JP2011147414A5 - - Google Patents

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両軸受リールのドラグ発音装置
本発明は、発音装置、特に、リール本体に回転自在に装着されるハンドル軸と平行な軸回りに釣り糸を巻き取る両軸受リールのドラグ機構が動作すると発音するドラグ発音装置に関する。
両軸受リールには、ドラグ動作時にその旨を釣り人に報知するためのドラグ発音装置が搭載されているものがある。ドラグ発音装置において、スプールが糸繰り出し方向に回転したときのみ発音するものが従来知られている(例えば、特許文献1参照)。従来のドラグ発音装置は、メインギア又はメインギアと連動して回転するギアであるギア部材(回転部材の一例)と、ギア部材に接触・離反する打撃部材と、ギア部材の糸巻取方向の回転により打撃部材をギア部材から離反させる駆動機構と、打撃部材を付勢する付勢部材と、を備えている。ワンウェイクラッチの爪部材には、ハンドル軸が糸巻取方向に回転すると爪部材をラチェットホイールから離反させる挟着板が装着されている。挟着板は、ハンドル軸に装着されたラチェットホイールに摩擦結合している。打撃部材は、リール本体又はワンウェイクラッチの爪部材に揺動自在に装着され、駆動機構として機能する爪部材により、スプールの回転方向に応じて接触位置と離反位置とに揺動する。
このような構成のドラグ発音装置では、スプールが糸巻取方向に回転すると、爪部材を介して打撃部材が離反位置に配置され、無音状態になる。また、糸繰り出し方向に回転すると、爪部材がラチェットホイールに係合してハンドル軸の回転が阻止され、糸繰り出し方向に回転するメインギアが制動されてドラグ機構が動作する。このドラグ機構が動作してメインギアが糸繰り出し方向に回転すると、爪部材により打撃部材が接触位置に配置される。打撃部材が接触位置に配置されると、付勢部材により付勢されて打撃部材がメインギアの糸繰り出し方向の回転により振動して発音する。
実登第2535459号公報
前記従来の構成では、打撃部材がリール本体又は爪部材に揺動自在に装着されている。このため、メインギアが糸繰り出し方向に逆転するとき、発音する寸前に、付勢部材により付勢された打撃部材の先端とギア部材のギア歯の先端とが接触して短時間動けなくなるスタックが発生するおそれがある。スタックが発生すると引っ掛かりが生じ、ドラグ機構がスムーズに動作しないおそれがある。また、スタックが発生すると、ギア部材のギア歯の先端又は打撃部材の先端が磨耗するおそれがある。
本発明の課題は、両軸受リールのドラグ発音装置において、ドラグ機構をスムーズに動作させ、かつ回転部材又は打撃部材の磨耗を低減させることにある。
発明1に係る両軸受リールのドラグ発音装置は、リール本体に回転自在に装着されるハンドル軸と平行な軸回りに釣り糸を巻き取る両軸受リールのドラグ機構が動作すると発音する装置である。ドラグ発音装置は、回転部材と、揺動軸と、打撃部材と、駆動機構と、付勢部材と、を備えている。回転部材は、リール本体にメインギアと一体回転可能に設けられ、外周面に複数の音出し凸部が周方向に間隔を隔てて形成された部材である。揺動軸は、リール本体に設けられている。打撃部材は、音出し凸部から離反した無音位置と、音出し凸部に接触可能な発音位置を超えた位置と、に揺動自在かつ径方向に所定距離移動可能に揺動軸に装着される。駆動機構は、メインギアの糸巻取方向の回転に連動して打撃部材を発音位置から無音位置に揺動させる機構である。付勢部材は、打撃部材を発音位置に付勢する。
このドラグ発音装置では、外周に音出し凸部が設けられた回転部材が糸巻取方向に回転すると、駆動機構により打撃部材が無音位置に配置され、発音しない。逆に、ドラグ機構が動作してメインギアとともに回転部材が糸繰り出し方向に回転すると、付勢部材又は駆動機構の作用により打撃部材が発音位置に配置される。打撃部材が発音位置に配置されると、付勢部材により付勢された打撃部材が複数の音出し凸部との衝突を繰り返してドラグ発音装置が発音する。このドラグ動作時に音出し凸部の先端と打撃部材の先端とが接触してスタックしようとすると、揺動軸に径方向に所定距離移動可能に装着された打撃部材が径方向に移動する。この結果、回転部材と打撃部材とのスタックが回避される。ここでは、打撃部材が揺動軸に径方向に所定距離移動可能に揺動軸に装着されているので、スタックが生じるような接触状態になっても、打撃部材が径方向に逃げてスタックを回避できる。このため、ドラグ機構がスムーズに動作する。また、回転部材又は打撃部材の磨耗を低減できる。
発明2に係る両軸受リールのドラグ発音装置は、発明1に記載の装置において、打撃部材は、揺動軸に装着される装着孔を有し、装着孔は、揺動軸の外径の105パーセント以上115パーセント以下の内径を有する。この場合には、揺動軸の外周面と打撃部材の装着孔の内周面との間にJIS(日本工業規格)等の規格においてすきま嵌めとして規定される隙間を大きく超える隙間が形成されるので、内径と外径との差で規定される所定距離を大きく取れる。
発明3に係る両軸受リールのドラグ発音装置は、発明1又は2に記載の装置において、駆動機構は、メインギアの糸巻取方向と逆方向の回転により打撃部材を無音位置から発音位置に揺動させる。この場合には、駆動機構だけで打撃部材を発音位置から無音位置、無音位置から発音位置の両方向に移動させることができる。このため、付勢部材は発音位置を超えると発音位置に向けて打撃部材を付勢するだけでよい。
発明4に係る両軸受リールのドラグ発音装置は、発明3に記載の装置において、回転部材は、外周面より小径の円形の部材装着部を有し、駆動機構は、部材装着部に摩擦結合して装着可能な円弧状の摩擦結合部と、摩擦結合部から径方向外方に折れ曲がり、先端部が打撃部材に係止される係止部と、含む弾性線材製のクエッションマーク形状の駆動部材を有する。この場合には、回転部材が回転すると、摩擦結合部により駆動部材が回転部材と同方向に回転し、打撃部材を発音位置から無音位置及び無音位置から発音位置に移動させることができる。
発明5に係る両軸受リールのドラグ発音装置は、発明4に記載の装置において、付勢部材は、揺動軸に巻回されるコイル部と、コイル部の一端から延びて打撃部材に係止される第1端部と、コイル部の他端から延びてリール本体に係止される第2端部と、を有する捩りコイルバネである。この場合には、揺動軸に巻回される捩りコイルバネにより打撃部材を付勢しているので、捩りコイルバネが自由状態のときに発音位置となるように打撃部材を配置することにより、コンパクトな構成で打撃部材を振動させることができる。
発明6に係る両軸受リールのドラグ発音装置は、発明5に記載の装置において、付勢部材の第2端部は、リール本体に揺動軸の揺動中心を中心とする円弧状に凹んで形成された係止凹部に係止されている。この場合には、スプールの回転方向が変化してメインギアの回転方向が変化するとき、第2端部が係止凹部内を移動することができる。このため、駆動部材が打撃部材を駆動するのに要する力が小さくてすみ、駆動部材の摩擦結合部の摩擦力を小さくすることができる。この結果、摩擦結合部が回転部材に常時摩擦結合しても、糸巻取時の駆動部材の摩擦結合による回転効率の低下を抑えることができる。
発明7に係る両軸受リールのドラグ発音装置は、発明6に記載の装置において、係止凹部の第1端は、第2端より無音位置から発音位置への揺動方向の上流側に配置され、打撃部材が無音位置にあるとき、付勢部材の第2端部は、係止凹部の第1端に配置され、打撃部材が発音位置にあるとき、第2端部は、係止凹部の第2端に配置される。この場合には、第2端に付勢部材の第2端部が配置されるときに、打撃部材が発音位置に配置されるように付勢部材を構成することにより、発音位置と無音位置との間で付勢部材の付勢力が作用しない。このため、摩擦結合部の摩擦力をさらに小さくすることができ、糸巻き時の摩擦結合による回転力の増加をさらに抑えることができる。
本発明によれば、打撃部材が揺動軸に径方向に所定距離移動可能に装着されているので、スタックが生じるような接触状態になっても、打撃部材が径方向に逃げてスタックを回避できる。このため、ドラグ機構がスムーズに動作する。また、回転部材又は打撃部材の磨耗を低減できる。
本発明の一実施形態が採用された両軸受リールの斜視図。 その平面断面図。 その第2側カバーを外した状態の側面図。 ドラグ発音機構及びドラグ機構を含む回転伝達機構の分解斜視図。 ドラグ機構の断面部分図。 ドラグ発音機構の断面部分図。 打撃部材が無音位置に配置されたときのドラグ発音機構の正面図。 打撃部材が発音位置に配置されたときのドラグ発音機構の正面図。 スタックしようとする接触状態を示す正面部分図。
<リールの一般的な構成>
図1及び図2において、本発明の一実施形態を採用した両軸受リールは、ベイトキャスト用の形の両軸受リールである。両軸受リールは、リール本体1と、リール本体1の側方に配置されたスプール回転用のハンドル2と、ハンドル2のリール本体1側に配置されたドラグ調整用のスタードラグ3とを備えている。
ハンドル2は、板状のアーム部2aと、アーム部2aの両端に回転自在に装着された把手2bとを有するダブルハンドル形のものである。アーム部2aは、図2に示すように、ハンドル軸30の先端に一体回転可能に装着されており、ナット28によりハンドル軸3
0に締結されている。
リール本体1は、例えばアルミニウム合金やマグネシウム合金などの金属製の部材であり、フレーム5と、フレーム5の両側方に装着された第1側カバー6及び第2側カバー7とを有している。リール本体1の内部には糸巻用のスプール12がスプール軸20(図2)を介して回転自在に装着されている。第1側カバー6は、スプール軸方向外方から見て円形であり、第2側カバー7は、交差する2つの円で構成されている。第1側カバー6は、フレーム5に対して開閉自在に装着されている。この開閉時にフレーム5から軸方向外方に離反した後に旋回するように、第1側カバー6は、フレーム5に支持されている。第1側カバー6は、第2側カバー7に設けられた図示しないネジ部材の着脱により開閉する。第1側カバー6には、後述する調整つまみ43が配置される円形の開口部6aが形成されている。第2側カバー7は、ハンドル軸30を回転自在に支持する。
フレーム5内には、図2に示すように、スプール12と、サミングを行う場合の親指の当てとなるクラッチレバー17と、スプール12内に均一に釣り糸を巻くためのレベルワインド機構18とが配置されている。またフレーム5と第2側カバー7との間には、図2及び図3に示すように、ギア機構19と、クラッチ機構21と、クラッチ制御機構22と、ドラグ機構23と、キャスティングコントロール機構24と、ドラグ発音機構(ドラグ発音装置の一例)27と、が配置されている。ギア機構19は、ハンドル2からの回転力をスプール12及びレベルワインド機構18に伝える。クラッチ機構21は、ハンドル2とスプール12とを連結及び遮断する。クラッチ機構21をクラッチオフ状態(遮断状態)にするとスプール12が自由回転可能状態になる。クラッチ制御機構22は、クラッチレバー17の操作に応じてクラッチ機構21をクラッチオン状態(連結状態)とクラッチオフ状態とに制御する。ドラグ機構23は、スプール12の糸繰り出し方向の回転を制動する。キャスティングコントロール機構24は、スプール12の回転時の抵抗力を調整する。ドラグ発音機構27は、スプール12が糸繰り出し方向に回転すると発音する。また、フレーム5と第1側カバー6との間には、キャスティング時のバックラッシュを抑えるための電気制御式のブレーキ機構25が配置されている。
フレーム5は、図1に示すように、所定の間隔をあけて互いに対向するように配置された第1側板8及び第2側板9と、第1側板8及び第2側板9を一体で連結する上連結部10a及び下連結部10bとを有している。第1側板8の中心部よりやや上方には、段差を有する円形の開口8a(図2)が形成されている。この開口8aには、リール本体1を構成するスプール支持部13がねじ止め固定されている。
上連結部10aは、図1に示すように、第1側板8及び第2側板9の外形と同一面に配置されており、下連結部10bは、前後に1対設けられており、外形より内側に配置されている。下連結部10bには、リールを釣り竿に装着するための前後に長い、たとえばアルミニウム合金等の金属製の竿装着脚部4がリベット止めされている。
スプール12は、図2に示すように、両側部に皿状のフランジ部12aを有しており、2つのフランジ部12aの間に筒状の糸巻胴部12bを有している。図2左側のフランジ部12aの外周面は、糸噛みを防止するために開口8aの内周側に僅かな隙間をあけて配置されている。スプール12は、糸巻胴部12bの内周側を貫通するスプール軸20にたとえばセレーション結合により回転不能に固定されている。この固定方法はセレーション結合に限定されず、キー結合やスプライン結合等の種々の結合方法を用いることができる。
スプール軸20は、図2に示すように、たとえばSUS304等の非磁性金属製であり、ハンドル軸30と平行に配置されている。スプール軸20は、第2側板9を貫通して第2側カバー7の外方に延びている。その延びた一端は、第2側カバー7に外方に突出して装着された第2ボス部7bに第1軸受26aにより回転自在に支持されている。またスプール軸20の他端は第2軸受26bにより回転自在に支持されている。スプール軸20の中心には、大径部20aが形成されており、両端に第1軸受26a及び第2軸受26bに支持される第1小径部20b及び第2小径部20cが形成されている。
さらに、図2左側の第2小径部20cと大径部20aとの間の両者の中間の外径を有する部分にブレーキ機構25の磁石62が装着されている。スプール軸20の大径部20aの右端は、第2側板9の貫通部分に配置されており、そこにはクラッチ機構21を構成する係合ピン29が固定されている。係合ピン29は、直径に沿って大径部20aを貫通しており、その両端が径方向に突出している。
クラッチレバー17は、第1側板8及び第2側板9間の後部でスプール12の後方に配置されている。クラッチレバー17は第1側板8及び第2側板9の間で上下方向にスライドする。クラッチレバー17のハンドル装着側には、係合軸17aが第2側板9を貫通して一体形成されている。この係合軸17aは、クラッチ制御機構22に係合している。
レベルワインド機構18は、図2に示すように、スプール12の前方で第1側板8及び第2側板9の間に配置され、外周面に交差する螺旋状溝46aが形成された螺軸46と、釣り糸案内部47と、を有している。釣り糸案内部47は、螺軸46によりスプール軸方向に往復移動して釣り糸を案内する。螺軸46の図2右端には、ギア機構19を構成する第1ギア部材36aが装着されており、第1ギア部材36aは、ハンドル軸30に回転不能に装着された第2ギア部材36bに噛み合っている。このような構成により、螺軸46は、ハンドル軸30の糸巻取方向の回転に連動して回転する。釣り糸案内部47は、螺軸46の回転によりスプール軸方向に往復移動する。
ギア機構19は、ハンドル軸30と、ハンドル軸30に固定されたメインギア31と、メインギア31に噛み合う筒状のピニオンギア32と、第1ギア部材36aと、第2ギア部材36bと、を有している。ハンドル軸30は、第2側板9及び第2側カバー7に軸受15及び軸受16(図5)により回転自在に装着されている。ハンドル軸30は、ローラ型のワンウェイクラッチ86により糸繰り出し方向の回転(逆転)が禁止されている。
ワンウェイクラッチ86は、図5に示すように、第2側カバー7とハンドル軸30との間に装着されている。ワンウェイクラッチ86は、第2側カバー7に外方に突出して装着された第1ボス部7aに回転不能に装着された外輪86aと、ハンドル軸30に回転不能に連結された内輪86bと、外輪86a及び内輪86bの間にくい込み可能な転動体86cと、を有している。メインギア31は、ハンドル軸30に回転自在に装着されており、ハンドル軸30とドラグ機構23を介して摩擦結合されている。
ピニオンギア32は、第2側板9の外方から内方に延び、中心にスプール軸20が貫通する筒状部材であり、スプール軸20に軸方向に移動自在に装着されている。また、ピニオンギア32の図2左端側は、軸受33により第2側板9に回転自在かつ軸方向移動自在に支持されている。ピニオンギア32の図2左端部には係合ピン29に噛み合う噛み合い溝32aが形成されている。この噛み合い溝32aと係合ピン29とによりクラッチ機構21が構成される。また中間部にはくびれ部32bが、右端部にはメインギア31に噛み合うギア部32cがそれぞれ形成されている。
クラッチ制御機構22は、図2及び図3に示すように、ピニオンギア32のくびれ部32bに係合してピニオンギア32をスプール軸20方向に沿って移動させるクラッチヨーク35と、クラッチヨーク35をクラッチレバー17のスライド位置によりクラッチオン位置とクラッチオフ位置とに移動させるクラッチカム34と、を有している。クラッチカム34は、係合軸17aに係合する。クラッチカム34は、クラッチレバー17の図に実線で示すクラッチオン位置から二点鎖線で示すクラッチオフ位置への移動に応じスプール軸20回りに回動する。この回動によりクラッチカム34は、クラッチヨーク35を図2のスプール軸方向外方(図2右方)に移動させる。クラッチヨーク35は、コイルバネ44(図2)によりスプール軸方向内方(クラッチオン方向)に付勢されている。
また、クラッチ制御機構22は、図4に示すように、スプール12の糸巻取方向の回転に連動してクラッチ機構21をクラッチオンさせるクラッチ戻し機構37を有している。クラッチ戻し機構37は、ハンドル軸30に一体回転可能に装着されたラチェットホイール(図2及び図4)38と、ラチェットホイール38により押圧される戻し爪39と、を有している。クラッチ戻し機構37は、ラチェットホイール38の糸繰り出し方向の回転により戻し爪39が動作してクラッチカム34をクラッチオン位置に戻す。これにより、クラッチヨーク35がクラッチオン位置に戻り、ピニオンギア32が図2左方に移動してクラッチ機構21がクラッチオンする。
キャスティングコントロール機構24は、図2に示すようにスプール軸20の両端を挟むように配置された複数の摩擦プレート48と、摩擦プレート48によるスプール軸20の挟持力を調節するための制動キャップ49とを有している。左側の摩擦プレート48は、スプール支持部13内に装着されている。制動キャップ49は、第2側カバー7の第2ボス部7bの外周面に螺合している。
ブレーキ機構25は、図2に示すように、スプール12とリール本体1とに設けられたスプール制動ユニット40と、回転速度センサ(図示せず)と、調整つまみ43と、スプール制動ユニット40を調整つまみ43の操作位置に応じて電気的に制御するマイクロコンピュータからなるスプール制御ユニット(図示せず)と、を有している。スプール制動ユニット40は、スプール12を発電により制動する電気的に制御可能なものである。スプール制動ユニット40は、スプール軸20に回転方向に並べて配置された4つの磁石62を含む回転子61と、回転子61の外周側に対向して配置され直列接続されたたとえば4つのコイル63と、直列接続された複数のコイル63の両端が接続されたスイッチ素子(図示せず)とを備えている。回転速度センサは、スプール12の回転速度を検出して張力を算出するために設けられている。スプール制御ユニットは、スプール支持部13に固定された回路基板70を搭載されている。調整つまみ43は、スプール支持部13に回転自在に装着されている。
<ドラグ機構の構成>
ドラグ機構23は、図2に示すように、スタードラグ3の操作位置に応じてドラグ力が変化し、スプール12の糸繰り出し方向の回転を調整可能に制動する。スタードラグ3は、ハンドル軸30に螺合するナット部3aを有している。
ドラグ機構23は、ハンドル軸30の周囲に設けられている。ドラグ機構23は、図4及び図5に示すように、スタードラグ3のナット部3aにより押圧される、例えば2枚の皿バネ50と、第1ドラグディスク51と、第2ドラグディスク52と、第3ドラグディスク53と、を備えている。皿バネ50は、スタードラグ3と内輪86bとの間に配置され、スタードラグ3の軸方向に移動により変化したバネ力を、内輪86bを介して第1ドラグディスク51に伝達する。第1ドラグディスク51は、ハンドル軸30に一体回転可能に連結されている。また、第1ドラグディスク51は、内輪86bに一体回転可能にかつ軸方向に接触して連結されている。これにより内輪86bがハンドル軸30に対して一体回転可能になる。第2ドラグディスク52は、メインギア31と第1ドラグディスク51との間に両者に接触して配置されている。第3ドラグディスク53は、後述する回転部材54の内部に回転部材54とラチェットホイール38とに接触して配置されている。第2ドラグディスク及び第3ドラグディスク53は、ハンドル軸30に対して回転自在である。ラチェットホイール38は、ドラグ機構23としても機能する。ラチェットホイール38は、ハンドル軸30の外周面に大径に形成された鍔部30aに接触して配置されている。この鍔部30aによりスタードラグ3の押圧力を受けている。
<ドラグ発音機構の構成>
本発明の一実施形態によるドラグ発音機構27は、図4及び図6に示すように、ハンドル軸30にメインギア31と一体回転可能に設けられた音出し用の回転部材54と、リール本体1に設けられた揺動軸55と、打撃部材56と、駆動機構57と、付勢部材58と、を備えている。
回転部材54は、図4及び図5に示すように、ハンドル軸30に回転自在に装着された円板形状の、例えばステンレス合金等の金属製の部材である。回転部材54の外周面には、音出し凸部54aが周方向に間隔を隔てて形成されている。音出し凸部54aは、例えば、山形に形成されている。回転部材54のラチェットホイール38に対向する裏面には、駆動機構57を装着するための部材装着部54b(図5及び図6)が音出し凸部54aより小径に形成されている。部材装着部54bには、環状の装着溝54cが形成されている。また、回転部材54の中心には、ハンドル軸30が貫通可能な貫通孔54dが形成されている。貫通孔54dと外周面との間には、メインギア31と一体回転可能に連結するための2つの連結孔54eが形成されている。連結孔54eは大径部と小径部とを有する段付きの孔である。連結孔54eには、それぞれ、大径部を有する連結ピン59が装着されている。連結ピン59は、連結孔54eとメインギア31に形成された連結孔31aとに嵌合して回転部材54をメインギア31と同じ方向に一体で回転させる。また、部材装着部54bの内周側には、第3ドラグディスク53を収納可能な円形に凹んだディスク収納部54fが形成されている。
揺動軸55は、図4及び図6に示すように、打撃部材56を揺動自在に支持する軸である。揺動軸55は、大径の鍔部55aと小径の揺動支持部55bと、を有する中空のブッシュ形状の、例えばステンレス合金等の金属製の部材である。
フレーム5の第2側板9には、筒状の軸取付ボス9aが第2側カバー7側に突出して形成されている。軸取付ボス9aには、取付カラー90がカラー固定ボルト91により固定されている。この取付カラー90及びカラー固定ボルト91は、リール本体1の第2側板9を構成している。カラー固定ボルト91には、揺動軸55が固定されている。軸取付ボス9aには、カラー固定ボルト91がねじ込まれる第1雌ねじ部9bが形成されている。また、軸取付ボス9aには、取付カラー90の周方向の位置決めを行うための位置決めスリット9cが径方向に沿って形成されている。さらに、カラー固定ボルト91を芯出しするための芯出し部9dが形成されている。
取付カラー90は、例えばポリアセタール等の合成樹脂製の部材であり、打撃部材56の揺動範囲を規制するとともに、付勢部材58の第2端部58cを係止するために設けられている。取付カラー90には、位置決めスリット9cに係合する第1位置決め突起90aが軸取付ボス9aとの対向する裏面に径方向に沿って形成されている。取付カラー90の表面には、打撃部材56を無音位置で位置決めするための第2位置決め突起90bが円弧状に突出して形成されている。また、第2位置決め突起90bの近傍には、付勢部材58の第2端部58cを係止するための係止凹部90cが形成されている。係止凹部90cは、揺動中心Xを中心とする円弧に沿って凹んで形成されている。係止凹部90cの幅は、付勢部材58の線径の1.5倍から2倍の範囲である。取付カラー90の中心には、図6に示すように、カラー固定ボルト91に芯出しされる芯出し孔90dと、芯出し孔90dより大径の頭部収納部90eが形成されている。
カラー固定ボルト91は、頭部収納部90eに収納される大径の頭部91aを有するボルト部材である。カラー固定ボルト91の頭部91aにはドライバ等の工具を係止するための工具係止部91bが例えばマイナス形状に形成されている。カラー固定ボルト91の頭部91aの中心には、軸固定ボルト92がねじ込まれる第2雌ねじ部91cが形成されている。この軸固定ボルト92により打撃部材56がリール本体1に揺動自在に装着される。
打撃部材56は、図7に示す音出し凸部54aから離反した無音位置と、図8に示す音出し凸部54aに接触可能な発音位置を超えてさらに揺動した位置と、に揺動自在に揺動軸55を装着されている。打撃部材56は、板状の概ね雨滴形状の、例えばステンレス合金等の金属製の部材である。ドラグ発音機構27の場合、発音する場合の回転方向は糸繰り出し方向に限定されているため、左右対称の形状ではなく、図4に示すように、先端部の曲率半径が小さい尖った爪部56aは、偏倚して形成されている。すなわち、爪部56aを挟んで外周部の曲率半径が異なっている。
打撃部材56は、揺動軸55に装着される装着孔56bを有している。装着孔56bは、揺動軸55の揺動支持部55bの外径の105パーセント以上115パーセント以下の内径を有している。揺動支持部55bの外径が、例えば3.5mmの場合、装着孔56bの内径は、3.68mmから4mmの範囲である。振動等を考慮すると、揺動軸55の外径が3.5mmの場合、装着孔56bの内径は3.8mm程度が好ましい。この場合、打撃部材56の装着孔56bと揺動軸55との間で最大0.3mmの隙間が形成される。このため、打撃部材56は、揺動軸55の径方向に0.3mm(所定距離の一例)径方向に移動可能に揺動軸55に装着される。したがって、図6では、装着孔56bと揺動支持部55bとの間で、重力により下側に大きな隙間が形成されている。
爪部56aと装着孔56bを挟んで逆側の外周面には、第2位置決め突起90bにより無音位置で位置決めされる位置決め凸部56cが径方向に突出して形成されている。爪部56aに近接した位置には、長円形の係止スリット56dが形成されている。係止スリット56dは、駆動機構57を係止するために形成されている。係止スリット56dから離反した装着孔56bの径方向外方には、付勢部材58を係止するための係止孔56eが形成されている
駆動機構57は、図4に示すように、クエッションマーク形状の駆動部材60を有している。駆動部材60は、図6に示すように、弾性線材製の部材である。駆動部材60は、部材装着部54bの装着溝54cの底部に摩擦結合して装着可能な円弧状の摩擦結合部60aと、摩擦結合部60aから径方向外方に折れ曲がり、先端部が打撃部材56の係止スリット56dに係止される係止部60bとを、含んでいる。摩擦結合部60aの内径は、装着溝54cの外径より小さい。これにより、摩擦結合部60aが装着溝54cに摩擦結合される。摩擦結合部60aの内径が小さいほど摩擦結合部60aの摩擦力は大きくなる。この摩擦力が大きくなると、ハンドル2により糸巻取方向にスプール12の回転させるときに、ハンドルの回転が重くなる。したがって、この摩擦力は可及的に小さいのが好ましい。
付勢部材58は、捩りコイルバネであり、揺動軸55の外周面に巻回されるコイル部58aと、第1端部58bと、第2端部58cと、を有している。第1端部58bは、コイル部58aの一端から延びて打撃部材56の係止孔56eに係止される。第2端部58cは、コイル部58aの他端から延びてリール本体1を構成する取付カラー90の係止凹部90cに係止される。なお、第2端部58cは、打撃部材56が、図7に示す無音位置に配置されると、係止凹部90cの第1端90fに配置され、図8に示す発音位置に配置されると第2端90gに配置される。ここで、係止凹部90cの第1端90fは、第2端90gより、無音位置から発音位置への揺動方向の上流側に配置されている。付勢部材58は、図8に示す発音位置に配置されると、打撃部材56を付勢しない。すなわち、音位置は、付勢部材58が付勢しない位置に設定されている。打撃部材56が回転部材54に押圧されて発音位置を超えてさらに無音位置と逆方向に揺動すると、付勢部材58は、発音位置に向けて打撃部材56を付勢する。
<実釣時のリールの動作>
釣りを行うときは、まず、クラッチレバー17をクラッチオフ位置に操作し、クラッチ機構21をクラッチオフ状態にする。この状態でキャスティングを行い、釣り糸をスプール12から繰り出す。このとき、スプール12は糸繰り出し方向に回転するが、クラッチ機構21がクラッチオフ状態であるので、メインギア31は回転せずドラグ発音機構27は発音しない。仕掛けが着水するとハンドル2を糸巻取方向に僅かに回転させる。すると、クラッチ戻し機構37が動作してクラッチカム34がクラッチオン位置に移動する。クラッチカム34がクラッチオン位置に移動すると、コイルバネ44により押圧されクラッチヨーク35が後退しピニオンギア32がクラッチオン位置に移動し、クラッチ機構21がクラッチオンする。このとき、クラッチレバー17もクラッチカム34に押圧されてクラッチオン位置に戻る。
この状態に仕掛けに魚が掛かるのを待つ。仕掛けに魚が掛かると、釣り人はハンドル2を糸巻取方向に回転させて掛かった魚を取り込む。このとき、メインギア31は糸巻取方向(図3の時計回り)に回転する。すると、回転部材54及び回転部材54に摩擦結合している駆動部材60が糸巻取方向に回転する。駆動部材60が糸巻取方向に回転すると、打撃部材56を図3反時計回りに揺動させる。打撃部材56が反時計回りに揺動すると、無音位置で取付カラー90の第2位置決め突起90bに接触して図7に示す無音位置で位置決めされる。このとき、付勢部材58の第2端部58cは、係止凹部90c内を第2端90gから第1端90fに移動するため、付勢部材58は付勢力を発生しない。このため、駆動部材60の摩擦力は打撃部材56を揺動させるだけの力でよく、小さいものでよい。打撃部材56が無音位置で位置決めされると、駆動部材60は回転を停止し、駆動部材60と回転部材54との間で滑りが発生する。しかし、駆動部材60が打撃部材56を揺動させるのに要する摩擦力が小さいので、摩擦による回転抵抗が小さくなる。このため、糸巻取時の駆動機構57の摩擦結合による回転効率の低下を抑えることができる。
この状態で、仕掛けにかかった魚が、設定されたドラグ力以上の力で釣り糸を引っ張るとドラグ機構23が動作する。すなわち、クラッチオン状態でスプール12が糸繰り出し方向に回転し、メインギア31が糸繰り出し方向(図3反時計回り)に逆転する。しかし、ハンドル軸30はワンウェイクラッチ86により糸繰り出し方向の逆転が禁止されているため、メインギア31が設定されたドラグ力で制動されながら糸繰り出し方向に回転する。メインギア31が糸繰り出し方向に回転すると、回転部材54も同じ方向に回転する。回転部材54が糸繰り出し方向に回転すると、駆動部材60が同じ方向に回転し、駆動部材60が打撃部材56を引っ張って図7に示す無音位置から回転部材54に接触可能な図8に示す発音位置に時計回りに揺動させる。
発音位置に打撃部材56が到達すると、付勢部材58の第2端部58cは、係止凹部90cの第1端90fから第2端90gに移動し、発音位置を超えて打撃部材56が揺動すると付勢部材58は、打撃部材56を発音位置に向けて付勢する。すると、付勢部材58により付勢された打撃部材56が、メインギア31と連動して回転する回転部材54の音出し凸部54aとの衝突を繰り返してドラグ発音機構27が発音する。この発音開始時に、図9に示すように、打撃部材56と音出し凸部54aの先端とがスタックが生じるように接触状態になっても、打撃部材56は、揺動軸55との間に径方向に所定距離(例えば、0.3mm)移動可能である。このため、音出し凸部54aが打撃部材56を押圧すると、打撃部材56が逃げてスタックが回避される。
<特徴>
(A)ドラグ発音機構27は、リール本体1に回転自在に装着されるハンドル軸30と平行な軸回りに釣り糸を巻き取る両軸受リールのドラグ機構23が動作すると発音する装置である。ドラグ発音機構27は、回転部材54と、揺動軸55と、打撃部材56と、駆動機構57と、付勢部材58と、を備えている。回転部材54は、ハンドル軸30にメインギア31と一体回転可能に設けられ、外周面に複数の音出し凸部54aが周方向に間隔を隔てて形成された部材である。揺動軸55は、リール本体1に設けられている。打撃部材56は、音出し凸部54aから離反した無音位置と、音出し凸部54aに接触可能な発音位置を超えた位置と、に揺動自在かつ径方向に所定距離移動可能に揺動軸55に装着される。駆動機構57は、メインギア31の糸巻取方向の回転に連動して打撃部材56を発音位置から無音位置に揺動させる機構である。付勢部材58は、打撃部材を発音位置に付勢する。
このドラグ発音機構27では、外周に音出し凸部54aが設けられた回転部材54が糸巻取方向に回転すると、駆動機構57により打撃部材56が無音位置に配置され、発音しない。逆に、ドラグ機構23が動作してメインギア31とともに回転部材54が糸繰り出し方向に回転すると、付勢部材58又は駆動機構57の作用により打撃部材56が発音位置に配置される。打撃部材56が発音位置に配置されると、付勢部材58により付勢された打撃部材56が複数の音出し凸部54aとの衝突を繰り返してドラグ発音機構27が発音する。このドラグ動作時に音出し凸部54aの先端と打撃部材56の先端とが接触してスタックしようとすると、揺動軸55に径方向に所定距離移動可能に装着された打撃部材56が径方向に移動する。この結果、回転部材54と打撃部材56とのスタックが回避される。ここでは、打撃部材56が径方向に所定距離移動可能に揺動軸55に装着されているので、スタックが生じるような接触状態になっても、打撃部材56が径方向に逃げてスタックを回避できる。このため、ドラグ機構23がスムーズに動作する。また、回転部材54又は打撃部材56の磨耗を低減できる。
(B)ドラグ発音機構27において、打撃部材56は、揺動軸55に装着される装着孔56bを有し、装着孔56bは、揺動軸55の外径の105パーセント以上115パーセント以下の内径を有する。この場合には、揺動軸55の外周面と打撃部材56の装着孔56bの内周面との間にJIS(日本工業規格)等の規格においてすきま嵌めで規定される隙間を大きく超える隙間が形成されるので、内径と外径との差で規定される所定距離を大きく取れる。
(C)ドラグ発音機構27において、駆動機構57は、メインギア31の糸巻取方向と逆方向の回転により打撃部材56を無音位置から発音位置に揺動させる。この場合には、駆動機構57だけで打撃部材56を発音位置から無音位置、無音位置から発音位置の両方向に移動させることができる。このため、付勢部材58は発音位置を超えると発音位置に向けて打撃部材56を付勢するだけでよい。
(D)ドラグ発音機構27において、回転部材54は、外周面より小径の円形の部材装着部54bを有し、駆動機構57は、部材装着部54bに摩擦結合して装着可能な円弧状の摩擦結合部60aと、摩擦結合部60aから径方向外方に折れ曲がり、先端部が打撃部材に係止される係止部60bと、含む弾性線材製のクエッションマーク形状の駆動部材60を有する。この場合には、回転部材54が回転すると、摩擦結合部60aにより駆動部材60が回転部材54と同方向に回転し、打撃部材56を発音位置から無音位置及び無音位置から発音位置に移動させることができる。
(E)ドラグ発音機構27において、付勢部材58は、揺動軸55に巻回されるコイル部58aと、コイル部58aの一端から延びて打撃部材56に係止される第1端部58bと、コイル部58aの他端から延びてリール本体1に係止される第2端部58cと、を有する捩りコイルバネである。この場合には、揺動軸55に巻回される捩りコイルバネにより打撃部材56を付勢しているので、捩りコイルバネが自由状態のときに発音位置となるように打撃部材56を配置することにより、コンパクトな構成で打撃部材56を振動させることができる。
(F)ドラグ発音機構27において、付勢部材58の第2端部58cは、リール本体1に揺動軸55の揺動中心Xを中心とする円弧状に凹んで形成された係止凹部90cに係止されている。この場合には、スプール12の回転方向が変化してメインギア31の回転方向が変化するとき、第2端部58cが係止凹部90c内を移動することができる。このため、駆動部材60が打撃部材56を駆動するのに要する力が小さくてすみ、駆動部材60の摩擦結合部60aの摩擦力を小さくすることができる。この結果、摩擦結合部60が回転部材54に常時摩擦結合しても、糸巻取時の駆動部材60の摩擦結合による回転効率の低下を抑えることができる。
(G)ドラグ発音機構27において、係止凹部90cの第1端は、第2端より記無音位置から発音位置への揺動方向の上流側に配置され、打撃部材56が無音位置にあるとき、付勢部材58の第2端部58cは、係止凹部90cの第1端90fに配置され、打撃部材56が発音位置にあるとき、第2端部58cは、係止凹部90cの第2端90gに配置される。この場合には、第2端90gに付勢部材58の第2端部58cが配置されるときに、打撃部材56が発音位置に配置されるように付勢部材58を構成することにより、発音位置と無音位置との間で付勢部材58の付勢力が作用しない。このため、摩擦結合部60aの摩擦力をさらに小さくすることができ、糸巻き時の摩擦結合による回転力の増加をさらに抑えることができる。
<他の実施形態>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(a)前記実施形態では、回転部材54に駆動機構57を摩擦結合させたが、本発明はこれに限定されない。例えば、メインギア31に駆動機構57を摩擦結合してもよい。
(b)前記実施形態では、駆動機構により発音位置から無音位置及び無音位置から発音位置に打撃部材を移動させたが、本発明はこれに限定されない。例えば、駆動機構で発音位置から無音位置まで移動させ、付勢部材で無音位置から発音位置に移動させてもよい。この場合、駆動機構の付勢力を付勢部材の付勢力より大きくする必要がある。
(c)前記実施形態では、駆動機構をメインギアと一体回転する部材に装着した駆動部材で構成したが、本発明はこれに限定されない。例えば、ラチェットホイールに爪部材を噛み合わせて爪式のワンウェイクラッチを構成する場合、爪部材にラチェットホイールを挟持する挟持板を設ける。そして、この爪部材を駆動機構として用いて打撃部材を発音位置と無音位置とに移動させてもよい。
(d)前記実施形態では、回転部材をハンドル軸に設けてメインギアと一体回転可能に連結したが、本発明はこれに限定されない。例えば、メインギアに噛み合うギア部材を回転部材としてもよい。
(e)前記実施形態では、取付カラー90及びカラー固定ボルト91を、第2側板9を構成する部材として追加した。これにより、既存のリール本体であっても僅かな加工(例えば位置決めスリット9cの加工)を追加するだけで、ドラグ発音機構27を装着できる。しかし、本発明はこれに限定されず、揺動軸が立設された取付カラーをリール本体(例えば第2側板)に一体形成してもよい。この場合にはカラー固定ボルトは不要である。
(f)前記実施形態では、丸形の両軸受リールを例に本発明を説明したが、両軸受リールの形態は、非円形のベイトキャスティングリール、電動リール、レバードラグリール等のどのような形態でもよい。
1 リール本体
23 ドラグ機構
27 ドラグ発音機構
30 ハンドル軸
31 メインギア
54 回転部材
54a 音出し凸部
54b 部材装着部
55 揺動軸
56 打撃部材
56b 装着孔
57 駆動機構
58 付勢部材
58a コイル部
58b 第1端部
58c 第2端部
60 駆動部材
60a 摩擦結合部
60b 係止部
61 回転子
90c 係止凹部
90f 第1端
90g 第2端

Claims (1)

  1. 前記付勢部材の前記第2端部は、前記リール本体に前記揺動軸の揺動中心を中心とする円弧状に凹んで形成された係止凹部に係止されている、請求項に記載の両軸受リールのドラグ発音装置。
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