JP2005119637A - 頭部保護エアバッグ - Google Patents

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Abstract

【課題】膨張初期における迅速な展開を確保でき、さらに、展開完了後には、クッション性良く、厚く膨張可能な頭部保護エアバッグを提供すること。
【解決手段】頭部保護エアバッグ20は、車内側壁部21aと車外側壁部21bとの間に流入する膨張用ガスによって膨張しつつ、折り畳まれて収納された車両のサイドウインドの上方側から展開して、乗員頭部の側方に保護膨張部24を配置させる。保護膨張部24には、車内側・車外側壁部21a・21b相互を結合して、展開完了後の保護膨張部24の内圧上昇時に車内側・車外側壁部21a・21b相互を分離させる仮結合部28が、配設されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、車両のサイドウインドの上縁側から、膨張用ガスを流入させて下方に展開膨張し、乗員の頭部を保護可能な頭部保護エアバッグに関する。
従来、頭部保護エアバッグでは、薄い状態で展開させた後、その部位を厚く膨張させるものがあった(例えば、特許文献1参照)。このエアバッグは、ピラー部の車内側を覆う保護膨張部が、下端側に膨張用ガスを流入させる流入口を配置させて、配設されており、エアバッグの膨張初期、ピラー部の車内側を覆う保護膨張部(ピラー膨張部とする)における左右両側の部位に、まず、膨張用ガスを流入させて、ピラー膨張部を薄い状態で展開させ、ピラー膨張部の展開完了後に、下端側の流入口から膨張用ガスを流入させて、ピラー膨張部を厚く膨らませていた。
特開2003−11767公報
しかし、従来の頭部保護エアバッグでは、膨張初期に、薄い状態で展開を完了させることができるものの、膨張完了時のピラー膨張部等の厚く膨張させる必要のある部位のクッション性を向上させる点で、改善の余地があった。
本発明は、上述の課題を解決するものであり、膨張初期における迅速な展開を確保でき、さらに、展開完了後には、クッション性良く、厚く膨張可能な頭部保護エアバッグを提供することを目的とする。
本発明に係る頭部保護エアバッグは、車内側壁部と車外側壁部との間に流入する膨張用ガスによって膨張しつつ、折り畳まれて収納された車両のサイドウインドの上方側から展開して、乗員頭部の側方に保護膨張部を配置させる構成の頭部保護エアバッグであって、
保護膨張部に、車内側・車外側壁部相互を結合して、展開完了後の保護膨張部の内圧上昇時に車内側・車外側壁部相互を分離させる仮結合部が、配設されていることを特徴とする。
本発明に係る頭部保護エアバッグでは、膨張初期に、仮結合部が車内側・車外側壁部相互を結合させた状態で、展開するため、保護膨張部は、薄い状態で展開を完了させることとなって、膨張初期時の迅速な展開を確保することができる。
そして、保護膨張部の展開完了後には、保護膨張部の内圧上昇に伴って、仮結合部が車内側・車外側壁部相互を分離させることから、保護膨張部は、仮結合部を配設させていた部位を、厚く膨らませることができて、クッション性良く、すなわち、十分な衝撃吸収ストロークを確保して、乗員を保護できる。
したがって、本発明に係る頭部保護エアバッグでは、膨張初期における迅速な展開を確保でき、さらに、展開完了後には、クッション性良く、厚く膨張させることができて、乗員を効果的に保護することができる。
そして、仮結合部は、略上下方向に沿うように配設させる部位を設けて、下端側から車内側・車外側壁部相互を分離させるように、配設させることが望ましい。
このような構成では、仮結合部の車内側・車外側壁部相互の分離が、保護膨張部の下部側から上部側に向かうように、なされる。すなわち、頭部保護エアバッグはサイドウインドの上方から下方に展開する構成であって、仮に、仮結合部の上端側から車内側・車外側壁部相互の結合が解除されれば、展開完了前に、保護膨張部の上部側が厚くなり始めて、膨張用ガスにおける保護膨張部の下部側への到達が遅れ、保護膨張部の迅速な展開完了が阻害されてしまう。しかし、上記のような構成では、仮結合部の車内側・車外側壁部相互の分離が、保護膨張部の下部側から上部側に向かうように、なされることから、保護膨張部の下部側への膨張用ガスが十分到達している段階で、車内側・車外側壁部相互の分離が開始されることとなって、保護膨張部の迅速な展開を、安定して、確保できることとなる。
そして、仮結合部は、車内側・車外側壁部相互を分離させる強度を、150〜550Nの範囲内に設定して、下端側から車内側・車外側壁部相互を分離させるように、配設することが望ましい。
このように構成されていれば、膨張用ガスの熱や流速等の影響による車内側・車外側壁部相互の不必要な分離を防止でき、かつ、エアバッグの展開完了後に、安定して、車内側・車外側壁部相互を分離させて、十分な衝撃吸収ストロークを確保できるように、すなわち、クッション性が良好になるように、エアバッグを厚く膨張させることができる。なお、仮結合部の強度が、150N未満であれば、膨張用ガスの熱や流速等の影響によって、仮結合部の上端側の車内側・車外側壁部相互が、直ちに、分離する虞れが生じて、狭いスペースでのエアバッグの展開完了に支障をきたし、また、仮結合部の強度が、550Nを超えるほど高ければ、仮結合部の下端側における車内側・車外側壁部相互の分離が遅れて、厚く膨張する時期が遅れ、クッション性良く乗員を保護する上で、好ましくない。
そして、エアバッグが、車内側・車外側壁部相互を分離不能に結合させて膨張用ガスを流入させない非流入部を、備えている場合には、仮結合部は、上端側を、下端側よりも応力集中の発生を抑え可能に、非流入部に近接若しくは連結させて、配設させればよい。
このように構成されていれば、エアバッグの膨張時、仮結合部は、非流入部により、上端側の応力集中が抑えられることから、下端側から上端側に向かうように、安定して、車内側・車外側壁部相互を分離させることができる。
また、このような構成では、仮結合部の上端側が、非流入部に近接若しくは連結されて、仮結合部と非流入部とで囲まれて、仮結合部の車内側・車外側壁部の分離後に厚く膨張する部位が、下部側に、膨張用ガスのガス流入口を配設させる構成となる。そのため、仮結合部と非流入部とで囲まれた部位に対してガス流入口を介して連通する部位が、先に展開を完了させることから、仮結合部と非流入部とで囲まれた部位を、殆ど膨らませない薄い状態で、展開を完了させることが可能となって、乗員頭部とサイドウインドとの間の隙間が極めて狭くとも、容易に、その狭いスペースに展開可能となる。
そして、このように構成されている場合、エアバッグの上縁側に、流入する膨張用ガスの上流側として、前後方向に沿うように、ガス供給路部が、配設されていれば、保護膨張部における仮結合部と前後方向で隣接し、かつ、仮結合部の非流入部に近接若しくは連結される側と反対側の部位は、上部側をガス供給路部に連通させて、配設させてもよい。
このような構成では、エアバッグの膨張初期に、仮結合部の非流入部に近接若しくは連結される側と反対側の部位が、エアバッグの展開完了途中に厚さを増すように、膨張できることから、その部位での乗員の保護が可能となって、仮結合部の車内側・車外側壁部相互の分離前でも、展開性能に影響を与えない範囲で、乗員の保護を図ることができる。
さらに、非流入部が、略上下方向に配設されて保護膨張部を区画する区画部を備えている場合には、仮結合部は、上端側を、膨張用ガスの上流側に向かうとともに膨張用ガスの流れに沿うように屈曲させつつ、区画部の上端側に近接若しくは連結させて、配設することが望ましい。
このように構成されていれば、膨張初期の膨張用ガスの流入時に、膨張用ガスが、仮結合部の上端側に対して、直交方向に干渉し難く、膨張用ガスの熱等の影響を受けずに、仮結合部の下端側からの車内側・車外側壁部相互の分離を、安定して、確保することができる。
さらに、非流入部が、仮結合部の前後と上方とを囲むように、略逆U字状に配設されて、保護膨張部を区画する区画部を備えていれば、仮結合部の上端を、略逆U字状の区画部における上部の横棒部位に近接若しくは連結させてもよい。
このような構成では、区画部の横棒部位によって、仮結合部の上端側が、エアバッグ内への流入当初における膨張用ガスの熱等の影響を受けず、安定して、仮結合部の下端側から、車内側・車外側壁部相互を分離させることができる。
さらに、非流入部が、仮結合部の前後で、略上下方向に配設されて保護膨張部を区画する区画部を備えている場合、仮結合部は、上端側に、前後の区画部の上端側に近接若しくは連結する横線部を設けて、配設させてもよい。
このような構成では、仮結合部の上端側の横線部では、前後両端が、区画部の上端側に近接若しくは連結されていることから、応力集中が生じ難く、安定して、仮結合部の下端側から、車内側・車外側壁部相互を分離させることができ、そして、仮結合部の全域の車内側・車外側壁部相互が分離すれば、前後の区画部に近接若しくは連結されていた仮結合部の前後に長い横線部の部位でも、壁部相互が分離されることから、一層、厚く膨張させることができて、クッション性を向上させることができる。
また、仮結合部が車内側・車外側壁部相互を結合する破断可能な糸を備えて構成されていれば、このような仮結合部は、車内側・車外側壁部相互を縫合して、形成したり、あるいは、縫合作業を行うことなく、車内側・車外側壁部自体を袋織りにより形成する経糸若しくは緯糸を他方側の車外側・車内側壁部に織り込む接結部、を設けるだけで、袋織り時に、簡単かつ容易に形成することができる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明すると、図1・2に示すように、実施形態の頭部保護エアバッグ20は、車両Vに搭載される頭部保護エアバッグ装置Mに使用されるものである。この頭部保護エアバッグ装置Mは、エアバッグ20と、インフレーター12と、取付ブラケット10・13と、エアバッグカバー8と、を備えて構成されている。そして、エアバッグ20は、車両Vの車内側におけるサイドウインドW1・W2の上縁側において、フロントピラー部FPの下縁側から、ルーフサイドレール部RRの下縁側を経て、リヤピラー部RPの上方側までの範囲に、折り畳まれて収納されている。
インフレーター12は、図1・2に示すように、略円柱状のシリンダタイプとして、エアバッグ20における膨張用ガスを流入させるための接続口部22が、外装され、クランプ15を利用して、エアバッグ20と連結されている。そして、インフレーター12は、取付ブラケット13を利用して、センターピラー部CPの上方付近におけるルーフサイドレール部RRのインナパネル2に、ルーフヘッドライニング5の下縁5aに覆われて、取付固定されている。なお、インナパネル2は、車両Vのボディ(車体)1側の部材である。また、取付ブラケット13は、板金製として、インフレーター12を保持し、取付ボルト14を利用して、インナパネル2に固定されている。
各取付ブラケット10は、二枚の板金製のプレートから構成され(図5参照)、エアバッグ20の各取付部34を挟むように、各取付部34に取り付けられ、取付ボルト11によって、各取付部34をインナパネル2に取付固定している。なお、各取付ボルト11は、ナット2bを設けてインナパネル2に形成された取付孔2aに、締結されている。
エアバッグカバー8は、フロントピラー部FPに配置されるピラーガーニッシュ4とルーフサイドレール部RRに配置されるルーフヘッドライニング5とのそれぞれの下縁4a・5a側から構成されている。なお、フロントピラーガーニッシュ4とルーフヘッドライニング5とは、合成樹脂製とし、フロントピラー部FPとルーフサイドレール部RRとにおいて、それぞれ、ボディ1のインナパネル2における車内側に、取付固定されている。また、ルーフヘッドライニング5は、フロントピラー部FPの上方付近から、センターピラー部CPの上方を経て、リヤピラー部RPの上方付近まで、配設されている。
エアバッグ20は、図1〜4に示すように、ポリアミド糸等を使用した袋織りにより製造されており、適宜、シリコンゴム等のガス漏れ防止用のコーティング層が外表面に設けられている。このエアバッグ20は、インフレーター12からの膨張用ガスGを流入させて、折り畳み状態から展開して、サイドウインドW1・W2やセンターピラー部CP・リヤピラー部RPのピラーガーニッシュ7・6の車内側を覆うように、展開膨張する。そして、エアバッグ20は、膨張用ガスGを流入させて車内側壁部21aと車外側壁部21bとを離すように膨らむガス流入部21と、膨張用ガスGを流入させない非流入部32と、を備えて構成されている。
非流入部32は、ガス流入部21の壁部21a・21b相互を結合させたように形成され、周縁部33、取付部34、区画部35・36、及び、板状部37、から構成されている。周縁部33は、エアバッグ20の外周縁の部位に配置されて、ガス流入部21の周囲を囲むように、形成されている。
取付部34は、エアバッグ20の上縁20a側における周縁部33から上方へ突出するように、複数(実施形態では7個)配置されて、インナパネル2に取り付けるための取付ブラケット10が固着されることとなる(図5参照)。各取付部34には、取付ボルト11を挿通させる取付孔34aが、開口されている。
板状部37は、長方形板状として、前後の前席用保護部25と後席用保護部26との間におけるガス供給路部23の下方に配設されている。この板状部37は、エアバッグ20の全体形状を確保するとともに、ガス流入部21の容積を小さくして、膨張完了までの時間を短くするために、配設されている。
区画部35は、板状部37の上縁側の前後両端から、前後方向の外側に延びるように、二つ形成され、それぞれ、ガス供給路部23と保護部25・26とを区画する部位としている。
区画部36は、それぞれ、各前席用・後席用保護部25・26の領域内に、周縁部32から離れて設けられたり、あるいは、区画部35・35の先端部35aから延びるように、設けられて、略上下方向に配設されている。これらの区画部36は、前席用・後席用保護部25・26を複数の縦セル24aに区画して、エアバッグ20の厚さを規制し、エアバッグ20を板状に膨張させることができるように、厚さ規制部として、配設されている。そして、区画部36で区画されて前後方向に並設された各縦セル24aは、膨張時に、エアバッグ20の前後方向の長さを短くして、膨張完了時のエアバッグ20の下縁20b側に、前後方向のテンションを生じさせることとなる。
ガス流入部21は、実施形態の場合、接続口部22、ガス供給路部23、及び、保護膨張部24、から構成されている。ガス供給路部23は、保護膨張部24より膨張用ガスGの上流側部位であって、エアバッグ20の上縁20a側で車両Vの前後方向に沿って、直線状に配設されている。ガス供給路部23の前後方向の略中間部位には、上方へ延びて、インフレーター12からの膨張用ガスGをガス流入部21内に流入させるための接続口部22が、形成されている。ガス供給路部23では、接続口部22から膨張用ガスGが流入すると、膨張用ガスGは、車両Vの前後方向両側に向かうように、流れることとなる。
保護膨張部24は、車両Vのシートに着座した乗員の頭部を保護するエリアであり、前席用保護部25と後席用保護部26とを備えて構成されている。前席用保護部25は、ガス供給路部23の前部側の下方に配置され、エアバッグ20の展開膨張時、車両Vの前席の側方に配置されて、前席側方のサイドウインドW1を覆うように膨張することとなる。後席用保護部26は、ガス供給路部23の後部側の下方に配置され、エアバッグ20の展開膨張時、車両Vの後席の側方に配置されて、後席側方のサイドウインドW2を覆うこととなる。そして、保護膨張部24は、厚さを規制する区画部36によって区画され、上下方向に棒状に延びるように膨張して、車両Vの前後方向に並設される複数の縦セル24a、を備えて構成され、前席用保護部25は、三つの縦セル24aを備えて構成され、後席用保護部26は、二つの縦セル24aを備えて構成されている。
そして、前席用保護部25の前後方向の中央と後席用保護部26の後端側の縦セル24amには、仮結合部28・29が、配設されている。これらの仮結合部28・29は、車内側・車外側壁部21a・21b相互を縫合して結合する縫合糸30により、形成されている。各仮結合部28・29は、略L字状に屈曲するように配設されて、上端28a・29a側を、区画部35の先端部35aに連結させるように、前後方向に沿う横線部28c・29cとし、また、下端28b・29b側を、セル24aの膨張時に応力集中が生じやすいように、上下方向に沿う縦線部28d・29dとして、区画部36の下端36a付近まで、直線状に延ばして、周縁部32に連結させないように、保護膨張部24の領域途中で止めている。なお、これらの仮結合部28・29は、縦セル24amを前後で二分するような位置に、配置されている。
なお、縫合糸30の破断強度は、セル24amの膨張時、直ちに破断される強度ではなく、各セル24aが展開を完了させた後における厚さの薄い状態の小セル27・27が内圧を上昇させた際に、破断するように、設定されている。小セル27・27は、セル24amを仮結合部28・29で前後に二分させた部位である。
そして、仮結合部28・29は、車内側・車外側壁部21a・21b相互を分離させる強度を、具体的には、150〜550Nの範囲内に設定して、下端28b・29b側から車内側・車外側壁部21a・21b相互を分離させるように、配設されている。
実施形態の場合、袋織りで形成した壁部21a・21bをサンプルとして部分的に取り出し、縫合糸30で、壁部21a・21b相互を重ねて直線状の縫合部位を形成し、その後、その縫合部位の延長上の壁部21a・21bの縁をそれぞれ把持して、壁部21a・21bの縁相互を、離すように、壁部21a・21bの直交方向に引き、その際の縫合糸30の破断荷重を、分離荷重とし、そして、その分離荷重が、150〜550Nの範囲内となるように、縫合糸30の引張強度と縫目のピッチ等を調整している。
このエアバッグ20を、車両Vに搭載するまでの工程を説明すると、まず、エアバッグ20を平らに展開させて、順次、山折りと谷折りとの折目C(図2の二点鎖線・図5参照)を付けて、エアバッグ20の下縁20b側を上縁20a側に接近させるように、蛇腹折りする。
そして、エアバッグ20を折り畳んだ後には、折り崩れ防止用の破断可能な図示しないテープにより、エアバッグ20の所定箇所をくるむとともに、インフレーター12・取付ブラケット10・13を取り付けて、エアバッグ組付体を形成する。
その後、各取付ブラケット10・13を、ボディ1側のインナパネル2の所定位置に配置させ、各取付孔34aを挿通させる等して、ボルト11・14止めし、各取付ブラケット10・13をインナパネル2に固定して、エアバッグ組付体をボディ1に取り付ける。ついで、インフレーター12に、所定のインフレーター作動用の制御装置から延びる図示しないリード線を結線し、フロントピラーガーニッシュ4やルーフヘッドライニング5をボディ1に取り付け、さらに、リヤピラーガーニッシュ6・センターピラーガーニッシュ7をボディ1に取り付ければ、エアバッグ装置Mを、車両Vに搭載することができる。
そして、エアバッグ装置Mの車両Vへの搭載後、インフレーター12が作動されれば、インフレーター12からの膨張用ガスGが、図2の二点鎖線に示すように、接続口部22からガス供給路部23に流入し、前後方向両側に向かって、ガス供給路部23を流れ、各縦セル24a内に供給されて、エアバッグ20の保護膨張部24が、折りを解消させつつ、膨張し始める。そして、エアバッグ20は、くるんでおいた図示しないテープを破断させ、さらに、フロントピラーガーニッシュ4やルーフヘッドライニング5の下縁4a・5a側のエアバッグカバー8を押し開いて、図1・5の二点鎖線に示すように、下方へ突出しつつ、サイドウインドW1・W2・センターピラー部CP・リヤピラー部RPの車内側Iを覆うように、大きく展開膨張することとなる。
この時、実施形態の頭部保護エアバッグ20では、図4のA・Bや図5・6に示すように、膨張初期に、仮結合部28・29が車内側・車外側壁部21a・21b相互を結合させた状態で、展開するため、保護膨張部24のセル24amは、小セル27・27を薄い状態として展開を完了させることとなって、膨張初期時の迅速な展開を確保することができる。
そして、保護膨張部24の展開完了後には、保護膨張部24の小セル27・27の内圧上昇に伴って、図7に示すように、縫合糸30が破断して、仮結合部28・29が車内側・車外側壁部21a・21b相互を分離させることから、図4のCや図8に示すように、保護膨張部24は、仮結合部28・29を配設させていたセル24amを、厚く膨らませることができて、クッション性良く、すなわち、十分な衝撃吸収ストロークを確保して、乗員を保護できる。
したがって、実施形態の頭部保護エアバッグ20では、セル24amの部位において、膨張初期における迅速な展開を確保でき、さらに、展開完了後には、クッション性良く、厚く膨張させることができて、乗員を効果的に保護することができる。
そして、仮結合部28・29は、保護膨張部24のセル24am内において、上下方向に沿うように配設させる縦線部28d・29dを備えて構成されて、下端28b・29b側から車内側・車外側壁部21a・21b相互を分離させるように、配設されている。そのため、図6〜8に示すように、仮結合部28・29の車内側・車外側壁部21a・21b相互の分離が、保護膨張部24の下部側から上部側に向かうように、なされる。すなわち、頭部保護エアバッグ20はサイドウインドW1・W2の上方から下方に展開する構成であって、仮に、仮結合部28・29の上端28a・29a側から車内側・車外側壁部21a・21b相互の結合が解除されれば、展開完了前に、保護膨張部24の上部側が厚くなり始めて、膨張用ガスGにおける保護膨張部24の下部側への到達が遅れ、保護膨張部24の迅速な展開完了が阻害されてしまう。しかし、上記のような構成では、仮結合部28・29の車内側・車外側壁部21a・21b相互の分離が、保護膨張部24の下部側から上部側に向かうように、なされることから、保護膨張部24の下部側への膨張用ガスGが十分到達している段階で、車内側・車外側壁部21a・21b相互の分離が開始されることとなって、保護膨張部24の迅速な展開を、安定して、確保できることとなる。
そして、実施形態では、仮結合部28・29における車内側・車外側壁部21a・21b相互を分離させる強度を、150〜550Nの範囲内に設定している。そのため、膨張用ガスGの熱や流速等の影響による仮結合部28・29の車内側・車外側壁部21a・21b相互の不必要な分離を防止でき、かつ、エアバッグ20の展開完了後に、安定して、車内側・車外側壁部21a・21b相互を分離させて、十分な衝撃吸収ストロークを確保できるように、すなわち、クッション性が良好になるように、エアバッグ20を厚く膨張させることができる。
ちなみに、仮結合部28・29の強度が、150N未満であれば、膨張用ガスGの熱等の影響によって、仮結合部28・29の上端28a・29a側の車内側・車外側壁部21a・21b相互が、直ちに、分離する虞れが生じて、狭いスペースでのエアバッグ20の展開完了に支障をきたし、また、仮結合部28・29の強度が、550Nを超えるほど大きければ、仮結合部28・29の下端28b・29b側における車内側・車外側壁部21a・21b相互の分離が遅れて、厚く膨張する時期が遅れ、クッション性良く乗員を保護する上で、好ましくない。
そしてまた、実施形態では、仮結合部28・29が、上端28a・29a側を、下端28b・29b側よりも応力集中の発生を抑え可能に、非流入部32の区画部35・35に連結させて、配設されている。そのため、エアバッグ20の膨張時、仮結合部28・29が、非流入部32の区画部35・35により、上端28a・29s側の応力集中が抑えられることから、下端28b・29b側から上端28a・29a側に向かうように、安定して、車内側・車外側壁部21a・21b相互を分離させることができる。
なお、仮結合部28・29の下端28b・29b側から、壁部21a・21b相互を分離させる場合には、上端28a・29aよりも下端28b・29bに応力集中が生じ易ければ、図9に示すエアバッグ20Aの仮結合部28A・29Aのように、上端28a・29a側を、非流入部32の区画部35・35の先端部35aに近接させて、若干離してもよい。
そして、実施形態や図9に示すエアバッグ20・20Aでは、仮結合部28・28A・29・29Aの上端28a・29a側が、非流入部32の略上下方向に配設された区画部36の上端36b(先端部35a)側に近接若しくは連結されて、仮結合部28・28A・29・29Aと区画部36とで囲まれて、仮結合部28・28A・29・29Aの車内側・車外側壁部21a・21bの分離後に厚く膨張する部位(小セル)27Bが、下部側に、膨張用ガスGのガス流入口27aを配設させる構成となる。そのため、仮結合部28・28A・29・29Aと区画部36とで囲まれた小セル27Bに対してガス流入口27aを介して連通する部位27Aが、先に展開を完了させることから、仮結合部28・28A・29・29Aと区画部36とで囲まれた小セル27Bを、殆ど膨らませない薄い状態で、展開を完了させることが可能となって、乗員頭部とサイドウインドW1・W2との間の隙間が極めて狭くとも、容易に、その狭いスペースに、小セル27Bを展開可能となる。
また、これらのエアバッグ20・20Aでは、上縁20a側に、流入する膨張用ガスGの上流側として、前後方向に沿うように、ガス供給路部23が、配設されており、保護膨張部24における仮結合部28・28A・29・29Aと前後方向で隣接し、かつ、仮結合部28・28A・29・29Aの非流入部32の区画部36に近接若しくは連結される側と反対側の部位(小セル)27Aは、上部側をガス供給路部23に連通させて、配設されている。そのため、このような構成では、エアバッグ20・20Aの膨張初期に、小セル27Aが、図4のAの二点鎖線に示すように、エアバッグ20・20Aの展開完了途中に厚さを増すように、膨張できることから、その部位27Aでの乗員の保護が可能となって、仮結合部28・28A・29・29Aの車内側・車外側壁部21a・21b相互の分離前でも、展開性能に影響を与えない範囲で、乗員の保護を図ることができる。
さらに、エアバッグ20・20Aでは、非流入部32における保護膨張部24を区画する区画部36が、略上下方向に配設されて、仮結合部28・28A・29・29Aは、上端28a・29a側の横線部28c・29cを、膨張用ガスGの上流側(接続口部22側)に向かうとともに膨張用ガスGの流れに沿うように屈曲させつつ、区画部36の上端36b側、すなわち、区画部35の先端部35a側に近接若しくは連結させて、配設している。そのため、このように構成されていれば、膨張初期の膨張用ガスGの流入時に、膨張用ガスGが、仮結合部28・28A・29・29Aの上端28a・29a側の横線部28c・29cに対して、直交方向に干渉し難く、膨張用ガスGの影響を受けずに、仮結合部28・28A・29・29Aの下端28b・29b側からの車内側・車外側壁部21a・21b相互の分離を、安定して、確保することができる。
特に、エアバッグ20Aでは、仮結合部28A・29Aの上端28a・29aが、前後方向に流れる膨張用ガスGが直接当たり難く、かつ、応力集中が生じ難いように、区画部35・35から若干下げて配置されており、一層、下端28b・29b側からの車内側・車外側壁部21a・21b相互の分離を、安定して確保することができる。
また、既述のエアバッグ20・20Aでは、仮結合部28・28A・29・29Aの下端28b・29bに応力集中が生じやすいように、下端28b・29b側を、エアバッグ20・20Aの下縁20b側の非流入部32としての周縁部33から離れた上方側に位置させ、直線状にして止めた場合を示したが、図10に示すエアバッグ20Bのように、仮結合部28B・29Bの下端28b・29b側を曲線状に曲げて、縫合糸30の破断時の強度を向上させ、仮結合部28B・29Bの下端28b・29b側からの車内側・車外側壁部21a・21b相互の分離するタイミングを、若干、遅らせるように、構成してもよい。
さらに、図11に示すエアバッグ20Cのように、仮結合部28C・29Cをセル24amの中に複数設けて、一層、仮結合部28C・29Cの壁部21a・21b相互の分離後におけるセル24amの厚さを厚く膨張させるように、構成してもよい。
さらにまた、図12に示すエアバッグ20Dのように、構成してもよい。このエアバッグ20Dは、前席用保護部25の領域内を区画するように配置されて、車内側壁部21aと車外側壁部21bとを連結している非流入部32の区画部39が、仮結合部28Dの前後と上方とを囲むように、略逆U字状に配設されている。そして、上下方向に配設される仮結合部28Dが、上端28aを、略逆U字状の区画部39における上部の横棒部位39aに近接若しくは連結させている。
このような構成のエアバッグ20Dでは、非流入部32における区画部39の横棒部位39aによって、仮結合部28Dの上端28a側が、エアバッグ20D内への流入当初の膨張用ガスGの熱等の影響を全く受けず、安定して、仮結合部28Dの下端28b側から、車内側・車外側壁部21a・21b相互を分離させることができる。横棒部位39aは、ガス供給路部23の下縁側に配設されて、ガス供給路部23と前席用保護部25とを区画している。
なお、この区画部39は、エアバッグ20Dの膨張時に板状に厚さを規制する上下方向の縦棒部位39b・39cと、横棒部位39aと、を備えて構成されるとともに、さらに後方側に、下方へ延びる厚さ規制用の逆L字状の区画部36を設けて、構成されている。
さらに、このエアバッグ20Dにおいても、二本の上下方向に延びる仮結合部28Dによって三つの小セル27が、配設されて、それらの部位への膨張用ガスGのガス流入口27aが、仮結合部28Dの下端28b側に配設されていることから、膨張初期時、それらの小セル27が、殆ど膨らまない薄い状態で、展開を完了させることが可能となって、乗員頭部とサイドウインドW1との間の隙間が極めて狭くとも、容易に、その狭いスペースに、小セル27を展開可能となる。特に、このエアバッグ20Dでは、小セル27・27・27の前後二箇所にガス流入口27aが配設されており、迅速な展開を確保できる。そして、このエアバッグ20Dでは、膨張完了時、前後方向に並設された複数(図例では三つ)の小セル27が、一体化されて膨張することから、その膨張部位で、クッション性良く、乗員頭部を保護することができる。
さらに、図13に示すエアバッグ20Eのように、構成してもよい。このエアバッグ20Eでは、前席用保護部25の領域内を区画するように配置されて、車内側壁部21aと車外側壁部21bとを連結している非流入部32が、仮結合部28Eの前後で略上下方向に配設される区画部36・41を配設させて、構成されている。区画部36は、実施形態のエアバッグ20の前席用保護部25に配設されたものと同様であり、区画部41は、逆U字状に形成されている。
そして、仮結合部28Eは、上下方向に配設されて、前後に並設される二本から構成され、上端28a側に、前後の区画部36・41の上端部36b・41aに近接若しくは連結させる横線部28cを、共用するように、配設させて、構成されている。この横線部28cは、ガス供給路部23の下縁側でガス供給路部23と平行として膨張用ガスGの流れに沿うように配設されて、ガス供給路部23と前席用保護部25とを区画している。
さらに、このエアバッグ20Eは、図14に示すように、車内側・車外側壁部21a・21b自体を袋織りにより形成する際の経糸若しくは緯糸SAを、他方側の車外側・車内側壁部21b・21aの緯糸若しくは経糸SBに織り込む接結部31、を設けて、これらの経糸若しくは緯糸SA・SBから、仮結合部28E・29Eを形成している。
このような構成のエアバッグ20Eでは、展開膨張時、前席用保護部25における仮結合部28Eの上端28a側の横線部28cでは、前後両端が、前後の区画部36・41の上端36b・41aに近接若しくは連結されていることから、応力集中が生じ難く、安定して、仮結合部28Eの下端28b側から、車内側・車外側壁部21a・21b相互を分離させることができ、そして、仮結合部28Eの全域の車内側・車外側壁部21a・21b相互が分離すれば、前後の区画部36・41に近接若しくは連結されていた仮結合部28Eの前後に長い横線部28cの部位でも、壁部21a・21b相互が分離されることから、一層、厚く膨張させることができて、クッション性を向上させることができる。
なお、実施形態のエアバッグ20では、エアバッグ20A・20B・20C・20Dを含めて、仮結合部28・28A・28B・28C・28D・29・29A・29B・29C・29Dが破断可能な糸30から形成されていることから、車内側・車外側壁部21a・21b相互を縫合するだけで、仮結合部28・28A・28B・28C・28D・29・29A・29B・29C・29Dを、簡単かつ容易に形成することができる。
一方、エアバッグ20Eでは、縫合することなく、車内側・車外側壁部21a・21b自体を袋織りにより形成する際の経糸若しくは緯糸SAを、他方側の車外側・車内側壁部21b・21a側の緯糸若しくは経糸SBに織り込む接結部31、を設けて、これらの経糸若しくは緯糸SA・SBから、袋織り時に、仮結合部28E・29Eを簡単かつ容易に形成している。
勿論、このような点を考慮しない場合には、図15に示すエアバッグ20Fのように、車内側・車外側壁部21a・21b相互を剥離可能な接着剤BCで接着させて、仮結合部28Fを形成してもよい。
なお、表1と図16とに、エアバッグ20Eの接結部31を設けた場合におけるピッチ、他方側に織り込む際に使用する糸SAの本数(列)、あるいは、織り込む側の糸SBの本数、を変更した場合の分離強度を計測したデータを示す。
Figure 2005119637
この計測は、袋織りで形成した壁部21a・21bに、所定の接結部を設けて直線状の仮結合部を形成し、その部位をサンプルとして部分的に取り出し、直線状の仮結合部の延長上の壁部21a・21bの縁をそれぞれ把持して、壁部21a・21bの縁相互を、離すように、壁部21a・21bの直交方向に引き、その際の壁部21a・21bが分離した際の引張荷重を測定し、その荷重を分離強度として、記載した。
また、表1における左欄における列の後の数値は、列の間の距離であり、例えば、2列―2mmとは、接結部31を設けた糸SAを、2列として(2本使用して)、その糸SA相互の間の距離を2mmとしていることを表している。さらに、上欄における1/1とは、1本の糸SAを1本の糸SBに織り込んで1つの接結部31を形成していることを示し、2/2とは、隣り合う2本の糸SAを2本の糸SBに織り込んで1つの接結部31を形成していることを示し、さらに、3/3とは、3本の糸SAを3本の糸SBに織り込んで1つの接結部31を形成していることを示しており、そして、その後の数値は、糸SAに沿った接結部31のピッチである。
また、糸SA・SB自体の破断強度は、20〜50N/本としている。
さらに、図16のグラフ図は、表1の(a)〜(k)に表したデータをグラフ化したものである。
このデータから解るように、1/1の6mmピッチ、9mmピッチ、12mmピッチとして、接結部31を設けた仮結合部では、接結部31のピッチが大きすぎて、分離強度を150N未満としてしまい、膨張用ガスの熱等の影響を受けることから好ましくなく、また、3/3の3mmピッチの接結部31を、4mmの間隔で、3列設けた仮結合部では、550N以上の640Nの分離強度としており、エアバッグの車内側・車外側壁部相互の分離が遅れ、膨張完了が遅れる事態を招いてしまうことから、好ましくない。
そして、これらのデータから、袋織り時の接結部で形成する仮結合部では、3本以下の糸を他側の糸に織り込む接結部であれば、接結部のピッチは、1〜4mmの範囲が望ましく、3本の糸を他側に織り込む場合には、2列が限度となり、1本の糸を他側に織り込む場合には、3列でもよいことが解る。
本発明の一実施形態のエアバッグが使用される頭部保護エアバッグ装置の車両搭載状態を示す概略正面図である。 実施形態のエアバッグの正面図である。 実施形態のエアバッグにおける膨張時の部分縦断面図であり、図2のIII−III部位に対応する。 実施形態のエアバッグのおける膨張時の状態を順に示す部分横断面図であり、図2のIV−IV部位に対応する。 図1のV−V部位の概略縦断面図である。 仮結合部付近におけるエアバッグの膨張途中を示す概略図である。 仮結合部付近におけるエアバッグの膨張途中を示す概略図であり、図6の後の状態を示す。 仮結合部付近におけるエアバッグの膨張完了状態を示す概略図である。 他の実施形態のエアバッグの正面図である。 さらに他の実施形態のエアバッグの正面図である。 さらに他の実施形態のエアバッグの正面図である。 さらに他の実施形態のエアバッグの正面図である。 さらに他の実施形態のエアバッグの正面図である。 図13に示すエアバッグの接結部を示す拡大概略図である。 さらに他の実施形態のエアバッグの膨張途中を示す概略断面図である。 袋織りで形成したエアバッグの分離強度を計測した際のグラフ図である。
符号の説明
20・20A・20B・20C・20D・20E・20F…エアバッグ、
21a…車内側壁部、
21b…車外側壁部、
24…保護膨張部、
24a・27…セル、
27・27A・27B…小セル、
27a…ガス流入口、
28・28A・28B・28C・28D・28E・28F・29・29A・29B・29C・29D・29E…仮結合部、
28a・29a…上端、
28b・29b…下端、
28c・29c…横線部、
28d・29d…縦線部、
30…縫合糸、
32…非流入部、
35・36・39・41…区画部、
36b・41a…上端、
V…車両、
W1・W2…サイドウインド、
G…膨張用ガス、
M…頭部保護エアバッグ装置。

Claims (11)

  1. 車内側壁部と車外側壁部との間に流入する膨張用ガスによって膨張しつつ、折り畳まれて収納された車両のサイドウインドの上方側から展開して、乗員頭部の側方に保護膨張部を配置させる構成の頭部保護エアバッグであって、
    前記保護膨張部に、前記車内側・車外側壁部相互を結合して、展開完了後の前記保護膨張部の内圧上昇時に前記車内側・車外側壁部相互を分離させる仮結合部が、配設されていることを特徴とする頭部保護エアバッグ。
  2. 前記仮結合部が、略上下方向に沿うように配設される部位を備えて、下端側から前記車内側・車外側壁部相互を分離させるように、配設されていることを特徴とする請求項1に記載の頭部保護エアバッグ。
  3. 前記仮結合部が、前記車内側・車外側壁部相互を分離させる強度を、150〜550Nの範囲内に設定して、下端側から前記車内側・車外側壁部相互を分離させるように、配設されていることを特徴とする請求項2に記載の頭部保護エアバッグ。
  4. 前記車内側・車外側壁部相互を分離不能に結合させて膨張用ガスを流入させない非流入部を、備え、
    前記仮結合部が、上端側を、下端側よりも応力集中の発生を抑え可能に、前記非流入部に近接若しくは連結させて、配設されていることを特徴とする請求項2若しくは請求項3に記載の頭部保護エアバッグ。
  5. 前記エアバッグの上縁側に、流入する膨張用ガスの上流側として、前後方向に沿うように、ガス供給路部が、配設され、
    前記保護膨張部における前記仮結合部と前後方向で隣接し、かつ、前記仮結合部の前記非流入部に近接若しくは連結される側と反対側の部位が、上部側を前記ガス供給路部に連通させて、配設されていることを特徴とする請求項4に記載の頭部保護エアバッグ。
  6. 前記非流入部が、略上下方向に配設されて前記保護膨張部を区画する区画部を備え、
    前記仮結合部が、上端側を、膨張用ガスの上流側に向かうとともに膨張用ガスの流れに沿うように屈曲させつつ、前記区画部の上端側に近接若しくは連結させて、配設されていることを特徴とする請求項4に記載の頭部保護エアバッグ。
  7. 前記非流入部が、前記仮結合部の前後と上方とを囲むように、略逆U字状に配設されて、前記保護膨張部を区画する区画部を備え、
    前記仮結合部の上端が、略逆U字状の前記区画部における上部の横棒部位に近接若しくは連結されていることを特徴とする請求項4に記載の頭部保護エアバッグ。
  8. 前記非流入部が、前記仮結合部の前後で、略上下方向に配設されて、前記保護膨張部を区画する区画部を備え、
    前記仮結合部が、上端側に、前後の前記区画部の上端側に近接若しくは連結される横線部を備えて、配設されていることを特徴とする請求項4に記載の頭部保護エアバッグ。
  9. 前記仮結合部が、前記車内側・車外側壁部相互を結合する破断可能な糸を備えて、構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の頭部保護エアバッグ。
  10. 前記車内側・車外側壁部相互を結合する破断可能な糸が、前記車内側・車外側壁部相互を縫合する縫合糸から、構成されていることを特徴とする請求項9に記載の頭部保護エアバッグ。
  11. 前記エアバッグが、袋織りによって形成されて、
    前記車内側・車外側壁部相互を結合する破断可能な糸が、前記車内側壁部若しくは前記車外側壁部の少なくとも一方側から他方側に延びて織り込まれる袋織りの経糸若しくは緯糸から、構成されていることを特徴とする請求項9に記載の頭部保護エアバッグ。
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