JP2013120381A - 画像形成方法および定着液 - Google Patents

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Abstract

【課題】湿式定着方式において、形成される画像において高い定着強度が得られながらタック感が抑制される画像形成方法および定着液の提供。
【解決手段】トナー像に定着液を供給する工程を有する画像形成方法において、トナーを構成する結着樹脂は、GPCにより測定される分子量分布において5,000〜50,000の範囲にピークを有するものであり、定着液は、脂肪族エステル化合物よりなる液状の軟化剤と、この軟化剤に溶解された定着助剤とを含有するものであり、定着助剤は、スチレン樹脂、スチレン−アクリル樹脂およびアクリル樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1つの樹脂よりなるものであり、定着助剤が、GPCにより測定される分子量分布において100,000〜500,000の範囲にピークを有するものであり、かつ、ガラス転移点が80〜130℃であって結着樹脂のガラス転移点より30℃以上高いものであることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真法における湿式定着方式による画像形成方法および定着液に関する。
従来、電子写真法の画像形成方法において、トナーの画像支持体への定着方法としては、加熱加圧ローラなどによる加熱定着方式が採用されている。
しかしながら、この加熱定着方式による定着方法はトナーを変形させることにより画像支持体に固着させて定着させるものであるために、多大なエネルギーを必要とし、省エネルギーの観点からは好ましくない。
省エネルギー化が図られた定着方法として、定着液を用いることによりトナーを軟化させて画像支持体に定着させる湿式定着方式が提案されている。
例えば、特許文献1には、高沸点エステルを含む定着液を泡状として用いることにより、トナーを軟化させて画像支持体に定着させる方法が開示されている。このような方法によっては、定着液の嵩密度を低くすることにより定着液の供給量を低減することができ、その結果、画像を乱すことなくトナーを画像支持体に定着させることができるものの、トナー付着量が少量である部分では、多量である部分に比べ、定着液の供給量が過剰になることに起因して、形成される画像にタック感(粘着感)が生じるという問題がある。
タック感を軽減させる方法としては、例えば特許文献2には、定着液にノニオン性の水溶性樹脂を添加する方法が開示されている。
しかしながら、このような方法によっても、より高い定着強度を得ようとする場合においては、タック感が十分に抑制された画像を形成することが困難である。
特開2007−219105号公報 特開2010−266747号公報
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、湿式定着方式において、形成される画像において高い定着強度が得られながらタック感が抑制される画像形成方法および定着液を提供することにある。
本発明の画像形成方法は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、
前記静電潜像を、結着樹脂を含有するトナーを含む乾式現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程と、
前記トナー像を画像支持体に転写する転写工程と、
前記画像支持体に転写されたトナー像に、トナーの少なくとも一部を軟化する定着液を供給する定着液供給工程とを有する画像形成方法において、
トナーを構成する結着樹脂は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフ)により測定される分子量分布において5,000〜50,000の範囲にピークを有するものであり、
定着液は、脂肪族エステル化合物よりなる液状の軟化剤と、この軟化剤に溶解された定着助剤とを含有するものであり、
前記定着助剤は、スチレン樹脂、スチレン−アクリル樹脂およびアクリル樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1つの樹脂よりなるものであり、
当該定着助剤が、GPCにより測定される分子量分布において100,000〜500,000の範囲にピークを有するものであり、かつ、ガラス転移点が80〜130℃であって前記結着樹脂のガラス転移点より30℃以上高いものであることを特徴とする。
本発明の画像形成方法においては、前記定着助剤が、スチレン樹脂およびスチレン−アクリル樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1つの樹脂よりなるものであることが好ましい。
本発明の画像形成方法においては、前記定着助剤が、スチレンの単独重合体、スチレンとアクリル酸ブチルとの共重合体、スチレンとメタクリル酸メチルとの共重合体、スチレンとメタクリル酸との共重合体およびスチレンとアクリル酸との共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1つの樹脂よりなるものであることが好ましい。
本発明の画像形成方法においては、前記軟化剤を構成する脂肪族エステル化合物が、アジピン酸ジイソブチル、セバシン酸ジブチル、コハク酸ジ−2−エチルへキシル、アジピン酸ジ−2−エチルへキシル、アジピン酸ジイソノニルおよびアジピン酸ジイソデシルからなる群より選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。
本発明の画像形成方法においては、前記トナーを構成する結着樹脂が、スチレン−アクリル樹脂であることが好ましい。
本発明の画像形成方法においては、前記定着液供給工程において、前記定着液を供給する手段が、前記トナー像に対して非接触の状態で供給するものであることが好ましい。
本発明の画像形成方法においては、前記定着液を供給する手段がインクジェットノズルであることが好ましい。
本発明の定着液は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、
前記静電潜像を、結着樹脂を含有するトナーを含む乾式現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程と、
前記トナー像を画像支持体に転写する転写工程と、
前記画像支持体に転写されたトナー像に、トナーの少なくとも一部を軟化する定着液を供給する定着液供給工程とを有する画像形成方法において用いられる定着液であって、
当該定着液は、脂肪族エステル化合物よりなる液状の軟化剤と、この軟化剤に溶解された定着助剤とを含有するものであり、
前記定着助剤は、スチレン樹脂、スチレン−アクリル樹脂およびアクリル樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1つの樹脂よりなるものであり、
当該定着助剤が、GPCにより測定される分子量分布において100,000〜500,000の範囲にピークを有するものであり、かつ、ガラス転移点が80〜130℃であって前記結着樹脂のガラス転移点より30℃以上高いものであることを特徴とする。
本発明の画像形成方法によれば、トナーを構成する結着樹脂が、GPCにより測定される分子量分布において特定範囲にピークを有するものであり、また、定着液が脂肪族エステル化合物よりなる軟化剤とこの軟化剤に溶解された特定の樹脂よりなる定着助剤とを含有し、当該定着助剤がGPCにより測定される分子量分布において特定範囲にピークを有するものであり、かつ、特定範囲のガラス転移点を有するものであることにより、形成される画像において高い定着強度が得られながらタック感が抑制される。
本発明においては、特定範囲のピーク分子量およびガラス転移点を有する定着助剤を含有する定着液を用いることにより、当該定着液がトナー像に供給されたときに、定着助剤がトナー像の表面をコーティングすると共に、トナー像と画像支持体との間に侵入することにより、トナー像と画像支持体との接着力の強化によって、軟化剤のみによって定着させる場合に比べてより高い定着強度が得られながらも、定着助剤によるコーティングによって、タック感が抑制されるものと考えられる。
本発明の画像形成方法に用いられる定着液供給手段の構成の一例を示す説明用断面図である。 本発明の画像形成方法に用いられる定着液供給手段および圧力付与手段の構成の一例を示す説明用断面図である。 本発明の画像形成方法に用いられる定着液供給手段の構成の他の例を示す説明用断面図である。 本発明の画像形成方法に用いられる定着液供給手段の構成のさらに他の例を示す説明用断面図である。 本発明の画像形成方法に用いられる定着液供給手段の構成のさらに他の例を示す説明用断面図である。 本発明の画像形成方法に用いられる画像形成装置の構成の一例を示す概略図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
〔画像形成方法〕
本発明の画像形成方法は、少なくとも、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、静電潜像を、結着樹脂を含有するトナーを含む乾式現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程と、トナー像を画像支持体に転写する転写工程と、画像支持体に転写されたトナー像に、トナーの少なくとも一部を軟化する定着液を供給する定着液供給工程とを有し、この定着液供給工程において、画像支持体上に転写されたトナー像が当該画像支持体に定着されることにより、画像を形成する方法である。
〔静電潜像形成工程〕
静電潜像形成工程は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程である。
静電潜像担持体としては、特に限定されるものではないが、例えばアモルファスシリコン、セレンなどの無機感光体、または、ポリシラン、フタロポリメチンなどの有機感光体よりなるドラム状のものが挙げられる。
静電潜像の形成は、例えば、静電潜像担持体の表面を帯電手段により一様に帯電させ、露光手段により静電潜像担持体の表面を像様に露光することにより行われる。
帯電手段および露光手段としては、特に限定されず、電子写真方式において一般的に使用されているものを用いることができる。
〔現像工程〕
現像工程は、静電潜像を、結着樹脂を含有するトナーを含む乾式現像剤により現像してトナー像を形成する工程である。
トナー像の形成は、結着樹脂を含有するトナーを含む乾式現像剤を用いて、例えば、トナーを摩擦撹拌させて帯電させる撹拌器と、回転可能なマグネットローラとよりなる現像手段を用いて行われる。具体的には、現像手段においては、例えば、トナーとキャリアとが混合撹拌され、その際の摩擦によりトナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に保持され、磁気ブラシが形成される。マグネットローラは、静電潜像担持体近傍に配置されているため、マグネットローラの表面に形成された磁気ブラシを構成するトナーの一部は、電気的な吸引力によって静電潜像担持体の表面に移動する。その結果、静電潜像がトナーにより現像されて静電潜像担持体の表面にトナー像が形成される。
<トナー>
本発明の画像形成方法に用いられるトナーは、少なくとも結着樹脂を含有するトナー粒子よりなるものである。トナー粒子には、必要に応じて、着色剤、離型剤および荷電制御剤などの内添剤が含有されていてもよく、また当該トナー粒子に対して、流動化剤などの外添剤が外部添加されていてもよい。
本発明の画像形成方法に用いられるトナーは、粒径が体積基準のメディアン径で3.5〜7.0μmであることが好ましく、より好ましくは5.0〜6.5μmである。
体積基準のメディアン径が上記範囲内にあるトナーを用いることにより、トナーの比表面積が十分に確保され、従って、後述する定着液供給工程において、定着液との接触面積が十分に確保されることから、トナー像を画像支持体に確実に定着させることができ、これにより、形成される画像において十分な定着強度を得ることができる。
トナーの体積基準のメディアン径が3.5μm未満である場合においては、形成される画像ががさついたものとなるおそれがある。一方、トナーの体積基準のメディアン径が7.0μmを超える場合においては、トナーの比表面積が小さく、後述する定着液供給工程において、定着液との接触面積が十分に確保されず、トナー像を画像支持体に確実に定着させることができなくなるおそれがある。
本発明において、トナーの体積基準のメディアン径は、「コールターマルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)に、データ処理用ソフト「Software V3.51」を搭載したコンピューターシステムを接続した測定装置を用いて測定・算出される。
具体的には、トナー0.02gを、界面活性剤溶液20mL(トナー粒子の分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)に添加して馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、トナー分散液を調製し、このトナー分散液を、サンプルスタンド内の「ISOTONII」(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定装置の表示濃度が8%になるまでピペットにて注入する。ここで、この濃度範囲にすることにより、再現性のある測定値を得ることができる。そして、測定装置において、測定粒子カウント数を25000個、アパーチャ径を50μmにし、測定範囲である1〜30μmの範囲を256分割しての頻度値を算出し、体積積算分率の大きい方から50%の粒径が体積基準のメディアン径とされる。
本発明の画像形成方法に用いられるトナーは、平均円形度が、転写効率の向上の観点から、0.930〜1.000であることが好ましく、より好ましくは0.950〜0.995である。
本発明において、トナーの平均円形度は、「FPIA−2100」(Sysmex社製)を用いて測定される。
具体的には、試料を界面活性剤入り水溶液にてなじませ、超音波分散処理を1分間行って分散させた後、「FPIA−2100」(Sysmex社製)により、測定条件HPF(高倍率撮像)モードにて、HPF検出数3,000〜10,000個の適正濃度で撮影を行い、個々のトナー粒子について下記式(T)に従って円形度を算出し、各トナー粒子の円形度を加算し、全トナー粒子数で除することにより算出される。
式(T):円形度=(粒子像と同じ投影面積をもつ円の周囲長)/(粒子役影像の周囲長)
本発明の画像形成方法に用いられるトナーは、ガラス転移点が、耐熱保管性および耐ブロッキング性の観点から、20〜90℃であることが好ましく、より好ましくは40〜70℃である。
本発明において、トナーのガラス転移点は、示差走査カロリメーター「DSC8500」(パーキンエルマー社製)を用いて測定される。
具体的には、試料4.5mgを小数点以下2桁まで精秤し、アルミニウム製パンに封入して、DSC−7サンプルホルダーにセットする。リファレンスは、空のアルミニウム製パンを使用し、測定温度0〜200℃、昇温速度10℃/分、降温速度10℃/分にて、Heat−Cool−Heatの温度制御を行い、その2nd.Heatにおけるデータを基に解析を行う。第1の吸熱ピークの立ち上がり前のベースラインの延長線と、第1の吸熱ピークの立ち上がり部分からピーク頂点までの間における最大傾斜を示す接線との交点の値をガラス転移点とする。
(結着樹脂)
本発明に係るトナー粒子に含有される結着樹脂は、GPCにより測定される分子量分布において5,000〜50,000、より好ましくは7,000〜30,000の範囲にピークを有するものである。
結着樹脂がGPCにより測定される分子量分布において5,000未満の範囲にピークを有するものである場合においては、トナー粒子の強度が低下したものとなり、トナー飛散の原因となる。一方、結着樹脂がGPCにより測定される分子量分布において50,000を超える範囲にピークを有するものである場合においては、形成される画像において高い定着強度が得られないおそれがある。
本発明において、GPCにより測定される分子量分布は、以下のように測定される。
具体的には、装置「HLC−8220」(東ソー社製)およびカラム「TSKguardcolumn+TSKgelSuperHZM−M3連」(東ソー社製)を用い、カラム温度を40℃に保持しながら、キャリア溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を流速0.2mL/分で流し、試料を室温において超音波分散機を用いて5分間処理を行う溶解条件で濃度1mg/mLになるようにTHFに溶解させ、次いで、ポアサイズ0.2μmのメンブランフィルターで処理して試料溶液を得、この試料溶液10μLを上記のキャリア溶媒と共に装置内に注入し、屈折率検出器(RI検出器)を用いて検出し、試料の有する分子量分布を単分散のポリスチレン標準粒子を用いて測定した検量線を用いて算出される。検量線測定用のポリスチレンとしては10点用いる。
結着樹脂は、ガラス転移点が20〜90℃であることが好ましく、より好ましくは40〜70℃である。
結着樹脂のガラス転移点が20℃未満である場合においては、耐熱保管性が得られない。一方、結着樹脂のガラス転移点が90℃を超える場合においては、耐破砕性が得られないおそれがある。
本発明において、結着樹脂のガラス転移点は、上述したトナーのガラス転移点を測定する方法において試料を結着樹脂とすることの他は同様にして測定される。
結着樹脂としては、例えば、スチレン−アクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。好ましい結着樹脂としては、スチレン−アクリル樹脂が挙げられる。
スチレン−アクリル樹脂は、スチレン系モノマーとアクリル系モノマーとの共重合体である。
スチレン系モノマーとしては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンなどのスチレンまたはスチレン誘導体が挙げられる。これらのスチレン系モノマーは、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
アクリル系モノマーとしては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチルなどのメタクリル酸エステル誘導体;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニルなどのアクリル酸エステル誘導体などが挙げられる。また、アクリル酸やメタクリル酸などのモノマーが挙げられる。これらのアクリル系モノマーは、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
スチレン樹脂は、上記スチレン系モノマーの単独重合体または共重合体である。
アクリル樹脂は、上記アクリル系モノマーの単独重合体または共重合体である。
ポリエステル樹脂は、公知の多価アルコール成分と、公知の多価カルボン酸成分とにより得られるものである。
多価アルコール成分としては、例えば1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオールなどの脂肪族ジオール;ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物などの芳香族ジオール;グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ソルビトールなどの3価以上の多価アルコールなどが挙げられる。これらの多価アルコール成分は単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、不飽和アルコールとしては、アルケンジオール、具体的には、2−ブチン−1,4ジオールの他、3−ブチン−1,4ジオール、9−オクタデゼン−7,12ジオールなどが挙げられる。
多価カルボン酸成分としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸などの脂肪族カルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族カルボン酸などがあげられる。また、3価のカルボン酸としては、例えばトリメット酸などが挙げられる。
ポリエステル樹脂は、例えば上記多価アルコール成分と上記多価カルボン酸成分とを不活性ガス雰囲気中において、120〜250℃の温度で縮重合することにより製造することができる。縮重合の際においては、必要に応じて公知のエステル化触媒を用いてもよい。
(着色剤)
本発明に係るトナー粒子に着色剤が含有される場合においては、着色剤としては、特に限定されず、公知の染料および顔料を用いることができる。
黒色のトナーを得るための着色剤としては、例えばカーボンブラック、磁性体、染料、非磁性酸化鉄を含む無機顔料などの公知の種々のものを任意に用いることができる。
カラーのトナーを得るための着色剤としては、染料、有機顔料などの公知の種々のものを任意に用いることができる。
各色のトナーを得るための着色剤は、各色について、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
着色剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して1〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは2〜9質量部である。
(離型剤)
本発明に係るトナー粒子に離型剤が含有される場合においては、離型剤としては、例えばワックスが挙げられ、具体的には、以下に示すようなものが挙げられる。
(1)ポリオレフィン系ワックス
ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなど
(2)長鎖炭化水素系ワックス
パラフィンワックス、サゾールワックスなど
(3)ジアルキルケトン系ワックス
ジステアリルケトンなど
(4)エステル系ワックス
カルナウバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラミリステート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート、ベヘン酸ベヘニル、ステアリン酸ステアリル、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなど
(5)アミド系ワックス
エチレンジアミンジベヘニルアミド、トリメリット酸トリステアリルアミドなどである。
ワックスの含有量は、結着樹脂100質量部に対して0〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは5〜10質量部である。
(荷電制御剤)
本発明に係るトナー粒子に荷電制御剤が含有される場合においては、荷電制御剤としては、摩擦帯電により正または負の帯電を与えることのできる物質であれば特に限定されず、公知の種々の正帯電制御剤および負帯電制御剤を用いることができる。
荷電制御剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して0.1〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5質量部である。
(外添剤)
本発明に係るトナー粒子は、そのままトナーとして用いることができるが、流動性、帯電性、クリーニング性などを改良するために、当該トナー粒子に、いわゆる流動化剤、クリーニング助剤などの外添剤を添加した状態で用いることができる。
流動化剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化銅、酸化鉛、酸化アンチモン、酸化イットリウム、酸化マグネシウム、チタン酸バリウム、フェライト、ベンガラ、フッ化マグネシウム、炭化ケイ素、炭化ホウ素、窒化ケイ素、窒化ジルコニウム、マグネタイト、ステアリン酸マグネシウムなどよりなる無機微粒子などが挙げられる。
これら無機微粒子はシランカップリング剤やチタンカップリング剤、高級脂肪酸、シリコーンオイルなどによって、トナー粒子の表面への分散性向上、環境安定性向上のために、表面処理が行われていることが好ましい。
クリーニング助剤としては、例えば、ポリスチレン微粒子、ポリメチルメタクリレート微粒子などが挙げられる。
外添剤としては種々のものを組み合わせて用いることができる。
外添剤は、平均一次粒径が30nm以下であることが好ましい。
外添剤の添加量は、トナー全体に対して0.1〜20質量%であることが好ましい。
以上のようなトナーを製造する方法としては、例えば、粉砕法などの乾式方法や、乳化会合法、溶解脱溶法、溶解懸濁法などの湿式方法など公知の方法を挙げることができる。
<乾式現像剤>
本発明の画像形成方法に用いられる現像剤は、乾式のものとされ、磁性または非磁性のトナーのみよりなる一成分現像剤であっても、トナーとキャリアとが混合されてなる二成分現像剤であってもよい。
二成分現像剤である場合において、キャリアとしては、鉄、フェライト、マグネタイトなどの金属、それらの金属とアルミニウム、鉛などの金属との合金などの従来から公知の材料からなる磁性粒子を用いることができ、特にフェライト粒子が好ましい。また、キャリアとしては、磁性粒子の表面を樹脂などの被覆剤で被覆した樹脂被覆型キャリアや、バインダー樹脂中に磁性体微粉末を分散してなる分散型キャリアなど用いてもよい。
キャリアの粒径は、体積基準のメディアン径で15〜100μmであることが好ましく、より好ましくは20〜80μmである。
キャリアの体積基準のメディアン径は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
〔転写工程〕
転写工程は、トナー像を画像支持体に転写する工程である。
トナー像の画像支持体への転写は、トナー像を画像支持体に剥離帯電することにより行われる。
転写手段としては、例えば、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラなどを用いることができる。
また、転写工程は、例えば、中間転写体を用い、中間転写体上にトナー像を一次転写した後、このトナー像を画像支持体上に二次転写する態様の他、静電潜像担持体上に形成されたトナー像を直接画像支持体に転写する態様などによって行うこともできる。
画像支持体としては、特に限定されず、薄紙から厚紙までの普通紙、上質紙、アート紙あるいはコート紙などの塗工された印刷用紙、市販されている和紙やはがき用紙、OHP用のプラスチックフィルム、布などの各種を挙げることができる。
〔定着液供給工程〕
定着液供給工程は、画像支持体に転写されたトナー像に、トナーを軟化する定着液を供給する工程である。
トナー像への定着液の供給は、定着液を液状または泡状に噴射、噴霧または塗布することにより行われる。
定着液を供給する手段としては、例えば、インクジェットノズル、超音波振動子を用いた噴霧器、圧縮空気を用いた噴霧器、静電的に液滴にする噴霧器などのトナー像に対して非接触の状態で供給するものや、ローラなどトナー像に対して接触した状態で供給するものが挙げられる。
本発明においては、定着液を供給する手段は、高速化の観点から、トナー像に対して非接触の状態で供給するものが好ましい。特に、定着液を供給する手段は、画像支持体上に転写されたトナー像の領域に従って、当該トナー像に定着液を供給することができることから、インクジェットノズルであることが好ましい。
<定着液>
本発明の画像形成方法に用いられる定着液は、トナーを軟化するものであり、脂肪族エステル化合物よりなる液状の軟化剤と、この軟化剤に溶解された定着助剤とを含有するものである。
(軟化剤)
軟化剤を構成する脂肪族エステル化合物は、室温(例えば0〜45℃)で液体であるエステル結合を有する化合物である。エステル結合を有する化合物としては、例えばアルキルモノエステル、アルキルジエステル、アルキルトリエステル、アルコキシアルキルエステル、炭酸エステルなどが挙げられる。
アルキルモノエステルとしては、例えばラウリン酸エチルなどが挙げられる。
アルキルジエステルとしては、例えば、アジピン酸ジイソブチル、セバシン酸ジブチル、コハク酸ジ−2−エチルへキシル、アジピン酸ジ−2−エチルへキシル、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ジイソデシルなどが挙げられる。
アルキルトリエステルとしては、例えばクエン酸アセチルトリブチルなどが挙げられる。
アルコキシアルキルエステルとしては、例えば、コハク酸ジエトキシエチル、アジピン酸ジ−2−メトキシエチルなどが挙げられる。
炭酸エステルとしては、例えば炭酸プロピレンなどが挙げられる。
軟化剤を構成する脂肪族エステル化合物は、定着性の観点から、アジピン酸ジイソブチル、セバシン酸ジブチル、コハク酸ジ−2−エチルへキシル、アジピン酸ジ−2−エチルへキシル、アジピン酸ジイソノニルおよびアジピン酸ジイソデシルからなる群より選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。
軟化剤の濃度は、定着液中5〜100質量%であることが好ましく、より好ましくは10〜100質量%である。
軟化剤の濃度が過小である場合においては、定着不良のおそれがある。一方、軟化剤の濃度が過大である場合においては、タック感が十分に抑制されないおそれがある。
(定着助剤)
定着助剤は、スチレン樹脂、スチレン−アクリル樹脂およびアクリル樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1つの樹脂よりなるものである。
定着助剤を構成するスチレン−アクリル樹脂は、スチレン系モノマーとアクリル系モノマーとの共重合体である。スチレン系モノマーおよびアクリル系モノマーとしては、上述したトナーの結着樹脂を形成すべきスチレン系モノマーおよびアクリル系モノマーと同様のものが挙げられる。
スチレン樹脂は、スチレン系モノマーの単独重合体または共重合体であり、スチレン系モノマーとしては、上述したトナーの結着樹脂を形成すべきスチレン系モノマーと同様のものが挙げられる。
アクリル樹脂は、アクリル系モノマーの単独重合体または共重合体であり、アクリル系モノマーとしては、上述したトナーの結着樹脂を形成すべきアクリル系モノマーと同様のものが挙げられる。
本発明においては、定着助剤は、定着性の観点から、スチレン樹脂およびスチレン−アクリル樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1つの樹脂よりなるものであることが好ましく、また、スチレン−アクリル樹脂であることが特に好ましい。
また、定着助剤は、スチレンの単独重合体、スチレンとアクリル酸ブチルとの共重合体、スチレンとメタクリル酸メチルとの共重合体、スチレンとメタクリル酸との共重合体およびスチレンとアクリル酸との共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1つの樹脂よりなるものであることが好ましい。
スチレン−アクリル樹脂が、スチレンとアクリル酸ブチルとの共重合体である場合においては、その形成に用いられるアクリル酸ブチルの共重合比率は、タック感を抑制する観点から、8モル%以下であることが好ましい。
また、スチレン−アクリル樹脂が、スチレンとメタクリル酸メチルとの共重合体である場合においては、その形成に用いられるメタクリル酸メチルの共重合比率は、軟化剤への溶解性の観点から、50モル%以下であることが好ましい。
さらに、スチレン−アクリル樹脂が、スチレンとメタクリル酸との共重合体またはスチレンとアクリル酸との共重合体である場合においては、その形成に用いられるメタクリル酸またはアクリル酸の共重合比率は、軟化剤への溶解性の観点から、各々、30モル%以下であることが好ましい。
定着助剤は、GPCにより測定される分子量分布において100,000〜500,000、より好ましくは150,000〜250,000の範囲にピークを有するものである。
定着助剤がGPCにより測定される分子量分布において100,000未満の範囲にピークを有するものである場合においては、形成される画像において高い定着強度が得られない。一方、定着助剤がGPCにより測定される分子量分布において500,000を超える範囲にピークを有するものである場合においては、定着液としての粘度が過剰となり、トナー間(トナーとトナーとの隙間)に定着液が浸透することが困難となることや、定着助剤が、トナー像表面をコーティングすることは可能であるがトナー像と画像支持体との間に侵入することが困難となり、その結果、形成される画像に高い定着強度が得られず、また、タック感を十分に抑制することができない。
本発明において、定着助剤のGPCにより測定される分子量分布は、上述した結着樹脂の分子量分布を測定する方法において試料を定着助剤とすることの他は同様にして測定される。
定着助剤は、ガラス転移点が80〜130℃のものであり、かつ、結着樹脂のガラス転移点より30℃以上高いものである。
定着助剤のガラス転移点が80℃未満である場合においては、形成される画像においてタック感を十分に抑制することができない。一方、結着樹脂のガラス転移点が130℃を超える場合においては、軟化剤への溶解が困難となるおそれがある。
また、定着助剤のガラス転移点から結着樹脂のガラス転移点を引いた差が30℃未満である場合においては、形成される画像において高い定着強度が得られない。
本発明において、定着助剤のガラス転移点は、上述したトナーのガラス転移点を測定する方法において試料を定着助剤とすることの他は同様にして測定される。
定着助剤の濃度は、定着液中0.5〜25.0質量%であることが好ましく、より好ましくは1.0〜15.0質量%である。
定着助剤の濃度が過小である場合においては、形成される画像において十分な定着強度が得られないおそれがある。一方、定着助剤の濃度が過大である場合においては、形成される画像においてタック感を十分に抑制することができないおそれがある。
なお、本発明に用いられる定着液においては、90質量%未満の割合であれば、希釈成分や他の成分が含有されていてもよい。希釈成分としては、例えば、水、パラフィン、シリコーンオイルなどが挙げられる。また、他の成分としては、例えば、後述する定着液供給手段がインクジェットノズルである場合において、定着液の粘度調整のための、界面活性剤、アルコールなどが挙げられる。
定着液の供給量は、例えば、A4サイズの画像支持体当たり0.4g以下が好ましく、より好ましくは0.1g以下である。
以下、定着液の供給方法について具体的に説明する。
図1は、本発明の画像形成方法に用いられる定着液供給手段の構成の一例を示す説明用断面図である。
この定着液供給手段50Aは、ライン型インクジェットノズルよりなるものであり、トナー像担持体31の下流側に配置されている。
このような定着液供給手段50Aにおいては、液滴化された定着液Fが、画像支持体P上に転写されたトナー像Tの領域に従って、当該トナー像Tに供給される。
このような定着液供給手段50Aを構成するライン型インクジェットは、解像度が300dpi以上であることが好ましい。また、インクジェットの液滴サイズは、0.5〜50plであることが好ましい。
なお、定着液供給手段50Aとしてインクジェットノズルを用いる場合においては、定着液には耐溶剤性が必要とされる。
また、定着液が室温で液体ではない場合、または、定着液の粘度が高い場合においては、定着液供給手段50Aにヒーターを設ける構成とすることもできる。
本発明においては、定着液供給工程の後において、定着液Fが供給されたトナー像Tに圧力を付与する圧力付与工程を行うことができる。具体的には、図2に示すように、定着液供給工程の後、一対の加圧ローラよりなる圧力付与手段70により、定着液Fが供給されたトナー像Tに圧力を付与することを行うことできる。
圧力付与手段としては、例えば、表面が離型性を有するローラなど用いることもできる。加圧力は、特に限定されないが、例えば50Pa〜1kPaであることが好ましい。
この圧力付与工程が行われることにより、形成される画像においてより高い定着強度が得られる。
図3は、本発明の画像形成方法に用いられる定着液供給手段の構成の他の例を示す説明用断面図である。
この定着液供給手段50Bは、定着液塗布ローラ51と、この定着液塗布ローラ51に対向して設けられた加圧ローラ52とにより構成される。この定着液塗布ローラ51は、その一部が例えば液状の定着液Fに浸漬されている。また、トナー像T上に供給すべき定着液Fの量を制御するメタリングブレード53が、その先端部分が定着液塗布ローラ51の表面から離間した状態で設けられている。
このような定着液供給手段50Bにおいては、定着液Fが、定着液塗布ローラ51および加圧ローラ52の回転駆動により、定着液塗布ローラ51上の液状の定着液Fがその供給量がメタリングブレード53により規制されて、トナー像Tが転写された画像支持体P上の全面に液膜Mとして供給されると共に、加圧ローラ52において圧力が付与される。
液膜Mの膜厚は、特に限定されないが、例えば1〜100μmが好ましい。
また、加圧ローラ52の加圧力は、例えば50Pa〜1kPaが好ましい。
図4は、本発明の画像形成方法に用いられる定着液供給手段の構成のさらに他の例を示す説明用断面図である。
この定着液供給手段50Cは、定着液を泡状に生成させる泡状発生装置54と、定着液塗布ローラ55と、この定着液塗布ローラ55に対向して設けられた加圧ローラ56とにより構成される。また、トナー像T上に供給すべき定着液Fの量を制御する規制ブレード57が、その先端部分が定着液塗布ローラ55の表面から離間した状態で設けられている。
このような定着液供給手段50Cにおいては、定着液Fが、定着液塗布ローラ55および加圧ローラ56の回転駆動により、定着液塗布ローラ55上の泡状の定着液Fがその供給量が規制ブレード57により規制されて、トナー像Tが転写された画像支持体P上の全面に泡状膜Bとして供給されると共に、加圧ローラ56において圧力が付与される。
泡状膜Bの膜厚は、特に限定されないが、例えば1〜100μmが好ましい。
また、加圧ローラ56の加圧力は、例えば50Pa〜1kPaが好ましい。
図5は、本発明の画像形成方法に用いられる定着液供給手段の構成のさらに他の例を示す説明用断面図である。
この定着液供給手段50Dは、圧縮空気を用いた噴霧器よりなるものでものであり、トナー像担持体31の下流側に配置されている。
このような定着液供給手段50Dにおいては、液状の定着液Fが噴霧され、画像支持体P上に転写されたトナー像Tに供給される。
本発明の画像形成方法は、例えば、以下の画像形成装置により実行することができる。
図6は、本発明の画像形成方法に用いられる画像形成装置の構成の一例を示す概略図である。
この画像形成装置10は、タンデム型のフルカラー画像形成装置であって、ベルト状の中間転写体20に沿って設けられた複数の画像形成ユニット30Y,30M,30C,30Kと、中間転写体20上に各画像形成ユニットにより形成されたトナー像を画像支持体Pに転写する二次転写手段40と、画像支持体P上に転写されたトナー像に定着液を供給する定着液供給手段50とが設けられている。
画像形成ユニット30Yは、イエローのトナー像を形成するものであって、静電潜像担持体であるドラム状の感光体31Yを備え、この感光体31Yの周囲に帯電手段32Y、露光手段33Y、現像手段34Y、一次転写手段35Y、クリーニング手段36Yが配置されて構成されている。
画像形成ユニット30M,30C,30Kは、各々、イエローのトナー像を形成する代わりにマゼンタ、シアン、ブラックのトナー像を形成する他は、画像形成ユニット30Yと同様の構成を有する。
中間転写体20は、複数の支持ローラ21A,21B,21Cに張架され、循環移動可能に支持されている。
二次転写手段40は、トナー像を画像支持体Pに剥離帯電して転写する転写器よりなるものである。
定着液供給手段50は、トナー像に対して定着液を液滴にて供給するものであり、例えばライン型インクジェットノズルよりなるものである。
この画像形成装置10においては、以下のような画像形成処理が行われる。
画像形成ユニット30Yにおいて、感光体31Yが回転駆動されると、帯電手段32Yにより、トナーと同極性のコロナ放電によって当該感光体31Yの表面に一様な電位が与えられる。一様に帯電された感光体31Yの表面上に画像データに基づいて、露光手段33Yにより、感光体31Yの回転方向に対して平行に走査し、露光を行うことによって静電潜像が形成される。次に、現像手段34Yにより、感光体31Yの表面電位と同極性に帯電されたトナーが感光体31Yの静電潜像に付着して反転現像が行われることによって、トナー像が形成され、循環移動する中間転写体20上に一次転写手段35Yにより転写される。これらの処理が、画像形成ユニット30M,30C,30Kにおいても行われ、各画像形成ユニット30Y,30M,30C,30Kより形成された各色のトナー像が、中間転写体20上に重畳されてカラートナー像が形成される。このカラートナー像が、所定のタイミングで搬送される画像支持体P上に二次転写手段40によりに二次転写される。次いで、定着液供給手段50により画像データに基づいて定着液が、画像支持体Pに二次転写されたトナー像に対して供給される。定着液が供給されたトナー像は画像支持体Pに定着し画像が形成される。
一方、二次転写手段40により画像支持体Pにカラートナー像を転写した後、クリーニング手段60においては、画像支持体Pを曲率分離した中間転写体20上に残留する未転写トナーが除去される。また、クリーニング手段36Y,36M,36C,36Kにおいては、感光体31Y,31M,31C,31K上にそれぞれ残留する未転写トナーが除去される。
本発明の画像形成方法によれば、トナーを構成する結着樹脂が、GPCにより測定される分子量分布において特定範囲にピークを有するものであり、また、定着液が脂肪族エステル化合物よりなる軟化剤とこの軟化剤に溶解された特定の樹脂よりなる定着助剤とを含有し、当該定着助剤がGPCにより測定される分子量分布において特定範囲にピークを有するものであり、かつ、特定範囲のガラス転移点を有するものであることにより、形成される画像において高い定着強度が得られながらタック感が抑制される。
本発明においては、特定範囲のピーク分子量およびガラス転移点を有する定着助剤を含有する定着液を用いることにより、当該定着液がトナー像に供給されたときに、定着助剤がトナー像の表面をコーティングすると共に、トナー像と画像支持体との間に侵入することにより、トナー像と画像支持体との接着力の強化によって、軟化剤のみによって定着させる場合に比べてより高い定着強度が得られながらも、定着助剤によるコーティングによって、タック感が抑制されるものと考えられる。
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔乾式現像剤の作製例1〕
撹拌装置、温度センサー、冷却管および窒素導入管の付いた反応容器中に、ポリオキシエチレン−2−ドデシルエーテル硫酸ナトリウム4質量部をイオン交換水3040質量部に溶解させた界面活性剤溶液を仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温させた。この界面活性剤溶液に、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)10質量部をイオン交換水400質量部に溶解させた重合開始剤溶液を添加し、温度を75℃とした後、スチレン479質量部、n−ブチルアクリレート144質量部、メタクリル酸77質量部およびn−オクチルメルカプタン9質量部からなる単量体混合液を1時間かけて滴下し、この系を75℃にて2時間にわたり加熱、撹拌することにより重合を行って、スチレン−アクリル樹脂よりなる樹脂粒子〔A1〕が分散された樹脂粒子分散液〔A1〕を調製した。
この樹脂粒子〔A1〕は、GPCにより測定される分子量分布において23,000にピークを有するものであり、ガラス転移点は56℃であった。
次に、ドデシル硫酸ナトリウム90質量部をイオン交換水1600質量部に溶解させた溶液を撹拌しながら、カーボンブラック「リーガル330」(キャボット社製)400質量部を徐々に添加し、撹拌装置「クレアミックス」(エムテクニック社製)を用いて、分散処理を行い、着色剤粒子〔1〕が分散された着色剤粒子分散液〔1〕を調製した。
この着色剤粒子〔1〕は、粒径が電気泳動光散乱計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測定したところ、110nmであった。
撹拌装置、温度センサー、冷却管および窒素導入管の付いた反応容器中に、樹脂粒子分散液〔A1〕420質量部(固形分換算)、イオン交換水900質量部および着色剤粒子分散液〔1〕200質量部を入れて撹拌した。容器内の温度を30℃に調整した後、5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを8〜11に調整した。次いで、塩化マグネシウム・6水和物2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解した水溶液を、撹拌下で30℃にて10分間かけて添加した。3分間放置した後に昇温を開始し、この系を60分間かけて65℃まで昇温した。この状態で「コールターマルチサイザー3」(コールター社製)にて会合粒子の粒径を測定し、体積基準のメディアン径が6.3μmになった時点で、塩化ナトリウム40.2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解した水溶液を添加して粒径成長を停止させ、さらに、熟成処理として液温70℃にて2時間にわたり加熱撹拌することにより融着を継続させた。この融着粒子の円形度は「FPIA2100」(システックス社製)にて測定したところ0.960であった。この分散液を冷却して、生成した融着粒子を濾過し、45℃のイオン交換水で繰り返し洗浄し、その後、40℃の温風で乾燥することにより、体積基準のメディアン径が6.5μmのトナー粒子〔1〕を得た。
得られたトナー粒子〔1〕100質量部に対し疎水性シリカ1質量部を添加し、ヘンシェルミキサーで混合した。回転翼の周速24m/sとし、20分間混合した後、400MESHの篩を通過させてトナー〔1〕を得た。
得られたトナー〔1〕に、シリコーン樹脂を被覆した体積平均粒径60nmのフェライトキャリアを混合し、トナー濃度が6質量%である乾式現像剤〔1〕を作製した。
〔乾式現像剤の作製例2〕
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物675質量部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物88質量部、テレフタル酸281質量部、無水トリメリット酸31質量部およびジブチルチンオキサイド2質量部を入れ、常圧下230℃で7時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧下で5時間反応し、ポリエステル樹脂〔1〕を得た。
このポリエステル樹脂〔1〕は、GPCにより測定される分子量分布において10,000にピークを有するものであり、ガラス転移点は54℃であった。
ポリエステル樹脂〔1〕370質量部およびカーボンブラック45質量部に、酢酸エチル1500質量部を加え、撹拌しながら75℃まで昇温した。その後75℃で3時間撹拌し、固形分濃度25質量%の樹脂溶液〔1〕を得た。
分散剤としてリン酸三カルシウム5質量部、分散安定剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.05質量部を純水580質量部に溶解・分散させた溶液を、「TKホモミキサー」(特殊機化工業(株)社製)を用いて5000rpmにて15分間撹拌し、乳白色の水系媒体〔1〕を得た。
この水系媒体〔1〕に対して、樹脂溶液〔1〕を600質量部添加し、「TKホモミキサー」により12000rpmにて30分間撹拌することにより油滴粒子分散液〔1〕を調製した。
この油滴粒子分散液〔1〕を減圧蒸留装置に移し、非水溶性有機溶媒であるメチルエチルケトンを減圧下で除去した。得られたスラリーに対し、1mol/lの塩酸を当該スラリーのpHが1になるまで加え、30分間放置して、樹脂粒子表面からリン酸三カルシウムを除去した。その後、濾過、水洗および乾燥を行い、体積基準のメディアン径が5.2μmのトナー粒子〔2〕を得た。
得られたトナー粒子〔2〕100質量部に対し疎水性シリカ1質量部を添加し、ヘンシェルミキサーで混合した。回転翼の周速24m/sとし、20分間混合した後、400MESHの篩を通過させてトナー〔2〕を得た。
得られたトナー〔2〕に、シリコーン樹脂を被覆した体積平均粒径60nmのフェライトキャリアを混合し、トナー濃度が6質量%である乾式現像剤〔2〕を作製した。
〔乾式現像剤の作製例3〕
乾式現像剤の作製例1において、n−オクチルメルカプタンの添加量を40質量部に変更したことの他は同様にして乾式現像剤〔3〕を作製した。
〔乾式現像剤の作製例4〕
乾式現像剤の作製例1において、n−オクチルメルカプタンの添加量を43質量部に変更したことの他は同様にして乾式現像剤〔4〕を作製した。
〔乾式現像剤の作製例5〕
乾式現像剤の作製例1において、n−オクチルメルカプタンの添加量を4質量部に変更したことの他は同様にして乾式現像剤〔5〕を作製した。
〔乾式現像剤の作製例6〕
乾式現像剤の作製例1において、n−オクチルメルカプタンの添加量を3.5質量部に変更したことの他は同様にして乾式現像剤〔6〕を作製した。
〔乾式現像剤の作製例7〕
乾式現像剤の作製例1において、スチレンの添加量を527質量部に変更し、また、n−オクチルメルカプタンの添加量を96質量部に変更したことの他は同様にして乾式現像剤〔7〕を作製した。
〔乾式現像剤の作製例8〕
乾式現像剤の作製例1において、スチレンの添加量を531質量部に変更し、n−ブチルアクリレートの添加量を92質量部に変更し、また、メタクリル酸の添加量を55質量部に変更したことの他は同様にして乾式現像剤〔8〕を作製した。
乾式現像剤の作製例1〜8において得られた結着樹脂の各々について、GPCにより測定される分子量分布におけるピーク分子量およびガラス転移点を表1に示す。
〔定着液の調製例1〕
撹拌装置、温度センサー、冷却管および窒素導入管の付いた反応容器中に、ポリオキシエチレン−2−ドデシルエーテル硫酸ナトリウム4質量部をイオン交換水3040質量部に溶解させた界面活性剤溶液を仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温させた。この界面活性剤溶液に、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)10質量部をイオン交換水400質量部に溶解させた重合開始剤溶液を添加し、温度を75℃とした後、スチレン(St)700質量部およびn−オクチルメルカプタン0.8質量部からなる単量体混合液を1時間かけて滴下し、この系を75℃にて2時間にわたり加熱、撹拌することにより重合を行って、樹脂粒子〔B1〕が分散された樹脂粒子分散液〔B1〕を調製した。この樹脂粒子分散液〔B1〕を乾燥させることにより定着助剤〔1〕を得た。
この定着助剤〔1〕は、GPCにより測定される分子量分布において300,000にピークを有するものであり、ガラス転移点は100℃であった。
粉砕した定着助剤〔1〕5質量部を軟化剤としてアジピン酸ジイソブチル95質量部に添加し、超音波ホモジナイザーにより30分間かけて定着液〔1〕を調製した。
〔定着液の調製例2〜4〕
定着液の調製例1において、軟化剤を表2に示すものに変更したことの他は同様にして定着液〔2〕〜〔4〕を調製した。
〔定着液の調製例5〕
定着液の調製例1において、スチレン(St)の添加量を672質量部に変更し、また、n−ブチルアクリレート(BA)21質量部を添加したことの他は同様にして定着液〔5〕を調製した。
〔定着液の調製例6〕
定着液の調製例1において、スチレン(St)の添加量を615質量部に変更し、また、メタクリル酸(MAA)85質量部を添加したことの他は同様にして定着液〔6〕を調製した。
〔定着液の調製例7〕
定着液の調製例1において、スチレン(St)の添加量を630質量部に変更し、また、メタクリル酸メチル(MMA)70質量部を添加したことの他は同様にして定着液〔7〕を調製した。
〔定着液の調製例8〕
定着液の調製例1において、スチレン(St)の添加量を650質量部に変更し、また、アクリル酸(AA)50質量部を添加したことの他は同様にして定着液〔8〕を調製した。
〔定着液の調製例9〕
定着液の調製例1において、スチレン(St)700質量部をメタクリル酸メチル(MMA)700質量部に変更したことの他は同様にして定着液〔9〕を調製した。
〔定着液の調製例10〕
定着液の調製例1において、n−オクチルメルカプタンの添加量を2.3質量部に変更したことの他は同様にして定着液〔10〕を調製した。
〔定着液の調製例11〕
定着液の調製例1において、n−オクチルメルカプタンの添加量を2.4質量部に変更したことの他は同様にして定着液〔11〕を調製した。
〔定着液の調製例12〕
定着液の調製例1において、n−オクチルメルカプタンの添加量を0.5質量部に変更したことの他は同様にして定着液〔12〕を調製した。
〔定着液の調製例13〕
定着液の調製例1において、n−オクチルメルカプタンの添加量を0.49質量部に変更したことの他は同様にして定着液〔13〕を調製した。
〔定着液の調製例14〕
定着液の調製例5において、スチレン(St)の添加量を644質量部に変更し、また、n−ブチルアクリレート(BA)の添加量を56質量部に変更したことの他は同様にして定着液〔14〕を調製した。
〔定着液の調製例15〕
定着液の調製例5において、スチレン(St)の添加量を640質量部に変更し、また、n−ブチルアクリレート(BA)の添加量を60質量部に変更したことの他は同様にして定着液〔15〕を調製した。
〔定着液の調製例16〕
定着液の調製例6において、スチレン(St)の添加量を456質量部に変更し、また、メタクリル酸(MAA)の添加量を244質量部に変更したことの他は同様にして定着液〔16〕を調製した。
〔定着液の調製例17〕
定着液の調製例6において、スチレン(St)の添加量を452質量部に変更し、また、メタクリル酸(MAA)の添加量を248質量部に変更したことの他は同様にして定着液〔17〕を調製した。
〔定着液の調製例18〕
定着液の調製例1において、定着助剤〔1〕の添加量を3質量部に変更し、アジピン酸ジイソブチルの添加量を30質量部に変更し、また、ミリスチン酸ナトリウム7質量部およびイオン交換水60質量部をさらに添加し、超音波ホモジナイザーにより5分間かけたことの他は同様にして定着液〔18〕を調製した。
〔実施例1〜19、比較例1〜7〕
画像形成装置「bizhub C 253」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)の加熱定着器を取り外して、下記に示す定着器〔1〕〜〔3〕のいずれかを搭載し、乾式現像剤、定着液および定着器の種類を下記表3に示す組み合わせに従い、画像支持体「Jペーパー」(コニカミノルタ社製)上に、トナー付着量12g/m2 としてベタ画像を形成した。得られたベタ画像について下記評価を行った。結果を表3に示す。
・定着器〔1〕
定着器〔1〕は、図1に示すようなライン型インクジェットノズルよりなる定着液供給手段から構成されるものである。
定着液供給手段を構成するライン型インクジェットは、解像度が600dpiであり、液滴サイズが10〜15plである。
定着液供給手段による定着液の供給量は、0.1g/A4程度であり、画像支持体上に供給された定着液の量は、0.05g/A4程度であった。
・定着器〔2〕
定着器〔2〕は、図5に示すような圧縮空気を用いた噴霧器としてエアブラシよりなる定着液供給手段から構成されるものである。
定着液供給手段による画像支持体上に供給された定着液の量は、0.07g/A4程度であった。
・定着器〔3〕
定着器〔3〕は、図4に示すような定着液供給手段から構成されるものであり、定着液供給手段は、泡状の定着液を生成する泡状発生装置と、定着液塗布ローラと、この定着液塗布ローラに対向して設けられた加圧ローラとにより構成されるものである。
この定着液供給手段により供給される泡状膜の膜厚は、40〜50μmである。また、加圧ローラの加圧力は200Pa程度である。
定着液供給手段による画像支持体上に供給された定着液の量は、0.1g/A4程度であった。
〔評価〕
(1)定着強度
得られた画像について、「フィニッシャーFS−608」(コニカミノルタ社製)を改造した折り機を用いて折り、これに0.35MPaの空気を吹きつけ、折り目の状態について限度見本を参照して下記評価基準により評価した。評価基準4以上を合格レベルとする。
−評価基準−
5:全く折れ目に剥離が無い。
4:一部折り目に従い剥離がある。
3:折り目に従い細い線状の剥離がある。
2:折り目に従い太い剥離がある。
1:画像に大きな剥離がある。
(2)タック感
得られた画像について、タック感(粘着感)の官能評価を下記評価基準により評価した。評価基準2以上を合格レベルとする。
−評価基準−
3:手で強く押しても全くタック感がない。
2:手で強く押すと若干タック感があるが問題のないレベル。
1:手で軽く押してもタック感があり手に貼り付く。
(3)トナー飛散
得られた画像について、目視にてトナーが飛散しているか下記評価基準により評価した。
評価基準2以上を合格レベルとする。
−評価基準−
3:全くトナー飛散がない。
2:わずかにトナー飛散があるが問題のないレベル。
1:トナー飛散がある。
10 画像形成装置
20 中間転写体
21A,21B,21C 支持ローラ
30Y,30M,30C,30K 画像形成ユニット
31 トナー像担持体
31Y,31M,31C,31K 感光体
32Y,32M,32C,32K 帯電手段
33Y,33M,33C,33K 露光手段
34Y,34M,34C,34K 現像手段
35Y,35M,35C,35K 一次転写手段
36Y,36M,36C,36K クリーニング手段
40 二次転写手段
50,50A,50B,50C,50D 定着液供給手段
51 定着液塗布ローラ
52 加圧ローラ
53 メタリングブレード
54 泡状発生装置
55 定着液塗布ローラ
56 加圧ローラ
57 規制ブレード
60 クリーニング手段
70 圧力付与手段
B 泡状膜
F 定着液
M 液膜
T トナー像
P 画像支持体

Claims (8)

  1. 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、
    前記静電潜像を、結着樹脂を含有するトナーを含む乾式現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程と、
    前記トナー像を画像支持体に転写する転写工程と、
    前記画像支持体に転写されたトナー像に、トナーの少なくとも一部を軟化する定着液を供給する定着液供給工程とを有する画像形成方法において、
    トナーを構成する結着樹脂は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフ)により測定される分子量分布において5,000〜50,000の範囲にピークを有するものであり、
    定着液は、脂肪族エステル化合物よりなる液状の軟化剤と、この軟化剤に溶解された定着助剤とを含有するものであり、
    前記定着助剤は、スチレン樹脂、スチレン−アクリル樹脂およびアクリル樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1つの樹脂よりなるものであり、
    当該定着助剤が、GPCにより測定される分子量分布において100,000〜500,000の範囲にピークを有するものであり、かつ、ガラス転移点が80〜130℃であって前記結着樹脂のガラス転移点より30℃以上高いものであることを特徴とする画像形成方法。
  2. 前記定着助剤が、スチレン樹脂およびスチレン−アクリル樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1つの樹脂よりなるものであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 前記定着助剤が、スチレンの単独重合体、スチレンとアクリル酸ブチルとの共重合体、スチレンとメタクリル酸メチルとの共重合体、スチレンとメタクリル酸との共重合体およびスチレンとアクリル酸との共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1つの樹脂よりなるものであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  4. 前記軟化剤を構成する脂肪族エステル化合物が、アジピン酸ジイソブチル、セバシン酸ジブチル、コハク酸ジ−2−エチルへキシル、アジピン酸ジ−2−エチルへキシル、アジピン酸ジイソノニルおよびアジピン酸ジイソデシルからなる群より選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする請求項1〜請求項3に記載の画像形成方法。
  5. 前記トナーを構成する結着樹脂が、スチレン−アクリル樹脂であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の画像形成方法。
  6. 前記定着液供給工程において、前記定着液を供給する手段が、前記トナー像に対して非接触の状態で供給するものであることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の画像形成方法。
  7. 前記定着液を供給する手段がインクジェットノズルであることを特徴とする請求項6に記載の画像形成方法。
  8. 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、
    前記静電潜像を、結着樹脂を含有するトナーを含む乾式現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程と、
    前記トナー像を画像支持体に転写する転写工程と、
    前記画像支持体に転写されたトナー像に、トナーの少なくとも一部を軟化する定着液を供給する定着液供給工程とを有する画像形成方法において用いられる定着液であって、
    当該定着液は、脂肪族エステル化合物よりなる液状の軟化剤と、この軟化剤に溶解された定着助剤とを含有するものであり、
    前記定着助剤は、スチレン樹脂、スチレン−アクリル樹脂およびアクリル樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1つの樹脂よりなるものであり、
    当該定着助剤が、GPCにより測定される分子量分布において100,000〜500,000の範囲にピークを有するものであり、かつ、ガラス転移点が80〜130℃であって前記結着樹脂のガラス転移点より30℃以上高いものであることを特徴とする定着液。
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