JP2004275193A - 部品組立体 - Google Patents

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康弘 人見
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Abstract

【課題】 部品組立体において、マグネシウム合金製の部品と他の材質の部品とを組み合わせて使用してもマグネシウム合金製の部品が電解腐食しないようにする。
【解決手段】 部品組立体は、マグネシウム合金製のスプール12と、スプール12に装着されるマグネシウム合金よりイオン化傾向が小さい金属製のスプール軸16と、スプールに直接接触可能でありスプールとスプール軸との間に介装されイオン化傾向がマグネシウム合金より小さくスプール軸に使用される金属より大きい金属製のスリーブ20と、第1部品と第3部品との隙間に充填された充填剤20bとを備えている。
【選択図】 図9

Description

本発明は、部品組立体、特に、複数の部品から構成される部品組立体に関する。
釣り竿に装着されて釣り糸を巻き取る釣り用リールには、主にスピニングリールと両軸受リールと片軸受リールとがある。この種の釣り用リールは、釣り竿に装着されるリール本体と、リール本体に装着された糸巻き用のスプールとを有している。両軸受リールや片軸受リールでは、スプールはリール本体に回転自在に支持され、スピニングリールでは、リール本体に前後移動自在に装着されている。この種の釣り用リールのリール本体やスプール等の部品には、従来、軽量化を図るためにアルミニウム合金や合成樹脂などが用いられている。
また、自転車用の部品にも、軽量化は図るため、アルミニウム合金や合成樹脂などが多く用いられている。
合成樹脂製の部品は、安価に製造できかつ軽量化を図ることができる。しかし、曲げ弾性率が小さいため、剛性を維持しようとすると肉厚が厚くなり重くなる。しかも、合成樹脂製のものは触ったときに良好な質感を得にくく見た目の高級感も得られにくい。
アルミニウム合金製の部品は、合成樹脂より高価でかつ重量も重くなるが、合成樹脂よりは曲げ弾性率が大きい。したがって合成樹脂製のものより薄肉化を図ることができ、しかも質感も良好であり見た目も高級感が得られやすい。しかし、金属としてはそれほど曲げ弾性率が大きくないので十分な剛性を維持しようとすると薄肉化を図りにくく、重量増をもたらす。
そこで軽量で剛性が高いマグネシウム合金をこれらの部品に使用することが考えられる。しかし、全ての部品を高価なマグネシウム合金製にすることは経済的な理由や強度が不足する等の理由により困難である。このため、他の材質の部品と組み合わせて使用されることが多くなる。マグネシウム合金製の部品と他の材質の部品とを組み合わせて使用すると、他の材質の部品との接触によりマグネシウム合金製の部品が電解腐食するおそれがある。
本発明の課題は、部品組立体において、マグネシウム合金製の部品と他の材質の部品とを組み合わせて使用してもマグネシウム合金製の部品が電解腐食しないようにすることにある。
発明1に係る部品組立体は、複数の部品から構成される組立体であって、マグネシウム合金製の第1部品と、第1部品に装着されるマグネシウム合金よりイオン化傾向が小さい金属製の第2部品と、第1部品に直接接触可能であり第1部品と第2部品との間に介装されイオン化傾向がマグネシウム合金より小さく第2部品に使用される金属より大きい金属製の第3部品と、第1部品と第3部品との隙間に充填された充填剤とを備えている。
この部品組立体では、マグネシウム合金製の第1部品とそれよりイオン化傾向が小さい第2部品との間にイオン化傾向が両者の中間にある第3部品が介装されるので、イオン化傾向が徐々に小さくなる。このため、たとえば剛性を高くするためにマグネシウムよりイオン化傾向がかなり小さい金属を第2部品に用いても、マグネシウム合金製の第1部品が電解腐食しにくくなる。また、隙間に大気や海水等の腐食雰囲気流体が入りにくくなるので、その部分から腐食しにくくなり、耐食性がさらに向上する。
発明2に係る部品組立体は、発明2に記載の組立体において、充填剤は、毛細管現象を利用して充填可能な液体である。この場合には、小さい隙間にも毛細管現象により充填剤が入り込むので、耐食性がさらに向上する。
発明3に係る部品組立体は、発明2に記載の組立体において、充填剤は、充填後固化する液状接着剤である。この場合には、充填後に熱処理等の処理が不要になるので、充填処理が容易である。
発明4に係る部品組立体は、発明1から3のいずれかに記載の組立体において、第3部品はアルミニウム合金又は亜鉛合金製である。この場合には、第3部品がマグネシウムにイオン化傾向が近いアルミニウム又は亜鉛を主に用いた合金製であるので、マグネシウム合金製の第1部品に第3部品に接触しても第1部品が電解腐食しにくい。
発明5に係る部品組立体は、発明1から4のいずれかに記載の組立体において、第2部品はステンレス合金製である。この場合には、第2部品の剛性を高く維持できかつ耐食性も向上できる。
発明6に係る部品組立体は、発明1から5のいずれかに記載の組立体において、第1部品の大気に露出する面には酸化被膜が形成されている。この場合には、マグネシウム合金製の第1部品の耐食性が向上する。
本発明によれば、たとえば剛性を高くするためにマグネシウムよりイオン化傾向がかなり小さい金属を第2部品に用いても、マグネシウム合金製の第1部品が電解腐食しにくくなる。また、隙間に大気や海水等の腐食雰囲気流体が入りにくくなるので、その部分から腐食しにくくなり、耐食性がさらに向上する。
〔実施形態1〕
図1は、本発明の一実施形態を採用した両軸受リールの平面図である。
図に示す両軸受リールは、ベイトリールであり、リール本体1と、リール本体1の側方に配置されたスプール回転用ハンドル2と、ハンドル2のリール本体1側に配置されたドラグ調整用のスタードラグ3とを備えている。ハンドル2は、板状のアーム部2aと、アーム部2aの両端に回転自在に装着された把手2bとを有するダブルハンドル形のものである。アーム部2aの外側面はつなぎ目がない滑らかな面で構成されており、釣り糸が絡みにくい構造となっている。
図2に示すように、リール本体1は、たとえばマグネシウム合金製のフレーム5と、フレーム5の両側方に装着されたマグネシウム合金製の第1側カバー6及び第2側カバー7と、フレーム5の前方に開閉自在に装着されたマグネシウム合金製の前カバー10とを有している。これらのマグネシウム合金製の各部はチクソモールディング法により射出成形して得られる。また、各部は、クロメート処理により外周面の耐食性を確保している。フレーム5は、所定の間隔をあけて互いに対向するように配置された1対の側板8,9と、これらの側板8,9を連結する複数の連結部11とを有している。このようなチクソモールディング法により射出成形してリール本体1を製造することで、リール本体を薄肉にしてもひけや割れが少なくなり、かつ強度も維持でき軽量化を図ることができる。
ハンドル2側の第2側カバー7はアルミニウム合金製のネジにより側板9に着脱自在に固定されている。ハンドル2と逆側の第1側カバー6は、バヨネット構造14によりフレーム5の側板8に着脱自在に装着されている。ハンドル2と逆側の側板8には、図4に示すようにスプール12が通過可能な開口8aが形成されている。また、開口8aの前方には、前カバー10を開閉自在に装着するための長孔8bが形成されている。長孔8bは、開口8aの前方に斜めに形成されており、ハンドル2側の側板9にもこの長孔8bと対向する位置に同様な長孔(図示せず)が斜めに形成されている。
前カバー10は、図1及び図4に示すように、側カバー6,7に連続する滑らかな曲線で構成されたカバー本体10aと、カバー本体10aを側板8,9に装着するための装着脚部10bとを有している。カバー本体10aの前面には、後述するレベルワインド機構15のラインガイド27が移動可能な開口10dが形成されている。前カバー10の前下部には側板8,9に係合する係合片10eが形成されている。この係合片10eの先端には半球状の突起10fが形成されており、この突起10fが側板8,9の内側面に形成された凹穴(図示せず)を移動可能である。
装着脚部10bは正面視コ字状の部材であり、その両先端には軸部10c(図4では側板8側のみ図示)が外方に突出している。軸部10cは、側板8,9の長孔内に延びて長孔の長手方向に移動可能である。側板8側の軸部10cは側板8からさらに外方に突出している。このような前カバー10は、側板8,9に対して、図4に2点鎖線で示す開位置と実線で示す閉位置との間で開閉自在である。
フレーム5内には、スプール12と、スプール12内に均一に釣り糸を巻くためのレベルワインド機構15と、サミングを行う場合の親指の当てとなるサムレスト17とが配置されている。フレーム5と第2側カバー7との間には、ハンドル2からの回転力をスプール12及びレベルワインド機構15に伝えるためのギア機構18と、クラッチ機構13と、サムレスト17の操作に応じてクラッチ機構13の係脱を行うためのクラッチ係脱機構19と、ドラグ機構21と、第1キャスティングコントロール機構22とが配置されている。また、フレーム5と第1側カバー6との間には、キャスティング時のバックラッシュを抑えるための遠心ブレーキ機構23と、第2キャスティングコントロール機構24とが配置されている。
スプール12は、チクソモールディング法により射出成形して得られたマグネシウム合金製の部材である。スプール12は、両側部に皿状のフランジ部12aを有しており、両フランジ部12aの間に筒状の糸巻き胴部12bを有している。また、スプール12は、糸巻き胴部12bの内周側において軸方向の実質的に中央部に一体で形成された筒状のボス部12cを有している。ボス部12cの内周側には、図3に示すように、アルミニウム合金製のスリーブ20が圧入されている。スリーブ20は、マグネシウム合金製のスプール12の電解腐食を防止するために介装されている。スプール12は、スリーブ20を貫通するスプール軸16にたとえばセレーション結合により回転不能に固定されている。この固定方法はセレーション結合等の凹凸による固定法に限定されず、接着やインサート成形等、種々の結合方法を用いることができる。
スプール軸16は、たとえばステンレス製の棒状部材であり、図3に示すように、側板9を貫通して第2側カバー7の外方に延びている。このようなステンレス製のスプール軸16にマグネシウム合金製のスプール12とを直接接触させると、マグネシウム合金のイオン化傾向はステンレス(鉄)よりかなり大きいので、スプール12が電解腐食するおそれがある。これを防止するために、マグネシウム合金とステンレスとの間のイオン化傾向を有するアルミニウム合金製のスリーブ20を介装したのである。スプール軸16の延びた一端は、第2側カバー7に形成されたボス部29に軸受35bにより回転自在に支持されている。またスプール軸16の他端は、遠心ブレーキ機構23内で軸受35aより回転自在に支持されている。これらの軸受はシールドボールベアリングである。スプール軸16は、スプール12が固定される中央部の大径部分16aと、その両端に形成された2つの小径部分16b,16cとを有している。
大径部分16aは、糸巻き胴部12bの内部の空間内に配置されており、その中央部外周面にはスプール12を固定するためのセレーション16dが形成されている。大径部分16aの図3右端にはクラッチ機構13を構成する平行な面取り部16eが形成されている。
左側の小径部分16cは、さらに階段状に2段に縮径されており、その先端部は軸受35によりブレーキケース65に支持されている。右側の小径部分16bには、ピニオンギア32が軸方向に移動自在に支持されている。小径部分の先端部は軸受35aにより回転自在に支持されている。なお、スプール軸16の両端は回転抵抗の増加を抑えるために球状面になっている。
レベルワインド機構15は、図2及び図4に示すように、1対の側板8,9間に固定されたガイド筒25と、ガイド筒25内に回転自在に支持されたウォームシャフト26と、ラインガイド27とを有している。ガイド筒25の外周面には軸方向に長い溝が形成されており、その溝からウォームシャフト26に向けてラインガイド27に装着された係止部27dが延びている。ウォームシャフト26の端部には、ギア機構18を構成するギア28aが固定されている。またウォームシャフト26には螺旋状溝26aが形成されており、係止部27dがこの螺旋状溝26aに噛み合っている。このため、ギア機構18を介してウォームシャフト26が回転させられることにより、ラインガイド27はガイド筒25に沿って往復動する。このラインガイド27内に釣り糸が挿通されて釣り糸がスプール12に均一に巻き付けられる。ラインガイド27の上部には、釣り糸を案内するための硬質リング27aが嵌め込まれている。
ギア機構18は、図2に示すように、ハンドル軸30に固定されたメインギア31と、メインギア31に噛み合う筒状のピニオンギア32と、前述のウォームシャフト26端部に固定されたギア28aと、ハンドル軸30に回転不能に固定され、ギア28aに噛み合うギア28bとを有している。
ピニオンギア32は、図3に示すように、側板9の外方に配置され中心にスプール軸16が貫通する筒状部材であり、スプール軸16に軸方向に移動自在に装着されている。ピニオンギア32は、図3右端側外周部に形成されメインギア31に噛合する歯部32aと、他端側に形成された噛み合い部32bと、歯部32aと噛み合い部32bとの間に形成されたくびれ部32cとを有している。噛み合い部32bは、ピニオンギア32の端面に形成された小判状の凹穴からなり、そこにスプール軸16の大径部16aの端部に形成された面取り部16eが係止される。ここではピニオンギア32が外方に移動してその噛み合い部32bの凹穴とスプール軸16の面取り部16eとが離脱すると、ハンドル軸30からの回転力はスプール12に伝達されない。この噛み合い部32bの凹穴と面取り部16eとによりクラッチ機構13が構成される。
サムレスト17は、図2に示すように、1対の側板8,9間の後部でスプール12後方に配置されており、クラッチ操作レバーを兼ねている。フレーム5の側板8,9には長孔(図示せず)が形成されており、サムレスト17の回転軸17aがこの長孔に回転自在に支持されている。このため、サムレスト17は長孔に沿って上下方向にスライドすることも可能である。
クラッチ係脱機構19は、図3に示すように、クラッチヨーク40を有している。クラッチ係脱機構19は、サムレスト17の回動によりクラッチヨーク40をスプール軸16の軸芯と平行に移動させる。また、ハンドル軸30が糸巻き取り方向に回転すると自動的にクラッチ機構13がオンするようにクラッチヨーク40を移動させる。クラッチヨーク40は、スプール軸16の外周側に配置されており、2本のピン41(一方のみ図示)によってスプール軸16の軸心と平行に移動可能に支持されている。なお、スプール軸16はクラッチヨーク40に対して相対回転が可能である。すなわち、スプール軸16が回転してもクラッチヨーク40は回転しないようになっている。またクラッチヨーク40はその中央部にピニオンギア32のくびれ部32cに係合する係合部40aを有している。またクラッチヨーク40を支持する各ピン41の外周で、クラッチヨーク40と第2側カバー7との間にはスプリング42が配置されており、クラッチヨーク40はスプリング42によって常に内方(クラッチ係合側)に付勢されている。
このような構成において、通常状態では、ピニオンギア32は内方のクラッチ係合位置に位置しており、その噛み合い部32bとスプール軸16の面取り部16eとが係合してクラッチオン状態となっている。一方、クラッチヨーク40によってピニオンギア32が外方に移動した場合には、噛み合い部32bと面取り部16eとの係合が外れクラッチオフ状態となる。
ドラグ機構21は、図2に示すように、メインギア31に押圧される摩擦プレート45と、スタードラグ3の回転操作によって摩擦プレート45をメインギア31に所定の力で押圧するための押圧プレート46とを有している。
第1キャスティングコントロール機構22は、図3に示すように、スプール軸16の両端を挟むように配置された複数の摩擦プレート51と、摩擦プレート51によるスプール軸16の挟持力を調節するためのキャップ52とを有している。左側の摩擦プレート51は、ブレーキケース65内に装着されている。キャップ52は、ボス部29に埋め込まれており、特殊な工具を用いないかぎり操作できないようになっている。この第1キャスティングコントロール機構22は、制動力を調整する目的よりスプール軸16の軸方向のがたを少なくするために用いられる。したがって、この実施形態では、この第1キャスティングコントロール機構22でスプール12に制動力を作用させることはほとんどない。
遠心ブレーキ機構23は、図3に示すように、ブレーキケース65と、ブレーキケース65内に設けられた回転部66と、回転部66に周方向に間隔を隔てて配置され径方向に移動自在に装着された摺動子67と、ブレーキケースの内周面に固定された筒状のブレーキライナー68とを有している。
ブレーキケース65は、有底短筒状の部材であり、その底部中心に外方に突出する軸受収納部65aが形成されている。ここに、スプール軸16を支持する軸受35aが収納され、その底面に第1キャスティングコントロール機構22の摩擦プレート51が装着されている。ブレーキケース65は、第1側カバー6に2本のネジ69a,69bにより固定されている。ブレーキケース65の外周面にはバヨネット構造14を構成する突起部14aが周方向に間隔を隔てて3か所形成されている。なお、開口8aには、この突起部14aに対向する位置に係止爪14bが形成されている。係止爪14bは、開口から外方にL字形に突出して形成されている。
ブレーキケース65の外周面には、図4に示すように、前カバー10の軸部10cの周面に当接可能な回り止め突起65bが形成されている。この回り止め突起65bは、前カバー10が閉位置にあるとき、軸部10cに当接することで第1側カバー6を回り止めするために設けられている。つまり、前カバー10の軸部10cが第1側カバー6の回り止め機能を実現している。このように、フレーム5の前部を開閉自在に覆う前カバー10により第1側カバー6の回り止めを行うことで専用の回り止め部材を設けることなく、第1側カバー6を回り止めできる。
回転部66は円板状の部材であり、図3に示すように、外周部に周方向に間隔を隔てて複数の凹部66aが形成されている。この凹部66aにはガイド軸66bが径方向に沿って立設されている。回転部66は、スプール軸16に軸方向移動可能にかつ回転不能に連結されている。また、回転部66は、スプール軸16の小径部分16cの外周側配置された押圧バネ71によりスプール12側に付勢されている。
摺動子67は、回転部66の凹部66a内に立設された複数のガイド軸66bに移動自在に支持されている。摺動子67は、遠心力により径方向外方に移動してブレーキケース65内のブレーキライナー68に摺接してスプール12を制動する。ここで遠心力は回転速度の二乗に比例して大きくなるので、遠心ブレーキ機構23の制動力は回転速度の二乗に比例して大きくなる。
第2キャスティングコントロール機構24は、図3及び図5に示すように、ブレーキケース65内に配置されている。第2キャスティングコントロール機構24は、回転部66の端面に固着された磁性板80と、磁性板80を吸着する2つの磁石81,82を有する制動用の揺動アーム83と、ブレーキケース65に磁性板80に対向して配置されたブレーキライナー84と、揺動アーム83を揺動操作して制動力を調整するための制動調整部85とを備えている。この第2キャスティングコントール機構24は、磁性板80に作用する磁束数を変化させることで制動力を調整する。
磁性板80は、軟鉄製の円板状の部材であり、回転部66の端面にたとえば接着等の適宜の固着手段により固着されている。この磁性板80を固着した回転部66は、磁石81,82により磁性板80が吸着されると軸方向外方に移動し、磁性板80がブレーキライナー84に接触する。
揺動アーム83は、図5に実線で示す最大制動位置と2点鎖線で示す最小制動位置との間で揺動するアームであり、間隔を隔てて2つの磁石81,82を保持する磁石保持アーム83aと、磁石保持アーム83aの基端に回転不能に装着された揺動軸83bと、揺動軸83bに基端が回転不能に装着された操作アーム83cとを有している。磁石保持アーム83aは、円弧状のアーム部材であり、その長手方向の先端と基端部近傍とで2つの磁石81,82を保持している。ここで、揺動アーム83が最大制動位置に配置されると、2つの磁石81,82は、スプール軸16を挟んで磁性板80に対向するほぼ対称の位置に配置される。揺動軸83bは、ブレーキケース65の底面に回動自在に支持されている。この一端に磁石保持アーム83aが、他端に操作アーム83cがそれぞれ回転不能に装着されている。操作アーム83cは、先端に長孔83dが形成された円弧状のアーム部材である。操作アーム83cが揺動すると、揺動軸83bを介して磁石保持アーム83aが揺動して磁石81,82の磁性板80に対する対向面積が変化し、磁石81,82の磁性板80を透過する磁束密度が変化する。これにより磁性板80を吸着する力が変化し、磁性板80とブレーキライナー84との摩擦力が変化して制動力が変化する。
ブレーキライナー84は、ブレーキケース65の底部と間隔を隔てて平行に配置された中間板90の中心部にスプール軸16と同芯に回転不能に装着されている。ブレーキライナー84は、ポリスライダ(商品名)等の耐磨耗性を有するナイロン樹脂製であり、磁性板80と接触してスプール12を制動するためのものである。
制動調整部85は、第1側カバー6の内面に斜めに固定されたガイド部材91と、ガイド部材91に案内される把手部材92と、把手部材92を位置決めするための位置決め機構93とを有している。
ガイド部材91は、第1側カバー6に斜めに形成されたガイド孔95に沿って配置され、把手部材92を長手方向に案内する。把手部材92は、第1側カバー6の外方に露出した撮み部92aと、第1側カバー6の内方に突出したリンク軸部92bとを有している。リンク軸部92bは、操作アーム83cの先端に形成された長孔83dに係止される。この結果、把手部材92が実線で示す最大制動位置と2点鎖線で示す最小制動位置との間で移動すると、リンク軸部92bが長孔83dの上端と下端との間で移動し、操作アーム83cが最大制動位置と最小制動位置との間で揺動する。位置決め機構93は、撮み部92aに固定された位置決めバネ96と、位置決めバネ96を把手部材92の移動方向で位置決めするための位置決め金具97とを有している。位置決めバネ96は、山形に曲げられた板バネであり、その頂点が円弧状に曲げられている。この位置決めバネ96の円弧部に沿った形状の円弧状の凹凸97aが位置決め金具97に形成されている。このため、把手部材92が移動すると位置決めバネ96が位置決め金具97の凹凸97aに当接して把手部材92が位置決めされる。この結果、最大制動位置と最小制動位置との間において複数の位置で把手部材92が位置決めされ、制動力を複数段階で調整できる。
次にリールの動作について説明する。
通常の状態では、クラッチヨーク40はスプリング42によって内方(図3左方)に押されており、これによりピニオンギア32は、係合位置に移動させられている。この状態ではピニオンギア32の噛み合い部32bとスプール軸16の面取り部16eとが噛み合ってクラッチオン状態となっており、ハンドル2からの回転力は、ハンドル軸30、メインギア31、ピニオンギア32及びスプール軸16を介してスプール12に伝達され、スプール12が糸巻き取り方向に回転する。
キャスティングを行う場合には、バックラッシュを抑えるために把手部材92により制動力を調整する。そして、サムレスト17を下方に押す。ここでは、サムレスト17は、側板8,9の長孔に沿って下方の離脱位置に移動する。そしてサムレスト17の移動により、クラッチヨーク40が外方に移動し、クラッチヨーク40に係合したピニオンギア32も同方向に移動させられる。この結果、ピニオンギア32の噛み合い部32bとスプール軸16の面取り部16eとのかみあいが外れ、クラッチオフ状態となる。このクラッチ状態では、ハンドル軸30からの回転はスプール12及びスプール軸16に伝達されず、スプール12は自由回転状態になる。クラッチをオフ状態として、サムレスト17においた親指でスプールをサミングしながらスプール軸16が鉛直面に沿うようにリールを軸方向に傾けて釣り竿を振ると、ルアーが投げられスプール12が糸繰り出し方向に勢いよく回転する。
このような状態では、スプール12の回転によりスプール軸16が糸繰り出し方向に回転し、その回転が回転部66に伝達される。回転部66が回転すると、摺動子67がブレーキライナー68に摺接して遠心ブレーキ機構23によりスプール12が制動される。
一方、揺動アーム83の揺動位置に応じて磁性板80が磁石81,82に吸着され、回転部66とともに押圧バネ71の付勢力に抗してブレーキライナー84側に移動し、磁性板80がブレーキライナー84に揺動アーム83の揺動位置に応じた吸着力で接触する。この結果、磁性板80とブレーキライナー84との摩擦力によりスプール12が所望の制動力で制動され、バックラッシュ等のトラブルが減少する。
また、スプール12でバックラッシュが生じても第1側カバー6がバヨネット構造14により簡単に着脱できるので、バックラッシュを容易に解消できる。この第1側カバー6の着脱手順について以下に説明する。
通常の状態では、前カバー10は図6に示す閉位置に配置される。このとき、前カバー10の軸部10cは、長孔8bに下端に配置されている。そしてこの軸部10cにブレーキケース65に固定された回り止め突起65bが当接し、ブレーキケース65を固定した第1側カバー6は、図6の反時計回りに回転できないようになっている。
スプール12を取り出すために、第1側カバー6を側板8から取り外す場合には、前カバー10を図7に示すように開位置に引っ張り出す。前カバー10が引っ張り出されると、前カバー10の軸部10cは長孔8bに案内されて上端に移動する。すると、回り止め突起65bから軸部10cが外れ、第1側カバー6が図7の反時計回りに回転可能になる。この状態で第1側カバー6を反時計回りに回転させると、側板8に設けられた係止爪14bから突起部14aが外れ、側板8から第1側カバー6を取り外すことができる。第1側カバー6を外すと、第2キャスティングコントロール機構24でスプール12を制動している場合には、磁性板80が磁石81,82に吸着されて側カバー6とともに取り外すことができる。また、制動していない場合には、開口8aから取り出すことができる。
このような構成の両軸受リールでは、リール本体1及びスプール12がマグネシウム合金製であるので、強度を維持してリールの軽量化を図ることができる。しかも、チクソモールディング法による射出成形によりこれらの各部が得られるので、各部を薄肉にしても割れやひけが少なくなる。
また、マグネシウム合金製のスプールとイオン化傾向が大きく異なるスプール軸16とが直接接触しないようにスリーブ20を介装したので、スプール12が電解腐食しにくくなる。
〔実施形態2〕
前記実施形態1では釣り用リールとして両軸受リールを例に説明したが、スピニングリールにも本発明を適用できる。
図8から図10において、本発明の実施形態2を採用したスピニングリールは、ハンドル101を回転自在に支持するリール本体102と、ロータ103と、スプール104とを備えている。ロータ103は、リール本体102の前部に回転自在に支持されている。スプール104は釣り糸をその外周面に巻き取るものであり、ロータ103の前部に前後移動可能に配置されている。
リール本体102は、ロータ103やスプール104を支持する筐体部110と、筐体部110に着脱自在にネジ止めされた蓋体部111とを有している。筐体部110は、たとえばチクソモールディング法により射出成形して得られたマグネシウム合金製の薄肉の部材である。筐体部110の内部には、ロータ103を回転させるためのロータ駆動機構105と、スプール104を前後移動させて均一に釣り糸を巻き取るためのオシレーティング機構106と、ハンドル101を回転自在に支持するハンドル支持部107とが設けられている。
蓋体部111はたとえばチタン製であり、ロストワックス法により製造された部材である。蓋体部111は、筐体部110の開口部110aをカバーする薄肉のカバー部111aと、カバー部111aから上方に延びる取付脚部111bとを有している。カバー部111aの表面及び裏面はほぼ平滑面となっている。取付脚部111bは中実の厚肉部材であり、その先端は前後両側に延びており釣り竿取付部111cとなっている。
筐体部110と蓋体部111との間には、たとえばナイロン等の合成樹脂の絶縁シート117が介装されている。このようにイオン化傾向が異なる金属製の筐体部110と蓋体部111との間に絶縁シート117を介装することで、筐体部110と蓋体部111との間での電子の流れが可及的に減少し、マグネシウム合金製の筐体部110が電解腐食しにくくなる。
ロータ駆動機構105は、ハンドル101が連結されたハンドル軸112と、ハンドル軸112の先端に一体で形成されたマスターギア113と、マスターギア113に噛み合うピニオンギア114とを有している。ハンドル軸112は、ハンドル支持部107に回転自在に支持されている。ピニオンギア114は筒状に形成されており、その前部114aはロータ103の中心部を貫通してスプール104側に延びている。そして、その先端にはネジ部が形成されている。ピニオンギア114は、その軸方向の中間部と後端部とが、それぞれ軸受115,116を介してリール本体102の筐体部110に回転自在に支持されている。
オシレーティング機構106は、スプール104の中心部に固定されたスプール軸120を前後方向に移動させてスプール104を同方向に移動させるための機構である。スプール軸120は、たとえばステンレス製であり、ピニオンギア114を介してリール本体102に前後移動自在に支持されている。オシレーティング機構106は、スプール軸120の上方に配置された螺軸121と、螺軸121に沿って前後方向に移動するスライダー122と、螺軸121の先端に固定された中間ギア123とを有している。螺軸121は、スプール軸120と平行に配置されており、筐体部110に回転自在に支持されている。また、螺軸121の外周部には螺旋状の溝121aが形成されている。スライダー122は、螺軸121の上方に螺軸121と平行に配置されたガイド軸124に摺動自在に装着されている。スライダー122にはスプール軸120の後端が固定されている。中間ギア123は、ピニオンギア114に噛み合っている。
ハンドル支持部107は筐体部110に設けられた支持筒108と、支持筒108の内部にハンドル軸112の軸方向に間隔を隔てて配置されハンドル軸112を回転自在に支持する2つの軸受109とを有している。支持筒108は、筐体部110においてスプール軸120と直交する方向に外方に延びている。
ロータ103は、円筒部130と、円筒部130の側方に互いに対向して設けられた第1ロータアーム131及び第2ロータアーム132とを有している。円筒部130と両ロータアーム131,132とは、たとえばアルミニウム合金製の一体成形された部材である。
円筒部130の前部には前壁133が形成されており、前壁133の中央部にはボス133aが形成されている。このボス133aの貫通孔をピニオンギア114の前部114a及びスプール軸120が貫通している。前壁133の前方側にはナット134が配置されており、このナット134がピニオンギア114の先端のネジ部に螺合している。ナット134の内周部には、スプール軸120を回転自在に支持する軸受135が配置されている。
ロータ103の前壁133には、軸方向に1対のスリットが入った円筒状の第1糸噛み防止部材136が設けられている。この第1糸噛み防止部材136は、スプール104に巻き付けられた釣り糸がロータ103との間の隙間から入ってスプール軸120に噛み込むのを防止するための部材である。また、スプール104の内部においてロータ103との間には、スプール104に巻き付けられた釣り糸がロータ103との隙間から内部に入り込むのを防止するための第2糸噛み防止部材137が設けられている。第2糸噛み防止部材137は壺形状の部材であり、前部に第1糸噛み防止部材136が貫通する1対の円弧状の貫通孔137aが形成されている。第2糸噛み防止部材137の中心部には、スプール軸120を回転自在に支持する軸受138が配置されている。第2糸噛み防止部材137の周縁部には、スプール104の後端部とロータ103との隙間を塞ぐための筒状部137bと、筒状部137bから外方に延びる1対のロータ係止部139a,139bとが設けられている。ロータ係止部139a,139bはロータ103の1対のロータアーム131,132にそれぞれ係止され、第2糸噛み防止部材137をロータ103に連動して回転させる。
第1ロータアーム131の先端の内周側には第1ベール支持部材140が揺動自在に装着されている。第1ベール支持部材140は2つの軸受140aにより第1ロータアーム131に回転自在に支持されている。第1ベール支持部材140の先端には、釣り糸をスプール104に案内するためにラインローラ141が装着されている。また、第2ロータアーム132の先端の内周側には、第2ベール支持部材142が揺動自在に装着されている。この第2ベール支持部材142を、例えば、他の部分より比重の大きい材質で構成し、第2ベール支持部材140及びラインローラ141に起因する回転時のアンバランスを解消するためのバランサとして機能させることも可能である。第1ベール支持部材140の先端のラインローラ141と第2ベール支持部材142との間にはベール143が設けられている。これらのベール支持部材140,142、ラインローラ141及びベール143によりベールアーム145が構成される。このように、各ベール支持部材140,142をロータアーム131,132の内周側に装着することにより、ベールアーム145の回転半径が小さくなり、釣り竿も持つ手に当たりにくくなる。したがって、取付脚部111bを短くしてスプール104と釣り竿を近づけることができ、全体として小型化が可能になる。
ここで、両ベール支持部材140,142は、一本の揺動軸Mを中心に揺動自在である。そして、揺動軸Mと第1ロータアーム131の第1ベール支持部材取付面とが交差する点を揺動中心C1とし、揺動軸Mと第2ロータアーム132の第2ベール支持部材取付面とが交差する点を揺動中心C2とした場合、揺動中心C2は揺動中心C1より前方に位置している。すなわち、揺動軸Mは、スプール軸120と直交する軸に対して後方に傾いている。また、各ベール支持部材140,142は、それらの揺動面が揺動軸Mに対して直交するように配置されている。
ロータ103の円筒部130の内部にはロータ103の逆転防止機構150が配置されている。逆転防止機構150は、ローラ型のワンウェイクラッチ(図示せず)と、ワンウェイクラッチを作動状態及び非作動状態に切り換える操作機構151とを有している。ワンウェイクラッチは、外輪が筐体部110に固定され、内輪がピニオンギア114に固定されている。操作機構151は、筐体部110の下部に配置された操作レバー152を有しており、操作レバー152を揺動させることでワンウェイクラッチが2つの状態に切り換られ、作動状態のときにロータ103が逆転不能になり、非作動状態のときロータ103が逆転可能になる。
スプール104は、ロータ103の第1ロータアーム131と第2ロータアーム132との間に配置されており、スプール軸120の先端にアルミニウム製のスリーブ104dを介して固定されている。スプール104は、外周に釣り糸が巻き付けられる糸巻胴部104aと、糸巻胴部104aの後部に形成された後フランジ部104bと、糸巻胴部104aの前部に固定されたアルミニウム製の前フランジ部104cとを有している。糸巻胴部104aと後フランジ部104bとは一体で形成されたマグネシウム合金製の薄肉部材である。糸巻胴部104aはロータ103の円筒部130の外周側まで延びており、通常のスピニングリールより胴長さが長くなっている。また、両フランジ部104b,104cのフランジ高さは、通常のスピニングリールより低くなっている。これにより、糸放出時の抵抗が少なくなり、細い釣り糸を糸巻胴部104aに巻き付けても釣り糸がよれにくくなっている。
次にスピニングリールの動作について説明する。
このスピニングリールでは、キャスティング時には、ベール143を糸巻取側から糸開放側に倒す。これにより第1及び第2ベール支持部材140,142は、揺動軸Mを中心として同方向に回転する。このとき、第1及び第2ベール支持部材140,142は、第1及び第2ロータアーム131,132の内周側に配置され、かつ揺動軸Mがスプール軸120に対して後方に傾いているので、第1ベール支持部材140及びその先端のラインローラ141は、糸巻取姿勢時の位置よりもさらに内周側に移動する。このため、キャスティング時に繰り出された釣り糸が第1ベール支持部材140やラインローラ141に絡みにくくなる。
釣り糸巻取時には、ベール143を糸巻取姿勢に倒す。これは、ハンドル101を糸巻取方向に回転させると図示しないカムとバネの働きにより自動的に行われる。ハンドル101を糸巻取方向に回転させると、この回転力はハンドル軸112及びマスターギア113を介してピニオンギア114に伝達される。このピニオンギア114に伝達された回転力は、ピニオンギア114前部を介してロータ103に伝達され、ロータ103が糸巻取方向に回転する。
一方、ピニオンギア114に噛み合う中間ギア123によって螺軸121が回転し、この螺軸121の螺旋溝121aに噛み合うスライダ122がガイド軸124に案内されて前後方向に移動する。このため、スプール軸120及びスプール104が前後方向に往復移動し、ベール143及びラインローラ141によってスプール104に案内された釣り糸は、スプール104の糸巻胴部104aの外周面に前後方向に略均一に巻き取られる。
このような構成のスピニングリールでもリール本体102の一部及びスプール104をマグネシウム合金製にしたので、前記実施形態1と同様な効果が得られる。しかも、チタン合金製の厚肉の取付脚部111bをカバー部111aと一体で形成し、各駆動部分を収納する薄肉のマグネシウム合金製の筐体部110を取付脚部111bと別体にしたので、筐体部110の精度を高く維持できしかも剛性も高くなる。また、取付脚部111bの強度も高く維持できる。また、取付脚部111bをカバー部111aと一体にしたので、別体にする場合に比べて簡素な構造で強度を維持できる。
〔実施形態3〕
図11において、スプール12は、たとえばダイキャスト法により射出成形して得られたマグネシウム合金製の部材である。スプール12は、両側部に皿状のフランジ部12aを有しており、両フランジ部12aの間に筒状の糸巻き胴部12bを有している。また、スプール12は、糸巻き胴部12bの内周側において軸方向の実質的に中央部に一体で形成された筒状のボス部12cを有している。ボス部12cの内周側には、アルミニウム合金製のスリーブ20が圧入されている。スリーブ20は、マグネシウム合金製のスプール12の電解腐食を防止するために介装されている。スプール12は、スリーブ20を貫通するスプール軸16にたとえばセレーション結合により回転不能に固定されている。この固定方法はセレーション結合等の凹凸による固定法に限定されず、接着やインサート成形等、種々の結合方法を用いることができる。
スプール12及びスリーブ20の表面には、図12に示すように、耐食性を向上させるために酸化被膜20aが形成されている。この酸化被膜20aは、陽極酸化法や化成法により形成されている。また、スプール12とスリーブ20との間には若干の隙間20bが生じている。この隙間20bには、毛細管現象により注入可能な接着剤20cが充填されている。なお、充填する液体は、接着剤20aに限定されず合成樹脂液や油脂等の浸透性が良好で腐食しにくい液体であればどのような液体でもよい。
スプール軸16は、たとえばステンレス製の棒状部材である。
ここでも電解腐食を防止するために、マグネシウム合金とステンレスとの間のイオン化傾向を有するアルミニウム合金製のスリーブ20を介装している。なお、この介装方法は、圧入に限定されず、挟み込みやインサート成形してもよい。また、スプール12とスリーブ20との間に隙間20bがあると、この隙間20bに大気や塩水等が入り込み腐食開始要因になりやすい。そこで、この隙間20bに接着剤20cを充填して腐食開始要因をなくしている。
〔実施形態4〕
図13において、自転車用のクランク組立体200は、たとえばアルミニウム合金製のクランク軸205の両端に回転不能に固定された右クランクアーム202及び左クランクアーム203を有している。クランク軸205は、自転車のフレーム(図示せず)に装着されたボトムブラケット201に回転自在に支持されている。
右クランクアーム202は、図14に示すように、クランク軸205に固定されるボス部210と、ボス部210から径方向外方に延びるクランク部211と、ボス部210から径方向外方に延びる5つの連結フィンガー212とを有している。連結フィンガー212は、略等間隔に配置されており、クランク部211は、2つの連結フィンガー212の間から径方向に延びている。この連結フィンガー212にスプロケット213がボルトにより着脱自在に装着されている。
この右クランクアーム202は、マグネシウム合金製である。クランク部211の先端にはペダル220のステンレス合金製のペダル軸222が取り付けられている。この取付のためにクランク部211の先端にはネジ孔215が形成されている。ネジ孔215は、クランク部211の先端に回転不能に圧入されたアルミニウム合金製のスリーブ216に形成されている。
このスリーブ216とクランク部211の先端との隙間にも接着剤が充填されている。また、右クランクアーム202の表面には酸化被膜が形成されている。
左クランクアーム203は、図13に示すように、ボス部217と、ボス部213から径方向外方に延びるクランク部218とを有している。このクランク部218の先端にもアルミニウム合金製のスリーブ216が圧入されている。
このような自転車用の部品組立体においても、マグネシウム合金製のクランクアーム202,203にステンレス合金製のペダル軸222を装着しても、クランクアーム202,203が電解腐食しにくい。しかも、スリーブ216とクランク部211,218との間の隙間に接着剤が充填されているので、隙間部分から腐食が開始されにくい。
〔他の実施形態〕
(a) 釣り用リールの部品組立体の形態は前記実施形態に限定されるものではなく、レバードラグ型や電動型の両軸受リール、ドラグ機構を有するものや逆転防止機構に代えてブレーキレバーを有する制動機構を装着したスピニングリール及び片軸受リール等の他の釣り用リールの部品組立体にも本発明を適用できる。
(b) 前記実施形態2では、カバー部と取付脚部とが一体形成されていたが、筐体部と取付脚部とが一体形成されたスピニングリールにも本発明を適用できる。
(c) 前記実施形態ではスリーブの材質をアルミニウム合金製にしたが、スリーブの材質はアルミニウム合金に限定されるものではなく、マグネシウムにイオン化傾向が近い亜鉛合金等の他の金属でもよい。
(d) 前記実施形態ではスプール軸がステンレス製のため、スプールとスプール軸との間にスリーブを介装した。しかし、スプール軸をアルミニウム合金や亜鉛合金製にすればイオン化傾向がスプールと近くなるので、スリーブを設けずにスプール軸に直接スプールを装着してもよい。
(e) 前記実施形態ではマグネシウム合金製の第1部品(スプールやリール本体)をチクソモールディング法により射出成形して製造したが、ダイキャスト法により成形して製造してもよい。この場合には、チクソモールディング法より安価に第1部品を製造できる。
(f) 前記実施形態では、絶縁体として合成樹脂を例示したが、絶縁体としては、他の合成樹脂や酸化アルミニウム等の絶縁セラミックでもよい。また、第2部品や第3部品がアルミニウム製の場合には、第1部品との接触面に絶縁体である酸化被膜を形成してもよい。さらに、絶縁塗装等により絶縁体製の第3部品を形成してもよい。
(g) 前記実施形態4では、自転車用部品組立体としてクランク組立体を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ブレーキレバーやブレーキアーム等のブレーキ装置やフロントディレーラやリアディレーラ等の変速装置等の自転車用部品組立体にも適用可能である。
本発明の一実施形態を採用した両軸受リールの平面図。 その断面平面図。 そのスプール周辺部の断面拡大図。 その側面破断図。 その側面破断図。 前カバーが閉位置での断面側面図。 前カバーが開位置での断面側面図。 実施形態2を採用したスピニングリールの側面断面図。 その底面断面図。 その背面図。 実施形態3を採用した両軸受リールのスプールの断面拡大図。 そのスプール装着部分の断面拡大部分図。 実施形態4による自転車用クランク組立体の断面図。 その右クランクアームの正面図。
符号の説明
1,102 リール本体
12,104 スプール
16,120 スプール軸
20,104d,216 スリーブ
20a 酸化被膜
20b 隙間
20c 接着剤
202 右クランクアーム
203 左クランクアーム
220 ペダル
222 ペダル軸

Claims (6)

  1. 複数の部品から構成される部品組立体であって、
    マグネシウム合金製の第1部品と、
    前記第1部品に装着される、前記マグネシウム合金よりイオン化傾向が小さい金属製の第2部品と、
    前記第1部品に直接接触可能であり、前記第1部品と第2部品との間に介装され、イオン化傾向がマグネシウム合金より小さく前記第2部品に使用される金属より大きい金属製の第3部品と、
    第1部品と第3部品との隙間に充填された充填剤と、
    備えた部品組立体。
  2. 前記充填剤は、毛細管現象を利用して充填可能な液体である、請求項1に記載の部品組立体。
  3. 前記充填剤は、充填後固化する液状接着剤である、請求項2に記載の部品組立体。
  4. 前記第3部品はアルミニウム合金又は亜鉛合金製である、請求項1から3のいずれか1項に記載の記載の部品組立体。
  5. 前記第2部品はステンレス合金製である、請求項1から4のいずれかに記載の部品組立体。
  6. 前記第1部品の大気に露出する面には酸化被膜が形成されている、請求項1から5のいずれかに記載の部品組立体。
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