JP5783818B2 - エアバッグ装置 - Google Patents
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Description
前記従来のエアバッグ装置は、車室内側壁の上方部に車両前後方向に沿って取り付けられる折り畳まれた状態のエアバッグ111と、エアバッグ111の車室内側を覆うエアバッグカバー108と、エアバッグ111にガスを供給して車室内下方に向けて膨張展開させるインフレータ(図示せず)と、を備えている。
エアバッグ111は、ピラーガーニッシュ107の上部と車体側のインナーパネル102と、エアバッグカバー108で囲まれた空間内に、ラッピング材で包んで折り畳まれた形状を維持して収納されている。エアバッグ111は、その上縁部側に取付ブラケット130を備えた取付部125を有し、この取付ブラケット130に取付ボルト131を挿通させてインナーパネル102に固着されている。
供給路部115は上縁部側が車両の前後方向に沿うように配設されており、エアバッグ111の膨張初期に膨張用ガスが流入する部分である。供給路部115には、図示のように、ロール折り部138の上部を覆う逆U字状になるよう折り曲げた逆U字状部141が設けられている。
供給路部115の逆U字状部141は、その展開膨張完了時の上部側となる部位115bが車外側Oに、また展開膨張完了時の下部側となる部位115cが車内側Iにそれぞれ位置するように形成されている。
本実施形態に係るエアバッグ装置は、車室内側壁の上方部(上縁部)からエアバッグを車室内側壁に沿って下方に向けて膨張展開させる形式のものであり、所定状態に折り畳まれた膨張可能なエアバッグと、車両緊急時の衝撃検知時などにガスを発生してエアバッグに供給するインフレータとを備えている。
以下の説明では、車室内側壁上方から、エアバッグをカーテン状に膨張展開させ、運転席及び助手席から車両後方側の後席までの車室内側壁の車内側の所定範囲にエアバッグを展開させ、前後席の乗員を、頭部を中心に保護する側面用のエアバッグ装置を例に採り説明する。
エアバッグ装置1は、車両90に搭載され、作動信号を受信したときにインフレータ2を作動させてガスを発生させる。このガスを、エアバッグ10内の膨張部30へ供給して、後述するようにエアバッグ10の折り畳み形状を解消させ、カーテン状に膨張展開した図1Aに示す状態にする。
側壁91には、ピラートリム91A(図4参照)及びヘッドライニング92Aが取り付けられており、ピラートリム91Aは車両90内の表面部材(内装材)を構成する。ヘッドライニング92Aは、ルーフ(図示せず)とルーフレール92を覆っている。
3つの膨張部30(31、32、33)の間には、非膨張部34が、エアバッグ10の下縁部から上方に向かって形成されている。エアバッグ10の非膨張部34は、膨張部30外に設けられており、エアバッグ10が膨張しても膨張しない状態に維持される。
内部接合部16〜19の環状部16A〜19Aは、エアバッグ10の下縁部側の外縁接合部15との間に、所定の距離を開けて配置されている。内部接合部16〜19は、膨張部30を区画する隔壁として機能すると共に、膨張部30の車両幅方向の膨張を抑制して、エアバッグ10を所定形状に膨張させる。
膨張部30は、本実施形態では、内部接合部16〜19により第1〜5の気室35〜39に区画されている。
インフレータ2とエアバッグ10とは、筒状に縫製されてエアバッグ10に形成されたガス導入部(ディフューザ)35Cを介して連結されており、センターピラー94の上方で連結手段である取付ブラケット(図示せず)により、ヘッドライニング92A内でルーフレール92に取り付けられている。
ガス供給口14は、クランプ又はバンド(図示せず)により外側から締め付けられて、インフレータ2に気密状に固定される。インフレータ2が発生するガス(膨張用ガス)は、ガス供給口14から第1〜5の気室35〜39に流入する。このうち第1の気室35は、他の気室36、37が膨張を完了した後の所定のタイミングで完全に膨張する。また、第4と第5の気室38、39は、ガスの流入する順序に応じてその順に膨張する。
図2Aは折り畳む前の表側基布12と裏側基布13とからなるエアバッグ10を示す。
図中、エアバッグ10の左側を車外側、同右側を車内側とする。図2Aに示すように、先ず非膨張状態のエアバッグ10を広げて両基布12、13を重ね合わせて平らに展開する。次に、エアバッグ10の下縁部側を上縁部に向けて、かつ車外側となる側に巻きつけるように一定幅L1で複数回M1方向に折り返して、車外側に図2Bの状態になるまで所定回数ロール折りする。なお、図2中のaは、エアバッグ10における蛇腹折り部10Jの起点を示す。
また、図中fは、二つ折りしたロール折り部10Rの室内側面におけるロール幅L2の略中間部位であってロール折り部10Rの最も車室内側の部分を示す。
図3Aは、図1Bの一部拡大図であって、本発明の実施形態のエアバッグ10におけるガス導入部(ディフューザ)35Cの近傍を示す。
これによって、エアバッグをより迅速に、ピラートリム91A(図4)を越えて車内側へ展開して、ロール折りを解きながらピラートリム91A(側壁91)に沿うようにして下方に展開させることができる。
即ち、図3Bのガス導入部35Cは正面視略逆T字型をなし、ガス放出口35Dは図3Aと同様に、図示左右の側面に設けられており、ガス導入部35Cの下端部に当たったガスをその側面、即ち図中左右に略水平に分流する。
図3Cのガス導入部35Cは、図3Aに示したものと同様に正面視略I字型をなすが、ガス放出口35Dは、その底部と一方の側面(図示例では右側面)に設けられており、導入されたガスをその下端及び右側面方向にそれぞれ分流する。
いずれのガス導入部35Cにおいても、ガス放出口35Dの上端部35DH及び下端部35DLは図示のとおりであり、図2Dの部位a〜fとの関係は図3Aについて説明したとおりである。
図4A〜4Hは、本実施形態のエアバッグ10が展開する状態を順に示している。
図4Aは、図2Dの状態に折り畳んだ、つまり蛇腹折り部10Jとロール折り部10Rが車両幅方向に並んだ形状のエアバッグ10を、車両に取り付けた状態を模式的に示す図であり、車両のBピラーにおける各断面を概略的に示している。
エアバッグ10は、折り畳んだ状態で、その上端(固定布)が、例えばボルトナットから成る固定手段82によりルーフレール92(図1A)に固定されている。また、エアバッグ10は、ルーフレール92に、車内側を覆う部分(即ちエアバッグカバー)が車内側I(車室内側)に開放可能に取り付けられた、例えば合成樹脂製のヘッドライニング92Aと、ピラートリム91Aの上端部で囲まれた収納部に収納されている。
既に述べたように、エアバッグ10は、膨張展開時において、収納部(ピラートリム91A上方)内では蛇腹折り部10Jだけが展開し、ロール折り部10Rはほぼ二つ折りした上下方向にコンパクトな状態で横方向に押し出される。
車室内に飛び出したエアバッグ10は、乗員の側面と窓との間で車外側O及び下方に向かって、つまり乗員の頭部と車両の窓との間に展開し、その膨張した第1から第5の気室35〜39により乗員を確実に保護することができる。
したがって、エアバッグ10の展開する過程でエアバッグ10(ロール折り部10R)が展開初期においてピラートリム91Aに強く押し付けられてその展開速度が減速される虞はない。加えて、二つ折りが開放されるとロール折り初期膨張部10RSからロール折り部10Rがスムーズに展開するため、その展開速度を速めることができる。
さらに、組立時には、ロール折りした後二つ折りするため、ロール折りの回数を二つ折りしない場合に比して少なくすることができ、生産性の向上及び折り畳んだエアバッグの断面サイズを小さくするなどの利点が得られる。
Claims (4)
- 車室内側壁とエアバッグカバーとの間に配設され、車室内側壁の上方部に車両前後方向に沿って取り付けられるエアバッグと、
ガスを供給すると共に、折り畳まれたエアバッグを車室下方に向けて膨張展開させるインフレータと、
を備えたエアバッグ装置であって、
前記エアバッグは、前記上方部へ取り付けられる上縁部の反対の下縁部からロール折りしたロール折り部と、前記ロール折り部に続く蛇腹折りした蛇腹折り部を有し、
前記蛇腹折り部は、前記ロール折り部を車室内側壁の上方に向けて二つ折りした車両上下方向の幅に相当する幅で折り返した折り返し部として形成され、かつ、二つ折りした前記ロール折り部の車室内側壁側の側方に位置するように折り畳まれ、
前記ロール折り部の二つ折りした部分の間に、前記ロール折り部の前記蛇腹折り部に連続する部分の一部が収納され、前記蛇腹折り部の膨張展開に伴い前記ロール折り部が二つ折りを維持した状態でエアバッグカバーに押圧されるエアバッグ装置。 - 請求項1に記載されたエアバッグ装置において、
前記エアバッグの膨張部の上縁部は、前記折り返し部よりも、前記エアバッグの上縁部側に配置されるように折り畳まれたエアバッグ装置。 - 請求項1又は2に記載されたエアバッグ装置において、
前記エアバッグにおけるインフレータからのガス供給口は、インフレータが作動したとき、インフレータからのガスによりエアバッグが前記蛇腹折り部から膨張展開するように、前記蛇腹折り部の前記ロール折り部と反対側端部となる部分に形成されているエアバッグ装置。 - 請求項1又は2に記載されたエアバッグ装置において、
前記エアバッグは、膨張展開する前記蛇腹折り部により押されて、前記ロール折り部が二つ折りされた状態で、エアバッグの車室内側を覆うエアバッグカバーを押し開けて、エアバッグの収納位置から車室内に出ることが可能であるエアバッグ装置。
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