JP2007159427A5 - - Google Patents

Download PDF

Info

Publication number
JP2007159427A5
JP2007159427A5 JP2005356547A JP2005356547A JP2007159427A5 JP 2007159427 A5 JP2007159427 A5 JP 2007159427A5 JP 2005356547 A JP2005356547 A JP 2005356547A JP 2005356547 A JP2005356547 A JP 2005356547A JP 2007159427 A5 JP2007159427 A5 JP 2007159427A5
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
clutch
component
film layer
spool
insulating film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005356547A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007159427A (ja
Filing date
Publication date
Application filed filed Critical
Priority to JP2005356547A priority Critical patent/JP2007159427A/ja
Priority claimed from JP2005356547A external-priority patent/JP2007159427A/ja
Priority to US11/590,821 priority patent/US7530514B2/en
Priority to TW095141936A priority patent/TW200727781A/zh
Priority to SG200607946-1A priority patent/SG133487A1/en
Priority to MYPI20064539A priority patent/MY139858A/en
Priority to KR1020060123062A priority patent/KR20070061387A/ko
Priority to CNA2006101531018A priority patent/CN1977596A/zh
Publication of JP2007159427A publication Critical patent/JP2007159427A/ja
Publication of JP2007159427A5 publication Critical patent/JP2007159427A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Description

釣り用部品
本発明は、釣り用部品、特に、釣りに用いられる釣り用部品に関する。
屋外で使用されることが多いリール等の釣り用品に使用される部品、特にマグネシウム合金製の部品には、表面に塗料による塗膜が形成されたものが知られている。このような塗膜を形成すると、マグネシウム合金製の部品が腐食雰囲気に曝されなくなり、耐食性を向上させることができる。
また、マグネシウム合金製の部品は、たとえばステンレス合金等の他の金属製部品との間に塩水等の導電性のある液体が浸入すると、マグネシウム合金と他の金属とのイオン化傾向の差異によって局部電池が形成され、マグネシウム合金製の部品が電解腐食するおそれがある。
そこで、このような不具合を解消するために、マグネシウム合金製の部品の表面に絶縁膜層が形成されたものが知られている(たとえば、特許文献1参照)。このような絶縁膜層を形成することによって、マグネシウム合金が表層側に露出することがなくなるので、他の金属製部品とで局部電池が形成されにくくなり、このためマグネシウム合金製の部品が電解腐食するのを防止できる。
特開2001−73165号公報
前記従来のマグネシウム合金製の部品本体では、部品本体の表面に絶縁膜層が形成されているので、マグネシウム合金製の部品本体の電解腐食を防止できる。
しかし、マグネシウム製の部品本体の形状が複雑である場合には、マグネシウム製の部品本体の表面全体に一様な絶縁膜層を形成するのは非常に困難である。特に、マグネシウム製の部品本体の表面の一部にピンホール等が生成され、絶縁性が劣った部分がある場合には、ピンホールが生成されたマグネシウム製の部品本体と他の金属製部品との間に塩水等の導電性のある液体が侵入すると、マグネシウム合金と他の金属とのイオン化傾向の差異によって局部電池が形成され、マグネシウム合金製の部品本体が電解腐食するおそれが生じる。
本発明の課題は、釣り用部品において、マグネシウム合金製の部品本体が電解腐食するのを確実に防止することにある。
発明1に係る釣り用部品は、釣りに用いられる釣り用部品であって、マグネシウム合金製の第1部品本体と、第1部品本体に対向するように設けられたステンレス合金製の第2部品本体と、第2部品本体の表層側に形成された絶縁膜層とを備えている。
この釣り用部品では、ステンレス合金製の第2部品本体は、マグネシウム合金製の第1部品本体に対向するように設けられ、ステンレス合金製の第2部品本体上に絶縁膜層が形成されている。ここでは、ステンレス合金製の第2部品本体上に絶縁膜層が形成されているので、従来のように表面の一部にピンホール等が生成されマグネシウム合金の一部が表層側に露出していてもマグネシウム合金製の第1部品本体とステンレス合金製の第2部品本体との間に塩水等の導電性のある液体が浸入しても、マグネシウム合金とステンレス合金とで局部電池が形成されず、このためマグネシウム合金製の部品本体が電解腐食するのを確実に防止することができる。
発明2に係る釣り用部品は、発明1の釣り用部品において、第1部品本体の表層側に形成された絶縁膜層をさらに備えている。この場合、マグネシウム合金製の第1部品本体上に絶縁膜層が形成され、ステンレス合金製の第2部品本体上に絶縁膜層が形成されているので、両部材の表面に絶縁膜層を形成することにより、マグネシウム合金製の部品本体が電解腐食するのをさらに確実に防止することができる。
発明3に係る釣り用部品は、発明1の釣り用部品において、第1部品本体の表層側に形成された陽極酸化被膜層をさらに備えている。この場合、陽極酸化被膜層は、一般に、電気絶縁性が高いので、部品本体の耐食性及び耐磨耗性をさらに向上させることができる。
発明4に係る釣り用部品は、発明3の釣り用部品において、陽極酸化被膜層の表層側に形成された絶縁膜層をさらに備えている。この場合、第1部品本体の表層側には、陽極酸化被膜層及び絶縁膜層が順に形成されているので、複数の膜層により、マグネシウム合金製の部品本体が表層側に露出しにくくなる。
発明5に係る釣り用部品は、発明1から4のいずれかの釣り用部品において、絶縁膜層は、電着塗装法により形成されている。この場合、絶縁膜層は電着塗装法により形成されているので、均一な塗膜で形成可能であるとともに、たとえばカチオン形電着塗料の基体樹脂であるポリアミン樹脂等を用いることにより、部品本体の防錆性を向上させることができる。
発明6に係る釣り用部品は、発明1から5のいずれかの釣り用部品において、第1部品本体は、釣り用リールのリール本体に使用される。第2部品本体は、リール本体の内部に設けられた内部部品に使用される。この場合、屋外の腐食雰囲気で使用されることが多い釣り用リールのリール本体及びその内部部品において、マグネシウム合金製のリール本体がステンレス合金製の内部部品とで電解腐食するのを確実に防止することができる。
発明7に係る釣り用部品は、発明6の釣り用部品において、内部部品は、釣り用リールのクラッチ機構を構成する部材である。この場合、クラッチプレート、クラッチ解除用のクラッチ爪、ラチェットホイール、クラッチカム、クラッチカム押え、クラッチヨーク等のクラッチ機構を構成する部材をステンレス合金で形成することにより、クラッチ機構を構成する各部材の強度を高く維持しながら、マグネシウム合金製のリール本体がステンレス合金製のクラッチ機構を構成する各部材とで電解腐食するのを確実に防止することができる。
本発明によれば、釣り用部品において、ステンレス合金製の第2部品本体は、マグネシウム合金製の第1部品本体に対向するように設けられ、ステンレス合金製の第2部品本体上に絶縁膜層が形成されているので、マグネシウム合金製の部品本体が電解腐食するのを確実に防止することができる。
本発明の一実施形態を採用した両軸受リールは、図1及び図2に示すように、釣竿に装着可能なリール本体1と、リール本体1の側方に配置されたスプール回転用ハンドル2と、ハンドル2のリール本体1側に配置されたドラグ調整用のスタードラグ3とを備えている。リール本体1の後部には、クラッチ操作部材17が後述するスプール軸16(図3参照)回りに回動自在に装着されている。
リール本体1は、図3に示すように、フレーム5と、フレーム5の両側方に装着された第1側カバー6a及び第2側カバー6bと、前カバー7とを有している。フレーム5は、所定の間隔をあけて互いに対向するように配置された第1側板8及び第2側板9と、第1側板8及び第2側板9を連結する複数の連結部10とを有している。
リール本体1を構成する各部材、すなわちフレーム5の第1側板8及び第2側板9、複数の連結部10(第1部品本体の一例)は、マグネシウム合金製であり、各部材の表面には各種の表面処理が施されている。
次に、リール本体1を構成する各部材の表面構造について詳細に説明する。
図8及び図9に示すように、まず、各部材のマグネシウム合金製の第1部品本体70(図8参照)となる母材を準備する(図9のS1)。マグネシウム合金製の第1部品本体70の表層側には、陽極酸化処理(図9のS2)により、陽極酸化被膜層71(図8参照)が形成されている。陽極酸化被膜層71の表層側には、電着塗装処理(図9のS3)により、第1絶縁膜層72(図8参照)が形成されている。
陽極酸化被膜層71は、この陽極酸化被膜層71により表層側の塗料の付着性を良好にするための下地の被膜である。陽極酸化被膜層71は、マグネシウム合金製の第1部品本体70を陽極にして、硫酸、蓚酸、クロム酸等の溶液中で電解すると、陽極に発生する酸素のために被膜が形成される。この陽極酸化被膜層71は、電気絶縁性が高く、耐食性及び耐磨耗性にも優れている。
第1絶縁膜層72は、たとえばポリアミン樹脂を主成分とするカチオン形電着塗料を用いた電着塗装法により形成されている。このように電着塗装を行う場合は、陽極酸化被膜層71を形成した第1部品本体70を塗料槽に浸漬させ、第1部品本体70を陰極、塗料に設けた電極板を陽極として、直流電圧をかけることにより、塗料を電気的に塗着させる。このように第1絶縁膜層72は電着塗装法により形成されているので、防錆性を向上させるとともに、陽極酸化被膜層71の表面に均一に付着しやすくなる。
第1側板8及び第2側板9は、図4に示すように、第1側板本体11及び第2側板本体12と、第1側板本体11及び第2側板本体12に着脱自在に設けられ、クラッチ操作部材17を摺動自在に支持するための第1移動支持部13及び第2移動支持部14とをそれぞれ有している。第1側板本体11は、後部にスプール取り出し用の雌ねじ付きの円形開口11aが形成された概ね板状の部材である。この雌ねじ部分にリール本体1を構成するブレーキケース65が着脱自在にねじ込まれている。第1側板本体11及び第2側板本体12の後部には、図3〜図6に示すように、少なくとも一部に円弧状面11b、12bが形成された切欠き部11c、12cが設けられており、切欠き部11c、12cに第1移動支持部13及び第2移動支持部14がねじ止め固定されている。
第1移動支持部13及び第2移動支持部14は第1側板本体11及び第2側板本体12の円弧状面11b、12bに密着するように少なくとも一部に円弧状面が形成された装着部13a、14aと、第1側板本体11及び第2側板本体12の板状部分と面一に配置される板状部13b、14bとを有している。装着部13a、14aにクラッチ操作部材17が摺動する。
第1移動支持部13の先端には、第1側板本体11の外側面に係止される係止部13cが、基端には、第1側板本体11の外側面にねじ止め固定されるねじ止め部13dがそれぞれ突出して形成されている。また、先端部には、クラッチ操作部材17の一部が出入りする開口13eが形成され、板状部13bの基端側には後述するクラッチカム40の一部が係合する円弧状のスリット13fが形成されている。
第2移動支持部14の先端には、第2側板本体12の外側面に形成されたボス部12に回転不能に係止される係止孔14cが形成されている。また、先端部には、クラッチ操作部材17の一部が出入りする開口14eが形成され、板状部14bの基端側にはクラッチカムの一部が係合する円弧状のスリット14fが形成されている。
1対のフレーム5内には、図3及び図4に示すように、第1側板8及び第2側板9の間に回転自在に配置されたスプール15と、スプール15に均一に糸を巻くためのレベルワインド機構24と、サミングを行う場合の親指の当てとなるサムレストを兼ねたクラッチ操作部材17と、ハンドル2とスプール15との間で回転力の伝達及び遮断を行うためのクラッチ機構19とが設けられている。またフレーム5と第2側カバー6bとの間には、ハンドル2からの回転力をスプール15及びレベルワインド機構24に伝えるための回転伝達機構18と、クラッチ操作部材17の操作に応じてクラッチ機構19を制御するためのクラッチ制御機構20と、ドラグ機構21と、スプール15の回転時の抵抗力を調整するためのキャスティングコントロール機構22とが設けられている。また、フレーム5と第1側カバー6aとの間には、キャスティング時のバックラッシュを抑えるための遠心ブレーキ機構23が設けられている。
スプール15は、両側部にフランジ部15aを有しており、両側のフランジ部15aの間に糸巻胴部15bを有している。スプール15はその中心を貫通するスプール軸16に固定されている。スプール軸16は1対の軸受33a、33bによってフレーム5に両端部が回転自在に支持されており、スプール軸16の第2側カバー6b側の端部は第2側カバー6bを貫通して側方に突出するように延びている。
レベルワインド機構24は、第1側板8及び第2側板9の間に固定されたガイド筒25と、ガイド筒25内に回転自在に支持されたウォームシャフト26と、ラインガイド27とを有している。ウォームシャフト26の端部には、回転伝達機構18を構成するギア28が固定されている。また、ウォームシャフト26には螺旋状の溝26aが形成されており、ラインガイド27の一部がこの螺旋状の溝26aに噛み合っている。このため、回転伝達機構18を介してウォームシャフト26が回転させられることにより、ラインガイド27はガイド筒25に沿って往復動する。
回転伝達機構18は、ハンドル軸30に回転自在に装着されたマスターギア31と、マスターギア31に噛み合うピニオンギア32と、前述のウォームシャフト26端部に固定されたギア28とを有している。ピニオンギア32は、一端側外周部に形成された歯部32aと、他端面に形成された噛み合い部32bと、歯部32aと噛み合い部32bとの間に形成された小径部32cとを有している。噛み合い部32bは、他端面の直径上に形成された係合溝32dを有しており、スプール軸16に装着された係合ピン16aと係合あるいは離脱が可能である。また噛み合い部32bの外周面は軸受35により第2側板9に回転自在に支持されている。このような構成により、ピニオンギア32の噛み合い部32bの係合溝32dとスプール軸16の係合ピン16aとによりハンドル2とスプール15との間で回転力の伝達及び遮断を行うためのクラッチ機構19が構成されている。ここでは、ピニオンギア32が外方に移動してその噛み合い部32bの係合溝32dとスプール軸16の係合ピン16aとが離脱するとクラッチオフ状態になり、ハンドル軸30からの回転力が遮断されスプール軸16に伝達されない。
次に、クラッチ操作部材17とクラッチ制御機構20とを、図4を参照して詳細に説明する。
クラッチ操作部材17は、図6に示す係合位置と図7に示す離脱位置との間で揺動自在にクラッチ制御機構20に連結されている。クラッチ操作部材17は、図4に示すように、第1移動支持部13及び第2移動支持部14の装着部13a、14aに摺動自在に装着された第1操作部17a及び第2操作部17bと、第1移動支持部13及び第2移動支持部14の板状部13b、14bの内側面と隙間をあけてスプール15の後方に配置された第3操作部17cとを備えている。第1操作部17a及び第2操作部17bは、第3操作部17cの両端に一体形成されており、全体としてクラッチ操作部材17は略C字状に形成されている。
第1操作部17a及び第2操作部17bの先端部には、開口13e、14eを貫通して第1側板本体11及び第2側板本体12の外側面に配置される棒状の装飾部17d、17eが円弧状に湾曲して形成されている。この装飾部17d、17eは、クラッチ操作部材17をクラッチオフ方向に回動させたときに第1移動支持部13及び第2移動支持部14の装着部13a、14a上に段差が生じないようにするための装飾用のものである。また、第1操作部17a及び第2操作部17bの先端には、リール本体1の前方に向けた回動操作を行いやすくするために互いに向けて内向きに突出して形成された押圧操作部17f、17gがそれぞれ設けられている。
クラッチ制御機構20は、クラッチ操作部材17の回動によりスプール軸芯X回りに回動するクラッチカム40と、クラッチカム40によりスプール軸16方向外方に押圧されクラッチヨーク41と、クラッチヨーク41をスプール軸16方向内方に付勢するコイルばね42と、クラッチオフ状態のクラッチ機構19をハンドル2の糸巻取方向の回転に連動してクラッチオン状態に戻すクラッチリターン機構43とを有している。
クラッチカム40は、クラッチヨーク41をスプール軸方向の外方に押圧するカム面を有し、第2側板本体12にスプール軸回りに回動自在に装着されカム部45と、カム部45と連動して回転するように第2側板本体12に回動自在装着されたクラッチプレート46とを有している。
カム部45は、スプール軸16を中心に回動自在かつ軸方向移動不能に装着された筒状のカム本体部45aと、カム本体部45aから径方向外方に突出しクラッチリターン機構43が装着される突出部45bと、カム本体部45aの一面にスプール軸16と同心に配置されカム面45cとを有している。図4に示すように、カム本体部45aの裏面には係合凸部45dが形成されており、クラッチプレート46に形成された係合孔46cがこの係合凸部45dに係合し、クラッチ操作部材17の回動をカム部45に伝えている。また、クラッチヨーク41には、図示しない係合部が形成され、カム面45cが係合部に係合することにより、クラッチヨーク41がスプール軸方向外方に押圧される。
クラッチプレート46は、第2側板本体12に回転自在に装着される装着部46a及び装着部46aから径方向に延びた後にスプール軸芯Xに実質的に平行に配置されるように折り曲げられた取付部46bとを有している。この取付部46bは、第1移動支持部13及び第2移動支持部14の板状部13b、14bに形成されたスリット13f、14fを貫通しており、両貫通部分の間でクラッチ操作部材17の第3操作部17cが取付部46bにビス止めされている。
クラッチヨーク41は、図4に示すように、スプール軸16の外周側に配置されており、2本のピン44によってスプール軸16の軸芯Xと平行に移動可能に支持されている。なお、スプール軸16はクラッチヨーク41に対して相対回転が可能である。すなわち、スプール軸16が回転しても、クラッチヨーク41は回転しないようになっている。また、クラッチヨーク41はその中央部にピニオンギア32の小径部32cに係合する係合部41aを有している。また、クラッチヨーク41を支持する2本のピン44の外周で、クラッチヨーク41と第2側カバー6bとの間にコイルばね42が配置されクラッチヨーク41がスプール軸内方に付勢されている。
このような構成では、通常状態ではピニオンギア32は内方のクラッチオン位置に位置しており、その噛み合い部32bの係合溝32dとスプール軸16の係合ピン16aとが係合してクラッチオン状態となっている。一方、クラッチヨーク41によってピニオンギア32が外方に押圧移動した場合は、係合溝32dと係合ピン16aとの係合が外れ、クラッチオフ状態となる。
クラッチリターン機構43は、図4及び図6に示すように、解除部材47と、ラチェットホイール48とを有している。解除部材47はカム部45の突出部45bに揺動自在に装着されている。解除部材47の先端には、ラチェットホイール48の外周部に当接可能な爪部47aが形成されている。解除部材47は、トグルばね49により揺動方向の両方向に振り分けて付勢されている。
ラチェットホイール48はハンドル軸30に回転不能に装着されており、外周部には多数の歯部48aが回転方向に間隔を隔てて形成されている。この歯部48aが解除部材47の爪部47aを押圧してクラッチカム40をクラッチオフ位置からクラッチオン位置に戻す。
クラッチ制御機構20を構成する各部材、すなわちクラッチカム40のカム部45及びクラッチプレート46、クラッチヨーク41、2本のピン44、クラッチリターン機構43の解除部材47及びラチェットホイール48(第2部品本体の一例)は、ステンレス合金製であり、各部材の表面には各種の表面処理が施されている。
次に、クラッチ制御機構20を構成する各部材の表面構造について詳細に説明する。
図10及び図11に示すように、まず、各部材のステンレス合金製の第2部品本体80(図10参照)となる母材を準備する(図11のS11)。ステンレス合金製の第2部品本体80の表層側には、電着塗装処理(図11のS12)により、第2絶縁膜層81(図10参照)が形成されている。
第2絶縁膜層81は、たとえばポリアミン樹脂を主成分とするカチオン形電着塗料を用いた電着塗装法により形成されている。このように電着塗装を行う場合は、第2部品本体80を塗料槽に浸漬させ、第2部品本体80を陰極、塗料層に設けた電極板を陽極として、直流電圧をかけることにより、塗料を電気的に塗着させる。このように第2絶縁膜層81は電着塗装法により形成されているので、防錆性を向上させるとともに、第2部品本体80の表面に均一に付着しやすくなる。
次に、ドラグ機構21等の他の機構について説明する。
ドラグ機構21は、図3に示すように、マスターギア31に押圧される摩擦プレート60と、スタードラグ3の回転操作によって摩擦プレート60をマスターギア31に所定の力で押圧するための押圧プレート61とを有している。またキャスティングコントロール機構22は、スプール軸16を挟むように配置された複数のプレート62、63と、プレート62、63によるスプール軸16の挟持力を調節するためのキャップ64とを有している。キャップ64の内周部には雌ねじが形成されており、第2側カバー6b側に形成された雄ねじと噛み合っている。
遠心ブレーキ機構23は、ブレーキケース65内に配置されている。遠心ブレーキ機構23は、ブレーキケース65内に設けられた円筒状のブレーキドラム66と、ブレーキドラム66の内周側に対向して配置された複数のブレーキシュー67とを有している。ブレーキシュー67は、スプール軸16に回転不能に装着されスプール15とともに回転する回転部材68に放射状に配置され、径方向に移動自在となっている。
次に、両軸受リールの動作について説明する。
通常の状態では、図3のスプール軸芯Xより上側に示すように、クラッチヨーク41はコイルばね42によってスプール方向内方に押されており、これによりピニオンギア32は係合位置に移動させられている。この状態では、ピニオンギア32の係合溝32dとスプール軸16の係合ピン16aとが噛み合ってクラッチオン状態となっており、ハンドル2からの回転力は、ハンドル軸30、マスターギア31及びピニオンギア32を介してスプール軸16及びスプール15に伝達される。このとき、キャスティングコントロール機構22のキャップ64の締め付け量を調整することにより、スプール15の回転時の抵抗力を調整することが可能である。
キャスティングを行う場合には、クラッチ操作部材17を下方に押圧する。具体的には、サミングする指の腹で第3操作部17cを押圧する。この押圧操作により、クラッチ操作部材17はスプール軸芯X回りに下方に回動して離脱位置に移動する。クラッチ操作部材17とクラッチプレート46とは連結されているので、クラッチ操作部材17を下方に回動させることによって、クラッチプレート46はスプール軸芯Xを中心に図6において反時計回りに回動する。クラッチプレート46とカム部45とは係合しているので、クラッチプレート46が反時計回りに回動すると、カム部45もトグルばね49の付勢力に抗してスプール軸16を中心に反時計回りに回動する。カム部45が反時計回りに回動するとカム部45のカム面45cにクラッチヨーク41の係合部が当接しているので、クラッチヨーク41はカム面45cに沿ってスプール軸方向外方(図3右方)に移動させられる。クラッチヨーク41はピニオンギア32の小径部32cに係合しているので、クラッチヨーク41が外方に移動することによってピニオンギア32も同方向に移動させられる。この状態を図3のスプール軸芯Xより下側に示す。この状態では、ピニオンギア32の係合溝32dとスプール軸16の係合ピン16aとの噛み合いが外れ、クラッチオフ状態となる。この状態では、ハンドル軸30からの回転はスプール軸16及びスプール15に伝達されない。
クラッチオフ時の様子を図7に示す。ここで、クラッチ操作部材17が下方の離脱位置に移動することによってクラッチプレート46及びカム部45が回転させられると、解除部材47の前方側の先端は、ラチェットホイール48側へ移動している。
次に、キャスティング後に素早くクラッチオフ状態から再びクラッチオン状態にする場合には、サミングした指の先端でクラッチ操作部材17の第1又は第2操作部17a、17bのいずれかの押圧操作部17f、17gを押圧してクラッチ操作部材17を離脱位置から係合位置に回動させる。これによりクラッチカム40は図7の時計回りに回動し、図6に示す係合位置に戻る。この結果、コイルばね42によりクラッチヨーク41が付勢されたピニオンギア32が係合位置に移動する。これにより係合ピン16aがピニオンギア32の係合溝32dに係合し、クラッチ機構19がクラッチオン状態になる。また、図7に示すクラッチオフ状態において、ハンドル2によりハンドル軸30及びラチェットホイール48を時計回り(糸を巻き込む方向)に回転させれば、ラチェットホイール48の歯部48aによって解除部材47の爪部47aが押される。すると、カム部45は係合位置に戻ってクラッチ機構19はクラッチオン状態となる。
このような構成の両軸受リールでは、リール本体1を構成する第1部品本体70は、マグネシウム合金製であり、第1部品本体70の表層側には、陽極酸化被膜層71及び第1絶縁膜層72が形成されている。また、クラッチ制御機構20を構成する第2部品本体80は、ステンレス合金製であり、第2部品本体80の表層側には、第2絶縁膜層81が形成されている。ここでは、マグネシウム合金製の第1部品本体70上に第1絶縁膜層72が形成され、ステンレス合金製の第2部品本体80上に第2絶縁膜層81が形成されているので、従来のように第1絶縁膜層72の表面が傷付いてマグネシウム合金が表層側に露出していも、第2部品本体80上に形成された第2絶縁膜層81によってステンレス合金が表層側に露出することがなくなる。したがって、マグネシウム合金製の第1部品本体70とステンレス合金製の第2部品本体80との間に塩水等の導電性のある液体が浸入しても、マグネシウム合金とステンレス合金とで局部電池が形成されず、このためマグネシウム合金製の部品本体が電解腐食するのを確実に防止することができる。
〔他の実施形態〕
(a) 本発明に係る釣り用部品は、両軸受リールのリール本体1やクラッチ制御機構20を構成する第1部品本体70及び第2部品本体80を例にあげて説明したが、これらに限定されるものではなく、他の全てのマグネシウム合金製の第1部品本体70及びステンレス合金製の第2部品本体80を有する釣り用品に本発明を適用できる。
(b) 前記実施形態では、リール本体1が非円形の両軸受リールを例にあげて説明したが、リール本体1が円形の両軸受リールにも本発明を適用できる。
(c) 前記実施形態では、第1部品本体70上に陽極酸化被膜層71及び第1絶縁膜層72を形成していたが、図12及び図13に示すように、第1部品本体70上に陽極酸化被膜層71のみを設ける構成にしてもよい。また、図14及び図15に示すように、第1部品本体70上に第1絶縁膜層72のみを設ける構成にしてもよい。
(d) 前記実施形態では、第1絶縁膜層72及び第2絶縁膜層81は、カチオン形電着塗料を用いた電着塗装法により形成さていたが、絶縁膜層の原材料や形成方法はこれに限定されるものではなく、絶縁特性を有する塗料による塗膜を形成してもよい。
本発明の一実施形態を採用した両軸受リールの平面図。 前記両軸受リールの背面図。 前記両軸受リールの平面断面図。 前記両軸受リールのクラッチ関連部分の分解斜視図。 クラッチオン状態における第1側カバーを外した状態の側面図。 クラッチオン状態における第2側カバーを外した状態の側面図。 クラッチオフ状態における第2側カバーを外した状態の側面図。 リール本体の各部材の断面拡大模式図。 前記リール本体の各部材の表面処理工程を示す図。 クラッチ機構の各部材の断面拡大模式図。 前記クラッチ機構の各部材の表面処理工程を示す図。 他の実施形態の図8に相当する図。 他の実施形態の図9に相当する図。 他の実施形態の図8に相当する図。 他の実施形態の図9に相当する図。
符号の説明
1 リール本体
5 フレーム
6a 第1側カバー
6b 第2側カバーb
8 第1側板
9 第2側板
10 連結部
20 クラッチ制御機構
40 クラッチカム
41 クラッチヨーク
43 クラッチリターン機構
44 ピン
45 カム部
46 クラッチプレート
47 解除部材
48 ラチェットホイール
70 第1部品本体
71 陽極酸化被膜層
72 第1絶縁膜層
80 第2部品本体
81 第2絶縁膜層
JP2005356547A 2005-12-09 2005-12-09 釣り用部品 Pending JP2007159427A (ja)

Priority Applications (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005356547A JP2007159427A (ja) 2005-12-09 2005-12-09 釣り用部品
US11/590,821 US7530514B2 (en) 2005-12-09 2006-11-01 Fishing component
TW095141936A TW200727781A (en) 2005-12-09 2006-11-13 Fishing component
SG200607946-1A SG133487A1 (en) 2005-12-09 2006-11-14 Fishing component
MYPI20064539A MY139858A (en) 2005-12-09 2006-11-21 Fishing component
KR1020060123062A KR20070061387A (ko) 2005-12-09 2006-12-06 낚시용 부품
CNA2006101531018A CN1977596A (zh) 2005-12-09 2006-12-08 钓具组件

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005356547A JP2007159427A (ja) 2005-12-09 2005-12-09 釣り用部品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007159427A JP2007159427A (ja) 2007-06-28
JP2007159427A5 true JP2007159427A5 (ja) 2008-10-23

Family

ID=38129033

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005356547A Pending JP2007159427A (ja) 2005-12-09 2005-12-09 釣り用部品

Country Status (7)

Country Link
US (1) US7530514B2 (ja)
JP (1) JP2007159427A (ja)
KR (1) KR20070061387A (ja)
CN (1) CN1977596A (ja)
MY (1) MY139858A (ja)
SG (1) SG133487A1 (ja)
TW (1) TW200727781A (ja)

Families Citing this family (26)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ITBS20070088A1 (it) * 2007-06-27 2008-12-28 Lupini Targhe S P A Targhetta con emblema, in particolare per veicoli
JP4963279B2 (ja) * 2007-08-06 2012-06-27 株式会社シマノ 両軸受リールのクラッチ操作部材
JP5124435B2 (ja) * 2008-12-16 2013-01-23 株式会社シマノ 両軸受リール
KR101126546B1 (ko) * 2009-06-26 2012-03-26 주식회사 도요엔지니어링 낚시용 베이트 릴의 클러치 기구
JP5878718B2 (ja) * 2011-09-27 2016-03-08 株式会社シマノ 両軸受リール
JP5956741B2 (ja) * 2011-11-08 2016-07-27 株式会社シマノ 釣り用リールのリール本体及び釣り用リール
JP5956740B2 (ja) * 2011-11-08 2016-07-27 株式会社シマノ 釣り用リールのリール本体、釣り用リール及び釣り用リールのリール本体製造方法
JP6517466B2 (ja) * 2012-12-28 2019-05-22 株式会社シマノ 両軸受リール
JP2014155470A (ja) * 2013-02-18 2014-08-28 Shimano Inc 両軸受リールのピニオンギア及びそれを備えた両軸受リール
JP6411009B2 (ja) * 2013-03-29 2018-10-24 株式会社シマノ 釣り用リールのリール部品
JP6218532B2 (ja) * 2013-09-27 2017-10-25 グローブライド株式会社 魚釣用リール
KR101553704B1 (ko) * 2013-12-17 2015-09-17 유한책임회사 도요엔지니어링 하이브리드 클러치 수단을 구비한 낚시 릴
JP6368525B2 (ja) * 2014-04-16 2018-08-01 株式会社シマノ 両軸受リールのクラッチ操作部材
JP6374700B2 (ja) * 2014-05-16 2018-08-15 株式会社シマノ 両軸受リール
JP6376848B2 (ja) * 2014-06-03 2018-08-22 株式会社シマノ 両軸受リールのクラッチ復帰機構
JP6371141B2 (ja) * 2014-07-08 2018-08-08 株式会社シマノ 両軸受リール
KR101699382B1 (ko) * 2014-10-22 2017-01-24 유한책임회사 도요엔지니어링 가공성이 향상된 낚시릴 프레임
KR101697215B1 (ko) * 2014-11-20 2017-01-17 유한책임회사 도요엔지니어링 라인 접촉 강화부재를 갖는 라인가이드를 구비한 낚시릴
JP6530615B2 (ja) * 2015-02-26 2019-06-12 株式会社シマノ 両軸受リール
JP6846156B2 (ja) * 2016-10-19 2021-03-24 株式会社シマノ 両軸受リール
JP6910239B2 (ja) * 2017-08-08 2021-07-28 株式会社シマノ 両軸受リール
KR102083429B1 (ko) * 2017-10-26 2020-03-02 유한책임회사 도요엔지니어링 프론트커버의 탈착이 편리한 낚시 릴
JP7122167B2 (ja) * 2018-06-11 2022-08-19 シマノコンポネンツ マレーシア エスディーエヌ.ビーエッチディー. 両軸受リール
JP7046743B2 (ja) * 2018-07-06 2022-04-04 株式会社シマノ スピニングリール
JP7345348B2 (ja) * 2019-10-16 2023-09-15 株式会社シマノ 両軸受リール
JP2023084191A (ja) 2021-12-07 2023-06-19 グローブライド株式会社 魚釣用リール、及び、魚釣用リールに装着される腐食部材

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4943486A (en) * 1987-04-01 1990-07-24 Seiko Epson Corporation Coated article and method of production
JPH07113401B2 (ja) * 1991-01-30 1995-12-06 株式会社東芝 真空環境用歯車伝達機構
JP2004275193A (ja) * 1997-12-10 2004-10-07 Shimano Inc 部品組立体
JP2000014288A (ja) * 1998-07-01 2000-01-18 Shimano Inc 釣り用リールのスプール
JP2001073165A (ja) 1999-09-09 2001-03-21 Shimano Inc マグネシウム製部品
JP2001321036A (ja) * 2000-03-08 2001-11-20 Daiwa Seiko Inc 魚釣用リールの構成部材
JP2002166223A (ja) * 2000-11-30 2002-06-11 Shimano Inc 塗装部品
JP4553495B2 (ja) * 2001-01-24 2010-09-29 株式会社シマノ 釣り用部品の締結構造
US20050133651A1 (en) * 2003-10-31 2005-06-23 Chung Cheung Fishing reel gear mechanism coating
JP2005312320A (ja) * 2004-04-27 2005-11-10 Daiwa Seiko Inc 魚釣用リ−ルの構成部品

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2007159427A5 (ja)
JP2007159427A (ja) 釣り用部品
TWI641317B (zh) 釣魚用捲線器、釣魚用捲線器的捲筒及釣魚用捲線器的捲筒軸
US7104485B2 (en) Spinning-reel sounding mechanism
JP5205120B2 (ja) 釣り用リールのハンドル把手
JP2010142131A (ja) 両軸受リール
TWI313581B (en) Reel unit for a dual bearing reel
JP2009261367A5 (ja)
JP5536594B2 (ja) 両軸受リール
CN101785446A (zh) 纺车式渔线轮的转子
JP2002218871A (ja) 釣り用部品の締結構造
JP2002034401A (ja) 釣り用塗装部品
JP5008331B2 (ja) 屋外用部品
JP2007270276A (ja) 屋外用部品
US6672525B2 (en) Fishing gear
TWI812529B (zh) 釣魚用捲線器及裝設於釣魚用捲線器之腐蝕構件
JP2005312320A (ja) 魚釣用リ−ルの構成部品
JP4512425B2 (ja) スピニングリールのマスターギア
JP5647543B2 (ja) 釣り用部品
JP4221243B2 (ja) 釣り用リールのスプールのアルマイト処理方法
JP2001321039A (ja) スピニングリールのフェースギア
JP4324490B2 (ja) 釣り用塗装部品
JP3993811B2 (ja) スピニングリールのハンドル組立体
JP2003235412A (ja) 釣り用リールのハンドル組立体
JP2002335824A (ja) スピニングリールのスプール