JP2003189771A - 両軸受リールのスプール制動装置 - Google Patents

両軸受リールのスプール制動装置

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JP2003189771A
JP2003189771A JP2001397514A JP2001397514A JP2003189771A JP 2003189771 A JP2003189771 A JP 2003189771A JP 2001397514 A JP2001397514 A JP 2001397514A JP 2001397514 A JP2001397514 A JP 2001397514A JP 2003189771 A JP2003189771 A JP 2003189771A
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spool
fan
braking
braking device
dual
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JP2001397514A
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Takeshi Ikuta
剛 生田
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Shimano Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スプール制動装置において、簡素な構造でバ
ックラッシュを防止できるようにする。 【解決手段】 スプール制動装置18は、リール本体1
に回転自在に装着され、釣り糸を釣り竿の長手方向と食
い違う軸回りに巻き取るスプール15を制動する装置で
あって、ファン40と、制動部材41と、圧接部材42
とを備えている。ファン40は、スプール15に連動し
て回転し、回転方向に間隔を隔てて複数の羽根部材40
bを有し、スプール回転時の風圧によりスプール軸25
に沿う方向に移動可能なものである。制動部材41は、
リール本体1に回転不能に装着された部材である。圧接
部材42は、ファン40に連動してスプール軸方向に移
動し、ファン40のスプール軸方向の移動により制動部
材41に圧接する部材である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スプール制動装
置、特に、リール本体に回転自在に装着され、釣り糸を
釣り竿の長手方向と食い違う軸回りに巻き取るスプール
を制動する両軸受リールのスプール制動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ルアーフィッシングに用いられる小型の
両軸受リールには、キャスティング時のバックラッシュ
(スプール回転速度が糸繰り出し速度より速くなる現
象)を防止するために、スプール制動装置が設けられて
いる。この種のスプール制動装置としてファンをスプー
ルに連動して設け、スプール回転時の風圧によって生じ
る回転方向の抵抗を利用したファン式のスプール制動装
置が特開2001−169697号公報に開示されてい
る。
【0003】前記公報に開示された従来のスプール制動
装置は、スプールと一体回転する保持部材と、保持部材
に径方向移動自在に収容され、スプール回転により生じ
る遠心力により径方向に進退する複数の羽根部材とを有
するファンを備えている。前記従来のスプール制動装置
では、スプールが回転すると、複数の羽根部材が回転速
度に応じて遠心力により径方向外方に保持部材から進退
し、その羽根部材が受ける風圧によってスプールが制動
される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記従来のスプール制
動装置では、羽根部材を収容部材に径方向に進退自在に
収容しなければならないため、それぞれの羽根部材を移
動させるための構造が複雑になる。また、風圧による回
転方向の抵抗力でスプールを制動しているので、あまり
大きな制動力が得られず、バックラッシュの防止に必要
な制動力を得にくい。
【0005】本発明の課題は、スプール制動装置におい
て、簡素な構造でバックラッシュを防止できるようにす
ることにある、
【0006】
【課題を解決するための手段】発明1に係る両軸受リー
ルのスプール制動装置は、リール本体に回転自在に装着
され、釣り糸を釣り竿の長手方向と食い違う軸回りに巻
き取るスプールを制動する装置であって、ファンと、制
動部材と、圧接部材とを備えている。ファンは、スプー
ルに連動して回転し、回転方向に間隔を隔てて複数の羽
根部材を有し、スプール回転時の風圧によりスプールの
回転軸に沿う方向に移動可能なものである。制動部材
は、リール本体に回転不能に装着された部材である。圧
接部材は、ファンに連動して回転軸方向に移動し、ファ
ンの回転軸方向の移動により制動部材に圧接する部材で
ある。
【0007】このスプール制動装置では、スプールが糸
繰り出し方向に回転すると、ファンがそれに連動して回
転し、羽根部材が発する風圧によりファンがスプール軸
方向に移動する。ファンが移動すると圧接部材がファン
に連動して回転軸方向に移動して制動部材に圧接し、圧
接部材を介してスプールが制動される。ここでは、ファ
ンを風圧によりスプールの回転軸方向に移動させ、その
移動により圧接部材を制動部材に圧接させることにより
制動している。したがって、風圧による抵抗ではなく摩
擦による抵抗によりスプールを制動している。このた
め、バックラッシュの防止に必要な制動力を得やすくな
る。また、羽根部材は個別に移動する必要がなく固定の
ものでよいので、構造が簡素である。
【0008】発明2に係る両軸受リールのスプール制動
装置は、発明1に記載の装置において、ファンは、スプ
ールが糸繰り出し方向に回転するとき、圧接部材を制動
部材に向けて移動させるように制動部材と逆向きに送風
する。この場合には、スプールが糸繰り出し方向に回転
したときにファンが制動部材と逆向きに送風するので、
糸巻取時に圧接部材が制動部材に接触しない。このた
め、従来のファン式のスプール制動装置及び遠心力や磁
力などを利用したスプール制動装置などに比べて糸巻取
時に制動力が作用しにくくなる。
【0009】発明3に係る両軸受リールのスプール制動
装置は、発明1又は2に記載の装置において、ファンは
回転軸に回転不能かつ軸方向移動自在に装着され、ファ
ンを制動部材から離反する方向に付勢する付勢部材をさ
らに備える。この場合には、スプールの回転が一定以上
高くなり付勢部材の付勢力を超えるまでは、ファンが回
転軸方向に移動しないので、低速時に制動力が作用せ
ず、仕掛けの飛距離が増大する。
【0010】発明4に係る両軸受リールのスプール制動
装置は、発明3に記載の装置において、圧接部材は、フ
ァンに設けられており、制動部材はリール本体に回転不
能に装着され、圧接部材に接触可能に回転軸の外周側に
同芯に配置されている。この場合には、スプールが糸繰
り出し方向に回転すると圧接部材がファンとともに制動
部材に向けて移動して制動部材に圧接する。ここでは、
圧接部材がファンに設けられ、制動部材が回転軸の外周
側に同芯に配置されているので、ファンを回転軸方向に
移動させるだけで圧接部材が移動して制動部材に圧接す
る。このため、ファンの推進力が効率よく圧接部材に伝
達されスプールが効率よく制動される。
【0011】発明5に係る両軸受リールのスプール制動
装置は、発明1又は2に記載の装置において、ファンは
回転軸に対して回転不能かつ軸方向移動不能であり、圧
接部材は回転軸であり、制動部材は、回転軸の軸端に接
触して配置された円板部材である。この場合には、回転
軸を圧接部材として利用しスプールの回転軸の軸端を挟
持するキャスティングコントロール機構の2つの円板部
材の一方を制動部材として利用して制動することによ
り、実質的にファンをスプール又は回転軸に固定するだ
けでスプールを回転速度に応じて簡単に制動できる。
【0012】発明6に係る両軸受リールのスプール制動
装置は、発明5に記載の装置において、スプールは回転
軸に回転不能かつ軸方向移動不能に装着され、ファンは
スプールに固定されている。この場合には、ファンがス
プールに設けられているので、スプールと一体で形成し
たり、スプールに別に固定したりするだけで、回転軸を
圧接部材として簡単に利用できる。
【0013】発明7に係る両軸受リールのスプール制動
装置は、発明5に記載の装置において、スプールは回転
軸に回転不能かつ軸方向移動不能に装着され、ファンは
回転軸に固定されている。この場合には、たとえば後付
で回転軸にファンを設けることにより回転軸を圧接部材
として簡単に利用できる。発明8に係る両軸受リールの
スプール制動装置は、発明6又は7に記載の装置におい
て、ファンに回転方向に間隔を隔てて配置されかつ径方
向移動自在に装着された制動シューと、径方向外方に移
動した制動シューが内周面に接触可能にリール本体に回
転不能に装着された制動ドラムとをさらに備えている。
この場合には、遠心力を利用したスプール制動装置とフ
ァンを利用したスプール制動装置との2種類の制動装置
をひとつの装置で実現できる。また、水分等の異物が装
置に付着してもファンの風により飛ばすことができ、リ
ール内部に塩が析出したりリール内部が腐食したりする
不具合が生じにくくなる。
【0014】
【発明の実施の形態】〔全体構成〕図1及び図2におい
て、本発明の一実施形態を採用した両軸受リールは、釣
り糸を釣り竿の長手方向と食い違う軸回りに巻き取る側
面視丸形の両軸受リールである。両軸受リールは、リー
ル本体1と、リール本体1の側方に配置されたスプール
回転用のハンドル2と、ハンドル2のリール本体1側に
配置されたドラグ調整用のスタードラグ3とを備えてい
る。
【0015】リール本体1は、フレーム5と、フレーム
5の両側方に配置された1対の側カバー13,14とを
有している。フレーム5は、所定の間隔をあけて配置さ
れた側面視円形の1対の側板10,11と、両側板1
0,11を連結する複数の連結部材12とが一体成形さ
れ機械加工されたものである。側カバー13は、フレー
ム5と固定されており、側カバー14は、フレーム5に
対して2本の着脱用ネジ17(図2では1本のみ図示)
によって着脱自在に装着されている。連結部材12のう
ち下側の連結部材(図示せず)には、リール取付脚6が
固定されており、リール本体1は、リール取付脚6を介
して図示しない釣り竿に固定され得る。
【0016】側板10,11の間には釣り糸巻取用のス
プール15が回転自在に配置されている。スプール15
は、釣り糸が巻き付けられる筒状の糸巻胴部15aと、
糸巻胴部15aの両端に大径に形成された1対のフラン
ジ部15b,15bとを有している。側板10,11間
には、スプール15と並んでスプール15に釣り糸を均
一に巻くためのレベルワインド機構16も配置されてい
る。側板11の外側で側カバー14内には、ハンドル2
の回転をスプール15及びレベルワインド機構16に伝
達するための回転伝達機構20と、回転伝達機構20内
に設けられたクラッチ機構21とが配置されている。回
転伝達機構20は、スプール15からハンドル2側にト
ルクが逆に伝達された場合のトルクを規制するためのド
ラグ機構22を含んでいる。
【0017】スプール15の中心には、図2に示すよう
に、スプール軸25が固定されている。スプール軸25
は、側カバー13及び側カバー14に軸受26a,26
bを介して回転自在に支持されている。スプール軸25
の図2左端には、図3に示すように、軸受26aにより
支持される小径の軸受支持部25aが形成されており、
その右側に隣接して順に、軸受支持部25aより大径の
ばね装着部25b、ばね装着部25bより大径のファン
装着部25c、及びばね装着部25cより大径のスプー
ル装着部25dがそれぞれ形成されている。ばね装着部
25bには、ばね受け44(後述)を係止するための環
状溝25eが形成され、ファン装着部25cには、ファ
ン40(後述)を回転不能に装着するための互いに平行
な面取り部25fが形成されている。スプール装着部2
5dには、スプール15が回転不能かつ軸方向移動不能
に、たとえばセレーション等の適宜の固定方法により固
定されている。
【0018】スプール軸25は、キャスティングコント
ロール機構24により僅かな制動力が付与されている。
キャスティングコントロール機構24は、スプール軸2
5の両端を挟むように配置された金属製の円板状の複数
の摩擦プレート51a,51bと、摩擦プレート51
a,51bによるスプール軸25の挟持力を調節するた
めの制動キャップ52とを有している。左側の摩擦プレ
ート51aは、軸受装着部28(後述)内に装着されて
いる。制動キャップ52は、側カバー14に固定され軸
受26bを収納するボス部14aの外周面に螺合してい
る。右側の摩擦プレート51bは、ボス部14a内に装
着されている。
【0019】側カバー13には、キャスティング時のス
プール15のバックラッシュを防止するためのスプール
制動装置18が収納されている。また、側カバー13に
は、内方に突出する筒状の軸受装着部28が形成されて
おり、軸受装着部28の内部に軸受26aが収納されて
いる。軸受装着部28の外周面には雄ねじ部28aが形
成されている。
【0020】〔スプール制動装置の構成〕スプール制動
装置18は、図2及び図3に示すように、スプール軸2
5に回転不能かつ軸方向移動自在に装着されたファン4
0と、リール本体1に回転不能に装着された制動部材4
1と、制動部材41に圧接する圧接部材42とを有して
いる。また、スプール制動装置18は、ファン40を制
動部材41から離反する方向に付勢する付勢部材として
のコイルばね43をさらに有している。
【0021】ファン40は、スプール軸25に装着され
るボス部40aと、ボス部40aの外周面に回転方向に
間隔を隔てて形成された、たとえば5枚の羽根部材40
bとを有している。ファン40は、スプール15に連動
して回転し、スプール回転時の風圧によりスプール軸方
向に移動可能である。具体的には、ボス部40aは、ス
プール軸25に回転不能かつ軸方向移動自在に装着され
ている。羽根部材40bは、スプール15が糸繰り出し
方向に回転したとき、圧接部材42を制動部材41に向
けて移動させるようにねじれて形成されている。すなわ
ち、ファン40は、スプール15が糸繰り出し方向に回
転したとき制動部材41と逆向き(図2右向き)に送風
し、その風圧によりコイルばね43の付勢力に抗して制
動部材41に向けて移動する。
【0022】ファン40のボス部40aの中心には、フ
ァン装着部25dに形成された面取り部25fに回転不
能に係止される長溝形状の係止孔40cが形成されてい
る。これにより、ファン40は、スプール軸25に回転
不能かつ軸方向移動自在に装着される。また、ファン4
0のボス部40aは、スプール装着部25dとファン装
着部25cとの段差でそれより図2右方への移動が規制
されている。これにより、コイルばね43により付勢さ
れたファン40は、風圧を発生しないときには段差に接
触した位置に維持される。
【0023】制動部材41は、スプール軸25と同芯に
配置された略筒状の部材であり、中心に軸受装着部28
の雄ねじ部28aに螺合する雌ねじ部41aを有してい
る。外周面には、工具で回して軸受装着部28に装着す
るための互いに平行な工具係止部41bが形成されてい
る。さらに図2右端面には、圧接部材42に接触する制
動面41cが形成されている。制動面41cは、たとえ
ばテーパ状に形成されている。なお、雌ねじ部41a及
び雄ねじ部28aは、スプール15が糸繰り出し方向に
回転したときにねじが締まるようなねじ方向になってお
り、具体的には、スプールの図2左側に制動部材41が
配置された本実施形態の場合には右ねじとなっている。
【0024】圧接部材42は,たとえばポリアミド系合
成繊維やポリアセタールなどの合成樹脂製の部材であ
り、ファン40のボス部40aにビス止めなどの適宜の
固定方法により着脱自在に固定されている。圧接部材4
2は、皿ばね形状のテーパ面42aを有しており、この
テーパ面42aが制動面41cに圧接することでスプー
ル15を制動する。
【0025】コイルばね43は、ファン40を図2右方
に付勢してスプール15が糸繰り出し方向に低速で回転
しているときに制動しないようにするために主に設けら
れている。これにより、低速でスプールが回転するキャ
スティング初期や終期にスプール15に制動力が作用し
なくなり、仕掛けの飛距離を延ばすことができる。ま
た、静止時や糸巻取時にはコイルばね43によりファン
40が図2右方に付勢されて制動が解除される。
【0026】コイルばね43は、スプール軸25のばね
装着部25bの外周側に圧縮状態で配置され、一端がボ
ス部40aの圧接部材42装着面より内側に接触し、他
端がばね受け44に接触している。ばね受け44は、た
とえば、環状溝25eに装着された止め輪45により図
2左方への移動が規制されている。ばね受け44は、外
周側にコイルばね43を係止する環状突起部44aを有
しており、コイルばね43がばね受け44から外れない
ようになっている。
【0027】側カバー14には、回転伝達機構20を含
む各種の機構を装着するための機構装着部材19が着脱
自在に装着されている。機構装着部材19には、スプー
ル軸25の外周側に軸方向に移動自在に装着されたピニ
オンギア32が通過可能なボス部19aが形成されてお
り、スプール軸25は、ボス部19aに着脱自在に装着
された軸受27によって機構装着部材19にも回転自在
に支持されている。
【0028】回転伝達機構20は、一端にハンドル2が
固定されたハンドル軸30と、ハンドル軸30の他端に
ドラグ機構22を介して連結されたメインギア31と、
メインギア31に噛み合うピニオンギア32とを有して
いる。ハンドル軸30は、ローラ式のワンウェイクラッ
チ35及び爪式のワンウェイクラッチ(図示せず)によ
り糸繰り出し方向の回転が禁止されている。ハンドル軸
30は、スプール軸25と平行に配置されており、他端
側が機構装着部材19に回転自在に支持されている。こ
のような構成では、クラッチ機構21がオンされた状態
では、ハンドル2からの回転力がスプール15に直接伝
達される。
【0029】クラッチ機構21は、ピニオンギア32
と、スプール軸25に径方向に貫通して配置されたクラ
ッチピン36とを有している。クラッチピン36は、ピ
ニオンギア32の一端に形成された係合溝32aに係合
可能であり、係合溝32aにクラッチピン36が係合す
ればクラッチオンになり、ピニオンギア32が軸方向に
移動して外れればクラッチオフになる。ピニオンギア3
2は、図示しない付勢手段によりクラッチオン方向(図
2の左方)に付勢されている。クラッチ機構21は、リ
ール本体1の後部で側板10,11間に配置されたサム
レストを兼ねたクラッチ操作部23(図1)によりクラ
ッチオン(動力伝達状態)からクラッチオフ(動力遮断
状態)に操作される。また、スプール15が糸繰り出し
方向に回転すると図示しないリターン機構によりクラッ
チオフからクラッチオンに切り換わる。
【0030】〔スプールの制動動作〕このように構成さ
れた両軸受リールでは、キャスティングの際には、クラ
ッチ操作部23によりクラッチ機構21をクラッチオフ
状態にし、スプール15を自由回転可能状態にする。こ
の状態で、たとえば、右手で釣り竿とともにリールを握
ってキャスティングをする。すると、仕掛けの自重によ
り釣り糸がスプール15から勢いよく繰り出す。
【0031】このようにスプール15が糸繰り出し方向
に回転すると、スプール制動装置18では、キャスティ
ング初期の低速回転時にコイルばね43の付勢力がファ
ン40の回転により風圧より大きい状態では、ファン4
0はコイルばね43により付勢された状態が維持され、
スプール制動装置18は制動解除状態を維持する。キャ
スティング中期に高速回転状態になり、風圧がコイルば
ね43の付勢力より大きくなると、ファン40は図2左
方に移動し、ファン40に装着された圧接部材42が制
動部材41に接触する。この結果、スプール15が制動
されてバックラッシュが防止される。そし、キャスティ
ング後期に低速回転になると、キャスティング初期と同
様に制動が解除される。
【0032】このようなスプール制動装置18では、フ
ァン40を風圧によりスプール軸方向に移動させ、その
移動により圧接部材42を制動部材41に圧接させるこ
とにより制動している。したがって、風圧による抵抗で
はなく摩擦による抵抗により制動している。このため、
バックラッシュの防止に必要な制動力を得やすくなる。
また、羽根部材40bは個別に移動する必要がなく固定
のものでよいので、構造が簡素である。
【0033】また、スプール15が糸繰り出し方向に回
転したときにファン40が制動部材41と逆向きに送風
するので、糸巻取時に圧接部材42が制動部材に接触し
ない。このため、従来のファン式のスプール制動装置及
び遠心力や磁力などを利用したスプール制動装置などに
比べて糸巻取時に制動力が作用しにくくなる。さらに、
スプール15の回転が一定以上高くなりコイルばね43
の付勢力を超えるまでは、ファン40が制動部材41に
向けて移動しないので、低速時に制動力が作用せず、仕
掛けの飛距離が増大する。
【0034】さらにまた、圧接部材42がファン40に
設けられ、制動部材41がスプール軸25の外周側に同
芯に配置されているので、ファン40をスプール軸方向
に移動させるだけで圧接部材42が移動して制動部材4
1に圧接する。このため、ファン40の推進力が効率よ
く圧接部材42に伝達されスプールが効率よく制動され
る。
【0035】〔他の実施形態〕 (a) 前記実施形態では、スプール軸25に回転不能
かつ軸方向移動自在にファン40を装着したがファンを
スプール15又はスプール軸25に固定してもよい。図
4ではファン140をスプール15に固定した例を示し
ている。スプール制動装置118は、ファン140と、
制動部材としての左右いずれかの摩擦プレート51a,
51bと、圧接部材としてのスプール軸25とを備えて
いる。ファン140は、スプール15の、たとえば図4
右側のフランジ部15bに固定される固定部140a
と、固定部140aに一体形成された複数の羽根部材1
40bとを有している。羽根部材140bは、スプール
15が糸繰り出し方向に回転したとき、たとえば、図4
のスプール軸方向右方に風を送る。この結果、スプール
15が図4左方に付勢され、スプール軸25が左側の摩
擦プレート51aに強く圧接され、スプール15が制動
される。
【0036】このような構成では、スプール軸25を圧
接部材として利用しスプール軸25の軸端を挟持するキ
ャスティングコントロール機構24の2つの摩擦プレー
ト51a,51bの一方を制動部材として利用して制動
することにより、実質的にファン140をスプール15
又はスプール軸25に固定するだけでスプール15を回
転速度に応じて簡単に制動できる。なお、スプール軸2
5にファンを固定する場合には、スプール軸の空いたス
ペースに後付でファンを固定することもできる。
【0037】(b) 図5及び図6に示すように、ファ
ン240を有するスプール制動装置218に、スプール
15の回転により生じる遠心力を利用して制動するため
の制動シュー80と、制動シュー80が内周面に接触可
能にリール本体1に回転不能に装着された制動ドラムと
をさらに設けてもよい。ファン240は、スプール15
に固定される固定部240a、固定部240aに一体形
成された、たとえば4枚の羽根部材240bとを有して
いる。制動シュー80は、ファン240に回転方向に間
隔を隔てて配置されかつ径方向移動自在に装着されてい
る。具体的には、制動シュー80は、羽根部材240b
の間で固定部240bに径方向に沿って立設された、た
とえば4本のガイド軸81に径方向移動自在に装着され
ている。制動シュー80は、鍔部80aを有する円筒状
の合成樹脂製の部材である。制動シュー80の装着部分
において固定部240bには、制動シュー80を挟むよ
うに1対の壁部82a,82bが形成されており、1対
の壁部82a,82bには、制動シュー80に向けて突
出して鍔部80aを係止する係止突起83a,83bが
径方向に間隔を隔てて形成されている。この径方向外側
の係止突起83aにより制動シュー80の脱落を防止で
き、内側の係止突起83bにより制動シュー80を制動
ドラム85に接触可能な制動可能状態と接触不能な制動
不能状態とに切り換えできる。
【0038】制動ドラム85は、制動シュー80の径方
向外方に、径方向外方に移動した制動シュー80が内周
面に接触可能に配置されている。制動ドラム85は、リ
ール本体1の機構装着部材19にスプール軸25と同芯
にスプール15に向けて形成された装着筒部19bに回
転不能に固定されている。この場合には、スプール15
が糸繰り出し方向に高速回転すると、スプール軸25が
ファン240により、たとえば図5左方に付勢されてス
プール軸25の端部が摩擦プレート51aに強く圧接さ
れるとともに、制動シュー80が制動ドラム85に接触
してスプール15が制動される。
【0039】この場合には、制動シュー80に作用する
遠心力を利用したスプール制動装置とファン240を利
用したスプール制動装置との2種類の制動機構をひとつ
の装置で実現できる。また、水分等の異物が装置に付着
してもファン240の風により飛ばすことができ、リー
ル内部に塩が析出したりリール内部が腐食したりする不
具合が生じにくくなる。
【0040】(c) 前記実施形態では、丸形の両軸受
リールを例に説明したが、たとえばロープロファイル型
の異形の両軸受リールや他の形態の両軸受リールにも本
発明を適用できる。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、ファンを風圧によりス
プールの回転軸方向に移動させ、その移動により圧接部
材を制動部材に圧接させることにより制動している。し
たがって、風圧による抵抗ではなく摩擦による抵抗によ
り制動している。このため、バックラッシュの防止に必
要な制動力を得やすくなる。また、羽根部材は個別に移
動する必要がなく固定のものでよいので、構造が簡素で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による両軸受リールの分解
斜視図。
【図2】その縦断面図。
【図3】スプール制動装置の分解斜視図。
【図4】他の実施形態の図2に相当する図。
【図5】さらに他の実施形態の図2に相当する図。
【図6】そのスプール制動装置の正面図。
【符号の説明】
1 リール本体 15 スプール 18,118,218 スプール制動装置 25 スプール軸 40 ファン 40b 羽根部材 41 制動部材 42 圧接部材 43 コイルばね 80 制動シュー 85 制動ドラム

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】リール本体に回転自在に装着され、釣り糸
    を釣り竿の長手方向と食い違う軸回りに巻き取るスプー
    ルを制動する両軸受リールのスプール制動装置であっ
    て、 前記スプールに連動して回転し、回転方向に間隔を隔て
    て複数の羽根部材を有し、前記スプール回転時の風圧に
    より前記スプールの回転軸に沿う方向に移動可能なファ
    ンと、 前記リール本体に回転不能に装着された制動部材と、 前記ファンと連動して前記回転軸方向に移動し、前記フ
    ァンの前記回転軸方向の移動により前記制動部材に圧接
    する圧接部材と、を備えた両軸受リールのスプール制動
    装置。
  2. 【請求項2】前記ファンは、前記スプールが糸繰り出し
    方向に回転するとき、前記圧接部材を前記制動部材に向
    けて移動させるように前記制動部材と逆向きに送風す
    る、請求項1に記載の両軸受リールのスプール制動装
    置。
  3. 【請求項3】前記ファンは前記回転軸に回転不能かつ軸
    方向移動自在に装着され、 前記ファンを前記制動部材から離反する方向に付勢する
    付勢部材をさらに備える、請求項1又は2に記載の両軸
    受リールのスプール制動装置。
  4. 【請求項4】前記圧接部材は、前記ファンに設けられて
    おり、 前記制動部材は前記リール本体に回転不能に装着され、
    前記圧接部材に接触可能に前記回転軸の外周側に同芯に
    配置されている、請求項3に記載の両軸受リールのスプ
    ール制動装置。
  5. 【請求項5】前記ファンは前記回転軸に対して回転不能
    かつ軸方向移動不能であり、 前記圧接部材は前記回転軸であり、 前記制動部材は、前記回転軸の軸端に接触して配置され
    た円板部材である、請求項1又は2に記載の両軸受リー
    ルのスプール制動装置。
  6. 【請求項6】前記スプールは前記回転軸に回転不能かつ
    軸方向移動不能に装着され、 前記ファンは前記スプールに設けられている、請求項5
    に記載の両軸受リールのスプール制動装置。
  7. 【請求項7】前記スプールは前記回転軸に回転不能かつ
    軸方向移動不能に装着され、 前記ファンは前記回転軸に固定されている、請求項5に
    記載の両軸受リールのスプール制動装置。
  8. 【請求項8】前記ファンに回転方向に間隔を隔てて配置
    されかつ径方向移動自在に装着された制動シューと、 径方向外方に移動した制動シューが内周面に接触可能に
    前記リール本体に回転不能に装着された制動ドラムとを
    さらに備えた、請求項6又は7に記載の両軸受リールの
    スプール制動装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7850109B2 (en) 2007-02-14 2010-12-14 Dawon Eng Co., Ltd. Device for preventing backlash on spool of bait reel

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