JP3747429B2 - 両軸受リールの制動装置 - Google Patents

両軸受リールの制動装置 Download PDF

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    • A01KANIMAL HUSBANDRY; AVICULTURE; APICULTURE; PISCICULTURE; FISHING; REARING OR BREEDING ANIMALS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; NEW BREEDS OF ANIMALS
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    • A01K89/015Reels with a rotary drum, i.e. with a rotating spool
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、制動装置、特に、リール本体に回転自在に設けられたスプールを制動する両軸受リールの制動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
主にルアーフィッシングに用いられるベイトリールと呼ばれる両軸受リールでは、キャスティング時にスプールの回転速度が糸繰り出し速度より速くなるバックラッシュが生じないように、制動力をスプールに作用させることが一般に行われている。この種の制動装置としてスプールの回転により生じる遠心力を利用してスプールを制動する遠心制動機構と、スプール軸の両端を挟持することによりスプール軸を機械的に制動するキャスティングコントロール機構とを有するものが知られている。
【0003】
この種の制動装置の遠心制動機構において、リール本体の外側から制動力を調整可能なものが、特開平10−304798号公報に開示されている。
【0004】
この遠心制動機構は、スプールに連動して回転する回転部材と、回転部材に放射状に配置された複数の移動部材と、移動部材の先端に接触可能な制動部材と、制動力調整機構とを備えている。回転部材はスプール軸に固定されてスプールに連動して回転する。複数の移動部材は、回転部材に弦方向に沿う軸回りに揺動自在に装着され遠心力によりスプール軸芯を通る面内で揺動する。制動部材は、スプール軸方向に移動自在にかつ回転不能にリール本体に装着され、遠心力により揺動した移動部材に接触可能である。制動力調整機構は、制動部材をスプール軸方向に往復移動させて移動部材が制動部材に接触することにより生じる制動力を調整するための機構である。
【0005】
前記従来の遠心制動機構では、スプールが回転すると、移動部材に遠心力が作用して移動部材がスプール軸外方に向けて揺動する。そして制動部材に接触してスプールが制動される。制動力調整機構により制動部材を軸方向に移動させると、制動部材に移動部材が接触するときの揺動角度に応じてモーメントが変化し制動力を調整できる。
【0006】
一方、キャスティングコントロール機構は、スプール軸の両端を挟むように配置された1対の摩擦プレートと、摩擦プレートによる挟持力を調節するためにリール本体に螺合して設けられたキャップとを備えている。このキャスティングコントロール機構では、キャップを回すことにより、スプール軸を一方の摩擦プレートで他方の摩擦プレート側に押圧してスプール軸を制動している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の制動装置では、キャスティングコントロール機構によって制動力を調整するとスプール軸がわずかに移動する。スプール軸が移動すると、それに連れて遠心制動機構の回転部材も移動部材とともに軸方向に移動する。移動部材が軸方向に移動すると、リール本体に移動自在に装着された制動部材との間隔が移動前と異なる間隔になり移動部材の揺動角度が変化する。このため、キャスティングコントロール機構によって制動力を調整すると、制動部材を軸方向の同じ位置に配置しても遠心制動機構の制動力が変動することがある。このように、外部から調整可能な従来の遠心制動機構では、スプール軸が移動すると制動力を精度良く調整することができないおそれがある。
【0008】
本発明の課題は、両軸受リールの制動装置において、制動力の調整作業を容易かつ精度良く行えようにすることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
発明1に係る両軸受リールの制動装置は、リール本体に回転自在に設けられたスプールを制動する装置であって、制動部材と、回転部材と、複数の移動部材と、移動手段とを備えている。制動部材は、リール本体に固定されている、回転部材は、制動部材と同芯に配置され、スプールに連動して回転しかつリール本体に対してスプールの軸方向に沿う方向に移動自在な部材である。複数の移動部材は、スプールの回転による遠心力により制動部材に向けて移動するように回転部材に移動自在に設けられ、回転部材の軸方向の移動により、全体として制動時に制動部材に異なる摩擦状態で接触可能な部材である。移動手段は、回転部材を軸方向に往復移動させるための手段である。スプールは、スプール軸に固定されており、回転部材は、スプール軸をリール本体に対して回転自在に支持するための軸受の内輪に回転不能かつ軸方向移動不能に固定され、かつスプール軸に回転不能かつ軸方向移動自在に連結されており、移動手段は、軸受の外輪に回転不能かつ軸方向移動不能に連結され、軸受を介して回転部材を前記軸方向に往復移動させる。
【0010】
この制動装置では、スプールが回転すると、スプールに連動して回転部材が回転し、移動部材が遠心力により制動部材に向けて移動する。そして、移動部材が制動部材に接触すると、移動部材と制動部材との摩擦により制動力が回転部材に作用しスプールが制動される。このとき、回転部材の軸方向の位置によって、たとえば移動部材の接触個数や移動部材の制動部材への押圧力等が変化し、移動部材と制動部材との摩擦状態が異なる状態になり制動力が変化する。したがって、回転部材を移動手段により軸方向に移動させることにより、制動力の調整作業を簡単に行える。また、回転部材は、リール本体に対してスプールの軸方向に沿う方向に移動自在であるので、スプール軸に対しても相対移動可能である。このため、スプール軸がキャスティングコントロール機構の操作等により軸方向に移動しても、回転部材は軸方向に移動せず回転部材と制動部材との軸方向の位置関係は変動しない。この結果、スプール軸が移動しても設定された制動力は変動せず、制動力の調整作業を精度良く行える。さらに、この場合には、移動手段が軸受の外輪を軸方向に移動させると、内外輪の間の転動体を介して内輪が軸方向に移動し、内輪とともに回転部材が移動する。このとき、内輪はスプールに連動して回転する回転部材とともに回転するが、外輪は回転しない。このため、回転部材が回転中であっても制動力を簡単に調整できる。
【0011】
発明2に係る両軸受リールの制動装置は、発明1に記載の装置において、複数の移動部材は、制動部材の内周側に配置され、回転部材の軸方向の移動により制動部材に接触する個数が変化するように回転部材に装着されている。この場合には、回転部材を軸方向に移動させると、制動部材に接触する移動部材の個数が変動して制動力が変化する。ここでは、移動部材の個数を変えることにより制動力を調整しているので、制動力の変化が段階的になり、制動力の変化が顕著になる。
【0012】
発明3に係る両軸受リールの制動装置は、発明2に記載の装置において、制動部材は、移動部材に近づく方向に先拡がりの制動面を有し、複数の移動部材は、互いに異なる移動限界位置まで径方向に移動自在に前記回転部材に放射状に装着されている。この場合には、制動部材の制動面を先拡がりの傾斜面で構成して回転部材からの距離を軸方向で変動させるとともに、移動部材の移動限界位置を異ならせることにより、移動部材が制動面に接触する個数を回転部材の軸方向の位置で異ならせている。
【0013】
発明4に係る両軸受リールの制動装置は、発明2に記載の装置において、制動部材は、円筒形状の制動面を有し、複数の移動部材は、制動部材への接触位置が軸方向で異なるように径方向に移動自在に前記回転部材に放射状に装着されている。この場合には、複数の移動部材が制動面へ接触する位置を軸方向に異ならせることにより、径方向に移動する移動部材が制動面に接触する個数を回転部材の軸方向の位置で異ならせている。
【0014】
発明5に係る両軸受リールの制動装置は、発明2に記載の装置において、制動部材は、円筒形状の制動面を有し、複数の移動部材は、回転部材に周方向に間隔を隔てて配置されかつ弦方向に沿う複数の揺動軸回りに各別に揺動自在に装着され、複数の移動部材はスプール軸方向の異なる位置で制動部材に接触する。この場合には、揺動する複数の移動部材が制動面へ接触する位置を軸方向に異ならせることにより、移動部材が制動面に接触する個数を回転部材の軸方向の位置で異ならせている。
【0015】
発明6に係る両軸受リールの制動装置は、発明1に記載の装置において、制動部材は、移動部材と軸方向に間隔を隔てて配置されスプール軸に直交する環状の制動面を有し、複数の移動部材は、回転部材の軸方向の移動により制動部材への押圧力が変化するように回転部材に周方向に間隔を隔てて配置されかつ弦方向に沿う複数の揺動軸回りに各別に揺動自在に装着されている。この場合には、揺動する移動部材の揺動軸芯と制動面との距離が変動すると、移動部材が制動面に接触する時の揺動角度が変化し押圧力が変化する
【0016】
発明に係る両軸受リールの制動装置は、発明1からのいずれかに記載の装置において、移動手段は、リール本体に回動自在に設けられた回動部材と、回動部材の回動をスプール軸方向の移動に変換して前記回転部材を移動させる回転カム機構とを有する。この場合には、回転カム機構を回動部材により回動させると、回転部材がスプール軸方向に移動して制動力を調整できる。ここでは、回転運動を簡単なカム機構で直線運動に変換しているので、移動手段の構成が簡素になる。
【0017】
発明に係る両軸受リールの制動装置は、発明に記載の装置において、連動部材を挟持することによりスプールを制動するキャスティングコントロール機構をさらに備える。この場合には、キャスティングコントロール機構の操作によりスプール軸が軸方向に移動しても制動部材の制動力が変動しない。
【0018】
発明9に係る両軸受リールの制動装置は、リール本体に回転自在に設けられたスプールを制動する装置であって、制動部材と、回転部材と、複数の移動部材と、移動手段とを備えている。制動部材は、リール本体に固定されている、回転部材は、制動部材と同芯に配置され、スプールに連動して回転しかつリール本体に対してスプールの軸方向に沿う方向に移動自在な部材である。複数の移動部材は、スプールの回転による遠心力により制動部材に向けて移動するように回転部材に移動自在に設けられ、回転部材の軸方向の移動により、全体として制動時に制動部材に異なる摩擦状態で接触可能な部材である。移動手段は、回転部材を軸方向に往復移動させるための手段である。制動部材は、円筒形状の制動面を有し、複数の移動部材は、制動部材の内周側に配置され、回転部材の軸方向の移動により制動部材に接触する個数が変化するように回転部材に装着され、回転部材に周方向に間隔を隔てて配置されかつ弦方向に沿う複数の揺動軸回りに各別に揺動自在に装着され、複数の移動部材はスプール軸方向の異なる位置で制動部材に接触する。
【0019】
この制動装置では、スプールが回転すると、スプールに連動して回転部材が回転し、移動部材が遠心力により制動部材に向けて移動する。そして、移動部材が制動部材に接触すると、移動部材と制動部材との摩擦により制動力が回転部材に作用しスプールが制動される。このとき、回転部材の軸方向の位置によって、たとえば移動部材の接触個数や移動部材の制動部材への押圧力等が変化し、移動部材と制動部材との摩擦状態が異なる状態になり制動力が変化する。したがって、回転部材を移動手段により軸方向に移動させることにより、制動力の調整作業を簡単に行える。また、回転部材は、リール本体に対してスプールの軸方向に沿う方向に移動自在であるので、スプール軸に対しても相対移動可能である。このため、スプール軸がキャスティングコントロール機構の操作等により軸方向に移動しても、回転部材は軸方向に移動せず回転部材と制動部材との軸方向の位置関係は変動しない。この結果、スプール軸が移動しても設定された制動力は変動せず、制動力の調整作業を精度良く行える。さらに、この場合には、回転部材を軸方向に移動させると、制動部材に接触する移動部材の個数が変動して制動力が変化する。ここでは、移動部材の個数を変えることにより制動力を調整しているので、制動力の変化が段階的になり、制動力の変化が顕著になる。また、この場合には、揺動する複数の移動部材が制動面へ接触する位置を軸方向に異ならせることにより、移動部材が制動面に接触する個数を回転部材の軸方向の位置で異ならせている。
【0020】
【発明の実施の形態】
〔全体構成〕
図1は、本発明の一実施形態が装着された両軸受リールの斜視図である。
【0021】
図に示す両軸受リールは、主にルアーフィッシングに用いられるベイトリールであり、リール本体1とリール本体の側方に配置されたスプール回転用ハンドル2と、ハンドル2のリール本体1側に配置されたドラグ調整用のスタードラグ3とを備えている。ハンドル2は、板状のアーム部2aと、アーム部2aの両端に回転自在に装着された把手部2bとを有するダブルハンドル型のものである。ハンドル2のアーム部2aの外側面は繋ぎ目が無い滑らかな面で構成されており、釣り糸が絡みにくい構造となっている。
【0022】
図2に示すように、リール本体1は、フレーム5と、フレーム5の両側方に装着された第1側カバー6及び第2側カバー7と、フレーム5の上部に装着されたサムレスト10とを有している。フレーム5は、所定の間隔を開けて互いに対向するように配置された1対の側板8,9と、これらの側板8,9を連結する複数の連結部(図示せず)とを有している。
【0023】
ハンドル2側の第2側カバー7はねじにより側板9に着脱自在に固定されている。ハンドル2と逆側の第1側カバー6はバヨネット構造14によりフレーム5の側板8に着脱自在に装着されている。ハンドル2と逆側の側板8には、スプール12が通過可能な開口8aが形成されている。
【0024】
フレーム5内には、スプール12と、スプール12内に釣り糸を均一に巻き付けるためのレベルワインド機構15と、サミングを行う場合の親指の当てとなるクラッチ操作レバー17とが配置されている。フレーム5と第2側カバー7との間には、ハンドル2からの回転力をスプール12及びレベルワインド機構15に伝えるためのギア機構18と、クラッチ機構13と、クラッチ操作レバー17の操作に応じてクラッチ機構13の係脱を行うためのクラッチ係脱機構19と、糸繰り出し時にスプール12を制動するドラグ機構21と、スプール軸16を両端で挟んで制動するキャスティングコントロール機構22とが配置されている。また、開口8aには、キャスティング時のバックラッシュを抑えるための遠心ブレーキ機構23が配置されている。
【0025】
スプール12は、両側部に皿状のフランジ部12aを有しており、両フランジ部12aの間に筒状の糸巻き胴部12bを有している。また、スプール12は、糸巻き胴部12bの内周側に一体に形成された筒状のボス部12cを有しており、ボス部12cを貫通するスプール軸16に例えばセレーション結合により回転不能に固定されている。
【0026】
スプール軸16は、側板9を貫通して第2側カバー7の外方に延びている。その延びた一端は第2側カバー7に形成されたボス部29に軸受35bにより回転自在に支持されている。またスプール軸16の他端は、遠心ブレーキ機構23内で軸受35aにより回転自在に支持されている。
【0027】
レベルワインド機構15は、1対の側板8,9間に固定されたガイド筒25と、ガイド筒25内に回転自在に配置されたウォームシャフト26と、ラインガイド27とを有している。ウォームシャフト26の端部には、ギア機構18を構成するギア28aが固定されている。またウォームシャフト26には螺旋状溝26aが形成されており、ラインガイド27がこの螺旋状溝26aに噛み合っている。このため、ギア機構18を介してウォームシャフト26が回転させられることにより、ラインガイド27はガイド筒25によって往復移動する。このラインガイド27内に釣り糸が挿通されて釣り糸がスプール12に均一に巻き付けられる。
【0028】
ギア機構18は、ハンドル軸30に固定されたメインギア31と、メインギア31に噛み合う筒状のピニオンギア32と、前述のウォームシャフト26端部に固定されたギア28aと、ハンドル軸30に回転不能に固定されギア28aに噛み合うギア28bとを有している。
【0029】
ピニオンギア32は、側板9を貫通して配置され中心にスプール軸16が貫通する筒状部材であり、スプール軸16に軸方向に移動自在に装着されている。ピニオンギア32は、図2右端部外周に形成されメインギア31に噛み合う歯部32aと、他端側に形成された噛み合い部32bとを有している。歯部32aと噛み合い部32bとの間にはくびれ部32cが設けられている。噛み合い部32bは、ピニオンギア32の端面に形成された凹溝からなり、そこにスプール軸16を径方向に貫通するクラッチピン16aが係止される。ここではピニオンギア32が外方に移動してその噛み合い部32bの凹溝とスプール軸16のクラッチピン16aとが離脱すると、ハンドル軸30からの回転はスプール12に伝達されない。この噛み合い部32bの凹溝とクラッチピン16aとによりクラッチ機構13が構成される。
【0030】
クラッチ操作レバー17は、図2に示すように、1対の側板8,9間の後部でスプール12後方に配置されている。フレーム5の側板8,9には長孔(図示せず)が形成されており、クラッチ操作レバー17を固定するクラッチカム(図示せず)がこの長孔を貫通している。クラッチ操作レバー17は、長孔に沿って上下方向にスライドする。クラッチ係脱機構19は、クラッチヨーク40を有している。クラッチ係脱機構19は、クラッチ操作レバー17の回動によりクラッチヨーク40をスプール軸の軸芯と平行に移動させる。また、ハンドル軸30が糸巻き取り方向に回転すると自動的にクラッチ機構13がオンするようにクラッチヨーク40を移動させる。
【0031】
このように構成において、通常状態では、ピニオンギア32は内方のクラッチ係合位置に位置しており、その噛み合い部32bとスプール軸16のクラッチピン16aとが係合してクラッチオン状態となっている。一方、クラッチヨーク40によってピニオンギア32が外方に移動した場合には、噛み合い部32bとクラッチピン16aとの係合が外れクラッチオフ状態となる。
【0032】
キャスティングコントロール機構22は、ボス部29の外周側に形成された雄ネジ部に螺合する有底筒状のキャップ45と、キャップ45の底部に装着された摩擦ブレーキ46と、ブレーキケース(後述)55に装着された摩擦プレート47とを備えている。両摩擦プレート46,47は、スプール軸16の両端に接触してスプール軸16を挟持するものであり、キャップ45を回して両摩擦プレート46,47で発生する挟持力を調整することでスプール12の制動力を調整できる。このキャスティングコントロール機構22によって制動力を調整すると、キャップ45に装着された摩擦プレート46でスプール軸16を摩擦プレート47側に押圧するため、スプール軸16がわずかに軸方向に移動する。
【0033】
〔遠心ブレーキ機構の構成〕
遠心ブレーキ機構23は、図3及び図4に示すように、リール本体1に固定された制動部材51と、制動部材51の内周側に同芯に配置されリール本体1に対してスプール軸方向に移動自在な回転部材52と、回転部材52に径方向に移動自在に装着された複数(例えば6つ)の移動部材53と、回転部材52をスプール軸方向に往復移動させる移動機構54とを備えている。
【0034】
制動部材51は、たとえば銅系合金製の薄肉円筒状部材であり、ブレーキケース55の内周面に固定されている。制動部材51は、円筒状の制動面51aを内周面に有している。ブレーキケース55は、有底短筒状の部材であり、その内側底部に内方に突出する筒状の軸受ガイド部55aが形成され、外側底部に外方に突出するつまみ支持部55bが形成されている。軸受ガイド部55aは、この内周側にスプール軸16を支持する軸受35aが配置され、キャスティングコントロール機構22の摩擦プレート47が装着されている。つまみ支持部55bは、移動機構54の制動つまみ(後述)70を回動自在に支持するために設けられている。つまみ支持部55bの外周側には、周方向に間隔を隔てて円弧状の3つ貫通溝55cが形成され、つまみ支持部55bの基端部外周部には、制動つまみ70の回動量を規制するための回動規制突起55dが形成されている。
【0035】
ブレーキケース55は、ビス49(図2)により第1側カバー6に固定されている。つまり、ブレーキケース55はリール本体1の一部を構成している。ブレーキケース55の外周面には、バヨネット構造14を構成する突起部14aが周方向に間隔を隔てて3カ所形成されている。なお、開口8aには、この突起部14aに対向する位置に係止爪14bが形成されている。係止爪14bは開口8aから外方に突出して形成されている。
【0036】
回転部材52は、スプール12に連動して回転する部材である。回転部材52は、スプール軸16に回転不能かつ軸方向移動自在に装着されたブッシュ部56と、ブッシュ部56に回転不能かつ軸方向移動不能に装着されたガイド取付台57とを有している。
【0037】
ブッシュ部56は、概ね筒状の部材であり、軸受35aの内輪35cに圧入される小径の圧入部58と、圧入部58より大径の装着部59とを有している。圧入部58は、内輪35cに圧入されて内輪35cに対して回転不能かつ軸方向移動不能な状態に維持される。圧入部58の内周面は、スプール軸16に回転自在かつ軸方向移動自在に装着されている。
【0038】
装着部59の内周面は、スプール軸16の外周面に対して間隔をあけて配置されている。装着部59には、ガイド取付台57が装着される小径部59aと、小径部59aより大径でガイド取付台57が位置決め及び回り止めされる係止部59bとを有している。小径部59aには、径方向に沿って段付きの貫通孔59cが形成されており、貫通孔59cには、スプール軸16に対してブッシュ部56を回り止めするための1対の回り止めピン60が圧入されている。回り止めピン60の先端は、スプール軸16の外周面に対向して形成された平行な面取り部16bに当接しており、これにより、ブッシュ部56がスプール軸16に対して回転不能かつ軸方向移動自在に装着される。係止部59bには、平行な面取り部59dが形成されている。
【0039】
ガイド取付台57は、ブッシュ部56に回転不能に装着される第1円筒部61と、第1円筒部61の外周部から径方向外方に延びる薄肉リング状の第1円板部62と、第1円板部62の外周部から軸方向外方に延びる第2円筒部63と、第2円筒部63の延びた一端の外周面から径方向外方に突出した厚肉リング状の第2円板部64とを有している。
【0040】
第1円筒部61の内周部には、ブッシュ部56の面取り部59dに係合する小判孔61aが形成されており、この面取り部59dと小判孔61aとの係合により、ガイド取付台57がブッシュ部56に対して回り止めされる。第1円筒部61の一端(図3左端)は、小判孔61a形成部分でブッシュ部56の装着部59の係止部59bに当接している。また、他端には、小径部59aの端部外周面に装着された止め輪66に当接している。これにより、ガイド取付台57は、ブッシュ部56に対して軸方向移動不能である。第1円板部62は、ブレーキケース55の軸受ガイド部55aの先端と隙間をあけて配置されており、第2円筒部63は、軸受ガイド部55aの外周面と隙間をあけて配置されている。
【0041】
第2円板部64の外周部には、周方向に等間隔に形成された、たとえば6つのガイド凹部64aが形成されている。ガイド凹部64aは、移動部材53を収納するとともに、移動部材53を制動部材51に接触可能な状態と接触不能な状態とに切り換えるために設けられている。ガイド凹部64aには、移動部材53の移動を規制するための1対の突起部64b,64cが対向する両壁面に形成されている。また、ガイド凹部64aの底部には、移動部材53を案内するためのガイド軸65が径方向に沿って放射状に立設されている。
【0042】
突起部64bは、移動部材53がガイド軸65から脱落するのを防止するために設けられている。突起部64cは、移動部材53が制動部材51に接触しないようにするために設けられている。
【0043】
ガイド軸65は、断面が長円形の軸であり、移動部材53を回転不能かつ径方向移動自在に案内する。ガイド軸65は、図5に示すように、スプール軸方向で異なる、たとえば2つの位置のいずれかでガイド凹部64aの底部に立設されている。これにより移動部材53が制動部材51に接触する際にスプール軸方向で2種類の位置で制動部材51に接触することができる。
【0044】
移動部材53は、概ね直方体形状の合成樹脂製の部材である。移動部材53は、回転部材52に径方向に摺動自在に設けられ、回転部材52のスプール軸方向の移動により制動部材51に異なる数で接触するものである。移動部材53は、ガイド軸65に案内される直方体形状の本体部53aと、本体部53aの内側端部(図5下側端部)に一体で形成され、本体部53aから回転方向の両方向(図5紙面直交方向)に突出した1対の係止突起53bと、本体部53aの外側端部(図5上側端部)に一体形成され、本体部53aからスプール軸方向の両方向(図5左右方向)に突出した1対の接触部53cとを有している。本体部53aの内部には、スプール軸16の径方向に沿って長円形のガイド孔53eが貫通しており、このガイド孔53eにガイド軸65がはめ込まれて、移動部材53がガイド軸65に径方向移動自在に案内される。係止突起53bは、ガイド凹部64aに形成された1対の突起部64b,64cに係止されるように突出している。この係止突起53bが突起部64bと突起部64cとの間に配置されると、突起部64bに係止されて移動部材53の脱落が防止される。また、径方向内方に押し込まれて突起部64cより内方に配置されると、突起部64cにより係止されて制動部材51への接触ができなくなる。このため、制動部材51に接触可能な移動部材53の数を調整できる。1対の接触部53cの一方には径方向外方に突出する接触凸部53dが突出している。接触凸部53dは、制動部材51の内周面(制動面)に接触する凸部であり、制動部材51の内周面に沿うように周方向(紙面直交方向)で円弧状に形成されている。
【0045】
この移動部材53の接触凸部53dは、ガイド軸65への装着状態を変更することで、制動部材51に対してスプール軸方向の2つの異なる位置で接触する。すなわち、図5(a)に実線で示す第1位置、第1位置と装着状態を逆にした2点鎖線で示す第2位置とである。また、ガイド軸65が前述したようにスプール軸方向の異なる位置に立設されているため、図5(b)に示すように、ここでも図5(a)の2つ位置と異なる、第3位置(2点鎖線)と第4位置(実線)とで制動部材51に接触する。この結果、移動部材53の接触凸部53dは、4つの異なるスプール軸方向位置で制動部材51に接触可能である。したがって、この実施形態では、制動力を4段階に調整可能である。この4段階の制動力は、移動部材53の接触凸部53dの方向(装着状態)や制動部材51に接触可能な移動部材53の数などにより自由に変更可能である。たとえば、この実施形態では、制動部材51に接触する移動部材53の数が、回転部材52の軸方向の移動により6−4−3−1の順に変化する。この移動部材53が制動部材51に接触する各段階での数は、前述したように釣り人の好みや使用するルアーの種類や重さなどにより自由に変更可能である。
【0046】
移動機構54は、図3及び図4に示すように、リール本体1に回動自在に設けられた制動つまみ70と、制動つまみ70の回動をスプール軸方向の移動に変換して回転部材52を往復移動させる回転カム機構74とを有している。
【0047】
制動つまみ70は、ブレーキケース55のつまみ支持部55bに装着されており、つまみ支持部55bの先端にねじ込まれたボルト76によりワッシャ77を介して回動自在に固定されている。制動つまみ70は、つまみ支持部55bに装着される筒状のボス部71と、ボス部71の外周側に間隔を隔てて配置される筒状のカム部72と、ボス部71とカム部72とをつなぐ円板状の操作部73とを有している。ボス部71とつまみ支持部55bとの間には、制動つまみ70を周方向の4カ所で位置決めするための位置決め機構75が装着されている。ボス部71の先端には、切欠き部71aが周方向に1カ所形成されており、この切欠き部71aがつまみ支持部55bに形成された回転規制突起55dに係止されることにより、制動つまみ70の回動範囲がたとえば、75度程度に制限されている。カム部72には、たとえば周方向に間隔を隔てて3カ所の厚肉部72aが形成されている。厚肉部72aは、他の部分より径方向内方に膨出して形成されており、各厚肉部72aに回転カム機構74を構成するカム溝80が径方向に貫通して形成されている。
【0048】
各カム溝80は、軸方向及び周方向の異なる位置に等間隔に所定の周方向長さで形成された4つの制動溝80a〜80dと、各制動溝80a〜80dを連結する斜行溝80eとを有しており、概ねカム部72において斜めに形成されている。
【0049】
操作部73は、外方に突出する2つの突出部73a,73bを有している。このうち、一方の突出部73bには、指針73cが径方向に沿った溝により形成されている。第1側カバー6の指針73cの周囲には、図1に示すように、1から4までの文字が刻印されており、指針73cが指した数字が制動力の程度を表している。
【0050】
回転カム機構74は、カム部材85と、軸受保持部材86とを備えている。カム部材85は、リング状部87と、リング状部87の外周面から外方に突出する3つのカムピン88と、リング状部87から貫通溝55cを貫通してブレーキケース55の内部に延びる3つの突出片89とを備えている。リング状部87は、制動つまみ70のボス部71の外周側に配置され、ボス部71に軸方向移動自在に支持されている。カムピン88は、丸棒状に突出しており、制動つまみ70の厚肉部72aに形成されたカム溝80に厚肉部72aと他の部分との境界部分から係合可能である。すなわち、カムピン88の突出長さは、厚肉部72aと他の部分との差よりわずかに短い。突出片89は、円筒の一部を構成するような外周面及び内周面を有しており、外周面の先端側に雄ネジ部89aが形成されている。突出片89が貫通溝55cを貫通することにより、カム部材85は、リール本体1に対して回転不能になっている。このようなカムピン88とカム溝80の係合により、制動つまみ70の回動が回転カム機構74の軸方向の移動に変換される。しかも、カムピン88が4箇所の制動溝80a〜80dに係合すると、軸方向の4カ所で回転カム機構74が位置決めされる。
【0051】
軸受保持部材86は、円筒状の部材であり、軸受ガイド部55aに軸方向移動自在に装着されている。軸受保持部材86は、先端内周部に雄ネジ部89aに螺合する雌ネジ部86aを有している。また、雌ネジ部86aに連続して軸受35aを収納する収納空間86bを内部に有している。この収納空間86bに軸受35aを装着した状態で、軸受保持部材86をカム部材85に螺合することにより、軸受35aの外輪35dが軸受保持部材86とカム部材85とで挟持され固定される。また、軸受35aの内輪35cには、ブッシュ部56が圧入されている。この結果、回転カム機構74と回転部材52とが軸受35aを介して軸方向移動不能に連結され、回転カム機構74が軸方向に移動すると、軸受35aを介して回転部材52が軸方向に移動し、移動部材53が制動部材51に接触する位置が軸方向に変化する。このとき、軸受35aを介して両者が連結されているので、回転部材52が回転しても軸方向に移動させる部材は回転しない。この結果、回転する回転部材52を簡単な構成で軸方向に移動させることができる。
【0052】
ここで、カムピン88が制動溝80aに係合すると、図3に示すスプール12から最も離反した位置に回転部材52に配置され、制動部材51に接触する移動部材53の数が最大になり、制動力が最大になる。また、制動溝80dに係合すると、図6に示す位置に回転カム機構74が前進して回転部材52が最もスプール12に接近した位置に配置され、制動部材51に接触する移動部材53の数が最小になり、制動力が最小になる。
【0053】
〔リールの動作〕
通常の状態ではクラッチヨーク40は内方に押されておりクラッチオンの状態である。この結果、ハンドル2からの回転力はハンドル軸30、メインギア31、ピニオンギア32及びスプール軸16を介してスプール12に伝達され、スプール12が糸巻き取り方向に回転する。このとき、遠心ブレーキ機構23の移動部材53に遠心力が作用し移動部材53が径方向外方に移動するが、スプール12の回転速度が遅いため、制動力がそれほど大きくならず、ハンドル2の回転の邪魔になることはない。もし制動力を抑える必要があるのであれば、制動つまみ70を回転させて、図6に示すように、最も制動力が弱い位置に回転部材52を配置すればよい。
【0054】
キャスティングを行う場合には、バックラッシュを抑えるために制動つまみ70を回動させて制動力を調整する。制動つまみ70を図1の矢印A方向に回転させると、回転カム機構74がスプール12側に前進し、制動部材51に接触する移動部材53の数が徐々に減少し、制動力が徐々に弱くなる。そして、指針73cが数字「1」を示す位置まで制動つまみ70が回転すると、図6に示す位置に回転部材52が配置され、制動力が最も弱くなる。
【0055】
続いて、クラッチ操作レバー17を下方に押す。クラッチ操作レバー17の移動によりクラッチヨーク40が外方に移動し、ピニオンギア32が同方向に移動する。この結果、クラッチオフ状態となる。このクラッチオフ状態では、ハンドル軸30からの回転はスプール12及びスプール軸16に伝達されず、スプール12は自由回転状態になる。クラッチオフ状態としてクラッチ操作レバー17に置いた親指でスプールをサミングしながらスプール軸16が鉛直面に沿うようにリールを軸方向る傾けて釣り竿を振ると、ルアーが投げられスプール12が糸繰り出し方向に勢いよく回転する。
【0056】
このような状態では、スプール12の回転によりスプール軸16が糸繰り出し方向に回転し、その回転が回転部材52に伝達される。回転部材52が回転すると、移動部材53が制動部材51に摺接して遠心ブレーキ機構23によりスプール12が制動されバックラッシュを防止できる。
【0057】
また、万一スプール12でバックラッシュが生じても、第1側カバー6がバヨネット構造14により簡単に着脱できるので、バックラッシュを容易に解消できる。
【0058】
また、重さが異なるルアーに取り替えるときには、ルアーの重さに応じて制動つまみ70を回動させ制動力を4段階に調整する。ここでは、外部に露出した制動つまみ70を回動するだけで遠心力による制動力を簡単に調整できる。また制動力を調整すると、制動部材51に接触する移動部材53の数が変化するので制動力の差異が明確になる。しかも、回転部材52を軸方向に移動させることで制動力を調整しているので、キャスティングコントロール機構22により制動力を調整しても、回転部材52と制動部材51とのスプール軸方向の相対位置が変化せず、遠心ブレーキ機構23による制動力が変化することがない。
【0059】
〔他の実施形態〕
(a) 前記実施形態では、回転カム機構74により回転部材52を移動させたが、ねじ等の他の変換機構により移動させてもよい。
【0060】
(b) 図7に示すように、回転部材52にガイド軸65を斜めに放射状に設けるとともに、移動部材53のガイド軸方向の移動量をそれぞれのガイド軸65毎に異なる量にしてもよい。この場合、制動部材51の制動面51aは、先拡がりのテーパ面を有する円錐台形状の内周面である。このような実施形態でも、移動機構54により回転部材52をスプール軸方向に移動させると、移動部材53の移動限界位置がそれぞれ異なるため、制動部材51に接触する移動部材53の数を変化させることができる。
【0061】
(c) 図8に示すように、複数の移動部材53を、回転部材52に周方向に間隔を隔てて配置しかつ弦方向に沿う複数の揺動軸回りに各別に揺動自在に装着してもよい。ここで、移動部材53にはスプール軸方向の異なる位置に円筒状の制動部材51の制動面51aに接触する接触凸部53dが設けられている。このような実施形態でも、回転部材52が軸方向に移動すると制動部材51に接触する接触凸部53dの数が変化し制動力を調整できる。
【0062】
(d) 図9に示すように、制動部材51をスプール軸に直交する環状の制動面51aを有し、ブレーキケース55の壁面に固定されたリング状の部材で構成し、複数の移動部材53を回転部材52に周方向に間隔を隔てて配置しかつ弦方向に沿う複数の揺動軸50回りに各別に揺動自在に装着してもよい。この場合には、揺動する移動部材53の揺動軸50の軸芯と制動部材51の制動面51aとの距離が変動すると、移動部材53が制動面51aに接触する時の揺動角度が変化する。これにより、移動部材53の重心に作用する遠心力により生じるモーメントが変化し、制動部材51への押圧力が変化し制動力が変化する。
【0063】
(e) 前記実施形態では、スプール軸16をキャスティングコントロール機構22により制動しているが、レベルワインド機構15がスプール12に連動して回転する場合には、レベルワインド機構15にキャスティングコントロール機構22を設けるとともに、遠心ブレーキ機構23をレベルワインド機構15に設けてもよい。
【0064】
【発明の効果】
本発明によれば、回転部材の軸方向の位置によって、移動部材と制動部材との摩擦状態が異なる状態になり制動力が変化する。したがって、回転部材を移動手段により軸方向に移動させることにより、制動力の調整作業を簡単に行える。また、回転部材は、リール本体に対してスプールの軸方向に沿う方向に移動自在であるので、スプール軸に対しても相対移動可能である。このため、スプール軸がキャスティングコントロール機構の操作等により軸方向に移動しても、回転部材は軸方向に移動せず回転部材と制動部材との軸方向の位置関係は変動しない。この結果、スプール軸が移動しても設定された制動力は変動せず、制動力の調整作業を精度良く行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態を採用した両軸受リールの斜視図。
【図2】 その断面図。
【図3】 遠心ブレーキ機構の断面拡大図。
【図4】 遠心ブレーキ機構の分解斜視図。
【図5】 移動部材の装着状態を示す断面拡大図。
【図6】 回転部材が最もスプールに接近したときの図3に相当する図。
【図7】 他の実施形態の図3に相当する図。
【図8】 他の実施形態の図3に相当する図。
【図9】 他の実施形態の図3に相当する図。
【符号の説明】
1 リール本体
12 スプール
16 スプール軸
22 キャスティングコントロール機構
23 遠心ブレーキ機構
51 制動部材
52 回転部材
53 移動部材
54 移動機構
65 ガイド軸
70 制動つまみ
74 回転カム機構

Claims (9)

  1. リール本体に回転自在に設けられたスプールを制動する両軸受リールの制動装置であって、
    前記リール本体に固定された制動部材と、
    前記制動部材と同芯に配置され、前記スプールに連動して回転しかつ前記リール本体に対して前記スプールの軸方向に沿う方向に移動自在な回転部材と、
    前記スプールの回転による遠心力により前記制動部材に向けて移動するように前記回転部材に移動自在に設けられ、前記回転部材の前記軸方向の移動により、全体として制動時に前記制動部材に異なる摩擦状態で接触可能な複数の移動部材と、
    前記回転部材を前記軸方向に往復移動させるための移動手段とを備え、
    前記スプールは、スプール軸に固定されており、
    前記回転部材は、前記スプール軸を前記リール本体に対して回転自在に支持するための軸受の内輪に回転不能かつ軸方向移動不能に固定され、かつ前記スプール軸に回転不能かつ軸方向移動自在に連結されており、
    前記移動手段は、前記軸受の外輪に回転不能かつ軸方向移動不能に連結され、前記軸受を介して前記回転部材を前記軸方向に往復移動させる、両軸受リールの制動装置。
  2. 前記複数の移動部材は、前記制動部材の内周側に配置され、前記回転部材の軸方向の移動により前記制動部材に接触する個数が変化するように前記回転部材に装着されている、請求項1に記載の両軸受リールの制動装置。
  3. 前記制動部材は、前記移動部材に近づく方向に先拡がりの制動面を有し、
    前記複数の移動部材は、互いに異なる移動限界位置まで径方向に移動自在に前記回転部材に放射状に装着されている、請求項2に記載の両軸受リールの制動装置。
  4. 前記制動部材は、円筒形状の制動面を有し、
    前記複数の移動部材は、前記制動部材への接触位置が軸方向で異なるように径方向に移動自在に前記回転部材に放射状に装着されている、請求項2に記載の両軸受リールの制動装置。
  5. 前記制動部材は、円筒形状の制動面を有し、
    前記複数の移動部材は、前記回転部材に周方向に間隔を隔てて配置されかつ弦方向に沿う複数の揺動軸回りに各別に揺動自在に装着され、前記移動部材は前記スプール軸方向の異なる位置で前記制動部材に接触する、請求項2に記載の両軸受リールの制動装置。
  6. 前記制動部材は、前記移動部材と軸方向に間隔を隔てて配置され前記スプール軸に直交する環状の制動面を有し、
    前記複数の移動部材は、前記回転部材の軸方向の移動により前記制動部材への押圧力が変化するように前記回転部材に周方向に間隔を隔てて配置されかつ弦方向に沿う複数の揺動軸回りに各別に揺動自在に装着されている、請求項1に記載の両軸受リールの制動装置
  7. 前記移動手段は、
    前記リール本体に回動自在に設けられた回動部材と、
    前記回動部材の回動を前記スプール軸方向の移動に変換して前記回転部材を移動させる回転カム機構とを有する、請求項1からのいずれかに記載の両軸受リールの制動装置。
  8. 前記スプール軸を挟持することにより前記スプールを制動するキャスティングコントロール機構をさらに備える、請求項に記載の両軸受リールの制動装置。
  9. リール本体に回転自在に設けられたスプールを制動する両軸受リールの制動装置であって、
    前記リール本体に固定された制動部材と、
    前記制動部材と同芯に配置され、前記スプールに連動して回転しかつ前記リール本体に対して前記スプールの軸方向に沿う方向に移動自在な回転部材と、
    前記スプールの回転による遠心力により前記制動部材に向けて移動するように前記回転部材に移動自在に設けられ、前記回転部材の前記軸方向の移動により、全体として制動時に前記制動部材に異なる摩擦状態で接触可能な複数の移動部材と、
    前記回転部材を前記軸方向に往復移動させるための移動手段とを備え、
    前記制動部材は、円筒形状の制動面を有し、
    前記複数の移動部材は、前記制動部材の内周側に配置され、前記回転部材の軸方向の移動により前記制動部材に接触する個数が変化するように前記回転部材に装着され、前記回転部材に周方向に間隔を隔てて配置されかつ弦方向に沿う複数の揺動軸回りに各別に揺動自在に装着され、前記移動部材は前記スプール軸方向の異なる位置で前記制動部材に接触する、両軸受リールの制動装置。
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