JP2003079292A - 両軸受リールのスプール制動装置 - Google Patents

両軸受リールのスプール制動装置

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JP2003079292A
JP2003079292A JP2001273555A JP2001273555A JP2003079292A JP 2003079292 A JP2003079292 A JP 2003079292A JP 2001273555 A JP2001273555 A JP 2001273555A JP 2001273555 A JP2001273555 A JP 2001273555A JP 2003079292 A JP2003079292 A JP 2003079292A
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spool
braking
rotating member
moving
braking device
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Kenichi Kawasaki
憲一 川崎
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Shimano Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 両軸受リールのスプールブレーキ機構におい
て、キャスティング時の過剰な制動力の発生を抑える。 【解決手段】 両軸受リールの遠心ブレーキ機構23
は、リール本体1に対して回転自在なスプール12を制
動する装置であって、移動部材52a〜52f及び移動
部材が径方向に移動自在に配置された回転部材53と、
連結機構85と、制動部材51とを備えている。回転部
材53は、スプール12に対して回転自在である。連結
機構85は、回転部材53をスプール12と連動して回
転するスプール軸16に摩擦力により連結し、回転部材
53をスプール12と所定以下のトルクで連動して回転
させる。制動部材51は、リール本体1に対して回転不
能であり、移動部材52a〜52fと接触して回転部材
53を制動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、制動装置、特に、
リール本体に対して回転自在なスプールを制動する両軸
受リールのスプール制動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】主にルアーフィッシングに用いられるベ
イトリールと呼ばれる両軸受リールでは、キャスティン
グ時にスプールの回転速度が糸繰り出し速度より速くな
るバックラッシュが生じないように、スプールに制動力
を作用させることが一般に行われている。この種のスプ
ール制動装置としてスプールの回転により生じる遠心力
を利用してスプールを制動する遠心ブレーキ機構やスプ
ールの回転を磁力により制動するマグネットブレーキ機
構を有するものが知られている。
【0003】遠心ブレーキ機構は、スプール軸に回転不
能に装着された回転部材と、回転部材部材に放射状に案
内される移動部材と、移動部材の外周側に配置され移動
部材が接触する円筒状の制動部材とを有している。遠心
ブレーキ機構では、スプールの回転時に移動部材に作用
する遠心力により移動部材が制動部材に接触してスプー
ルが制動される。したがって、制動力は回転部材の回転
速度の二乗で変化する遠心力に比例する。
【0004】一方、マグネットブレーキ機構は、スプー
ルと一体又は別に設けられた非磁性導電部材と、導電部
材を通過して磁束を放出する磁石とを有している。マグ
ネットブレーキ機構では、磁束が導電部材を横切る際に
生じる渦電流によりスプールが制動される。したがっ
て、制動力は磁束を導電部材が横切る回数、すなわち導
電部材の回転速度に比例する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の遠心ブレー
キ機構では、回転速度の二乗に比例して制動力が増加す
るため、回転速度が速くなるキャスティング中期で制動
力が大きくなりすぎて飛距離が伸びない場合がある。前
記従来のマグネットブレーキ機構では、回転速度に比例
して制動力が増加するため、遠心ブレーキ機構ほどでは
ないが、やはり回転速度が速くなるキャスティング中期
で制動力が大きくなりすぎて飛距離が伸びない場合があ
るとともに、キャスティング後期でも制動力が作用する
ため、後半に失速することもある。
【0006】本発明の課題は、両軸受リールのスプール
制動装置において、キャスティング時の過剰な制動力の
発生を抑えることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】発明1に係る両軸受リー
ルのスプール制動装置は、リール本体に対して回転自在
なスプールを制動する装置であって、第1制動手段と、
連結手段と、第2制動手段とを備えている。第1制動手
段は、スプールに対して回転自在な手段である。連結手
段は、第1制動手段をスプール又はスプールと連動して
回転する連動部材に摩擦力により連結し、第1制動手段
をスプールと所定以下のトルクで連動して回転させる手
段である。第2制動手段は、リール本体に対して回転不
能であり、第1制動手段を制動する手段である。
【0008】このスプール制動装置では、スプールが回
転すると連結手段を介して連結された第1制動手段がス
プールと連動して回転する。すると、第2制動手段によ
り第1制動手段が制動されスプールが制動される。そし
て、回転の増加により制動力が増加して第1制動手段と
スプールとの間の伝達トルクが所定のトルクを超える
と、連結手段による連結が解除され第1制動手段がスプ
ールと連動して回転しなくなる。このため、制動力が所
定の制動力以上にスプールに作用しなくなる。ここで
は、連結手段によりスプールと第1制動手段との間の伝
達トルクが制限されるので、所定以上のトルクがスプー
ルと第1制動手段との間で伝達されなくなる。このた
め、スプールに作用する制動力が制限され、キャスティ
ング時の過剰な制動力の発生を抑えることができる。
【0009】発明2に係る両軸受リールのスプール制動
装置は、発明1に記載の装置において、第1制動手段
は、スプールに対して回転自在な回転部材と、回転部材
に移動自在に装着され回転部材に作用する遠心力により
移動する複数の移動部材とを有し、第2制動手段は、移
動する複数の移動部材に接触可能に配置され、前記リー
ル本体に対して回転不能である。この場合には、遠心ブ
レーキ機構において、特にキャスティング中期に発生す
る最大回転速度のときの制動力を制限できるので、飛距
離を増加させることができる。
【0010】発明3に係る両軸受リールのスプール制動
装置は、発明2に記載の装置において、移動部材は、ス
プールの径方向に移動自在に回転部材に装着され、第2
制動手段は、移動部材の移動方向外方に配置され、内周
面が移動部材に接触可能な筒状部材である。この場合に
は、遠心力が作用する径方向に移動部材が移動するの
で、遠心力が最も効率よく移動部材に作用する。このた
め、スプールを遠心力により効率よく制動できる。
【0011】発明4に係る両軸受リールのスプール制動
装置は、発明3に記載の装置において、移動部材の少な
くとも一つは、他のものと筒状部材との接触位置がスプ
ールの軸方向にずれて配置されており、筒状部材は、移
動部材の全てに接触可能な位置と、接触位置がずれて配
置されされた移動部材に接触不能な位置とにリール本体
にスプールの軸方向に移動自在に装着され、筒状部材を
スプール軸方向に往復移動可能な往復移動手段をさらに
備える。この場合には、筒状部材を軸方向に移動させる
ことにより制動力を細かく調整できる。
【0012】発明5に係る両軸受リールのスプール制動
装置は、発明2から4のいずれかに記載の装置におい
て、複数の移動部材のうち少なくとも一つは、第2制動
手段に接触可能な状態と接触不能な状態とに切換可能に
回転部材に装着されている。この場合には、移動部材の
接触個数を変化させることにより最大制動力を制限でき
る。
【0013】発明6に係る両軸受リールのスプール制動
装置は、発明1に記載の装置において、第1制動手段
は、スプールに対して回転自在な非磁性導電体製の回転
部材であり、第2制動手段は、回転部材に対向して配置
された複数の磁極を有し、リール本体に対して回転不能
な磁性部材を有し、磁性部材を前記回転部材と接離する
方向に往復移動させる往復移動手段をさらに備える。こ
の場合には、マグネットブレーキ機構において、特にキ
ャスティング中期に発生する最大回転速度のときの制動
力を制限できるので、飛距離を増加させることができ
る。
【0014】発明7に係る両軸受リールのスプール制動
装置は、発明2から6のいずれかに記載の装置におい
て、連動部材は、スプールの中心を貫通しスプールが回
転不能に装着されたスプール軸であり、回転部材は、ス
プール軸に回転自在に装着され、連結手段は、回転部材
とスプール軸との間に圧縮状態で装着された弾性体製の
Oリングである。この場合には、市販されたOリングに
より連結手段を容易かつ安価に構成できる。
【0015】発明8に係る両軸受リールのスプール制動
装置は、発明2から6のいずれかに記載の装置におい
て、連結手段は、回転部材を連動部材に向けて押圧する
押圧手段である。この場合には、回転部材を連動部材に
向けて押圧することにより簡素な構成で連結手段を構成
できる。また、押圧手段による押圧力を調整することに
より最大制動力を用途に合わせて設定できる。
【0016】発明9に係る両軸受リールのスプール制動
装置は、発明8に記載の装置において、スプールは中心
を貫通するスプール軸に回転不能に装着され、回転部材
は、スプール軸に回転自在に装着され、押圧手段は、一
端がスプール軸に軸方向移動不能に装着されたばね部材
と、ばね部材の他端と回転部材との間に配置された摩擦
部材とを有する。この場合には、ばねにより摩擦部材を
介して回転部材を押圧しているので、ばね部材の押圧力
を適宜に設定することで最大伝達トルクを設定しやすく
なる。
【0017】
【発明の実施の形態】〔実施形態1〕 〔全体構成〕図1は、本発明の一実施形態が装着された
両軸受リールの斜視図である。図に示す両軸受リール
は、主にルアーフィッシングに用いられるベイトリール
であり、リール本体1とリール本体の側方に配置された
スプール回転用ハンドル2と、ハンドル2のリール本体
1側に配置されたドラグ調整用のスタードラグ3とを備
えている。ハンドル2は、板状のアーム部2aと、アー
ム部2aの両端に回転自在に装着された把手部2bとを
有するダブルハンドル型のものである。ハンドル2のア
ーム部2aの外側面は繋ぎ目が無い滑らかな面で構成さ
れており、釣り糸が絡みにくい構造となっている。
【0018】図2に示すように、リール本体1は、フレ
ーム5と、フレーム5の両側方に装着された第1側カバ
ー6及び第2側カバー7と、フレーム5の上部に装着さ
れたサムレスト10とを有している。フレーム5は、所
定の間隔を開けて互いに対向するように配置された1対
の側板8,9と、これらの側板8,9を連結する複数の連
結部(図示せず)とを有している。
【0019】ハンドル2側の第2側カバー7はねじによ
り側板9に着脱自在に固定されている。ハンドル2と逆
側の第1側カバー6はバヨネット構造14によりフレー
ム5の側板8に着脱自在に装着されている。ハンドル2
と逆側の側板8には、スプール12が通過可能な開口8
aが形成されている。フレーム5内には、スプール12
と、スプール12内に釣り糸を均一に巻き付けるための
レベルワインド機構15と、サミングを行う場合の親指
の当てとなるクラッチ操作レバー17とが配置されてい
る。フレーム5と第2側カバー7との間には、ハンドル
2からの回転力をスプール12及びレベルワインド機構
15に伝えるためのギア機構18と、クラッチ機構13
と、クラッチ操作レバー17の操作に応じてクラッチ機
構13の係脱を行うためのクラッチ係脱機構19と、糸
繰り出し時にスプール12を制動するドラグ機構21
と、スプール軸16を両端で挟んで制動するキャスティ
ングコントロール機構22とが配置されている。また、
開口8aには、キャスティング時のバックラッシュを抑
えるための遠心ブレーキ機構23が配置されている。
【0020】スプール12は、両側部に皿状のフランジ
部12aを有しており、両フランジ部12aの間に筒状
の糸巻き胴部12bを有している。また、スプール12
は、糸巻き胴部12bの内周側に一体に形成された筒状
のボス部12cを有しており、ボス部12cを貫通する
スプール軸16に例えばセレーション結合により回転不
能に固定されている。
【0021】スプール軸16は、側板9を貫通して第2
側カバー7の外方に延びている。その延びた一端は第2
側カバー7に形成されたボス部29に軸受35bにより
回転自在に支持されている。またスプール軸16の他端
は、遠心ブレーキ機構23内で軸受35aにより回転自
在に支持されている。レベルワインド機構15は、1対
の側板8,9間に固定されたガイド筒25と、ガイド筒
25内に回転自在に配置されたウォームシャフト26
と、ラインガイド27とを有している。ウォームシャフ
ト26の端部には、ギア機構18を構成するギア28a
が固定されている。またウォームシャフト26には螺旋
状溝26aが形成されており、ラインガイド27がこの
螺旋状溝26aに噛み合っている。このため、ギア機構
18を介してウォームシャフト26が回転させられるこ
とにより、ラインガイド27はガイド筒25によって往
復移動する。このラインガイド27内に釣り糸が挿通さ
れて釣り糸がスプール12に均一に巻き付けられる。
【0022】ギア機構18は、ハンドル軸30に固定さ
れたメインギア31と、メインギア31に噛み合う筒状
のピニオンギア32と、前述のウォームシャフト26端
部に固定されたギア28aと、ハンドル軸30に回転不
能に固定されギア28aに噛み合うギア28bとを有し
ている。ピニオンギア32は、側板9を貫通して配置さ
れ中心にスプール軸16が貫通する筒状部材であり、ス
プール軸16に軸方向に移動自在に装着されている。ピ
ニオンギア32は、図2右端部外周に形成されメインギ
ア31に噛み合う歯部32aと、他端側に形成された噛
み合い部32bとを有している。歯部32aと噛み合い
部32bとの間にはくびれ部32cが設けられている。
噛み合い部32bは、ピニオンギア32の端面に形成さ
れた凹溝からなり、そこにスプール軸16を径方向に貫
通するクラッチピン16aが係止される。ここではピニ
オンギア32が外方に移動してその噛み合い部32bの
凹溝とスプール軸16のクラッチピン16aとが離脱す
ると、ハンドル軸30からの回転はスプール12に伝達
されない。この噛み合い部32bの凹溝とクラッチピン
16aとによりクラッチ機構13が構成される。
【0023】クラッチ操作レバー17は、図2に示すよ
うに、1対の側板8,9間の後部でスプール12後方に
配置されている。フレーム5の側板8,9には長孔(図
示せず)が形成されており、クラッチ操作レバー17を
固定するクラッチカム(図示せず)がこの長孔を貫通し
ている。クラッチ操作レバー17は、長孔に沿って上下
方向にスライドする。クラッチ係脱機構19は、クラッ
チヨーク40を有している。クラッチ係脱機構19は、
クラッチ操作レバー17の回動によりクラッチヨーク4
0をスプール軸の軸芯と平行に移動させる。また、ハン
ドル軸30が糸巻き取り方向に回転すると自動的にクラ
ッチ機構13がオンするようにクラッチヨーク40を移
動させる。
【0024】このように構成において、通常状態では、
ピニオンギア32は内方のクラッチ係合位置に位置して
おり、その噛み合い部32bとスプール軸16のクラッ
チピン16aとが係合してクラッチオン状態となってい
る。一方、クラッチヨーク40によってピニオンギア3
2が外方に移動した場合には、噛み合い部32bとクラ
ッチピン16aとの係合が外れクラッチオフ状態とな
る。
【0025】キャスティングコントロール機構22は、
ボス部29の外周側に形成された雄ネジ部に螺合する有
底筒状のキャップ45と、キャップ45の底部に装着さ
れた摩擦プレート46と、ブレーキケース(後述)55
に装着された摩擦プレート47とを備えている。両摩擦
プレート46,47は、スプール軸16の両端に接触し
てスプール軸16を挟持するものであり、キャップ45
を回して両摩擦プレート46,47で発生する挟持力を
調整することでスプール12の制動力を調整できる。
【0026】〔遠心ブレーキ機構の構成〕遠心ブレーキ
機構23は、図3及び図4に示すように、ブレーキケー
ス55にスプール軸方向に移動自在かつ回転不能に装着
された制動部材51と、制動部材51に接触可能に放射
状に配置された6つの移動部材52a〜52fと、移動
部材52a〜52fが装着された回転部材53とスプー
ル軸16とを摩擦力により連結する連結機構85と、6
つの移動部材52a〜52fのうち3つの移動部材52
a,52c,52eを制動部材51に接触不能な非作用
姿勢と接触可能な作用姿勢とに切換可能な切換機構59
と、制動部材51をスプール軸方向に移動させる移動機
構54とを有している。
【0027】ブレーキケース55は、有底短筒状の部材
であり、その内周側に内方に突出する筒状のつまみ収納
部55aが形成され、つまみ収納部55aの内側底部に
さらに内方に突出する筒状の軸受収納部55bが形成さ
れている。つまみ収納部55aの外側底部には外方に突
出する棒状のつまみ支持部55cが形成されている。軸
受収納部55bには、スプール軸16を支持する軸受3
5aが配置され、内側底部には、キャスティングコント
ロール機構22の摩擦プレート47が装着されている。
つまみ支持部55cは、移動機構54の制動つまみ(後
述)70を回動自在に支持するために設けられている。
つまみ収納部55aの周面には、周方向に間隔を隔てて
スプール軸方向に沿って3つ貫通溝55dが形成され、
つまみ支持部55cの基端部外周部には、制動つまみ7
0の回動量を規制するための回動規制突起55eが形成
されている。つまみ支持部55cの外周面には、丸穴5
5fが径方向に沿って形成されている。
【0028】ブレーキケース55は、ビス49(図2)
により第1側カバー6に固定されている。つまり、ブレ
ーキケース55はリール本体1の一部を構成している。
ブレーキケース55の外周面には、バヨネット構造14
を構成する突起部14aが周方向に間隔を隔てて3カ所
形成されている。なお、開口8aには、この突起部14
aに対向する位置に係止爪14bが形成されている。係
止爪14bは開口8aから外方かつ内周側に突出して形
成されている。
【0029】制動部材51は、ブレーキケース55の内
周面に近接して配置される外筒部51aと、ブレーキケ
ース55のつまみ収納部55aの外周面に嵌合する内筒
部51bと、両筒部51a,51bをつなぐ壁部51c
とを有する筒状部材である。外筒部51aの内周面に
は、たとえば銅系合金製のブレーキライナ57が固定さ
れている。このブレーキライナ57が移動部材52a〜
52fに接触する。内筒部51bの内周面には、周方向
に間隔を隔てて3つのカムピン51dが内方に突出して
設けられている。このカムピン51dは、ブレーキケー
ス55の貫通溝55dに係止されて制動部材51がブレ
ーキケース55に対して回転不能に連結される。このカ
ムピン51dは、さらに貫通溝55dを貫通して内方に
突出して回転カム機構74を構成している。外筒部51
aの外周面には、環状溝51eが形成されている。環状
溝51eには、Oリング58が装着され、このOリング
58により制動部材51の軸方向の動きを抵抗感がある
滑らかな動きにしている。
【0030】移動部材52a〜52fは、回転部材53
に立設されたガイド軸56a〜56fに径方向(ガイド
軸56a〜56fの軸方向)に移動自在に装着されてい
る。回転部材53は、スプール軸16に回転自在に装着
されている。回転部材53は、スプール軸16に回転自
在に装着されるボス部53aと、ボス部53aから外方
に延びる円筒部53bと、円筒部53bの外周面から径
方向外方に延びる円板部53cとを有しており、円板部
53cは、軸受収納部55bの径方向外方に配置され
る。
【0031】ボス部53aの内部には、図4に示すよう
に、スプール軸16との間にスプール12側に開口する
筒状の収納空間84が形成されており、その収納空間8
4に連結機構85が装着されている。連結機構85は、
回転部材53をスプール軸16に摩擦力により連結し、
回転部材53をスプール12と所定以下のトルクで連動
して回転させるものであり、スプール軸16と回転部材
53との間の伝達トルクを所定以下に制限することによ
り、高速回転による過剰な制動力の増加を抑えるために
設けられている。連結機構85は、収納空間84に配置
されたコイルばね86と、コイルばね86により収納空
間84の壁面84aに向けて押圧されるディスク部材8
7と、回転部材53のスプール軸方向外方への移動を規
制するための止め輪88とを有している。ディスク部材
87は、スプール軸16に軸方向移動自在かつ回転不能
に装着されている。コイルばね86は、スプール軸16
の段差部16bに装着されたワッシャ89により係止さ
れ、収納空間84内でスプール軸16の外周側に圧縮状
態で配置されている。このコイルばね86の付勢力によ
り壁面84aに向けてディスク部材87が押圧され、止
め輪88で受けられた回転部材53がディスク部材87
との摩擦力によりスプール軸16と連結される。
【0032】回転部材53の円板部53cには、図6に
示すように、周方向に間隔を隔てて外周面側に開口する
6つの概ね矩形の凹部60a〜60fが形成されてい
る。この凹部60a〜60fにガイド軸56a〜56f
が放射状に立設されている。このうち、3つの凹部60
a,60c,60eと残りの3つの凹部60b,60
d,60fとは異なる構造である。すなわち構造が異な
る凹部が交互に配置されている。凹部60a,60c,
60eは、開口部に周方向に対向する壁面に互いに突出
して形成された1対の抜け止め突起61を有するととも
に、抜け止め突起61の内周側に間隔を隔てて配置され
た一対の固定突起62を有している。固定突起62は、
移動部材52a,52c,52eを作用姿勢と非作用姿
勢とに切り換える切換機構59を構成している。一方、
凹部60b,60d,60fは、抜け止め突起61のみ
を有している。このため、凹部60b,60d,60f
には、切換機構59が設けられていない。
【0033】ガイド軸56a〜56fは、凹部60a〜
60fの底部に径方向に沿って立設されている。ガイド
軸56a,56c,56eと残りのガイド軸56b,5
6d,56fは、ともに断面が長円形の軸部材である。
両者は、長円形断面の長軸方向の長さが異なっており、
ガイド軸56a,56c,56eは、ガイド軸56b,
56d,56fより長軸方向の長さが長い。また、ガイ
ド軸56a,56dは、図5(a)に示すように、最も
軸方向外方(図5左側)に立設されており、ガイド軸5
6b,56eは、図5(b)に示すように、最も軸方向
内方(図5右側)に立設され、ガイド軸56c,56f
は、図5(c)に示すように、両者の中間位置に立設さ
れている。つまり、6本のガイド軸56a〜56fは、
スプール軸方向の3カ所にずれて配置されている。
【0034】移動部材52a〜52fは、ガイド軸56
a〜56fにスプール径方向(ガイド軸軸方向)に摺動
自在に設けられ、制動部材51のスプール軸方向の移動
により制動部材51のブレーキライナ57に異なる数で
接触するものである。6つの移動部材52a〜52f
は、概ね直方体形状の弾性を有する合成樹脂製の部材で
ある。このうち3つの移動部材52a,52c,52e
と残りの3つの移動部材52b,52d,52fとはほ
ぼ同形状であるが装着されるガイド軸56a〜56fの
長軸方向の長さが異なる分ガイドされる孔の大きさが異
なっている。
【0035】移動部材52a〜52fは、ガイド軸56
a〜56fに各別に案内される直方体形状の本体部63
と、本体部63の内側端部(図5下側端部)に一体で形
成され、本体部63から回転方向の両方向(図5紙面直
交方向)に突出した1対の移動突起64と、本体部63
の外側端部(図5上側端部)に一体形成され、本体部6
3からスプール軸方向の両方向(図5左右方向)に突出
した1対の接触部65とを有している。
【0036】本体部63の内部には、スプール軸16の
径方向に沿って長円形のガイド孔67が貫通しており、
このガイド孔67にガイド軸56a〜56fがはめ込ま
れて、移動部材52a〜52fがガイド軸56a〜56
fに径方向移動自在に案内される。移動突起64は、1
対の固定突起62及び抜け止め突起61に係止されるよ
うに突出している。この移動突起64が固定突起62と
抜け止め突起61との間に配置されると、移動突起64
に係止されて移動部材52a〜52fの脱落が防止され
る。この位置に配置された移動部材52a,52c,5
2eの姿勢が作用姿勢である。また、移動部材52a,
52c,52eが径方向内方に押し込まれて固定突起6
2より内方に配置されると、固定突起62により移動突
起64が係止されて移動部材52a,52c,52eが
制動部材51に接触できなくなる。この位置に配置され
た姿勢が非作用姿勢である。この固定突起62と移動突
起64により切換機構59が構成される。このため、制
動部材51に接触可能な移動部材52a,52c,52
eの数を調整できる。1対の接触部65の一方には径方
向外方に突出する接触凸部66が突出している。接触凸
部66は、制動部材51のブレーキライナ57の内周面
(制動面)に接触する凸部であり、制動部材51の内周
面に沿うように周方向(紙面直交方向)で円弧状に形成
されている。
【0037】この移動部材52a〜52fの接触凸部6
6は、ガイド軸56a〜56fへの装着状態を変更する
ことで、制動部材51に対してスプール軸方向の2つの
異なる位置で接触する。すなわち、図5(a)に実線で
示す第1位置、第1位置と装着状態を逆にした2点鎖線
で示す第2位置とである。また、ガイド軸56a〜56
fが前述したようにスプール軸方向の異なる位置に立設
されているため、図5(b)及び図5(c)に示すよう
に、ここでも図5(a)の2つ位置と異なる、第3位置
(2点鎖線)と第4位置(実線)、第5位置(実線)と
第6位置(2点鎖線)とで制動部材51に接触する。こ
の結果、移動部材52a〜52fの接触凸部66は、6
つの異なるスプール軸方向位置で制動部材51に接触可
能である。したがって、この実施形態では、制動力を6
段階に調整可能である。この6段階の制動力は、移動部
材52a〜52fの接触凸部66の方向(装着状態)や
制動部材51に接触可能な移動部材52a〜52fの数
などにより細かく変更可能である。たとえば、この実施
形態では、制動部材51に接触する移動部材52a〜5
2fの数が、制動部材51の軸方向の移動により6−5
−4−3−2−1の順に変化する。この移動部材52a
〜52fが制動部材51に接触する各段階での数は、前
述したように釣り人の好みや使用するルアーの種類や重
さなどにより自由に変更可能である。しかも移動部材5
2a,52c,52eは、非作用姿勢と作用姿勢とに切
換可能なため、制動力をより小さな範囲で調整すること
ができる。このため、制動力の調整範囲も変更できる。
【0038】移動機構54は、図3及び図4に示すよう
に、リール本体1に回動自在に設けられた制動つまみ7
0と、制動つまみ70の回動をスプール軸方向の移動に
変換して制動部材51を往復移動させる回転カム機構7
4とを有している。制動つまみ70は、ブレーキケース
55のつまみ支持部55cに装着されており、つまみ支
持部55cの先端にねじ込まれたボルト76によりワッ
シャ77を介して回動自在に固定されている。制動つま
み70は、つまみ支持部55cに装着される筒状のボス
部71と、ボス部71の外周側に間隔を隔てて配置され
る筒状のカム部72と、ボス部71とカム部72とをつ
なぐ円板状の操作部73とを有している。ボス部71と
つまみ支持部55cとの間には、制動つまみ70を周方
向の6カ所で位置決めするための位置決め機構75が装
着されている。位置決め機構75は、丸穴55f内に配
置されている。ボス部71の先端には、切欠き部71a
が周方向に1カ所形成されており、この切欠き部71a
がつまみ支持部55cに形成された回転規制突起55e
に係止されることにより、制動つまみ70の回動範囲が
たとえば、90度程度に制限されている。カム部72に
は、たとえば周方向に間隔を隔てて3カ所の回転カム機
構74を構成するカム溝80が径方向に貫通して形成さ
れている。
【0039】各カム溝80は、軸方向及び周方向の異な
る位置に等間隔に所定の周方向長さで形成された6つの
制動溝80aと、各制動溝を連結する斜行溝80bとを
有しており、概ねカム部72において斜めに形成されて
いる。操作部73は、外方に突出する2つの突出部73
a,73bを有している。このうち、一方の突出部73
bには、指針73cが径方向に沿った溝により形成され
ている。第1側カバー6の指針73cの周囲には、図1
に示すように、1から6までの文字が刻印されており、
指針73cが指した数字が制動力の程度を表している。
【0040】回転カム機構74は、制動部材51の内周
面から突出する3つのカムピン51dと、カムピン51
dが係合するカム溝80により構成されている。このよ
うなカムピン51dとカム溝80の係合により、制動つ
まみ70の回動が回転カム機構74の軸方向の移動に変
換される。しかも、カムピン51dが6箇所の制動溝8
0aに係合すると、軸方向の6カ所で回転カム機構74
が位置決めされる。
【0041】ここで、カムピン51dが最も先端側(図
3右側)の制動溝80aに係合すると、制動部材51が
前進して図4に示すスプール12に最も接近した位置に
配置され、制動部材51のブレーキライナ57に接触す
る移動部材52a〜52fの数が最大になり、制動力が
最大になる。また、最も基端側(図3左側)の制動溝8
0aに係合すると、図7に示す位置に制動部材51が後
退してスプール12から最も離反した位置に配置され、
制動部材51に接触する移動部材52a〜52fの数が
最小になり、制動力が最小になる。
【0042】〔リールの動作〕通常の状態ではクラッチ
ヨーク40は内方に押されておりクラッチオンの状態で
ある。この結果、ハンドル2からの回転力はハンドル軸
30、メインギア31、ピニオンギア32及びスプール
軸16を介してスプール12に伝達され、スプール12
が糸巻き取り方向に回転する。このとき、遠心ブレーキ
機構23の移動部材52a〜52fに遠心力が作用し移
動部材52a〜52fが径方向外方に移動するが、スプ
ール12の回転速度が遅いため、制動力がそれほど大き
くならず、ハンドル2の回転の邪魔になることはない。
もし制動力を抑える必要があるのであれば、制動つまみ
70を回転させて、図6に示すように、最も制動力が弱
い位置に制動部材51を配置すればよい。
【0043】キャスティングを行う場合には、バックラ
ッシュを抑えるために制動つまみ70を回動させて制動
力を調整する。制動つまみ70を図1の矢印A方向に回
転させると、回転カム機構74により制動部材51がス
プール12側から後退し、制動部材51に接触する移動
部材52a〜52fの数が徐々に減少し、制動力が徐々
に弱くなる。そして、指針73cが数字「1」を示す位
置まで制動つまみ70が回転すると、図7に示す位置に
制動部材51が配置され、制動力が最も弱くなる。
【0044】続いて、クラッチ操作レバー17を下方に
押す。クラッチ操作レバー17の移動によりクラッチヨ
ーク40が外方に移動し、ピニオンギア32が同方向に
移動する。この結果、クラッチオフ状態となる。このク
ラッチオフ状態では、ハンドル軸30からの回転はスプ
ール12及びスプール軸16に伝達されず、スプール1
2は自由回転状態になる。クラッチオフ状態としてクラ
ッチ操作レバー17に置いた親指でスプールをサミング
しながらスプール軸16が鉛直面に沿うようにリールを
軸方向に傾けて釣り竿を振ると、ルアーが投げられスプ
ール12が糸繰り出し方向に勢いよく回転する。
【0045】このような状態では、スプール12の回転
によりスプール軸16が糸繰り出し方向に回転し、その
回転が連結機構85を介して回転部材53に伝達され
る。回転部材53が回転すると、移動部材52a〜52
fが制動部材51に摺接して遠心ブレーキ機構23によ
りスプール12が制動されバックラッシュを防止でき
る。このキャスティング中期の最高速付近でスプール1
2が回転するとき、連結機構85によりスプール軸16
と回転部材53との間の伝達トルクが制限されるので、
所定以上の制動力が作用しようとすると、回転部材53
がスプール軸16に対してスリップして過剰な制動力の
増加を抑えることができる。このため、過剰な制動力に
よるルアーの飛距離の低下を防止できる。
【0046】また、万一スプール12でバックラッシュ
が生じても、第1側カバー6がバヨネット構造14によ
り簡単に着脱できるので、バックラッシュを容易に解消
できる。また、重さが異なるルアーに取り替えるときに
は、ルアーの重さに応じて制動つまみ70を回動させ制
動力を6段階に調整する。ここでは、外部に露出した制
動つまみ70を回動するだけで遠心力による制動力を細
かく簡単に調整できる。また制動力を調整すると、制動
部材51に接触する移動部材52a〜52fの数が変化
するので制動力の差異が明確になる。しかも、切換機構
59により3つの移動部材52a,52c,52eを制
動部材51のブレーキライナ57に接触する作用姿勢と
接触しない非作用姿勢とに切り換えできるので、制動力
の調整範囲を変更できる。
【0047】〔実施形態2〕前記実施形態では、遠心ブ
レーキ機構によりスプールを制動しているが、マグネッ
トブレーキ機構によりスプールを制動する構成にも本発
明を適用できる。なお、以降の説明では、ブレーキ機構
を除く構成及び動作は実施形態1と実質的に同様である
のでブレーキ機構の構成及び動作のみを説明する。
【0048】図8において、本発明の実施形態2による
マグネットブレーキ機構123は、スプールの回転を制
動する機構であり、ブレーキケース155内に配置され
ている。ブレーキケース155は、内周側に配置された
内筒部155aと、外周側に内筒部155aと同芯に配
置された外筒部155bと、両筒部155a,155b
をつなぐ壁部155cとを有している。ブレーキケース
155は、外筒部155bと開口108aとに形成され
たバヨネット構造114により側板108に着脱自在に
装着されている。これにより、第1側カバー106は側
板108に対して着脱自在となっている。
【0049】マグネットブレーキ機構123は、図8〜
図10に示すように、スプール12と連動するたとえば
4つの導電体150と、ブレーキケース155に導電体
150と対向可能に設けられた、たとえば16個の磁力
体151と、導電体150に作用する磁力を変化させる
制動力調整部152と、磁力体151を導電体150に
対して接離させる移動機構153とを備えている。
【0050】4つの導電体150は、それぞれ周方向に
分割された1/4円の扇形形状のたとえばアルミニウム
合金製の板状部材であり、その周方向の中心には、たと
えば矩形の貫通孔150aが径方向に沿って形成されて
いる。なお、導電体150はスプール12が回転してい
ない状態では、磁力体151に対向していない。磁力体
151は、たとえば円柱状の永久磁石で構成されてお
り、導電体150に磁力を作用させることによりスプー
ル12の回転を制動するものである。磁力体151は、
ブレーキケース155に装着された移動支持部材156
に周方向に間隔を隔てて設けられている。隣り合う磁力
体151は異なる磁極で導電体150に対向可能であ
る。磁力体151は、たとえば帯磁可能な金属製のリン
グ部材160を介して移動支持部材156に固定されて
いる。リング部材160は、磁力体151の磁力を補強
するために設けられている。
【0051】移動支持部材156は、ブレーキケース1
55の内筒部155aにスプール軸方向に移動自在に装
着されており、磁力体151をスプール軸方向に移動自
在に支持する。移動支持部材156は、略円板状の本体
部156aと、本体部156aの背面側(図8左側)に
スプール軸方向外方に突出して設けられた1対のカム軸
156b,156cとを有している。本体部156aの
外周側の導電体150に対向可能な側面にリング部材1
60が固定されている。カム軸156bは、カム軸15
6cと180度間隔を隔ててカム軸156cより内周側
で突出している。両カム軸156b,156cは、ブレ
ーキケース155の壁部155cを貫通して壁部155
cの外方に突出している。
【0052】ブレーキケース155の内筒部155aの
先端には、軸受135aの外輪に接触するフランジ部材
161が装着されている。フランジ部材161の外周部
は、内筒部155aより径方向外方に突出しており、そ
の突出部分と本体部156aの側面内周部との間におい
て内筒部155bの外周側には、コイルばね157が圧
縮状態で装着されている。コイルばね157は、移動支
持部材156を導電体150から離反する方向(スプー
ル12から離反する方向)に付勢する。これにより、移
動支持部材156は、つねに導電体150から離反する
方向に付勢されている。移動支持部材156は、操作つ
まみ165によりコイルばね157の付勢力に抗して導
電体150に接近する方向に押圧される。
【0053】操作つまみ165は、第1側カバー106
に形成された開口106aから露出する円形のつまみ部
165aと、つまみ部165aより大径のカム部165
bとを有している。つまみ部165aは、開口106a
に回転自在に支持されている。カム部165bは、第1
側カバー106の裏面との間に装着された波板ばね16
6により付勢されてブレーキケース155の壁部155
cの背面に密着している。カム部165bの外周面に
は、軸方向に沿って多数の溝165eが全体に形成され
ている。この溝165eに係合するばね部材168が第
1側カバー106の裏面に装着されており、操作つまみ
165を回すとばね部材168が振動してクリック音が
発生するとともに、操作つまみ165の回転位置を保持
する。
【0054】カム部165bのブレーキケース155の
壁部155cに密着する面には、円弧状の1対の傾斜カ
ム溝165c,165dが形成されている。傾斜カム溝
165cは、傾斜カム溝165dの内周側に形成されて
おり、各傾斜カム溝165c,165dは、始点及び終
点が近接しており、始点と終点との間で溝の深さが異な
りその間が徐々に傾斜している。傾斜カム溝165cの
始点及び終点と傾斜カム溝165dの始点及び終点とは
点対称の位置に形成されている。また、両傾斜カム溝1
65c,165dの傾斜方向が逆である。この傾斜カム
溝165c,165dに先端が当接するようにカム軸1
56b,156cが形成されている。このカム軸156
b,156cと、傾斜カム溝165c,165dとコイ
ルばね157とにより移動機構153が構成されてい
る。
【0055】ここでは、操作つまみ165をたとえば時
計回りに回すと、カム軸156b,156cと傾斜カム
溝165c,165dのカム作用により移動支持部材1
56が導電体150に接近する方向に移動し、磁力体1
51が導電体150に接近する。この結果、導電体15
0を通過する磁束の数が増加して全体の制動力が強くな
る。この状態を図8のスプール軸芯Sより上側に示す。
また反時計回りに回すと、コイルばね157により付勢
されて導電体150から離反する方向に移動して全体の
制動力が弱くなる。この状態を図8のスプール軸芯Sよ
り下側に示す。
【0056】制動力調整部152は、スプール軸116
に回転自在に装着され、導電体150をスプール12の
径方向に移動自在に支持する回転部材170と、回転部
材170に支持された導電体150を回転中心側に付勢
する4つのコイルばね171と、回転部材170をスプ
ール軸116に摩擦力により連結する連結機構185と
を有している。
【0057】回転部材170は、スプール軸116に回
転自在に装着される筒状部170aと、筒状部170a
の外周面から放射状に4方向に延びる矩形断面の4本の
ガイド軸170bとを有している。ガイド軸170b
は、導電体150の貫通孔150aを貫通しており、導
電体150を径方向に移動自在に案内し、ガイド軸17
0b回りに回転不能に係止している。ガイド軸170b
の先端にはコイルばね171を係止する係止部170c
が形成されている。コイルばね171は、係止部170
cと導電体150の外周面との間に圧縮状態で配置され
ており、これにより導電体150を回転中心側に付勢す
る。なお、コイルばね171この付勢力は、導電体15
0の自重と略バランスするように設定されている。これ
により、キャスティング時にスプール12の回転途中で
導電体150に作用する遠心力が自重より大きくなる
と、導電体150はスプール12の径方向外方に移動
し、磁力体151に徐々に対向して対向面積が大きくな
り、遠心力と回転速度とに応じて制動力が徐々に増加す
る。
【0058】連結機構185は、回転部材170をスプ
ール12と所定以下のトルクで連動して回転させるもの
であり、スプール軸116と回転部材170との間の伝
達トルクを所定以下に制限することにより、高速回転に
よる過剰な制動力の増加を抑えるために設けられてい
る。連結機構185は、筒状部170aとスプール12
との間に配置されたコイルばね186と、コイルばね1
86によりボス部170aに向けて押圧されるディスク
部材187と、回転部材170のスプール軸方向外方へ
の移動を規制するための止め輪188とを有している。
ディスク部材187は、スプール軸116に軸方向移動
自在かつ回転不能に装着されている。コイルばね186
は、スプール軸116の段差部116bに装着されたワ
ッシャ189により係止され、収納空間184内でスプ
ール軸116の外周側に圧縮状態で配置されている。こ
のコイルばね186の付勢力によりボス部170aに向
けてディスク部材187が押圧され、止め輪188で受
けられた回転部材170がディスク部材187との摩擦
力によりスプール軸116と連結される。このような連
結機構185を介してスプール軸と回転部材170とを
連結することにより、高速回転時に制動力が所定以上に
なり伝達トルクが大きくなると、回転部材170がスリ
ップして制動力の過剰な増加を抑えることができ、マグ
ネットブレーキ機構123においても実施形態1と同様
に飛距離の低下を抑えることができる。
【0059】〔リールの動作〕キャスティングを行う場
合には、バックラッシュを抑えるために操作つまみ16
5を回動させて制動力を調整する。全体の制動力をさら
に抑えたい場合には、操作つまみ165を反時計回りに
回してして磁力体151を導電体150から遠ざければ
よい。操作つまみ165を反時計回りに回転させると、
カム軸156b,156cが傾斜カム溝165c,16
5dの溝深さが浅い方から深い方に当接していき、コイ
ルばね157により移動支持部材156が押圧されて磁
力体151が導電体150から離反する方向に移動し、
導電体150を通過する磁力体151からの磁束の数が
減少して全体の制動力が弱くなる。
【0060】逆に全体の制動力を大きくしたい場合に
は、操作つまみ165を時計回りに回して磁力体151
を導電体150に近づければよい。操作つまみ165を
時計回りに回転させると、カム軸156b,156cが
傾斜カム溝165c,165dの溝深さが深い方から浅
い方に当接していき、コイルばね157の付勢力に抗し
て操作つまみ165がカム部165bを介して移動支持
部材156を押圧し、導電体150に接近する方向に磁
力体151が移動し、導電体150を通過する磁力体1
51からの磁束の数が増加して全体の制動力が強くな
る。
【0061】続いて、クラッチ操作レバー17を下方に
押す。クラッチ操作レバー17の移動によりクラッチヨ
ーク40が外方に移動し、ピニオンギア32が同方向に
移動する。この結果、クラッチオフ状態となる。このク
ラッチオフ状態では、ハンドル軸30からの回転はスプ
ール12及びスプール軸116に伝達されず、スプール
12は自由回転状態になる。クラッチオフ状態としてク
ラッチ操作レバー17に置いた親指でスプールをサミン
グしながらスプール軸116が鉛直面に沿うようにリー
ルを軸方向に傾けて釣り竿を振ると、ルアーが投げられ
スプール12が糸繰り出し方向に勢いよく回転する。
【0062】このような状態では、スプール12の回転
によりスプール軸116が糸繰り出し方向に回転し、そ
の回転が連結機構185を介して回転部材170に伝達
される。回転部材170が回転して導電体150に作用
する遠心力が自重を超えるまでは、つまりキャスティン
グ初期には、導電体150は径方向外方に移動しない。
このため、導電体150は磁力体151に対向せず、導
電体150を通過する磁束はほとんどない。したがっ
て、導電体150に渦電流がほとんど生ぜず、スプール
12に対して制動力はほとんど作用せず、キャスティン
グ初期でスプール12の回転速度が速くなる。
【0063】キャスティング中期に遠心力が導電体15
0の自重を超えると、コイルばね171の付勢力に抗し
て導電体150が遠心力によりガイド軸170bに案内
されて径方向外方に移動する。この移動量は作用する遠
心力の大きさ、つまり回転数の二乗に比例して変化す
る。この結果、磁力体151に対向する導電体150の
面積が変化しさらに導電体150の回転数も変化するの
で、導電体150を通過する磁束の数が回転速度に加え
て対向面積の増加により多くなり、渦電流の発生が多く
なりキャスティング中期での制動力が強くなる。
【0064】しかし、制動力が所定以上になり伝達トル
クが所定トルクを超えると、回転部材170がスリップ
してそれ以上制動力が増加しない。このため、過剰な制
動力の上昇を抑えることができ、それによる飛距離の低
下を抑えることができる。キャスティング後期にスプー
ル12の回転がピークを超えると、導電体150が徐々
にスプール12の回転中心側に戻り、制動力が弱くな
る。
【0065】ここでは、導電体150は、遠心力が作用
する方向、つまりスプール12の径方向に移動するの
で、遠心力が導電体150に作用すると導電体150は
ガイド軸170bに案内されてスムーズに径方向外方に
移動する。また、移動するのは導電体150だけである
ので、構成が簡素でコストの低減を図れ、かつ摩擦によ
るロスも少なくなり、さらにスムーズに導電体150が
移動する。
【0066】また、重さが異なるルアーに取り替えると
きには、ルアーの重さに応じて操作つまみ165を回動
させ全体の制動力を調整する。ここでは、外部に露出し
た操作つまみ165を回動するだけで磁力による制動力
を細かく簡単に調整できる。 〔実施形態3〕前記2つの実施形態では、連結機構の設
定トルクは一度設定するとコイルばねを交換しないと変
更できないが、設定トルクを調整できるようにしてもよ
い。なお、この実施形態3では、遠心ブレーキ機構の制
動力をリール外部から調整する機構は装着されていな
い。
【0067】図11において、本発明の実施形態3によ
る遠心ブレーキ機構223は、ブレーキケース255に
固定されたブレーキライナ257と、ブレーキライナ2
57の内周側に同芯に配置されスプール軸216に回転
自在に装着された回転部材253と、回転部材253に
径方向に移動自在に装着された複数(例えば6つ)の移
動部材252と、回転部材253をスプール軸216に
摩擦力により連結する連結機構285とを備えている。
【0068】ブレーキライナー257は、たとえば銅系
合金製の薄肉円筒状部材であり、ブレーキケース255
の内周面に固定されている。ブレーキケース255は、
有底短筒状の部材であり、その内側底部に軸方向内方に
突出する筒状の軸受収納部255aが形成されている。
軸受収納部255aは、この内周側にスプール軸216
を支持する軸受235aが配置され、キャスティングコ
ントロール機構22の摩擦プレート47が装着されてい
る。
【0069】回転部材253は、スプール軸216に固
定されたボス部253aと、ボス部253aから軸受収
納部255aの外周側に延びる円筒部253bと、円筒
部253bの延びた一端の外周面から径方向外方に突出
した厚肉リング状の円板部253cとを有している。円
板部253cの外周部には、図12に示すように、周方
向に等間隔に形成された、たとえば3つのガイド凹部2
70が形成されている。ガイド凹部270は、移動部材
252を収納するとともに、移動部材252をブレーキ
ライナ257に接触可能な作用状態と接触不能な非作用
状態とに切り換えるために設けられている。各ガイド凹
部270の底部には、移動部材252を案内するための
2本のガイド軸256が回転方向に間隔を隔てかつ径方
向に沿って放射状に立設されている。ガイド軸256に
は、移動部材252が軸方向に移動自在に装着されてい
る。ガイド凹部270の壁面には、径方向に間隔を隔て
て2つの突起部270a,270bが形成されている。
【0070】移動部材252は、概ね鍔付き円筒形状の
弾性を有する合成樹脂製の部材である。移動部材252
は、回転部材253に立設されたガイド軸252に径方
向に摺動自在に設けられ、スプール12の回転による遠
心力によりブレーキライナ257に接触するものであ
る。移動部材252の鍔部252aは、突起部270
a,270bに係止されて、ブレーキライナ257に接
触可能な状態と接触不能な状態とに切り換えられる。
【0071】連結機構285は、回転部材253をスプ
ール軸216に摩擦力により連結し、回転部材253を
スプール12と所定以下のトルクで連動して回転させる
ものであり、スプール軸216から回転部材253への
伝達トルクを所定以下に制限することにより、高速回転
による過剰な制動力の増加を抑えるために設けられてい
る。連結機構285は、コイルばね286と、コイルば
ね286によりボス部253aに向けて押圧されるディ
スク部材287と、回転部材253のスプール軸方向内
方への移動を規制するためのワッシャ288と、コイル
ばね286のばね力を調整するための1対のナット部材
289a,289bとを有している。コイルばね286
は、ナット部材289bとディスク部材287との間で
スプール軸216の外周側に圧縮状態で配置されてい
る。ディスク部材287は、スプール軸216に軸方向
移動自在かつ回転不能に装着されている。ワッシャ28
8は、スプール軸216の段差部に接触して回転部材2
53のスプール軸方向内方への移動を規制している。ナ
ット部材289a,289bは、スプール軸216の軸
受235a装着部の内側に形成された雄ねじ部216b
に螺合しており、緩み止めのためのダブルナットを構成
している。この両ナット部材289a,289bを回す
ことによりコイルばね286のばね力を調整できる。こ
れにより、伝達トルクの設定値を任意に設定でき、最大
制動力を任意にできる。
【0072】〔リールの動作〕キャスティングを行う
と、ルアーの自重によりスプール12が糸繰り出し方向
に回転する。このスプール12の回転によりスプール軸
216が糸繰り出し方向に回転し、その回転が連結機構
285を介して回転部材253に伝達される。回転部材
253が回転すると、移動部材252がブレーキライナ
257に摺接して遠心ブレーキ機構223によりスプー
ル12が制動されバックラッシュを防止できる。このキ
ャスティング中期の最高速付近でスプール12が回転す
るとき、連結機構285によりスプール軸216と回転
部材253との間の伝達トルクが制限されるので、所定
以上の制動力が作用しようとすると、回転部材253が
スプール軸216に対してスリップして過剰な制動力の
増加を抑えることができる。このため、前記2つの実施
形態と同様に過剰な制動力によるルアーの飛距離の低下
を防止できる。
【0073】また、第1側カバー6をフレーム5から外
して、スプール12をリール本体1から取り出すと、ナ
ット部材289a,289bにより連結機構285の設
定トルクを調整できる。すなわち、ナット部材289a
を一端緩めてからナット部材289bをいずれかの方向
に回すことによりコイルばねを伸縮させてそのばね力を
調整できる。これにより、ディスク部材287が回転部
材253のボス部253aを押圧する力が変化し、伝達
トルクが変化する。そして、設定が終了するとナット部
材289aを締めて両ナット部材289a,289bを
逆方向に回してロックする。これによりナット部材28
9a,289bが緩みにくくなり、一度設定された伝達
トルクが変動しなくなる。
【0074】[他の実施形態] (a) 前記3つの実施形態では、コイルばねによる付
勢力による摩擦力により回転部材をスプール軸と連結し
たが、連結機構はコイルばねに限定されず、たとえばO
リングなどの弾性体を用いた連結や磁石などの磁力を用
いた連結であってもよい。
【0075】図13には、Oリング386a,386b
により連結機構385を構成した場合の構成を開示して
いる。遠心ブレーキ機構323の回転部材353のボス
部353aの両側には、Oリング386a,386bを
収納するための環状凹部353e,353fが形成され
ている。環状凹部353eは、回転部材353の軸方向
の移動を規制するための止め輪388により塞がれてい
る。また、環状凹部353fは、スプール軸316の段
差により塞がれている。この閉鎖された2つの環状凹部
353e,353fに連結機構385を構成するOリン
グ386a,386bが圧縮状態で装着され、回転部材
353とスプール軸316との間での伝達トルクを所定
以下に規制している。このようにOリングなどの弾性体
を用いると、伝達トルクを制限する連結機構を簡素な構
成で実現できる。
【0076】(b) 前記実施形態1及び3では、遠心
力によりスプールの径方向に移動部材が移動する遠心ブ
レーキ機構を例示したが、スプール回転方向に接する軸
回りに移動部材が揺動する遠心ブレーキ機構にも本発明
を適用できる。 (c) 前記実施形態2では、スプールの径方向に導電
部材が移動する可変マグネットブレーキ機構を例示した
が、スプールの軸方向に筒状の導電部材が移動するマグ
ネットブレーキ機構やスプールと導電部材とが一体のマ
グネットブレーキ機構にも本発明を適用できる。さら
に、マグネットブレーキ機構において、導電部材をリー
ル本体に固定し磁石を回転自在に構成した場合には、磁
石を装着した回転部材とスプール軸との間に連結機構を
配置すればよい。
【0077】(d) 前記実施形態では、ブレーキシュ
ーがリール本体に介して回転不能であったが、ブレーキ
シューをスプールに連動して回転させ、ブレーキシュー
に対して制動力が作用するように構成してもよい。
【0078】
【発明の効果】本発明によれば、連結手段によりスプー
ルと第1制動手段との間の伝達トルクが制限されるの
で、所定以上のトルクがスプールと第1制動手段との間
で伝達されなくなる。このため、スプールに作用する制
動力が制限され、キャスティング時の過剰な制動力の発
生を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を採用した両軸受リールの
斜視図。
【図2】その断面図。
【図3】遠心ブレーキ機構の分解斜視図。
【図4】遠心ブレーキ機構の断面拡大図。
【図5】移動部材の装着状態を示す断面拡大図。
【図6】移動部材の装着状態を示す断面側面図。
【図7】制動部材が最もスプールから離反したときの図
4に相当する図。
【図8】実施形態2の図4に相当する図。
【図9】図8のIX−IX断面図。
【図10】マグネットブレーキ機構の分解斜視図。
【図11】実施形態3の図4に相当する図。
【図12】実施形態3の回転部材の正面図。
【図13】他の実施形態の図4に相当する図。
【符号の説明】
1 リール本体 12 スプール 16,116,216,316 スプール軸 23,123,323 遠心ブレーキ機構 51 制動部材 52a〜52f,252 移動部材 53,153,253,353 回転部材 56a〜56f ガイド軸 54,153 移動機構 57,257 ブレーキシュー 59 切換機構 60a〜60f 凹部 61 抜け止め突起 62,92a〜92f 固定突起 64,94 移動突起 70 制動つまみ 74 回転カム機構 85,185,285,385 連結機構 86,186,286 コイルばね 87,187,287 ディスク部材 150 導電体 151 磁力体 286 Oリング

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】リール本体に対して回転自在なスプールを
    制動する両軸受リールのスプール制動装置であって、 前記スプールに対して回転自在な第1制動手段と、 前記第1制動手段を前記スプール又は前記スプールと連
    動して回転する連動部材に摩擦力により連結し、前記第
    1制動手段を前記スプールと所定以下のトルクで連動し
    て回転させる連結手段と、 前記リール本体に対して回転不能であり、前記第1制動
    手段を制動する第2制動手段と、を備えた両軸受リール
    のスプール制動装置。
  2. 【請求項2】前記第1制動手段は、前記スプールに対し
    て回転自在な回転部材と、前記回転部材に移動自在に装
    着され前記回転部材に作用する遠心力により移動する複
    数の移動部材とを有し、 前記第2制動手段は、移動する前記複数の移動部材に接
    触可能に配置され、前記リール本体に対して回転不能で
    ある、請求項1に記載の両軸受リールのスプール制動装
    置。
  3. 【請求項3】前記移動部材は、前記スプールの径方向に
    移動自在に前記回転部材に装着され、 前記第2制動手段は、前記移動部材の移動方向外方に配
    置され、内周面が前記移動部材に接触可能な筒状部材で
    ある、請求項2に記載の両軸受リールのスプール制動装
    置。
  4. 【請求項4】前記移動部材の少なくとも一つは、他のも
    のと前記筒状部材との接触位置が前記スプールの軸方向
    にずれて配置されており、 前記筒状部材は、前記移動部材の全てに接触可能な位置
    と、前記接触位置がずれて配置されされた移動部材に接
    触不能な位置とに前記リール本体に前記スプールの軸方
    向に移動自在に装着され、 前記筒状部材を前記スプール軸方向に往復移動可能な往
    復移動手段をさらに備える、請求項3に記載の両軸受リ
    ールのスプール制動装置。
  5. 【請求項5】前記複数の移動部材のうち少なくとも一つ
    は、前記第2制動手段に接触可能な状態と接触不能な状
    態とに切換可能に前記回転部材に装着されている、請求
    項2から4のいずれかに記載の両軸受リールのスプール
    制動装置。
  6. 【請求項6】前記第1制動手段は、前記スプールに対し
    て回転自在な非磁性導電体製の回転部材であり、前記第
    2制動手段は、前記回転部材に対向して配置された複数
    の磁極を有し、前記リール本体に対して回転不能な磁性
    部材を有し、 前記磁性部材を前記回転部材と接離する方向に往復移動
    させる往復移動手段をさらに備える、請求項1に記載の
    両軸受リールのスプール制動装置。
  7. 【請求項7】前記連動部材は、前記スプールの中心を貫
    通し前記スプールが回転不能に装着されたスプール軸で
    あり、 前記回転部材は、前記スプール軸に回転自在に装着さ
    れ、 前記連結手段は、前記回転部材と前記スプール軸との間
    に圧縮状態で装着された弾性体製のOリングである、請
    求項2から6のいずれかに記載の両軸受リールのスプー
    ル制動装置。
  8. 【請求項8】前記連結手段は、前記回転部材を前記連動
    部材に向けて押圧する押圧手段である、請求項2から6
    のいずれかに記載の両軸受リールのスプール制動装置。
  9. 【請求項9】前記スプールは中心を貫通するスプール軸
    に回転不能に装着され、 前記回転部材は、前記スプール軸に回転自在に装着さ
    れ、 前記押圧手段は、一端が前記スプール軸に軸方向移動不
    能に装着されたばね部材と、前記ばね部材の他端と前記
    回転部材との間に配置された摩擦部材とを有する、請求
    項8に記載の両軸受リールのスプール制動装置。
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