JP3695869B2 - 両軸受リールのスプール - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スプール、特に、リール本体に回転自在に装着される両軸受リールのスプールに関する。
【0002】
【従来の技術】
両軸受リールは、1対の側板を有するリール本体と、リール本体に回転自在に装着され外周に釣り糸が巻き付けられるスプールと、スプールを回転させるハンドルを含む駆動機構とを有している。また、駆動機構とスプールとの間には、それらの間で回転力を係脱するクラッチ機構が設けられている。
【0003】
この種の両軸受リール、特に、ルアーフィッシング用のベイトリールを用いて釣りを行う場合、ルアーを狙ったポイントに正確に飛ばすために釣り竿を振ってルアーを飛ばすキャスティングが行われる。このキャスティング方法には、釣り竿を大きく振ってルアーを遠くのポイントに飛ばすフルキャストと呼ばれる初速度が速い方法と、ピッチングやスキッピング等の釣り竿の弾性を利用して小さく振ってルアーを近くのポイントに飛ばすライトキャストと呼ばれる初速度が遅い方法とがある。
【0004】
フルキャストを行う場合には、クラッチ機構を離脱状態にしてスプールが自由に回転できるようにし、スプールを親指で途中まで押さえた状態で釣り竿を後方に振り上げ、手首の返しと腕を振りとを使って釣り竿を前方に力一杯振り出す。これによりルアーの自重により釣り糸が勢い良く繰り出される。そして、親指でスプールを押さえて釣り糸の繰り出し速度を調整し、ルアーが着水する直前にスプールを親指で強く押さえスプールの回転を停止し、ハンドルを操作してクラッチを係合状態にし、ルアーを操作する。
【0005】
ピッチングを行う場合には、同様にクラッチ機構を離脱状態にして釣り竿の竿先を下げて釣り糸を張った状態でルアーを手に持ち、釣り竿を上に振り上げた状態での釣り竿の弾性でルアーを飛ばす。飛ばされたルアーは、水面近くをはうように飛んでポイントに静かに着水する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
一般に大径のスプールほど慣性が大きくなるので、フルキャストしたときにスプールが勢い良く回転しつづけルアーの飛距離が伸びる。一方、小径のスプールは慣性が小さく起動時の回転抵抗が小さいので、ライトキャストのように軽く投げた場合には、釣り糸がスムーズに繰り出され飛距離が伸びる。逆に大径のスプールは、軽く投げた場合、起動時の回転抵抗が大きいので釣り糸がスムーズに繰り出されにくく飛距離が伸びない。また、小径のスプールは慣性が小さいため、フルキャストしても飛距離が伸びない。つまり、両軸受リールの場合、そのキャスティング方法に応じてリールを使い分ける必要があり、大径のスプールを有するリールは初速度が遅いライトキャストには向かず、小径のリールの有するリールは初速度が速いフルキャストには向かない。
【0007】
そこで、1つのリールに径が異なる複数のスプールを装着可能にすることが考えられる。この場合、キャステイング方法に応じてスプールを交換する必要がある。スプールを交換する場合、釣り糸や仕掛けもセットし直さなければならず、交換に手間取って実際の釣りに対応させるのは困難である。
本発明の課題は、初速度が異なる複数のキャスティング方法に1つのスプールで対応できるようにすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
発明1に係る両軸受リールのスプールは、リール本体に回転自在に装着されるスプールであって、スプール本体と、慣性調整手段とを備えている。スプール本体は、両端に形成されたフランジ部と、フランジ部の間に配置された糸巻胴部とを有している。慣性調整手段は、スプールの慣性を調整するために、スプール本体に装着されている。
【0009】
このスプールでは、初速度が遅いライトキャストで釣りを行う場合には、慣性調整手段によりスプールの慣性を小さくする。この結果、軽く投げても起動時の回転抵抗が小さくなるのでスプールから釣り糸がスムーズに繰り出される。また、初速度が速いフルキャストを行う場合には、スプールの慣性を大きくする。この結果、スプールが勢い良く回り飛距離が延びる。ここでは、慣性を調整することで、初速度が異なる複数のキャスティング方法に1つのスプールで対応できる。
【0010】
発明2に係る両軸受リールのスプールは、発明1に記載のスプールにおいて、慣性調整手段は、スプール本体とは別部材で構成される。この場合には、慣性調整手段がスプール本体と別部材であるので、スプール本体と異なる比重の慣性調整手段を用いることにより、慣性の変更が容易になる。
発明3に係る両軸受リールのスプールは、発明1又は2に記載のスプールにおいて、慣性調整手段は、スプール本体に着脱自在に装着される。この場合には、慣性調整手段を着脱したり、異なる質量の慣性調整手段を着脱することで、慣性を容易に変更できる。
【0011】
発明4に係る両軸受リールのスプールは、発明1から3のいずれかに記載のスプールにおいて、慣性調整手段は、スプール本体と異なる比重を有する部材で構成される。この場合には、比重の大小により同じ大きさの慣性調整手段で慣性を変更できる。
発明5に係る両軸受リールのスプールは、発明1から4のいずれかに記載のスプールにおいて、慣性調整手段は、スプール本体のフランジ部の周縁部に装着されている。この場合には、慣性の増減を行いやすい回転中心から一番離れた位置に慣性調整手段が装着されるので、小さい質量の慣性調整手段で大きく慣性を調整でき、スプールの軽量化を図れる。
【0012】
発明6に係る両軸受リールのスプールは、発明1から5のいずれかに記載のスプールにおいて、慣性調整手段は、動的バランスがとれた状態でスプール本体に装着される。この場合には、慣性調整手段が、動的バランスがとれた状態であるので、スプールと一体で回転しても、全体の動的バランスがくずれにくい。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施形態によるスプールを採用したルアーフィッシング用のベイトリールの平面図である。
図に示すベイトリールは、リール本体1と、リール本体1の側方に配置されたスプール回転用ハンドル2と、ハンドル2のリール本体1側に配置されたドラグ調整用のスタードラグ3とを備えている。
【0014】
図2で示すように、リール本体1は、フレーム5と、フレーム5の両側方に装着された第1カバー6及び第2カバー7とを有している。フレーム5は、所定の間隔をあけて互いに対向するように配置された1対の側板8,9と、これらの側板8,9を連結する前連結部10及び後連結部11とを有している。
1対のフレーム5内には、スプール12と、スプール12に均一に糸を巻くためのレベルワインド機構15と、サミングを行う場合の親指の当てとなるサムレスト17とが配置されている。またフレーム5と第2カバー7との間には、ハンドル2からの回転力をスプール12及びレベルワインド機構15に伝えるためのギア機構18と、クラッチの係脱を行うためのクラッチ係脱機構19と、サムレスト17の操作に応じてクラッチの係脱を制御するための係脱制御機構20と、ドラグ機構21と、スプール12の回転時の抵抗力を調整するためのキャスティングコントロール機構22とが配置されている。また、フレーム5と第1カバー6との間には、キャスティング時のバックラッシュを抑えるためのマグネットブレーキ機構23が配置されている。
【0015】
スプール12は、図3及び図4に示すように、たとえばアルミニウム合金等の導電金属製のスプール本体13と、スプール本体13に着脱自在に装着された慣性調整部材14とを備えている。スプール本体13は、両端に形成されたフランジ部13aと、フランジ部13aの間に配置された糸巻胴部13bとを有している。フランジ部13aは、糸巻胴部13bの両端からほぼ均一の厚みで皿状に一体形成されており、図5に示すように、周縁部にリング状の装着部13cが形成されている。この装着部13cの内周側には、慣性調整部材14を装着するための雌ネジ部13dが形成されている。糸巻胴部13bは筒状部材であり、図4に示すように、軸方向中央部の内周部にボス部13eが形成されている。
【0016】
慣性調整部材14は、スプール12の慣性を調整するための部材であり、たとえばスプール12に使用されるアルミニウム合金より比重が大きい亜鉛合金や、比重が小さいマグネシウム合金や合成樹脂製である。慣性調整部材14は、スプール12両端のフランジ部13aに形成された装着部13cに着脱自在に装着されている。慣性調整部材14は、装着部13cに装着される筒部14aと、筒部14aからフランジ部13aの外側面に沿って密着した皿状の円板部14bとを有するリング状の部材である。この筒部14aの外周面に雌ネジ部13dに螺合する雄ネジ部14cが形成されている。また、筒部14aの端面には指で回転させるための外方に突出する突起部14dが周方向に間隔を隔てて形成されている。ここで、スプール12の回転が糸繰り出し時の方が糸巻取時より速いことを考慮して、スプール12の繰り出し方向が図3時計回りの場合、手前側のネジを繰り出し方向に回転するほど締まるように逆ネジにしてもよい。
【0017】
この慣性調整部材14の装着したり外したりすると、スプール12の慣性を2段階に調整できる。また、さらに慣性調整部材14の材質の比重を異ならせることで慣性調整部材14の質量が変化し、さらに細かく慣性を調整できる。また、慣性調整部材14がフランジ部13aの周縁部に装着されているので、同じ質量で大きな慣性を得ることができる。また、慣性調整部材14は動的バランスがとれた形状であるので、慣性調整部材14を装着してもスプール12の動的バランスがくずれにくい。なお、比重により質量を変える代わりに慣性調整部材14の形状により質量を変え慣性を調整するようにしてもよい。
【0018】
スプール12は、ボス部13eの中心を貫通するスプール軸16に固定されている。スプール軸16は軸受によってフレーム5に回転自在に支持されており、第2カバー7側の端部は第2フレーム7を貫通して側方に突出するように延びている。
レベルワインド機構15は、1対の側板8,9間に固定されたガイド筒25と、ガイド筒25内に回転自在に支持されたウォームシャフト26と、ラインガイド27とを有している。ウォームシャフト26の端部には、ギヤ機構18を構成するギア28が固定されている。また、ウォームシャフト26には螺旋状の溝26aが形成されており、ラインガイド27の一部がこの螺旋状の溝26aに噛み合っている。このため、ギヤ機構18を介してウォームシャフト26が回転させられることにより、ラインガイド28はガイド筒25に沿って往復動する。
【0019】
ギア機構18は、ハンドル軸30に固定されたマスターギア31と、マスターギア31に噛み合うピニオン32と、前述のウォームシャフト26端部に固定されたギヤ28とを有している。
ピニオン32は、一端側外周部に形成された歯部32aと、他端側に形成された噛み合い部32bと、歯部32aと噛み合い部32bとの間に形成された小径部32cとを有している。噛み合い部32bの中心部には係合溝が形成されており、スプール軸16に形成された係合凸部16aと係合あるいは離脱が可能である。このような構成により、ピニオン32の噛み合い部32bとスプール軸16の係合凸部16aとによりクラッチ機構が構成されている。ここでは、ピニオン32が外方に移動してその噛み合い部32bの係合溝とスプール軸16の係合凸部16aとが離脱すると、ハンドル軸30からの回転力はスプール軸16に伝達されない。
【0020】
サムレスト17は、1対の側板8,9間の後部(図2下方)でスプール後方に配置されている。またフレーム5の側板8,9には上下方向に長孔(図示せず)が形成されており、サムレスト17の回転軸17aがこの長孔に回転自在に支持されている。このため、サムレスト17は長孔に沿って上下方向にスライドすることも可能である。なお、サムレスト17の前側面は後連結部11に当接しており、このため回転可能な角度が規制されている。
【0021】
クラッチ係脱機構19はクラッチヨーク40を有している。クラッチヨーク40は、スプール軸16の外周側に配置されており、2本のピン41によってスプール軸16の軸芯と平行に移動可能に支持されている。なお、スプール軸16はクラッチヨーク40に対して相対回転が可能である。すなわち、スプール軸16が回転しても、クラッチヨーク40は回転しないようになっている。また、クラッチヨーク40はその中央部にピニオン32の小径部32cに係合する係合部を有している。またクラッチヨーク40を支持する各ピン41の外周で、クラッチヨーク40と第2カバー7との間にはスプリング42が配置されており、クラッチヨーク40は常にスプリング42によって内方(フレーム5側)に付勢されている。
【0022】
このような構成では、通常状態ではピニオン32は内方のクラッチ係合位置に位置しており、その噛み合い部32bとスプール軸16の係合凸部16aとが係合してクラッチ係合状態となっている。一方、クラッチヨーク40によってピニオン32が外方に移動した場合は、噛み合い部32bと係合凸部16aとの係合が外れ、クラッチ離脱状態となる。
【0023】
係脱制御機構20は、カム機構を有しており、サムレスト17の動作によりクラッチ係脱機構19のクラッチヨーク40をスプール軸方向に移動させるものである。
ドラグ機構21は、図2に示すように、マスターギア31に押圧される摩擦プレート60と、スタードラグ3の回転操作によって摩擦プレート60をマスターギア31に所定の力で押圧するための押圧プレート61とを有している。またキャスティングコントロール機構22は、スプール軸16を挟むように配置された複数のプレート62,63と、プレート62,63によるスプール軸16の挟持力を調節するためのキャップ64とを有している。キャップ64の内周部には雌ねじが形成されており、第2カバー7側に形成された雄ねじと噛み合っている。
【0024】
マグネットブレーキ機構23は、ブレーキケース65と、ブレーキケース65内に設けられたマグネットホルダー66と、ブレーキ力調整用のキャップ68とを有している。ブレーキケース65は一方の側板8に固定されれている。そしてマグネットホルダー66はブレーキケース65内に配置されており、スプール12のフランジ部13aと対向する面に複数のマグネット69を有している。マグネットホルダー66の背面側(外方側)にはキャップ68側に突出する2本のピン70(図では1本のみを示している)が固定されている。一方、キャップ68の内周面には斜板カム部が形成されており、この斜板カム部にピン70が当接している。このような構成では、キャップ68を回転させることにより、ピン70を介してマグネット69と導電金属製のスプール12との間の間隙を調整し、ブレーキ力を調整することが可能である。
【0025】
次に動作について説明する。
通常の状態では、クラッチヨーク40はスプリング42によって内方に押されており、これによりピニオン32は係合位置に移動させられている。この状態では、ピニオン32の噛み合い部32bとスプール軸16の係合凸部16aとが噛み合ってクラッチ係合状態となっており、ハンドル2からの回転力は、ハンドル軸30、マスターギア31及びピニオン32を介してスプール軸16及びスプール12に伝達される。このとき、キャスティングコントロール機構22のキャップ64の締め付け量を調整することにより、スプール12の回転時の抵抗力を調整することが可能である。
【0026】
キャスティングを行う場合には、サムレスト17を下方に押してクラッチ機構を離脱状態にする。サムレスト17を下方に押すと、サムレスト17は側板8,9の長孔に沿って下方の離脱位置に移動する。これにより、クラッチヨーク40はカム機構の作用により外方に移動させられる。クラッチヨーク40はピニオン32の小径部32cに係合しているので、クラッチヨーク40が外方に移動することによってピニオン32も同方向に移動させられる。この状態では、ピニオン32の噛み合い部32bとスプール軸16の係合凸部16aとの噛み合いが外れ、クラッチ離脱状態となる。この状態では、ハンドル軸30からの回転はスプール軸16及びスプール12に伝達されず、スプール12は自由回転状態になる。この状態でサミングしながらキャスティングを行う。
【0027】
ここで、フルキャストする場合には、スプール本体13より比重が大きい慣性調整部材14をスプール本体13に予め装着し、スプール12の慣性を大きくする。このようにスプール12の慣性を大きくすることで、スプール12が勢い良く回転しつづけルアーの飛距離が伸びる。
一方、ライトキャストする場合には、慣性調整部材14を外すか、または質量が小さい慣性調整部材14を予め装着し、スプール12の慣性を小さくする。このようにスプール12の慣性を小さくすることで、スプール12の起動時の回転抵抗が小さくなり、釣り糸がスムーズに繰り出され、軽く投げた場合にルアーの飛距離が伸びる。
【0028】
〔他の実施形態〕
(a) 図6に示すように、スプール本体13のフランジ部13aの周縁部の装着部13cの外周面に雄ネジ部13fを形成し、そこに大径の慣性調整部材14をネジにより装着してもよい。この場合、慣性調整部材14を装着した状態と装着しない状態とでスプール12の外径を変えることができる。また、外径を変えたときに釣り糸が内部に入らないように、スプール12との隙間を小さくするための2段階の段部9a,65aが側板9及びブレーキケース65に形成されている。
【0029】
(b) 図7及び図8に示すように、スプール本体13のフランジ部13aの両外側面にリング状の溝70を形成し、その溝70内に円形の磁石からなる慣性調整部材14を複数個配置してもよい。この溝70内には、磁石を配置するための円形の凹部71が周方向に間隔を隔てて、たとえば8か所等間隔に形成されている。溝70の底部には鉄等の磁性金属製のリング状の付着部72が、たとえばメッキ等の適宜の形成方法で形成されている。凹部71に慣性調整部材14を配置すると、付着部72に磁力により慣性調整部材14が固定される。この慣性調整部材14の配置数(最大8個)を調整することで、スプール12の慣性を調整できる。なお、慣性調整部材14を配置する場合には、軸中心に対して対称に配置すると動的バランスがくずれにくい。また、慣性調整部材14が凹部71内に配置されるのでスプール12が回転しても慣性調整部材14が遠心力によってずれることがない。
【0030】
(c) 慣性調整部材の装着手段はネジに限定されるものではなく、慣性を変更できる装着手段であればどのようなものでもよい。
(d) 慣性を回転速度に応じて変化させてもよい。たとえば、スプールの径方向に移動自在に慣性調整部材を配置し、それをバネ等で中心側に付勢し、遠心力により慣性調整部材を径方向に沿って移動させるようにしてもよい。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、ライトキャストで釣りを行う場合には、慣性調整手段によりスプールの慣性を小さくすれば、軽く投げても軌道時の回転抵抗が小さくなるのでスプールから釣り糸がスムーズに繰り出される。また、フルキャストを行う場合には、スプールの慣性を大きくすれば、スプールが勢い良く回り飛距離が延びる。ここでは、慣性を調整することで、初速度が異なる複数のキャスティング方法に1つのスプールで対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態が採用されたベイトリール(両軸受リール)の平面図。
【図2】その断面平面図。
【図3】スプールの側面図。
【図4】そのIV−IV断面図。
【図5】その周縁部の断面拡大図。
【図6】他の実施形態の図4に相当する図。
【図7】他の実施形態の図3に相当する図。
【図8】その断面部分図。
【符号の説明】
12 スプール
13 スプール本体
13a フランジ部
13b 糸巻胴部
14 慣性調整部材
【発明の属する技術分野】
本発明は、スプール、特に、リール本体に回転自在に装着される両軸受リールのスプールに関する。
【0002】
【従来の技術】
両軸受リールは、1対の側板を有するリール本体と、リール本体に回転自在に装着され外周に釣り糸が巻き付けられるスプールと、スプールを回転させるハンドルを含む駆動機構とを有している。また、駆動機構とスプールとの間には、それらの間で回転力を係脱するクラッチ機構が設けられている。
【0003】
この種の両軸受リール、特に、ルアーフィッシング用のベイトリールを用いて釣りを行う場合、ルアーを狙ったポイントに正確に飛ばすために釣り竿を振ってルアーを飛ばすキャスティングが行われる。このキャスティング方法には、釣り竿を大きく振ってルアーを遠くのポイントに飛ばすフルキャストと呼ばれる初速度が速い方法と、ピッチングやスキッピング等の釣り竿の弾性を利用して小さく振ってルアーを近くのポイントに飛ばすライトキャストと呼ばれる初速度が遅い方法とがある。
【0004】
フルキャストを行う場合には、クラッチ機構を離脱状態にしてスプールが自由に回転できるようにし、スプールを親指で途中まで押さえた状態で釣り竿を後方に振り上げ、手首の返しと腕を振りとを使って釣り竿を前方に力一杯振り出す。これによりルアーの自重により釣り糸が勢い良く繰り出される。そして、親指でスプールを押さえて釣り糸の繰り出し速度を調整し、ルアーが着水する直前にスプールを親指で強く押さえスプールの回転を停止し、ハンドルを操作してクラッチを係合状態にし、ルアーを操作する。
【0005】
ピッチングを行う場合には、同様にクラッチ機構を離脱状態にして釣り竿の竿先を下げて釣り糸を張った状態でルアーを手に持ち、釣り竿を上に振り上げた状態での釣り竿の弾性でルアーを飛ばす。飛ばされたルアーは、水面近くをはうように飛んでポイントに静かに着水する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
一般に大径のスプールほど慣性が大きくなるので、フルキャストしたときにスプールが勢い良く回転しつづけルアーの飛距離が伸びる。一方、小径のスプールは慣性が小さく起動時の回転抵抗が小さいので、ライトキャストのように軽く投げた場合には、釣り糸がスムーズに繰り出され飛距離が伸びる。逆に大径のスプールは、軽く投げた場合、起動時の回転抵抗が大きいので釣り糸がスムーズに繰り出されにくく飛距離が伸びない。また、小径のスプールは慣性が小さいため、フルキャストしても飛距離が伸びない。つまり、両軸受リールの場合、そのキャスティング方法に応じてリールを使い分ける必要があり、大径のスプールを有するリールは初速度が遅いライトキャストには向かず、小径のリールの有するリールは初速度が速いフルキャストには向かない。
【0007】
そこで、1つのリールに径が異なる複数のスプールを装着可能にすることが考えられる。この場合、キャステイング方法に応じてスプールを交換する必要がある。スプールを交換する場合、釣り糸や仕掛けもセットし直さなければならず、交換に手間取って実際の釣りに対応させるのは困難である。
本発明の課題は、初速度が異なる複数のキャスティング方法に1つのスプールで対応できるようにすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
発明1に係る両軸受リールのスプールは、リール本体に回転自在に装着されるスプールであって、スプール本体と、慣性調整手段とを備えている。スプール本体は、両端に形成されたフランジ部と、フランジ部の間に配置された糸巻胴部とを有している。慣性調整手段は、スプールの慣性を調整するために、スプール本体に装着されている。
【0009】
このスプールでは、初速度が遅いライトキャストで釣りを行う場合には、慣性調整手段によりスプールの慣性を小さくする。この結果、軽く投げても起動時の回転抵抗が小さくなるのでスプールから釣り糸がスムーズに繰り出される。また、初速度が速いフルキャストを行う場合には、スプールの慣性を大きくする。この結果、スプールが勢い良く回り飛距離が延びる。ここでは、慣性を調整することで、初速度が異なる複数のキャスティング方法に1つのスプールで対応できる。
【0010】
発明2に係る両軸受リールのスプールは、発明1に記載のスプールにおいて、慣性調整手段は、スプール本体とは別部材で構成される。この場合には、慣性調整手段がスプール本体と別部材であるので、スプール本体と異なる比重の慣性調整手段を用いることにより、慣性の変更が容易になる。
発明3に係る両軸受リールのスプールは、発明1又は2に記載のスプールにおいて、慣性調整手段は、スプール本体に着脱自在に装着される。この場合には、慣性調整手段を着脱したり、異なる質量の慣性調整手段を着脱することで、慣性を容易に変更できる。
【0011】
発明4に係る両軸受リールのスプールは、発明1から3のいずれかに記載のスプールにおいて、慣性調整手段は、スプール本体と異なる比重を有する部材で構成される。この場合には、比重の大小により同じ大きさの慣性調整手段で慣性を変更できる。
発明5に係る両軸受リールのスプールは、発明1から4のいずれかに記載のスプールにおいて、慣性調整手段は、スプール本体のフランジ部の周縁部に装着されている。この場合には、慣性の増減を行いやすい回転中心から一番離れた位置に慣性調整手段が装着されるので、小さい質量の慣性調整手段で大きく慣性を調整でき、スプールの軽量化を図れる。
【0012】
発明6に係る両軸受リールのスプールは、発明1から5のいずれかに記載のスプールにおいて、慣性調整手段は、動的バランスがとれた状態でスプール本体に装着される。この場合には、慣性調整手段が、動的バランスがとれた状態であるので、スプールと一体で回転しても、全体の動的バランスがくずれにくい。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施形態によるスプールを採用したルアーフィッシング用のベイトリールの平面図である。
図に示すベイトリールは、リール本体1と、リール本体1の側方に配置されたスプール回転用ハンドル2と、ハンドル2のリール本体1側に配置されたドラグ調整用のスタードラグ3とを備えている。
【0014】
図2で示すように、リール本体1は、フレーム5と、フレーム5の両側方に装着された第1カバー6及び第2カバー7とを有している。フレーム5は、所定の間隔をあけて互いに対向するように配置された1対の側板8,9と、これらの側板8,9を連結する前連結部10及び後連結部11とを有している。
1対のフレーム5内には、スプール12と、スプール12に均一に糸を巻くためのレベルワインド機構15と、サミングを行う場合の親指の当てとなるサムレスト17とが配置されている。またフレーム5と第2カバー7との間には、ハンドル2からの回転力をスプール12及びレベルワインド機構15に伝えるためのギア機構18と、クラッチの係脱を行うためのクラッチ係脱機構19と、サムレスト17の操作に応じてクラッチの係脱を制御するための係脱制御機構20と、ドラグ機構21と、スプール12の回転時の抵抗力を調整するためのキャスティングコントロール機構22とが配置されている。また、フレーム5と第1カバー6との間には、キャスティング時のバックラッシュを抑えるためのマグネットブレーキ機構23が配置されている。
【0015】
スプール12は、図3及び図4に示すように、たとえばアルミニウム合金等の導電金属製のスプール本体13と、スプール本体13に着脱自在に装着された慣性調整部材14とを備えている。スプール本体13は、両端に形成されたフランジ部13aと、フランジ部13aの間に配置された糸巻胴部13bとを有している。フランジ部13aは、糸巻胴部13bの両端からほぼ均一の厚みで皿状に一体形成されており、図5に示すように、周縁部にリング状の装着部13cが形成されている。この装着部13cの内周側には、慣性調整部材14を装着するための雌ネジ部13dが形成されている。糸巻胴部13bは筒状部材であり、図4に示すように、軸方向中央部の内周部にボス部13eが形成されている。
【0016】
慣性調整部材14は、スプール12の慣性を調整するための部材であり、たとえばスプール12に使用されるアルミニウム合金より比重が大きい亜鉛合金や、比重が小さいマグネシウム合金や合成樹脂製である。慣性調整部材14は、スプール12両端のフランジ部13aに形成された装着部13cに着脱自在に装着されている。慣性調整部材14は、装着部13cに装着される筒部14aと、筒部14aからフランジ部13aの外側面に沿って密着した皿状の円板部14bとを有するリング状の部材である。この筒部14aの外周面に雌ネジ部13dに螺合する雄ネジ部14cが形成されている。また、筒部14aの端面には指で回転させるための外方に突出する突起部14dが周方向に間隔を隔てて形成されている。ここで、スプール12の回転が糸繰り出し時の方が糸巻取時より速いことを考慮して、スプール12の繰り出し方向が図3時計回りの場合、手前側のネジを繰り出し方向に回転するほど締まるように逆ネジにしてもよい。
【0017】
この慣性調整部材14の装着したり外したりすると、スプール12の慣性を2段階に調整できる。また、さらに慣性調整部材14の材質の比重を異ならせることで慣性調整部材14の質量が変化し、さらに細かく慣性を調整できる。また、慣性調整部材14がフランジ部13aの周縁部に装着されているので、同じ質量で大きな慣性を得ることができる。また、慣性調整部材14は動的バランスがとれた形状であるので、慣性調整部材14を装着してもスプール12の動的バランスがくずれにくい。なお、比重により質量を変える代わりに慣性調整部材14の形状により質量を変え慣性を調整するようにしてもよい。
【0018】
スプール12は、ボス部13eの中心を貫通するスプール軸16に固定されている。スプール軸16は軸受によってフレーム5に回転自在に支持されており、第2カバー7側の端部は第2フレーム7を貫通して側方に突出するように延びている。
レベルワインド機構15は、1対の側板8,9間に固定されたガイド筒25と、ガイド筒25内に回転自在に支持されたウォームシャフト26と、ラインガイド27とを有している。ウォームシャフト26の端部には、ギヤ機構18を構成するギア28が固定されている。また、ウォームシャフト26には螺旋状の溝26aが形成されており、ラインガイド27の一部がこの螺旋状の溝26aに噛み合っている。このため、ギヤ機構18を介してウォームシャフト26が回転させられることにより、ラインガイド28はガイド筒25に沿って往復動する。
【0019】
ギア機構18は、ハンドル軸30に固定されたマスターギア31と、マスターギア31に噛み合うピニオン32と、前述のウォームシャフト26端部に固定されたギヤ28とを有している。
ピニオン32は、一端側外周部に形成された歯部32aと、他端側に形成された噛み合い部32bと、歯部32aと噛み合い部32bとの間に形成された小径部32cとを有している。噛み合い部32bの中心部には係合溝が形成されており、スプール軸16に形成された係合凸部16aと係合あるいは離脱が可能である。このような構成により、ピニオン32の噛み合い部32bとスプール軸16の係合凸部16aとによりクラッチ機構が構成されている。ここでは、ピニオン32が外方に移動してその噛み合い部32bの係合溝とスプール軸16の係合凸部16aとが離脱すると、ハンドル軸30からの回転力はスプール軸16に伝達されない。
【0020】
サムレスト17は、1対の側板8,9間の後部(図2下方)でスプール後方に配置されている。またフレーム5の側板8,9には上下方向に長孔(図示せず)が形成されており、サムレスト17の回転軸17aがこの長孔に回転自在に支持されている。このため、サムレスト17は長孔に沿って上下方向にスライドすることも可能である。なお、サムレスト17の前側面は後連結部11に当接しており、このため回転可能な角度が規制されている。
【0021】
クラッチ係脱機構19はクラッチヨーク40を有している。クラッチヨーク40は、スプール軸16の外周側に配置されており、2本のピン41によってスプール軸16の軸芯と平行に移動可能に支持されている。なお、スプール軸16はクラッチヨーク40に対して相対回転が可能である。すなわち、スプール軸16が回転しても、クラッチヨーク40は回転しないようになっている。また、クラッチヨーク40はその中央部にピニオン32の小径部32cに係合する係合部を有している。またクラッチヨーク40を支持する各ピン41の外周で、クラッチヨーク40と第2カバー7との間にはスプリング42が配置されており、クラッチヨーク40は常にスプリング42によって内方(フレーム5側)に付勢されている。
【0022】
このような構成では、通常状態ではピニオン32は内方のクラッチ係合位置に位置しており、その噛み合い部32bとスプール軸16の係合凸部16aとが係合してクラッチ係合状態となっている。一方、クラッチヨーク40によってピニオン32が外方に移動した場合は、噛み合い部32bと係合凸部16aとの係合が外れ、クラッチ離脱状態となる。
【0023】
係脱制御機構20は、カム機構を有しており、サムレスト17の動作によりクラッチ係脱機構19のクラッチヨーク40をスプール軸方向に移動させるものである。
ドラグ機構21は、図2に示すように、マスターギア31に押圧される摩擦プレート60と、スタードラグ3の回転操作によって摩擦プレート60をマスターギア31に所定の力で押圧するための押圧プレート61とを有している。またキャスティングコントロール機構22は、スプール軸16を挟むように配置された複数のプレート62,63と、プレート62,63によるスプール軸16の挟持力を調節するためのキャップ64とを有している。キャップ64の内周部には雌ねじが形成されており、第2カバー7側に形成された雄ねじと噛み合っている。
【0024】
マグネットブレーキ機構23は、ブレーキケース65と、ブレーキケース65内に設けられたマグネットホルダー66と、ブレーキ力調整用のキャップ68とを有している。ブレーキケース65は一方の側板8に固定されれている。そしてマグネットホルダー66はブレーキケース65内に配置されており、スプール12のフランジ部13aと対向する面に複数のマグネット69を有している。マグネットホルダー66の背面側(外方側)にはキャップ68側に突出する2本のピン70(図では1本のみを示している)が固定されている。一方、キャップ68の内周面には斜板カム部が形成されており、この斜板カム部にピン70が当接している。このような構成では、キャップ68を回転させることにより、ピン70を介してマグネット69と導電金属製のスプール12との間の間隙を調整し、ブレーキ力を調整することが可能である。
【0025】
次に動作について説明する。
通常の状態では、クラッチヨーク40はスプリング42によって内方に押されており、これによりピニオン32は係合位置に移動させられている。この状態では、ピニオン32の噛み合い部32bとスプール軸16の係合凸部16aとが噛み合ってクラッチ係合状態となっており、ハンドル2からの回転力は、ハンドル軸30、マスターギア31及びピニオン32を介してスプール軸16及びスプール12に伝達される。このとき、キャスティングコントロール機構22のキャップ64の締め付け量を調整することにより、スプール12の回転時の抵抗力を調整することが可能である。
【0026】
キャスティングを行う場合には、サムレスト17を下方に押してクラッチ機構を離脱状態にする。サムレスト17を下方に押すと、サムレスト17は側板8,9の長孔に沿って下方の離脱位置に移動する。これにより、クラッチヨーク40はカム機構の作用により外方に移動させられる。クラッチヨーク40はピニオン32の小径部32cに係合しているので、クラッチヨーク40が外方に移動することによってピニオン32も同方向に移動させられる。この状態では、ピニオン32の噛み合い部32bとスプール軸16の係合凸部16aとの噛み合いが外れ、クラッチ離脱状態となる。この状態では、ハンドル軸30からの回転はスプール軸16及びスプール12に伝達されず、スプール12は自由回転状態になる。この状態でサミングしながらキャスティングを行う。
【0027】
ここで、フルキャストする場合には、スプール本体13より比重が大きい慣性調整部材14をスプール本体13に予め装着し、スプール12の慣性を大きくする。このようにスプール12の慣性を大きくすることで、スプール12が勢い良く回転しつづけルアーの飛距離が伸びる。
一方、ライトキャストする場合には、慣性調整部材14を外すか、または質量が小さい慣性調整部材14を予め装着し、スプール12の慣性を小さくする。このようにスプール12の慣性を小さくすることで、スプール12の起動時の回転抵抗が小さくなり、釣り糸がスムーズに繰り出され、軽く投げた場合にルアーの飛距離が伸びる。
【0028】
〔他の実施形態〕
(a) 図6に示すように、スプール本体13のフランジ部13aの周縁部の装着部13cの外周面に雄ネジ部13fを形成し、そこに大径の慣性調整部材14をネジにより装着してもよい。この場合、慣性調整部材14を装着した状態と装着しない状態とでスプール12の外径を変えることができる。また、外径を変えたときに釣り糸が内部に入らないように、スプール12との隙間を小さくするための2段階の段部9a,65aが側板9及びブレーキケース65に形成されている。
【0029】
(b) 図7及び図8に示すように、スプール本体13のフランジ部13aの両外側面にリング状の溝70を形成し、その溝70内に円形の磁石からなる慣性調整部材14を複数個配置してもよい。この溝70内には、磁石を配置するための円形の凹部71が周方向に間隔を隔てて、たとえば8か所等間隔に形成されている。溝70の底部には鉄等の磁性金属製のリング状の付着部72が、たとえばメッキ等の適宜の形成方法で形成されている。凹部71に慣性調整部材14を配置すると、付着部72に磁力により慣性調整部材14が固定される。この慣性調整部材14の配置数(最大8個)を調整することで、スプール12の慣性を調整できる。なお、慣性調整部材14を配置する場合には、軸中心に対して対称に配置すると動的バランスがくずれにくい。また、慣性調整部材14が凹部71内に配置されるのでスプール12が回転しても慣性調整部材14が遠心力によってずれることがない。
【0030】
(c) 慣性調整部材の装着手段はネジに限定されるものではなく、慣性を変更できる装着手段であればどのようなものでもよい。
(d) 慣性を回転速度に応じて変化させてもよい。たとえば、スプールの径方向に移動自在に慣性調整部材を配置し、それをバネ等で中心側に付勢し、遠心力により慣性調整部材を径方向に沿って移動させるようにしてもよい。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、ライトキャストで釣りを行う場合には、慣性調整手段によりスプールの慣性を小さくすれば、軽く投げても軌道時の回転抵抗が小さくなるのでスプールから釣り糸がスムーズに繰り出される。また、フルキャストを行う場合には、スプールの慣性を大きくすれば、スプールが勢い良く回り飛距離が延びる。ここでは、慣性を調整することで、初速度が異なる複数のキャスティング方法に1つのスプールで対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態が採用されたベイトリール(両軸受リール)の平面図。
【図2】その断面平面図。
【図3】スプールの側面図。
【図4】そのIV−IV断面図。
【図5】その周縁部の断面拡大図。
【図6】他の実施形態の図4に相当する図。
【図7】他の実施形態の図3に相当する図。
【図8】その断面部分図。
【符号の説明】
12 スプール
13 スプール本体
13a フランジ部
13b 糸巻胴部
14 慣性調整部材
Claims (6)
- リール本体に回転自在に装着される両軸受リールのスプールであって、
両端に形成されたフランジ部と、前記フランジ部の間に配置された糸巻胴部とを有するスプール本体と、
前記スプールの慣性を調整するために、前記スプール本体に装着される慣性調整手段と、
を備えた両軸受リールのスプール。 - 前記慣性調整手段は、前記スプール本体とは別部材で構成される、請求項1に記載の両軸受リールのスプール。
- 前記慣性調整手段は、前記スプール本体に着脱自在に装着される、請求項1又は2に記載の両軸受リールのスプール。
- 前記慣性調整手段は、前記スプール本体と異なる比重を有する部材で構成される、請求項1から3のいずれかに記載の両軸受リールのスプール。
- 前記慣性調整手段は、前記スプール本体のフランジ部の周縁部に装着されている、請求項1から4のいずれかに記載の両軸受リールのスプール。
- 前記慣性調整手段は、動的バランスがとれた状態で前記スプール本体に装着される、請求項1から5のいずれかに記載の両軸受リールのスプール。
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