JP4625591B2 - スピニングリールのスプール - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スプール、特に、スピニングリールのリール本体に前後移動自在に設けられたスプール軸に装着されるスピニングリールのスプールに関する。
【0002】
【従来の技術】
ドラグ機構が内蔵されたフロントドラグ型のスピニングリールでは、スプールは、ドラグ機構を介してスプール軸の先端に連結されている。この種のスプールは、糸巻胴部と、糸巻胴部の両端に大径に形成された前後のフランジ部と、後フランジ部と一体形成された筒状のスカート部とを有している。スカート部は、ロータの円筒部を覆って釣り糸がローラに絡みつかないようにするため円筒部を覆う部材である。ドラグ機構は、ドラグ操作部と、糸巻胴部の内部に形成されたドラグ収納空間に配置されドラグ操作部により押圧される摩擦部とを有している。摩擦部は、スプール軸に対して回転不能な第1ディスクと、スプールに対して回転不能な第2ディスクとを有している。
【0003】
大型のスピニングリールでは、コンパクトなスプールで大きな号数の太い釣り糸の糸巻き量を確保できるようにするため、糸巻胴部を細く形成したものが知られている。このようなスピニングリールでは、糸巻胴部の径が比較的小さいため、太い釣り糸に対応する十分なドラグ力が得られるドラグ収納空間を糸巻胴部内に確保するのが困難になる。
【0004】
そこで、糸巻胴部ではなくスプールの後部(具体的にはスカート部内)にドラグ機構の摩擦部を配置したスプールが実公平6−16512号公報に開示されている。前記公報に開示されたスピニングリールのスプールは、後フランジ部の後面に後方に突出する筒状のドラグ収納部を形成し、そのドラグ収納部内に第1及び第2ディスクを有する摩擦部を収納している。摩擦部は後方への移動が規制された状態で後フランジ部の後面に接触可能に配置されている。スプール軸の先端には、摩擦部を押圧するためのドラグ操作部が螺合している。ドラグ収納部の後面には、摩擦部を抜け止めするための抜け止め手段がねじ止め固定され、摩擦部を覆っている。
【0005】
従来、スプール本体の糸巻胴部及び後フランジ部とスカート部とは一体形成されることが多い。ここで、糸巻胴部及び後フランジ部は釣り糸が常時接触するため、耐食性が高い金属を使用する必要がある。したがって、従来、アルミニウム合金であっても、糸巻胴部を一体形成することを考慮して比較的高耐食性を有するものや耐食性が高い表面処理を施したものを使用している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の構成では、糸巻胴部及び後フランジ部に耐食性が必要なため、高耐食性を有する軽量の合金(たとえばアルミニウム合金)や耐食性が高い表面処理を施したものを使用している。耐食性が高い合金は、通常、耐食性が低いものに比べて白っぽいくすんだ色合いになり、耐食性が低いものに比べて高級感がある金属光沢を得にくい。また、耐食性の高い表面処理を施した場合、一般に、色合いが制限されるほか、表面もくすんだ感じのものになり、やはり高級感がある金属光沢を得にくい。
【0007】
一方、スカート部は、釣り糸がロータに巻き付かないように円筒部を覆う部材である。したがって、スカート部は、塩水が付着した釣り糸が常時接触する糸巻胴部や後フランジ部に比べて、耐食性と言う面では制限が若干緩い環境下にある。しかも、スカート部は常に露出しているため、スプールの中で一番目立つ部材であり、リール全体として高級感のある装飾を演出できる部品である。
【0008】
しかし、前記従来の構成では、スカート部と糸巻胴部及び後フランジ部とを耐食性が高いもの又は耐食性が高い表面処理を施したのもので一体形成しているので、釣り糸接触部分の耐食性は維持できるが、スカート部もくすんだ制限された色合いになり、スカート部の装飾性を向上させにくいという問題がある。
【0009】
本発明の課題は、後部にドラグ機構が配置されたスプールにおいて、釣り糸接触部分の耐食性を維持してスカート部の装飾性を向上させることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
発明1に係るスピニングリールのスプールは、スピニングリールのリール本体に前後移動自在に設けられたスプール軸に装着されるものであって、スプール本体と、ドラグ機構と、カバー部材とを備えている。スプール本体は、スプール軸に回転自在に装着された筒状の糸巻胴部と、糸巻胴部の前後にそれぞれ設けられ糸巻胴部より大径の前後のフランジ部と後フランジ部から後方に延びる筒状のスカート部とを有している。ドラグ機構は、糸巻胴部を押圧するようにスプール軸の先端に螺合するドラグ操作部及び後フランジ部の後面に接触可能でありかつスプール軸に後方への移動を規制された状態で配置された第1摩擦部を有している。カバー部材は、第1摩擦部を覆うように設けられており、スカート部は、カバー部材と一体形成された筒状部を少なくとも一部に有している。
【0011】
このスピニングリールのスプールでは、スカート部の少なくとも一部は、カバー部材と一体形成された筒状部である。このカバー部材は、第1摩擦部を覆うものであり、釣り糸が接触する頻度は糸巻胴部や後フランジ部に比べて少ないので耐食性と言う面では制限が若干緩い環境下にある。ここでは、耐食性という面での制限が緩いカバー部材とスカート部の筒状部とを一体形成したので、スカート部の筒状部の材質を耐食性よりも装飾性を重視したものにすることができる。また、スカート部の筒状部を除くスプール本体の材質や表面処理は、耐食性を重視したものにすることができる。このため、釣り糸接触部分の耐食性を維持してスカート部の装飾性を向上させることができる。
【0012】
発明2に係るスピニングリールのスプールは、発明1に記載のスプールにおいて、スカート部は、後フランジ部と一体形成され後フランジ部の外周部から後方に延びる第1部分と、カバー部材と一体形成され第1部分から後方に延びる筒状部としての第2部分とを有し、カバー部材は、第1部分の内周面に螺合することによりスプール本体に固定されている。この場合には、第1部分の内周部分でカバー部材が螺合してスプール本体に固定されているので、カバー部材の取付径を大きくすることができ、カバー部材をスプール本体に高い締め付けトルクで固定することができる。
【0013】
発明3に係るスピニングリールのスプールは、発明1又は2に記載のスプールにおいて、第1摩擦部は、スプール軸に対して回転不能な1又は複数の第1ディスクと、第1ディスクと交互に配置され、スプール本体に対して回転不能な1又は複数の第2ディスクとを有する。この場合には、交互に配置された第1及び第2ディスクの枚数により用途に合わせたドラグ力を任意に設定できる。
【0014】
発明4に係るスピニングリールのスプールは、発明1から3のいずれかに記載のスプールにおいて、カバー部材とスプール本体との間に装着され両者の隙間をシールする第1シール手段と、スプール軸とカバー部材との間に装着され両者の隙間をシールする第2シール手段とをさらに備えている。この場合には、第1摩擦部を後方からカバー部材で覆うとともに、カバー部材とスプール本体及びスプール軸との隙間をシール部材によりシールしているので、スプールとロータとの隙間から液体が浸入してもドラグ機構へ液体が浸入しにくくなる。このため、第1摩擦部が濡れにくくなり、ドラグ力の変動を抑えることができる。
【0015】
発明5に係るスピニングリールのスプールは、発明4に記載のスプールにおいて、スプール軸に回転不能かつ軸方向移動不能に装着され軸受を介して糸巻胴部を回転自在に支持する第1支持部をさらに備え、第2シール手段は、第1支持部に装着され、第1支持部とカバー部材との隙間をシールする。この場合には、スプール軸に支持部を設け支持部とカバー部材との隙間を第2シール手段でシールしているので、支持部とカバー部材との隙間が小さくなり、第2シール手段で隙間をシールしやすくなる。
【0016】
発明6に係るスピニングリールのスプールは、発明1から5のいずれかに記載のスプールにおいて、カバー部材に設けられ、ドラグ機構の作動時に発音する発音機構をさらに備える。この場合には、薄肉でよい比較的振動しやすいカバー部材に発音機構を設けたので、ドラグ作動時に明瞭な音を出しやすい。
【0017】
発明7に係るスピニングリールのスプールは、発明1から6のいずれかに記載のスプールにおいて、糸巻胴部の内部には筒状のドラグ収納空間が形成されており、ドラグ機構は、ドラグ収納空間に収納されドラグ操作部により押圧される第2摩擦部を有する。この場合には、スプール後部に配置された第1摩擦部に加えて糸巻胴部内にも第2摩擦部が配置されるので、さらに大きなドラグ力を得ることができる。
【0018】
発明8に係るスピニングリールのスプールは、発明1から7のいずれかに記載のスプールにおいて、スプール本体は、高耐食性アルミニウム合金又は高耐食性表面処理を施したアルミニウム合金である。この場合には、高耐食性アルミニウム合金又は高耐食性表面処理を施したアルミニウム合金によりスプール本体の耐食性を維持できる。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1において、本発明の一実施形態を採用したスピニングリールは、ハンドル1を回転自在に支持するリール本体2と、ロータ3と、スプール4とを備えている。ロータ3は、リール本体2の前部に回転自在に支持されている。スプール4は、釣り糸を外周面に巻き取るものであり、ロータ3の前部に前後移動自在に配置されている。
【0020】
リール本体2は、リールボディ2aと、リールボディ2aから斜め上前方に延びる竿取付脚2bとを有している。リールボディ2aは、図2に示すように内部に空間を有しており、その空間内には、ロータ3をハンドル1の回転に連動して回転させるロータ駆動機構5と、スプール4を前後に移動させて釣り糸を均一に巻き取るためのオシレーティング機構6とが設けられている。リールボディ2aの前部には、前方に突出する筒状部2cが一体形成されている。
【0021】
ロータ駆動機構5は、ハンドル1が連結されたハンドル軸10とともに回転するフェースギア11と、このフェースギア11に噛み合うピニオンギア12とを有している。ピニオンギア12は筒状に形成されており、その前部12aはロータ3の中心部を貫通しており、ナット13によりロータ3と固定されている。ピニオンギア12は、その軸方向の中間部と後端部とが、それぞれ軸受14a,14bを介してリール本体2に回転自在に支持されている。ピニオンギア12の前部12aには所定長さの平行な面取り部12bが形成されている。面取り部12bは、ロータ3及びワンウェイクラッチ(後述)をピニオンギア12に回転不能に連結するために形成されている。
【0022】
オシレーティング機構6は、トラバースカム方式の機構であり、スプール4の中心部にドラグ機構8を介して連結されたスプール軸15を前後方向に移動させてスプール4を同方向に移動させるための機構である。オシレーティング機構6は、スプール軸15の下方に平行に配置された螺軸21と、螺軸21に沿って前後方向に移動するスライダ22と、螺軸21の先端に固定された中間ギア23とを有している。スライダ22にはスプール軸15の後端が回転不能に固定されている。中間ギア23は、図示しない減速機構を介してピニオンギア12に噛み合っている。
【0023】
ロータ3は、図2に示すように、円筒部30と、円筒部30の側方に互いに対向して設けられた第1及び第2ロータアーム31,32とを有している。円筒部30と両ロータアーム31,32とは、たとえばアルミニウム合金製であり一体成形されている。
【0024】
円筒部30の前部には前壁33が形成されており、前壁33の中央部にはボス部33aが形成されている。ボス部33aの中心部には面取り部12bに回転不能に係止される小判形状の貫通孔33bが形成されており、この貫通孔33bをピニオンギアの前部12a及びスプール軸15が貫通している。前壁33の前部にナット13が配置されており、ナット13の内部には、スプール軸15を回転自在に支持する軸受35が配置されている。この軸受35によりピニオンギア12とスプール軸15との間に隙間を形成している。これにより、スプール軸15がたわんでもロータ3の回転に影響を与えにくくなり、ロータ3の回転が軽くなる。
【0025】
第1ロータアーム31は、円筒部30から外方に凸に湾曲して前方に延びており、円筒部30との接続部は円筒部30の周方向に広がり湾曲している。第1ロータアーム31の先端の外周側には、第1ベール支持部材40が揺動自在に装着されている。第1ベール支持部材40の先端には、釣り糸をスプール4に案内するためのラインローラ41が装着されている。
【0026】
第2ロータアーム32は、円筒部30から外方に凸に湾曲して前方に延びている。第2ロータアーム32は、円筒部30との接続部は円筒部30の周方向に広がり湾曲している。第2ロータアーム32の先端内周側には、第2ベール支持部材42が揺動自在に装着されている。
【0027】
ラインローラ41と第2ベール支持部材42との間には線材を略U状に湾曲させた形状のベール43が固定されている。これらの第1及び第2ベール支持部材40,42、ラインローラ41及びベール43により釣り糸をスプール4に案内するベールアーム44が構成される。ベールアーム44は、図2に示す糸案内姿勢とそれから反転した糸開放姿勢との間で揺動自在である。
【0028】
円筒部30の内側において、リールボディ2aの筒状部2cの内部にはロータ3の逆転を常時禁止するための逆転防止機構50が配置されている。逆転防止機構50は、図4に示すように、内輪52が遊転するローラ型のワンウェイクラッチ51を有している。ワンウェイクラッチ51は、ピニオンギア12に回転不能に係止された内輪52と、内輪の外周側に隙間をあけて同芯に配置された外輪53と、内輪52と外輪53とに接触可能に配置された複数のローラ54と、ローラ54を付勢して周方向に等間隔に配置するためのばね部材58と、ばね部材58を保持するばね保持部材55とを有している。
【0029】
内輪52は、ピニオンギア12に回転自在に装着された内輪本体56と、内輪本体56をピニオンギア12に回転不能に連結するための連結部材57とを有している。内輪本体56は、大径部56aと小径部56bとを有する段付き筒状部材である。大径部56aには、連結部材57を回転不能に係止するための係止凹部56cが形成されている。係止凹部56cは、正面から見て略矩形の空間である。大径部56aの外周面はローラ54が転動する精密加工された円形の転動面56dである。小径部56bの中心部には、円形の装着孔56eが形成されている。装着孔56eは、ピニオンギア12の面取り部12bが形成されていない部分に装着され、ピニオンギア12に芯出しされた状態で装着されている。
【0030】
連結部材57は、外周部が略矩形の部材であり、中心にピニオンギア12の面取り部12bに回転不能に係止される小判形状の貫通孔57aが形成されている。連結部材57の外周部は、略矩形形状であり、内輪本体56の係止凹部56cに係合して内輪本体56を回転不能に係止する。これにより、内輪本体56は、ピニオンギア12と回転不能に連結される。
【0031】
外輪53は、リールボディ2aの前部に回転不能に装着されており、その内周面には、ローラ54に対してくさび効果を発揮するための湾曲したカム面(図示せず)が形成されている。
【0032】
ばね保持部材55は、ローラ54を周方向に間隔を隔てて保持するばね部材58を保持するものである。ばね部材58は、ローラ54を逆転許容方向に付勢して等間隔に配置し、ロータ3が糸繰り出し方向に付勢された状態から糸巻取方向に回転したときの逆転許容動作への応答を速くするために設けられている。
【0033】
ワンウェイクラッチ51の前方において、筒状部2cには、リールボディ2a内部への液体の浸入を防止するためのリップ付きのシール板59が装着されている。シール板59は、5角形状に折り曲げられた抜け止めばね60により抜け止めされている。
【0034】
スプール4は、図2に示すように、ロータ3の第1ロータアーム31と第2ロータアーム32との間に配置されている。スプール4は、図3及び図5に示すように、2つの軸受63,64によりスプール軸15に回転自在に装着されたスプール本体7と、スプール本体7をスプール軸15の先端に装着するドラグ機構8と、スプール本体7の後部を覆うカバー部材9と、第1及び第2シール手段としての第1及び第2シール部材61,62とを有している。
【0035】
先端からロータ3の前方にかけてスプール軸15の外周面には、ドラグ機構8を回転不能に係止するための平行な面取り部15aが形成されている。面取り部15aの先端部には、さらにドラグ機構8のドラグ力を調整操作するためのドラグ操作部70(後述)が螺合する雄ねじ部15bが形成されている。
【0036】
また、スプール軸15のロータ3の前方には、スプール4を回転自在に支持するとともに第1摩擦部71(後述)の後方への移動を規制するための第1支持部25が装着されている。第1支持部25は、筒状の支持部本体26と、支持部本体26の後方への移動を規制するとともに支持部本体26をスプール軸15に対して回転不能にする規制部27とを有している。支持部本体26は、軸受63が装着された小径筒状の軸受装着部26aと、ドラグ機構8を回転不能に係止するために5角星形状に形成された大径の係止部26bとを有している。軸受63の外輪後面は、図示しない抜け止め部材により抜け止めされている。支持部本体26は、スプール軸15に回転自在に装着されており、スプール軸15に径方向に沿ってねじ込まれた止めねじ28によっても、スプール軸15に回転転不能かつ軸方向移動不能に止められている。
【0037】
規制部27は、支持部本体26に固定された3枚の規制ディスク78,79,80を有している。規制ディスク78は、第2シール部材62を規制ディスク79とで挟持する。規制ディスク79は、規制ディスク78より小径であり、第2シール部材62が外周に装着される。規制ディスク79は、中心にスプール軸15の面取り部15aに回転不能に係止される小判形状の貫通孔79aを有している。規制ディスク80は、規制ディスク79より大径であり、中心にスプール軸15の面取り部15aに回転不能に係止される小判形状の貫通孔80aを有している。また、規制ディスク80は、スプール軸15の面取り部15aの後端部に配置されており、スプール軸15の面取り部15aと円形部分との段差により軸方向後方に移動不能に配置されている。これにより、支持部本体26及び第1摩擦部71のスプール軸方向後方への移動が規制される。これらの3枚の規制ディスク78〜80は、規制ディスク80の後方から貫通して支持部本体26の後面にねじ込まれた5本の皿ボルト81により支持部本体26に固定されている。この結果、支持部本体26は、スプール軸15に対してさらに強固に回転不能になる。
【0038】
スプール軸15のスプール本体7の内部には、スプール4を回転自在に支持するための第2支持部29が装着されている。第2支持部29は、スプール軸15に軸方向移動自在に装着された略筒状の内側部材29aと、スプール本体7の内周部に固定された略筒状の外側部材29bとを有しており、内側部材29aと外側部材29bとの間に軸受64が装着されている。内側部材29aは、後面にドラグ機構8を押圧するためのフランジ部29cを有している。
【0039】
外側部材29bの前面中間部には、前方に突出する筒状のシール受け部29dが形成されており、後述するドラグ操作部70に装着されたリップ付きの第3シール部材48の先端が接触している。また、外側部材29bとスプール本体7との間にはOリングからなる第4シール部材49が装着されている。この第3シール部材48と第4シール部材49とによりスプール4の前方から内部への液体の浸入を防止する第3シール手段が構成される。ここで、外側部材29bを設けるとともにシール受け部29dを前面中間部に設けたのは、スプール本体7の糸巻胴部7a(後述)の径が変動しても外側部材29bの形状や有無により変動を吸収できるようにするとともに、その径に応じてドラグ操作部70とドラグ収納空間65(後述)との隙間が変動してもシール位置が変動しないようにしてドラグ操作部70の互換性を維持するためである。すなわち、糸巻胴部7aの径が小さくなった場合には、シール受け部ではなく糸巻胴部7aの内周面に同じサイズの第3シール部材48の先端を直接接触させることができる。
【0040】
スプール本体7は、たとえばアルミニウム合金をダイキャスト成形して得られた大小2段の円筒状の部材であり、外周に釣り糸が巻かれる筒状の糸巻胴部7aと、糸巻胴部7aの前後に設けられた大径の前後のフランジ部7b,7cと、後フランジ部7cから後方に延びる筒状のスカート部7dとを有している。
【0041】
糸巻胴部7aの前側内部には、ドラグ機構8の第2摩擦部72(後述)を収納する筒状のドラグ収納空間65が形成されている。ドラグ収納空間65には、ドラグ機構8を回転不能に係止する1対の係止溝65aが軸方向に沿って形成されている。
【0042】
前フランジ部7bは、糸巻胴部7aと一体形成された内側フランジ部66aと、内側フランジ部66aの外周部に装着された、硬質セラミック製の外側フランジ部66bとを有している。外側フランジ部66bは、スプール4から放出される釣り糸との接触による傷付きや磨耗を防止するために設けられている。外側フランジ部66bは、糸巻胴部7aの前側内周部にねじ込み固定されたフランジ固定部材67により内側フランジ部66aに固定されている。
【0043】
後フランジ部7cは、前フランジ部7bより僅かに大径に糸巻胴部7aと一体形成されている。
【0044】
スカート部7dは、後フランジ部7cと一体形成され後フランジ部7cの外周部から後方に延びる第1部分7gと、カバー部材9から第1部分7gと面一に後方に延びる第2部分7hとを有している。スカート部7dの第1部分7gの内周部には、カバー部材9に螺合する雌ねじ部7iが形成されている。スカート部7dの第1部分7gを含むスプール本体7は、たとえば、JIS H 5302に規定されたアルミニウム合金ダイカスト12種製であり、強度と鋳造のしやすさとを考慮して設定されている。この素材を加工した上にさらにテフロン(登録商標)を含浸させた陽極酸化処理を施して、強度と耐食性を向上させている。
【0045】
スカート部7dの第2部分7hの延びた先端は、スプール4の前進端に移動したとき、ロータ3の円筒部30の先端と僅かに重なる位置に配置される。スカート部7dの内部にはドラグ機構8の第1摩擦部71が収納されている。後フランジ部7cとスカート部7dとの境界部分の内側には、第1摩擦部71を回転不能に係止するための1対の第2係止溝69bが形成されている。
【0046】
ドラグ機構8は、スプール本体7とスプール軸15との間に装着され、スプール4にドラグ力を作用させるための機構である。ドラグ機構8は、ドラグ力を手で調整するためにスプール軸15の先端に配置されたドラグ操作部70と、ドラグ操作部70により押圧される第1及び第2摩擦部71,72とを有している。
【0047】
ドラグ操作部70は、図3及び図5に示すように、ドラグ調整時に発音するドラグ調整発音機構70aと、スプール軸15の先端に形成された雄ねじ部15bに螺合するナット70bと、ドラグ力を増減するコイルばね70cとを内部に有している。ドラグ操作部70は、スプール軸15に対して回動することによりナット70bをスプール軸15に対して前後移動させる。このナット70bの移動により、コイルばね70cを伸縮させて第1摩擦部71及び第2摩擦部72への押圧力を変化させてドラグ力を調整する。ドラグ操作部70の後部外周面には、前述したように第3シール部材48が装着されており、これにより、スプール本体7内部への液体の浸入が防止される。第3シール部材48は、前方に傾斜したリップを有するリップ付きの環状弾性体製のシール部材であり、止め輪48aにより抜け止めされている。
【0048】
第1摩擦部71は、スプール軸15に対して回転不能な2枚の第1ディスク73a,73bと、第1ディスク73a,73bと押圧可能に交互に配置されスプール本体7に対して回転不能な2枚の第2ディスク74a,74bとを有している。また、第1摩擦部71は、3枚の調整ワッシャ76を介して規制部27によりスプール軸方向後方への移動が規制されている。第1ディスク73aと第2ディスク74aの間及び第2ディスク74aと第1ディスク74bの間には、たとえばカーボングラファイト製のドラグディスク90が装着されている。第1摩擦部71は、カバー部材9により覆われており、第1及び第2シール部材61,62により後方から内部への液体の浸入が防止されている。
【0049】
第1ディスク73bは、第1ディスク73aより大径である。第1ディスク73a,73bは、たとえばステンレス合金製の部材であり、第1支持部25の支持部本体26に形成された係止部26bに係止される5角星形状の係止孔73cを中心部に有している。これにより、第1ディスク73a,73bはスプール軸15に対して回転不能であり、スプール軸15はリール本体2に対して回転不能なためリール本体2に対して回転不能になる。第1ディスク73aは、音出しディスク82(後述)を介して規制部27に接触して後方への移動が規制されている。
【0050】
第2ディスク74bは、第4ディスク74aより大径である。第2ディスク74aは、たとえばステンレス合金製の部材であり、第2ディスク74bは、たとえばカーボングラファイト製である。これらの第2ディスク74a,74bは第1ディスク73a,73bと相対回転してドラグ力を発生するものである。第2ディスク74aは、第1ディスク73aと略同径であり、第2ディスク74aは、カバー部材9に形成された第1係止溝69a(後述)に係止される耳部74cを外周部に有し、内周部に第1支持部25が貫通する貫通孔(図示せず)を有している。第2ディスク74bは、スカート部7dの基端部内周側に形成された第2係止溝69bに係止される耳部74dを外周部に有し、内周部に第1支持部25が貫通する貫通孔(図示せず)を有している。これにより、第2ディスク74a,74bはスプール本体7に対して回転不能である。
【0051】
第1ディスク73aの後面には、ドラグ作動時に発音するドラグ発音機構77が配置されている。ドラグ発音機構77は、第1ディスク73aと規制部27との間に配置された音出しディスク82と、カバー部材9に固定された1対のガイド部材83に移動自在に装着された2つの音出しピン84と、各音出しピン84を音出しディスク82側に付勢する2つのコイルばね85とを有している。音出しディスク82は、第1支持部25の係止部26bに回転不能に装着されており、スプール軸15に対して回転不能である。音出しディスク82の音出しピン84に対向する位置には周方向に間隔を隔てて多数の凹部(図3)が形成されている。音出しディスク82の中心部には、係止部26bに係止される5角星形状の係止孔82bが形成されている。ガイド部材83は、カバー部材9にビスにより固定された有底筒状の部材であり、この内部に音出しピン84が進退自在に装着されている。このような構成のドラグ発音機構77では、ドラグが作動してスプール4がスプール軸15に対して相対回転すると、音出しピン84が凹部82aに対して進退を繰り返して振動して発音する。
【0052】
第2摩擦部72は、スプール軸15に対して回転不能な2枚の第3ディスク86a,86bと、糸巻胴部7aに対して回転不能な2枚の第4ディスク87a,87bとを有している。第3ディスク86a,86bと第4ディスク87a,87bとは交互に配置されており、その間には、カーボングラファイト製の3枚のドラグディスク88a〜88cが装着されている。第3ディスク86aは、第2支持部29の内側部材29aに形成されたフランジ部29cに対向して配置されており、スプール軸15に形成された面取り部15aに係止される小判形状の貫通孔86cが内周部に形成されている。第3ディスク86bも同様な貫通孔86cを有している。これにより第3ディスク86a,86bはスプール軸15に対して回転不能になっている。第4ディスク87a,87bの外周部には、ドラグ収納空間65に形成された係止溝65aに係合する耳部87cが突出して形成されている。これにより第4ディスク87a,87bはスプール4に対して回転不能になっている。第4ディスク87bは、ドラグ収納空間65の壁部に接触可能であり、スプール本体7を後方に押圧する。
【0053】
カバー部材9は、ドラグ操作部70をスプール軸15から外して、スプール4をスプール軸15から取り外すとき、第1摩擦部71をスプール本体7とともに着脱するために設けられている。カバー部材9は、スカート部7dの第1部分7gの雌ねじ部7iに螺合する雄ねじ部9aが形成された第1円筒部9bと、第1円筒部9bの内周部から内側に延びる第1円板部9cと、第1円板部9cの内周部から後方に延びる第2円筒部9dと、第2円筒部9dの後端部から内側に延びる第2円板部9eと、第2円板部9eの内周部から後方に延びる第3円筒部9fとを有している。カバー部材9は、たとえばアルミニウム合金ダイカスト5種製であり、軽量で高装飾性を有するアルミニウム合金である。この素材の上にAA15程度の陽極酸化処理を施して耐食被膜を形成している。第1円筒部9bは、スカート部7dの第1部分7gに連なる第2部分7hと一体形成されている。このため、第1円筒部9bは、第2部分7hに対して第1部分7gの略肉厚分だけ小径になっている。第1円筒部9bの前方においてスカート部7dの内周面には、1対の第2係止溝69bが形成されている。第2係止溝69bには、前述したように第1摩擦部71の第2ディスク74bが回転不能に装着されている。
【0054】
第1円板部9cは、第1円筒部9bの先端よりやや後方に位置しており、第1円板部9cの前方には、後フランジ部7cとの間に空間が形成されている。第2円筒部9dは、ロータ3の円筒部30の先端の内周側に配置可能である。第2円筒部9dの先端内周部には、1対の第1係止溝69aが形成されている。第1係止溝69aには、第1摩擦部71の第2ディスク74aが回転不能に係止されている。第2円板部9eには、ドラグ発音機構77が装着されている。第2円板部9eには、ガイド部材83が装着される1対の貫通孔が形成されている。第3円筒部9fは規制部27の外方に配置されている。
【0055】
第1シール部材61はOリングからなり、スカート部7dの第1部分7gの先端内周部とカバー部材9の第1円筒部9bの外周面との間に装着されている。第1シール部材61はカバー部材9の外周部とスカート部7dとの隙間をシールし、カバー部材9の外周部から第1摩擦部71への液体の浸入を防止する。第2シール部材62は、先端に後方に向けて傾いたリップを有するシール部材である。第2シール部材62は、カバー部材9の内周部とスプール軸15との隙間をシールし、カバー部材9の内周部から第1摩擦部71への液体の浸入を防止する。このように、2つのシール部材61,62により第1摩擦部71がシールされているので、後方から第1摩擦部71や第2摩擦部71に液体が侵入しにくくなり、水ぬれによるドラグ力の変動が生じにくくなる。また、スプールの前部も第3シール部材48や第4シール部材49により液体の浸入が防止されているので、スプール4の前部から第2摩擦部72や第1摩擦部71へ液体が浸入しにくくなる。
【0056】
このように構成されたスプール4では、耐食性という面での制限が緩く強度もあまり要しないカバー部材9とスカート部7dの第2部分7hとを一体形成したので、スカート部7dの第2部分7hを耐食性ではなく装飾性を重視した材質や表面処理を施したものにすることができる。また、スカート部7dの第2部分7hを除くスプール本体7の材質は、耐食性や強度を重視した材質や表面処理を施したものにすることができる。このため、スプール4の釣り糸が常時接触する部分の耐食性を維持してスカート部7dの装飾性を向上させることができる。
【0057】
〔リールの操作及び動作〕
釣りを行う前に魚の大きさや種類に合わせてドラグ力を調整する。ドラグ力を調整するには、釣り糸の適宜の長さ繰り出し、釣り糸の先端に対象魚に応じた重りを装着する。そして、ドラグ操作部70を回して適当なドラグ力を設定してハンドル1を回し、ドラグが作動することを確認する。ドラグ操作部70をたとえ時計回りに回すとスプール軸15に螺合するナット70bによりドラグ操作部70が後方に移動し、さらにコイルばね70cを介して第2支持部29の内側部材29aを押圧し、この押圧力が第2摩擦部72に伝達されるとともに、スプール本体7を介してさらに第1摩擦部71に伝達される。これによりドラグ力が大きくなる。このとき、ドラグ調整発音機構70aが軽快なクリック音を発生する。ここでは、スプール本体7の後部の比較的大きな空間に第1摩擦部71を配置したので、糸巻胴部7aの径を小さくした深溝型のスプール4であっても、大きなドラグ力を得ることができる。
【0058】
キャスティング時にはベールアーム44を糸開放姿勢に反転させる。これにより第1ベール支持部材40及び第2ベール支持部材42は揺動する。この状態で釣り竿を握る手の人差し指で釣り糸を引っかけながら釣り竿をキャスティングする。すると釣り糸は仕掛けの重さにより勢いよく放出される。仕掛けが着水した後ハンドル1を糸巻取方向に回転させると、ロータ駆動機構5によりロータ3が糸巻取方向に回転する。ロータ3が回転すると、ベールアーム44がベール反転機構(図示せず)により糸巻取位置に復帰しロータ3の逆転が禁止されているので釣り糸の放出が止まる。
【0059】
釣り糸を巻き取る際には、ハンドル1を糸巻取方向に回転させる。すると、その回転がフェースギア11、ピニオンギア12を介してロータ3に伝達されロータ3が回転する。ロータ3が回転すると、ラインローラ41に案内された釣り糸がスプール4に巻き付けられる。このとき、糸巻胴部7aの径が前後のフランジ部7b,7cに比べて小径な深溝型のスプール4では、スプール全体の径を小さく維持して糸巻き量を多くすることができる。
【0060】
仕掛けに魚がかかると、ドラグ機構8が作動することがある。ドラグ機構8が作動すると、第1摩擦部71の第1ディスク73a,73bと第2ディスク74a,74b及び第2摩擦部72の第3ディスク86a,86bと第4ディスク87a,87bとの間でそれぞれ滑りが生じ、設定されたドラグ力で釣り糸が繰り出される。
【0061】
釣りをしているときやリールを洗浄しているときに、リールが水濡れし、スカート部7dとロータ3の円筒部30との隙間から液体が侵入することがある。しかし、カバー部材9の外周部及び内周部に第1及び第2シール部材61,62が装着されているので、後方から液体が浸入しても第1摩擦部71の内部に液体が浸入することがない。
【0062】
スプール4をスプール軸15から外す場合には、ドラグ操作部70を反時計回りに回転させる。すると、ドラグ操作部70がスプール軸15から外れて、スプール4をスプール軸15から取り出すことができる。このとき、第1摩擦部71は、スプール本体7に装着されたカバー部材9により覆われているので、軸受63及びスプール本体7とともに第1支持部25から外れる。また、第2摩擦部72は、前部が第2支持部29により覆われているので、軸受64及び第2支持部29とともにスプール軸15から外れる。このように、ドラグ機構8は、スプール本体7とともに一体で着脱できる。したがって、スプール4の構成部品のうち、第1支持部25と調整ワッシャ76だけがスプール軸15に残る。
【0063】
〔他の実施形態〕
(a)前記実施形態では、第1摩擦部71と第2摩擦部72とをそれぞれ2枚の第1ディスク及び第2ディスクで構成したが、いずれかを1枚の第1ディスク及び第2ディスクで構成してもよい。以下の説明では構成上の特徴のみ説明する。
【0064】
図6において、スプール104は、前記実施形態より細径の糸巻胴部107aを有するスプール本体107を有している。したがって、第2摩擦部172の収納空間は狭くなっている。また、前フランジ部107bの外側フランジ部166bは、内側フランジ部166aに比べ大きな面積となっている。このため、フランジ固定部材167は、径方向に間隔を隔てた異なる2カ所で外側フランジ部166bを押圧している。また、フランジ固定部材167は、糸巻胴部107aの前端外周面に螺合している。
【0065】
第1支持部125は、スプール軸15に止めねじ128により回転不能かつ軸方向移動不能に装着されており、鍔部127を有する筒状の支持部本体126を有している。鍔部127には、Oリングからなる第2シール部材162が装着されている。第2支持部129は、スプール軸15に回転不能かつ軸方向移動不能に装着された内側部材129aだけを有している。軸受64は、内輪が内側部材129aに装着され、外輪が糸巻胴部107aに装着されている。
【0066】
ドラグ操作部170に装着された第3シール部材148は、糸巻胴部107aの内周面に直接接触している。このドラグ操作部170は、前記実施形態と同じ構造のものでよくドラグ操作部170及び第3シール部材148の互換性を維持できる。
【0067】
ドラグ機構108の第1摩擦部171は、第1ディスク173と、第2ディスク174とを有している。第1ディスク17は、第1支持部25に回転不能に装着され、第2ディスク174はスプール本体107に形成された1対の係止溝169に回転不能に係止されている。
【0068】
第2摩擦部172は、直径は異なるが構造的には前記実施形態と同様に2枚の第ディスクと第ディスクとを有している。
【0069】
カバー部材109は、スカート部107dの第1部分107gの雌ねじ部107iに螺合する雄ねじ部109aが形成された第1円筒部109bと、第1円筒部109bの内周部から内側に延びる円板部109cと、円板部109cの内周部から後方に延びる第2円筒部109dとを有している。カバー部材109は、たとえばアルミニウム合金ダイカスト6種製であり、軽量で高装飾性を有するアルミニウム合金である。この素材の上にAA15程度の陽極酸化処理を施して耐食被膜を形成している。第1円筒部109bは、スカート部107dの第1部分107gに連なる第2部分107hと一体形成されている。このため、第1円筒部109bは、第2部分107hに対して第1部分107gの略肉厚分だけ小径になっている。第1円筒部109bの前方においてスカート部107dの内周面には、1対の係止溝169が形成されている。係止溝169には、前述したように第1摩擦部171の第2ディスク174が回転不能に装着されている。
【0070】
円板部109cは、第1円筒部109bの先端よりやや後方に位置しており、円板部109cの前方には、後フランジ部107cとの間に空間が形成されている。第2円筒部109dは、鍔部127の外方に配置されている。この第2円筒部109dと鍔部127との間に第2シール部材162が装着されている。
【0071】
このように構成されたスプール104でも、耐食性という面での制限が緩く強度もあまり要しないカバー部材109とスカート部107dの第2部分107hとを一体形成したので、スカート部107dの第2部分107hの材質を耐食性ではなく装飾性を重視したものにすることができる。また、スカート部107dの第2部分107hを除くスプール本体107の材質は、耐食性や強度を重視したものにすることができる。このため、スプール104の釣り糸接触部分の耐食性を維持してスカート部107dの装飾性を向上させることができる。
【0072】
(b)前記実施形態では、スプールの糸巻胴部内に第2摩擦部72を設けたが、第2摩擦部72を設けずにさらに糸巻胴部の径を小さくしてもよい。この場合、ドラグ操作部を糸巻胴部の前端面に接触させスプール本体を押圧してもよく、また、スプールを支持する軸受を介してスプール本体を押圧してもよい。
【0073】
(c)前記実施形態では、スプール全体を金属製にしたが、スプール本体を耐食性を考慮して合成樹脂製にし、カバー部材を含むスカート部を装飾性を考慮してステンレス合金製にしてもよい。
【0074】
(d)前記実施形態での材質表面処理は一例であり、スプール本体は耐食性を考慮した材質や表面処理であればどのようなものを用いてもよい。また、スカート部も装飾性を考慮した材質や表面処理であればどのようなものでもよい。
【0075】
【発明の効果】
本発明によれば、耐食性という面での制限が緩いカバー部材とスカート部の筒状部とを一体形成したので、スカート部の筒状部の材質を耐食性よりも装飾性を重視したものにすることができる。また、スカート部の筒状部を除くスプール本体の材質や表面処理は、耐食性を重視したものにすることができる。このため、釣り糸接触部分の耐食性を維持してスカート部の装飾性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態を採用したスピニングリールの左側面図。
【図2】 その左側面断面図。
【図3】 そのスプール部分の断面拡大図。
【図4】 逆転防止機構の分解斜視図。
【図5】 スプールの分解斜視図。
【図6】 他の実施形態の図3に相当する図。
【符号の説明】
2 リール本体
3 ロータ
4,104 スプール
7,107 スプール本体
7a,107a 糸巻胴部
7b,107b 前フランジ部
7c,107c 後フランジ部
7d,107d スカート部
7g,107g 第1部分
7h,107h 第2部分
8,108 ドラグ機構
9,109 カバー部材
25,125 第1支持部
29 第2支持部
30 円筒部
48,148 第3シール部材
49 第4シール部材
61 第1シール部材
62 第2シール部材
65 ドラグ収納空間
70,170 ドラグ操作部
71,171 第1摩擦部
72,172 第2摩擦部
73a,73b,173 第1ディスク
74a,74b,174 第2ディスク
77 ドラグ発音機構
86a,86b 第3ディスク
87a,87b 第4ディスク

Claims (8)

  1. スピニングリールのリール本体に前後移動自在に設けられたスプール軸に装着されるスピニングリールのスプールであって、
    前記スプール軸に回転自在に装着された筒状の糸巻胴部と、前記糸巻胴部の前後にそれぞれ設けられ前記糸巻胴部より大径の前後のフランジ部と前記後フランジ部から後方に延びる筒状のスカート部とを有するスプール本体と、
    前記糸巻胴部を押圧するように前記スプール軸の先端に螺合するドラグ操作部及び前記後フランジ部の後面に接触可能でありかつ前記スプール軸に後方への移動を規制された状態で配置された第1摩擦部を有するドラグ機構と、
    前記第1摩擦部を覆うように前記スプール本体に設けられたカバー部材とを備え、
    前記スカート部は、前記カバー部材と一体形成された筒状部を少なくとも一部に有する、スピニングリールのスプール。
  2. 前記スカート部は、前記後フランジ部と一体形成され前記後フランジ部の外周部から後方に延びる第1部分と、前記カバー部材と一体形成され前記第1部分から後方に延びる前記筒状部としての第2部分とを有し、
    前記カバー部材は、前記第1部分の内周面に螺合することにより前記スプール本体に固定されている、請求項1に記載のスピニングリールのスプール。
  3. 前記第1摩擦部は、前記スプール軸に対して回転不能な1又は複数の第1ディスクと、前記第1ディスクと交互に配置され、前記スプール本体に対して回転不能な1又は複数の第2ディスクとを有する、請求項1又は2に記載のスピニングリールのスプール。
  4. 前記カバー部材と前記スプール本体との間に装着され両者の隙間をシールする第1シール手段と、
    前記スプール軸と前記カバー部材との間に装着され両者の隙間をシールする第2シール手段とをさらに備えた、請求項1から3のいずれかに記載のスピニングリールのスプール。
  5. 前記スプール軸に回転不能かつ軸方向移動不能に装着され軸受を介して前記糸巻胴部を回転自在に支持する第1支持部をさらに備え、
    前記第2シール手段は、前記第1支持部に装着され、前記第1支持部と前記カバー部材との隙間をシールする、請求項4に記載のスピニングリールのスプール。
  6. 前記カバー部材に設けられ、前記ドラグ機構の作動時に発音する発音機構をさらに備える、請求項1から5のいずれかに記載のスピニングリールのスプール。
  7. 前記糸巻胴部の内部には筒状のドラグ収納空間が形成されており、
    前記ドラグ機構は、前記ドラグ収納空間に収納され前記ドラグ操作部により押圧される第2摩擦部を有する、請求項1から6のいずれかに記載のスピニングリールのスプール。
  8. 前記スプール本体は、高耐食性アルミニウム合金又は高耐食性表面処理を施したアルミニウム合金である、請求項1から7のいずれかに記載のスピニングリールのスプール。
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