JP2002335824A - スピニングリールのスプール - Google Patents

スピニングリールのスプール

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JP2002335824A JP2001148817A JP2001148817A JP2002335824A JP 2002335824 A JP2002335824 A JP 2002335824A JP 2001148817 A JP2001148817 A JP 2001148817A JP 2001148817 A JP2001148817 A JP 2001148817A JP 2002335824 A JP2002335824 A JP 2002335824A
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儀幸 風呂本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 後部にドラグ機構が配置されたスプールにお
いて、釣り糸接触部分の耐食性を維持してスカート部の
装飾性を向上させる。 【解決手段】 スプール4は、スプール本体7と、ドラ
グ機構8と、カバー部材9とを備えている。スプール本
体は、スプール軸15に回転自在に装着された筒状の糸
巻胴部7aと、糸巻胴部の前後にそれぞれ設けられ糸巻
胴部より大径の前後のフランジ部7b,7cと後フラン
ジ部から後方に延びる筒状のスカート部7dとを有して
いる。ドラグ機構は、糸巻胴部を押圧するようにスプー
ル軸の先端に螺合するドラグ操作部70及び後フランジ
部の後面に接触可能でありかつスプール軸に後方への移
動を規制された状態で配置された第1摩擦部71を有し
ている。カバー部材は、第1摩擦部を覆うように設けら
れており、スカート部は、カバー部材と一体形成された
第2部分7hを有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スプール、特に、
スピニングリールのリール本体に前後移動自在に設けら
れたスプール軸に装着されるスピニングリールのスプー
ルに関する。
【0002】
【従来の技術】ドラグ機構が内蔵されたフロントドラグ
型のスピニングリールでは、スプールは、ドラグ機構を
介してスプール軸の先端に連結されている。この種のス
プールは、糸巻胴部と、糸巻胴部の両端に大径に形成さ
れた前後のフランジ部と、後フランジ部と一体形成され
た筒状のスカート部とを有している。スカート部は、ロ
ータの円筒部を覆って釣り糸がローラに絡みつかないよ
うにするため円筒部を覆う部材である。ドラグ機構は、
ドラグ操作部と、糸巻胴部の内部に形成されたドラグ収
納空間に配置されドラグ操作部により押圧される摩擦部
とを有している。摩擦部は、スプール軸に対して回転不
能な第1ディスクと、スプールに対して回転不能な第2
ディスクとを有している。
【0003】大型のスピニングリールでは、コンパクト
なスプールで大きな号数の太い釣り糸の糸巻き量を確保
できるようにするため、糸巻胴部を細く形成したものが
知られている。このようなスピニングリールでは、糸巻
胴部の径が比較的小さいため、太い釣り糸に対応する十
分なドラグ力が得られるドラグ収納空間を糸巻胴部内に
確保するのが困難になる。
【0004】そこで、糸巻胴部ではなくスプールの後部
(具体的にはスカート部内)にドラグ機構の摩擦部を配
置したスプールが実公平6−16512号公報に開示さ
れている。前記公報に開示されたスピニングリールのス
プールは、後フランジ部の後面に後方に突出する筒状の
ドラグ収納部を形成し、そのドラグ収納部内に第1及び
第2ディスクを有する摩擦部を収納している。摩擦部は
後方への移動が規制された状態で後フランジ部の後面に
接触可能に配置されている。スプール軸の先端には、摩
擦部を押圧するためのドラグ操作部が螺合している。ド
ラグ収納部の後面には、摩擦部を抜け止めするための抜
け止め手段がねじ止め固定され、摩擦部を覆っている。
【0005】従来、スプール本体の糸巻胴部及び後フラ
ンジ部とスカート部とは一体形成されることが多い。こ
こで、糸巻胴部及び後フランジ部は釣り糸が常時接触す
るため、耐食性が高い金属を使用する必要がある。した
がって、従来、アルミニウム合金であっても、糸巻胴部
を一体形成することを考慮して比較的高耐食性を有する
ものや耐食性が高い表面処理を施したものを使用してい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の構成では、
糸巻胴部及び後フランジ部に耐食性が必要なため、高耐
食性を有する軽量の合金(たとえばアルミニウム合金)
や耐食性が高い表面処理を施したものを使用している。
耐食性が高い合金は、通常、耐食性が低いものに比べて
白っぽいくすんだ色合いになり、耐食性が低いものに比
べて高級感がある金属光沢を得にくい。また、耐食性の
高い表面処理を施した場合、一般に、色合いが制限され
るほか、表面もくすんだ感じのものになり、やはり高級
感がある金属光沢を得にくい。
【0007】一方、スカート部は、釣り糸がロータに巻
き付かないように円筒部を覆う部材である。したがっ
て、スカート部は、塩水が付着した釣り糸が常時接触す
る糸巻胴部や後フランジ部に比べて、耐食性と言う面で
は制限が若干緩い環境下にある。しかも、スカート部は
常に露出しているため、スプールの中で一番目立つ部材
であり、リール全体として高級感のある装飾を演出でき
る部品である。
【0008】しかし、前記従来の構成では、スカート部
と糸巻胴部及び後フランジ部とを耐食性が高いもの又は
耐食性が高い表面処理を施したのもので一体形成してい
るので、釣り糸接触部分の耐食性は維持できるが、スカ
ート部もくすんだ制限された色合いになり、スカート部
の装飾性を向上させにくいという問題がある。
【0009】本発明の課題は、後部にドラグ機構が配置
されたスプールにおいて、釣り糸接触部分の耐食性を維
持してスカート部の装飾性を向上させることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】発明1に係るスピニング
リールのスプールは、スピニングリールのリール本体に
前後移動自在に設けられたスプール軸に装着されるもの
であって、スプール本体と、ドラグ機構と、カバー部材
とを備えている。スプール本体は、スプール軸に回転自
在に装着された筒状の糸巻胴部と、糸巻胴部の前後にそ
れぞれ設けられ糸巻胴部より大径の前後のフランジ部と
後フランジ部から後方に延びる筒状のスカート部とを有
している。ドラグ機構は、糸巻胴部を押圧するようにス
プール軸の先端に螺合するドラグ操作部及び後フランジ
部の後面に接触可能でありかつスプール軸に後方への移
動を規制された状態で配置された第1摩擦部を有してい
る。カバー部材は、第1摩擦部を覆うように設けられて
おり、スカート部は、カバー部材と一体形成された筒状
部を少なくとも一部に有している。
【0011】このスピニングリールのスプールでは、ス
カート部の少なくとも一部は、カバー部材と一体形成さ
れた筒状部である。このカバー部材は、第1摩擦部を覆
うものであり、釣り糸が接触する頻度は糸巻胴部や後フ
ランジ部に比べて少ないので耐食性と言う面では制限が
若干緩い環境下にある。ここでは、耐食性という面での
制限が緩いカバー部材とスカート部の筒状部とを一体形
成したので、スカート部の筒状部の材質を耐食性よりも
装飾性を重視したものにすることができる。また、スカ
ート部の筒状部を除くスプール本体の材質や表面処理
は、耐食性を重視したものにすることができる。このた
め、釣り糸接触部分の耐食性を維持してスカート部の装
飾性を向上させることができる。
【0012】発明2に係るスピニングリールのスプール
は、発明1に記載のスプールにおいて、スカート部は、
後フランジ部と一体形成され後フランジ部の外周部から
後方に延びる第1部分と、カバー部材と一体形成され第
1部分から後方に延びる筒状部としての第2部分とを有
し、カバー部材は、第1部分の内周面に螺合することに
よりスプール本体に固定されている。この場合には、第
1部分の内周部分でカバー部材が螺合してスプール本体
に固定されているので、カバー部材の取付径を大きくす
ることができ、カバー部材をスプール本体に高い締め付
けトルクで固定することができる。
【0013】発明3に係るスピニングリールのスプール
は、発明1又は2に記載のスプールにおいて、第1摩擦
部は、スプール軸に対して回転不能な1又は複数の第1
ディスクと、第1ディスクと交互に配置され、スプール
本体に対して回転不能な1又は複数の第2ディスクとを
有する。この場合には、交互に配置された第1及び第2
ディスクの枚数により用途に合わせたドラグ力を任意に
設定できる。
【0014】発明4に係るスピニングリールのスプール
は、発明1から3のいずれかに記載のスプールにおい
て、カバー部材とスプール本体との間に装着され両者の
隙間をシールする第1シール手段と、スプール軸とカバ
ー部材との間に装着され両者の隙間をシールする第2シ
ール手段とをさらに備えている。この場合には、第1摩
擦部を後方からカバー部材で覆うとともに、カバー部材
とスプール本体及びスプール軸との隙間をシール部材に
よりシールしているので、スプールとロータとの隙間か
ら液体が浸入してもドラグ機構へ液体が浸入しにくくな
る。このため、第1摩擦部が濡れにくくなり、ドラグ力
の変動を抑えることができる。
【0015】発明5に係るスピニングリールのスプール
は、発明4に記載のスプールにおいて、スプール軸に回
転不能かつ軸方向移動不能に装着され軸受を介して糸巻
胴部を回転自在に支持する第1支持部をさらに備え、第
2シール手段は、第1支持部に装着され、第1支持部と
カバー部材との隙間をシールする。この場合には、スプ
ール軸に支持部を設け支持部とカバー部材との隙間を第
2シール手段でシールしているので、支持部とカバー部
材との隙間が小さくなり、第2シール手段で隙間をシー
ルしやすくなる。
【0016】発明6に係るスピニングリールのスプール
は、発明1から5のいずれかに記載のスプールにおい
て、カバー部材に設けられ、ドラグ機構の作動時に発音
する発音機構をさらに備える。この場合には、薄肉でよ
い比較的振動しやすいカバー部材に発音機構を設けたの
で、ドラグ作動時に明瞭な音を出しやすい。
【0017】発明7に係るスピニングリールのスプール
は、発明1から6のいずれかに記載のスプールにおい
て、糸巻胴部の内部には筒状のドラグ収納空間が形成さ
れており、ドラグ機構は、ドラグ収納空間に収納されド
ラグ操作部により押圧される第2摩擦部を有する。この
場合には、スプール後部に配置された第1摩擦部に加え
て糸巻胴部内にも第2摩擦部が配置されるので、さらに
大きなドラグ力を得ることができる。
【0018】発明8に係るスピニングリールのスプール
は、発明1から7のいずれかに記載のスプールにおい
て、スプール本体は、高耐食性アルミニウム合金又は高
耐食性表面処理を施したアルミニウム合金である。この
場合には、高耐食性アルミニウム合金又は高耐食性表面
処理を施したアルミニウム合金によりスプール本体の耐
食性を維持できる。
【0019】
【発明の実施の形態】図1において、本発明の一実施形
態を採用したスピニングリールは、ハンドル1を回転自
在に支持するリール本体2と、ロータ3と、スプール4
とを備えている。ロータ3は、リール本体2の前部に回
転自在に支持されている。スプール4は、釣り糸を外周
面に巻き取るものであり、ロータ3の前部に前後移動自
在に配置されている。
【0020】リール本体2は、リールボディ2aと、リ
ールボディ2aから斜め上前方に延びる竿取付脚2bと
を有している。リールボディ2aは、図2に示すように
内部に空間を有しており、その空間内には、ロータ3を
ハンドル1の回転に連動して回転させるロータ駆動機構
5と、スプール4を前後に移動させて釣り糸を均一に巻
き取るためのオシレーティング機構6とが設けられてい
る。リールボディ2aの前部には、前方に突出する筒状
部2cが一体形成されている。
【0021】ロータ駆動機構5は、ハンドル1が連結さ
れたハンドル軸10とともに回転するフェースギア11
と、このフェースギア11に噛み合うピニオンギア12
とを有している。ピニオンギア12は筒状に形成されて
おり、その前部12aはロータ3の中心部を貫通してお
り、ナット13によりロータ3と固定されている。ピニ
オンギア12は、その軸方向の中間部と後端部とが、そ
れぞれ軸受14a,14bを介してリール本体2に回転
自在に支持されている。ピニオンギア12の前部12a
には所定長さの平行な面取り部12bが形成されてい
る。面取り部12bは、ロータ3及びワンウェイクラッ
チ(後述)をピニオンギア12に回転不能に連結するた
めに形成されている。
【0022】オシレーティング機構6は、トラバースカ
ム方式の機構であり、スプール4の中心部にドラグ機構
8を介して連結されたスプール軸15を前後方向に移動
させてスプール4を同方向に移動させるための機構であ
る。オシレーティング機構6は、スプール軸15の下方
に平行に配置された螺軸21と、螺軸21に沿って前後
方向に移動するスライダ22と、螺軸21の先端に固定
された中間ギア23とを有している。スライダ22には
スプール軸15の後端が回転不能に固定されている。中
間ギア23は、図示しない減速機構を介してピニオンギ
ア12に噛み合っている。
【0023】ロータ3は、図2に示すように、円筒部3
0と、円筒部30の側方に互いに対向して設けられた第
1及び第2ロータアーム31,32とを有している。円
筒部30と両ロータアーム31,32とは、たとえばア
ルミニウム合金製であり一体成形されている。
【0024】円筒部30の前部には前壁33が形成され
ており、前壁33の中央部にはボス部33aが形成され
ている。ボス部33aの中心部には面取り部12bに回
転不能に係止される小判形状の貫通孔33bが形成され
ており、この貫通孔33bをピニオンギアの前部12a
及びスプール軸15が貫通している。前壁33の前部に
ナット13が配置されており、ナット13の内部には、
スプール軸15を回転自在に支持する軸受35が配置さ
れている。この軸受35によりピニオンギア12とスプ
ール軸15との間に隙間を形成している。これにより、
スプール軸15がたわんでもロータ3の回転に影響を与
えにくくなり、ロータ3の回転が軽くなる。
【0025】第1ロータアーム31は、円筒部30から
外方に凸に湾曲して前方に延びており、円筒部30との
接続部は円筒部30の周方向に広がり湾曲している。第
1ロータアーム31の先端の外周側には、第1ベール支
持部材40が揺動自在に装着されている。第1ベール支
持部材40の先端には、釣り糸をスプール4に案内する
ためのラインローラ41が装着されている。
【0026】第2ロータアーム32は、円筒部30から
外方に凸に湾曲して前方に延びている。第2ロータアー
ム32は、円筒部30から外方に凸に湾曲して前方に延
びており、円筒部30との接続部は円筒部30の周方向
に広がり湾曲している。第2ロータアーム32の先端内
周側には、第2ベール支持部材42が揺動自在に装着さ
れている。
【0027】ラインローラ41と第2ベール支持部材4
2との間には線材を略U状に湾曲させた形状のベール4
3が固定されている。これらの第1及び第2ベール支持
部材40,42、ラインローラ41及びベール43によ
り釣り糸をスプール4に案内するベールアーム44が構
成される。ベールアーム44は、図2に示す糸案内姿勢
とそれから反転した糸開放姿勢との間で揺動自在であ
る。
【0028】円筒部30の内側において、リールボディ
2aの筒状部2cの内部にはロータ3の逆転を常時禁止
するための逆転防止機構50が配置されている。逆転防
止機構50は、図4に示すように、内輪52が遊転する
ローラ型のワンウェイクラッチ51を有している。ワン
ウェイクラッチ51は、ピニオンギア12に回転不能に
係止された内輪52と、内輪の外周側に隙間をあけて同
芯に配置された外輪53と、内輪52と外輪53とに接
触可能に配置された複数のローラ54と、ローラ54を
付勢して周方向に等間隔に配置するためのばね部材58
と、ばね部材58を保持するばね保持部材55とを有し
ている。
【0029】内輪52は、ピニオンギア12に回転自在
に装着された内輪本体56と、内輪本体56をピニオン
ギア12に回転不能に連結するための連結部材57とを
有している。内輪本体56は、大径部56aと小径部5
6bとを有する段付き筒状部材である。大径部56aに
は、連結部材57を回転不能に係止するための係止凹部
56cが形成されている。係止凹部56cは、正面から
見て略矩形の空間である。大径部56aの外周面はロー
ラ54が転動する精密加工された円形の転動面56dで
ある。小径部56bの中心部には、円形の装着孔56e
が形成されている。装着孔56eは、ピニオンギア12
の面取り部12bが形成されていない部分に装着され、
ピニオンギア12に芯出しされた状態で装着されてい
る。
【0030】連結部材57は、外周部が略矩形の部材で
あり、中心にピニオンギア12の面取り部12bに回転
不能に係止される小判形状の貫通孔57aが形成されて
いる。連結部材57の外周部は、略矩形形状であり、内
輪本体56の係止凹部56cに係合して内輪本体56を
回転不能に係止する。これにより、内輪本体56は、ピ
ニオンギア12と回転不能に連結される。
【0031】外輪53は、リールボディ2aの前部に回
転不能に装着されており、その内周面には、ローラ54
に対してくさび効果を発揮するための湾曲したカム面
(図示せず)が形成されている。
【0032】ばね保持部材55は、ローラ54を周方向
に間隔を隔てて保持するばね部材58を保持するもので
ある。ばね部材58は、ローラ54を逆転許容方向に付
勢して等間隔に配置し、ロータ3が糸繰り出し方向に付
勢された状態から糸巻取方向に回転したときの逆転許容
動作への応答を速くするために設けられている。
【0033】ワンウェイクラッチ51の前方において、
筒状部2cには、リールボディ2a内部への液体の浸入
を防止するためのリップ付きのシール板59が装着され
ている。シール板59は、5角形状に折り曲げられた抜
け止めばね60により抜け止めされている。
【0034】スプール4は、図2に示すように、ロータ
3の第1ロータアーム31と第2ロータアーム32との
間に配置されている。スプール4は、図3及び図5に示
すように、2つの軸受63,64によりスプール軸15
に回転自在に装着されたスプール本体7と、スプール本
体7をスプール軸15の先端に装着するドラグ機構8
と、スプール本体7の後部を覆うカバー部材9と、第1
及び第2シール手段としての第1及び第2シール部材6
1,62とを有している。
【0035】先端からロータ3の前方にかけてスプール
軸15の外周面には、ドラグ機構8を回転不能に係止す
るための平行な面取り部15aが形成されている。面取
り部15aの先端部には、さらにドラグ機構8のドラグ
力を調整操作するためのドラグ操作部70(後述)が螺
合する雄ねじ部15bが形成されている。
【0036】また、スプール軸15のロータ3の前方に
は、スプール4を回転自在に支持するとともに第1摩擦
部71(後述)の後方への移動を規制するための第1支
持部25が装着されている。第1支持部25は、筒状の
支持部本体26と、支持部本体26の後方への移動を規
制するとともに支持部本体26をスプール軸15に対し
て回転不能にする規制部27とを有している。支持部本
体26は、軸受63が装着された小径筒状の軸受装着部
26aと、ドラグ機構8を回転不能に係止するために5
角星形状に形成された大径の係止部26bとを有してい
る。軸受63の外輪後面は、図示しない抜け止め部材に
より抜け止めされている。支持部本体26は、スプール
軸15に回転自在に装着されており、スプール軸15に
径方向に沿ってねじ込まれた止めねじ28によっても、
スプール軸15に回転転不能かつ軸方向移動不能に止め
られている。
【0037】規制部27は、支持部本体26に固定され
た3枚の規制ディスク78,79,80を有している。
規制ディスク78は、第2シール部材62を規制ディス
ク79とで挟持する。規制ディスク79は、規制ディス
ク78より小径であり、第2シール部材62が外周に装
着される。規制ディスク79は、中心にスプール軸15
の面取り部15aに回転不能に係止される小判形状の貫
通孔79aを有している。規制ディスク80は、規制デ
ィスク79より大径であり、中心にスプール軸15の面
取り部15aに回転不能に係止される小判形状の貫通孔
80aを有している。また、規制ディスク80は、スプ
ール軸15の面取り部15aの後端部に配置されてお
り、スプール軸15の面取り部15aと円形部分との段
差により軸方向後方に移動不能に配置されている。これ
により、支持部本体26及び第1摩擦部71のスプール
軸方向後方への移動が規制される。これらの3枚の規制
ディスク78〜80は、規制ディスク80の後方から貫
通して支持部本体26の後面にねじ込まれた5本の皿ボ
ルト81により支持部本体26に固定されている。この
結果、支持部本体26は、スプール軸15に対してさら
に強固に回転不能になる。
【0038】スプール軸15のスプール本体7の内部に
は、スプール4を回転自在に支持するための第2支持部
29が装着されている。第2支持部29は、スプール軸
15に軸方向移動自在に装着された略筒状の内側部材2
9aと、スプール本体7の内周部に固定された略筒状の
外側部材29bとを有しており、内側部材29aと外側
部材29bとの間に軸受64が装着されている。内側部
材29aは、後面にドラグ機構8を押圧するためのフラ
ンジ部29cを有している。
【0039】外側部材29bの前面中間部には、前方に
突出する筒状のシール受け部29dが形成されており、
後述するドラグ操作部70に装着されたリップ付きの第
3シール部材48の先端が接触している。また、外側部
材29bとスプール本体7との間にはOリングからなる
第4シール部材49が装着されている。この第3シール
部材48と第4シール部材49とによりスプール4の前
方から内部への液体の浸入を防止する第3シール手段が
構成される。ここで、外側部材29bを設けるとともに
シール受け部29dを前面中間部に設けたのは、スプー
ル本体7の糸巻胴部7a(後述)の径が変動しても外側
部材29bの形状や有無により変動を吸収できるように
するとともに、その径に応じてドラグ操作部70とドラ
グ収納空間65(後述)との隙間が変動してもシール位
置が変動しないようにしてドラグ操作部70の互換性を
維持するためである。すなわち、糸巻胴部7aの径が小
さくなった場合には、シール受け部ではなく糸巻胴部7
aの内周面に同じサイズの第3シール部材48の先端を
直接接触させることができる。
【0040】スプール本体7は、たとえばアルミニウム
合金をダイキャスト成形して得られた大小2段の円筒状
の部材であり、外周に釣り糸が巻かれる筒状の糸巻胴部
7aと、糸巻胴部7aの前後に設けられた大径の前後の
フランジ部7b,7cと、後フランジ部7cから後方に
延びる筒状のスカート部7dとを有している。
【0041】糸巻胴部7aの前側内部には、ドラグ機構
8の第2摩擦部72(後述)を収納する筒状のドラグ収
納空間65が形成されている。ドラグ収納空間65に
は、ドラグ機構8を回転不能に係止する1対の係止溝6
5aが軸方向に沿って形成されている。
【0042】前フランジ部7bは、糸巻胴部7aと一体
形成された内側フランジ部66aと、内側フランジ部6
6aの外周部に装着された、硬質セラミック製の外側フ
ランジ部66bとを有している。外側フランジ部66b
は、スプール4から放出される釣り糸との接触による傷
付きや磨耗を防止するために設けられている。外側フラ
ンジ部66bは、糸巻胴部7aの前側内周部にねじ込み
固定されたフランジ固定部材67により内側フランジ部
66aに固定されている。
【0043】後フランジ部7cは、前フランジ部7bよ
り僅かに大径に糸巻胴部7aと一体形成されている。ス
カート部7dは、後フランジ部7cと一体形成され後フ
ランジ部7cの外周部から後方に延びる第1部分7g
と、カバー部材9から第1部分7gと面一に後方に延び
る第2部分7hとを有している。スカート部7dの第1
部分7gの内周部には、カバー部材9に螺合する雌ねじ
部7iが形成されている。スカート部7dの第1部分7
gを含むスプール本体7は、たとえば、JIS H 5
302に規定されたアルミニウム合金ダイカスト12種
製であり、強度と鋳造のしやすさとを考慮して設定され
ている。この素材を加工した上にさらにテフロン(登録
商標)を含浸させた陽極酸化処理を施して、強度と耐食
性を向上させている。
【0044】スカート部7dの第2部分7hの延びた先
端は、スプール4の前進端に移動したとき、ロータ3の
円筒部30の先端と僅かに重なる位置に配置される。ス
カート部7dの内部にはドラグ機構8の第1摩擦部71
が収納されている。後フランジ部7cとスカート部7d
との境界部分の内側には、第1摩擦部71を回転不能に
係止するための1対の第2係止溝69bが形成されてい
る。
【0045】ドラグ機構8は、スプール本体7とスプー
ル軸15との間に装着され、スプール4にドラグ力を作
用させるための機構である。ドラグ機構8は、ドラグ力
を手で調整するためにスプール軸15の先端に配置され
たドラグ操作部70と、ドラグ操作部70により押圧さ
れる第1及び第2摩擦部71,72とを有している。
【0046】ドラグ操作部70は、図3及び図5に示す
ように、ドラグ調整時に発音するドラグ調整発音機構7
0aと、スプール軸15の先端に形成された雄ねじ部1
5bに螺合するナット70bと、ドラグ力を増減するコ
イルばね70cとを内部に有している。ドラグ操作部7
0は、スプール軸15に対して回動することによりナッ
ト70bをスプール軸15に対して前後移動させる。こ
のナット70bの移動により、コイルばね70cを伸縮
させて第1摩擦部71及び第2摩擦部72への押圧力を
変化させてドラグ力を調整する。ドラグ操作部70の後
部外周面には、前述したように第3シール部材48が装
着されており、これにより、スプール本体7内部への液
体の浸入が防止される。第3シール部材48は、前方に
傾斜したリップを有するリップ付きの環状弾性体製のシ
ール部材であり、止め輪48aにより抜け止めされてい
る。
【0047】第1摩擦部71は、スプール軸15に対し
て回転不能な2枚の第1ディスク73a,73bと、第
1ディスク73a,73bと押圧可能に交互に配置され
スプール本体7に対して回転不能な2枚の第2ディスク
74a,74bとを有している。また、第1摩擦部71
は、3枚の調整ワッシャ76を介して規制部27により
スプール軸方向後方への移動が規制されている。第1デ
ィスク73aと第2ディスク74aの間及び第2ディス
ク74aと第1ディスク74bの間には、たとえばカー
ボングラファイト製のドラグディスク90が装着されて
いる。第1摩擦部71は、カバー部材9により覆われて
おり、第1及び第2シール部材61,62により後方か
ら内部への液体の浸入が防止されている。
【0048】第1ディスク73bは、第1ディスク73
aより大径である。第1ディスク73a,73bは、た
とえばステンレス合金製の部材であり、第1支持部25
の支持部本体26に形成された係止部26bに係止され
る5角星形状の係止孔73cを中心部に有している。こ
れにより、第1ディスク73a,73bはスプール軸1
5に対して回転不能であり、スプール軸15はリール本
体2に対して回転不能なためリール本体2に対して回転
不能になる。第1ディスク73aは、音出しディスク8
2(後述)を介して規制部27に接触して後方への移動
が規制されている。
【0049】第2ディスク74bは、第4ディスク74
aより大径である。第2ディスク74aは、たとえばス
テンレス合金製の部材であり、第2ディスク74bは、
たとえばカーボングラファイト製である。これらの第2
ディスク74a,74bは第1ディスク73a,73b
と相対回転してドラグ力を発生するものである。第2デ
ィスク74aは、第1ディスク73aと略同径であり、
第2ディスク74aは、カバー部材9に形成された第1
係止溝69a(後述)に係止される耳部74cを外周部
に有し、内周部に第1支持部25が貫通する貫通孔(図
示せず)を有している。第2ディスク74bは、スカー
ト部7dの基端部内周側に形成された第2係止溝69b
に係止される耳部74dを外周部に有し、内周部に第1
支持部25が貫通する貫通孔(図示せず)を有してい
る。これにより、第2ディスク74a,74bはスプー
ル本体7に対して回転不能である。
【0050】第1ディスク73aの後面には、ドラグ作
動時に発音するドラグ発音機構77が配置されている。
ドラグ発音機構77は、第1ディスク73aと規制部2
7との間に配置された音出しディスク82と、カバー部
材9に固定された1対のガイド部材83に移動自在に装
着された2つの音出しピン84と、各音出しピン84を
音出しディスク82側に付勢する2つのコイルばね85
とを有している。音出しディスク82は、第1支持部2
5の係止部26bに回転不能に装着されており、スプー
ル軸15に対して回転不能である。音出しディスク82
の音出しピン84に対向する位置には周方向に間隔を隔
てて多数の凹部(図3)が形成されている。音出しディ
スク82の中心部には、係止部26bに係止される5角
星形状の係止孔82bが形成されている。ガイド部材8
3は、カバー部材9にビスにより固定された有底筒状の
部材であり、この内部に音出しピン84が進退自在に装
着されている。このような構成のドラグ発音機構77で
は、ドラグが作動してスプール4がスプール軸15に対
して相対回転すると、音出しピン84が凹部82aに対
して進退を繰り返して振動して発音する。
【0051】第2摩擦部72は、スプール軸15に対し
て回転不能な2枚の第3ディスク86a,86bと、糸
巻胴部7aに対して回転不能な2枚の第4ディスク87
a,87bとを有している。第3ディスク86a,86
bと第4ディスク87a,87bとは交互に配置されて
おり、その間には、カーボングラファイト製の3枚のド
ラグディスク88a〜88cが装着されている。第3デ
ィスク86aは、第2支持部29の内側部材29aに形
成されたフランジ部29cに対向して配置されており、
スプール軸15に形成された面取り部15aに係止され
る小判形状の貫通孔86cが内周部に形成されている。
第3ディスク86bも同様な貫通孔86cを有してい
る。これにより第3ディスク86a,86bはスプール
軸15に対して回転不能になっている。第4ディスク8
7a,87bの外周部には、ドラグ収納空間65に形成
された係止溝65aに係合する耳部87cが突出して形
成されている。これにより第4ディスク87a,87b
はスプール4に対して回転不能になっている。第4ディ
スク87bは、ドラグ収納空間65の壁部に接触可能で
あり、スプール本体7を後方に押圧する。
【0052】カバー部材9は、ドラグ操作部70をスプ
ール軸15から外して、スプール4をスプール軸15か
ら取り外すとき、第1摩擦部71をスプール本体7とと
もに着脱するために設けられている。カバー部材9は、
スカート部7dの第1部分7gの雌ねじ部7iに螺合す
る雄ねじ部9aが形成された第1円筒部9bと、第1円
筒部9bの内周部から内側に延びる第1円板部9cと、
第1円板部9cの内周部から後方に延びる第2円筒部9
dと、第2円筒部9dの後端部から内側に延びる第2円
板部9eと、第2円板部9eの内周部から後方に延びる
第3円筒部9fとを有している。カバー部材9は、たと
えばアルミニウム合金ダイカスト5種製であり、軽量で
高装飾性を有するアルミニウム合金である。この素材の
上にAA15程度の陽極酸化処理を施して耐食被膜を形
成している。第1円筒部9bは、スカート部7dの第1
部分7gに連なる第2部分7hと一体形成されている。
このため、第1円筒部9bは、第2部分7hに対して第
1部分7gの略肉厚分だけ小径になっている。第1円筒
部9bの前方においてスカート部7dの内周面には、1
対の第2係止溝69bが形成されている。第2係止溝6
9bには、前述したように第1摩擦部71の第2ディス
ク74bが回転不能に装着されている。
【0053】第1円板部9cは、第1円筒部9bの先端
よりやや後方に位置しており、第1円板部9cの前方に
は、後フランジ部7cとの間に空間が形成されている。
第2円筒部9dは、ロータ3の円筒部30の先端の内周
側に配置可能である。第2円筒部9dの先端内周部に
は、1対の第1係止溝69aが形成されている。第1係
止溝69aには、第1摩擦部71の第2ディスク74a
が回転不能に係止されている。第2円板部9eには、ド
ラグ発音機構77が装着されている。第2円板部9eに
は、ガイド部材83が装着される1対の貫通孔が形成さ
れている。第3円筒部9fは規制部27の外方に配置さ
れている。
【0054】第1シール部材61はOリングからなり、
スカート部7dの第1部分7gの先端内周部とカバー部
材9の第1円筒部9bの外周面との間に装着されてい
る。第1シール部材61はカバー部材9の外周部とスカ
ート部7dとの隙間をシールし、カバー部材9の外周部
から第1摩擦部71への液体の浸入を防止する。第2シ
ール部材62は、先端に後方に向けて傾いたリップを有
するシール部材である。第2シール部材62は、カバー
部材9の内周部とスプール軸15との隙間をシールし、
カバー部材9の内周部から第1摩擦部71への液体の浸
入を防止する。このように、2つのシール部材61,6
2により第1摩擦部71がシールされているので、後方
から第1摩擦部71や第2摩擦部71に液体が侵入しに
くくなり、水ぬれによるドラグ力の変動が生じにくくな
る。また、スプールの前部も第3シール部材48や第4
シール部材49により液体の浸入が防止されているの
で、スプール4の前部から第2摩擦部72や第1摩擦部
71へ液体が浸入しにくくなる。
【0055】このように構成されたスプール4では、耐
食性という面での制限が緩く強度もあまり要しないカバ
ー部材9とスカート部7dの第2部分7hとを一体形成
したので、スカート部7dの第2部分7hを耐食性では
なく装飾性を重視した材質や表面処理を施したものにす
ることができる。また、スカート部7dの第2部分7h
を除くスプール本体7の材質は、耐食性や強度を重視し
た材質や表面処理を施したものにすることができる。こ
のため、スプール4の釣り糸が常時接触する部分の耐食
性を維持してスカート部7dの装飾性を向上させること
ができる。
【0056】〔リールの操作及び動作〕釣りを行う前に
魚の大きさや種類に合わせてドラグ力を調整する。ドラ
グ力を調整するには、釣り糸の適宜の長さ繰り出し、釣
り糸の先端に対象魚に応じた重りを装着する。そして、
ドラグ操作部70を回して適当なドラグ力を設定してハ
ンドル1を回し、ドラグが作動することを確認する。ド
ラグ操作部70をたとえ時計回りに回すとスプール軸1
5に螺合するナット70bによりドラグ操作部70が後
方に移動し、さらにコイルばね70cを介して第2支持
部29の内側部材29aを押圧し、この押圧力が第2摩
擦部72に伝達されるとともに、スプール本体7を介し
てさらに第1摩擦部71に伝達される。これによりドラ
グ力が大きくなる。このとき、ドラグ調整発音機構70
aが軽快なクリック音を発生する。ここでは、スプール
本体7の後部の比較的大きな空間に第1摩擦部71を配
置したので、糸巻胴部7aの径を小さくした深溝型のス
プール4であっても、大きなドラグ力を得ることができ
る。
【0057】キャスティング時にはベールアーム44を
糸開放姿勢に反転させる。これにより第1ベール支持部
材40及び第2ベール支持部材42は揺動する。この状
態で釣り竿を握る手の人差し指で釣り糸を引っかけなが
ら釣り竿をキャスティングする。すると釣り糸は仕掛け
の重さにより勢いよく放出される。仕掛けが着水した後
ハンドル1を糸巻取方向に回転させると、ロータ駆動機
構5によりロータ3が糸巻取方向に回転する。ロータ3
が回転すると、ベールアーム44がベール反転機構(図
示せず)により糸巻取位置に復帰しロータ3の逆転が禁
止されているので釣り糸の放出が止まる。
【0058】釣り糸を巻き取る際には、ハンドル1を糸
巻取方向に回転させる。すると、その回転がフェースギ
ア11、ピニオンギア12を介してロータ3に伝達され
ロータ3が回転する。ロータ3が回転すると、ラインロ
ーラ41に案内された釣り糸がスプール4に巻き付けら
れる。このとき、糸巻胴部7aの径が前後のフランジ部
7b,7cに比べて小径な深溝型のスプール4では、ス
プール全体の径を小さく維持して糸巻き量を多くするこ
とができる。
【0059】仕掛けに魚がかかると、ドラグ機構8が作
動することがある。ドラグ機構8が作動すると、第1摩
擦部71の第1ディスク73a,73bと第2ディスク
74a,74b及び第2摩擦部72の第3ディスク86
a,86bと第4ディスク87a,87bとの間でそれ
ぞれ滑りが生じ、設定されたドラグ力で釣り糸が繰り出
される。
【0060】釣りをしているときやリールを洗浄してい
るときに、リールが水濡れし、スカート部7dとロータ
3の円筒部30との隙間から液体が侵入することがあ
る。しかし、カバー部材9の外周部及び内周部に第1及
び第2シール部材61,62が装着されているので、後
方から液体が浸入しても第1摩擦部71の内部に液体が
浸入することがない。
【0061】スプール4をスプール軸15から外す場合
には、ドラグ操作部70を反時計回りに回転させる。す
ると、ドラグ操作部70がスプール軸15から外れて、
スプール4をスプール軸15から取り出すことができ
る。このとき、第1摩擦部71は、スプール本体7に装
着されたカバー部材9により覆われているので、軸受6
3及びスプール本体7とともに第1支持部25から外れ
る。また、第2摩擦部72は、前部が第2支持部29に
より覆われているので、軸受64及び第2支持部29と
ともにスプール軸15から外れる。このように、ドラグ
機構8は、スプール本体7とともに一体で着脱できる。
したがって、スプール4の構成部品のうち、第1支持部
25と調整ワッシャ76だけがスプール軸15に残る。
【0062】〔他の実施形態〕 (a)前記実施形態では、第1摩擦部71と第2摩擦部
72とをそれぞれ2枚の第1ディスク及び第2ディスク
で構成したが、いずれかを1枚の第1ディスク及び第2
ディスクで構成してもよい。以下の説明では構成上の特
徴のみ説明する。
【0063】図6において、スプール104は、前記実
施形態より細径の糸巻胴部107aを有するスプール本
体107を有している。したがって、第2摩擦部172
の収納空間は狭くなっている。また、前フランジ部10
7bの外側フランジ部166bは、内側フランジ部16
6aに比べ大きな面積となっている。このため、フラン
ジ固定部材167は、径方向に間隔を隔てた異なる2カ
所で外側フランジ部166bを押圧している。また、フ
ランジ固定部材167は、糸巻胴部107aの前端外周
面に螺合している。
【0064】第1支持部125は、スプール軸15に止
めねじ128により回転不能かつ軸方向移動不能に装着
されており、鍔部127を有する筒状の支持部本体12
6を有している。鍔部127には、Oリングからなる第
2シール部材162が装着されている。第2支持部12
9は、スプール軸15に回転不能かつ軸方向移動不能に
装着された内側部材129aだけを有している。軸受6
4は、内輪が内側部材129aに装着され、外輪が糸巻
胴部107aに装着されている。
【0065】ドラグ操作部170に装着された第3シー
ル部材148は、糸巻胴部107aの内周面に直接接触
している。このドラグ操作部170は、前記実施形態と
同じ構造のものでよくドラグ操作部170及び第3シー
ル部材148の互換性を維持できる。
【0066】ドラグ機構108の第1摩擦部171は、
第1ディスク173と、第2ディスク174とを有して
いる。第1ディスク171は、第1支持部25に回転不
能に装着され、第2ディスク174はスプール本体10
7に形成された1対の係止溝169に回転不能に係止さ
れている。
【0067】第2摩擦部172は、直径は異なるが構造
的には前記実施形態と同様に2枚の第1ディスクと第2
ディスクとを有している。カバー部材109は、スカー
ト部107dの第1部分107gの雌ねじ部107iに
螺合する雄ねじ部109aが形成された第1円筒部10
9bと、第1円筒部109bの内周部から内側に延びる
円板部109cと、円板部109cの内周部から後方に
延びる第2円筒部109dとを有している。カバー部材
109は、たとえばアルミニウム合金ダイカスト6種製
であり、軽量で高装飾性を有するアルミニウム合金であ
る。この素材の上にAA15程度の陽極酸化処理を施し
て耐食被膜を形成している。第1円筒部109bは、ス
カート部107dの第1部分107gに連なる第2部分
107hと一体形成されている。このため、第1円筒部
109bは、第2部分107hに対して第1部分107
gの略肉厚分だけ小径になっている。第1円筒部109
bの前方においてスカート部107dの内周面には、1
対の係止溝169が形成されている。係止溝169に
は、前述したように第1摩擦部171の第2ディスク1
74が回転不能に装着されている。
【0068】円板部109cは、第1円筒部109bの
先端よりやや後方に位置しており、円板部109cの前
方には、後フランジ部107cとの間に空間が形成され
ている。第2円筒部109dは、鍔部127の外方に配
置されている。この第2円筒部109dと鍔部127と
の間に第2シール部材162が装着されている。
【0069】このように構成されたスプール104で
も、耐食性という面での制限が緩く強度もあまり要しな
いカバー部材109とスカート部107dの第2部分1
07hとを一体形成したので、スカート部107dの第
2部分107hの材質を耐食性ではなく装飾性を重視し
たものにすることができる。また、スカート部107d
の第2部分107hを除くスプール本体107の材質
は、耐食性や強度を重視したものにすることができる。
このため、スプール104の釣り糸接触部分の耐食性を
維持してスカート部107dの装飾性を向上させること
ができる。
【0070】(b)前記実施形態では、スプールの糸巻
胴部内に第2摩擦部72を設けたが、第2摩擦部72を
設けずにさらに糸巻胴部の径を小さくしてもよい。この
場合、ドラグ操作部を糸巻胴部の前端面に接触させスプ
ール本体を押圧してもよく、また、スプールを支持する
軸受を介してスプール本体を押圧してもよい。
【0071】(c)前記実施形態では、スプール全体を
金属製にしたが、スプール本体を耐食性を考慮して合成
樹脂製にし、カバー部材を含むスカート部を装飾性を考
慮してステンレス合金製にしてもよい。
【0072】(d)前記実施形態での材質は表面処理は
一例であり、スプール本体は耐食性を考慮した材質や表
面処理であればどのようなものを用いてもよい。また、
スカート部も装飾性を考慮した材質や表面処理であれば
どのようなものでもよい。
【0073】
【発明の効果】本発明によれば、耐食性という面での制
限が緩いカバー部材とスカート部の筒状部とを一体形成
したので、スカート部の筒状部の材質を耐食性よりも装
飾性を重視したものにすることができる。また、スカー
ト部の筒状部を除くスプール本体の材質や表面処理は、
耐食性を重視したものにすることができる。このため、
釣り糸接触部分の耐食性を維持してスカート部の装飾性
を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を採用したスピニングリー
ルの左側面図。
【図2】その左側面断面図。
【図3】そのスプール部分の断面拡大図。
【図4】逆転防止機構の分解斜視図。
【図5】スプールの分解斜視図。
【図6】他の実施形態の図3に相当する図。
【符号の説明】
2 リール本体 3 ロータ 4,104 スプール 7,107 スプール本体 7a,107a 糸巻胴部 7b,107b 前フランジ部 7c,107c 後フランジ部 7d,107d スカート部 7g,107g 第1部分 7h,107h 第2部分 8,108 ドラグ機構 9,109 カバー部材 25,125 第1支持部 29 第2支持部 30 円筒部 48,148 第3シール部材 49 第4シール部材 61 第1シール部材 62 第2シール部材 65 ドラグ収納空間 70,170 ドラグ操作部 71,171 第1摩擦部 72,172 第2摩擦部 73a,73b,173 第1ディスク 74a,74b,174 第2ディスク 77 ドラグ発音機構 86a,86b 第3ディスク 87a,87b 第4ディスク

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スピニングリールのリール本体に前後移動
    自在に設けられたスプール軸に装着されるスピニングリ
    ールのスプールであって、 前記スプール軸に回転自在に装着された筒状の糸巻胴部
    と、前記糸巻胴部の前後にそれぞれ設けられ前記糸巻胴
    部より大径の前後のフランジ部と前記後フランジ部から
    後方に延びる筒状のスカート部とを有するスプール本体
    と、 前記糸巻胴部を押圧するように前記スプール軸の先端に
    螺合するドラグ操作部及び前記後フランジ部の後面に接
    触可能でありかつ前記スプール軸に後方への移動を規制
    された状態で配置された第1摩擦部を有するドラグ機構
    と、 前記第1摩擦部を覆うように前記スプール本体に設けら
    れたカバー部材とを備え、 前記スカート部は、前記カバー部材と一体形成された筒
    状部を少なくとも一部に有する、スピニングリールのス
    プール。
  2. 【請求項2】前記スカート部は、前記後フランジ部と一
    体形成され前記後フランジ部の外周部から後方に延びる
    第1部分と、前記カバー部材と一体形成され前記第1部
    分から後方に延びる前記筒状部としての第2部分とを有
    し、 前記カバー部材は、前記第1部分の内周面に螺合するこ
    とにより前記スプール本体に固定されている、請求項1
    に記載のスピニングリールのスプール。
  3. 【請求項3】前記第1摩擦部は、前記スプール軸に対し
    て回転不能な1又は複数の第1ディスクと、前記第1デ
    ィスクと交互に配置され、前記スプール本体に対して回
    転不能な1又は複数の第2ディスクとを有する、請求項
    1又は2に記載のスピニングリールのスプール。
  4. 【請求項4】前記カバー部材と前記スプール本体との間
    に装着され両者の隙間をシールする第1シール手段と、 前記スプール軸と前記カバー部材との間に装着され両者
    の隙間をシールする第2シール手段とをさらに備えた、
    請求項1から3のいずれかに記載のスピニングリールの
    スプール。
  5. 【請求項5】前記スプール軸に回転不能かつ軸方向移動
    不能に装着され軸受を介して前記糸巻胴部を回転自在に
    支持する第1支持部をさらに備え、 前記第2シール手段は、前記第1支持部に装着され、前
    記第1支持部と前記カバー部材との隙間をシールする、
    請求項4に記載のスピニングリールのスプール。
  6. 【請求項6】前記カバー部材に設けられ、前記ドラグ機
    構の作動時に発音する発音機構をさらに備える、請求項
    1から5のいずれかに記載のスピニングリールのスプー
    ル。
  7. 【請求項7】前記糸巻胴部の内部には筒状のドラグ収納
    空間が形成されており、 前記ドラグ機構は、前記ドラグ収納空間に収納され前記
    ドラグ操作部により押圧される第2摩擦部を有する、請
    求項1から6のいずれかに記載のスピニングリールのス
    プール。
  8. 【請求項8】前記スプール本体は、高耐食性アルミニウ
    ム合金又は高耐食性表面処理を施したアルミニウム合金
    である、請求項1から7のいずれかに記載のスピニング
    リールのスプール。
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