JP6065633B2 - 電子写真画像形成方法及び電子写真画像形成装置 - Google Patents
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Description
しかしながら、この加熱定着方式による定着方法は、トナーを変形させることにより画像支持体に固着させて定着させるものであるために、多大なエネルギーを必要とし、省エネルギーの観点からは好ましくない。
省エネルギー化が図られた定着方法として、定着液を用いることによりトナーを軟化させて画像支持体に定着させる湿式定着方式が提案されている。
例えば、特許文献1には、高沸点カルボン酸エステルを軟化剤として含む定着液を用いて、トナーを画像支持体に定着させる方法が開示されている。
しかしながら、このような方法によっては、軟化剤が高沸点を示す難揮発性のものであることから、定着液が供給された後、定着剤由来の軟化剤が残存して、ドキュメントオフセット現象が発生するという問題がある。また、ドキュメントオフセット現象が発生しない程度までに添加する軟化剤量を削減した場合にあっては、形成される画像に十分な基材密着性が得られないという問題がある。また、軟化剤を、低沸点を示す高揮発性のものにした場合には、軟化剤が残留する印刷物からの揮発や印刷時の飛散によるオフィス環境の汚染が懸念される。
また、ローラー方式の定着剤付与手段を使って未定着画像に定着剤を付与し、紫外線照射したところ、「少ない定着エネルギーで定着することができた」とのみ記載されている。しかしながら、紫外線を用いる定着というだけで、現在求められているドキュメントオフセット性等の画像の保存性向上に関する評価については記載がなく、実用上の水準を満たすものとは考えにくい。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、
前記静電潜像を、トナーを含む乾式現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程と、
前記トナー像を画像支持体に転写する転写工程と、
前記画像支持体に転写したトナー像に、当該トナー像を構成するトナーの少なくとも一部を軟化する定着液を供給する定着液供給工程と、
前記定着液供給工程後に、前記トナー像に紫外線を照射して当該トナー像の固化を促進する紫外線照射工程と、を有する画像形成方法であって、
前記定着液が、軟化剤として下記一般式(1)で表される構造を有する紫外線硬化化合物を含有し、
前記トナー中に、前記紫外線照射工程でトナー像の固化を促進させるために用いられる紫外線重合開始剤が含有されていることを特徴とする電子写真画像形成方法。
前記静電潜像を、トナーを含む乾式現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を画像支持体に転写する転写手段と、
前記画像支持体に転写したトナー像に、当該トナー像を構成するトナーの少なくとも一部を軟化する定着液を供給する定着液供給手段と、
前記定着液供給手段により前記トナー像に前記定着液が供給された後、前記トナー像に紫外線を照射して前記トナー像の固化を促進する紫外線照射手段と、を有する電子写真画像形成装置であって、
前記定着液が、軟化剤として下記一般式(1)で表される構造を有する紫外線硬化化合物を含有し、
前記トナー中に、前記紫外線照射手段でトナー像の固化を促進させるために用いられる紫外線重合開始剤が含有されていることを特徴とする電子写真画像形成装置。
この特徴は、各請求項に係る発明に共通する技術的特徴である。
本発明の効果の発現機構ないし作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
定着液が、上記一般式(1)で表される構造を有する紫外線硬化化合物を含有し、当該定着剤液をトナー像に供給した後、紫外線照射するので、定着液を構成する上記紫外線硬化化合物がトナーを軟化させ、トナーと紙などの画像支持体とが強固に結び付く。その後、上記紫外線硬化化合物が、紫外線重合開始剤から生成するラジカルにより重合反応して樹脂化する。これによって、過剰な軟化により発生するトナー層の表面タック性は抑えられ、形成される画像に高い定着強度が得られながらもドキュメントオフセット現象の発生が抑制されると考えられる。
また、前記紫外線重合開始剤として、上記一般式(2)で表される構造を有する化合物を含有することが、高い定着強度及びドキュメントオフセット現象の発生抑制の効果が一層得られる点で好ましい。
また、前記紫外線硬化化合物として、(メタ)アクリル酸エステルを用いることが、高い定着強度及びドキュメントオフセット現象の発生抑制の効果が一層得られる点で好ましい。
また、前記定着液供給工程において、前記定着液を供給する手段が、インクジェットノズルであることが、未定着画像に対し定着液を効率的に供給する点で好ましい。
本発明に係る定着液は、トナーを構成するトナー粒子に含有される結着樹脂の少なくとも一部を溶解又は膨潤させて軟化させることにより、当該トナーにより構成されるトナー像を画像支持体に定着させるものであり、軟化剤として、下記一般式(1)で表される構造を有する紫外線硬化化合物を含有するものである。
本発明に係る定着液には、紫外線重合開始剤、水、溶剤の希釈剤や界面活性剤など他の成分が含有されていてもよい。
紫外線重合開始剤は、定着液中に含有しても良いし、トナー中に含有しても良い。トナー中に紫外線重合開始剤を含有させる場合には、後述するトナーの製造方法における「(4)後処理工程」で含有させることができる。
トナー軟化能と紫外線硬化能を併せ持つ、紫外線硬化化合物として、下記一般式(1)で表される構造を有する紫外線硬化化合物を含有する。
Lは2価の連結基を表す。
R2は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、複素芳香族炭化水素基、脂環式炭化水素基又は複素脂環式炭化水素基のいずれかを表す。
本発明においては、上記紫外線硬化化合物として、特に、メタ(アクリル)化合物を用いることが好ましく、また2種類以上の混合物を用いても良い。
なお、上記一般式(1)におけるLの好ましい例としては、下記化合物に含まれる2価の連結基(例えば、−CO−、−COO−など)が挙げられる。また、R2の好ましい例としては、下記化合物に含まれる各種の基が挙げられる。
ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリル系化合物は、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、グリセリン(メタ)アクリレートなどやアルキルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレートなどのグリシジル基含有化合物と(メタ)アクリル酸の付加物などが挙げられる。
酸ハライド基を有する(メタ)アクリル系化合物としては、(メタ)アクリル酸クロライド、(メタ)アクリル酸ブロマイドなどを挙げることができる。
エポキシ基を有する(メタ)アクリル系化合物としては、(メタ)アクリル酸のグリシジルエステルなどが挙げられる。
2官能性化合物として、具体的には、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピオネートのジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、グリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリセリンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、2,2′−ジ(ヒドロキシエトキシフェニル)プロパンのジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールのジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエンジ(メタ)アクリレート、ペンタンジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(グリシジルオキシフェニル)プロパンの(メタ)アクリル酸付加物等が挙げられる。
多官能性化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリオキシエチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシメチル)イソシアヌレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(アクリロキシプロピル)イソシアヌレート、トリアリルトリメリット酸、トリアリルイソシアヌレート等が挙げられる。
特に、テトラヒドロキシフルフリル(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエン(メタ)アクリレートがトナー軟化能と紫外線硬化能を併せ持つ化合物として、軟化速度及び硬化速度の比較的速い点で好ましい。
本発明においては、紫外線重合開始剤は、紫外線硬化化合物の重合反応を促進させるものであり、通常公知の光重合開始剤を使用することができる。
具体的な光重合開始剤として、例えば、ベンゾインエチルエーテル、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、フェニルアセトフェノンジエチルケタール、アルコキシアセトフェノン、ベンジルメチルケタール、ベンゾフェノン及び3,3−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、4,4−ジメトキシベンゾフェンノン、4,4−ジアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体、ベンゾイル安息香酸アルキル、ビス(4−ジアルキルアミノフェニル)ケトン、ベンジル及びベンジルメチルケタール等のベンジル誘導体、ヘンゾイル及びベンゾインブチルメチルケタール等のベンゾイン誘導体、ベンゾインイソプロピルエーテル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2,4−ジエチルチオキサントン及び2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン誘導体、フルオレン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1,2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(モルホリノフェニル)−ブタノン−1,2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド等のホスフィンオキシド誘導体が挙げられる。
紫外線重合開始剤として、上記の中でも、特に、ヘキサフェニルビスイミダゾール、ベンゾインエチルエーテル、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾールダイマー等を使用することが好ましい。
希釈成分としては、例えば、パラフィン、シリコーンオイルなどが挙げられる。また、他の成分としては、例えば、後述する定着液供給手段がインクジェットノズルである場合において、定着液の粘度調整のための、界面活性剤、アルコールなどが挙げられる。
定着液の供給量は、例えば、A4サイズの画像支持体当たり0.4g以下が好ましく、より好ましくは0.1g以下である。
本発明の電子写真画像形成方法(以下、単に「画像形成方法」という。)は、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、定着液供給工程と、紫外線照射工程と、を有し、定着液供給工程において、画像支持体上に転写したトナー像に、トナーの少なくとも一部を軟化する定着液を供給し、紫外線照射工程において、定着液供給後のトナー像に紫外線照射して当該トナー像の固化を促進して、画像支持体に定着することにより、画像を形成する方法である。図6は、本発明の画像形成方法に用いることが可能な画像形成装置の一例である。以下、各工程について説明する。
静電潜像形成工程は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程である。
静電潜像担持体としては、特に限定されるものではないが、例えば、アモルファスシリコン、セレンなどの無機感光体、又は、ポリシラン、フタロポリメチンなどの有機感光体よりなるドラム状のものが挙げられる。
静電潜像の形成は、例えば、静電潜像担持体の表面を帯電手段により一様に帯電させ、露光手段により静電潜像担持体の表面を像様に露光することにより行われる。
帯電手段及び露光手段としては、特に限定されず、電子写真方式において一般的に使用されているものを用いることができる。
現像工程は、静電潜像を、結着樹脂を含有するトナーを含む乾式現像剤により現像してトナー像を形成する工程である。
トナー像の形成は、結着樹脂を含有するトナーを含む乾式現像剤を用いて、例えば、トナーを摩擦撹拌させて帯電させる撹拌器と、回転可能なマグネットローラーとからなる現像手段を用いて行われる。
具体的には、現像手段においては、例えば、トナーとキャリアとが混合撹拌され、その際の摩擦によりトナーが帯電し、回転するマグネットローラーの表面に保持され、磁気ブラシが形成される。マグネットローラーは、静電潜像担持体近傍に配置されているため、マグネットローラーの表面に形成された磁気ブラシを構成するトナーの一部は、電気的な吸引力によって静電潜像担持体の表面に移動する。その結果、静電潜像がトナーにより現像されて静電潜像担持体の表面にトナー像が形成される。なお、本発明で用いられるトナーについては後で詳細に説明する。
転写工程は、トナー像を画像支持体に転写する工程である。
トナー像の画像支持体への転写は、トナー像を画像支持体に剥離帯電することにより行われる。
転写手段としては、例えば、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラーなどを用いることができる。
また、転写工程は、例えば、中間転写体を用い、中間転写体上にトナー像を一次転写した後、このトナー像を画像支持体上に二次転写する態様の他、静電潜像担持体上に形成されたトナー像を直接画像支持体に転写する態様などによって行うこともできる。
画像支持体としては、特に限定されず、薄紙から厚紙までの普通紙、上質紙、アート紙あるいはコート紙などの塗工された印刷用紙、市販されている和紙やはがき用紙、OHP用のプラスチックフィルム、布などの各種を挙げることができる。
定着液供給工程は、画像支持体に転写したトナー像に、トナーを軟化する定着液を供給する工程であり、用いられる定着液は、上述した本発明の定着液とされる。
トナー像への定着液の供給は、液状又は泡状の定着液を噴射、噴霧又は塗布することにより行われる。
定着液を供給する手段としては、例えば、インクジェットノズル、超音波振動子を用いた噴霧器、圧縮空気を用いた噴霧器、静電的に液滴にする噴霧器、ローラーが挙げられる。
本発明においては、定着液を供給する手段は、画像支持体上に転写したトナー像の領域に従って、当該トナー像に定着液を供給することができることから、インクジェットノズルであることが好ましい。
この定着液供給手段50Aは、ライン型インクジェットノズルよりなるものであり、トナー像担持体31の下流側に配置されている。
このような定着液供給手段50Aにおいては、液滴化された定着液Fが、画像支持体P上に転写したトナー像Tの領域に従って、当該トナー像Tに供給される。
このような定着液供給手段50Aを構成するライン型インクジェットは、解像度が300dpi以上であることが好ましい。また、インクジェットの液滴サイズは、0.5〜50plの範囲内であることが好ましい。
なお、定着液供給手段50Aとしてインクジェットノズルを用いる場合においては、定着液には耐溶剤性が必要とされる。
また、定着液が室温で液体ではない場合、又は、定着液の粘度が高い場合においては、定着液供給手段50Aにヒーターを設ける構成とすることもできる。
圧力付与手段としては、例えば、表面が離型性を有するローラーなど用いることもできる。加圧力は、特に限定されないが、例えば50〜1MPaの範囲内であることが好ましい。
この圧力付与工程が行われることにより、形成される画像においてより高い定着強度が得られる。
この定着液供給手段50Bは、定着液塗布ローラー51と、この定着液塗布ローラー51に対向して設けられた加圧ローラー52とにより構成される。この定着液塗布ローラー51は、その一部が例えば液状の定着液Fに浸漬されている。また、トナー像T上に供給すべき定着液Fの量を制御するメタリングブレード53が、その先端部分が定着液塗布ローラー51の表面から離間した状態で設けられている。
このような定着液供給手段50Aにおいては、定着液Fが、定着液塗布ローラー51及び加圧ローラー52の回転駆動により、定着液塗布ローラー51上の液状の定着液Fがその供給量がメタリングブレード53により規制されて、トナー像Tが転写した画像支持体P上の全面に液膜Mとして供給されるとともに、加圧ローラー52において圧力が付与される。
液膜Mの膜厚は、特に限定されないが、例えば1〜100μmの範囲内が好ましい。
また、加圧ローラー52の加圧力は、例えば150〜250kPaの範囲内が好ましい。
この定着液供給手段50Cは、定着液を泡状に生成させる泡状発生装置54と、定着液塗布ローラー55と、この定着液塗布ローラー55に対向して設けられた加圧ローラー56とにより構成される。また、トナー像T上に供給すべき定着液Fの量を制御する規制ブレード57が、その先端部分が定着液塗布ローラー55の表面から離間した状態で設けられている。
このような定着液供給手段50Cにおいては、定着液Fが、定着液塗布ローラー55及び加圧ローラー56の回転駆動により、定着液塗布ローラー55上の泡状の定着液Fがその供給量が規制ブレード57により規制されて、トナー像Tが転写した画像支持体P上の全面に泡状膜Bとして供給されるとともに、加圧ローラー56において圧力が付与される。
泡状膜Bの膜厚は、特に限定されないが、例えば50〜80μmの範囲内が好ましい。
また、加圧ローラー56の加圧力は、例えば150〜250kPaの範囲内が好ましい。
この定着液供給手段50Dは、圧縮空気を用いた噴霧器よりなるものでものであり、トナー像担持体31の下流側に配置されている。
このような定着液供給手段50Dにおいては、液状の定着液Fが噴霧され、画像支持体P上に転写したトナー像Tに供給される。
紫外線照射工程は、定着液供給工程後に、トナー像に紫外線照射して当該トナー像の固化を促進し、定着させる工程である。
紫外線照射手段としては、以下のUV照射装置が挙げられる。
UV照射装置は、例えば、光源ランプ、反射板及び冷却装置から構成されることが好ましい。
光源ランプは、一般的な紫外放射するものであればよく、可視光、赤外線領域用域の波長を含んだものでもよく、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、カーボンアーク灯、ケミカルランプ、メタルハライドランプ、ハイパワーメタルハライドランプ、キセノンランプ、エキシマランプ、紫外線発光ダイオード(紫外線LED)、紫外線発酵半導体レーザー等用いることができ、波長と照度により適当に選択される。
本発明の画像形成方法では、取り扱いが容易な紫外線発光ダイオード(紫外線LED)により、紫外線照射を行うことができる。紫外線発光ダイオードで紫外線照射する画像形成方法の利点は、赤外光を含まず、特定波長域の紫外光のみ出射が可能で、消費電力が小さくて済むことである。
未定着トナー像に効率的にUVを照射するための反射板は、集光型、平行光型でもよく、未定着トナー像に対し広い範囲で均一に拡散されるものが好ましい。UVを効率的に反射し、可視光及び赤外線は反射板後方に透過されるタイプでもよい。
冷却装置は、ランプ及び反射板を冷却するものであり、空気の流れを利用する空冷型、水で冷却する水冷型、ランプを空気の流れで冷却し反射板を水で冷却する空冷/水冷型があるが、いずれの方式も使用することができる。
照射されるUVの波長は、具体的には365nmを中心として長波長紫外線であればよく、短波長紫外線や中波長紫外線を含むものも使用可能である。
出力はおおむねUV照射工程における照射量は、100〜10000mJ/cm2の範囲内であり、好ましくは500〜5000mJ/cm2の範囲内で行う。このような程度の範囲内における紫外線照射量であれば、十分硬化反応を行うことができ、また紫外線照射によってトナーが退色してしまうことも防止できるので有効である。
図1〜5に示すように、紫外線照射手段80は、トナー像担持体31の下流側に配置されている定着液供給手段50Aの下流側に配置されている。
本発明の画像形成方法は、例えば、以下の電子写真画像形成装置(以下、単に「画像形成装置」という。)により実行することができる。
図6は、本発明の画像形成方法に用いられる画像形成装置の構成の一例を示す概略図である。
この画像形成装置10は、タンデム型のフルカラー画像形成装置であって、ベルト状の中間転写体20に沿って設けられた複数の画像形成ユニット30Y,30M,30C,30Kと、中間転写体20上に各画像形成ユニットにより形成されたトナー像を画像支持体Pに転写する二次転写手段40と、画像支持体P上に転写したトナー像に定着液を供給する定着液供給手段50と、紫外線照射手段であるUV照射装置80と、が設けられている。
画像形成ユニット30Yは、イエローのトナー像を形成するものであって、静電潜像担持体であるドラム状の感光体31Yを備え、この感光体31Yの周囲に帯電手段32Y、露光手段33Y、現像手段34Y、一次転写手段35Y、クリーニング手段36Yが配置されて構成されている。
画像形成ユニット30M,30C,30Kは、それぞれイエローのトナー像を形成する代わりにマゼンタ、シアン、ブラックのトナー像を形成する他は、画像形成ユニット30Yと同様の構成を有する。
中間転写体20は、複数の支持ローラー21A,21B,21Cに張架され、循環移動可能に支持されている。
二次転写手段40は、トナー像を画像支持体Pに剥離帯電して転写する転写器よりなるものである。
定着液供給手段50は、トナー像に対して定着液を液滴にて供給するものであり、例えばライン型インクジェットノズルよりなるものである。
画像形成ユニット30Yにおいて、感光体31Yが回転駆動されると、帯電手段32Yにより、トナーと同極性のコロナ放電によって当該感光体31Yの表面に一様な電位が与えられる。一様に帯電された感光体31Yの表面上に画像データに基づいて、露光手段33Yにより、感光体31Yの回転方向に対して平行に走査し、露光を行うことによって静電潜像が形成される。
次に、現像手段34Yにより、感光体31Yの表面電位と同極性に帯電されたトナーが感光体31Yの静電潜像に付着して反転現像が行われることによって、トナー像が形成され、循環移動する中間転写体20上に一次転写手段35Yにより転写される。これらの処理が、画像形成ユニット30M,30C,30Kにおいても行われ、各画像形成ユニット30Y,30M,30C,30Kより形成された各色のトナー像が、中間転写体20上に重畳されてカラートナー像が形成される。このカラートナー像が、所定のタイミングで搬送される画像支持体P上に二次転写手段40によりに二次転写される。
次いで、定着液供給手段50により画像データに基づいて、本発明の定着液が、画像支持体Pに二次転写されたトナー像に対して供給される。ここで、本発明の定着液に含有する上記一般式(1)で表される構造を有する紫外線硬化化合物がトナーを軟化させ、トナーと画像支持体Pとが強固に結び付く。
そして、この定着液が供給されたトナー像は、UV照射装置80によって紫外線照射され、画像支持体Pに定着し画像が形成される。このとき、定着液に含有する上記紫外線硬化化合物が、紫外線重合開始剤から生成するラジカルにより重合反応して樹脂化することで、タック性が消失し、形成される画像は高い定着強度が得られるとともに、ドキュメントオフセット現象の発生が抑制される。
一方、二次転写手段40により画像支持体Pにカラートナー像を転写した後、クリーニング手段60においては、画像支持体Pを曲率分離した中間転写体20上に残留する未転写トナーが除去される。また、クリーニング手段36Y,36M,36C,36Kにおいては、感光体31Y,31M,31C,31K上にそれぞれ残留する未転写トナーが除去される。
本発明の画像形成方法に用いられるトナーは、少なくとも結着樹脂を含有するトナー粒子よりなるものである。トナー粒子には、必要に応じて、着色剤、離型剤及び荷電制御剤などの内添剤が含有されていてもよく、また当該トナー粒子に対して、流動化剤などの外添剤が外部添加されていてもよい。
本発明の画像形成方法に用いられるトナーを構成するトナー粒子の平均粒径は、体積基準のメディアン径で3.5〜7.0μmの範囲内のものであることが好ましく、より好ましくは5.0〜6.5μmの範囲内である。
体積基準のメディアン径が上記範囲内にあるトナーを用いることにより、トナー粒子の比表面積が十分に確保され、従って、後述する定着液供給工程において、定着液との接触面積が十分に確保されることから、トナー像を画像支持体に確実に定着させることができ、これにより、形成される画像において十分な定着強度を得ることができる。
具体的には、トナー0.02gを、界面活性剤溶液20mL(トナー粒子の分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)に添加して馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、トナー分散液を調製し、このトナー分散液を、サンプルスタンド内の「ISOTONII」(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定装置の表示濃度が8%になるまでピペットにて注入する。ここで、この濃度範囲にすることにより、再現性のある測定値を得ることができる。
そして、測定装置において、測定粒子カウント数を25000個、アパーチャ径を50μmにし、測定範囲である1〜30μmの範囲内を256分割しての頻度値を算出し、体積積算分率の大きい方から50%の平均粒径が体積基準のメディアン径とされる。
本発明において、トナーの平均円形度は、「FPIA−2100」(Sysmex社製)を用いて測定される。
具体的には、試料を界面活性剤入り水溶液にてなじませ、超音波分散処理を1分間行って分散させた後、「FPIA−2100」(Sysmex社製)により、測定条件HPF(高倍率撮像)モードにて、HPF検出数3000〜10000個の範囲内の適正濃度で撮影を行い、個々のトナー粒子について下記式(T)に従って円形度を算出し、各トナー粒子の円形度を加算し、全トナー粒子数で除することにより算出される。
式(T):円形度=(粒子像と同じ投影面積をもつ円の周囲長)/(粒子役影像の周囲長)
本発明において、トナーのガラス転移点は、示差走査カロリメーター「DSC8500」(パーキンエルマー社製)を用いて測定される。
具体的には、試料4.5mgを小数点以下2桁まで精秤し、アルミニウム製パンに封入して、DSC−7サンプルホルダーにセットする。リファレンスは、空のアルミニウム製パンを使用し、測定温度0〜200℃の範囲内、昇温速度10℃/分、降温速度10℃/分にて、Heat−Cool−Heatの温度制御を行い、その2nd.Heatにおけるデータを基に解析を行う。第1の吸熱ピークの立ち上がり前のベースラインの延長線と、第1の吸熱ピークの立ち上がり部分からピーク頂点までの間における最大傾斜を示す接線との交点の値をガラス転移点とする。
本発明に係るトナー粒子に含有される結着樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、スチレン−アクリル樹脂などのビニル系重合体が挙げられる。
結着樹脂としてポリエステル樹脂を用いる場合においては、ポリエステル樹脂は、公知の多価アルコールと、公知の多価カルボン酸とにより得ることができる。
多価アルコールとしては、非ラジカル重合性のものであれば特に限定されず、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−ドデカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオールなどの脂肪族ジオール;ビスフェノールA、ビスフェノールFなどのビスフェノール類;及びこれらのエチレンオキサイド付加物、プロピレンオキサイド付加物などのビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。また、3価以上の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ソルビトールなどが挙げられる。不飽和基を有する多価アルコールとしては、例えば、2−ブテン−1,4−ジオール、3−ブテン−1,6−ジオール、4−ブテン−1,8−ジオール、9−オクタデゼン−7,12−ジオールなどの不飽和二重結合を有するもの;2−ブチン−1,4−ジオール、3−ブチン−1,4−ジオールなどの不飽和三重結合を有するものなどが挙げられる。これらは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
結着樹脂としてスチレン−アクリル樹脂を用いる場合においては、スチレン−アクリル樹脂を形成すべき重合性モノマーとしては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンなどのスチレン又はスチレン誘導体;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、などのメタクリル酸エステル誘導体;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニルなどのアクリル酸エステル誘導体;エチレン、プロピレン、イソブチレンなどのオレフィン類;フッ化ビニル、フッ化ビニリデンなどのフッ化ビニル類;プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルなどのビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテルなどのビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトンなどのビニルケトン類;N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンなどのN−ビニル化合物類;ビニルナフタレン、ビニルピリジンなどのビニル化合物類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドなどのアクリル酸又はメタクリル酸誘導体などが挙げられる。これらは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
イソシアネート基含有ビニルモノマーとしては、イソシアネート基とビニル基とを有する単量体であれば特に限定されず、例えば、2−イソシアナトエチルメタクリレート、ジメチルメタ−イソプロペニルベンジルイソシアネート、メタクロイルイソシアネート、2−イソシアナトエチルアクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明において、結着樹脂のガラス転移点は、上述したトナーのガラス転移点を測定する方法において試料を結着樹脂とすることの他は同様にして測定される。
結着樹脂は、GPCにより測定される分子量分布において、3000〜50000の範囲内、より好ましくは5000〜30000の範囲内にピークを有するものである。分子量分布が、3000〜50000の範囲内にピークを有するものとすることによって、トナー粒子の強度が高く、トナー飛散を防止でき、また、形成される画像において高い定着強度を得ることができる。
具体的には、装置「HLC−8220」(東ソー社製)及びカラム「TSKguardcolumn+TSKgelSuperHZM−M3連」(東ソー社製)を用い、カラム温度を40℃に保持しながら、キャリア溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を流速0.2mL/分で流し、試料を室温において超音波分散機を用いて5分間処理を行う溶解条件で濃度1mg/mLになるようにTHFに溶解させる。
次いで、ポアサイズ0.2μmのメンブランフィルターで処理して試料溶液を得、この試料溶液10μLを上記のキャリア溶媒とともに装置内に注入し、屈折率検出器(RI検出器)を用いて検出し、試料の有する分子量分布を単分散のポリスチレン標準粒子を用いて測定した検量線を用いて算出される。検量線測定用のポリスチレンとしては10点用いる。
本発明に係るトナー粒子に着色剤が含有される場合においては、着色剤としては、特に限定されず、公知の顔料を用いることができる。
黒色の着色剤としては、例えば、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリン・ブラック、活性炭、非磁性フェライト、磁性フェライト、マグネタイトなどが挙げられる。
黄色の着色剤としては、例えば、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキなどが挙げられる。
橙色の着色剤としては、例えば、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジGKなどが挙げられる。
赤色の着色剤としては、例えば、キナクリドン、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドC、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ロンダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3Bなどが挙げられる。
青色の着色剤としては、例えば、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトジアブルーレーキ、金属フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBCなどが挙げられる。
緑色の着色剤としては、例えば、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マイカライトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンGなどが挙げられる。
白色の着色剤としては、例えば、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛などが挙げられる。
これらの着色剤は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
着色剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して1〜10質量部の範囲内であることが好ましく、より好ましくは2〜9質量部の範囲内である。
本発明に係るトナー粒子に離型剤が含有される場合においては、離型剤としては、例えばワックスが挙げられ、具体的には、以下に示すようなものが挙げられる。
(1)ポリオレフィン系ワックス
ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなど
(2)長鎖炭化水素系ワックス
パラフィンワックス、サゾールワックスなど
(3)ジアルキルケトン系ワックス
ジステアリルケトンなど
(4)エステル系ワックス
カルナウバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラミリステート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート、ベヘン酸ベヘニル、ステアリン酸ステアリル、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなど
(5)アミド系ワックス
エチレンジアミンジベヘニルアミド、トリメリット酸トリステアリルアミドなどである。
ワックスの含有量は、結着樹脂100質量部に対して5〜30質量部の範囲内であることが好ましく、より好ましくは10〜25質量部の範囲内である。
本発明に係るトナー粒子に荷電制御剤が含有される場合においては、荷電制御剤としては、摩擦帯電により正又は負の帯電を与えることのできる物質であれば特に限定されず、公知の種々の正帯電制御剤及び負帯電制御剤を用いることができる。
荷電制御剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して0.1〜20質量部の範囲内であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5質量部の範囲内である。
本発明に係るトナー粒子は、そのままトナーとして用いることができるが、流動性、帯電性、クリーニング性などを改良するために、当該トナー粒子に、いわゆる流動化剤、クリーニング助剤などの外添剤を添加した状態で用いることができる。
流動化剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化銅、酸化鉛、酸化アンチモン、酸化イットリウム、酸化マグネシウム、チタン酸バリウム、フェライト、ベンガラ、フッ化マグネシウム、炭化ケイ素、炭化ホウ素、窒化ケイ素、窒化ジルコニウム、マグネタイト、ステアリン酸マグネシウムなどよりなる無機微粒子などが挙げられる。
これら無機微粒子はシランカップリング剤やチタンカップリング剤、高級脂肪酸、シリコーンオイルなどによって、トナー粒子の表面への分散性向上、環境安定性向上のために、表面処理が行われていることが好ましい。
クリーニング助剤としては、例えば、ポリスチレン微粒子、ポリメチルメタクリレート微粒子などが挙げられる。外添剤としては種々のものを組み合わせて用いることができる。
外添剤の添加量は、トナー全体に対して0.1〜20質量%の範囲内であることが好ましい。
以上のようなトナーを製造する方法は、特に限定されないが、例えば下記工程を有する方法が挙げられる。
(1)分散液調製工程
(1−1)結着樹脂粒子分散液調製工程
(1−2)着色剤粒子分散液調製工程
(2)凝集・融着工程
(3)洗浄・乾燥工程
(4)後処理工程
この工程では、結着樹脂粒子が分散されてなる分散液を調製する。
結着樹脂粒子は、例えば、粉砕法などの乾式方法や、乳化重合法、溶解脱溶法、溶解懸濁法などの湿式方法など公知の方法によって作製することができる。
例えば、結着樹脂がポリエステル樹脂により構成される場合においては、溶解脱溶法により結着樹脂粒子を作製することができる。溶解脱溶法は、具体的には、(a)樹脂溶液調製工程、(b)水系媒体調製工程、(c)油滴粒子分散液調製工程及び(d)非水溶性有機溶媒除去工程を有する。
樹脂溶液調製工程では、少なくとも結着樹脂(ポリエステル樹脂)を含む樹脂混合物と、結着樹脂が溶解可能な非水溶性有機溶媒とを含む樹脂溶液を調製する。ここで、樹脂溶液とは、少なくとも結着樹脂が非水溶性有機溶媒中に溶解され、他の成分が非水溶性有機溶媒中に溶解又は分散されてなるものである。
結着樹脂としてのポリエステル樹脂は、例えば上記多価アルコールと上記多価カルボン酸とを不活性ガス雰囲気中にて、120〜250℃の範囲内の温度で縮重合することにより製造することができる。縮重合の際においては、必要に応じてテトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなどの公知のエステル化触媒を用いてもよい。
樹脂溶液に使用される非水溶性有機溶媒としては、用いる結着樹脂が溶解可能なものであって、水に対して相溶しないものであれば特に制限されず、公知のものを使用でき、例えば、メチルエチルケトン、ジエチルケトンなどのケトン類、ジエチルエーテルなどのエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、ブタノールなどのアルコール類、トルエン、キシレンなどの芳香族類などが挙げられる。
樹脂溶液は、結着樹脂その他の内添剤などを乳化機又は分散機などで非水溶性有機溶媒に溶解、懸濁又は分散させることによって調製することができる。
ここで乳化機、分散機としては、特に制限されず、公知のものを使用でき、例えば、「ウルトラタラックス」(IKA株式会社製)、「ポリトロンホモジナイザー」(キネマティカ社製)、「TKオートホモミクサー」(特殊機化工業株式会社製)、「ナショナルクッキングミキサー」(パナソニック株式会社製)などのバッチ式乳化機、「エバラマイルダー」(株式会社荏原製作所製)、「TKパイプラインホモミクサー」、「TKホモミックラインフロー」、「コロイドミル」(株式会社神鋼環境ソリューション製)、「スラッシャー」、「トリゴナル湿式微粉砕機」(以上、日本コークス工業株式会社製)、「キャビトロン」(株式会社ユーロテック社製)、「ファインフローミル」(太平洋機工株式会社製)などの連続式乳化機、「クレアミックス」(エム・テクニック株式会社製)、「フィルミックス」(特殊機化工業株式会社製)などのバッチ式又は連続両用乳化機などが挙げられる。
水系媒体調製工程では、分散剤及び水を含む水系媒体を調製する。
分散剤としては、後述する油滴粒子の分散を促進し得るものであれば特に制限されず、例えば、水に対する溶解度が低いアルカリ土類金属塩(難水溶性アルカリ土類金属塩)を使用できる。
難水溶性アルカリ土類金属塩の水に対する溶解度は特に制限されないが、好ましくは温度20℃の水1リットルに対する溶解度が50mg以下、より好ましくは30mg以下である。
このような難水溶性アルカリ土類金属塩としては、例えば、カルシウムの炭酸塩、リン酸塩など、マグネシウムの炭酸塩、リン酸塩など、バリウムの炭酸塩、リン酸塩、硫酸塩などが挙げられる。これらの中でも、得られるトナー粒子の粒度分布の幅をできるだけ狭くし、形状を均一にするという点を考慮すると、カルシウムの炭酸塩(以下、炭酸カルシウム塩と称する)、カルシウムのリン酸塩(以下、リン酸カルシウム塩と称する)が好ましい。
水系媒体には、分散剤とともに分散安定剤が含有されていてもよい。分散安定剤を添加することにより、分散剤の水系媒体中での凝集を防止して分散性を向上させることができる。分散安定剤は、水中では一次粒子に近い形態で存在するので、水分散性が良好で、その濃度が高くなっても分散性が低下することがなく、濃度調整が容易である。
分散安定剤としては、例えば、界面活性剤、水溶性高分子化合物及びその金属塩又はアンモニウム塩などが挙げられる。
分散安定剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
油滴粒子分散液調製工程では、前記工程で調製された樹脂溶液と水系媒体とを混合して、水系媒体中に樹脂溶液を分散させ、水系媒体中に樹脂溶液の油滴粒子が分散されてなる分散液を調製する。
樹脂溶液と水系媒体との混合は、撹拌下において行うことが好ましく、さらにせん断力を加えながら行うことがより好ましい。このとき、加熱又は加熱及び加圧してもよい。樹脂溶液と水系媒体との混合は、さらに具体的には、例えば、乳化機や分散機などを用いて行われる。このような乳化機及び分散機は市販されている。
その具体例としては、例えば、「ウルトラタラックス」(IKAジャパン株式会社製)、「ポリトロンホモジナイザー」(キネマティカ社製)、「TKオートホモミクサー」(特殊機化工業株式会社製)などのバッチ式乳化機、「エバラマイルダー」(株式会社荏原製作所製)、「TKパイプラインホモミクサー」、「TKホモミックラインフロー」、「コロイドミル」(株式会社神鋼環境ソリューション製)、「スラッシャー」、「トリゴナル湿式微粉砕機」(以上、日本コークス工業株式会社製)、「キャビトロン」(株式会社ユーロテック製)、「ファインフローミル」(太平洋機工株式会社製)などの連続式乳化機、「クレアミックス」(エム・テクニック株式会社製)、「フィルミックス」(特殊機化工業株式会社製)などが挙げられる。また、これら以外にも、前述の樹脂溶液の調製に用いられる市販の乳化機、分散機を用いることもできる。
非水溶性有機溶媒除去工程では、油滴粒子分散液調製工程で得られた油滴粒子分散液から、油滴に含まれる非水溶性有機溶媒を除去する。
非水溶性有機溶媒の除去は、例えば、減圧蒸留などによって行うことができる。
また例えば、結着樹脂がスチレン−アクリル樹脂により構成される場合においては、例えば乳化重合法により結着樹脂粒子を作製することができる。乳化重合法は、具体的には、結着樹脂を形成すべき上記重合性モノマーを水系媒体中に分散させて乳化粒子(油滴)を形成した後、重合開始剤を投入して重合性モノマーを重合する方法である。
水系媒体中には界面活性剤を添加してもよく、界面活性剤としては、従来公知の種々のアニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤などが挙げられる。
また、結着樹脂の分子量を調整することを目的として、一般的に用いられる連鎖移動剤を用いることができる。連鎖移動剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、2−クロロエタノール、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタンなどのメルカプタン及びスチレンダイマーなどが挙げられる。
以上のようにして得られる結着樹脂粒子の平均粒径は、体積基準のメディアン径で20〜200nmの範囲内であることが好ましい。
結着樹脂粒子の体積基準のメディアン径は、電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)によって測定することができる。
この工程では、着色剤粒子が分散されてなる分散液を調製する。具体的には、上記着色剤を水系媒体中に添加し、機械的エネルギーを作用させることにより調製することができる。機械的エネルギーを作用させる分散機としては、特に限定されるものではなく、例えば、高速回転するローターを備えた撹拌装置「クレアミックス」(エム・テクニック社製)、超音波分散機、機械式ホモジナイザー、マントンゴーリン、圧力式ホモジナイザーなどが挙げられる。
この工程で得られる着色剤粒子の平均粒径は、体積基準のメディアン径で20〜1000nmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは20〜150nmの範囲内、特に好ましくは30〜100nmの範囲内である。
この工程においては、上記工程で得られた結着樹脂粒子分散液及び着色剤粒子分散液を混合した水系媒体中に凝集剤を添加し、温度調整をすることにより、塩析を進行させるとともに、結着樹脂粒子及び着色剤粒子の凝集・融着を行う。
凝集剤としては、特に限定されるものではないが、金属の塩から選択されるものが好ましく、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウムなどのアルカリ金属の塩などの1価の金属の塩;カルシウム、マグネシウム、マンガン、銅などの2価の金属の塩;鉄、アルミニウムなどの3価の金属の塩などが挙げられる。
この工程においては、水系媒体から粒子を分離し、洗浄処理することにより、界面活性剤などを除去し、その後、乾燥処理を行う。
分離及び回収は公知の方法に従って実施でき、例えば、濾過、吸引濾過、遠心分離などによって行うことができる。本工程では、粒子を分離する前に、水洗を行ってもよい。又は、粒子を分離した後に水洗を行ってもよい。
乾燥は、凍結乾燥法、気流式乾燥法などの公知の方法に従って実施できる。
この工程においては、乾燥処理されたトナー粒子に上記外添剤を添加する。
外添剤の添加は、一般的に行われる公知の方法に従って行うことができる。
本発明の画像形成方法に用いられる現像剤は、乾式のものとされ、磁性又は非磁性のトナーのみよりなる一成分現像剤であっても、トナーとキャリアとが混合されてなる二成分現像剤であってもよい。
二成分現像剤である場合においては、キャリアとしては、鉄、フェライト、マグネタイトなどの金属、それらの金属とアルミニウム、鉛などの金属との合金などの従来公知の材料からなる磁性粒子を用いることができ、特にフェライト粒子が好ましい。また、キャリアとしては、磁性粒子の表面を樹脂などの被覆剤で被覆した樹脂被覆型キャリアや、バインダー樹脂中に磁性体微粉末を分散してなる分散型キャリアなど用いてもよい。
キャリアは、平均粒径が体積基準のメディアン径で15〜100μmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは20〜80μmの範囲内である。
キャリアの体積基準のメディアン径は、代表的には湿式分散機を備えたレーザー回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
[結着樹脂粒子分散液〔1〕の調製]
スチレン240質量部、ブチルアクリレート130質量部、アクリル酸6質量部、及びターシャリードデシルメルカプタン24質量部を混合して溶解した溶液と、ポリオキシエチレンラウリルエーテル「E−700」(日本エマルジョン社製)6質量部、及びn−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム10質量部をイオン交換水1550質量部に溶解させた水系媒体とを、フラスコ内に投入して分散、乳化させたものに、10分間ゆっくりと混合しながら、過硫酸カリウム11質量部を溶解したイオン交換水50質量部を投入して窒素置換を行った。
次いで、フラスコ内を撹拌しながらオイルバスで内容物が70℃となるまで加熱し、5時間にわたって乳化重合を継続することによって、固形分量が20質量部の結着樹脂粒子分散液(スチレン−アクリル樹脂)〔1〕を得た。この結着樹脂粒子は、体積基準のメディアン径が152nmであり、ガラス転移点が21℃であり、GPC測定によるピーク分子量が19200であった。
撹拌装置、窒素導入管、温度センサー、及び精留塔を備えたフラスコに、多価カルボン酸として、テレフタル酸30質量部、イソフタル酸3質量部、及びアジピン酸3質量部と、多価アルコールとして、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンプロピレンオキサイド2モル付加物75質量部、及び2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンエチレンオキサイド2モル付加物25質量部とを仕込み、この反応液を1時間かけて190℃まで昇温し、反応系内が均一に撹拌されていることを確認した後、触媒Ti(OBu)4(多価カルボン酸の全量に対し0.003質量%分)を投入した。さらに、生成される水を留去しながら同温度から6時間を要して240℃まで昇温し、240℃でさらに6時間脱水縮合反応を継続し重合を行い、ポリエステル樹脂を得た。
このポリエステル樹脂は、ガラス転移点が40℃であり、GPC測定によるピーク分子量が18000であった。
次に、得られたポリエステル樹脂400質量部を酢酸エチル1700質量部に投入し、70℃まで昇温し、溶解、混合して樹脂溶液を得た。
別途、イオン交換水2000質量部、及びドデシル硫酸ナトリウム4.8質量部を撹拌、分散し水系媒体を得、この水系媒体中に「TKホモミキサー MarkII2.5型」(プライミクス社製)で撹拌しながら上記樹脂溶液を投入し、撹拌回転数を調整することにより油滴粒子を調製した。その後、50℃で減圧留去して酢酸エチルを除去し、固形分量が20質量部の結着樹脂粒子分散液(ポリエステル樹脂)〔2〕を得た。この結着樹脂粒子は、体積基準のメディアン径が180nmであった。
非イオン性界面活性剤のポリオキシエチレンラウリルエーテル「E−700」(日本エマルジョン社製)6質量部をイオン交換水200質量部に撹拌溶解し、撹拌を継続しながら、着色剤としてシアン顔料(C.I.ピグメントブルー15.3)50質量部を徐々に添加した。次いで、ホモジナイザー「ウルトラタラックス」(IKA社製)により10分間分散処理することにより、着色剤粒子分散液〔1〕を調製した。この着色剤粒子の平均粒径は、電気泳動光散乱計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測定したところ、180nmであった。
温度計、冷却管、窒素導入装置、及び撹拌装置を備えたセパラブルフラスコに、結着樹脂粒子分散液〔1〕272質量部(固形分換算)、イオン交換水2200質量部、及び着色剤粒子分散液〔1〕98質量部を投入し、系内の温度を30℃に保った状態で水酸化ナトリウム水溶液(25質量%)を添加し、pHを10に調整した。
次に、塩化マグネシウム・6水和物54.3質量部をイオン交換水54.3質量部に溶解した水溶液を添加し、その後、系内の温度を60℃に昇温させて、結着樹脂粒子と着色剤粒子との凝集反応を開始した。凝集反応開始後、定期的にサンプリングを行って、粒度分布測定装置「コールターマルチサイザー3」(コールター社製)を用いて、粒子の平均粒径を測定し、体積基準のメディアン径が6.0μmになった時点で、エチレンジアミン四酢酸20.1質量部を添加した。この時点での粒子の円形度は0.92であった。さらに昇温し、円形度が0.96に達したところで6℃/分の条件で10℃まで冷却し、濾過を行って、イオン交換水で洗浄した後、乾燥することにより、トナー粒子〔1〕を得た。
得られたトナー粒子〔1〕100質量部に対し疎水性シリカ1質量部を添加し、ヘンシェルミキサーで混合した。回転翼の周速24m/sとし、20分間混合した後、400MESHの篩を通過させてトナー〔1〕を得た。
次に、フェライト粒子(体積基準のメディアン径50μm、パウダーテック社製)100質量部、及びメチルメタクリレート−シクロヘキシルメタクリレート共重合体(一次粒子の体積基準のメディアン径85nm)4質量部を水平撹拌羽根式高速撹拌装置に投入し、撹拌羽根の周速8m/s、温度30℃の条件で15分間混合した後、120℃まで昇温して撹拌を4時間継続した。その後、冷却し、200MESHの篩を用いてメチルメタクリレート−シクロヘキシルメタクリレート共重合体の破片を除去して樹脂被覆キャリアを作製した。トナー〔1〕に樹脂被覆キャリアをトナー濃度が7質量%となるように混合し、乾式現像剤〔1〕を作製した。
乾式現像剤〔1〕の作製におけるトナー〔1〕の作製法において、疎水性シリカ1質量部を疎水性シリカ1質量部及び、紫外線重合開始剤としてヘキサフェニルビスイミダゾール2.5質量部に変更したことの他は同様にして乾式現像剤〔2〕を作製した。
乾式現像剤〔1〕の作製におけるトナー〔1〕の作製法において、疎水性シリカ1質量部を疎水性シリカ1質量部及び、紫外線重合開始剤として2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾールダイマー2.5質量部に変更したことの他は同様にして乾式現像剤〔3〕を作製した。
乾式現像剤〔1〕の作製におけるトナー〔1〕の作製法において、疎水性シリカ1質量部を疎水性シリカ1質量部及び、紫外線重合開始剤としてベンゾインエチルエーテル2.5質量部に変更したことの他は同様にして乾式現像剤〔4〕を作製した。
乾式現像剤〔1〕の作製におけるトナー〔1〕の作製法において、結着樹脂粒子分散液〔1〕を結着樹脂粒子分散液〔2〕に変更したことの他は同様にしてトナー〔5〕を作製した。その後、トナー〔5〕を用いて、乾式現像剤〔1〕の作製と同様にして乾式現像剤〔5〕を得た。
乾式現像剤〔5〕の作製におけるトナー〔5〕の作製法において、疎水性シリカ1質量部を疎水性シリカ1質量部及び、紫外線重合開始剤としてヘキサフェニルビスイミダゾール2.5質量部に変更したことの他は同様にして乾式現像剤〔6〕を作製した。
乾式現像剤〔5〕の作製におけるトナー〔5〕の作製法において、疎水性シリカ1質量部を疎水性シリカ1質量部及び、紫外線重合開始剤として2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾールダイマー2.5質量部に変更したことの他は同様にして乾式現像剤〔7〕を作製した。
乾式現像剤〔5〕の作製におけるトナー〔5〕の作製法において、疎水性シリカ1質量部を疎水性シリカ1質量部及び、紫外線重合開始剤としてベンゾインエチルエーテル2.5質量部に変更したことの他は同様にして乾式現像剤〔8〕を作製した。
定着液〔1〕は、軟化剤である紫外線硬化化合物としてカルビトールアクリレートをそのまま用いて調製した。
定着液〔2〕は、カルビトールアクリレート95質量部、紫外線重合開始剤としてヘキサフェニルビスイミダゾール5質量部を混合して、調製した。
定着液〔2〕の調製における紫外線重合開始剤としてヘキサフェニルビスイミダゾールを、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾールダイマーに変更したことの他は同様にして定着液〔3〕を作製した。
定着液〔2〕の調製における紫外線重合開始剤としてヘキサフェニルビスイミダゾールをベンゾインエチルエーテルに変更したことの他は同様にして定着液〔4〕を作製した。
定着液〔5〕は、軟化剤である紫外線硬化化合物としてフェノキシエチルアクリレートをそのまま用いて調製した。
定着液〔6〕は、軟化剤である紫外線硬化化合物としてイソボルニルアクリレートをそのまま用いて調製した。
定着液〔7〕は、プロピオン酸エチレングリコールエチルエーテルをそのまま用いて調製した。
定着液〔2〕の調製におけるカルビトールアクリレートをプロピオン酸エチレングリコールエチルエーテルに変更したことの他は同様にして定着液〔3〕を作製した。
画像形成装置「bizhub C 253」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)の加熱定着器を取り外して、下記に示す定着器〔1〕、及び紫外線照射装置を搭載し、乾式現像剤、定着液の種類、及び紫外線照射の有無を下記表1に示す組み合わせに従い、画像支持体「Jペーパー」(コニカミノルタ社製)上に、トナー付着量12g/m2としてベタ画像を形成した。得られたベタ画像について下記評価を行った。結果を表2に示す。この画像形成においては、非加熱の状態で定着が行われた。
・定着器〔1〕
定着器〔1〕は、図1に示すようなライン型インクジェットノズルよりなる定着液供給手段から構成されるものである。
定着液供給手段を構成するライン型インクジェットは、解像度が600dpiであり、液滴サイズが10〜15plである。
定着液供給手段による定着液の供給量は、0.4g/A4とする。
・紫外線照射装置
紫外線照射装置としては、放射照度40mW/cm2の、Xe2で、波長172nmのエキシマUVランプが入ったものを使用した。紫外線照射装置の石英ガラスと搬送ローラー(31)表面との間隙(d)は、5mmにした。
定着後10秒後、及び1時間後に、画像の表面を1cmφの綿布で擦過し、擦過前後の反射濃度を「マクベス反射濃度計RD−918」(マクベス社製)により測定した。下記式(I)により擦過定着率を算出し、下記評価基準により評価した。
式(I):擦過定着率(%)={擦過後の反射濃度/擦過前の反射濃度(1.40)}×100
(評価基準)
A:擦過定着率90%以上
B:擦過定着率80%以上90%未満
C:擦過定着率70%以上80%未満
D:擦過定着率70%未満
なお、擦過定着率が70%以上であれば実用上問題無いレベルである。
上記評価用画像からなる両面プリントを連続で2枚出力し、大理石テーブル上に出力した20枚のプリント物をそのまま揃えて置き、重ねた部分に対して19.6kPa(200g/cm2)相当の圧力が加わるようにおもりを載せた。この状態で温度30℃、湿度60%RHの環境下に3日間放置した後、重ね合わせたトナー画像上における画像欠損の度合いを以下に示す評価基準により評価した。
(評価基準)
優良(A):トナー移行による画像不良やトナー画像同士の貼付きが見られず、画像欠損の問題が全くないレベル
良好(B):重ねた状態にあるプリント物を1枚1枚離したときに、僅かに粘着感が認められたものの、画像不良はなく、画像欠損の問題がないレベル
実用可(C):重ねた状態にあるプリント物を1枚1枚離したときに、定着画像上に若干のグロスむらの発生は認められたが画像不良はなく、画像汚染はないレベル
不良(D):画像が出力されていなかった領域上に、重ねた画像の移行が認められた。
なお、優良(A)、良好(B)、実用可(C)のものを合格とした。
st/ac:スチレン−アクリル樹脂、PES:ポリエステル樹脂、ヘキサフェニル:ヘキサフェニルビスイミダゾール、クロロヘキサフェニル:2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾールダイマー、ベンゾイン:ベンゾインエチルエーテル、カルビトール:カルビトールアクリレート、フェノキシエチル:フェノキシエチルアクリレート、イソボルニル:イソボルニルアクリレート、プロピオン酸:プロピオン酸エチレングリコールエチルエーテル
20 中間転写体
21A,21B,21C 支持ローラー
30Y,30M,30C,30K 画像形成ユニット
31 トナー像担持体
31Y,31M,31C,31K 感光体
32Y,32M,32C,32K 帯電手段
33Y,33M,33C,33K 露光手段
34Y,34M,34C,34K 現像手段
35Y,35M,35C,35K 一次転写手段
36Y,36M,36C,36K クリーニング手段
40 二次転写手段
50,50A,50B,50C,50D 定着液供給手段
51 定着液塗布ローラー
52 加圧ローラー
53 メタリングブレード
54 泡状発生装置
55 定着液塗布ローラー
56 加圧ローラー
57 規制ブレード
60 クリーニング手段
70 圧力付与手段
80 紫外線照射手段(UV照射装置)
B 泡状膜
F 定着液
M 液膜
T トナー像
P 画像支持体
Claims (5)
- 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、
前記静電潜像を、トナーを含む乾式現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程と、
前記トナー像を画像支持体に転写する転写工程と、
前記画像支持体に転写したトナー像に、当該トナー像を構成するトナーの少なくとも一部を軟化する定着液を供給する定着液供給工程と、
前記定着液供給工程後に、前記トナー像に紫外線を照射して当該トナー像の固化を促進する紫外線照射工程と、を有する電子写真画像形成方法であって、
前記定着液が、軟化剤として下記一般式(1)で表される構造を有する紫外線硬化化合物を含有し、
前記トナー中に、前記紫外線照射工程でトナー像の固化を促進させるために用いられる紫外線重合開始剤が含有されていることを特徴とする電子写真画像形成方法。
- 前記紫外線硬化化合物として、(メタ)アクリル酸エステルを用いることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電子写真画像形成方法。
- 前記定着液供給工程において、前記定着液を前記トナー像に供給する手段が、インクジェットノズルであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電子写真画像形成方法。
- 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
前記静電潜像を、トナーを含む乾式現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を画像支持体に転写する転写手段と、
前記画像支持体に転写したトナー像に、当該トナー像を構成するトナーの少なくとも一部を軟化する定着液を供給する定着液供給手段と、
前記定着液供給手段により前記トナー像に前記定着液が供給された後、前記トナー像に紫外線を照射して前記トナー像の固化を促進する紫外線照射手段と、を有する電子写真画像形成装置であって、
前記定着液が、軟化剤として下記一般式(1)で表される構造を有する紫外線硬化化合物を含有し、
前記トナー中に、前記紫外線照射手段でトナー像の固化を促進させるために用いられる紫外線重合開始剤が含有されていることを特徴とする電子写真画像形成装置。
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