JP2014142522A - 電子写真画像形成方法及び電子写真画像形成装置 - Google Patents

電子写真画像形成方法及び電子写真画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】少量の定着液で、定着強度を上げるとともに定着後の画像のべたつきを抑制することのできる電子写真画像形成方法及び電子写真画像形成装置を提供する。
【解決手段】静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、定着液供給工程を有する電子写真画像形成方法であって、トナーがコア・シェル構造を有し、軟化剤のSP値をSP、コア樹脂のSP値をSPc、シェル樹脂のSP値をSPsとしたとき、SP、SPc、SPsが関係式(1)〜(3)を満たし、軟化剤が一般式(A)で表される化合物である。
関係式(1):SPc<SPs≦SP
関係式(2):SP−SPs≦1.6
関係式(3):0.2≦SPs−SPc≦1.5
一般式(A):R−COO−R
〔一般式(A)中、R、Rは、置換基を有してもよい炭素数1〜15の直鎖又は分岐した脂肪族炭化水素基、アリール基又は複素環基を表し、R、Rの少なくとも一つにヒドロキシ基を有する。〕
【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真方式による湿式定着方式を使用した電子写真画像形成方法及び電子写真画像形成装置に関する。
プリンタ、ファクシミリ及び複写機などの画像形成装置は、紙、布及びOHP用シートなどの画像支持体に、画像情報に基づいて文字や記号を含む画像を形成する装置である。
特に、電子写真方式の画像形成装置は、普通紙に高精細な画像を高速で形成することができるため、例えばオフィスなどで広く利用されている。このような電子写真方式の画像形成装置においては、画像支持体上のトナー像を構成するトナーを加熱して溶融させ、溶融したトナーを加圧することによって、トナー像を画像支持体上に定着させる熱定着方式が広く用いられている。この熱定着方式は、高い定着速度及び高い画像品質を提供することが可能である。
しかしながら、このような熱定着方式の画像形成装置における消費電力の約半分以上は、トナーを加熱することに消費されている。一方、近年における環境問題対策の観点からは、低消費電力(省エネルギー)化が図られた定着方法が望まれている。すなわち、トナーを定着させるためにトナーを加熱する温度を今までよりも極端に低下させること、又はトナーを加熱することを必要としない定着方法が望まれている。特に、トナーを加熱することなくトナー像を画像支持体に定着させる非加熱定着方式が、低消費電力の点で理想的である。
非加熱定着方式としては、トナーを軟化させる軟化剤を含有する定着液を、トナー像に供給して画像支持体に定着させる湿式定着方式が知られている。
例えば、軟化剤として高沸点エステルを用いて、水に分散した定着液を泡状にし、トナー像に供給する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、軟化剤で使用する高沸点エステルは、ヒドロキシ基を有していないので、画像支持体との接着性が弱い。また、定着液を泡状にするため、画像支持体に供給する定着液量が多くなり、さらには画像のべたつきが生じるという問題がある。
また、定着液中にノニオン性の水溶性樹脂を添加して画像のべたつきを低減するという試みがなされている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、ノニオン性の水溶性樹脂を定着液に含有させることにより、定着液粘度の上昇が起こり、トナーが塗布ローラーに引き寄せられことによるオフセットが発生することと、軟化剤が定着液中でノニオン性の水溶性樹脂側に移動しやすいためトナー表面への供給量が減少し定着性が弱く、高い定着強度を求めた場合には、このようなノニオン性の水溶性樹脂では不十分であった。
さらに、少ない定着液で定着強度を改善するために、軟化剤で貯蔵弾性率が低くなる樹脂をシェルに配位させたコア・シェル構造を持ったトナーを用いる試みがなされている(例えば、特許文献3参照)。しかしながら、軟化剤として脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルを使用した定着では、軟化剤と紙の親和性が低く、画像支持体に対して溶解したトナー樹脂のアンカー効果が低いため、少ない定着液ではトナーと画像支持体との接着強度が不十分であった。
特開2007−219105号公報 特開2010−266747号公報 特開2011−150300号公報
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、少量の定着液で、定着強度を上げるとともに、定着後の画像のべたつきを抑制することのできる電子写真画像形成方法及び電子写真画像形成装置を提供することである。
本発明者等は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討する過程において、軟化剤のSP値と、トナーのコア樹脂のSP値と、シェル樹脂のSP値が所定の関係式を満たし、かつ、軟化剤をヒドロキシ基を有するエステル化合物とすることによって、少量の定着液で、定着強度を上げることができるとともに、定着後の画像のべたつきを抑制することができることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像を、トナーを含む乾式現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程と、前記トナー像を画像支持体に転写する転写工程と、前記画像支持体に転写されたトナー像に、トナーの少なくとも一部を軟化させる軟化剤を含有した定着液を供給する定着液供給工程と、を有する電子写真画像形成方法であって、
前記トナーが、少なくとも着色剤を含有したコア樹脂を、当該コア樹脂と異なるシェル樹脂で被覆したコア・シェル構造を有し、
前記軟化剤のSP値をSP、コア樹脂のSP値をSPc及びシェル樹脂のSP値をSPsとしたとき、SP、SPc及びSPsが、以下の関係式(1)〜(3)を満たし、
前記軟化剤が、下記一般式(A)で表されるエステル化合物であることを特徴とする電子写真画像形成方法。
関係式(1):SPc<SPs≦SP
関係式(2):SP−SPs≦1.6
関係式(3):0.2≦SPs−SPc≦1.5
一般式(A):R−COO−R
〔一般式(A)中、R及びRは、置換基を有してもよい炭素数1〜15の直鎖又は分岐した脂肪族炭化水素基、アリール基又は複素環基を表し、R及びRの少なくとも一つにヒドロキシ基を有する。〕
2.前記軟化剤のSP値(SP)が、以下の関係式(4)を満たすことを特徴とする第1項に記載の電子写真画像形成方法。
関係式(4):8.5≦SP≦12
3.前記トナーにおける前記シェル樹脂の含有量が、当該トナーに対して5〜40質量%の範囲内であることを特徴とする第1項又は第2項に記載の電子写真画像形成方法。
4.前記定着液は、希釈剤及び界面活性剤を含有することを特徴とする第1項から第3項のいずれか一項に記載の電子写真画像形成方法。
5.前記一般式(A)で表されるエステル化合物が、前記定着液に対して1〜60質量部の範囲内の割合で含有されていることを特徴とする第1項から第4項のいずれか一項に記載の電子写真画像形成方法。
6.静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像を、トナーを含む乾式現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を画像支持体に転写する転写手段と、前記画像支持体に転写されたトナー像に、トナーの少なくとも一部を軟化させる軟化剤を含有した定着液を供給する定着液供給手段と、を有する電子写真画像形成装置であって、
前記トナーが、少なくとも着色剤を含有したコア樹脂を、当該コア樹脂と異なるシェル樹脂で被覆したコア・シェル構造を有し、
前記軟化剤のSP値をSP、コア樹脂のSP値をSPc及びシェル樹脂のSP値をSPsとしたとき、SP、SPc及びSPsが、以下の関係式(1)〜(3)を満たし、
前記軟化剤が、下記一般式(A)で表されるエステル化合物であることを特徴とする電子写真画像形成装置。
関係式(1):SPc<SPs≦SP
関係式(2):SP−SPs≦1.6
関係式(3):0.2≦SPs−SPc≦1.5
一般式(A):R−COO−R
〔一般式(A)中、R及びRは、置換基を有してもよい炭素数1〜15の直鎖又は分岐した脂肪族炭化水素基、アリール基又は複素環基を表し、R及びRの少なくとも一つにヒドロキシ基を有する。〕
本発明の上記手段により、少量の定着液で、定着強度を上げるとともに、定着後の画像のべたつきを抑制することのできる電子写真画像形成方法及び電子写真画像形成装置を提供することができる。
本発明の効果の発現機構ないし作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
本発明の電子写真画像形成方法において、軟化剤のSP値(SP)、コア樹脂のSP値(SPc)及びシェル樹脂のSP値(SPs)が、上記関係式(1)を満たすことによって、シェル樹脂が軟化剤に溶解しやすくなるとともに、画像支持体(紙)への親和性が高くなるため、少量の軟化剤による定着と定着強度の向上が実現できると考えられる。
また、上記関係式(2)を満たすことによって、シェル樹脂と軟化剤のSP値を近づけることができるので、より少量の軟化剤で定着強度を上げることができると考えられる。
また、上記関係式(3)を満たすことによって、軟化剤のトナー内部への浸透が促進され、定着後に画像表面に存在する軟化剤の量が減少し、その結果、画像のべたつきを抑制することができると考えられる。
さらに、軟化剤として、上記一般式(A)で表されるエステル化合物が含有されることにより、当該定着液がトナー像に供給されると、当該一般式(A)で表されるエステル化合物の分子内のエステル結合(基)とトナー分子とが分子間水素結合することによって親和し、トナー粒子が軟化されるとともに、当該特定のエステル化合物の分子内のヒドロキシ基とトナー分子とにおいても分子間水素結合することによって、トナー粒子の軟化が促進されると考えられる。
また、当該一般式(A)で表されるエステル化合物の分子内のヒドロキシ基と紙などの画像支持体の繊維セルロースとが分子間水素結合することによって軟化したトナー粒子が紙繊維へ吸着し、高い接着性が得られると考えられる。すなわち、これらの水素結合が「トナー粒子の軟化」及び「紙との親和(接着)」に効果があると考えられることから、本発明の定着液によれば、定着液の供給量を低減しながら定着速度や乾燥速度の高速化が実現され、また、形成される画像においてべたつきが低減されるとともに高い定着強度を有することとなる。なお、ヒドロキシ基によるトナー粒子の軟化は、例えば低分子のアルコールやTHF(テトラヒドロフラン)がトナーの樹脂を溶解することと同様の機構(溶媒和)であると考えられる。
本発明の定着液を供給する際に用いられる定着液供給手段の構成の一例を示す説明用断面図 本発明の定着液を供給する際に用いられる定着液供給手段及び圧力付与手段の構成の一例を示す説明用断面図 本発明の定着液を供給する際に用いられる定着液供給手段の構成の他の例を示す説明用断面図 本発明の定着液を供給する際に用いられる定着液供給手段の構成のさらに他の例を示す説明用断面図 本発明の定着液を供給する際に用いられる定着液供給手段の構成のさらに他の例を示す説明用断面図 本発明の電子写真画像形成方法に用いられる画像形成装置の構成の一例を示す概略図
本発明の電子写真画像形成方法は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像を、トナーを含む乾式現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程と、前記トナー像を画像支持体に転写する転写工程と、前記画像支持体に転写されたトナー像に、トナーの少なくとも一部を軟化させる軟化剤を含有した定着液を供給する定着液供給工程と、を有する電子写真画像形成方法であって、前記トナーが、少なくとも着色剤を含有したコア樹脂を、当該コア樹脂と異なるシェル樹脂で被覆したコア・シェル構造を有し、前記軟化剤のSP値をSP、コア樹脂のSP値をSPc及びシェル樹脂のSP値をSPsとしたとき、SP、SPc及びSPsが、上記関係式(1)〜(3)を満たし、前記軟化剤が、上記一般式(A)で表されるエステル化合物であることを特徴とする。この特徴は、請求項1から請求項6までの請求項に係る発明に共通する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、本発明の効果発現の観点から、前記軟化剤のSP値(SP)が、上記関係式(4)を満たすことが、少量の定着液で、定着強度を上げることができ、また、定着後の画像のべたつきを抑制することができる点で好ましい。
また、前記トナーにおける前記シェル樹脂の含有量が、当該トナーに対して5〜40質量%の範囲内であることが、少ない定着液による定着強度を上げる点で好ましい。
また、前記定着液は、希釈剤及び界面活性剤を含有することが好ましい。希釈剤を含有させることによって、前記一般式(A)で表されるエステル化合物を希釈・分散させることができ、界面活性剤を含有させることによって、一般式(A)で表されるエステル化合物の希釈剤への溶解性又は分散性を向上させることができる。
さらに、前記一般式(A)で表されるエステル化合物が、前記定着液に対して1〜60質量部の範囲内の割合で含有されていることが、シェル樹脂への高い親和性が得られ、高い定着強度及び定着速度が得られるとともに、定着後の画像のべたつきを抑制することができる点で好ましい。
本発明の電子写真画像形成装置は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像を、トナーを含む乾式現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を画像支持体に転写する転写手段と、前記画像支持体に転写されたトナー像に、トナーの少なくとも一部を軟化させる軟化剤を含有した定着液を供給する定着液供給手段と、を有する電子写真画像形成装置であって、前記トナーが、少なくとも着色剤を含有したコア樹脂を、当該コア樹脂と異なるシェル樹脂で被覆したコア・シェル構造を有し、前記軟化剤のSP値をSP、コア樹脂のSP値をSPc及びシェル樹脂のSP値をSPsとしたとき、SP、SPc及びSPsが、上記関係式(1)〜(3)を満たし、前記軟化剤が、上記一般式(A)で表されるエステル化合物であることを特徴とする。
これにより、少量の定着液で、定着強度を上げるとともに、定着後の画像のべたつきを抑制することのできる電子写真画像形成装置を提供することができる。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
[本発明の電子写真画像形成方法の概要]
本発明の電子写真画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、定着液供給工程と、を有する電子写真画像形成方法であって、トナーが、少なくとも着色剤を含有したコア樹脂を、当該コア樹脂と異なるシェル樹脂で被覆したコア・シェル構造を有し、軟化剤のSP値をSP、コア樹脂のSP値をSPc及びシェル樹脂のSP値をSPsとしたとき、SP、SPc及びSPsが、上記関係式(1)〜(3)を満たし、軟化剤が、上記一般式(A)で表されるエステル化合物である。
以下、SP値について説明する。なお、各工程の詳細については後述する。
[SP値]
SP値(溶解度パラメーター:Solubility Parameter)とは、樹脂と溶媒との溶解性を決める因子である。一般に極性を持つ樹脂は極性溶媒に溶けやすく、非極性溶媒には溶けにくい傾向がある。一方、非極性の樹脂は逆の傾向となる。この親和性の強さを判断する因子が溶解度パラメーター(SP値)でありδで示される。一般的には溶媒と溶質のSP値の差が小さいほど溶解度が大となる。
SP値の計算については、R.F.Fedors:Polym. Eng. Sci., 14〔2〕, 147−154(1974)に記載されている。また、SP値の計算は『コーティングの基礎科学』のP54−57(原崎勇次著、槇書店)を参考に行った。
また、本発明におけるSP値の単位は、(cal/cm1/2であるが、1(cal/cm1/2=2.046×10(J/m1/2によって(J/m1/2の単位に換算することができる。
本発明において、軟化剤のSP値(SP)と、コア・シェル構造を有するトナーのコア樹脂のSP値(SPc)と、シェル樹脂のSP値(SPs)は、以下の関係式(1)〜(3)を満たす。
関係式(1):SPc<SPs≦SP
関係式(2):SP−SPs≦1.6
関係式(3):0.2≦SPs−SPc≦1.5
軟化剤は、トナー樹脂(コア樹脂及びシェル樹脂)より極性を高くする(SP値を高くする)ことにより、トナー樹脂の溶解と紙への親和性が高くなるため、少量の軟化剤による定着と定着強度の向上が実現できる。
ここで、定着強度とは、後述する実施例でも説明するが、定着後に画像表面を擦過し、擦過前後の反射濃度を測定することにより擦過定着率を算出して評価することができるものである。
また、シェル樹脂のSP値と、軟化剤のSP値の関係は、トナーの溶解性を向上させるためには、トナー表面に配位されているシェル樹脂のSP値(SPs)を軟化剤のSP値(SP)に対してSP−SPs≦1.6、好ましくはSP−Sps≦1.5とすることが好ましい。
軟化剤のSP値とシェル樹脂のSP値の差が、1.6より大きくなると、シェル樹脂の溶解性が低下し、強固な定着性が実現できなくなる。
また、コア樹脂のSP値(SPc)と、シェル樹脂のSP値(SPs)の関係は、シェル樹脂のSP値を高くする必要があり、シェル樹脂のSP値とコア樹脂のSP値の差は、0.2≦SPs−SPc≦1.5、好ましくは0.3≦SPs−SPc≦1.4にすることが好ましい。
シェル樹脂のSP値とコア樹脂のSP値の差が、0.2未満になると、シェル樹脂とコア樹脂の溶解性が近くなり、少量の軟化剤による定着が実現できなくなる。シェル樹脂のSP値とコア樹脂のSP値の差が、1.5より大きくなると、コア樹脂の溶解性は低下するため、定着強度が低下するとともに、トナーのコア・シェル構造を作製するにあたりコア樹脂とシェル樹脂の融着がしにくくなり、強固なシェルを形成することが厳しくなる。
シェル樹脂のSP値とコア樹脂のSP値の差を、上述の適性範囲に設定することにより、定着後に画像表面に存在する軟化剤が、トナー内部に移動しやすくなり、画像表面のべたつきを抑制することに効果がある。
また、軟化剤のSP値(SP)が、以下の関係式(4)を満たすことが、少量の定着液で、定着強度を上げるとともに、定着後の画像のべたつきを抑制することができる点で好ましい。
関係式(4):8.5≦SP≦12
[定着液]
本発明の定着液は、トナーを構成するトナー粒子に含有される結着樹脂の少なくとも一部を溶解又は膨潤させて軟化させることにより、当該トナーにより構成されるトナー像を画像支持体に定着させるものであり、上記一般式(A)で表される特定のエステル化合物を軟化剤として含有するものである。
本発明の定着液には、水、溶剤の希釈剤や界面活性剤、分散剤など他の成分が含有されていてもよい。
<軟化剤>
本発明の定着液には、トナーを構成するトナー粒子に含有される結着樹脂の少なくとも一部を溶解又は膨潤させて軟化させる軟化剤が含有されている。
本発明において用いられる軟化剤は、一般式(A)で表されるエステル化合物である。
≪一般式(A)で表されるエステル化合物≫
本発明の定着液を構成する一般式(A)で表されるエステル化合物は、ヒドロキシカルボン酸のエステル化合物(ヒドロキシアルカノエート)又はカルボン酸のエステル化合物であって、ヒドロキシ基を有するカルボン酸とアルコールとの脱水縮合反応又はカルボン酸と二つ以上のヒドロキシ基を有する多価アルコールとの脱水縮合反応により得られるものである。
一般式(A)においては、R及びRは、置換基を有してもよい炭素数1〜15の直鎖又は分岐した脂肪族炭化水素基、アリール基又は複素環基を表し、R及びRの少なくとも一つにヒドロキシ基を有する。
炭素数1〜15の直鎖又は分岐した脂肪族炭化水素基、アリール基又は複素環基に置換可能な置換基としては、アルキル基、アルキニル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、ハロゲン基、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基、ニトロソ基、アゾ基、ジアゾ基などが挙げられる。
アリール基としては、フェニル基、ベンジル基、トリル基などの芳香族炭化水素から誘導された環状置換基が挙げられる。
複素環基としては、アゾール、オキソール、チオールなど2種類以上の元素によって構成される環状官能基が挙げられる。
は、少なくとも一つのヒドロキシ基を有する炭素数2〜11の直鎖又は分岐したアルキル基であることが好ましく、炭素数5の直鎖又は分岐したアルキル基であることがより好ましい。
は、炭素数1〜4の直鎖又は分岐したアルキル基であることが好ましく、炭素数2の直鎖又は分岐したアルキル基であることがより好ましい。
一般式(A)で表されるエステル化合物としては、具体的には、ヒドロキシカルボン酸のエステル化合物として乳酸エチル、乳酸イソアミル、3−ヒドロキシ酪酸エチル、2−ヒドロキシ酪酸エチル、2−ヒドロキシイソ酪酸メチル、3−ヒドロキシ吉草酸エチル、2−ヒドロキシ吉草酸エチル、2−ヒドロキシ−4−メチル吉草酸エチル、3−ヒドロキシヘキサン酸エチル、2−ヒドロキシヘキサン酸エチル、5−ヒドロキシヘキサン酸エチル、3−ヒドロキシオクタン酸エチル、5−ヒドロキシオクタン酸エチルなどが挙げられ、またカルボン酸と二つ以上の水酸基を有する多価アルコールとの脱水縮合反応により得られる水酸基含有エステル化合物としてカプリル酸ヒドロキシプロピル、ラウリル酸ヒドロキシプロピル、エナント酸ヒドロキシプロピルなどが挙げられる。これらは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
一般式(A)で表されるエステル化合物は、定着液に対して1〜60質量%の範囲内の割合で含有されることが好ましく、より好ましくは、1〜30質量%の範囲内の割合で含有されることが好ましく、さらに好ましくは5〜20質量%の範囲内である。
一般式(A)で表されるエステル化合物が上記範囲内の含有割合であることにより、トナー粒子に含有されるシェル樹脂への高い親和性が得られ、高い定着強度及び定着速度が得られるとともに、定着後の画像のべたつきが抑制される。
<希釈剤>
本発明の定着液には、上記一般式(A)で表されるエステル化合物を希釈・分散させる希釈剤が含有されている。
希釈剤としては、例えば水、具体的にはイオン交換水が挙げられる。また、上記一般式(A)で表されるエステル化合物を溶解可能な溶媒、具体的には、パラフィン、イソパラフィン、シリコーンオイルなどを用いることもできる。
希釈剤は、定着液に対して50〜90質量%の範囲内の割合で含有されることが好ましく、より好ましくは80〜90質量%の範囲内である。
<分散剤>
本発明の定着液には、必要に応じて、上記一般式(A)で表されるエステル化合物の希釈剤への溶解性又は分散性を向上させるものとして分散剤が含有されていてもよい。
分散剤としては、例えば、界面活性剤、具体的には、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤などが挙げられる。
活性剤としてのアニオン系界面活性剤としては、例えば、ラウリン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウムなどの高級脂肪酸塩類;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルアリールスルホン酸塩類;ラウリル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸エステル塩類;ポリエトキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸エステル塩類;モノオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルスルホコハク酸ナトリウムなどのアルキルスルホコハク酸エステル塩、及びその誘導体類などを挙げることができる。
カチオン系界面活性剤としては、例えば脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩などを挙げることができる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリオレエートなどのソルビタン高級脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートなどのポリオキシエチレンソルビタン高級脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノステアレートなどのポリオキシエチレン高級脂肪酸エステル類;オレイン酸モノグリセライド、ステアリン酸モノグリセライドなどのグリセリン高級脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックコポリマー、ショ糖ラウリン酸エステルやショ糖ステアリン酸エステルなどのショ糖エステル類などが挙げられる。
分散剤は、定着液に対して0〜20質量%の範囲内の割合で含有されることが好ましく、より好ましくは1〜15質量%の範囲内である。
[定着液の供給量]
本発明の定着液の供給量は、例えば、A4サイズの画像支持体当たり0.4g以下が好ましい。
[定着液の製造方法]
本発明の定着液の製造方法としては、例えば、定着液供給用のタンクに、上記一般式(A)で表されるエステル化合物及び必要に応じて分散剤を順次投入後、希釈剤を投入し超音波ホモジナイザー(株式会社エスエヌティ社製)を用い、室温下で5分間撹拌する方法が挙げられる。これにより、一般式(A)で表されるエステル化合物の分散粒径が150〜250μmの範囲内の定着液を調製することができる。
[定着液の供給方法]
本発明の定着液の供給方法としては、定着液供給手段を用いて、例えば当該定着液を液状又は泡状に噴射、噴霧又は塗布する方法などが挙げられる。
定着液供給手段としては、例えば、インクジェットノズル、超音波振動子を用いた噴霧器、圧縮空気を用いた噴霧器、静電的に液滴にする噴霧器、ローラーなどが挙げられる。
以下、本発明の定着液の供給方法について具体的に説明する。
図1は、本発明の定着液を供給する際に用いられる定着液供給手段の構成の一例を示す説明用断面図である。
この定着液供給手段50Aは、ライン型インクジェットノズルよりなるものであり、トナー像担持体31の下流側に配置されている。
このような定着液供給手段50Aにおいては、液滴化された定着液Fが、画像支持体P上に転写されたトナー像Tの領域に従って、当該トナー像Tに供給される。
このような定着液供給手段50Aを構成するライン型インクジェットは、解像度が300dpi以上であることが好ましい。また、インクジェットの液滴サイズは、0.5〜50plの範囲内であることが好ましい。
なお、定着液供給手段50Aとしてインクジェットノズルを用いる場合においては、定着液には耐溶剤性が必要とされる。
また、定着液が、室温以上の温度で液体ではない場合、又は、定着液の粘度が高い場合においては、定着液供給手段50Aにヒーターを設ける構成とすることもできる。
また、定着液供給工程の後において、定着液Fが供給されたトナー像Tに圧力を付与する圧力付与工程を行うこと好ましい。具体的には、図2に示すように、定着液供給工程の後、一対の加圧ローラーよりなる圧力付与手段70により、定着液Fが供給されたトナー像Tに圧力を付与することができる。
圧力付与手段としては、例えば、表面が離型性を有するローラーなど用いることもできる。加圧力は、特に限定されないが、例えば50kPa〜1MPaの範囲内であることが好ましい。
この圧力付与工程が行われることにより、形成される画像においてより高い定着強度が得られる。
図3は、本発明の定着液を供給する際に用いられる定着液供給手段の構成の他の例を示す説明用断面図である。
この定着液供給手段50Bは、定着液塗布ローラー51と、この定着液塗布ローラー51に対向して設けられた加圧ローラー52とにより構成される。この定着液塗布ローラー51は、その一部が例えば液状の定着液Fに浸漬されている。また、トナー像T上に供給すべき定着液Fの量を制御するメタリングブレード53が、その先端部分が定着液塗布ローラー51の表面から離間した状態で設けられている。
このような定着液供給手段50Bにおいては、定着液Fが、定着液塗布ローラー51及び加圧ローラー52の回転駆動により、定着液塗布ローラー51上の液状の定着液Fがその供給量がメタリングブレード53により規制されて、トナー像Tが転写された画像支持体P上の全面に液膜Mとして供給されるとともに、加圧ローラー52において圧力が付与される。
液膜Mの膜厚は、特に限定されないが、例えば1〜100μmの範囲内が好ましい。
また、加圧ローラー52の加圧力は、例えば150〜250MPaの範囲内が好ましい。
図4は、本発明の定着液を供給する際に用いられる定着液供給手段の構成のさらに他の例を示す説明用断面図である。
この定着液供給手段50Cは、定着液を泡状に噴射させる泡状発生装置54と、定着液塗布ローラー55と、この定着液塗布ローラー55に対向して設けられた加圧ローラー56とにより構成される。また、トナー像T上に供給すべき定着液Fの量を制御する規制ブレード57が、その先端部分が定着液塗布ローラー55の表面から離間した状態で設けられている。
このような定着液供給手段50Cにおいては、定着液Fが、定着液塗布ローラー55及び加圧ローラー56の回転駆動により、定着液塗布ローラー55上の泡状の定着液Fがその供給量が規制ブレード57により規制されて、トナー像Tが転写された画像支持体P上の全面に泡状膜Bとして供給されるとともに、加圧ローラー56において圧力が付与される。
泡状膜Bの膜厚は、特に限定されないが、例えば50〜80μmの範囲内が好ましい。
また、加圧ローラー56の加圧力は、例えば150〜250MPaの範囲内が好ましい。
図5は、本発明の定着液を供給する際に用いられる定着液供給手段の構成のさらに他の例を示す説明用断面図である。
この定着液供給手段50Dは、圧縮空気を用いた噴霧器よりなるものでものであり、トナー像担持体31の下流側に配置されている。
このような定着液供給手段50Dにおいては、液状の定着液Fが噴霧され、画像支持体P上に転写されたトナー像Tに供給される。
[電子写真画像形成方法]
本発明の電子写真画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、定着液供給工程と、を有し、定着液供給工程において、画像支持体上に転写したトナー像に、トナーを軟化させる定着液を供給する定着液供給工程とを有し、トナーが少なくとも着色剤を含有したコア樹脂と、当該コア樹脂と異なるシェル樹脂で被覆したコア・シェル構造を有し、軟化剤のSP値とコア樹脂のSP値とシェル樹脂のSP値が上記関係式(1)〜(3)を満たし、かつ、定着液として、本発明の定着液を用いて、画像支持体に定着することにより、画像を形成する方法である。
<静電潜像形成工程>
静電潜像形成工程は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程である。
静電潜像担持体としては、特に限定されるものではないが、例えば、アモルファスシリコン、セレンなどの無機感光体、又は、ポリシラン、フタロポリメチンなどの有機感光体よりなるドラム状のものが挙げられる。
静電潜像の形成は、例えば、静電潜像担持体の表面を帯電手段により一様に帯電させ、露光手段により静電潜像担持体の表面を像様に露光することにより行われる。
帯電手段及び露光手段としては、特に限定されず、電子写真方式において一般的に使用されているものを用いることができる。
<現像工程>
現像工程は、静電潜像を、結着樹脂を含有するトナーを含む乾式現像剤により現像してトナー像を形成する工程である。
トナー像の形成は、結着樹脂を含有するトナーを含む乾式現像剤を用いて、例えば、トナーを摩擦撹拌させて帯電させる撹拌器と、回転可能なマグネットローラーとからなる現像手段を用いて行われる。
具体的には、現像手段においては、例えば、トナーとキャリアとが混合撹拌され、その際の摩擦によりトナーが帯電し、回転するマグネットローラーの表面に保持され、磁気ブラシが形成される。マグネットローラーは、静電潜像担持体近傍に配置されているため、マグネットローラーの表面に形成された磁気ブラシを構成するトナーの一部は、電気的な吸引力によって静電潜像担持体の表面に移動する。その結果、静電潜像がトナーにより現像されて静電潜像担持体の表面にトナー像が形成される。
<トナー>
本発明の電子写真画像形成方法に用いられるトナーは、少なくとも着色剤を含有したコア樹脂を、当該コア樹脂の結着樹脂と異なる結着樹脂を含有するシェル樹脂で被覆したコア・シェル構造を有するトナー粒子よりなるものである。
コア・シェル構造のトナーのシェル含有量は、トナーに対して5〜40質量%の範囲内であることが好ましい。
また、トナー粒子には、必要に応じて、荷電制御剤などの内添剤が含有されていてもよく、また当該トナー粒子に対して、流動化剤などの外添剤が外部添加されていてもよい。
本発明の電子写真画像形成方法に用いられるトナーを構成するトナー粒子の粒径は、体積基準のメディアン径で3.5〜7.0μmの範囲内のものであることが好ましく、より好ましくは5.0〜6.5μmの範囲内である。
体積基準のメディアン径が上記範囲内にあるトナーを用いることにより、トナー粒子の比表面積が十分に確保され、したがって、後述する定着液供給工程において、定着液との接触面積が十分に確保されることから、トナー像を画像支持体に確実に定着させることができ、これにより、形成される画像において十分な定着強度を得ることができる。
本発明において、トナー粒子の体積基準のメディアン径は、「コールターマルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)に、データ処理用ソフト「Software V3.51」を搭載したコンピューターシステムを接続した測定装置を用いて測定・算出される。
具体的には、トナー0.02gを、界面活性剤溶液20mL(トナー粒子の分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)に添加してなじませた後、超音波分散を1分間行い、トナー分散液を調製し、このトナー分散液を、サンプルスタンド内の「ISOTONII」(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定装置の表示濃度が8%になるまでピペットにて注入する。ここで、この濃度範囲にすることにより、再現性のある測定値を得ることができる。
そして、測定装置において、測定粒子カウント数を25000個、アパーチャ径を50μmにし、測定範囲である1〜30μmの範囲内を256分割しての頻度値を算出し、体積積算分率の大きい方から50%の粒径が体積基準のメディアン径とされる。
本発明の電子写真画像形成方法に用いられるトナーは、平均円形度が、転写効率の向上の観点から、0.930〜1.000の範囲内であることが好ましく、より好ましくは0.950〜0.995の範囲内である。
本発明において、トナーの平均円形度は、「FPIA−2100」(Sysmex社製)を用いて測定される。
具体的には、試料を界面活性剤入り水溶液にてなじませ、超音波分散処理を1分間行って分散させた後、「FPIA−2100」(Sysmex社製)により、測定条件HPF(高倍率撮像)モードにて、HPF検出数3,000〜10,000個の適正濃度で撮影を行い、個々のトナー粒子について下記式(T)に従って円形度を算出し、各トナー粒子の円形度を加算し、全トナー粒子数で除することにより算出される。
式(T):円形度=(粒子像と同じ投影面積をもつ円の周囲長)/(粒子役影像の周囲長)
本発明の電子写真画像形成方法に用いられるトナーは、ガラス転移点が、耐熱保管性及び耐ブロッキング性の観点から、30〜70℃の範囲内であることが好ましく、より好ましくは30〜50℃の範囲内である。
本発明において、トナーのガラス転移点は、示差走査カロリメーター「DiamondDSC」(パーキンエルマー社製)を用いて測定される。
具体的には、試料4.5mgを小数点以下二桁まで精秤し、アルミニウム製パンに封入して、DiamondDSCサンプルホルダーにセットする。リファレンスは、空のアルミニウム製パンを使用し、測定温度0〜200℃、昇温速度10℃/分、降温速度10℃/分にて、Heat−Cool−Heatの温度制御を行い、その2nd.Heatにおけるデータを基に解析を行う。第1の吸熱ピークの立ち上がり前のベースラインの延長線と、第1の吸熱ピークの立ち上がり部分からピーク頂点までの間における最大傾斜を示す接線との交点の値をガラス転移点とする。
本発明の電子写真画像形成方法に用いられるトナーは、軟化点が、定着強度の観点から、90〜120℃の範囲内であることが好ましく、より好ましくは100〜115℃の範囲内である。
本発明において、トナーの軟化点は以下のようにして測定される。
すなわち、温度20±1℃、湿度50±5%RHの環境下において、試料(トナー)1.1gをシャーレに入れ平らにならし、12時間以上放置した後、成型器「SSP−10A」(島津製作所製)によって3820kg/cmの力で30秒間加圧し、直径1cmの円柱型の成型サンプルを作製する。次いで、この成型サンプルを、温度24±5℃、湿度50±20%RHの環境下において、フローテスター「CFT−500D」(島津製作所製)により、荷重196N(20kgf)、開始温度60℃、予熱時間300秒間、昇温速度6℃/分の条件で、円柱型ダイの穴(1mm径×1mm)より、直径1cmのピストンを用いて予熱終了時から押し出し、昇温法の溶融温度測定方法でオフセット値5mmの設定で測定したオフセット温度Toffsetを軟化点として、測定されるものである。
≪結着樹脂≫
本発明に係るトナー粒子に含有される結着樹脂(コア樹脂、シェル樹脂)は、例えば、スチレン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、スチレン−(メタ)アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル・ポリオール樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂などの公知の種々の樹脂が挙げられる。
これらの樹脂の中で、結着樹脂(コア樹脂及びシェル樹脂)は、軟化剤との相溶性から、SP値が上記関係式(1)〜(3)を満たす樹脂をそれぞれ選択することができる。その中で、結着樹脂(コア樹脂及びシェル樹脂)は、特にポリエステル樹脂、又はスチレン−アクリル樹脂などのビニル系重合体を使用することが好ましい。
より詳細には、コア樹脂として、スチレン−アクリル樹脂、シェル樹脂として、軟化剤との親和性の高いポリエステル樹脂を使用することが好ましい。
結着樹脂としてポリエステル樹脂を用いる場合においては、ポリエステル樹脂は、公知の多価アルコールと、公知の多価カルボン酸とにより得ることができる。
多価アルコールとしては、非ラジカル重合性のものであれば特に限定されず、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−ドデカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオールなどの脂肪族ジオール;ビスフェノールA、ビスフェノールFなどのビスフェノール類;及びこれらのエチレンオキサイド付加物、プロピレンオキサイド付加物などのビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
また、3価以上の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ソルビトールなどが挙げられる。不飽和基を有する多価アルコールとしては、例えば、2−ブテン−1,4−ジオール、3−ブテン−1,6−ジオール、4−ブテン−1,8−ジオール、9−オクタデゼン−7,12−ジオールなどの不飽和二重結合を有するもの;2−ブチン−1,4−ジオール、3−ブチン−1,4−ジオールなどの不飽和三重結合を有するものなどが挙げられる。これらは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
多価カルボン酸としては、非ラジカル重合性のものであれば、特に限定されず、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼリン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,13−トリデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,16−ヘキサデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸などの脂肪族カルボン酸;これら脂肪族カルボン酸の低級アルキルエステルや酸無水物;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、オルトフタル酸、t−ブチルイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4′−ビフェニルジカルボン酸などの芳香族カルボン酸;トリメット酸、ピロメリット酸などの3価以上の多価カルボン酸などが挙げられる。
不飽和基を有する多価カルボン酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、グルタコン酸、イソドデセニルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、n−オクテニルコハク酸などの不飽和脂肪族カルボン酸;及びこれらの酸無水物又は酸塩化物;コーヒー酸などの不飽和芳香族カルボン酸などが挙げられる。
これらは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリエステル樹脂は、例えば上記多価アルコールと上記多価カルボン酸とを不活性ガス雰囲気中において、120〜250℃の範囲内の温度で縮重合することにより製造することができる。
縮重合の際においては、必要に応じて公知のエステル化触媒を用いてもよい。
結着樹脂として、スチレン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、スチレン−(メタ)アクリル樹脂を用いる場合においては、スチレン−アクリル樹脂を形成すべき重合性モノマーとしては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンなどのスチレン又はスチレン誘導体;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、などのメタクリル酸エステル誘導体;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニルなどのアクリル酸エステル誘導体;エチレン、プロピレン、イソブチレンなどのオレフィン類;フッ化ビニル、フッ化ビニリデンなどのフッ化ビニル類;プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルなどのビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテルなどのビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトンなどのビニルケトン類;N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンなどのN−ビニル化合物類;ビニルナフタレン、ビニルピリジンなどのビニル化合物類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドなどのアクリル酸又はメタクリル酸誘導体などが挙げられる。
これらは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、反応性基を有するものとして、イソシアネート基含有ビニルモノマー、ヒドロキシ基含有ビニルモノマー、グリシジル基含有ビニルモノマーなどが挙げられる。
イソシアネート基含有ビニルモノマーとしては、イソシアネート基とビニル基とを有する単量体であれば特に限定されず、例えば、2−イソシアナトエチルメタクリレート、ジメチルメタ−イソプロペニルベンジルイソシアネート、メタクロイルイソシアネート、2−イソシアナトエチルアクリレートなどが挙げられる。
これらは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ヒドロキシ基含有ビニルモノマーとしては、ヒドロキシ基とビニル基とを有する単量体であれば特に限定されず、例えば、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、1−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレートなどが挙げられる。
これらは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、ポリエチレングリコールメタクリレート、ポリプロピレングリコールメタクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリプロピレングリコールアクリレートのようにエチレングリコール単位、プロピレングリコール単位の繰り返し又はその混合での繰り返しによるものを用いることができる。
グリシジル基含有ビニルモノマーとしては、例えば、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、α−エチルアクリル酸グリシジル、α−n−プロピルアクリル酸グリシジル、α−n−ブチルアクリル酸グリシジル、アクリル酸−β−メチルグリシジル、メタクリル酸−β−メチルグリシジル、アクリル酸−β−エチルグリシジル、メタクリル酸−β−エチルグリシジル、アクリル酸−3,4−エポキシブチル、メタクリル酸−3,4−エポキシブチル、アクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、メタクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、α−エチルアクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテルなどが挙げられる。
さらに、重合性単量体として、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレートなどの多官能性ビニル類を用いて架橋構造の結着樹脂を得ることもできる。
結着樹脂は、ガラス転移点が30〜70℃の範囲内であることが好ましく、より好ましくは30〜50℃の範囲内である。ガラス転移点を30〜70℃の範囲内とすることによって、耐熱保管性及び機械的耐衝撃性に優れる。
本発明において、トナーのガラス転移点は、示差走査カロリメーター「DiamondDSC」(パーキンエルマー社製)を用いて測定される。
具体的には、試料(トナー)4.5mgを小数点以下二桁まで精秤し、アルミニウム製パンに封入して、DiamondDSCサンプルホルダーにセットする。リファレンスは、空のアルミニウム製パンを使用し、測定温度0〜200℃、昇温速度10℃/分、降温速度10℃/分にて、Heat−Cool−Heatの温度制御を行い、その2nd.Heatにおけるデータを基に解析を行う。第1の吸熱ピークの立ち上がり前のベースラインの延長線と、第1の吸熱ピークの立ち上がり部分からピーク頂点までの間における最大傾斜を示す接線との交点の値をガラス転移点とする。
結着樹脂は、GPCにより測定される分子量分布において、3,000〜50,000、より好ましくは5,000〜30,000の範囲内にピークを有するものである。分子量分布が、3,000〜50,000の範囲内にピークを有するものとすることによって、トナー粒子の強度が高く、トナー飛散を防止でき、また、形成される画像において高い定着強度を得ることができる。
本発明において、GPCにより測定される分子量分布は、以下のようにして測定される。
具体的には、装置「HLC−8220」(東ソー社製)及びカラム「TSKguardcolumn+TSKgelSuperHZM−M3連」(東ソー社製)を用い、カラム温度を40℃に保持しながら、キャリア溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を流速0.2mL/分で流し、試料を室温において超音波分散機を用いて5分間処理を行う溶解条件で濃度1mg/mLになるようにTHFに溶解させる。
次いで、ポアサイズ0.2μmのメンブランフィルターで処理して試料溶液を得、この試料溶液10μLを上記のキャリア溶媒とともに装置内に注入し、屈折率検出器(RI検出器)を用いて検出し、試料の有する分子量分布を単分散のポリスチレン標準粒子を用いて測定した検量線を用いて算出される。検量線測定用のポリスチレンとしては10点用いる。
≪着色剤≫
本発明に係るトナー粒子に着色剤が含有される場合においては、着色剤としては、特に限定されず、公知の顔料を用いることができる。
黒色の着色剤としては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラックなどのカーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリン・ブラック、活性炭、非磁性フェライト、磁性フェライト、マグネタイトなどが挙げられる。
黄色の着色剤としては、例えば、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキなどが挙げられる。
橙色の着色剤としては、例えば、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジGKなどが挙げられる。
赤色の着色剤としては、例えば、キナクリドン、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドC、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ロンダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3Bなどが挙げられる。
紫色の着色剤としては、例えば、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキなどが挙げられる。
青色の着色剤としては、例えば、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトジアブルーレーキ、金属フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBCなどが挙げられる。
緑色の着色剤としては、例えば、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マイカライトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンGなどが挙げられる。
白色の着色剤としては、例えば、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛などが挙げられる。
これらの着色剤は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
着色剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して1〜10質量部の範囲内であることが好ましく、より好ましくは2〜9質量部の範囲内である。
≪離型剤≫
本発明に係るトナー粒子には、離型剤を含有させてもよく、離型剤が含有される場合においては、離型剤としては、例えばワックスが挙げられ、具体的には、以下に示すようなものが挙げられる。
(1)ポリオレフィン系ワックス
ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなど
(2)長鎖炭化水素系ワックス
パラフィンワックス、サゾールワックスなど
(3)ジアルキルケトン系ワックス
ジステアリルケトンなど
(4)エステル系ワックス
カルナウバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラミリステート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート、ベヘン酸ベヘニル、ステアリン酸ステアリル、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなど
(5)アミド系ワックス
エチレンジアミンジベヘニルアミド、トリメリット酸トリステアリルアミドなどである。
ワックスの含有量は、結着樹脂100質量部に対して5〜20質量部の範囲内であることが好ましく、より好ましくは5〜10質量部の範囲内である。
≪荷電制御剤≫
本発明に係るトナー粒子に荷電制御剤が含有される場合においては、荷電制御剤としては、摩擦帯電により正又は負の帯電を与えることのできる物質であれば特に限定されず、公知の種々の正帯電制御剤及び負帯電制御剤を用いることができる。
荷電制御剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して0.1〜20質量部の範囲内であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5質量部の範囲内である。
≪外添剤≫
本発明に係るトナー粒子は、そのままトナーとして用いることができるが、流動性、帯電性、クリーニング性などを改良するために、当該トナー粒子に、いわゆる流動化剤、クリーニング助剤などの外添剤を添加した状態で用いることができる。
流動化剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化銅、酸化鉛、酸化アンチモン、酸化イットリウム、酸化マグネシウム、チタン酸バリウム、フェライト、ベンガラ、フッ化マグネシウム、炭化ケイ素、炭化ホウ素、窒化ケイ素、窒化ジルコニウム、マグネタイト、ステアリン酸マグネシウムなどよりなる無機微粒子などが挙げられる。
これら無機微粒子はシランカップリング剤やチタンカップリング剤、高級脂肪酸、シリコーンオイルなどによって、トナー粒子の表面への分散性向上、環境安定性向上のために、表面処理が行われていることが好ましい。
クリーニング助剤としては、例えば、ポリスチレン微粒子、ポリメチルメタクリレート微粒子などが挙げられる。外添剤としては種々のものを組み合わせて用いることができる。外添剤は、平均一次粒径が30nm以下であることが好ましい。外添剤の添加割合は、トナー粒子100質量部に対して0.05〜5質量部の範囲内であることが好ましく、より好ましくは0.1〜3質量部の範囲内である。
<トナーの製造方法>
トナーを製造する方法としては、コア・シェル構造が形成可能な方法であれば限定されない。例えば下記工程を有する方法が挙げられる。
(1)分散液調製工程
(1−1)結着樹脂粒子分散液調製工程
(1−2)着色剤粒子分散液調製工程
(2)凝集・融着工程
(3)洗浄・乾燥工程
(4)後処理工程
(1−1)結着樹脂粒子分散液調製工程
この工程では、結着樹脂粒子が分散されてなる分散液を調製する。
結着樹脂粒子は、例えば、粉砕法などの乾式方法や、乳化重合法、溶解脱溶法、溶解懸濁法などの湿式方法など公知の方法によって作製することができる。
例えば、結着樹脂がポリエステル樹脂により構成される場合においては、溶解脱溶法により結着樹脂粒子を作製することができる。溶解脱溶法は、具体的には、(a)樹脂溶液調製工程、(b)水系媒体調製工程、(c)油滴粒子分散液調製工程及び(d)非水溶性有機溶媒除去工程を有する。
(a)樹脂溶液調製工程
樹脂溶液調製工程では、少なくとも結着樹脂(ポリエステル樹脂)を含む樹脂混合物と、結着樹脂が溶解可能な非水溶性有機溶媒とを含む樹脂溶液を調製する。
ここで、樹脂溶液とは、少なくとも結着樹脂が非水溶性有機溶媒中に溶解され、他の成分が非水溶性有機溶媒中に溶解又は分散されてなるものである。
結着樹脂としてのポリエステル樹脂は、例えば上記多価アルコールと上記多価カルボン酸とを不活性ガス雰囲気中にて、120〜250℃の範囲内の温度で縮重合することにより製造することができる。縮重合の際においては、必要に応じてテトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなどの公知のエステル化触媒を用いてもよい。
樹脂溶液に使用される非水溶性有機溶媒としては、用いる結着樹脂が溶解可能なものであって、水に対して相溶しないものであれば特に制限されず、公知のものを使用でき、例えば、メチルエチルケトン、ジエチルケトンなどのケトン類、ジエチルエーテルなどのエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、ブタノールなどのアルコール類、トルエン、キシレンなどの芳香族類などが挙げられる。
樹脂溶液は、結着樹脂その他の内添剤などを乳化機又は分散機などで非水溶性有機溶媒に溶解、懸濁又は分散させることによって調製することができる。
ここで乳化機、分散機としては、特に制限されず、公知のものを使用でき、例えば、「ウルトラタラックス」(IKA株式会社製)、「ポリトロンホモジナイザー」(キネマティカ社製)、「TKオートホモミクサー」(特殊機化工業株式会社製)、「ナショナルクッキングミキサー」(パナソニック株式会社製)などのバッチ式乳化機、「エバラマイルダー」(株式会社荏原製作所製)、「TKパイプラインホモミクサー」、「TKホモミックラインフロー」(以上、特殊機化工業株式会社製)、「コロイドミル」((株)神鋼環境ソリューション製)、「スラッシャー」、「トリゴナル湿式微粉砕機」(以上、日本コークス工業株式会社製)、「キャビトロン」((株)ユーロテック製)、「ファインフローミル」(太平洋機工株式会社製)などの連続式乳化機、「クレアミックス」(エム・テクニック株式会社製)、「フィルミックス」(特殊機化工業株式会社製)などのバッチ式又は連続両用乳化機などが挙げられる。
(b)水系媒体調製工程
水系媒体調製工程では、分散剤及び水を含む水系媒体を調製する。
分散剤としては、後述する油滴粒子の分散を促進し得るものであれば特に制限されず、例えば、水に対する溶解度が低いアルカリ土類金属塩(難水溶性アルカリ土類金属塩)を使用できる。
難水溶性アルカリ土類金属塩の水に対する溶解度は特に制限されないが、好ましくは温度20℃の水1リットルに対する溶解度が50mg以下、より好ましくは30mg以下である。
このような難水溶性アルカリ土類金属塩としては、例えば、カルシウムの炭酸塩、リン酸塩など、マグネシウムの炭酸塩、リン酸塩など、バリウムの炭酸塩、リン酸塩、硫酸塩などが挙げられる。これらの中でも、得られるトナー粒子の粒度分布の幅をできるだけ狭くし、形状を均一にするという点を考慮すると、カルシウムの炭酸塩(以下、炭酸カルシウム塩と称する)、カルシウムのリン酸塩(以下、リン酸カルシウム塩と称する)が好ましい。
分散剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
水系媒体には、分散剤とともに分散安定剤が含有されていてもよい。分散安定剤を添加することにより、分散剤の水系媒体中での凝集を防止して分散性を向上させることができる。分散安定剤は、水中では一次粒子に近い形態で存在するので、水分散性が良好で、その濃度が高くなっても分散性が低下することがなく、濃度調整が容易である。
分散安定剤としては、例えば、界面活性剤、水溶性高分子化合物及びその金属塩又はアンモニウム塩などが挙げられる。
界面活性剤としては、従来公知の種々のアニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤などが挙げられる。アニオン系界面活性剤としては、例えば、オレイン酸ナトリウムなどの高級脂肪酸塩類;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルアリールスルホン酸塩類;ラウリル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸エステル塩類;ポリエトキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸エステル塩類;モノオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルスルホコハク酸ナトリウムなどのアルキルスルホコハク酸エステル塩、及びその誘導体類などが挙げられる。
また、カチオン系界面活性剤としては、例えば、脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩などが挙げられる。
さらに、ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類;ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリオレエートなどのソルビンタ高級脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートなどのポリオキシエチレンソルビタン高級脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノステアレートなどのポリオキシエチレン高級脂肪酸エステル類;オレイン酸モノグリセライド、ステアリン酸モノグリセライドなどのグリセリン高級脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックコポリマーなどが挙げられる。
水溶性高分子化合物としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、セルロースガム、ポリアクリル酸、ポリカルボン酸などが挙げられる。
分散安定剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(c)油滴粒子分散液調製工程
油滴粒子分散液調製工程では、前記工程で調製された樹脂溶液と水系媒体とを混合して、水系媒体中に樹脂溶液を分散させ、水系媒体中に樹脂溶液の油滴粒子が分散されてなる分散液を調製する。
樹脂溶液と水系媒体との混合は、撹拌下において行うことが好ましく、さらにせん断力を加えながら行うことがより好ましい。このとき、加熱又は加熱及び加圧してもよい。樹脂溶液と水系媒体との混合は、さらに具体的には、例えば、乳化機や分散機などを用いて行われる。このような乳化機及び分散機は市販されている。
その具体例としては、例えば、「ウルトラタラックス」(IKAジャパン株式会社製)、「ポリトロンホモジナイザー」(キネマティカ社製)、「TKオートホモミクサー」(特殊機化工業株式会社製)などのバッチ式乳化機、「エバラマイルダー」(株式会社荏原製作所製)、「TKパイプラインホモミクサー」、「TKホモミックラインフロー」、「フィルミックス」(以上、特殊機化工業株式会社製)、「コロイドミル」((株)神鋼環境ソリューション製)、「スラッシャー」、「トリゴナル湿式微粉砕機」(以上、日本コークス工業株式会社製)、「キャビトロン」((株)ユーロテック製)、「ファインフローミル」(太平洋機工(株)製)などの連続式乳化機、「クレアミックス」(エム・テクニック(株)製)などが挙げられる。また、これら以外にも、前述の樹脂溶液の調製に用いられる市販の乳化機、分散機を用いることもできる。
(d)非水溶性有機溶媒除去工程
非水溶性有機溶媒除去工程では、油滴粒子分散液調製工程で得られた油滴粒子分散液から、油滴に含まれる非水溶性有機溶媒を除去する。
非水溶性有機溶媒の除去は、例えば、減圧蒸留などによって行うことができる。
また、例えば、結着樹脂がスチレン−アクリル樹脂により構成される場合においては、例えば乳化重合法により結着樹脂粒子を作製することができる。乳化重合法は、具体的には、結着樹脂を形成すべき上記重合性モノマーを水系媒体中に分散させて乳化粒子(油滴)を形成した後、重合開始剤を投入して重合性モノマーを重合する方法である。
水系媒体中には界面活性剤を添加してもよく、界面活性剤としては、従来公知の種々のアニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤などが挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、オレイン酸ナトリウムなどの高級脂肪酸塩類;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルアリールスルホン酸塩類;ラウリル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸エステル塩類;ポリエトキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸エステル塩類;モノオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルスルホコハク酸ナトリウムなどのアルキルスルホコハク酸エステル塩、及びその誘導体類などが挙げられる。
また、カチオン系界面活性剤としては、例えば、脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩などが挙げられる。
さらに、ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類;ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリオレエートなどのソルビンタ高級脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートなどのポリオキシエチレンソルビタン高級脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノステアレートなどのポリオキシエチレン高級脂肪酸エステル類;オレイン酸モノグリセライド、ステアリン酸モノグリセライドなどのグリセリン高級脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックコポリマーなどが挙げられる。
重合開始剤は、水溶性の重合開始剤であれば特に限定されるものではなく、例えば、過硫酸塩(過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウムなど)、アゾ系化合物(4,4′−アゾビス4−シアノ吉草酸及びその塩、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩など)、有機過酸化物などが挙げられる。
また、結着樹脂の分子量を調整することを目的として、一般的に用いられる連鎖移動剤を用いることができる。連鎖移動剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、2−クロロエタノール、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタンなどのメルカプタン及びスチレンダイマーなどが挙げられる。
以上のようにして得られる結着樹脂粒子の粒径は、体積基準のメディアン径で20〜200nmの範囲内であることが好ましい。
結着樹脂粒子の体積基準のメディアン径は、電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)によって測定することができる。
(1−2)着色剤粒子分散液調製工程
この工程では、着色剤粒子が分散されてなる分散液を調製する。具体的には、上記着色剤を水系媒体中に添加し、機械的エネルギーを作用させることにより調製することができる。
機械的エネルギーを作用させる分散機としては、特に限定されるものではなく、例えば、高速回転するローターを備えた撹拌装置「クレアミックス」(エム・テクニック社製)、超音波分散機、機械式ホモジナイザー、マントンゴーリン、圧力式ホモジナイザーなどが挙げられる。
この工程で得られる着色剤粒子の粒径は、体積基準のメディアン径で20〜1,000nmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは20〜150nmの範囲内、特に好ましくは30〜100nmの範囲内である。
(2)凝集・融着工程
この工程においては、上記工程で得られた結着樹脂粒子分散液及び着色剤粒子分散液を混合した水系媒体中に凝集剤を添加し、温度調整をすることにより、塩析を進行させるとともに、結着樹脂粒子及び着色剤粒子の凝集・融着を行う。
コア・シェル構造のトナーを形成するためには、例えばコア粒子凝集融着後に、シェル樹脂粒子分散液を添加しコア粒子表面に凝集融着させる方法がある。
凝集剤としては、特に限定されるものではないが、金属の塩から選択されるものが好ましく、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウムなどのアルカリ金属の塩などの1価の金属の塩;カルシウム、マグネシウム、マンガン、銅などの2価の金属の塩;鉄、アルミニウムなどの3価の金属の塩などが挙げられる。
(3)洗浄・乾燥工程
この工程においては、水系媒体から粒子を分離し、洗浄処理することにより、界面活性剤などを除去し、その後、乾燥処理を行う。
分離及び回収は公知の方法に従って実施でき、例えば、濾過、吸引濾過、遠心分離などによって行うことができる。本工程では、粒子を分離する前に、水洗を行ってもよい。又は、粒子を分離した後に水洗を行ってもよい。
乾燥は、凍結乾燥法、気流式乾燥法などの公知の方法に従って実施できる。
(4)後処理工程
この工程においては、乾燥処理されたトナー粒子に上記外添剤を添加する。
外添剤の添加は、一般的に行われる公知の方法に従って行うことができる。
<乾式現像剤>
本発明の画像形成方法に用いられる現像剤は、乾式のものとされ、磁性又は非磁性のトナーのみよりなる一成分現像剤であっても、トナーとキャリアとが混合されてなる二成分現像剤であってもよい。
二成分現像剤である場合においては、キャリアとしては、鉄、フェライト、マグネタイトなどの金属、それらの金属とアルミニウム、鉛などの金属との合金などの従来公知の材料からなる磁性粒子を用いることができ、特にフェライト粒子が好ましい。また、キャリアとしては、磁性粒子の表面を樹脂などの被覆剤で被覆した樹脂被覆型キャリアや、バインダー樹脂中に磁性体微粉末を分散してなる分散型キャリアなど用いてもよい。
キャリアは、粒径が体積基準のメディアン径で15〜100μmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは20〜80μmの範囲内である。
キャリアの体積基準のメディアン径は、代表的には湿式分散機を備えたレーザー回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
<転写工程>
転写工程は、トナー像を画像支持体に転写する工程である。
トナー像の画像支持体への転写は、トナー像を画像支持体に剥離帯電することにより行われる。
転写手段としては、例えば、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラーなどを用いることができる。
また、転写工程は、例えば、中間転写体を用い、中間転写体上にトナー像を一次転写した後、このトナー像を画像支持体上に二次転写する態様の他、静電潜像担持体上に形成されたトナー像を直接画像支持体に転写する態様などによって行うこともできる。
画像支持体としては、特に限定されず、薄紙から厚紙までの普通紙、上質紙、アート紙あるいはコート紙などの塗工された印刷用紙、市販されている和紙やはがき用紙、OHP用のプラスチックフィルム、布などの各種を挙げることができる。
<定着液供給工程>
定着液供給工程は、画像支持体に転写したトナー像に、トナーを軟化する定着液を供給する工程であり、用いられる定着液は、上述した本発明の定着液とされる。
トナー像への定着液の供給は、液状又は泡状の定着液を噴射、噴霧又は塗布することにより行われる。
定着液を供給する手段としては、例えば、インクジェットノズル、超音波振動子を用いた噴霧器、圧縮空気を用いた噴霧器、静電的に液滴にする噴霧器、ローラーが挙げられる。
本発明においては、定着液を供給する手段は、画像支持体上に転写したトナー像の領域に従って、当該トナー像に定着液を供給することができることから、インクジェットノズルであることが好ましい。
[画像形成装置]
本発明の電子写真画像形成方法は、例えば、以下の画像形成装置により実行することができる。
図6は、本発明の電子写真画像形成方法に用いられる画像形成装置の構成の一例を示す概略図である。
この画像形成装置10は、タンデム型のフルカラー画像形成装置であって、ベルト状の中間転写体20に沿って設けられた複数の画像形成ユニット30Y,30M,30C,30Kと、中間転写体20上に各画像形成ユニットにより形成されたトナー像を画像支持体Pに転写する二次転写手段40と、画像支持体P上に転写されたトナー像に定着液を供給する定着液供給手段50とが設けられている。
画像形成ユニット30Yは、イエローのトナー像を形成するものであって、静電潜像担持体であるドラム状の感光体31Yを備え、この感光体31Yの周囲に帯電手段32Y(静電潜像形成手段)、露光手段33Y(静電潜像形成手段)、現像手段34Y、一次転写手段35Y、クリーニング手段36Yが配置されて構成されている。
画像形成ユニット30M,30C,30Kは、各々、イエローのトナー像を形成する代わりにマゼンタ、シアン、ブラックのトナー像を形成する他は、画像形成ユニット30Yと同様の構成を有する。
中間転写体20は、複数の支持ローラー21A,21B,21Cに張架され、循環移動可能に支持されている。
二次転写手段40は、トナー像を画像支持体Pに剥離帯電して転写する転写器よりなるものである。
定着液供給手段50は、トナー像に対して定着液を液滴にて供給するものであり、例えばライン型インクジェットノズルよりなるものである。
この画像形成装置10においては、以下のような画像形成処理が行われる。
画像形成ユニット30Yにおいて、感光体31Yが回転駆動されると、帯電手段32Yにより、トナーと同極性のコロナ放電によって当該感光体31Yの表面に一様な電位が与えられる。一様に帯電された感光体31Yの表面上に画像データに基づいて、露光手段33Yにより、感光体31Yの回転方向に対して平行に走査し、露光を行うことによって静電潜像が形成される。
次に、現像手段34Yにより、感光体31Yの表面電位と同極性に帯電されたトナーが感光体31Yの静電潜像に付着して反転現像が行われることによって、トナー像が形成され、循環移動する中間転写体20上に一次転写手段35Yにより転写される。これらの処理が、画像形成ユニット30M,30C,30Kにおいても行われ、各画像形成ユニット30Y,30M,30C,30Kより形成された各色のトナー像が、中間転写体20上に重畳されてカラートナー像が形成される。このカラートナー像が、所定のタイミングで搬送される画像支持体P上に二次転写手段40によりに二次転写される。
次いで、定着液装置50により画像データに基づいて定着液が、画像支持体Pに二次転写されたトナー像に対して供給される。定着液が供給されたトナー像は画像支持体Pに定着し画像が形成される。
一方、二次転写手段40により画像支持体Pにカラートナー像を転写した後、クリーニング手段60においては、画像支持体Pを曲率分離した中間転写体20上に残留する未転写トナーが除去される。また、クリーニング手段36Y,36M,36C,36Kにおいては、感光体31Y,31M,31C,31K上にそれぞれ残留する未転写トナーが除去される。
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[結着樹脂粒子分散液〔1〕の調製]
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、アニオン系界面活性剤(C1021(OCHCHSONa) 2質量部を、イオン交換水1440質量部に溶解させた界面活性剤溶液を仕込み、80℃に加熱した。この界面活性剤溶液に、重合開始剤(過硫酸カリウム;KPS)7.5質量部をイオン交換水140質量部に溶解させた開始剤溶液を添加し、スチレン280質量部、n−ブチルアクリレート60質量部、アクリル酸20質量部、2−ヘキシルメタクリレート40質量部、n−オクチルメルカプタン5.4質量部からなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間にわたって加熱、撹拌することによって重合を行った後、28℃まで冷却することにより、結着樹脂〔1〕が分散した結着樹脂粒子分散液〔1〕を得た。
[結着樹脂粒子分散液〔2〕〜[5〕の調製]
結着樹脂粒子分散液〔1〕の調製において、モノマーを下記表1に示したモノマーを使用する以外は同様にして、結着樹脂〔2〕〜〔5〕が分散した結着樹脂粒子分散液〔2〕〜〔5〕を得た。
Figure 2014142522
なお、表1中、St:スチレン、BA:アクリル酸n−ブチル、AA:アクリル酸、MMA:メタクリル酸メチル、2EHMA:メタクリル酸2−エチルヘキシル、2HEMA:メタクリル酸2−ヒドロキシエチルを示す。
[結着樹脂粒子分散液〔6〕の調製]
撹拌装置、窒素導入管、温度センサー、精留塔を備えた反応容器に、
多価カルボン酸
・テレフタル酸:34.7質量部
・イソフタル酸:6質量部
・アジピン酸:2.3質量部
多価アルコール
・2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンプロピレンオキサイド2モル付加物:30質量部
・2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンエチレンオキサイド2モル付加物:70質量部
を仕込み、反応系の温度を1時間かけて190℃に上昇させ、反応系内が均一に撹拌されていることを確認した後、触媒としてTi(OBu)を、多価カルボン酸全量に対して0.003質量%となる量を投入した。
さらに、生成される水を留去しながら反応系の温度を同温度から6時間かけて240℃に上昇させ、さらに240℃に維持した状態で6時間脱水縮合反応を継続して重合反応を行うことにより、結着樹脂〔6〕を得た。
得られた結着樹脂〔6〕は、数平均分子量(Mn)が3,200、ガラス転移点(Tg)が56℃、SP値は10.92(cal/cm1/2であった。
結着樹脂〔6〕400質量部を酢酸エチル1700質量部に投入し、反応系を70℃まで昇温させて溶解、混合することにより、結着樹脂溶液を調製した。
一方、別の反応槽に、イオン交換水2000質量部にドデシル硫酸ナトリウム4.8質量部を溶解させた水系媒体中に、「TKホモミキサー Mark II 2.5型」(プライミクス社製)によって撹拌回転数を調整して撹拌しながら結着樹脂溶液を投入し、撹拌することにより、水系媒体中に結着樹脂溶液が油滴として分散された分散液を調製し、その後、50℃で減圧溜去して酢酸エチルを除去することにより、体積基準のメディアン径が240nmである結着樹脂粒子が分散された結着樹脂粒子分散液〔6〕を調製した。
[着色剤粒子分散液〔1〕の調製]
ドデシル硫酸ナトリウム90質量部をイオン交換水1600質量部に溶解させた界面活性剤水溶液を撹拌しながら、カーボンブラック「リーガル330R」(キャボット社製)400質量部を徐々に添加し、撹拌装置「クレアミックス」(エム・テクニック社製)を用いて分散処理を行って、着色剤粒子が分散された着色剤粒子分散液〔1〕を調製した。この着色剤粒子は、電気泳動光散乱計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測定したところ、粒径が体積基準のメディアン径で110nmであった。
[乾式現像剤〔1〕の作製]
温度計、冷却管、窒素導入装置、及び撹拌装置を備えたセパラブルフラスコに、結着樹脂粒子分散液〔3〕218質量部(固形分換算)、イオン交換水2200質量部、及び着色剤粒子分散液〔1〕98質量部を投入し、系内の温度を30℃に保った状態で水酸化ナトリウム水溶液(25質量%)を添加し、pHを10に調整した。
次に、塩化マグネシウム・6水和物54.3質量部をイオン交換水54.3質量部に溶解した水溶液を添加し、その後、系内の温度を85℃に昇温させて、結着樹脂粒子と着色剤粒子との凝集反応を開始した。
凝集反応開始後、定期的にサンプリングを行って、粒度分布測定装置「コールターマルチサイザー3」(コールター社製)を用いて、粒子の粒径を測定し、体積基準のメディアン径が6.0μmになった時点で、結着樹脂粒子分散液〔1〕55質量部(固形分換算)を添加し、シェル用樹脂粒子によってコア粒子が被覆された後、エチレンジアミン四酢酸20.1質量部を添加した。この時点での粒子の円形度は0.92であった。
さらに昇温し、円形度が0.96に達したところで6℃/分の条件で10℃まで冷却し、濾過を行って、イオン交換水で洗浄した後、乾燥することにより、トナー粒子〔1〕を得た。
得られたトナー粒子〔1〕100質量部に対し、疎水性シリカ1質量部を添加し、ヘンシェルミキサーで混合した。回転翼の周速24m/sとし、20分間混合した後、400MESHの篩を通過させてトナー〔1〕を得た。得られたトナー〔1〕は、トナー〔1〕におけるシェル樹脂の含有量が、18.7質量%であった。
次に、フェライト粒子(体積基準のメディアン径50μm、パウダーテック社製)100質量部、及びメチルメタクリレート−シクロヘキシルメタクリレート共重合体(一次粒子の体積基準のメディアン径85nm)4質量部を水平撹拌羽根式高速撹拌装置に投入し、撹拌羽根の周速8m/s、温度30℃の条件で15分間混合した後、120℃まで昇温して撹拌を4時間継続した。
その後、冷却し、200MESHの篩を用いてメチルメタクリレート−シクロヘキシルメタクリレート共重合体の破片を除去して樹脂被覆キャリアを作製した。トナー〔1〕に樹脂被覆キャリアをトナー濃度が7質量%となるように混合し、乾式現像剤〔1〕を作製した。
[乾式現像剤〔2〕〜〔11〕の作製]
乾式現像剤〔1〕の作製において、コア樹脂用の結着樹脂粒子分散液〔3〕及びシェル樹脂用の結着樹脂粒子分散液〔1〕を、表3に示すコア樹脂及びシェル樹脂を含有する結着樹脂粒子分散液に変更した以外は、同様にして乾式現像剤〔2〕〜〔11〕を作製した。
[定着液〔1〕の調製]
表2に示す軟化剤〔1〕50質量部、ソルビタンモノラウレート10質量部及びイオン交換水40質量部を超音波ホモジナイザーにより5分間撹拌して定着液〔1〕を調製した。
[定着液〔2〕〜[5〕の調製]
定着液〔1〕の調製において、軟化剤〔1〕を表2に示す軟化剤〔2〕〜[5〕にそれぞれ変更したことの他は同様にして定着液〔2〕〜[5〕を調製した。
Figure 2014142522
[評価方法]
画像形成装置「bizhub C 253」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)の加熱定着器を取り外して、下記に示す定着器〔1〕を搭載し、乾式現像剤、定着液の種類、定着液供給量を、下記表3に示す組み合わせに従い、画像支持体「Jペーパー」(コニカミノルタ社製)上に、トナー付着量4g/mとしてベタ画像を形成した。得られたベタ画像について下記評価を行った。結果を下記表3に示す。この画像形成においては、非加熱の状態で定着が行われた。
定着器〔1〕は、図1に示すようなライン型インクジェットノズルよりなる定着液供給手段から構成されるものである。
定着液供給手段を構成するライン型インクジェットは、解像度が600dpiであり、液滴サイズが10〜15plである。
定着液供給手段による定着液の供給量は、0.2〜0.4g/A4とする。
(1)経時放置における画像のべたつき
形成したベタ画像部と、非画像部及びベタ画像部とが重なるように向かい合わせて重ね、重ねた部分に対して80g/cm相当になるように重りを載せ、25℃湿度30%の恒温恒湿槽で30分間放置した。放置後、重ねた2枚の定着像の画像欠損度合いを以下に示す「G1」〜「G5」の5段階でグレード付けした。なお、G3以上は実用上問題ないレベルである。
G1:互いの画像部が接着したため、画像が定着されている紙ごと剥がれて、画像欠損が激しく、また非画像部へ明らかな画像の移行が見られる。
G2:画像同士が接着していたため、画像部のところどころに画像欠損の白抜けが発生している。
G3:重ねた2枚の画像を離す際、互いの定着表面に画像のあれやグロス低下は発生するが、画像欠損はほとんどなく許容できるレベル。非画像部に若干の移行が見られる。
G4:重ねた2枚の画像を離すときに、パリッと音がし、非画像部にも僅かに画像移行が見られるが、画像欠損はなく、全く問題ないレベル
G5:画像部、非画像ともに全く画像欠損や画像移行が見られない。
(2)定着強度
定着後10秒後、及び1時間後に、画像の表面を1cmφの綿布で擦過し、擦過前後の反射濃度を「マクベス反射濃度計RD−918」(マクベス社製)により測定した。下記式(I)により擦過定着率を算出し、下記評価基準により評価した。なお、擦過定着率が70%以上であれば実用上問題ないレベルである。
式(I):擦過定着率(%)={擦過後の反射濃度/擦過前の反射濃度(1.40)}×100
A:擦過定着率90%以上
B:擦過定着率80%以上90%未満
C:擦過定着率70%以上80%未満
D:擦過定着率70%未満
(3)画像折り強度
幅20mm、長さ50mmのベタ画像を定着させた画像を、折り機でベタ画像に荷重をかけるように折り、これに0.35MPaの圧縮空気を吹き付け、限度見本を参照して、折り目を下記の評価基準に示す5段階にランク付けし、ランク3以上であれば実用上問題ないレベルである。
(評価基準)
ランク5:全く折れ目なし。
ランク4:一部折れ目に従った剥離あり。
ランク3:折れ目に従った細かい線状の剥離あり。
ランク2:折れ目に従った太い線状の剥離あり。
ランク1:大きな剥離あり。
Figure 2014142522
表3に示した結果より、実施例1〜8は、比較例1〜5に比べて、べたつき、定着強度及び折り強度の点で優れていることが認められた。特に、実施例1と実施例7及び実施例8とを比較すると、定着液供給量を減らした場合でも、べたつき、定着強度及び折り強度の点で良好なことが認められた。
比較例1は、軟化剤にヒドロキシ基が含有されていないため、画像支持体である紙との接着強度が低く、折り強度が悪化した。
比較例2は、SPs<SPcの関係になるため、コア樹脂と軟化剤の親和性が強くなり、少量の軟化剤による定着強度が悪化した。
比較例3は、SP−SPs>1.6の関係になるため、軟化剤によるシェル樹脂の溶解性が低くなり、定着強度が悪化した。
比較例4は、SPs−SPc<0.2の関係になるため、少量の軟化剤による定着強度が悪化した。また、コアとシェルの両樹脂が軟化し粘度が上がるため、べたつきの評価も悪化した。
比較例5は、SPs−SPc>1.5の関係になるため、シェル樹脂とコア樹脂の相溶性が低下し、コア・シェル構造を形成しにくくなり、定着強度が悪化した。また、コア樹脂への軟化剤のコア樹脂への浸透が低下しシェル樹脂に軟化剤が過剰になるため、べたつきの評価も悪化した。
10 画像形成装置
20 中間転写体
21A,21B,21C 支持ローラー
30Y,30M,30C,30K 画像形成ユニット
31 トナー像担持体
31Y,31M,31C,31K 感光体
32Y,32M,32C,32K 帯電手段
33Y,33M,33C,33K 露光手段
34Y,34M,34C,34K 現像手段
35Y,35M,35C,35K 一次転写手段
36Y,36M,36C,36K クリーニング手段
40 二次転写手段
50,50A,50B,50C,50D 定着液供給手段
51 定着液塗布ローラー
52 加圧ローラー
53 メタリングブレード
54 泡状発生装置
55 定着液塗布ローラー
56 加圧ローラー
57 規制ブレード
60 クリーニング手段
70 圧力付与手段
B 泡状膜
F 定着液
M 液膜
T トナー像
P 画像支持体

Claims (6)

  1. 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像を、トナーを含む乾式現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程と、前記トナー像を画像支持体に転写する転写工程と、前記画像支持体に転写されたトナー像に、トナーの少なくとも一部を軟化させる軟化剤を含有した定着液を供給する定着液供給工程と、を有する電子写真画像形成方法であって、
    前記トナーが、少なくとも着色剤を含有したコア樹脂を、当該コア樹脂と異なるシェル樹脂で被覆したコア・シェル構造を有し、
    前記軟化剤のSP値をSP、コア樹脂のSP値をSPc及びシェル樹脂のSP値をSPsとしたとき、SP、SPc及びSPsが、以下の関係式(1)〜(3)を満たし、
    前記軟化剤が、下記一般式(A)で表されるエステル化合物であることを特徴とする電子写真画像形成方法。
    関係式(1):SPc<SPs≦SP
    関係式(2):SP−SPs≦1.6
    関係式(3):0.2≦SPs−SPc≦1.5
    一般式(A):R−COO−R
    〔一般式(A)中、R、Rは、置換基を有してもよい炭素数1〜15の直鎖又は分岐した脂肪族炭化水素基、アリール基又は複素環基を表し、R、Rの少なくとも一つにヒドロキシ基を有する。〕
  2. 前記軟化剤のSP値(SP)が、以下の関係式(4)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の電子写真画像形成方法。
    関係式(4):8.5≦SP≦12
  3. 前記トナーにおける前記シェル樹脂の含有量が、当該トナーに対して5〜40質量%の範囲内であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電子写真画像形成方法。
  4. 前記定着液は、希釈剤及び界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電子写真画像形成方法。
  5. 前記一般式(A)で表されるエステル化合物が、前記定着液に対して1〜60質量部の範囲内の割合で含有されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の電子写真画像形成方法。
  6. 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像を、トナーを含む乾式現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を画像支持体に転写する転写手段と、前記画像支持体に転写されたトナー像に、トナーの少なくとも一部を軟化させる軟化剤を含有した定着液を供給する定着液供給手段と、を有する電子写真画像形成装置であって、
    前記トナーが、少なくとも着色剤を含有したコア樹脂を、当該コア樹脂と異なるシェル樹脂で被覆したコア・シェル構造を有し、
    前記軟化剤のSP値をSP、コア樹脂のSP値をSPc及びシェル樹脂のSP値をSPsとしたとき、SP、SPc及びSPsが、以下の関係式(1)〜(3)を満たし、
    前記軟化剤が、下記一般式(A)で表されるエステル化合物であることを特徴とする電子写真画像形成装置。
    関係式(1):SPc<SPs≦SP
    関係式(2):SP−SPs≦1.6
    関係式(3):0.2≦SPs−SPc≦1.5
    一般式(A):R−COO−R
    〔一般式(A)中、R、Rは、置換基を有してもよい炭素数1〜15の直鎖又は分岐した脂肪族炭化水素基、アリール基又は複素環基を表し、R、Rの少なくとも一つにヒドロキシ基を有する。〕
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