JP2005119638A - 頭部保護エアバッグ - Google Patents

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Abstract

【課題】乗員頭部の車内外方向の配置位置に応じて、展開と膨張との挙動を調整できて、乗員頭部を効果的に保護可能な頭部保護エアバッグを提供すること。
【解決手段】頭部保護エアバッグ20は、車内側・車外側壁部21a・21b間に流入する膨張用ガスGによって膨張しつつ、サイドウインドW1の上方側から展開して、乗員頭部Hの側方に保護膨張部24を配置させる。保護膨張部の乗員頭部Hとの接触予定部27には、壁部21a・21bを分離可能に結合し、略上下方向に配設される仮結合部31が、配設される。接触予定部27の前後には、ガスの流入当初に、接触予定部の展開を完了可能にガスを上方から下方に流す縦流路が配設される。仮結合部31の分離前における接触予定部27の乗員頭部Hとの接触時、縦流路下部29aからのガスGの流入による膨張に伴って、仮結合部31は、下端31b側から壁部21a・21b相互を分離させる。
【選択図】図11

Description

本発明は、車両のサイドウインドの上縁側から、膨張用ガスを流入させて下方に展開膨張し、乗員の頭部を保護可能な頭部保護エアバッグに関する。
従来、頭部保護エアバッグでは、薄い状態で展開させた後、その部位を厚く膨張させるものがあった(例えば、特許文献1参照)。このエアバッグは、ピラー部の車内側を覆う保護膨張部が、下端側に膨張用ガスを流入させる流入口を配置させて、配設されており、エアバッグの膨張初期、ピラー部の車内側を覆う保護膨張部(ピラー膨張部とする)における左右両側の部位に、まず、膨張用ガスを流入させて、ピラー膨張部を薄い状態で展開させ、ピラー膨張部の展開完了後に、下端側の流入口から膨張用ガスを流入させて、ピラー膨張部を厚く膨らませていた。
特開2003−11767公報
しかし、従来の頭部保護エアバッグでは、膨張初期に、薄い状態で展開を完了させることができるものの、膨張完了時におけるピラー膨張部等の厚く膨張させる必要のある部位のクッション性を向上させる点で、改善の余地があった。
さらに、乗員の頭部側方におけるサイドウインド等とのスペースが大きければ、薄い状態で、展開を完了させる必要がなく、迅速に厚く膨張させて、乗員頭部との干渉に備えることが好ましいことから、乗員の頭部の車内外方向に沿う配置位置に応じて、エアバッグの膨張形態を対処させる点にも、改善の余地があった。
本発明は、上述の課題を解決するものであり、乗員頭部の車内外方向の配置位置に応じて、展開と膨張との挙動を調整できて、乗員頭部を効果的に保護可能な頭部保護エアバッグを提供することを目的とする。
本発明に係る頭部保護エアバッグは、車内側壁部と車外側壁部との間に流入する膨張用ガスによって膨張しつつ、折り畳まれて収納された車両のサイドウインドの上方側から展開して、乗員頭部の側方に保護膨張部を配置させる構成の頭部保護エアバッグであって、
保護膨張部における乗員頭部との接触予定部に、車内側・車外側壁部相互を結合し、かつ、保護膨張部の膨張に伴う車内側・車外側壁部相互の離隔方向への引張力の発生時に、車内側・車外側壁部相互を分離可能とし、略上下方向に沿うように配設される部位を備えてなる仮結合部が、配設され、
接触予定部の前方側若しくは後方側の少なくとも一方に、膨張用ガスの流入当初に、接触予定部の展開を完了可能に膨張用ガスを上方から下方に流す縦流路が配設され、
仮結合部の車内側・車外側壁部相互の分離前における接触予定部の乗員頭部との接触時に、縦流路下部からの膨張用ガスの流入による膨張に伴って、接触予定部の仮結合部が、下端側から車内側・車外側壁部相互を分離させるように、構成されていることを特徴とする。
本発明に係る頭部保護エアバッグでは、膨張初期における膨張用ガスの流入当初、乗員頭部が、車内の車外側方向に位置して、サイドウインドに接近していても、縦流路への膨張用ガスの流入により、保護膨張部の接触予定部が展開を完了させることが可能となる。さらに、この時、仮結合部も、縦流路下部からの膨張用ガスの流入による膨張に伴って、接触予定部の仮結合部が、下端側から車内側・車外側壁部相互を分離させるように、構成されていることから、接触予定部の展開完了までは、車内側・車外側壁部相互を分離させず、接触予定部は、薄い状態を維持して、展開することから、乗員頭部がサイドウインドに接近していても、その狭いスペースに容易に侵入して、展開を完了させることとなる。
そして、接触予定部の展開完了後には、縦流路の下部側からの膨張用ガスの流入に伴って、接触予定部が下部側から膨らみ、接触予定部の車内側・車外側壁部に十分な張力が発生すれば、仮結合部の車内側・車外側壁部相互が下端側から分離されて、仮結合部を配設させていた接触予定部は、厚く膨らむこととなる。この膨張時には、接近していた乗員頭部を、車内側へ押し戻すように、移動させて、クッション性良く、保護することとなる。
一方、乗員頭部が、車内側方向に位置して、サイドウインドから離れている場合には、本発明に係る頭部保護エアバッグでは、膨張用ガスを流入させて、展開を円滑に完了させ、かつ、膨張用ガスを保護膨張部の各部位に円滑かつ迅速に流すことができる。そのため、保護膨張部の全域が、迅速に、膨張して、車内側・車外側壁部相互の離隔方向への引張力を発生させることから、接触予定部における仮結合部の車内側・車外側壁部相互も円滑かつ迅速に分離されて、仮結合部を配設させていた接触予定部が、直ちに厚く膨らみ、その後に接触予定部に接近するように移動してくる乗員頭部と接触しても、クッション性良く、すなわち、十分な衝撃吸収ストロークを確保して、乗員頭部を保護できる。
したがって、本発明に係る頭部保護エアバッグでは、乗員頭部の車内外方向の配置位置に応じて、展開と膨張との挙動を調整できて、乗員頭部をクッション性良く効果的に保護することができる。
そして、仮結合部の車内側・車外側壁部相互の分離直前における仮結合部の前後両側の膨張部位の厚さは、30〜75mmとして、接触予定部を構成することが望ましい。車内側・車外側壁部相互の分離直前における仮結合部の前後両側の膨張部位の厚さが、75mmを越えていれば、仮結合部の前後両側の部位が、膨張しつつ下方へ展開するような場合、展開途中で、接近している乗員頭部に対して、干渉する虞れが生じて、接触予定部の展開完了を阻害し、また、仮結合部の前後両側の部位が、分離前の膨張時の厚さを、30mm以上、確保していれば、膨張しつつ展開する際、展開完了を阻害することなく、かつ、展開完了付近から仮結合部の分離直前まで、乗員頭部を保護することが可能となるからである。
さらに、仮結合部は、車内側・車外側壁部相互を分離させる強度を、50〜500Nの範囲内に設定して、配設することが好ましい。
このように構成されていれば、膨張用ガスの熱や流速等の影響による車内側・車外側壁部相互の不必要な分離を防止でき、かつ、接触予定部の展開完了後に、安定して、車内側・車外側壁部相互を分離させて、十分な衝撃吸収ストロークを確保できるように、すなわち、クッション性が良好になるように、接触予定部を厚く膨張させることができる。ちなみに、仮結合部の分離強度は、乗員頭部がサイドウインドから離れている場合には、低くとも、支障はないが、乗員頭部がサイドウインドに接近している場合には、接触予定部が乗員頭部に接近しつつ展開を完了させることとなって、その場合、仮結合部の分離強度が、50N未満であれば、膨張用ガスの熱や流速等の影響によって、仮結合部の上端側の車内側・車外側壁部相互が直ちに分離し、接触予定部の上部が膨らむことから、接触予定部の展開を阻害する虞れが生じ、また、仮結合部の分離強度が、500Nを超えるほど高ければ、仮結合部の下端側における車内側・車外側壁部相互の分離が遅れて、接触予定部に接触している乗員頭部を車内側に押し戻すように接触予定部を厚く膨張させる時期が、遅れ、車外側方向へ移動する乗員頭部を保護する上で、好ましくないからである。
そして、車内側・車外側壁部相互を分離不能に結合させるとともに、膨張用ガスを流入させない非流入部を、設ける場合には、非流入部として、保護膨張部の領域内を区画する区画部を設け、区画部に、仮結合部の上端側より膨張用ガスの上流側に配置させて、仮結合部の上端側を、流入当初の膨張用ガスから保護可能なカバー部、を設けて構成してもよい。
このような構成では、仮結合部の上端側が、区画部のカバー部によって、膨張用ガスから保護されることとなって、一層、仮結合部の下端側からの車内側・車外側壁部相互の分離を、安定して、確保することができる。
なお、仮結合部を、車内側・車外側壁部相互を結合する破断可能な糸を利用して形成する場合には、このような仮結合部は、車内側・車外側壁部相互を縫合して、形成したり、あるいは、縫合作業を行うことなく、車内側・車外側壁部自体を袋織りにより形成する経糸若しくは緯糸を他方側の車外側・車内側壁部に織り込む接結部、を設けるだけで、袋織り時に、簡単かつ容易に形成することができる。勿論、このような点を考慮しない場合には、車内側・車外側壁部相互を剥離可能な接着剤で接着させて、仮結合部を形成してもよい。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明すると、図1・2に示すように、実施形態の頭部保護エアバッグ20は、車両Vに搭載される頭部保護エアバッグ装置Mに使用されるものである。この頭部保護エアバッグ装置Mは、エアバッグ20と、インフレーター12と、取付ブラケット10・13と、エアバッグカバー8と、を備えて構成されている。そして、エアバッグ20は、車両Vの車内側におけるサイドウインドW1・W2の上縁側において、フロントピラー部FPの下縁側から、ルーフサイドレール部RRの下縁側を経て、リヤピラー部RPの上方側までの範囲に、折り畳まれて収納されている。
インフレーター12は、図1・2に示すように、略円柱状のシリンダタイプとして、エアバッグ20における膨張用ガスを流入させるための接続口部22が、外装され、クランプ15を利用して、エアバッグ20と連結されている。そして、インフレーター12は、取付ブラケット13を利用して、センターピラー部CPの上方付近におけるルーフサイドレール部RRのインナパネル2に、ルーフヘッドライニング5の下縁5aに覆われて、取付固定されている。なお、インナパネル2は、車両Vのボディ(車体)1側の部材である。また、取付ブラケット13は、板金製として、インフレーター12を保持し、取付ボルト14を利用して、インナパネル2に固定されている。
各取付ブラケット10は、二枚の板金製のプレートから構成され(図6・18参照)、エアバッグ20の各取付部37を挟むように、各取付部37に取り付けられ、取付ボルト11によって、各取付部37をインナパネル2に取付固定している。なお、各取付ボルト11は、ナット2bを設けてインナパネル2に形成された取付孔2aに、締結されている。
エアバッグカバー8は、フロントピラー部FPに配置されるピラーガーニッシュ4とルーフサイドレール部RRに配置されるルーフヘッドライニング5とのそれぞれの下縁4a・5a側から構成されている。なお、フロントピラーガーニッシュ4とルーフヘッドライニング5とは、合成樹脂製とし、フロントピラー部FPとルーフサイドレール部RRとにおいて、それぞれ、ボディ1のインナパネル2における車内側に、取付固定されている。また、ルーフヘッドライニング5は、フロントピラー部FPの上方付近から、センターピラー部CPの上方を経て、リヤピラー部RPの上方付近まで、配設されている。
エアバッグ20は、図1〜5に示すように、ポリアミド糸等を使用した袋織りにより製造されている。なお、実施形態のエアバッグ20では、通常設けられているシリコンゴム等のガス漏れ防止用のコーティング層が外表面に設けられていないが、適宜、ガス漏れ防止用のコーティング層を設けてもよい。このエアバッグ20は、インフレーター12からの膨張用ガスGを流入させて、折り畳み状態から展開して、サイドウインドW1・W2やセンターピラー部CP・リヤピラー部RPのピラーガーニッシュ7・6の車内側を覆うように、展開膨張する。そして、エアバッグ20は、膨張用ガスGを流入させて車内側壁部21aと車外側壁部21bとを離すように膨らむガス流入部21と、膨張用ガスGを流入させない非流入部35と、を備えて構成されている。
非流入部35は、ガス流入部21の壁部21a・21b相互を結合させたように形成され、周縁部36、取付部37、区画部38・39、及び、板状部40、から構成されている。周縁部36は、エアバッグ20の外周縁の部位に配置されて、ガス流入部21の周囲を囲むように、形成されている。
取付部37は、エアバッグ20の上縁20a側における周縁部36から上方へ突出するように、複数(実施形態では7個)配置されて、インナパネル2に取り付けるための取付ブラケット10が固着されることとなる(図6・18参照)。各取付部37には、取付ボルト11を挿通させる取付孔37aが、開口されている。
板状部40は、長方形板状として、前後の前席用保護部25と後席用保護部26との間におけるガス供給路部23の下方に配設されている。この板状部40は、エアバッグ20の全体形状を確保するとともに、ガス流入部21の容積を小さくして、膨張完了までの時間を短くするために、配設されている。
区画部38は、ガス供給路部23と保護部25・26とを区画する部位として、ガス供給路部23に沿って前後方向に沿うように、前席用保護部25と後席用保護部26とに、それぞれ、配設されている。
区画部39は、各前席用・後席用保護部25・26の領域内に、略上下方向に配設されて、保護部25・26を複数の縦セル24aに区画して、膨張完了時のエアバッグ20の厚さを規制し、エアバッグ20を板状に膨張させることができるように、厚さ規制部として、配設されている。実施形態の場合、前席用保護部25の領域内では、区画部38の前端付近から下方に延びる区画部39Aと、区画部38の後部側から下方に延びる2本の区画部39B・39Cと、を配設させており、後席用保護部26の領域内では、区画部38の前後方向の中間から1本の区画部39を下方に延ばすように、配設させている。そして、区画部39で区画されて前後方向に並設された各縦セル24aは、膨張時に、エアバッグ20の前後方向の長さを短くして、膨張完了時のエアバッグ20の下縁20b側に、前後方向のテンションを生じさせることとなる。
ガス流入部21は、実施形態の場合、接続口部22、ガス供給路部23、及び、保護膨張部24、から構成されている。ガス供給路部23は、保護膨張部24より膨張用ガスGの上流側部位であって、エアバッグ20の上縁20a側で車両Vの前後方向に沿って、直線状に配設されている。ガス供給路部23の前後方向の略中間部位には、上方へ延びて、インフレーター12からの膨張用ガスGをガス流入部21内に流入させるための接続口部22が、形成されている。ガス供給路部23では、接続口部22から膨張用ガスGが流入すると、膨張用ガスGは、車両Vの前後方向両側に向かうように、流れることとなる。
保護膨張部24は、車両Vのシートに着座した乗員の頭部を保護するエリアであり、前席用保護部25と後席用保護部26とを備えて構成されている。前席用保護部25は、ガス供給路部23の前部側の下方に配置され、エアバッグ20の展開膨張時、車両Vの前席の側方に配置されて、前席側方のサイドウインドW1を覆うように膨張することとなる。後席用保護部26は、ガス供給路部23の後部側の下方に配置され、エアバッグ20の展開膨張時、車両Vの後席の側方に配置されて、後席側方のサイドウインドW2を覆うこととなる。そして、保護膨張部24は、厚さを規制する区画部39によって区画され、上下方向に棒状に延びるように膨張して、車両Vの前後方向に並設される複数の縦セル24a、を備えて構成され、前席用保護部25は、四つの縦セル24aを備えて構成され、後席用保護部26は、二つの縦セル24aを備えて構成されている。
これらの縦セル24aのうち、前席用保護部25では、区画部38と前後の区画部39A・39Bとで囲まれる縦セル24aを、前席に着座した乗員Cの頭部Hと接触して、前席の乗員Cの頭部Hを保護する接触予定部27とし、後席用保護部26では、区画部39とエアバッグ20の後縁20c側の周縁部36との間の縦セル24aを、後席に着座した乗員Cの頭部Hと接触して、後席の乗員Cの頭部Hを保護する接触予定部27としている。これらの接触予定部27には、仮結合部31・32が、配設されている。これらの仮結合部31・32は、車内側・車外側壁部21a・21b相互を縫合して結合する縫合糸33により、形成されている。仮結合部31は、前席用保護部25に、上下方向に沿うような縦線部31cとして、二本配設され、それぞれ、上端31aを区画部38に連結させている。仮結合部32は、後席用保護部26に、略上下方向に沿うように配設させる二本から構成され、前部側の仮結合部32が、上端32aを区画部38の後端に接続させて、下端32b側を直線状に下方に延ばして配設される縦線部32cだけで構成され、後部側の仮結合部32が、上端32aを区画部38の後端に接続させて、下端32b側を湾曲させて、下方に延ばして配設されている。すなわち、後部側の仮結合部32は、区画部38から後方へ延びる横線部32cと、横線部32cの湾曲した後端側から下方に直線状に延びる縦線部32dと、から構成されている。
そして、各仮結合部31・32は、壁部21a・21bに張力が発生した際に、下端31b・32b側が、上端31a・32a側より、応力集中を生じさせ易くなって、下端31b・32b側から壁部21a・21b相互を分離できるように、各下端31b・32b側を、区画部39の下端39a付近まで、直線状に延ばして、周縁部36に連結させないように、保護膨張部24の領域途中で止め、そして、上端31a・32a側を、非流入部35としての区画部38に連結させている。
なお、縫合糸33の破断強度は、接触予定部27の膨張時、直ちに破断される強度ではなく、各接触予定部27が展開を完了させた後における厚さの薄い状態の小セル28が内圧を上昇させて膨らみ、接触予定部27の車内側壁部21aと車外側壁部21bとが相互の離隔方向に所定の引張力が発生した際に、破断するように、設定されている。
なお、小セル28は、仮結合部31・32で前後に分割された膨張部位である。これらの小セル28は、仮結合部31・32の分離直前の厚さTを、30〜75mmの範囲内として、形成されている。実施形態の場合、厚さTは、50mmとしている。
そして、仮結合部31・32は、車内側・車外側壁部21a・21b相互を分離させる強度を、具体的には、50〜500Nの範囲内に設定して、下端31b・32b側から車内側・車外側壁部21a・21b相互を分離させるように、配設されている。
実施形態の場合、袋織りで形成した壁部21a・21bをサンプルとして部分的に取り出し、縫合糸33で、壁部21a・21b相互を重ねて直線状の縫合部位を形成し、その後、その縫合部位の延長上の壁部21a・21bの縁をそれぞれ把持して、壁部21a・21bの縁相互を、離すように、壁部21a・21bの直交方向に引き、その際の縫合糸33の破断荷重を、分離荷重とし、そして、その分離荷重が、50〜500Nの範囲内となるように、縫合糸33の引張強度と縫目のピッチ等を調整している。
そしてまた、実施形態のエアバッグ20では、前席用保護部25の接触予定部27の前方側と後方側とに、膨張用ガスGの流入当初に、接触予定部27の展開を完了可能に膨張用ガスGを上方から下方に流す縦流路29(29A・29B)が配設されている。また、後席用保護部26の接触予定部27の前方側と後方側とにも、膨張用ガスの流入当初に、接触予定部27の展開を完了可能に膨張用ガスGを上方から下方に流す縦流路29(29C・29D)が配設されている。前席用膨張部25側の縦流路29Aは、区画部39Aの前方側における区画部39Aと周縁部36との間の縦セル24aから構成され、縦流路29Bは、区画部39Cの後方側における板状部40との間の縦セル24aから構成されている。後席用膨張部26側の縦流路29Cは、区画部39の前方側における区画部39と板状部40との間の縦セル24aから構成され、縦流路29Dは、後方側の仮結合部32Bのさらにその後方側の小セル28自体から、構成されている。これらの縦流路29は、接触予定部27より、膨張用ガスGの流れの上流側となるように配設されており、下部が、接触予定部27への膨張用ガスGの流入用のガス流入口29aとなる。なお、後席用保護部26では、後端側の小セル28が縦流路29Dと兼用されており、その下部側のガス流入口29aが、後端側の仮結合部32の下端32bとエアバッグ下縁20b側の周縁部36との間に、配設されることとなる。
このエアバッグ20を、車両Vに搭載するまでの工程を説明すると、まず、エアバッグ20を平らに展開させて、順次、山折りと谷折りとの折目D(図2の二点鎖線・図6参照)を付けて、エアバッグ20の下縁20b側を上縁20a側に接近させるように、蛇腹折りする。
そして、エアバッグ20を折り畳んだ後には、折り崩れ防止用の破断可能な図示しないテープにより、エアバッグ20の所定箇所をくるむとともに、インフレーター12・取付ブラケット10・13を取り付けて、エアバッグ組付体を形成する。
その後、各取付ブラケット10・13を、ボディ1側のインナパネル2の所定位置に配置させ、各取付孔37aを挿通させる等して、ボルト11・14止めし、各取付ブラケット10・13をインナパネル2に固定して、エアバッグ組付体をボディ1に取り付ける。ついで、インフレーター12に、所定のインフレーター作動用の制御装置から延びる図示しないリード線を結線し、フロントピラーガーニッシュ4やルーフヘッドライニング5をボディ1に取り付け、さらに、リヤピラーガーニッシュ6・センターピラーガーニッシュ7をボディ1に取り付ければ、エアバッグ装置Mを、車両Vに搭載することができる。
そして、エアバッグ装置Mの車両Vへの搭載後、インフレーター12が作動されれば、インフレーター12からの膨張用ガスGが、図2の二点鎖線に示すように、接続口部22からガス供給路部23に流入し、前後方向両側に向かって、ガス供給路部23を流れ、さらに、各縦流路29内に供給されて、エアバッグ20の保護膨張部24が、折りを解消させつつ、展開し、さらに、膨張し始める。そして、エアバッグ20は、くるんでおいた図示しないテープを破断させ、さらに、フロントピラーガーニッシュ4やルーフヘッドライニング5の下縁4a・5a側のエアバッグカバー8を押し開いて、図1・6の二点鎖線に示すように、下方へ突出しつつ、サイドウインドW1・W2・センターピラー部CP・リヤピラー部RPの車内側Iを覆うように、大きく展開膨張することとなる。
この時、図6・7に示すように、乗員頭部Hが、車内側I方向に位置して、サイドウインドW1・W2から離れている場合には、実施形態のエアバッグ20では、膨張用ガスGを流入させて、展開を円滑に完了させ、かつ、膨張用ガスGを保護膨張部24の各部位に円滑かつ迅速に流すことができる。そのため、図8・9に示すように、保護膨張部24の全域が、迅速に、膨張して、車内側・車外側壁部21a・21b相互の離隔方向への引張力を発生させることから、接触予定部27における仮結合部31・32の車内側・車外側壁部21a・21b相互も円滑かつ迅速に分離されて、仮結合部31・32を配設させていた接触予定部27が、直ちに厚く膨らみ、その後に接触予定部27に接近するように移動してくる乗員頭部Hと接触しても、クッション性良く、すなわち、十分な衝撃吸収ストロークを確保して、乗員頭部Hを保護できる。
一方、膨張初期における膨張用ガスGの流入当初、図10のA・Bに示すように、乗員頭部Hが、車内側における車外側O方向に位置して、サイドウインドW1・W2に接近していても、縦流路29への膨張用ガスGの流入により、保護膨張部24の接触予定部27が展開を完了させることが可能となる。そして、仮結合部31・32自体は、縦流路29の下部側におけるガス流入口29aからの膨張用ガスGの流入による膨張に伴って、下端31b・32b側から車内側・車外側壁部21a・21b相互を分離させるように、構成されていることから、接触予定部27の展開完了までは、車内側・車外側壁部21a・21b相互を分離させず(図4のA・B・図5のA・B参照)、その結果、接触予定部27は、薄い状態を維持して、展開し、乗員頭部HがサイドウインドW1・W2に接近していても、その狭いスペースに容易に侵入して、展開を完了させることとなる。
そして、接触予定部27の展開完了後には、図11のAに示すように、縦流路29の下部側のガス流入口29aからの膨張用ガスGの流入に伴って、接触予定部27が下部側から膨らみ(図4のC・図5のC参照)、接触予定部27の車内側・車外側壁部21a・21bに十分な張力が発生すれば、図11のBに示すように、仮結合部31・32の車内側・車外側壁部21a・21b相互が下端31b・32b側から分離されて(図4のD・図5のD参照)、仮結合部31・32を配設させていた接触予定部27は、厚く膨らむこととなる。この膨張時には、接近していた乗員頭部Hを、車内側Iへ押し戻すように、移動させて、クッション性良く、保護することとなる。
したがって、実施形態の頭部保護エアバッグ20では、乗員頭部Hの車内外方向の配置位置に応じて、展開と膨張との挙動を調整できて、乗員頭部Hをクッション性良く効果的に保護することができる。
そしてまた、実施形態のエアバッグ20では、仮結合部31・32の車内側・車外側壁部21a・21b相互の分離直前における仮結合部31・32の前後両側の膨張部位(小セル)28の厚さを、30〜75mmの範囲内の50mmとしており、仮結合部31・32の分離前において、接触予定部27の展開を阻害することなく、乗員頭部Hの保護を図ることができる。すなわち、仮結合部31・32の車内側・車外側壁部21a・21b相互の分離直前における小セル28の厚さTが、75mmを越えていれば、小セル28が、膨張しつつ下方へ展開するような場合、展開途中で、接近している乗員頭部Hに対して、干渉する虞れが生じて、接触予定部27の展開完了を阻害し、また、小セル28が、分離前の膨張時の厚さTを、30mm以上、確保していれば、膨張しつつ展開する際、展開完了を阻害することなく、かつ、展開完了付近から仮結合部31・32の分離直前まで、乗員頭部Hを保護することが可能となるからである。
さらに、実施形態のエアバッグ20では、仮結合部31・32が、車内側・車外側壁部21a・21b相互を分離させる強度を、50〜500Nの範囲内に設定して、配設されている。そのため、エアバッグ20は、膨張用ガスGの熱や流速等の影響による車内側・車外側壁部21a・21b相互の不必要な分離を防止でき、かつ、接触予定部27の展開完了後に、安定して、車内側・車外側壁部21a・21b相互を分離させて、十分な衝撃吸収ストロークを確保できるように、換言すれば、クッション性が良好になるように、接触予定部27を厚く膨張させることができる。すなわち、仮結合部31・32の分離強度は、乗員頭部HがサイドウインドW1・W2から離れている場合には、低くとも、支障はないが、乗員頭部Hがサイドウインドに接近して場合には、接触予定部27が乗員頭部Hに接近しつつ展開を完了させることとなって、その場合、仮結合部31・32の分離強度が、50N未満であれば、膨張用ガスGの熱や流速等の影響によって、仮結合部31・32の上端31a・32a側の車内側・車外側壁部21a・21b相互が直ちに分離し、接触予定部27の上部が膨らむことから、接触予定部27の展開を阻害する虞れが生じて、また、仮結合部31・32の分離強度が、500Nを超えるほど高ければ、仮結合部31・32の下端31b・32b側における車内側・車外側壁部21a・21b相互の分離が遅れて、接触予定部27に接触している乗員頭部Hを車内側Iに押し戻すように接触予定部27を厚く膨張させる時期が、遅れ、車外側O方向へ移動する乗員頭部を保護する上で、好ましくないからである。
また、実施形態のエアバッグ20では、非流入部35として、保護膨張部24の領域内で、ガス供給路部23と保護部25・26とを区画する区画部38・38が設けられ、これらの区画部38・38は、仮結合部31・32の上端31a・32a側より膨張用ガスGの上流側に配置されて、仮結合部31・32の上端31a・32a側を、流入当初の膨張用ガスGから保護可能なカバー部30としての役目を果たしており、仮結合部31・32の上端31a・32a側が、区画部38・38のカバー部30によって、膨張用ガスGから保護されることとなって、一層、仮結合部31・32の下端31b・32b側からの車内側・車外側壁部21a・21b相互の分離を、安定して、確保することができる。特に、仮結合部31側では、区画部38が、上端31aの上方を、縦線部31cの直交方向で、完全に覆っており、一層、上端31aの保護を厚くしている。
さらに、このエアバッグ20では、前席用保護部25の接触予定部27における上部が、区画部38により覆われ、膨張用ガスGが、前後両側のガス流入口29aからだけしか、接触予定部27へ流入しないことから、接触予定部27を、薄く展開させることができ、そして、その後の膨張用ガスGの流入時には、前後二箇所のガス流入口29aから膨張用ガスGを流入させることができることから、迅速に、小セル28を膨らませることが可能となる。
さらに、実施形態のエアバッグ20の接触予定部27では、略上下方向に配設される仮結合部31・32が前後方向に並設され、前後方向に複数の小セル28を配設させる構成としており、仮結合部31・32の分離時、前後方向に並設された小セル28を一体化させるように膨張させることとなって、接触予定部27を厚く膨張させることができることから、接触予定部27のクッション性が良好となって、十分な衝撃吸収ストロークを確保して、乗員頭部Hを保護することができる。
さらに、接触予定部の膨張時の厚さを厚く確保できるように、図12に示す頭部保護エアバッグ20Aのように構成してもよい。このエアバッグ20Aでは、エアバッグ20における各保護部25・26に配置される区画部38を短くしたものであり、エアバッグ20Aの前席用保護部25では、縦線部31dを備えてなる仮結合部31A・31Aが、縦線部31dの上端31a相互を、縦線部31dと直交方向に交差させる一本の共用した横線部31cと連結させ、さらに、この横線部31cの前後両端を区画部42・43の上端42a・43aに連結させるように、構成されている。区画部42・43は、厚さ規制部としての役目を果たすように、逆J字状や逆U字状に形成されて、保護部25・26を、前後方向に沿って複数の縦セル24aに分割するように、配設されている。また、横線部31cは、ガス供給路部23の下縁に沿って配設されている。そして、保護部25の乗員頭部Hとの接触予定部27Aは、横線部31cの下方における区画部42・43間の部位としている。保護部26側では、区画部42が配設されて、横線部32cを共用して、二本の仮結合部32Aが区画部42の上端42aに連結されている。
このような構成のエアバッグ20Aでは、膨張初期時、前席用保護部25において、仮結合部31Aの上端31a側の横線部31cの前後両端が、前後の区画部42・43の上端42a・43aに連結されていることから、仮結合部31Aの上端31a側では応力集中が生じ難く、安定して、仮結合部31Aの下端31b側から、車内側・車外側壁部21a・21b相互を分離させることができ、そして、前後の縦流路29・29のガス流入口29aからの膨張用ガスGの流入により、横線部31cを含めた仮結合部31A・31Aの全域の車内側・車外側壁部21a・21b相互が分離すれば、前後の区画部42・43に連結されていた仮結合部31Aの前後に長い横線部31cの部位でも、壁部21a・21b相互が分離されることから、接触予定部27Aが、ガス供給路部23と一体化されるように、厚く膨張し、クッション性を向上させることができる。
さらに、接触予定部内の仮結合部の上端側に応力集中が生じないように構成する場合、図13に示す頭部保護エアバッグ20Bのように構成してもよい。このエアバッグ20Bでは、各保護部25・26において、接触予定部27Bに配設される仮結合部31B・32Bが、逆L字状として、上端31a側の横線部31cを、非流入部35の区画部45の上端45aに連結させて、配設されている。保護部25・26における各区画部45は、厚さ規制部の役目を果たすとともに、上端45aが、板状部40の上端側に連結されて、ガス供給路部23と保護部25・26とを区画している。
そして、このエアバッグ20Bでは、乗員頭部Hとの接触予定部27Bが、前席用保護部25において、区画部42と区画部45との間の領域に配設され、仮結合部31Bの前後両側の小セル28(28U・28D)の内、前方側の小セル28Uが、縦流路29としての役目を果たして、小セル28DよりガスGの上流側となる。また、後席用保護部26の接触予定部27Bでは、区画部45とエアバッグ後縁20cとの間に配設され、仮結合部32Bの前後両側の小セル28(28U・28D)の内、後方側の小セル28Uが、縦流路29としての役目を果たし、小セル28DよりガスGの上流側となる。
このエアバッグ20Bの接触予定部27Bでも、縦流路29に膨張用ガスGが流入されれば、展開を完了させ、上流側の小セル28Uにおける下部側のガス流入口29aから、小セル28D側に膨張用ガスGが流れて、小セル28U・28Dが、膨張を完了させる。そしてその後、仮結合部31B・32Bでは、上端31a側を、非流入部35の区画部45に連結させ、下端31b側を直線状として、保護部25の領域内の周縁部36に到るまでの途中で、止めていることから、上端31a・32s側の応力集中が抑えられて、応力集中の生じやすい下端31b・32b側から上端31a・32a側に向かうように、安定して、車内側・車外側壁部21a・21b相互を分離させることができる。
なお、仮結合部の下端側から、壁部21a・21b相互を分離させる場合には、上端よりも下端に応力集中が生じ易ければ、図14に示すエアバッグ20Cの仮結合部31C・32Cのように、上端31a・32a側を、非流入部35の区画部45の上端45aに近接させて、若干離してもよい。
さらに、エアバッグ20Cでは、区画部45の上端45aが、カバー部30を構成するように、すなわち、仮結合部31C・32Cの上端31a・32aが、前後方向に流れる膨張用ガスGに直接当たり難いように、区画部45から若干下げて配置されており、一層、下端31b・32b側からの車内側・車外側壁部21a・21b相互の分離を、安定して確保することができる。
また、既述のエアバッグ20・20A・20B・20Cでは、仮結合部31・31A・31B・31C・32・32A・32B・32Cの下端31b・32bに応力集中が生じやすいように、下端31b・32b側を、直線状にして、エアバッグ下縁20b側の非流入部35としての周縁部36から離れた上方側で止めた場合を示したが、図15に示すエアバッグ20Dのように、仮結合部31D・32Dの下端31b・32b側を曲線状に曲げて、縫合糸33の破断時の強度を向上させ、仮結合部31D・32Dの下端31b・32b側からの車内側・車外側壁部21a・21b相互の分離するタイミングを、若干、遅らせるように、構成してもよい。
勿論、図16に示すエアバッグ20Eのように、逆L字状の仮結合部31E・32Eを設ける場合、接触予定部27Eの中に仮結合部31E・32Eを複数設けて、エアバッグ20・20Aと同様に、仮結合部31E・32Eの壁部21a・21b相互の分離後における接触予定部27Eの厚さを厚く膨張させるように、構成してもよい。
また、各エアバッグ20・20B・20C・20D・20Eでは、縫合糸33を使用し、車内側壁部21aと車外側壁部21bとを縫合するだけで、仮結合部31等を形成しており、仮結合部31等を、簡単かつ容易に形成することができる。
一方、図12に示すエアバッグ20Aでは、仮結合部31A・32Aを、縫合することなく、図17に示すように、車内側・車外側壁部21a・21b自体を袋織りにより形成する際の経糸若しくは緯糸SAを、他方側の車外側・車内側壁部21b・21a側の緯糸若しくは経糸SBに織り込む接結部34、を設けて形成しており、これらの経糸若しくは緯糸SA・SBから、袋織り時に、仮結合部31A・32Aを簡単かつ容易に形成している。
勿論、このような点を考慮しない場合には、図18に示すエアバッグ20Fのように、車内側・車外側壁部21a・21b相互を剥離可能な接着剤BCで接着させて、仮結合部31Fを形成してもよい。
なお、表1と図19とに、エアバッグ20Aの接結部34を設けた場合におけるピッチ、他方側に織り込む際に使用する糸SAの本数(列)、あるいは、織り込む側の糸SBの本数、を変更した場合の分離強度を計測したデータを示す。
Figure 2005119638
この計測は、袋織りで形成した壁部21a・21bに、所定の接結部を設けて直線状の仮結合部を形成し、その部位をサンプルとして部分的に取り出し、直線状の仮結合部の延長上の壁部21a・21bの縁をそれぞれ把持して、壁部21a・21bの縁相互を、離すように、壁部21a・21bの直交方向に引き、その際の壁部21a・21bが分離した際の引張荷重を測定し、その荷重を分離強度として、記載した。
また、表1における左欄における列の後の数値は、列の間の距離であり、例えば、2列―2mmとは、接結部34を設けた糸SAを、2列として(2本使用して)、その糸SA相互の間の距離を2mmとしていることを表している。さらに、上欄における1/1とは、1本の糸SAを1本の糸SBに織り込んで1つの接結部34を形成していることを示し、2/2とは、隣り合う2本の糸SAを2本の糸SBに織り込んで1つの接結部34を形成していることを示し、さらに、3/3とは、3本の糸SAを3本の糸SBに織り込んで1つの接結部34を形成していることを示しており、そして、その後の数値は、糸SAに沿った接結部34のピッチである。
また、糸SA・SB自体の破断強度は、20〜50N/本としている。
さらに、図19のグラフ図は、表1の(a)〜(k)に表したデータをグラフ化したものである。
このデータから解るように、1/1の12mmピッチとして、接結部34を設けた仮結合部でも、分離強度を50N以上の74.3Nを確保することができ、ある程度の膨張用ガスの熱等の影響を受けても、不必要に、仮結合部を分離させ難いことがわかる。一方、3/3の3mmピッチの接結部34を、4mmの間隔で、3列設けた仮結合部では、500N以上の640Nの分離強度としており、エアバッグの車内側・車外側壁部相互の分離が遅れ、膨張完了が遅れる事態を招いてしまうことから、好ましくないことが解る。
なお、これらのデータから、1/1の一列とし、所定ピッチで接結部34を設けて、仮結合部を形成する場合、分離強度をY(N)とし、ピッチをX(mm)とすれば、Y=1.6559X2+36.715X+276.6の数式により、50≧Y≧500Nとして、Xの値を求め、その値のピッチで、接結部を設ければ、仮結合部を容易に形成できることが解る。
本発明の一実施形態のエアバッグが使用される頭部保護エアバッグ装置の車両搭載状態を示す概略正面図である。 実施形態のエアバッグの正面図である。 実施形態のエアバッグにおける膨張時の部分縦断面図であり、図2のIII−III部位に対応する。 実施形態のエアバッグのおける膨張時の状態を順に示す部分横断面図であり、図2のIV−IV部位に対応する。 図2のV−V部位の概略縦断面図である。 乗員がサイドウインドから離れている状態のエアバッグの膨張途中を示すもので、仮結合部付近における概略図であり、図1のVI−VI部位に対応する。 仮結合部付近におけるエアバッグの膨張途中を示す概略図であり、図6の後の状態を示す。 仮結合部付近におけるエアバッグの膨張完了状態を示す概略図であり、図7の後の状態を示す。 仮結合部付近におけるエアバッグの膨張完了状態を示す概略図であり、図8の後の状態を示す。 乗員がサイドウインドに接近している状態のエアバッグの膨張状態を順に示すもので、仮結合部付近における概略図である。 乗員がサイドウインドに接近している状態のエアバッグの膨張状態を順に示すもので、図10の後の状態を示す。 他の実施形態のエアバッグの正面図である。 さらに他の実施形態のエアバッグの正面図である。 さらに他の実施形態のエアバッグの正面図である。 さらに他の実施形態のエアバッグの正面図である。 さらに他の実施形態のエアバッグの正面図である。 図12に示すエアバッグの接結部を示す拡大概略図である。 さらに他の実施形態のエアバッグの膨張途中を示す概略断面図である。 袋織りで形成したエアバッグの分離強度を計測した際のグラフ図である。
符号の説明
20・20A・20B・20C・20D・20E・20F…エアバッグ、
21a…車内側壁部、
21b…車外側壁部、
24…保護膨張部、
27・27A・27B・27F…接触予定部、
29…縦流路、
29a…ガス流入口、
30…カバー部、
31・31A・31B・31C・31D・31E・31F・32・32A・32B・32C・32D・32E…仮結合部、
35…非流入部、
31a・32a…上端、
31b・32b…下端、
V…車両、
W1・W2…サイドウインド、
G…膨張用ガス、
M…頭部保護エアバッグ装置。

Claims (4)

  1. 車内側壁部と車外側壁部との間に流入する膨張用ガスによって膨張しつつ、折り畳まれて収納された車両のサイドウインドの上方側から展開して、乗員頭部の側方に保護膨張部を配置させる構成の頭部保護エアバッグであって、
    前記保護膨張部における乗員頭部との接触予定部に、前記車内側・車外側壁部相互を結合し、かつ、前記保護膨張部の膨張に伴う前記車内側・車外側壁部相互の離隔方向への引張力の発生時に、前記車内側・車外側壁部相互を分離可能とし、略上下方向に沿うように配設される部位を備えてなる仮結合部が、配設され、
    前記接触予定部の前方側若しくは後方側の少なくとも一方に、膨張用ガスの流入当初に、前記接触予定部の展開を完了可能に膨張用ガスを上方から下方に流す縦流路が配設され、
    前記仮結合部の前記車内側・車外側壁部相互の分離前における前記接触予定部の乗員頭部との接触時に、前記縦流路下部からの膨張用ガスの流入による膨張に伴って、前記接触予定部の前記仮結合部が、下端側から前記車内側・車外側壁部相互を分離させるように、構成されていることを特徴とする頭部保護エアバッグ。
  2. 前記仮結合部の前記車内側・車外側壁部相互の分離直前における前記仮結合部の前後両側の膨張部位の厚さが、30〜75mmとして、構成されていることを特徴とする請求項1に記載の頭部保護エアバッグ。
  3. 前記仮結合部が、前記車内側・車外側壁部相互を分離させる強度を、50〜500Nの範囲内に設定して、配設されていることを特徴とする請求項1若しくは請求項2に記載の頭部保護エアバッグ。
  4. 前記車内側・車外側壁部相互を分離不能に結合させるとともに、膨張用ガスを流入させない非流入部を、備え、
    前記非流入部が、前記保護膨張部の領域内を区画する区画部を備え、
    前記区画部が、前記仮結合部の上端側より膨張用ガスの上流側に配置されて、前記仮結合部の上端側を、流入当初の膨張用ガスから保護可能なカバー部、を備えて構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の頭部保護エアバッグ。
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