JP2007161163A - 乗員保護装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】膨張部70に、乗員28,29の着座位置に位置する主膨張部(第1・第2の主膨張部)71,76と、これらの主膨張部71,76に縮径部(第1・第2・第3縮径部)72,74,77を介して常時連通させるとともに乗員28,29の着座位置から外した位置に設ける副膨張部(第1・第2・第3の副膨張部)73,75,78と、を備え、これらの副膨張部73,75,78に、膨張によって破断させ副膨張部73,75,78の体積を増加させる破断部(第1〜第3破断部)85〜87を設けた。
【選択図】図3
Description
この種の乗員保護装置には、例えば、ルーフから窓の上縁にかけてサイドカーテンエアバッグを設け、所定の衝撃力が車体に加わったときに窓(サイドガラス)に沿ってカーテン状に展開させるとともに所定の部分を膨出させる技術が開発されている。
図10は従来の基本構成を説明する図であり、乗員保護装置210は、エアバッグ袋体213に乗員の衝撃吸収を目的とした第1・第2の主膨張部(クッション室)214,215を設け、この第1の主膨張部214に連続させて第1の主膨張部214の内圧をコントロールする第1の副膨張部216を設け、第1の主膨張部214及び第1の副膨張部216の間を第1の主膨張部214が所定圧力を超えたときに接着材が剥がれて第1の主膨張部214の流体ガスを第1副膨張部に逃がす第1破断部218を形成し、同様に、第2の主膨張部216に連続させて第2の主膨張部216の内圧をコントロールする第2の副膨張部217を設け、第2の主膨張部215及び第2の副膨張部217の間を第2の主膨張部215が所定圧力を超えたときに接着材が剥がれて第2の主膨張部215の流体ガスを第2の副膨張部217に逃がす第2破断部219を形成したものである。
すなわち、乗員保護装置210では、車両に側突や横転などの不慮の状態が発生したときに、乗員の衝撃吸収を図る第1・第2の主膨張部214,215に急激な圧力変化が起こるので、乗員にかかる衝撃を円滑に吸収することは困難であると考えられる。
破断部を、所定の長さを持たせて形成することで、破断部の破断開始後も、主膨張部の内圧を徐々に下げる。
破断部を、副膨張部の側面に設けることで、破断部を設けるために副膨張部を特別な形状にする必要性を回避する。
図1は本発明に係る乗員保護装置を採用した車両の側面図であり、図中、10は車両、11は車体、12は車室、13はフロントウインドウ、14はフロントバンパ、15はフロントフェンダ、16は前輪、17は後輪、18は前ドア、19は後ドア、21はリヤウインドウ、22はリヤバンパ、23はボンネット、24はルーフ、25はステアリング、26は運転席、27は後部座席、28は運転者(乗員)、29は乗員である。
本発明に係る乗員保護装置(車両用乗員保護装置)40は、車両10に側突や横転があったときに展開させることで、乗員28,29にかかる衝撃を円滑に吸収するようにしたサイドカーテンエアバッグである。
ルーフサイドレール38は、ルーフ24の側縁に沿って設けた。また、ルーフサイドレール38に乗員保護装置(車両用乗員保護装置)40を設置する。
前ドア18の上半分には窓(窓ガラス)31を設けるとともに、前ドア18の車室12内には運転席(ドライバーズシート)26を隣接させる。
後ドア19の上半分には窓(窓ガラス)32及びクォータ窓ガラス33を設けるとともに、後ドア19の車室12内には後部座席(リヤシート)27を隣接させる。
さらに、乗員保護装置40は、インフレータ42からエアバッグ袋体41内にガスを供給することにより、窓(フロントサイドドア窓ガラス)31及び窓(リヤサイドドア窓ガラス)32に沿わせてエアバッグ袋体41を膨出展開させる。
また、インフレータ本体44は、取付ブラケット46でリヤピラー37に4本のボルト48・・・(・・・は複数個を示す。以下同じ)で取付けたものである。
先ず、インフレータ42で発生させた流体ガスを矢印a1,a2の如くガス導入部45の第1・第2導入部45a,45bに導入する。
流体ガスを矢印a3〜a5の如く第1の主膨張部71の前室71a、中間室71b及び後室71cにそれぞれ流すことで、第1の主膨張部71を膨出展開する。
このときに、第1縮径部72から矢印a6の如く第1の副膨張部73に少しずつ流体ガスを供給するとともに、第2縮径部74から矢印a7の如く第2の副膨張部75に少しずつ流体ガスを供給する。この結果、第1の副膨張部73及び第2の副膨張部75は、第1の主膨張部71の膨出展開開始時から徐々に膨張させておくことができる。
流体ガスを矢印a9の如く第2の主膨張部76の前室76aに流すとともに、流体ガスを矢印a10の如く第2の主膨張部76の後室76bに流すことで、第2の主膨張部76を膨出展開する。
(a)において、第1の副膨張部73は、図3に示す第1縮径部72から徐々に流体ガスの供給を受けるので、第1の副膨張部71の膨出展開中から膨出を開始する。
(b)において、図3で説明したように乗員28が第1の主膨張部71に当接したときに、第1の副膨張部73の所定の長さの第1破断部85を徐々に(所定の時間をかけて)破断させることで、第1の副膨張部73の体積を矢印b1,b1及び矢印b2,b2の如く徐々に増加して第1の主膨張部71の内圧を下げ、乗員28にかかる衝撃を円滑に吸収することができる。
実線の圧力曲線Aは、実施例であるエアバッグ袋体41の主膨張部(第1の主膨張部)71の圧力曲線であり、乗員保護装置40では、時間t1〜t2を乗員保護に必要な圧力保持時間とするときに、主膨張部71の膨出展開時から少しづつ副膨張部73,75も膨張させておき、主膨張部71,76の内圧が所定圧力を超えた時点から所定の長さを持たせて形成した破断部85,86を破断させるようにしたので、乗員保護に必要な圧力保持時間の間所定圧力を保つことができる。この結果、乗員28,29にかかる衝撃を円滑に吸収することができる。
(a)において、第1の副膨張部93は、エアバッグ袋体91の窓31側を表面材96、エアバッグ袋体91の車室12側を裏面材97とするときに、裏面材97に破断部94,95を設けたものである。なお、一点鎖線で示す矢印c1はガス流体の流れである。
(a)において、第1の副膨張部103は、エアバッグ袋体101の窓31側を表面材106、エアバッグ袋体101の車室12側を裏面材107とするときに、これらの表面材106及び裏面材107の間に第1の副膨張部103の膨張を規制する規制部材105を設け、この規制部材105の上下長さを短く設定するために、規制部材105の中間で縫い合わせ所定の圧力で破断する破断部104を設けたものである。
第1の副膨張部103は、内部に破断部104を設けたので、エアバッグ袋体101の外観性の向上を図れるとともに、感触のよいエアバッグ袋体101を実現することができる。また、上記構造を採用することで、エアバッグ袋体101を膨出展開させる流体ガスの漏れを防止することができる。
本発明に係る乗員保護装置は、図3に示すように、展開部61に第1・第2の主膨張部71,76を設けたが、これに限るものではなく、必要に応じて主膨張部を増加・削減することを妨げるものではない。
本発明に係る乗員保護装置は、図3に示すように、例えば、副膨張部75及び副膨張部78は独立した部分であったが、これに限るものではなく、副膨張部同士が繋がっているものであってもよい。また、副膨張部の形状は任意である。
Claims (3)
- 車体の窓の上縁に沿って車両衝突時に窓の車室内側を覆う展開部を設け、この展開部に乗員の衝撃吸収をするために流体ガスで膨張させる膨張部を設けた乗員保護装置において、
前記膨張部は、乗員の着座位置に位置する主膨張部と、この主膨張部に縮径部を介して常時連通させるとともに乗員の着座位置から外した位置に設ける副膨張部と、を備え、
この副膨張部に、膨張によって破断させて副膨張部の体積を増加させる破断部を設けたことを特徴とする乗員保護装置。 - 前記破断部は、所定の長さを持たせて形成したものであることを特徴とする請求項1記載の乗員保護装置。
- 前記破断部を、前記副膨張部の側面に設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の乗員保護装置。
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