JPH10304797A - 両軸受けリールの遠心制動装置 - Google Patents

両軸受けリールの遠心制動装置

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JPH10304797A
JPH10304797A JP1722198A JP1722198A JPH10304797A JP H10304797 A JPH10304797 A JP H10304797A JP 1722198 A JP1722198 A JP 1722198A JP 1722198 A JP1722198 A JP 1722198A JP H10304797 A JPH10304797 A JP H10304797A
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spool
annular
brake
braking
side plate
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JP1722198A
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Atsuto Okada
厚人 岡田
Toshihiko Hogaki
敏彦 穂垣
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Ryobi Ltd
Original Assignee
Ryobi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 両軸受けリールの遠心制動装置の制動力にム
ラが生じないようにする。 【解決手段】 スプール4の一端に遠心力により移動自
在にブレーキ錘31を設ける。リール本体側には環状制
動体32を設ける。環状制動体をスプールの回転軸芯L
方向に移動可能に調整手段を設ける。環状制動体と調整
手段との対向面の何れか一方にカム面38を形成し、他
方に係合突起36を設ける。カム面と係合突起とを、環
状制動体の半径方向上において環状制動体へのブレーキ
錘の当接位置又はこれよりも外側に形成する。このため
環状制動体が回転軸芯に対し垂直になり、安定した制動
力が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、両軸受けリールに
設けられる遠心制動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の両軸受けリールにおける遠心制動
装置としては、特開昭57−22637号公報、実開平
3−79665号、特開平8−322440号公報が開
示するようなものがある。
【0003】実開平3−79665号公報に記載された
遠心制動装置は、スプールの一端に放射方向に設けられ
たピン又は案内溝にブレーキ錘を摺動自在に装着し、ス
プールの回転に伴う遠心力によってブレーキ錘をリール
本体に設けた制動筒の内周制動面に当接させ、これによ
り釣糸繰り出し時におけるスプールの過回転を防止しよ
うとする。
【0004】特開昭57−22637号公報の遠心制動
装置は、二重アーム型レバーであるブレーキ錘をスプー
ルの回転軸芯から離間されかつこの回転軸芯に対して直
角に配置された枢転軸にスプール軸方向面の中を枢転す
るように装着してなるもので、スプールの回転に伴う遠
心力により二重アーム型レバーの一端をスプール側へ枢
転させ、二重アーム型レバーの他端をリール本体に設け
た制動面に当接させ、これによりスプールに制動力を加
えようとする。
【0005】また、特開昭57−22637号公報は、
二重アーム型レバーのブレーキ錘に代えて一アーム型レ
バーのブレーキ錘を用い、該一アーム型レバーの基端を
前述と同様な枢転軸に枢転可能に装着し、スプールの回
転に伴う遠心力によりアーム型レバーの先端をスプール
側へ枢転させ、その側面を蓋外壁に連結した環状ディス
クからなる制動面に当接させるようにした制動装置につ
いても提案している。
【0006】特開平8−322440号公報の遠心制動
装置は、ブレーキ錘の基端をスプールの側面にスプール
の回転軸芯と平行に突出させた枢転軸にスプール軸から
放射方向に枢転可能に装着し、該ブレーキ錘の先端をリ
ール本体に設けた制動筒の内周制動面に当接させるよう
にしている。
【0007】また、従来の遠心制動装置にも制動力を調
整するための手段を備えているものがある。例えば、特
開昭57−22637号公報の遠心制動装置は、制動面
を設けた環状制動体を側板に螺合させて、側板に設けた
調整部材により環状制動体を螺進退させるようになって
おり、二重アーム型レバーの他端が制動面に当接する位
置を移動させることによりスプールヘの制動力を調整し
ようとしている。
【0008】また、実開平3−79665号公報の遠心
制動装置は、遠心力によってブレーキ錘が当接する環状
制動体の当接面をスプール軸方向に漸次径が異なるテー
パ面に形成し、この環状制動体と側板又はこれに取付け
られた環状制動体との対向面の何れか一方にカム面を形
成し、該カム面の作用によって環状制動体のブレーキ錘
に対する位置調整をするようになっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開昭57−
22637号公報の遠心制動装置の様に側板に対して環
状制動体を螺進退させるようにすると、ネジの一回転に
対する環状制動体の移動量が小さいので、制動力の調整
操作が面倒であるという問題がある。
【0010】また、実開平3−79665号公報の遠心
制動装置は、カムを使用するので特開昭57−2263
7号の調整手段を改善するものであるが、この調整手段
は側板内の限られたスペースを有効に利用するために環
状制動体半径上における環状制動体のブレーキ錘が当接
する位置より内側にカム面又はカム当接面を設けている
ことから、調整後の環状制動体の安定性に欠ける。また
環状制動体のスプール回転軸芯に対する直角度を出すこ
とが難しいため安定したブレーキ錘の当接力が得られ
ず、制動力にムラが生じるという問題がある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め、請求項1の発明は、リール本体(1)の両側板
(2、3)間に回転可能に支承されたスプール(4)
と、該スプール(4)の一端にスプールの回転に伴う遠
心力により移動自在に設けられたブレーキ錘(31)
と、該ブレーキ錘(31)が上記遠心力による移動に伴
って当接しうるように上記側板(2)に設けられた環状
制動体(32)と、該環状制動体(32)をスプール
(4)の回転軸芯(L)方向に移動可能に上記側板
(2)に設けられた調整手段(100)とを備え、上記
環状制動体(32)と上記側板(2)又は上記調整手段
(100)との対向面の何れか一方に形成されたカム面
(38)と他方に形成された上記カム面(38)への係
合突起(36)とによって上記側板(2)に対して環状
制動体(32)を移動させ位置決めしうるようにした両
軸受けリールの遠心制動装置において、上記カム面(3
8)と上記係合突起(36)とが、上記環状制動体(3
2)の半径方向上において環状制動体(32)への上記
ブレーキ錘(31)の当接位置又はこれよりも外側に形
成された両軸受けリールの遠心制動装置を採用してい
る。
【0012】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面
に基いて説明する。
【0013】実施の形態1 図1に示されるように、この魚釣り用の両軸受けリール
はリール本体1を有し、その左右の枠板1a、1bに側
板2、3がそれぞれ取り付けられている。そして、釣糸
が巻き付けられるスプール4が、右側の枠板1bと左側
の側板2との間に軸受5、6を介して回転自在に支承さ
れている。
【0014】上記スプール4は、ハンドル7で回される
ようになっており、ハンドル7とは次に述べるような駆
動力伝達系を介し連結されている。枠板1bと側板3と
の間には、ハンドル軸7aとピニオン軸8とが平行に軸
支されている。ハンドル軸7aはハンドル7に一体に結
合されており、その中間にはマスター歯車9がドラッグ
装置10等を介し取り付けられており、ハンドル7を回
せばドラッグ装置10の摩擦抵抗を受けつつマスター歯
車9がハンドル7と共に回転するようになっている。
【0015】ピニオン軸8はスプール4の回転軸芯Lの
延長線上に配置され、その左端は右側の枠板1bにピニ
オン12を介し軸受11aにより軸支され、右端は側板
3に軸受11を介し支持されている。該ピニオン軸8に
は、ピニオン12が回転自在かつ摺動自在に被せられ、
該ピニオン12に上記マスター歯車9が噛み合ってい
る。
【0016】該ピニオン12の一端とスプール4の一端
との間には、クラッチ機構の一部をなす係合凹凸部13
が設けられている。係合凹凸部13が係合するとクラッ
チONとなり、離反するとクラッチOFFとなる。
【0017】クラッチのON・OFF切替操作は次のよ
うな機構によりなされる。すなわち、上記ピニオン12
と枠板1bとの間にはクラッチカム15が相対回転可能
に挿入されている。クラッチカム15には、そのカム面
に接するようにシフター14が重なり合っている。シフ
ター14はピニオン12の環状溝に嵌まり込んでおり、
リール本体1に設けられたピン(図示せず)によりピニ
オン軸8の軸芯上を左右方向に案内されるようになって
いる。ピンにはコイルスプリング(図示せず)が装着さ
れ、係合凹凸部13が係合状態を維持することができる
よう該コイルスプリングがシフター14を介しピニオン
12を常時クラッチONの向きに付勢している。クラッ
チカム15は、左右の枠板1a、1b間に上下方向に回
動可能に掛け渡されたクラッチレバー16により作動す
るようリンク装置を介し駆動連結されている。
【0018】これにより、クラッチレバー16が解放さ
れた状態では、上記図示しないコイルスプリングの付勢
力で、シフター14は図1中実線で示される位置で停止
し、ピニオン12とスプール4との係合凹凸部13を係
合させる(クラッチON)。従って、ハンドル7を回せ
ば、スプール4は巻取方向に回転することになる。上記
クラッチレバー16を指で押し下げると、クラッチカム
15が回動し、そのカム面がコイルスプリングの付勢力
に抗してシフター14を図1中右方向に押し退け、シフ
ター14はピニオン12を伴って右方向に移動する。こ
のため、ピニオン12とスプール4との係合凹凸部13
は互いに離反し(クラッチOFF)、スプール4はフリ
ーになり、仕掛け等の重みで繰出方向に回転することと
なる。
【0019】上記スプール4は、図1に示されるよう
に、その筒軸17の外周に脚部18を介して略鼓型の中
空体である釣糸巻着胴19が取り付けられた構造を有す
る。筒軸17の右端には軸片20が固着され、この軸片
20が右側の枠板1bに軸受5を介して支持されてい
る。また、筒軸17の左端は左側の側板2の方に軸受6
を介して支持されている。これにより、スプール4は筒
軸17の両側を軸受5、6で支えられつつ回転可能であ
る。
【0020】このスプール4は次に述べるようにリール
本体1の両枠板1a、1b間から取り外し可能である。
すなわち、スプール4の右側の軸片20は軸受5の内輪
内に抜き取り可能に挿入されている。また、図1及び図
2に示されるように、左側の枠板1aにはスプール4の
フランジの外径よりやや大きい径のスプール挿入孔21
が形成され、該枠板1aに側板2が着脱手段を介して取
り付けられている。一方、枠板1aには枠板1aと一体
的に環状枠部材22が設けられており、該環状枠部材2
2の周縁にはリム23が形成され、該リム23が上記枠
板1aのスプール挿入孔21の縁に形成されたリム24
に嵌まり込むようになっている。
【0021】着脱手段は、図1〜図3に示されるよう
に、環状枠部材22のリム23の回りから放射状に突設
された係止片25と、該係止片25が係脱する該枠板1
aのスプール挿入孔21回りに設けられた円弧状の掛止
め片26と、該係止片25が嵌まり込む該枠板1aのス
プール挿入孔21回りに設けられた弧状の凹溝21aと
を具備してなるものである。掛止め片26には係止片2
5に対応して切欠27が形成されており、側板2上の係
止片25を切欠27及び凹溝21a内に挿入して側板2
を枠板1aに対して捩じり操作すれば側板2を枠板1a
に対し固定することができ、逆向きに捩じれば側板2を
枠板1aから取り外すことができるようになっている。
側板2を枠板1aから外せば、スプール挿入孔21が開
き、そこからスプール4を取り出すことができる。
【0022】上記スプール4には、次に述べる機械式ブ
レーキ装置により制動力を加えることができる。この機
械式ブレーキ装置は、上記ピニオン軸8を利用してスプ
ール4に制動力を掛けようとするものである。上記ピニ
オン軸8は上記スプール4の回転軸芯Lの延長線上で移
動可能である。スプール4は、該ピニオン軸8の一端と
これに対向する上記側板2とで挟持されている。ピニオ
ン軸8は側板3をその外方に貫通し、該ピニオン軸8の
右端と側板3との間には、バネ片28と、該バネ片28
とピニオン軸8の右端とを包むように側板3上のボス3
aに螺合した袋ナット状の調整つまみ29とが設けられ
ている。調整つまみ29をいずれかの向きに回しバネ片
28のばね力を加減することで、ピニオン軸8と側板2
とでスプール4を挟む力を加減し、スプール4に掛ける
制動力を調節するようになっている。この制動力により
釣糸の繰出し時におけるスプール4の慣性による回転力
が弱められ、バックラッシュの発生が防止されることに
なる。
【0023】この両軸受けリールは、上記機械式ブレー
キ装置に加え、スプール4の左端と側板2との間に遠心
制動装置を備えている。
【0024】この遠心制動装置は、図1〜図3に示され
るように、両側板1a、1b間に回転可能に支承された
スプール4に、その回転軸芯Lから離間した位置におい
て該回転軸芯Lに対して直角な向きの枢転軸30を介し
基端が枢支されたブレーキ錘31と、スプール4の回転
に伴う遠心力により枢転するブレーキ錘31が当接する
ように上記側板2上に設けられた環状制動体32とを備
えている。
【0025】枢転軸30は、スプール4の筒軸17にお
ける一端の外周に固定されたブラケット33に取り付け
られている。ブラケット33はスプール4の回転軸芯L
を挟んで相対向する二箇所に設けられ、それぞれに枢転
軸30が取り付けられている。枢転軸30はスプール4
の回転軸芯Lに対して直角な向きになっているので、ブ
レーキ錘31は回転軸芯Lを含む面内で回動可能であ
る。
【0026】ブレーキ錘31は、スプール4が回転する
ことにより生ずる遠心力でその先端部31bがスプール
4側から側板2側に枢転するようになっている。また、
ブレーキ錘31は、その基部31aと先端との間の中間
部が上記制動体32とは反対側に突出するごとく湾曲形
成されている。このため、ブレーキ錘31は制動体32
の環状内縁に接触することなく、その先端が制動体32
の側面に当接することとなる。
【0027】上記環状制動体32は、次に述べるよう
に、上記側板2に対しスプール4の回転軸芯Lの方向に
位置調整可能に設けられている。すなわち、図1及び図
3に示されるように、上記側板2の環状枠部材22の中
央には棒状のスプール支承部34が設けられ、該スプー
ル支承部34がスプール4の筒軸17内に入り込み軸受
6を介してスプール4を回転可能に支えている。この軸
受6は筒軸17外に離脱可能である。
【0028】スプール支承部34が挿入されるボス状固
定部22aには、円盤35がその軸方向に沿って摺動可
能に取り付けられ、該円盤35における上記ブレーキ錘
31に対向する周縁部に上記環状制動体32が固定され
ている。該環状制動体32はその内周部において円盤3
5にネジで止められ、外周には複数個の舌状の係合突起
36が放射状に設けられている。また、円盤35はスプ
ール支承部34に装着されたコイルスプリング37によ
りブレーキ錘31から離反するような向きに付勢されて
おり、側板2にはこのコイルスプリング37の付勢力に
より押される環状制動体32の係合突起36を背後から
受け止めるカム面38が設けられている。カム面38は
環状制動体32の外周に沿って間欠的に設けられ、それ
ぞれが係合突起36に対応している。各カム面38は円
周上で一定方向に一定角度で傾斜している。したがっ
て、円盤35がボス状固定部22aの回りで回される
と、係合突起36がカム面38に沿って相対的に移動
し、ボス状固定部22a上をその軸方向に移動すること
になる。
【0029】図1中円盤35の回転軸芯Lよりも上側は
円盤35がブレーキ錘31の方に接近してその環状制動
体32がブレーキ錘31に接触可能になった状態を示
し、下側は円盤35がブレーキ錘31から離れ環状制動
体32がブレーキ錘31に接触不能になった状態を示し
ている。この円盤35のボス状固定部22a上での回転
は、側板2に回転可能に軸支されたノブ39の操作によ
り行われるようになっている。ノブ39の軸端には歯車
40が固着され、この歯車40が円盤35の中間部に形
成された歯車41と噛み合っており、ノブ39が回され
ると円盤35がボス状固定部22a上で回転するように
なっている。
【0030】また、上記遠心制動装置においては、図1
及び図3に示されるように、カム面38と係合突起36
とが、環状制動体32の半径方向上において環状制動体
32へのブレーキ錘31の当接位置と略同じか又は外側
に形成されている。このため、カム面38と係合突起3
6とによって環状制動体32はスプール4の回転軸芯L
の方向に円滑かつ確実に移動する。また、環状制動体3
2へのブレーキ錘31の当接面のスプール回転軸芯Lに
対する直角度が確保され、ブレーキ錘31の当接による
制動力が安定する。
【0031】なお、上記カム面38と係合突起36を設
ける位置は側板2と環状制動体32との間で入れ替える
ようにしてもよい。
【0032】実施の形態2 この実施の形態における両軸受けリールの遠心制動装置
は、図4及び図5に示されるように、スプール4の回転
に伴う遠心力によって揺動可能なブレーキ錘31と、上
記遠心カにより揺動する該ブレーキ錘31の先端部31
bが当接するように上記側板2に設けられた環状制動部
32とを備える。
【0033】ブレーキ錘31は、スプール4と一体で回
転するようにスプール軸12aに固定される基部31
a、環状制動部32に当接する先端部31b、及び基部
31aと先端部31bとを連結する弾性部31cとを有
し、スプール4の回転に伴う遠心力により弾性部31c
が弾性変形して先端部31bが環状制動部32に当接す
るように構成される。
【0034】基部31aはスプール軸12aに嵌着され
る筒部と該筒部からその回りへ展開する略円錐台形の脚
部とを有する。弾性部31cは、上記脚部から放射状に
突出する細長片であり、複数本設けられる。先端部31
bは弾性部31cの先端に設けられる錘片であり、水滴
状、球状等に形成される。ブレーキ錘31は例えば軟質
の合成樹脂を射出成形等することで一体的に形成され
る。
【0035】ブレーキ錘31の先端部31b及び弾性部
31cはスプール4が停止している時は図4中仮想線で
示される位置すなわち先端部31bが環状制動部32に
接触しない位置にあるが、スプール4が回転し遠心力が
先端部31bに作用すると弾性部31cが図4中実線で
示される位置へと撓み、先端部31bが環状制動部32
の制動面32aに当接する。弾性部31cの撓み量はス
プール4の回転速度に比例するので、スプール4の回転
速度に応じた適度の制動力をスプール4に加えることが
できる。
【0036】上記環状制動部32は、図4に示されるよ
うな調整手段100により、上記側板2に対しスプール
4の回転軸芯Lの方向に位置調整可能に設けられてい
る。すなわち、上記側板2内の環状枠部材22の中央に
は軸受6を保持するボス部22aが形成され、該ボス部
22aに円盤35が回転軸芯Lの方向に摺動可能に取り
付けられる。この円盤35における上記ブレーキ錘31
の先端部31bに対向する周縁部に、上記環状制動部3
2が固定されている。該環状制動部32はその内周部に
おいて円盤35にネジで止められている。環状制動部3
2の外周には図示しない係合突起が放射状に複数個形成
されている。円盤35は環状枠部材22のボス部22a
に装着されたコイルスプリング37によりブレーキ錘3
1から離反する方向すなわち図1中左方へ付勢されてお
り、側板2にはこのコイルスプリング37の付勢力によ
り押し付けられる環状制動部32の各係合突起を受け止
めるカム面38が設けられている。カム面38は環状制
動部32の外周に沿って間欠的に設けられ、それぞれが
環状制動部32の係合突起に対応している。各カム面3
8は円周上で一定方向に一定角度で傾斜している。した
がって、円盤35がボス部22aの回りで回されると、
環状制動部32の係合突起がカム面38に沿って相対的
に移動し、ボス部22a上をコイルスプリング37の付
勢力に抗してその軸方向に移動することになる。
【0037】図4中円盤35の上記回転軸芯Lよりも上
側は円盤35がブレーキ錘31の方に接近してブレーキ
錘31の先端部31bがスプール4の小さな回転速度で
環状制動部32に接触可能になった状態を示し、下側は
円盤35がブレーキ錘31から離れブレーキ錘31の先
端部31bがスプール4の大きな回転速度でも環状制動
部32に接触不能になった状態を示している。この円盤
35のボス部22a上での回転は、側板2に回転可能に
軸支されたノブ39の操作により行われるようになって
いる。ノブ39の軸端には歯車40が固着され、この歯
車40が円盤35のボス外周に形成された歯車41と噛
み合っており、ノブ39が回されると円盤35がボス部
22a上で回転するようになっている。ノブ39の回転
量の調節により、環状制動部32をブレーキ錘31の先
端部31aに対し接近又は離反させ、制動力を無段階に
加減することができる。
【0038】また、上記カム面38と上記係合突起と
は、図4に示されるように、上記環状制動体32の半径
方向上において環状制動体32への上記ブレーキ錘31
の当接位置と略同じか又は外側に形成されている。これ
により、カム面38と係合突起とによって環状制動体3
2はスプール4の回転軸芯Lの方向に円滑かつ確実に移
動する。また、環状制動体32へのブレーキ錘31の当
接面のスプール回転軸芯Lに対する直角度が確保され、
ブレーキ錘31の当接による制動力が安定する。
【0039】なお、上記カム面38と係合突起を設ける
位置は側板2と環状制動体32との間で入れ替えるよう
にしてもよい。
【0040】実施の形態3 この実施の形態に係る両軸受けリールは、図6及び図7
に示されるような遠心制動装置を左側の側板2と枠板1
aとの間に備える。
【0041】すなわち、スプール4と一体のスプール軸
12aが側板2の内面に形成された円筒状のボス部22
a内に軸受6を介し支承されている。スプール軸12a
にはブレーキ錘31の案内棒42が複数本放射状に固定
され、各案内棒42にブレーキ錘31が摺動可能に取り
付けられている。スプール4が回転するとその回転によ
る遠心力でブレーキ錘31は案内棒42上をその外端方
向にスライドする。
【0042】上記ボス部22aの外周には環状制動体3
2が回り止め状態でスプール4の回転軸芯Lの方向にス
ライド可能に支持されている。環状制動体32にはスプ
ール4側に向かって擂り鉢状に開く円錐面形の制動面3
2aが形成され、この制動面32aにブレーキ錘31が
対向している。上述の遠心力がブレーキ錘31に作用す
ると、ブレーキ錘31は案内棒42上を外向きに滑り制
動面32aに接触し、これによりスプール4に制動力が
加えられることになる。
【0043】制動力は次のような機構により調整可能で
ある。すなわち、上記ボス部22aの外周には調整手段
として円盤状の調整部材43が回転可能に嵌め込まれ、
この調整部材43の正面に上記環状制動体32が対向し
ている。環状制動体32は、ボス部22aに装着された
圧縮コイルスプリング37の付勢力により調整部材43
に押し付けられている。環状制動体32と調整部材43
との対向面にはカム面38と係合突起36とが設けられ
ている。この実施の形態では舌状の係合突起36が環状
制動体32の端面に形成され、該係合突起36が入り込
む溝が調整部材43に形成されると共に該溝内にカム面
38が形成されている。カム面38はスプール4の回転
軸芯Lを中心とする円弧に沿って傾斜している。これに
より、図7の状態において調整部材43がボス部22a
を支点にして回されると、そのカム面38が係合突起3
6を介し圧縮コイルスプリング37の付勢力に抗して環
状制動体32を図7中右方向に移動させる。ブレーキ錘
31は相対的に制動面32aの奥の方に入り込み半径方
向での移動距離が規制される結果、遠心力が低減し、従
って環状制動体32から加えられる制動力も小さくな
る。
【0044】上記調整部材43の外周には歯43aが刻
設され、この歯43aに係合するクリックストップ装置
としての板ばね片45が側板2に取り付けられている。
また、調整部材43の外周からは操作レバー43bが突
出しており、側板2に形成された円弧状窓孔46からこ
の操作レバー43bが側板2外に突出している。側板2
には操作レバー43bの移動方向に沿って制動力の変化
に対応した目盛り47が表示されている。操作レバー4
3bの先を指針として制動力の大きさが目盛り47で示
される。
【0045】また、上記カム面38と上記係合突起36
とは、図7に示されるように、上記環状制動体32の半
径方向上において環状制動体32への上記ブレーキ錘3
1の当接位置と略同じか又は外側に形成されている。こ
れにより、カム面38と係合突起36とによって環状制
動体32はスプール4の回転軸芯Lの方向に円滑かつ確
実に移動する。また、環状制動体32へのブレーキ錘3
1の当接面のスプール回転軸芯Lに対する直角度が確保
され、ブレーキ錘31の当接による制動力が安定する。
【0046】なお、上記カム面38と係合突起36を設
ける位置は調整部材43と環状制動体32との間で入れ
替えるようにしてもよい。
【0047】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、環状制動
体の移動調整用のカム面と係合突起とを環状制動体への
ブレーキ錘の当接位置と略同じ位置か又は該当接位置よ
りも外側の位置に形成したので、カム面と係合突起とに
よって環状制動体をスプールの回転軸芯方向に円滑かつ
確実に移動させることができる。
【0048】また、環状制動体へのブレーキ錘の当接面
のスプール軸芯に対する直角度が確実に確保することが
できるので、ブレーキ錘の当接による制動力を安定させ
ることができ、従って投擲時における釣糸のバックラッ
シュを確実に防止することができ、キャスティング時の
振動や振動音の発生も防止することができる。
【0049】さらに、環状制動体へのブレーキ錘当接面
のスプール軸芯に対する直角度を確実に保持することが
できるので、これに当接するブレーキ錘に偏った力がか
からず、偏った力がかかることによるブレーキ錘の摩
耗、損傷等を防止することができ、耐久性を高めること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る遠心制動装置を備えた両軸受けリ
ールの水平断面図である。
【図2】図1の両軸受けリールの左側の側板を外した状
態における側面図である。
【図3】図1の左側の側板を内側から見た側面図であ
る。
【図4】本発明の実施の形態2の遠心制動装置を備えた
両軸受けリールの水平断面図である。
【図5】図4の両軸受けリールの左側の側板を外した状
態における側面図である。
【図6】本発明の実施の形態3に係る両軸受けリールの
側面図である。
【図7】図6中VII−VII線断面図である。
【符号の説明】
1…リール本体 2、3…側板 4…スプール 31…ブレーキ錘 32…環状制動体 36…係合突起 38…カム面 43…突起 44…錘 100…調整手段 L…スプールの回転軸芯

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リール本体の両側板間に回転可能に支承
    されたスプールと、該スプールの一端にスプールの回転
    に伴う遠心力により移動自在に設けられたブレーキ錘
    と、該ブレーキ錘が上記遠心力による移動に伴って当接
    しうるように上記側板に設けられた環状制動体と、該環
    状制動体をスプールの回転軸芯方向に移動可能に上記側
    板に設けられた調整手段とを備え、上記環状制動体と上
    記側板又は上記調整手段との対向面の何れか一方に形成
    されたカム面と他方に形成された上記カム面への係合突
    起とによって上記側板に対して環状制動体を移動させ位
    置決めしうるようにした両軸受けリールの遠心制動装置
    において、上記カム面と上記係合突起とが、上記環状制
    動体の半径方向上において環状制動体への上記ブレーキ
    錘の当接位置又はこれよりも外側に形成されたことを特
    徴とする両軸受けリールの遠心制動装置。
JP1722198A 1997-03-06 1998-01-29 両軸受けリールの遠心制動装置 Pending JPH10304797A (ja)

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