入れて、50℃で1ヶ月間保管したが、コハク酸ジエトキシエチルと水とが相分離し、定着液の性能が劣化した。
また、脂肪族エステルに飽和脂肪族エステルを含有させることで、保存安定性を向上させることができる。特に、飽和脂肪族エステルが、一般式 R1COOR2で示される化合物であり、R1は、炭素数が11以上14以下のアルキル基であり、R2は、炭素数が1以上3以下のアルキル基であると、トナーに含まれる樹脂に対する溶解性又は膨潤性を向上させることができる。
また、脂肪族エステルに脂肪族ジカルボン酸エステルを含有させることで、短時間でトナーに含まれる樹脂を溶解又は膨潤させることができる。特に、脂肪族ジカルボン酸エステルが、一般式 R3(COOR4)2で示される化合物であり、R3は、炭素数が3以上8以下のアルキレン基であり、R4は、炭素数が2以上5以下のアルキル基であると、トナーに含まれる樹脂に対する溶解性又は膨潤性を向上させることができる。
また、脂肪族エステルに脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルを含有させることで、トナーの定着性を向上させることができる。特に、脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルが、一般式 R5(COOR6−O−R7)2で示される化合物であり、R5は、炭素数が2以上8以下のアルキレン基であり、R6は、炭素数が2以上4以下のアルキレン基であり、R7は、炭素数が1以上4以下のアルキル基であれば、トナーに含まれる樹脂に対する溶解性又は膨潤性を向上させることができる。
また、溶媒として、水を含有することにより、臭気をさらに減少させることができる。
また、定着装置20は、定着液26を薄層状態でその表面に担持搬送し、転写紙に博そう状態の定着液26を供給する定着液塗布ローラとしての定着液塗布ローラ24を有している。定着液26を薄層化して転写紙に供給することにより、定着スピードの高速化を図ることができ、さらに、転写紙がロールすることなく定着液26を未定着画像に供給することができる。
また、定着装置20は、定着液塗布ローラ24から転写紙搬送方向下流側に、定着液26を供給された転写紙を加圧する加圧ローラ対22を有する。定着液26が塗布された転写紙は加圧ローラ対22で加圧されながら搬送される。加圧ローラ対22では加圧することにより、溶解または膨潤したトナー層表面の平滑にすることができトナー画像に光沢を与えることができる。また、転写紙表面の凹凸の繊維間にトナーを押し込むことにより定着性の向上を図ることができる。なお、定着液塗布直後のトナー層表面はややタッキー性(粘着性)を帯びている。しかし、加圧ローラ対22を通過させるとそのタッキー性はなくなり、すべすべした感じになる。これにより、定着工程終了後に不図示の排紙トレイに排出され、スタックされることでその表面に画像が形成された転写紙が重ねられても転写紙同士がトナー像のタッキー性によって張り付くことを防止することができる。
上述の実施形態1では、転写紙P上に転写がなされた未定着トナー像T1に対して定着液26を付与する構成として、定着液塗布ローラ24を用いて、転写紙Pに対して接触し、塗布する構成であった。未定着トナー像T1に対して定着液26を付与する構成としてはこれに限るものではない。以下、変形例1として、転写紙P上に転写がなされた未定着トナー像T1に対して、ミスト状の定着液を付与する構成について説明する。
図5は変形例1に係る定着装置201の概略構成図である。なお、定着液26を未定着トナーT1に付与する構成以外は、実施形態1の定着装置20と共通であるので説明は省略する。
図5に示すように、変形例1の定着装置201では、未定着トナー像T1に対して定着液26を付与する手段として、定着液ミスト化装置28を備えている。定着液ミスト化装置28は定着液タンク282と転写紙Pの搬送経路に近接する噴霧口283と定着液タンク282内に振動部材281とを備えており、振動部材281は不図示の制御部の制御により超音波振動する部材である。
変形例1の定着装置201では、非接触で定着液26を未定着トナー像T1に付与する構成として、定着液26を定着ミスト26mとして付与する構成について説明した。しかし、未定着トナー像T1に対して非接触で定着液26を付与する構成としてはこれに限るものではない。以下、変形例2として、転写紙P上に転写がなされた未定着トナー像T1に対して、液滴状の定着液を付与する構成について説明する。
図6は変形例2に係る定着装置202の概略構成図である。なお、定着液26を未定着トナーT1に付与する構成以外は、実施形態1の定着装置20と共通であるので説明は省略する。
図6に示すように、変形例2の定着装置202では、未定着トナー像T1に対して定着液26を付与する手段として、定着液ノズルスプレーユニット29を備えている。定着液ノズルスプレーユニット29は定着液収容部292と転写紙Pの搬送経路に近接するノズル孔293とを備えている。
なお、インクジェットプリンタと同様の仕組みを適用することができるので、インクジェットプリンタが印字するのと同様に液滴を吐出する位置を制御可能な構成とすることもできる。定着液26の液滴を吐出する位置を制御することにより、転写紙P上の未定着トナーT1の位置のみに定着液26を付与することが可能になる。未定着トナーT1の位置のみに定着液26を付与することができると、必要最低限の量の定着液26で定着することが可能となり、定着液の使用量を削減することができるようになる。
10 感光体ドラム
20 定着装置
22 加圧ローラ対
23 抑え加圧ローラ
24 定着液塗布ローラ
25 定着液汲み上げローラ
26 定着液
27 定着液溜めタンク
30 レーザ書込装置
40 液体現像装置
41 現像ローラ
42 現像タンク
43 現像液汲み上げローラ
44 現像液塗布ローラ
45 カム
46 軸
47 カム受け
60 クリーニング装置
70 中間転写ユニット
71 中間転写ベルト
80 2次転写ユニット
81 2次転写バイアスローラ
86 2次転写電源
87 ローラクリーニング装置
88 接離機構
90 帯電器
100 現像剤収容タンク
101 補給ポンプ
110 液体現像剤
200 複写機
Claims (23)
- 不揮発もしくは不揮発に近く、かつ絶縁性のキャリア液と該キャリア液中に樹脂及び顔料からなる固形成分を分散し、その粘度が100[mPa・s]以上、10000[mPa・s]以下の高粘度の液体現像剤を用いて、記録媒体上に形成されたトナー像を該記録媒体に定着させる定着液を用いた定着方法において、
該定着液は、該トナー像を形成するトナーを溶解または膨潤させる性質を有する定着溶質と、該定着溶質を希釈する定着溶媒とからなる溶液であり、
該定着溶質が該トナーに含まれる樹脂に対して溶解性又は膨潤性を示す脂肪族エステルを含有することを特徴とする定着方法。 - 請求項1の定着方法において、
上記脂肪族エステルは飽和脂肪族エステルを含有することを特徴とする定着方法。 - 請求項2の定着方法において、
上記飽和脂肪族エステルは一般式
R1−COO−R2
で示される化合物であり、
R1は、炭素数が11以上14以下のアルキル基であり、
R2は、炭素数が1以上3以下のアルキル基であることを特徴とする定着方法。 - 請求項1、2または3の定着方法において、
上記脂肪族エステルは、脂肪族ジカルボン酸エステルを含有することを特徴とする定着方法。 - 請求項4の定着方法において、
上記脂肪族ジカルボン酸エステルは、一般式
R3−(COO−R4)2
で示される化合物であり、
R3は、炭素数が3以上8以下のアルキレン基であり、
R4は、炭素数が2以上5以下のアルキル基であることを特徴とする定着方法。 - 請求項1、2、3、4または5の定着方法において、
上記脂肪族エステルは、脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルを含有することを特徴とする定着方法。 - 請求項6の定着方法において、
上記脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルは、一般式
R5−(COO−R6−O−R7)2
で示される化合物であり、
R5は、炭素数が2以上8以下のアルキレン基であり、
R6は、炭素数が2以上4以下のアルキレン基であり、
R7は、炭素数が1以上4以下のアルキル基であることを特徴とする定着方法。 - 請求項1、2、3、4、5、6または7の定着方法において、
上記定着溶媒は、水を含有することを特徴とする定着方法。 - 請求項1、2、3、4、5、6、7または8の定着方法において、
上記記録媒体上に転写された上記トナー像に対して定着液塗布ローラ上に薄層付着された上記定着液を該定着液塗布ローラを接触させて付与し、該定着液を付与した該トナー像に対して加圧し、定着させることを特徴とする定着方法。 - 請求項1、2、3、4、5、6、7または8の定着方法において、
上記記録媒体上に転写された上記トナー像に対してミスト化された上記定着液を非接触で付与し、該定着液を付与した該トナー像に対して加圧し、定着させることを特徴とする定着方法。 - 請求項1、2、3、4、5、6、7または8の定着方法において、
上記記録媒体上に転写された上記トナー像に対してノズル噴射された上記定着液を非接触で付与し、該定着液を付与した該トナー像に対して加圧し、定着させることを特徴とする定着方法。 - 不揮発もしくは不揮発に近く、かつ絶縁性のキャリア液と該キャリア液中に樹脂及び顔料からなる固形成分を分散し、その粘度が100[mPa・s]以上、10000[mPa・s]以下の高粘度の液体現像剤を用いて、記録媒体上に形成されたトナー像を記録媒体に定着させる定着液を用いる定着装置において、
該定着液は、該トナー像を形成するトナーを溶解または膨潤させる性質を有する定着溶質と、該定着溶質を希釈する定着溶媒とからなる溶液であり、
該定着溶質が該トナーに含まれる樹脂に対して溶解性又は膨潤性を示す脂肪族エステルを含有することを特徴とする定着装置。 - 請求項12の定着装置において、
上記脂肪族エステルは飽和脂肪族エステルを含有することを特徴とする定着装置。 - 請求項13の定着装置において、
上記飽和脂肪族エステルは一般式
R1−COO−R2
で示される化合物であり、
R1は、炭素数が11以上14以下のアルキル基であり、
R2は、炭素数が1以上3以下のアルキル基であることを特徴とする定着装置。 - 請求項12、13または14の定着装置において、
上記脂肪族エステルは、脂肪族ジカルボン酸エステルを含有することを特徴とする定着装置。 - 請求項15の定着装置において、
上記脂肪族ジカルボン酸エステルは、一般式
R3−(COO−R4)2
で示される化合物であり、
R3は、炭素数が3以上8以下のアルキレン基であり、
R4は、炭素数が2以上5以下のアルキル基であることを特徴とする定着装置。 - 請求項12、13、14、15または16の定着装置において、
上記脂肪族エステルは、脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルを含有することを特徴とする定着装置。 - 請求項17の定着装置において、
上記脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルは、一般式
R5−(COO−R6−O−R7)2
で示される化合物であり、
R5は、炭素数が2以上8以下のアルキレン基であり、
R6は、炭素数が2以上4以下のアルキレン基であり、
R7は、炭素数が1以上4以下のアルキル基であることを特徴とする定着装置。 - 請求項12、13、14、15、16、17または18の定着装置において、
上記定着溶媒は、水を含有することを特徴とする定着装置。 - 請求項12、13、14、15、16、17、18または19の定着装置において、
表面に上記定着液を薄層状で担持し、上記記録媒体上に転写されたトナー像に接触し該定着液を塗布する定着液塗布ローラと、
該定着液を塗布された後の該トナー像に対して加圧し、加圧定着する加圧ローラとを有すること特徴とする定着装置。 - 請求項12、13、14、15、16、17、18または19の定着装置において、
上記定着液をミスト化し、上記記録媒体上に転写されたトナー像に対して非接触で該定着液を付与する定着液ミスト化手段と、該定着液を付与された後の該トナー像に対して加圧し、加圧定着する加圧ローラとを有すること特徴とする定着装置。 - 請求項12、13、14、15、16、17、18または19の定着装置において、
上記定着液をノズル噴射し、上記記録媒体上に転写されたトナー像に対して非接触で該定着液を付与する定着液噴射ノズルと、
該定着液を付与された後の該トナー像に対して加圧し、加圧定着する加圧ローラとを有すること特徴とする定着装置。 - 潜像坦持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、
該潜像坦持体の表面に不揮発もしくは不揮発に近くかつ、絶縁性のキャリア液と該キャリア液中に樹脂及び顔料からなる固形分を分散し、その粘度が100[mPa・s]以上、10000[mPa・s]以下の高粘度の液体現像剤を供給して前記潜像形成手段により形成された潜像を現像し、トナー像化する現像手段と、
該潜像坦持体上に形成された該トナー像を転写材に転写する転写手段と、
転写後の該潜像坦持体上の残留現像液を除去するクリーニング手段と、
該転写材に転写された該トナー像を該転写材上に定着させる定着手段とを有する湿式画像形成装置において、
該定着手段として請求項12、13、14、15、16、17、18、19、20、21または22に記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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