JP4221243B2 - 釣り用リールのスプールのアルマイト処理方法 - Google Patents

釣り用リールのスプールのアルマイト処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スプールアルマイト処理方法、特に、釣り糸を巻き取るための釣り用リールのスプールアルマイト処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
釣り用リールのスプール、特に、アルミニウム合金製のスプールには、表面にアルマイト層が形成されることが多い。アルマイト層は、アルミニウム合金を陽極酸化処理して形成される表面処理膜層である。このようなアルマイト層を形成するアルマイト処理は、硫酸等の電解質溶液中にアルミニウム合金製部材を浸漬し、アルミニウム合金製部材に陽極側の電極を係止して直流電解すると、アルミニウム合金製部材が溶解し、表面にアルマイト層が形成される。このようなアルマイトをスプールの表面に形成すると、アルミニウム合金製のスプールが腐食雰囲気に直接曝されなくなり、耐食性を向上させることができる。
【0003】
このようなアルマイトが形成されたスプールでは、たとえば両軸受リールのスプールでは、釣り糸が巻かれる糸巻胴部と、糸巻胴部の両端に形成されたフランジ部との色調を異ならせるために、スプールに2回のアルマイト処理を行うダブルアルマイト処理が施されたものが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
この種のダブルアルマイト処理は、まずスプール全体に第1アルマイト層を形成する第1アルマイト処理を行い、フランジ部の第1アルマイト層を削除した後さらに第1アルマイト層と異なる第2アルマイト層を形成する第2アルマイト処理を行う。これにより、糸巻胴部の表面には第1アルマイト層が形成され、フランジ部の表面には第2アルマイト層が形成される。したがって、糸巻胴部とフランジ部との色調を異ならせることができるので、外観の意匠性を向上できる。
【0005】
このようなダブルアルマイト処理では、第2アルマイト処理のときの電極を残すために、第1アルマイト処理を行う前にスプールの裏面側等にマスキング処理を施し、この部分に第1アルマイト層を形成しないようにしておく必要がある。そして、第2アルマイト処理を行う前にマスキングを剥離し、この部分に電極を係止し第2アルマイト層を形成する。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−190190号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来のダブルアルマイト処理が施されたスプールでは、第2アルマイト処理のときに電極を係止するために、第1アルマイト処理を行う前にマスキング処理が施されている。このようなマスキング処理では、たとえばスプールの裏面等の一部分にマスキング印刷を付加するマスキング印刷処理を行い、マスキング印刷処理が施された状態で第1アルマイト層が形成される。そして、マスキング印刷を剥離するマスキング印刷剥離処理を行い、さらにエッチング処理を施した後、この部分に電極を係止して第2アルマイト層が形成される。
【0008】
ここでは、第2アルマイト処理のときに電極を係止するための係止部分を設けるために、マスキング印刷処理、マスキング印刷剥離処理、エッチング処理等の多くの処理工程が含まれている。このため、電極を係止する係止部分を形成するのに手間がかかるとともに、それにともなって製造コストが増加するおそれが生じる。
【0009】
本発明の課題は、釣り用リールのスプールのアルマイト処理方法において、容易な工程で第2アルマイト処理のときに電極を係止するための係止部分を形成することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段
発明に係る釣り用リールのスプールのアルマイト処理方法は、筒状部を有する本体部と、筒状部の内周側に形成され電極が係止可能な係止面を有する係止部とにより構成されるスプールをアルマイト処理する釣り用リールのスプールのアルマイト処理方法であって、本体部及び係止部の表面に第1アルマイト層を形成する第1アルマイト処理を施す第1アルマイト処理工程と、第1アルマイト処理により形成された本体部の一部及び係止部の係止面の第1アルマイトを削除すると同時に筒状部の内周側に環状の溝部を切削加工によって形成する第1アルマイト削除処理を施す第1アルマイト削除処理工程と、溝部に形成された係止面に前記電極を係止することによって第1アルマイト削除処理が施された本体部の一部及び係止部の係止面の表面に第2アルマイト層を形成する第2アルマイト処理を施す第2アルマイト処理工程とを備えている。
【0011】
このアルマイト処理方法では、第2アルマイト層は、第1アルマイト層を削除する第1アルマイト削除処理工程の後に第2アルマイト処理工程により形成されるので、容易な工程で電極が係止される係止面を形成できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態を採用した両軸受リールは、図1に示すように、リール本体1と、リール本体1の側方に配置されたスプール回転用のハンドル2と、ハンドル2のリール本体1側に配置されたドラグ調整用のスタードラグ3とを備えている。
【0013】
リール本体1は、図1及び図2に示すように、フレーム5と、フレーム5の両側方に装着された第1側カバー6及び第2側カバー7と、フレーム5の前方を覆う前カバー10とを有している。フレーム5は、所定の間隔をあけて互いに対向するように配置された一対の第1側板8及び第2側板9と、第1側板8及び第2側板9を連結する複数の連結部11とを有している。下側の図示しない連結部には前後に長い竿取付脚部が装着されており、この竿取付脚部においてリール本体1は釣竿に装着される。フレーム5内には、スプール4と、スプール4の外周に釣り糸を均一に巻くためのレベルワインド機構15と、クラッチ機構13を操作するためのクラッチレバー17とが配置されている。フレーム5と第2側カバー7との間には、ハンドル2からの回転力をスプール4に伝えるための回転伝達機構18と、クラッチ機構13と、クラッチレバー17の操作に応じてクラッチ機構13の係脱を行うためのクラッチ係脱機構19と、ドラグ機構21と、スプール4回転時の抵抗力を調節するためのキャスティングコントロール機構22とが配置されている。また、フレーム5と第1側カバー6との間には、キャスティング時のバックラッシュを抑えるための遠心ブレーキ機構23が配置されている。
【0014】
ハンドル2は、図1及び図2に示すように、リール本体1の側方に配置され、釣竿の中心軸にくい違う軸回りに回転自在になっている。ハンドル2は、板状のアーム部2aと、アーム部2aの両端に回転自在に装着された把手2bとを有している。アーム部2aでは、外側面がつなぎ目のない滑らかな面に形成されており、釣り糸が絡みにくくなっている。把手2bはダブルハンドル型になっている。
【0015】
スプール4は、図1、図2及び図5に示すように、両端に設けられた大径のフランジ部4aと、フランジ部4aの間に一体成形され外周に釣り糸が巻かれる糸巻胴部4b(筒状部の一例)と、糸巻胴部4bの内周側で軸方向に一体に形成されスプール軸16に回転不能に固定されたボス部4c(図2参照)と、糸巻胴部4bの内外周を貫通する貫通孔4dと、糸巻胴部4bの内周側の開口側に形成された係止部4eとを有している。スプール4は、アルミニウム合金製の部材であり、後述する第1アルマイト処理及び第2アルマイト処理により形成された第1アルマイト層90及び第2アルマイト層91(図6参照)が表面に形成されている。
【0016】
フランジ部4aは、図2に示すように、糸巻胴部4bの両端に大径に設けられた円板状部材であり、第1側板8及び第2側板9との間に配置されている。第1側板8及び第2側板9には、それぞれ略円形の装着孔8a、9aが形成されており、この装着孔8a、9aに僅かな隙間をあけてフランジ部4aが装着されている。フランジ部4aは、図5に示すように、糸巻胴部4bの両端外周から滑らかに立ち上がるように連続して形成されている。
【0017】
糸巻胴部4bは、図1及び図2に示すように、外周に釣り糸が巻かれる筒状部材である。糸巻胴部4bは、両端部がフランジ部4aと一体成形され、内周部がボス部4cと一体成形されている。
【0018】
ボス部4cは、図2に示すように、糸巻胴部4bの略中央部において内周側に一体成形された部材である。ボス部4cの内周部分は、糸巻胴部4bとの連結部分に比して厚みが厚く形成されている。ボス部4cの内周部分には、スプール軸16が貫通し、相対回転不能に固定されている。
【0019】
貫通孔4dは、図1及び図2に示すように、糸巻胴部4bの周方向に沿って複数箇所に形成されている。貫通孔4dは、図5に示すように、外周側が大径の段付きの円形孔になっている。
【0020】
係止部4eは、図5に示すように、糸巻胴部4bの内周側に環状に突出して形成されている。係止部4eは、係止部4eの内周側に開口するように溝状に形成された溝部4fと、溝部4fに形成された係止面4gとを有している。係止面4gは、後述する第2アルマイト処理を行うとき電極が係止される。また、係止部4eの開口と逆側の壁面4hは、後述する第1アルマイト処理を行うとき電極が係止される。
【0021】
フランジ部4aの内周面、糸巻胴部4bの内周面、ボス部4c及び貫通孔4dの壁面、図6に示すように、表面には第1アルマイト処理による第1アルマイト層90が形成されている。フランジ部4aの外周面、糸巻胴部4bの外周面及び係止部4eの溝部4f、表面には第2アルマイト処理による第2アルマイト層91が形成されている。なお、第1アルマイト層90及び第2アルマイト層91はそれぞれ色調が異なるものとなっており、たとえば第1アルマイト層90は銀色、第2アルマイト層91は金色である。ここでは、銀色の第1アルマイト層90を形成した後に金色の第2アルマイト層91を形成するので、第1アルマイト層90の色調が第2アルマイト層91の色調に影響を及ぼしにくくなる。
【0022】
次に、スプール4のアルマイト処理工程について、図7及び図8を参照しながら詳細に説明する。
【0023】
スプール4のアルマイト処理工程は、図7のステップS1において、第1アルマイト層90を形成する第1アルマイト処理を施す第1アルマイト処理工程が行われる。ここでは、図8(a)に示すように、係止部4eの開口と逆側の壁面4hに陽極側の電極が係止され、硫酸等の電解質溶液中にスプール4を浸漬して直流電解すると、図8(b)に示すように、全表面に第1アルマイト層90が形成される。
【0024】
次に、図7のステップS2において、第1アルマイト層90を削除する第1アルマイト削除処理を施す第1アルマイト削除処理工程が行われる。フランジ部4aの外周面、糸巻胴部4bの外周面においては、旋盤等により第1アルマイト層90を削除する。係止部4eにおいては、第1アルマイト層90の削除と溝部4fの形成を切削加工等により同時に行う。なお、図8(c)に示すように、フランジ部4aの内周面、糸巻胴部4bの内周面、ボス部4c及び貫通孔4dの壁面には、第1アルマイト層90が形成されたままである。
【0025】
そして、図7のステップS3において、第2アルマイト層91を形成する第2アルマイト処理を施す第2アルマイト処理工程が行われる。ここでは、図8(c)に示すように、係止部4eの係止面4gに陽極側の電極が係止され、硫酸等の電解質溶液中にスプール4を浸漬して直流電解すると、図8(d)に示すように、フランジ部4aの外周面、糸巻胴部4bの外周面及び係止部4eの溝部4fの表面に第2アルマイト層91が形成される。これは、アルミニウム合金製のフランジ部4aの外周面、糸巻胴部4bの外周面及び係止部4eの溝部4fの表面が導電体であるので第2アルマイト層91が形成され、第1アルマイト層90が形成されたフランジ部4aの内周面、糸巻胴部4bの内周面、ボス部4c及び貫通孔4dの壁面が導電体でないので、第2アルマイト層91が形成されない。
【0026】
したがって、図6に示すように、フランジ部4aの内周面、糸巻胴部4bの内周面、ボス部4c及び貫通孔4dの壁面には、第1アルマイト層90が形成され、フランジ部4aの外周面、糸巻胴部4bの外周面及び係止部4eの溝部4fの表面には、第2アルマイト層91が形成される。
【0027】
レベルワインド機構15は、スプール4に釣り糸をスプール4の軸方向に沿ってずらしながら巻き付けるためのものである。このレベルワインド機構15は、図2に示すように、螺軸26と、釣糸案内部27と、ガイド部材25とを備えている。螺軸26は、スプール軸16に沿った方向に左右に延び、スプール4の糸繰り出し側でリール本体1に回転自在に支持されている。この螺軸26には、外周面に螺旋状溝26aが形成されている。
【0028】
釣糸案内部27は、図3に示すように、螺軸26に係合する本体部材27aと、本体部材27aの上部に突出して一体成形され嵌合孔27bと、嵌合孔27bにスプール4側から糸繰り出し側に向けて圧入装着される筒状部材28とを有している。嵌合孔27bの糸繰り出し側内周は他の部分に比して小径の小径部27cが形成されており、筒状部材28が圧入されたとき小径部27cに確実に嵌合するようになっている。
【0029】
スプール軸16は、図2に示すように、第2側板9を貫通して第2側カバー7に向けて延びている。この第2側カバー7へと延びたスプール軸16の一端は、第2側カバー7に配置された軸受59aによって回転自在に支持されている。また、スプール軸16の他端は、遠心ブレーキ機構23内で軸受59bによって回転自在に支持されている。軸受59a、59bは、シールドボールベアリングである。
【0030】
クラッチレバー17は、図2に示すように、スプール4の後方で一対の第1側板8及び第2側板9の間に配置されている。このクラッチレバー17には、クラッチプレート40が装着される。クラッチプレート40は、長方形の板状に形成されたレバー装着部40aと、レバー装着部40aの一端に一体に形成されたクラッチ係合部40bとを有している。
【0031】
回転伝達機構18は、図2に示すように、ハンドル軸30と、ハンドル軸30に固定されたメインギア31と、メインギア31に噛み合う筒状のピニオンギア32と、後述する螺軸26の端部に固定された第1ギア50と、第1ギア50に噛み合いハンドル軸30に回転不能に固定された第2ギア51とを有している。ハンドル軸30はスプール軸16と平行に配置されている。ハンドル軸30の一端は第2側板9側に回転自在に支持されており、ハンドル軸30の他端はハンドル2に固定されている。
【0032】
ピニオンギア32は、図2に示すように、中央部をスプール軸16が貫通可能な筒状の部材である。このピニオンギア32は、スプール軸16に軸方向移動自在に装着され、リール本体1に回転自在に支持されている。このように配置されたピニオンギア32は、メインギア31に噛み合う歯部61と、スプール軸16に噛み合う噛み合い部62と、歯部61と噛み合い部62との間に形成されたくびれ部63とを有している。噛み合い部62には凹溝64が端面の直径に沿って形成されており、この凹溝64にスプール軸16を貫通して固定された係合ピン65が係合可能になっている。このように、噛み合い部62と係合ピン65とで構成される機構がクラッチ機構13である。
【0033】
クラッチ機構13において、ピニオンギア32の凹溝64とスプール軸16の係合ピン65とが係合すると、ハンドル軸30からの回転力がスプール4に伝達される。この状態がクラッチオン状態である。一方で、ピニオンギア32が外方に移動して、ピニオンギア32の凹溝64とスプール軸16の係合ピン65とが離脱すると、ハンドル軸30からの回転力はスプール軸16には伝達されない。この状態がクラッチオフ状態である。クラッチオフ状態では、スプール4は自由に回転する。
【0034】
クラッチ係脱機構19は、図2に示すように、クラッチヨーク70と、2本のピン71を立設させたヨーク係合部材73と、スプリング72とで構成されている。クラッチヨーク70は、ピニオンギア32の外周側に配置されており、2本のピン71によってスプール軸16の回転軸に沿った方向に移動可能に支持されている。このとき、クラッチヨーク70は、スプール軸16の回転に連動して回転しないようになっている。クラッチヨーク70は、中央部にギア係合部70aを有しており、このギア係合部70aにおいてピニオンギア32のくびれ部63に係合している。クラッチヨーク70と第2側カバー7との間には、2本のピン71の外周にスプリング72がそれぞれ配置されている。クラッチヨーク70は、スプリング72によって、常にフレーム5の第2側板9側に付勢されている。
【0035】
このようなクラッチ係脱機構19では、クラッチレバー17を下方に移動させると、クラッチプレート40によってクラッチカム74が回転させられる。このクラッチカム74の回転によって、クラッチヨーク70は外方に押圧される。すると、ピニオンギア32の噛み合い部62とスプール軸16の係合ピン65との係合が外れて、クラッチオフ状態になる。一方で、ハンドル2を回転させると、ハンドル軸30の回転に連動して、クラッチカム74の係止孔74bに装着された図示しないカム係合部材によって、クラッチカム74がクラッチヨーク70に対して相対回転する。すると、クラッチヨーク70の押圧が解除され、ピニオンギア32の噛み合い部62とスプール軸16の係合ピン65とが係合して、クラッチオン状態になる。
【0036】
ドラグ機構21は、図2に示すように、メインギア31を押圧する摩擦プレート75と、スタードラグ3の回転操作によってメインギア31に摩擦プレート75を所定の力で押圧するための押圧プレート77とを有している。
【0037】
キャスティングコントロール機構22は、図2に示すように、スプール4回転時の抵抗力を調節するための機構であり、第2側カバー7側に調整用のつまみを有している。キャスティングコントロール機構22は、図4に示すように、外周につまみが装着され内周に軸受59aを支持する筒状部22aと、筒状部22aの先端部に一体成形された装着部22bとを有している。装着部22bは、第2側カバー7に形成された装着孔7aに接着又はかしめ固定されている。ここでは、第2側カバー7と筒状部22a及び装着部22bとが別体で形成されているので、第2側カバー7をめっき処理した後に装着部22bを接着又はかしめ固定することにより、筒状部22a及び装着部22bにめっき処理が施されることがなくなる。これにより、筒状部22aの寸法変化を抑えることができるので、内周に軸受59aを確実に支持できる。
【0038】
遠心ブレーキ機構23は、ブレーキケース82と、ブレーキケース82内に設置された回転部83と、回転部83に周方向に間隔を隔てて配置された摺動子84とを有している。ブレーキケース82は、第1側板8に形成された円形の開口にバヨネット構造により着脱自在に装着されている。摺動子84は、回転部83の径方向に移動自在になっている。キャスティングコントロール機構22は、スプール軸16の両端を挟むように配置された複数の摩擦プレート80a、80bと、摩擦プレート80a、80bによりスプール軸16の挟持力を調節するためのキャップ81とを有している。スプール軸16の一端に配置された摩擦プレート80aは、ブレーキケース82内に装着されており、スプール軸16の他端に配置された摩擦プレート80bは、キャップ81内に装着されている。
【0039】
このスプール4は、糸巻胴部4bの内周面に第1アルマイト層90が形成され、係止部4eの係止面4gに第2アルマイト層91が形成されている。係止部4eは、糸巻胴部4bの内周側の溝部4f係止面4gが形成され、この係止面4gに第2アルマイト層91を形成するとき電極が係止される。この場合、係止部4eの係止面4gには第2アルマイト層91が形成され、糸巻胴部4bの内周面には第1アルマイト層90が形成されている。
【0040】
ここでは、第1アルマイト層90を形成する第1アルマイト処理を施す第1アルマイト処理工程が行われ、次に、第1アルマイト層90を削除する第1アルマイト削除処理を施す第1アルマイト削除処理工程が行われる。そして、第2アルマイト層91を形成する第2アルマイト処理を施す第2アルマイト処理工程が行われる。このため、従来のように、第2アルマイト層91を形成する前にマスキング処理を施す必要がなくなる。したがって、マスキング処理を施す場合に比して、容易な工程で電極が係止される係止面4gを形成できる。
【0041】
〔他の実施形態〕
(a) 前記実施形態では、釣り用リールのスプールとして、両軸受リールのスプールを例にあげて説明したが、これに限定されるものではなく、たとえばスピニングリールのスプールにも本発明を適用できる。
【0042】
本発明の他の実施形態を採用したスピニングリールは、図1に示すように、ハンドル101を回転自在に支持するリール本体102と、ロータ103と、スプール104とを備えている。ロータ103は、リール本体102の前部に回転自在に支持されている。スプール104は、釣り糸を外周面に巻き取るものであり、ロータ103の前部に前後移動自在に配置されている。
【0043】
スプール104は、アルミニウム合金製の大小2段の円筒状の部材であり、外周に釣り糸が巻かれる筒状の糸巻胴部104aと、糸巻胴部104aの後部に大径に設けられたスカート部104b(筒状部の一例)と、糸巻胴部104aの前端部に装着される大径の前フランジ部104cと、スカート部104bの周方向に沿って形成された複数の貫通孔104dと、スカート部104bの内周側に突出して形成された係止部104eとを有している。
【0044】
係止部104eは、スカート部104bの内周側に環状に突出して形成されている。係止部104eは、係止部104eの内周側に開口するように溝状に形成された溝部104fと、溝部4fの開口と逆側面である係止面104gとを有している。係止面104gは、第2アルマイト処理を行うとき電極が係止される。また、係止部104eの開口と逆側の壁面104hは、第1アルマイト処理を行うとき電極が係止される。
【0045】
糸巻胴部104a、スカート部104b及び前フランジ部104c、表面には第1アルマイト処理による第1アルマイト層が形成されている。貫通孔104dの壁面び係止部104eの溝部104fは、表面には第2アルマイト処理による第2アルマイト層が形成されている。なお、係止部104eの溝部104fを除く部分の表面には、第1アルマイト処理による第1アルマイト層が形成されている。また、第1アルマイト層及び第2アルマイト層はそれぞれ色調が異なるものとなっている。第1アルマイト層及び第2アルマイト層を形成する具体的な工程については、前記実施形態と同様であるので省略する。
【0046】
ここでは、前記実施形態と同様に、従来のように、第2アルマイト層を形成する前にマスキング処理を施す必要がなくなるので、容易な工程で電極が係止される係止面104gを形成できる。
【0047】
なお、他の実施形態(a)では、スカート部104bの内周側に係止部104eを設けたが、糸巻胴部104aの内周側に係止部104eを設けてもよい。
【0048】
(b) 前記実施形態では、係止部4eは、糸巻胴部4bの内周側に環状に突出して形成された部分に溝部4fを形成したが、図9に示すように、糸巻胴部4bの内周側に突出部を設けずに溝部4fを形成してもよい
【0049】
(c) 前記実施形態では、第1アルマイト層90は銀色、第2アルマイト層91は金色であったが、これらの色調に限定されない。また、アルマイト処理のの電解質溶液や浸漬方法も前記実施形態に限定されるものではない。
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば、釣り用リールのスプールのアルマイト処理方法において、筒状部に第1アルマイト層が形成され、係止部に第2アルマイト層が形成されている。係止部は、筒状部の内周側に係止面が形成され、この係止面に第2アルマイト層を形成するとき電極が係止される。ここでは、係止部は、係止面の表面に第1アルマイト層を形成した後、第1アルマイト層を削除し、係止面の表面に第2アルマイト層が形成されているので、容易な工程で電極が係止される係止面を形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態による両軸受リールの平面図。
【図2】 前記両軸受リールの平面断面図。
【図3】 前記両軸受リールのレベルワインド機構の拡大断面図。
【図4】 前記両軸受リールのキャスティングコントロール機構の拡大断面図。
【図5】 前記両軸受リールのスプールの一部拡大断面図。
【図6】 前記スプールの係止部周辺の拡大断面図。
【図7】 前記スプールのアルマイト処理工程を示すフローチャート。
【図8】 前記スプールのアルマイト処理工程を示す模式図。
【図9】 他の実施形態の図6に相当する図
【図1】 本発明の他の実施形態によるスピニングリールの平面図。
【符号の説明】
1 リール本体
2 ハンドル
4 スプール
4a フランジ部
4b 糸巻胴部
4c ボス部
4d 貫通孔
4e 係止部
4f 溝部
4g 係止面
90 第1アルマイト層
91 第2アルマイト層
104 スプール
104a 糸巻胴部
104b スカート部
104c 前フランジ部
104d 貫通孔
104e 係止部
104f 溝部
104g 係止面

Claims (1)

  1. 筒状部を有する本体部と、筒状部の内周側に形成され電極が係止可能な係止面を有する係止部とにより構成されるスプールをアルマイト処理する釣り用リールのスプールのアルマイト処理方法であって、
    前記本体部及び前記係止部の表面に第1アルマイト層を形成する第1アルマイト処理を施す第1アルマイト処理工程と、
    前記第1アルマイト処理により形成された前記本体部の一部及び前記係止部の前記係止面の第1アルマイトを削除すると同時に前記筒状部の内周側に環状の溝部を切削加工によって形成する第1アルマイト削除処理を施す第1アルマイト削除処理工程と、
    前記溝部に形成された前記係止面に前記電極を係止することによって、前記第1アルマイト削除処理が施された前記本体部の一部及び前記係止部の前記係止面の表面に第2アルマイト層を形成する第2アルマイト処理を施す第2アルマイト処理工程と、
    を備えた釣り用リールのスプールのアルマイト処理方法。
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