JP3747431B2 - 両軸受リールの遠心制動装置 - Google Patents

両軸受リールの遠心制動装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3747431B2
JP3747431B2 JP31356199A JP31356199A JP3747431B2 JP 3747431 B2 JP3747431 B2 JP 3747431B2 JP 31356199 A JP31356199 A JP 31356199A JP 31356199 A JP31356199 A JP 31356199A JP 3747431 B2 JP3747431 B2 JP 3747431B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
braking
moving
spool
centrifugal
rotating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP31356199A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001095443A (ja
JP2001095443A5 (ja
Inventor
憲一 川崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shimano Inc
Original Assignee
Shimano Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shimano Inc filed Critical Shimano Inc
Priority to JP31356199A priority Critical patent/JP3747431B2/ja
Priority to TW089114369A priority patent/TW462872B/zh
Priority to US09/621,820 priority patent/US6364230B1/en
Priority to MYPI20003391 priority patent/MY125110A/en
Priority to KR1020000042777A priority patent/KR100680153B1/ko
Priority to AT00306346T priority patent/ATE290313T1/de
Priority to EP00306346A priority patent/EP1072191B1/en
Priority to DE60018513T priority patent/DE60018513T2/de
Publication of JP2001095443A publication Critical patent/JP2001095443A/ja
Publication of JP2001095443A5 publication Critical patent/JP2001095443A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3747431B2 publication Critical patent/JP3747431B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、制動装置、特に、リール本体に回転自在に設けられたスプールを遠心力により制動する両軸受リールの遠心制動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
主にルアーフィッシングに用いられるベイトリールと呼ばれる両軸受リールでは、キャスティング時にスプールの回転速度が糸繰り出し速度より速くなるバックラッシュが生じないように、制動力をスプールに作用させることが一般に行われている。この種の制動装置としてスプールの回転により生じる遠心力を利用してスプールを制動する遠心制動機構を有するものが知られている。
【0003】
この種の制動装置の遠心制動機構において、リール本体の外側から制動力を調整可能なものが、実登第2588000号公報に開示されている。
【0004】
この遠心制動機構は、スプール軸の軸方向の異なる位置に径方向に沿ってスプール軸を貫通して固定された2本のガイド軸と、各ガイド軸の両端部に軸方向に移動自在に装着された4つの移動部材と、リール本体に回転不能かつスプール軸方向移動自在に設けられた制動部材と、制動部材をスプール軸方向に移動させる移動機構とを備えている。制動部材は移動部材の外周側に配置された筒状の部材である。移動機構は、制動部材をリール外部から操作可能な機構である。
【0005】
前記従来の遠心制動機構では、スプールが回転すると、ガイド軸に装着された移動部材に遠心力が作用して移動部材がスプール軸外方に向けて移動する。そして、制動部材に接触してスプールが制動される。移動機構によりリール外部から制動部材を軸方向に移動させると、制動部材への移動部材の接触個数が変化し制動力を調整できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の遠心制動装置では、スプール軸を貫通してガイド軸を設けているので、2本のガイド軸のスプール軸方向の位置をガイド軸の直径以上離反させなければならない。このため、制動力を変化させるためには、制動部材をガイド軸の直径以上スプール軸方向に移動させなければならず、軸方向の異なるガイド軸の本数に依存する制動力を細かく調整しにくい。しかも、制動力の調整範囲が、全てのガイド軸に装着された移動部材が制動部材に接触する最大制動状態から1本のガイド軸に装着された移動部材が接触する最小制動状態までの範囲に規制され、調整範囲が固定されている。たとえば、前記従来の構成では、スプール軸を貫通するガイド軸が2本の場合には、4つの移動部材が接触する最大制動状態と、2つの移動部材が接触する最初制動状態との2段階の範囲でしか制動力を調整できず、制動力を細かく調整できないとともに、制動力の調整範囲が固定されてしまう。
【0007】
本発明の課題は、両軸受リールの制動装置において、制動力の調整を細かく行えかつ調整範囲を変更できるようにすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
発明1に係る両軸受リールの遠心制動装置は、リール本体に回転自在に装着されたスプールを遠心力により制動する装置であって、筒状の制動部材と、回転部材と、複数の移動部材と、切換手段と、移動機構とを備えている。制動部材は、リール本体に対して回転が制限された筒状の部材である。回転部材は、スプールに連動して回転しかつ制動部材に対してスプールの回転軸方向に相対移動自在な部材である。移動部材は、回転部材にそれぞれ移動自在に装着され、スプールの回転による遠心力により制動部材に向けて移動し、回転部材と制動部材との回転軸方向の相対移動により、制動部材に異なる個数で接触可能な部材である。切換手段は、移動部材を異なる位置に変位させることにより、制動部材に接触不能な非作用姿勢と接触可能な作用姿勢とに複数の移動部材の少なくともいずれかひとつを切換可能な手段である。移動機構は、制動部材と回転部材とを回転軸方向に相対移動させる機構である。ガイド部は、制動部材に向けて放射状に回転部材に立設された複数のガイド軸を含み、複数のガイド軸の少なくとも一部は、回転軸方向の位置をずらせて回転部材に立設されている。複数の移動部材は、ガイド軸にその軸方向に移動自在にそれぞれ装着され、回転部材に制動部材に向けて放射状に配置された複数のガイド部にスプールの径方向に移動自在にそれぞれ装着されている。回転軸方向位置が同じ位置のガイド軸に装着された複数の移動部材の少なくとも一部は、回転軸方向の接触位置が他の移動部材と異なる接触部を有している。
【0009】
この遠心制動装置では、たとえば制動部材を回転軸方向に移動させると、制動部材の軸方向の移動により複数の移動部材が制動部材に接触する個数が変化し制動力を調整できる。また、切換手段により移動部材を作用姿勢と非作用姿勢とに切り換えることより、制動部材に接触可能な移動部材の数を切り換えることができる。ここでは、移動部材は、スプール軸を貫通するガイド軸ではなくスプールに連動して回転する回転部材に装着されている。このため、移動部材を回転軸方向ずらして配置する場合に、細かくずらすことができ、制動力を細かく調整できる。しかも、移動部材の回転軸方向位置を異ならせて移動部材が制動部材に接触する数を変更するのではなく、移動部材が制動部材に接触する位置だけを軸方向で異ならせるように配置することもできる。この場合、移動部材の回転軸方向位置に依存することなく制動力をさらに細かく調整できる。また、切換手段により移動部材を非作用姿勢と作用姿勢とに切り換えることができるので、最大制動力や最小制動力や制動力の変化の割合を変更することができる。このため、制動力の調整範囲を変更することができ、仕掛けの重さや釣法などにより制動力を自由に調整できる。
【0010】
さらに、この場合には、ガイド部が回転部材に配置されているので、ガイド部を回転軸方向にずらす場合に細かくずらすことができ、制動力を細かく調整できる。また、この場合には、ガイド軸が回転部材に立設されているので、ガイド軸を回転軸方向にずらす場合に、ガイド軸の直径に関係なく細かくずらすことができる。したがって、制動力を細かく調整できる。また、この場合には、少なくとも一部のガイド軸の回転軸方向の位置が他のものに対してずれているので、制動部材に接触可能な移動部材の個数を制動部材の回転軸方向の移動によって変化させることができ、制動力を細かく調整できる。さらに、この場合には、回転軸方向の位置が同じガイド軸に装着された移動部材でも制動部材へ接触する接触部を軸方向の異なる位置に配置することにより制動力を調整できる。このため、制動力をさらに細かく調整できる。
【0011】
発明2に係る両軸受リールの遠心制動装置は、発明1に記載の装置において、複数の移動部材の少なくとも一部は、制動部材への接触位置が回転軸方向で異なるように配置されている。この場合には、移動部材の接触位置を回転軸方向に異ならせることにより、制動部材の回転軸方向の移動により制動部材に接触する移動部材の個数を変化させ制動力を細かく調整できる
【0012】
発明に係る両軸受リールの遠心制動装置は、発明又はに記載の装置おいて、切換手段は、移動部材をガイド軸の異なる軸方向位置に移動させることにより2つの姿勢に切換可能である。この場合には、移動部材をガイド軸の異なる軸方向に移動させるだけで、移動部材の姿勢を簡単に切り換えできる。
【0013】
発明に係る両軸受リールの遠心制動装置は、発明に記載の装置において、ガイド軸は、回転部材の外周部に放射状に形成された凹部に立設されており、切換手段は、凹部の回転方向の対向する側壁に移動部材に向けて突出して形成された1対の固定突起と、移動部材に1対の固定突起に係止可能に突出して形成された移動突起とを有し、両突起の少なくともいずれかが弾性を有している。この場合には、固定突起に対して移動突起を係止させることにより移動部材のガイド軸方向の移動を規制して非作用姿勢に切り換える。このため、切換手段の構成が簡素になる。しかも少なくともいずれかの突起の弾性を利用して簡単に係止及び係止解除できる。
【0014】
発明に係る両軸受リールの遠心制動装置は、発明に記載の装置において、回転部材は、固定突起の径方向外方に並べて配置され移動突起に係止可能な抜け止め突起をさらに備える。この場合には、抜け止め突起により移動部材がガイド軸から外れなくなるので、たとえば、制動部材から回転軸方向にずれた移動部材が遠心力によりガイド軸から抜けたり他の部材に接触したりしにくくなる。また、スプールをリール本体から外してもガイド軸から移動部材が外れなくなる
【0015】
発明に係る両軸受リールの遠心制動装置は、リール本体に回転自在に装着されたスプールを遠心力により制動する装置であって、筒状の制動部材と、回転部材と、複数の移動部材と、切換手段と、移動機構とを備えている。制動部材は、リール本体に対して回転が制限された筒状の部材である。回転部材は、スプールに連動して回転しかつ制動部材に対してスプールの回転軸方向に相対移動自在な部材である。移動部材は、回転部材にそれぞれ移動自在に装着され、スプールの回転による遠心力により制動部材に向けて移動し、回転部材と制動部材との回転軸方向の相対移動により、制動部材に異なる個数で接触可能な部材である。切換手段は、移動部材を異なる位置に変位させることにより、制動部材に接触不能な非作用姿勢と接触可能な作用姿勢とに複数の移動部材の少なくともいずれかひとつを切換可能な手段である。移動機構は、制動部材と回転部材とを回転軸方向に相対移動 させる機構である。複数の移動部材は、周方向に間隔を隔て配置された複数の揺動軸回りにそれぞれ揺動自在にかつ制動部材にそれぞれ接触可能に回転部材に装着されている。
【0016】
この遠心制動装置では、たとえば制動部材を回転軸方向に移動させると、制動部材の軸方向の移動により複数の移動部材が制動部材に接触する個数が変化し制動力を調整できる。また、切換手段により移動部材を作用姿勢と非作用姿勢とに切り換えることより、制動部材に接触可能な移動部材の数を切り換えることができる。ここでは、移動部材は、スプール軸を貫通するガイド軸ではなくスプールに連動して回転する回転部材に装着されている。このため、移動部材を回転軸方向ずらして配置する場合に、細かくずらすことができ、制動力を細かく調整できる。しかも、移動部材の回転軸方向位置を異ならせて移動部材が制動部材に接触する数を変更するのではなく、移動部材が制動部材に接触する位置だけを軸方向で異ならせるように配置することもできる。この場合、移動部材の回転軸方向位置に依存することなく制動力をさらに細かく調整できる。また、切換手段により移動部材を非作用姿勢と作用姿勢とに切り換えることができるので、最大制動力や最小制動力や制動力の変化の割合を変更することができる。このため、制動力の調整範囲を変更することができ、仕掛けの重さや釣法などにより制動力を自由に調整できる。
【0017】
さらに、この場合には、複数の移動部材が揺動して制動部材に接触するので、移動部材が回転部材から離脱しにくくなり、移動部材を紛失しにくくなる。また、移動部材が直線移動ではなく揺動するので、回転軸方向のスペースは大きくなるが、コゼ等が生じにくくなり、移動がスムーズになる。
【0018】
発明7に係る両軸受リールの遠心制動装置は、発明6に記載の装置において、複数の移動部材の少なくとも一部は、制動部材への接触位置が回転軸方向で異なるように配置されている。この場合には、移動部材の接触位置を回転軸方向に異ならせることにより、制動部材の回転軸方向の移動により制動部材に接触する移動部材の個数を変化させ制動力を細かく調整できる。
【0019】
発明に係る両軸受リールの遠心制動装置は、発明6又は7に記載の装置において、切換手段は、移動部材を異なる揺動位置に移動させることにより2つの姿勢に切換可能である。この場合には、移動部材を揺動させるだけで、移動部材の姿勢を簡単に切り換えできる。
【0020】
発明に係る両軸受リールの遠心制動装置は、発明6から8のいずれかに記載の装置において、複数の揺動軸の少なくとも一部は、回転軸方向の位置をずらせて回転部材に配置されている。この場合には、制動部材に接触可能な移動部材の個数を制動部材の回転軸方向の移動によって変化させることができ、制動力を細かく調整できる。
【0021】
発明1に係る両軸受リールの遠心制動装置は、発明1からのいずれかに記載の装置において、移動機構は、リール本体に回動自在に設けられた回動部材と、回動部材の回動を回転軸方向の移動に変換して制動部材を移動させる回転カム機構とを有する。この場合には、回転カム機構により回転運動を軸方向の直線運動に変換しているので、操作量(回転量)に対して回転軸方向の移動量を細かく設定できる。このため、制動力を細かく設定しやすい。
【0022】
発明1に係る両軸受リールの遠心制動装置は、発明1から1のいずれかに記載の装置において、回転部材は、スプールに回転不能に設けられている。この場合には、回転部材がスプールに設けられているので、スプール軸に対してスプールが回転自在な構成でも、スプールを制動できる。
【0023】
発明1に係る両軸受リールの遠心制動装置は、発明1から1のいずれかに記載の装置において、回転部材は、スプールの回転軸に回転不能に設けられている。この場合には、回転部材がスプールの回転軸に回転不能に設けられているので、スプール形状に関わらずスプールを制動できる。
【0024】
【発明の実施の形態】
〔実施形態1〕
〔全体構成〕
図1は、本発明の一実施形態が装着された両軸受リールの斜視図である。
【0025】
図に示す両軸受リールは、主にルアーフィッシングに用いられるベイトリールであり、リール本体1とリール本体の側方に配置されたスプール回転用ハンドル2と、ハンドル2のリール本体1側に配置されたドラグ調整用のスタードラグ3とを備えている。ハンドル2は、板状のアーム部2aと、アーム部2aの両端に回転自在に装着された把手部2bとを有するダブルハンドル型のものである。ハンドル2のアーム部2aの外側面は繋ぎ目が無い滑らかな面で構成されており、釣り糸が絡みにくい構造となっている。
【0026】
図2に示すように、リール本体1は、フレーム5と、フレーム5の両側方に装着された第1側カバー6及び第2側カバー7と、フレーム5の上部に装着されたサムレスト10とを有している。フレーム5は、所定の間隔を開けて互いに対向するように配置された1対の側板8,9と、これらの側板8,9を連結する複数の連結部(図示せず)とを有している。
【0027】
ハンドル2側の第2側カバー7はねじにより側板9に着脱自在に固定されている。ハンドル2と逆側の第1側カバー6はバヨネット構造14によりフレーム5の側板8に着脱自在に装着されている。ハンドル2と逆側の側板8には、スプール12が通過可能な開口8aが形成されている。
【0028】
フレーム5内には、スプール12と、スプール12内に釣り糸を均一に巻き付けるためのレベルワインド機構15と、サミングを行う場合の親指の当てとなるクラッチ操作レバー17とが配置されている。フレーム5と第2側カバー7との間には、ハンドル2からの回転力をスプール12及びレベルワインド機構15に伝えるためのギア機構18と、クラッチ機構13と、クラッチ操作レバー17の操作に応じてクラッチ機構13の係脱を行うためのクラッチ係脱機構19と、糸繰り出し時にスプール12を制動するドラグ機構21と、スプール軸16を両端で挟んで制動するキャスティングコントロール機構22とが配置されている。また、開口8aには、キャスティング時のバックラッシュを抑えるための遠心ブレーキ機構23が配置されている。
【0029】
スプール12は、両側部に皿状のフランジ部12aを有しており、両フランジ部12aの間に筒状の糸巻き胴部12bを有している。また、スプール12は、糸巻き胴部12bの内周側に一体に形成された筒状のボス部12cを有しており、ボス部12cを貫通するスプール軸16に例えばセレーション結合により回転不能に固定されている。
【0030】
スプール軸16は、側板9を貫通して第2側カバー7の外方に延びている。その延びた一端は第2側カバー7に形成されたボス部29に軸受35bにより回転自在に支持されている。またスプール軸16の他端は、遠心ブレーキ機構23内で軸受35aにより回転自在に支持されている。
【0031】
レベルワインド機構15は、1対の側板8,9間に固定されたガイド筒25と、ガイド筒25内に回転自在に配置されたウォームシャフト26と、ラインガイド27とを有している。ウォームシャフト26の端部には、ギア機構18を構成するギア28aが固定されている。またウォームシャフト26には螺旋状溝26aが形成されており、ラインガイド27がこの螺旋状溝26aに噛み合っている。このため、ギア機構18を介してウォームシャフト26が回転させられることにより、ラインガイド27はガイド筒25によって往復移動する。このラインガイド27内に釣り糸が挿通されて釣り糸がスプール12に均一に巻き付けられる。
【0032】
ギア機構18は、ハンドル軸30に固定されたメインギア31と、メインギア31に噛み合う筒状のピニオンギア32と、前述のウォームシャフト26端部に固定されたギア28aと、ハンドル軸30に回転不能に固定されギア28aに噛み合うギア28bとを有している。
【0033】
ピニオンギア32は、側板9を貫通して配置され中心にスプール軸16が貫通する筒状部材であり、スプール軸16に軸方向に移動自在に装着されている。ピニオンギア32は、図2右端部外周に形成されメインギア31に噛み合う歯部32aと、他端側に形成された噛み合い部32bとを有している。歯部32aと噛み合い部32bとの間にはくびれ部32cが設けられている。噛み合い部32bは、ピニオンギア32の端面に形成された凹溝からなり、そこにスプール軸16を径方向に貫通するクラッチピン16aが係止される。ここではピニオンギア32が外方に移動してその噛み合い部32bの凹溝とスプール軸16のクラッチピン16aとが離脱すると、ハンドル軸30からの回転はスプール12に伝達されない。この噛み合い部32bの凹溝とクラッチピン16aとによりクラッチ機構13が構成される。
【0034】
クラッチ操作レバー17は、図2に示すように、1対の側板8,9間の後部でスプール12後方に配置されている。フレーム5の側板8,9には長孔(図示せず)が形成されており、クラッチ操作レバー17を固定するクラッチカム(図示せず)がこの長孔を貫通している。クラッチ操作レバー17は、長孔に沿って上下方向にスライドする。クラッチ係脱機構19は、クラッチヨーク40を有している。クラッチ係脱機構19は、クラッチ操作レバー17の回動によりクラッチヨーク40をスプール軸の軸芯と平行に移動させる。また、ハンドル軸30が糸巻き取り方向に回転すると自動的にクラッチ機構13がオンするようにクラッチヨーク40を移動させる。
【0035】
このように構成において、通常状態では、ピニオンギア32は内方のクラッチ係合位置に位置しており、その噛み合い部32bとスプール軸16のクラッチピン16aとが係合してクラッチオン状態となっている。一方、クラッチヨーク40によってピニオンギア32が外方に移動した場合には、噛み合い部32bとクラッチピン16aとの係合が外れクラッチオフ状態となる。
【0036】
キャスティングコントロール機構22は、ボス部29の外周側に形成された雄ネジ部に螺合する有底筒状のキャップ45と、キャップ45の底部に装着された摩擦プレート46と、ブレーキケース(後述)55に装着された摩擦プレート47とを備えている。両摩擦プレート46,47は、スプール軸16の両端に接触してスプール軸16を挟持するものであり、キャップ45を回して両摩擦プレート46,47で発生する挟持力を調整することでスプール12の制動力を調整できる。
【0037】
〔遠心ブレーキ機構の構成〕
遠心ブレーキ機構23は、図3及び図4に示すように、ブレーキケース55にスプール軸方向に移動自在かつ回転不能に装着された制動部材51と、制動部材51に接触可能に放射状に配置された6つの移動部材52a〜52fと、6つの移動部材52a〜52fのうち3つの移動部材52a,52c,52eを制動部材51に接触不能な非作用姿勢と接触可能な作用姿勢とに切換可能な切換機構59と、制動部材51をスプール軸方向に移動させる移動機構54とを有している。
【0038】
ブレーキケース55は、有底短筒状の部材であり、その内周側に内方に突出する筒状のつまみ収納部55aが形成され、つまみ収納部55aの内側底部にさらに内方に突出する筒状の軸受収納部55bが形成されている。つまみ収納部55aの外側底部には外方に突出する棒状のつまみ支持部55cが形成されている。軸受収納部55bには、スプール軸16を支持する軸受35aが配置され、内側底部には、キャスティングコントロール機構22の摩擦プレート47が装着されている。つまみ支持部55cは、移動機構54の制動つまみ(後述)70を回動自在に支持するために設けられている。つまみ収納部55aの周面には、周方向に間隔を隔ててスプール軸方向に沿って3つ貫通溝55dが形成され、つまみ支持部55cの基端部外周部には、制動つまみ70の回動量を規制するための回動規制突起55eが形成されている。つまみ支持部55cの外周面には、丸穴55fが径方向に沿って形成されている。
【0039】
ブレーキケース55は、ビス49(図2)により第1側カバー6に固定されている。つまり、ブレーキケース55はリール本体1の一部を構成している。ブレーキケース55の外周面には、バヨネット構造14を構成する突起部14aが周方向に間隔を隔てて3カ所形成されている。なお、開口8aには、この突起部14aに対向する位置に係止爪14bが形成されている。係止爪14bは開口8aから外方かつ内周側に突出して形成されている。
【0040】
制動部材51は、ブレーキケース55の内周面に近接して配置される外筒部51aと、ブレーキケース55のつまみ収納部55aの外周面に嵌合する内筒部51bと、両筒部51a,51bをつなぐ壁部51cとを有する筒状部材である。外筒部51aの内周面には、たとえば銅系合金製のブレーキライナ57が固定されている。このブレーキライナ57が移動部材52a〜52fに接触する。内筒部51bの内周面には、周方向に間隔を隔てて3つのカムピン51dが内方に突出して設けられている。このカムピン51dは、ブレーキケース55の貫通溝55dに係止されて制動部材51がブレーキケース55に対して回転不能に連結される。このカムピン51dは、さらに貫通溝55dを貫通して内方に突出して回転カム機構74を構成している。外筒部51aの外周面には、環状溝51eが形成されている。環状溝51eには、Oリング58が装着され、このOリング58により制動部材51の軸方向の動きを抵抗感がある滑らかな動きにしている。
【0041】
移動部材52a〜52fは、回転部材53に立設されたガイド軸56a〜56fに径方向(ガイド軸56a〜56fの軸方向)に移動自在に装着されている。
【0042】
回転部材53は、スプール軸16にセレーションなどの適宜の係合手段により回転不能かつ軸方向移動不能に固定されスプール12に連動して回転する。回転部材53は、スプール軸16に固定されるボス部53aと、ボス部53aから外方に延びる筒状部53bと、筒状部53bの外周面から径方向外方に延びる円板部53cとを有しており、円板部53cは、軸受収納部55bの径方向外方に配置される。
【0043】
回転部材53の円板部53cには、図6に示すように、周方向に間隔を隔てて外周面側に開口する6つの概ね矩形の凹部60a〜60fが形成されている。この凹部60a〜60fにガイド軸56a〜56fが放射状に立設されている。このうち、3つの凹部60a,60c,60eと残りの3つの凹部60b,60d,60fとは異なる構造である。すなわち構造が異なる凹部が交互に配置されている。凹部60a,60c,60eは、開口部に周方向に対向する壁面に互いに突出して形成された1対の抜け止め突起61を有するとともに、抜け止め突起61の内周側に間隔を隔てて配置された一対の固定突起62を有している。固定突起62は、移動部材52a,52c,52eを作用姿勢と非作用姿勢とに切り換える切換機構59を構成している。一方、凹部60b,60d,60fは、抜け止め突起61のみを有している。このため、凹部60b,60d,60fには、切換機構59が設けられていない。
【0044】
ガイド軸56a〜56fは、凹部60a〜60fの底部に径方向に沿って立設されている。ガイド軸56a,56c,56eと残りのガイド軸56b,56d,56fは、ともに断面が長円形の軸部材である。両者は、長円形断面の長軸方向の長さが異なっており、ガイド軸56a,56c,56eは、ガイド軸56b,56d,56fより長軸方向の長さが長い。また、ガイド軸56a,56dは、図5(a)に示すように、最も軸方向外方(図5左側)に立設されており、ガイド軸56b,56eは、図5(b)に示すように、最も軸方向内方(図5右側)に立設され、ガイド軸56c,56fは、図5(c)に示すように、両者の中間位置に立設されている。つまり、6本のガイド軸56a〜56fは、スプール軸方向の3カ所にずれて配置されている。
【0045】
移動部材52a〜52fは、ガイド軸56a〜56fにスプール径方向(ガイド軸軸方向)に摺動自在に設けられ、制動部材51のスプール軸方向の移動により制動部材51のブレーキライナ57に異なる数で接触するものである。6つの移動部材52a〜52fは、概ね直方体形状の弾性を有する合成樹脂製の部材である。このうち3つの移動部材52a,52c,52eと残りの3つの移動部材52b,52d,52fとはほぼ同形状であるが装着されるガイド軸56a〜56fの長軸方向の長さが異なる分ガイドされる孔の大きさが異なっている。
【0046】
移動部材52a〜52fは、ガイド軸56a〜56fに各別に案内される直方体形状の本体部63と、本体部63の内側端部(図5下側端部)に一体で形成され、本体部63から回転方向の両方向(図5紙面直交方向)に突出した1対の移動突起64と、本体部63の外側端部(図5上側端部)に一体形成され、本体部63からスプール軸方向の両方向(図5左右方向)に突出した1対の接触部65とを有している。
【0047】
本体部63の内部には、スプール軸16の径方向に沿って長円形のガイド孔67が貫通しており、このガイド孔67にガイド軸56a〜56fがはめ込まれて、移動部材52a〜52fがガイド軸56a〜56fに径方向移動自在に案内される。移動突起64は、1対の固定突起62及び抜け止め突起61に係止されるように突出している。この移動突起64が固定突起62と抜け止め突起61との間に配置されると、移動突起64に係止されて移動部材52a〜52fの脱落が防止される。この位置に配置された移動部材52a,52c,52eの姿勢が作用姿勢である。また、移動部材52a,52c,52eが径方向内方に押し込まれて固定突起62より内方に配置されると、固定突起62により移動突起64が係止されて移動部材52a,52c,52eが制動部材51に接触できなくなる。この位置に配置された姿勢が非作用姿勢である。この固定突起62と移動突起64により切換機構59が構成される。このため、制動部材51に接触可能な移動部材52a,52c,52eの数を調整できる。1対の接触部65の一方には径方向外方に突出する接触凸部66が突出している。接触凸部66は、制動部材51のブレーキライナ57の内周面(制動面)に接触する凸部であり、制動部材51の内周面に沿うように周方向(紙面直交方向)で円弧状に形成されている。
【0048】
この移動部材52a〜52fの接触凸部66は、ガイド軸56a〜56fへの装着状態を変更することで、制動部材51に対してスプール軸方向の2つの異なる位置で接触する。すなわち、図5(a)に実線で示す第1位置、第1位置と装着状態を逆にした2点鎖線で示す第2位置とである。また、ガイド軸56a〜56fが前述したようにスプール軸方向の異なる位置に立設されているため、図5(b)及び図5(c)に示すように、ここでも図5(a)の2つ位置と異なる、第3位置(2点鎖線)と第4位置(実線)、第5位置(実線)と第6位置(2点鎖線)とで制動部材51に接触する。この結果、移動部材52a〜52fの接触凸部66は、6つの異なるスプール軸方向位置で制動部材51に接触可能である。したがって、この実施形態では、制動力を6段階に調整可能である。この6段階の制動力は、移動部材52a〜52fの接触凸部66の方向(装着状態)や制動部材51に接触可能な移動部材52a〜52fの数などにより細かく変更可能である。たとえば、この実施形態では、制動部材51に接触する移動部材52a〜52fの数が、制動部材51の軸方向の移動により6−5−4−3−2−1の順に変化する。この移動部材52a〜52fが制動部材51に接触する各段階での数は、前述したように釣り人の好みや使用するルアーの種類や重さなどにより自由に変更可能である。しかも移動部材52a,52c,52eは、非作用姿勢と作用姿勢とに切換可能なため、制動力をより小さな範囲で調整することができる。このため、制動力の調整範囲も変更できる。
【0049】
移動機構54は、図3及び図4に示すように、リール本体1に回動自在に設けられた制動つまみ70と、制動つまみ70の回動をスプール軸方向の移動に変換して制動部材51を往復移動させる回転カム機構74とを有している。
【0050】
制動つまみ70は、ブレーキケース55のつまみ支持部55cに装着されており、つまみ支持部55cの先端にねじ込まれたボルト76によりワッシャ77を介して回動自在に固定されている。制動つまみ70は、つまみ支持部55cに装着される筒状のボス部71と、ボス部71の外周側に間隔を隔てて配置される筒状のカム部72と、ボス部71とカム部72とをつなぐ円板状の操作部73とを有している。ボス部71とつまみ支持部55cとの間には、制動つまみ70を周方向の6カ所で位置決めするための位置決め機構75が装着されている。位置決め機構75は、丸穴55f内に配置されている。ボス部71の先端には、切欠き部71aが周方向に1カ所形成されており、この切欠き部71aがつまみ支持部55cに形成された回転規制突起55eに係止されることにより、制動つまみ70の回動範囲がたとえば、90度程度に制限されている。カム部72には、たとえば周方向に間隔を隔てて3カ所の回転カム機構74を構成するカム溝80が径方向に貫通して形成されている。
【0051】
各カム溝80は、軸方向及び周方向の異なる位置に等間隔に所定の周方向長さで形成された6つの制動溝80aと、各制動溝を連結する斜行溝80bとを有しており、概ねカム部72において斜めに形成されている。
【0052】
操作部73は、外方に突出する2つの突出部73a,73bを有している。このうち、一方の突出部73bには、指針73cが径方向に沿った溝により形成されている。第1側カバー6の指針73cの周囲には、図1に示すように、1から6までの文字が刻印されており、指針73cが指した数字が制動力の程度を表している。
【0053】
回転カム機構74は、制動部材51の内周面から突出する3つのカムピン51dと、カムピン51dが係合するカム溝80により構成されている。このようなカムピン51dとカム溝80の係合により、制動つまみ70の回動が回転カム機構74の軸方向の移動に変換される。しかも、カムピン51dが6箇所の制動溝80aに係合すると、軸方向の6カ所で回転カム機構74が位置決めされる。
【0054】
ここで、カムピン51dが最も先端側(図3右側)の制動溝80aに係合すると、制動部材51が前進して図4に示すスプール12に最も接近した位置に配置され、制動部材51のブレーキライナ57に接触する移動部材52a〜52fの数が最大になり、制動力が最大になる。また、最も基端側(図3左側)の制動溝80aに係合すると、図7に示す位置に制動部材51が後退してスプール12から最も離反した位置に配置され、制動部材51に接触する移動部材52a〜52fの数が最小になり、制動力が最小になる。
【0055】
〔リールの動作〕
通常の状態ではクラッチヨーク40は内方に押されておりクラッチオンの状態である。この結果、ハンドル2からの回転力はハンドル軸30、メインギア31、ピニオンギア32及びスプール軸16を介してスプール12に伝達され、スプール12が糸巻き取り方向に回転する。このとき、遠心ブレーキ機構23の移動部材52a〜52fに遠心力が作用し移動部材52a〜52fが径方向外方に移動するが、スプール12の回転速度が遅いため、制動力がそれほど大きくならず、ハンドル2の回転の邪魔になることはない。もし制動力を抑える必要があるのであれば、制動つまみ70を回転させて、図6に示すように、最も制動力が弱い位置に制動部材51を配置すればよい。
【0056】
キャスティングを行う場合には、バックラッシュを抑えるために制動つまみ70を回動させて制動力を調整する。制動つまみ70を図1の矢印A方向に回転させると、回転カム機構74により制動部材51がスプール12側から後退し、制動部材51に接触する移動部材52a〜52fの数が徐々に減少し、制動力が徐々に弱くなる。そして、指針73cが数字「1」を示す位置まで制動つまみ70が回転すると、図7に示す位置に制動部材51が配置され、制動力が最も弱くなる。
【0057】
続いて、クラッチ操作レバー17を下方に押す。クラッチ操作レバー17の移動によりクラッチヨーク40が外方に移動し、ピニオンギア32が同方向に移動する。この結果、クラッチオフ状態となる。このクラッチオフ状態では、ハンドル軸30からの回転はスプール12及びスプール軸16に伝達されず、スプール12は自由回転状態になる。クラッチオフ状態としてクラッチ操作レバー17に置いた親指でスプールをサミングしながらスプール軸16が鉛直面に沿うようにリールを軸方向に傾けて釣り竿を振ると、ルアーが投げられスプール12が糸繰り出し方向に勢いよく回転する。
【0058】
このような状態では、スプール12の回転によりスプール軸16が糸繰り出し方向に回転し、その回転が回転部材53に伝達される。回転部材53が回転すると、移動部材52a〜52fが制動部材51に摺接して遠心ブレーキ機構23によりスプール12が制動されバックラッシュを防止できる。
【0059】
また、万一スプール12でバックラッシュが生じても、第1側カバー6がバヨネット構造14により簡単に着脱できるので、バックラッシュを容易に解消できる。
【0060】
また、重さが異なるルアーに取り替えるときには、ルアーの重さに応じて制動つまみ70を回動させ制動力を6段階に調整する。ここでは、外部に露出した制動つまみ70を回動するだけで遠心力による制動力を細かく簡単に調整できる。また制動力を調整すると、制動部材51に接触する移動部材52a〜52fの数が変化するので制動力の差異が明確になる。しかも、切換機構59により3つの移動部材52a,52c,52eを制動部材51のブレーキライナ57に接触する作用姿勢と接触しない非作用姿勢とに切り換えできるので、制動力の調整範囲を変更できる。
【0061】
〔実施形態2〕
図8に示すように、制動部材51ではなく回転部材53を軸方向に移動させて制動力を調整する構成にしてもよい。この実施形態では、回転部材53をスプール軸16に回転不能かつ軸方向移動自在に支持し、かつ回転部材53を軸受35aによりブレーキケース55に回転自在に装着している。そして、回転する回転部材53をスプール軸方向にスムーズに移動させるために、回転しない軸受35aの外輪をスプール軸方向に移動機構54によって移動させている。そして、軸受35aを介して回転部材53をスプール軸方向に移動させている。このような実施形態2においても本発明を適用できる。すなわち、回転部材53の円板部53cの構成や移動部材52a〜52fの構成等は実質的に同一である。なお、この実施形態では、回転部材53がスプール軸方向に移動するため、制動部材51はブレーキケース55に固定されている。
【0062】
参考実施形態
前記2つの実施形態では、移動部材52a〜52fをガイド軸56a〜56fにより案内したが、たとえば凹部や凸部などのガイド面により移動部材52a〜52fを径方向に案内してもよい。
【0063】
図9及び図10に示すように、回転部材53の円板部53cの端面には、スプール軸16方向の位置が異なる6つの扇形の平面90a〜90fが周方向に間隔を隔てて形成されている。このうち、平面90a,90d、平面90b,90e、平面90c,90fは、それぞれスプール軸16方向の位置が同じであり、平面90a,90dが最も軸方向外方(図10左側)に位置し、平面90c,90fが最も軸方向内方に位置し、平面90b,90eが両者の中間に位置している。各平面90a〜90fには、ガイド面としてのあり溝91a〜91fが径方向に沿って形成されている。このあり溝91a〜91fに移動部材52a〜52fが案内されている。あり溝91a〜91fの両側において各平面90a〜90fは、移動部材52a〜52fを非作用姿勢にするための1対の固定突起92a〜92fが軸方向外方に突出して形成されている。
【0064】
各移動部材52a〜52fは、図11に示すように、直方体形状の本体部93と、本体部93の径方向内方側に回転方向に突出して形成された1対の移動突起94と、本体部93の径方向外方側端面に外方に突出して一体形成された接触部95と、本体部93の回転方向の両側面に形成された係止凸部96とを有している。3つの移動部材52a〜52cの接触部95は、図11に実線で示すように、軸方向外方側の端面に形成されており、残りの3つの移動部材52d〜52fの接触部95は、図11に2点鎖線で示すように、軸方向内方側の端面(係止凸部96側の端面)に形成されている。係止凸部96は、あり溝91a〜91fに係合するように断面が三角形になっている。
【0065】
このような構成でも、スプール12が回転すると、移動部材52a〜52fがあり溝91a〜91fに案内されてスプール12の径方向に移動する。また、移動突起94が固定突起92a〜92fの内側に位置すると、移動部材52a〜52fが非作用姿勢に維持され、制動部材51に接触不能になる。
なお、径方向に沿ったあり溝などの凹部からなるガイド面に代えて径方向に沿った凸部や穴等のガイド面により移動部材を案内してもよい。
【0066】
〔実施形態
前記3つの実施形態では、移動部材52a〜52fがスプール12の径方向に沿って直線移動させたが、図12,図13に示すように、移動部材52a〜52fを揺動軸回りに揺動自在に装着してもよい。
【0067】
回転部材53の円板部53cの外周側の側面には、周方向に間隔を隔てて配置された6つの装着凹部97a〜97fが形成されている。各装着凹部97a〜97fは、図14及び図15に示すように、所定の弦方向長さを有し、底面が半円形の孔である。この装着凹部97a〜97fに移動部材52a〜52fが弦方向に沿う揺動軸回りに揺動自在に支持されている。装着凹部97a〜97fの開口面には移動部材52a〜52fを係止するための係止板98がねじ止めされている。各装着凹部97a〜97fの外周側の側面には、角度R1の傾斜面99aが形成されている。また、内周側の側面には、角度R2の傾斜面99bが形成されている。この外周側の傾斜面99a及び内周側の傾斜面99cは、各移動部材52a〜52fの揺動角度を規制するとともに各移動部材52a〜52fを非作用状態に規制するために形成されている。この傾斜角R1は例えば3゜〜5゜程度であり、傾斜角R2は例えば75゜〜90゜程度である。この傾斜角R1は、制動部材51の内側に固定されたブレーキライナ57に移動部材52a〜52fの先端が組み込み可能な位置になるようにするために設けられている。内周側の側面に形成された角度R2の傾斜面99bには、丸穴状の係止凹部99cが形成されている。この係止凹部99cは、移動部材52a〜52fを非作用状態に保持するために設けられている。
【0068】
移動部材52a〜52fは、回転部材51の装着凹部97a〜97fに揺動自在に装着されている。各移動部材52a〜52fは、図14及び図15に示すように、装着凹部97a〜97fに装着された軸部100と、軸部100からスプール軸方向外方に延びる揺動部101と、揺動部101の外側面に凸に突出して設けられた接触部102と、揺動部101の内側面に設けられた係止突起103とを有している。
【0069】
接触部102は、図14に示すように、スプール軸方向でその形成位置が異なっている。なお、この実施形態では、6つの移動部材52a〜52fのうち1つには接触部102は設けられていない。この接触部102が設けられていない移動部材52fは、回転バランスを保つために設けられている。また、接触部102はほぼ等間隔で配置されている。揺動部101の外側面は、途中で僅かに内側に傾斜している。これは、移動部材52a〜52fが外方に揺動した時に、制動部材51のブレーキライナ57から先端が外方に飛び出すのを防止するために設けられている。この接触部102がブレーキライナ57と接触してスプール12が制動される。係止突起103は回転部材53の係止凹部99cに係止される。この係止凹部99cに係止突起103を係止すると、移動部材52a〜52fが非作用姿勢に保持される。
【0070】
このような構成の遠心ブレーキ機構23では、スプール12が回転すると、回転部材53が回転して移動部材52a〜52fが軸部100回りに径方向外方に揺動する。そして、作用姿勢にある移動部材52a〜52fの接触部102がブレーキライナ57に接触してスプール12を制動する。このとき、制動部材51の軸方向位置によってブレーキライナ57に接触する接触部102の数が変化する。これにより、制動力を細かく調整できる。また、移動部材52a〜52fを作用姿勢又は非作用姿勢にすることにより、前記実施形態と同様に制動力の調整範囲を変更できる。
【0071】
〔他の実施形態〕
(a) 前記実施形態では、回転カム機構74により制動部材51を移動させたが、ねじ等の他の変換機構により移動させてもよい。
【0072】
(b) 前記実施形態1及び2では、3つの移動部材52a,52c,52eのみを切り換え可能にしたが、全ての移動部材を切り換え可能にしてもよい。また、参考実施形態及び実施形態3では、全ての移動部材を切り換え可能にしたが、一部のみ切換可能にしてもよい。
【0073】
(c) 前記実施形態1及び2では、それぞれ3つのの移動部材の構造を統一して装着方向を変更することで制動部材への接触位置を変更可能に構成したが、接触位置を各移動部材で異ならせてもよい。
【0074】
(d) 前記実施形態では、揺動軸を回転部材53の弦方向に沿って配置したが、揺動軸を配置する方向は弦方向に限定されず、スプール軸に沿った方向やそれらと交差する方向でもよい。
【0075】
【発明の効果】
本発明によれば、移動部材は、スプール軸を貫通するガイド軸ではなくスプールに連動して回転する回転部材に装着されている。このため、移動部材を回転軸方向ずらして配置する場合に、細かくずらすことができ、制動力を細かく調整できる。しかも、移動部材の回転軸方向位置を異ならせて移動部材が制動部材に接触する数を変更するのではなく、移動部材が制動部材に接触する位置だけを軸方向で異ならせるように配置することもできる。この場合、移動部材の回転軸方向位置に依存することなく制動力をさらに細かく調整できる。また、切換手段により移動部材を非作用姿勢と作用姿勢とに切り換えることができるので、最大制動力や最小制動力や制動力の変化の割合を変更することができる。このため、制動力の調整範囲を変更することができ、仕掛けの重さや釣法などにより制動力を自由に調整できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態を採用した両軸受リールの斜視図。
【図2】 その断面図。
【図3】 遠心ブレーキ機構の分解斜視図。
【図4】 遠心ブレーキ機構の断面拡大図。
【図5】 移動部材の装着状態を示す断面拡大図。
【図6】 移動部材の装着状態を示す断面側面図。
【図7】 制動部材が最もスプールから離反したときの図4に相当する図。
【図8】 実施形態2の図4に相当する図。
【図9】 参考実施形態の図3に相当する図。
【図10】 参考実施形態の図4に相当する図。
【図11】 その移動部材の斜視図。
【図12】 実施形態の図3に相当する図。
【図13】 実施形態の図4に相当する図。
【図14】 実施形態の移動部材の断面部分図。
【図15】 図14のX−X断面図。
【符号の説明】
1 リール本体
12 スプール
16 スプール軸
23 遠心ブレーキ機構
51 制動部材
52a〜52f 移動部材
53 回転部材
56a〜56f ガイド軸
54 移動機構
59 切換機構
60a〜60f 凹部
61 抜け止め突起
62,92a〜92f 固定突起
64,94 移動突起
70 制動つまみ
74 回転カム機構
91a〜91f あり溝
99c 係止凹部
100 軸部
103 係止突起

Claims (12)

  1. リール本体に回転自在に装着されたスプールを遠心力により制動する両軸受リールの遠心制動装置であって、
    前記リール本体に対して回転が制限された筒状の制動部材と、
    前記スプールに連動して回転しかつ前記制動部材に対して前記スプールの回転軸方向に相対移動自在な回転部材と、
    前記回転部材にそれぞれ移動自在に装着され、前記スプールの回転による遠心力により前記制動部材に向けて移動し、前記回転部材と前記制動部材との前記回転軸方向の相対移動により、前記制動部材に異なる個数で接触可能な複数の移動部材と、
    前記移動部材を異なる位置に変位させることにより、前記制動部材に接触不能な非作用姿勢と接触可能な作用姿勢とに前記複数の移動部材の少なくともいずれかひとつを切換可能な切換手段と、
    前記制動部材と回転部材とを前記回転軸方向に相対移動させる移動機構とを備え、
    前記ガイド部は、前記制動部材に向けて放射状に前記回転部材に立設された複数のガイド軸を含み、前記複数のガイド軸の少なくとも一部は、前記回転軸方向の位置をずらせて前記回転部材に立設されており、
    前記複数の移動部材は、前記回転部材に前記制動部材に向けて放射状に配置された複数のガイド部に前記スプールの径方向に移動自在にそれぞれ装着され、前記ガイド軸にその軸方向に移動自在にそれぞれ装着されており、
    前記回転軸方向位置が同じ位置の前記ガイド軸に装着された前記複数の移動部材の少なくとも一部は、前記回転軸方向の接触位置が他の移動部材と異なる接触部を有している、両軸受リールの遠心制動装置。
  2. 前記複数の移動部材の少なくとも一部は、前記制動部材への接触位置が前記回転軸方向で異なるように配置されている、請求項1に記載の両軸受リールの遠心制動装置
  3. 前記切換手段は、前記移動部材を前記ガイド軸の異なる軸方向位置に移動させることにより前記2つの姿勢に切換可能である、請求項又はに記載の両軸受リールの遠心制動装置。
  4. 前記ガイド軸は、前記回転部材の外周部に放射状に形成された凹部に立設されており、
    前記切換手段は、前記凹部の回転方向の対向する側壁に前記移動部材に向けて突出して形成された1対の固定突起と、前記移動部材に前記1対の固定突起に係止可能に突出して形成された移動突起とを有し、前記両突起の少なくともいずれかが弾性を有している、請求項に記載の両軸受リールの遠心制動装置。
  5. 前記回転部材は、前記固定突起の径方向外方に並べて配置され前記移動突起に係止可能な抜け止め突起をさらに備える、請求項に記載の両軸受リールの遠心制動装置
  6. リール本体に回転自在に装着されたスプールを遠心力により制動する両軸受リールの遠心制動装置であって、
    前記リール本体に対して回転が制限された筒状の制動部材と、
    前記スプールに連動して回転しかつ前記制動部材に対して前記スプールの回転軸方向に相対移動自在な回転部材と、
    前記回転部材にそれぞれ移動自在に装着され、前記スプールの回転による遠心力により前記制動部材に向けて移動し、前記回転部材と前記制動部材との前記回転軸方向の相対移動により、前記制動部材に異なる個数で接触可能な複数の移動部材と、
    前記移動部材を異なる位置に変位させることにより、前記制動部材に接触不能な非作用姿勢と接触可能な作用姿勢とに前記複数の移動部材の少なくともいずれかひとつを切換可能な切換手段と、
    前記制動部材と回転部材とを前記回転軸方向に相対移動させる移動機構とを備え、
    前記複数の移動部材は、周方向に間隔を隔て配置された複数の揺動軸回りにそれぞれ揺動自在にかつ前記制動部材にそれぞれ接触可能に前記回転部材に装着されている両軸受リールの遠心制動装置。
  7. 前記複数の移動部材の少なくとも一部は、前記制動部材への接触位置が前記回転軸方向で異なるように配置されている、請求項6に記載の両軸受リールの遠心制動装置。
  8. 前記切換手段は、前記移動部材を異なる揺動位置に移動させることにより前記2つの姿勢に切換可能である、請求項6又は7に記載の両軸受リールの遠心制動装置。
  9. 前記複数の揺動軸の少なくとも一部は、前記回転軸方向の位置をずらせて前記回転部材に配置されている、請求項6から8のいずれかに記載の両軸受リールの遠心制動装置。
  10. 前記移動機構は、前記リール本体に回動自在に設けられた回動部材と、前記回動部材の回動を前記回転軸方向の移動に変換して前記制動部材を移動させる回転カム機構とを有する、請求項1からのいずれかに記載の両軸受リールの遠心制動装置。
  11. 前記回転部材は、前記スプールに回転不能に設けられている、請求項1から1のいずれかに記載の両軸受リールの遠心制動装置。
  12. 前記回転部材は、前記スプールの回転軸に回転不能に設けられている、請求項1から1のいずれかに記載の両軸受リールの遠心制動装置。
JP31356199A 1999-07-26 1999-11-04 両軸受リールの遠心制動装置 Expired - Fee Related JP3747431B2 (ja)

Priority Applications (8)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31356199A JP3747431B2 (ja) 1999-07-26 1999-11-04 両軸受リールの遠心制動装置
TW089114369A TW462872B (en) 1999-07-26 2000-07-18 Centrifugal braking apparatus of double-bearing reel
US09/621,820 US6364230B1 (en) 1999-07-26 2000-07-21 Dual-bearing reel centrifugal braking device
KR1020000042777A KR100680153B1 (ko) 1999-07-26 2000-07-25 양 베어링 릴의 원심제동장치
MYPI20003391 MY125110A (en) 1999-07-26 2000-07-25 Dual-bearing reel centrifugal braking device
AT00306346T ATE290313T1 (de) 1999-07-26 2000-07-26 Fliehkraftbremse für doppelt gelagerte angelrollen
EP00306346A EP1072191B1 (en) 1999-07-26 2000-07-26 Dual-bearing reel centrifugal braking device
DE60018513T DE60018513T2 (de) 1999-07-26 2000-07-26 Fliehkraftbremse für doppelt gelagerte Angelrollen

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21084499 1999-07-26
JP11-210844 1999-07-26
JP31356199A JP3747431B2 (ja) 1999-07-26 1999-11-04 両軸受リールの遠心制動装置

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2001095443A JP2001095443A (ja) 2001-04-10
JP2001095443A5 JP2001095443A5 (ja) 2005-04-07
JP3747431B2 true JP3747431B2 (ja) 2006-02-22

Family

ID=26518300

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31356199A Expired - Fee Related JP3747431B2 (ja) 1999-07-26 1999-11-04 両軸受リールの遠心制動装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3747431B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7087166B1 (en) * 2001-10-01 2006-08-08 Entegris, Inc. Filter element and filter device having replaceable filter
KR100451886B1 (ko) * 2002-09-12 2004-10-08 주식회사 바낙스 베이트케스트 릴의 원심 브레이크 장치
JP5122273B2 (ja) * 2007-12-28 2013-01-16 株式会社シマノ 両軸受リールのスプール制動装置
CN102396434B (zh) * 2011-12-06 2013-07-31 东莞宝熊渔具有限公司 卷线器的线轮离心刹车结构
CN102396433B (zh) * 2011-12-06 2013-07-31 东莞宝熊渔具有限公司 可调式卷线器的线轮离心刹车结构

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001095443A (ja) 2001-04-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101408081B1 (ko) 롤러 클러치
KR100680153B1 (ko) 양 베어링 릴의 원심제동장치
KR101951264B1 (ko) 듀얼 베어링 릴의 스풀 제동 장치 및 듀얼 베어링 릴
JP4804279B2 (ja) スピニングリール
EP1031279B1 (en) Centrifugal braking device for double bearing reel
JP5350881B2 (ja) 両軸受リールのスプール制動装置
US6371396B1 (en) Dual-bearing reel braking device
EP1500330B1 (en) Dual-bearing reel
KR100687898B1 (ko) 양베어링 릴의 릴 본체
US5120001A (en) Fishing reel with drag mechanism
KR20040036564A (ko) 듀얼 베어링 릴의 스풀
JP6227353B2 (ja) 釣り用リールのローラクラッチ及びスピニングリール
JP2001145442A5 (ja)
EP1060664B1 (en) Dual-bearing reel centrifugal braking device
US5350132A (en) Anti-reverse structure for a spinning reel
JP3747431B2 (ja) 両軸受リールの遠心制動装置
JP2014217341A5 (ja)
KR100942709B1 (ko) 스피닝 릴의 로터
JP3747429B2 (ja) 両軸受リールの制動装置
JP3747430B2 (ja) 両軸受リールの遠心制動装置
JP2001054342A (ja) 両軸受リールの遠心制動装置
JP3797832B2 (ja) 両軸受リールの遠心制動装置
JP2002204640A (ja) スピニングリールのスプール
JP6267874B2 (ja) 両軸受リールのスプール制動装置
JP2003079292A (ja) 両軸受リールのスプール制動装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040531

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040531

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050916

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050927

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051014

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20051115

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20051118

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081209

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091209

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091209

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101209

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101209

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111209

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees